特許拒絶査定不服審判
2022-016455
通知制御装置、通知制御システム、通知制御方法及びプログラム
- 審判番号
- 2022-016455
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-045824外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年10月14日
- 審決日
- 2023年08月17日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (H04Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021- 45824「通知制御装置、通知制御システム、通知制御方法及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 7月15日出願公開、特開2021-103888〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成28年5月11日に出願された特願2016-95272号の一部を令和3年3月19日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
令和 3年 3月19日 上申書
令和 4年 2月 9日付け 拒絶理由通知書
3月25日 意見書・手続補正書
8月17日付け 拒絶査定
10月14日 審判請求書
以下では、令和4年8月17日付け拒絶査定を「原査定」という。
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和4年3月25日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に記載される以下のとおりのものであると認める。
「 【請求項1】
第1の他の装置から送信される前記第1の他の装置の状態を通知する状態通知情報を受信する状態通知情報受信部と、
前記状態通知情報に基づき前記第1の他の装置の状態をユーザに通知する際に使用する第2の他の装置の出力部の制御内容について、前記第1の他の装置毎に、前記状態通知情報と、前記第2の他の装置の出力部が有するデバイス及び当該デバイスの用い方を定めた制御内容と、を対応づけた他装置出力部制御テーブルを記憶する他装置出力部制御テーブル記憶部と、
前記状態通知情報受信部が受信した前記状態通知情報に対応する前記第2の他の装置の出力部の制御内容を、前記他装置出力部制御テーブルを参照して取得することにより、前記第2の他の装置の出力部を制御する出力部制御情報を生成する他装置出力部制御情報生成部と、
前記他装置出力部制御情報生成部が生成した前記出力部制御情報を、前記第2の他の装置に送信する他装置出力部制御情報送信部と、
を備える通知制御装置。」
第3 原査定の概要
原査定の概要は、以下のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1及び3~5に係る発明は、下記の文献1に記載された発明及び文献2に記載された発明に基いて、請求項2に係る発明は、文献1に記載された発明、文献2に記載された発明及び文献3に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29第2項の規定により特許を受けることができない。
1.特開2016-63429号公報
2.特開2015-29170号公報
3.特開2016-16608号公報(周知技術を示す文献)
第4 引用文献の記載事項
1 原査定で引用された特開2016-63429号公報(以下、「引用文献」という。)には、以下の記載がある。なお、下線は強調のため当審にて付した。
(1)「【0022】
また、メッセージ通知制御システム1において制御装置10は、冷蔵庫30aから、冷蔵庫30aに対するユーザ操作および冷蔵庫30aの動作状態などに係る状態情報を取得する。そして、制御装置10は、上記メッセージリストにおいて上記状態情報に対応付けられているメッセージ(発話メッセージ)を、リビングのエアコン30bに送信し、該メッセージをリビングのエアコン30bに発話させる。」
(2)「【0029】
まず、制御装置10の概要を整理しておく。制御装置10は、リビングのエアコン30b(被制御装置)に、例えば、所定のメッセージを発話させるなどの所定の処理を実行させる制御装置であって、冷蔵庫30a(被検出装置)に対するユーザ操作を検出する機器情報取得部170(検出手段)と、機器情報取得部170により冷蔵庫30aに対する上記ユーザ操作が検出されると、冷蔵庫30aと上記ユーザ操作との組合せに対応付けられている、リビングのエアコン30bと上記所定の処理との組合せに応じて、リビングのエアコン30bに当該所定の処理を実行させるメッセージ送信部200(実行制御手段)と、を備えている。
【0030】
メッセージ送信部200は、冷蔵庫30aと上記ユーザ操作との組合せと、リビングのエアコン30bと上記所定の処理との組合せとを対応付けたメッセージリスト141(動作条件情報)を参照して、機器情報取得部170により、メッセージリスト141に含まれる冷蔵庫30aと上記ユーザ操作との組合せに一致する、冷蔵庫30aに対する上記ユーザ操作が検出されると、メッセージリスト141において冷蔵庫30aと当該ユーザ操作との組合せに対応付けられているリビングのエアコン30bと上記所定の処理との組合せに従って、リビングのエアコン30bに当該所定の処理を実行させる。」
(3)「【0039】
(制御装置)
制御装置10は、メッセージ登録画面送信部110、ユーザメッセージ取得部120、メッセージ登録部130、外部情報受信部150、条件判定部160、機器情報取得部170、メッセージ作成部180、発信端末識別部190、メッセージ送信部200、および記憶部140を備えている。制御装置10についての理解を容易にするため、まず、記憶部140、特に記憶部140に格納されているメッセージリスト141について説明する。
【0040】
(メッセージリスト)
記憶部140は、制御装置10が使用する各種データを格納する。記憶部140は、制御装置10(特に、メッセージ登録画面送信部110、ユーザメッセージ取得部120、メッセージ登録部130、外部情報受信部150、条件判定部160、機器情報取得部170、メッセージ作成部180、発信端末識別部190、およびメッセージ送信部200)が実行する(1)制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを記憶する。上記の(1)~(4)のデータは、例えば、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)、HDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置に記憶される。また、記憶部140には、メッセージリスト141が格納されている。
【0041】
メッセージリスト141には、メッセージの内容(通知内容)と、該メッセージを通知する(発話する)登録被制御装置30と、該メッセージを通知するための条件(通知条件)とが対応付けられて格納されている。なお、通知条件は、どの登録被制御装置30に対する、どのようなユーザ操作および動作状態が、いつ、検出された場合に、上記メッセージをユーザに通知すべきかを、定義している。つまり、メッセージリスト141に格納されている各メッセージリストは、どの登録被制御装置30に対する(検出被制御装置)、どのようなユーザ操作があったこと検出すると、どの登録被制御装置30に(動作被制御装置)、そのような内容のメッセージを発話させるか(所定の処理)を定義している。
【0042】
図4は、制御装置10の記憶部140に格納されるメッセージリスト141のデータの一例を示す図である。図4に例示するメッセージリスト141には、メッセージリスト141に格納されている各メッセージリストを識別するためのメッセージIDが付与されたメッセージリストが格納されている。例えば、図4のメッセージリスト141における、「メッセージID:001」のメッセージリスト(動作条件情報)について、説明すれば、以下の通りである。すなわち、「メッセージID:001」のメッセージリストは、パパによって登録されたものであり(「メッセージ登録者:パパ」)、以下の通知条件を定義している。すなわち、「冷蔵庫30a(「検出機器:冷蔵庫」)のドアを開ける(「ユーザ操作:ドアを開ける」)という操作を、14時から16時まで(「時刻:14:00~16:00」)に検出する」という通知条件が定義されている。また、「メッセージID:001」のメッセージリストは、上記通知条件が満たされた場合に、「冷蔵庫が開けられました」という内容の(「メッセージ内容:冷蔵庫が開けられました」)メッセージを、ママを宛先として(「メッセージ宛先:ママ」)、リビングのエアコン30b(「動作機器:リビングのエアコン」)に、発話させる(「何をさせる:発話」)ことを定義している。
【0043】
すなわち、メッセージリスト(動作条件情報)においては、被検出装置(上記メッセージリスト141における「検出機器」の項目)に対する、ユーザ操作(上記メッセージリスト141における「ユーザ操作」の項目)が、いつの時間帯(上記メッセージリスト141における「時刻」の項目)に検出されるかを通知条件とするかが、定義されている。また、メッセージリスト(動作条件情報)においては、上記通知条件が満たされたと判定した場合に、被制御装置(上記メッセージリスト141における「動作機器」の項目)に、どのような処理を実行させるかが、定義されている。そして、「どのような処理を実行させるか」という点については、具体的には、どのような内容の(上記メッセージリスト141における「メッセージ内容」の項目)メッセージを、どのような通知の形態によって(上記メッセージリスト141における「何をさせる」の項目)、誰を宛先として(上記メッセージリスト141における「メッセージ宛先」の項目)、通知するかが、メッセージリストにおいて定義されている。」
(4)「【0048】
機器情報取得部170は、登録被制御装置30(例えば、冷蔵庫30a)から、登録被制御装置30に対するユーザ操作、および登録被制御装置30の動作状態(例えば、電源のON/OFF状態)などに係る状態情報を取得する。そして、機器情報取得部170は、登録被制御装置30から取得した状態情報を、条件判定部160に通知する。」
(当審注:
【0048】に「機器情報取得部170は、登録被制御装置30(例えば、冷蔵庫30a)から、登録被制御装置30に対するユーザ操作、および登録被制御装置30の動作状態(例えば、電源のON/OFF状態)などに係る状態情報を取得する。」との記載がある。
前記記載について、「制御装置10は、冷蔵庫30aから、冷蔵庫30aに対するユーザ操作および冷蔵庫30aの動作状態などに係る状態情報を取得する。」(【0022】)との記載、「冷蔵庫30a(被検出装置)」(【0029】)との記載、「冷蔵庫30aに対する上記ユーザ操作」(【0030】)との記載、及び、「冷蔵庫30aは、自装置の動作状態等を状態情報として送信する被検出装置であるが、制御装置10によって所定の動作を実行させられ得る自制御装置ではないとしてもよい。」(【0054】)との記載を参照すると、【0048】の「登録被制御装置30」は、「被検出装置30」の誤記であると認められる。
したがって、【0048】の前記記載は、「機器情報取得部170は、被検出装置30(例えば、冷蔵庫30a)から、被検出装置30に対するユーザ操作、および被検出装置30の動作状態(例えば、電源のON/OFF状態)などに係る状態情報を取得する。」の誤記であると認められる。)
(5)「【0049】
条件判定部160は、メッセージリスト141に格納されている各メッセージリストの通知条件が満たされているか否かを判定し、判定結果をメッセージ作成部180に通知する。具体的には、条件判定部160は、外部情報受信部150から取得する外部情報、および機器情報取得部170から取得する状態情報に基づいて、通知条件が満たされたメッセージリストがメッセージリスト141に格納されているかを判定する。そして、通知条件が満たされたメッセージリストが格納されていると判定すると、条件判定部160は、該メッセージリストを、メッセージ作成部180および発信端末識別部190に通知する。また、条件判定部160は、通知条件が満たされたと判定した上記メッセージリストに加えて、外部情報受信部150から取得した外部情報、および機器情報取得部170から取得した状態情報を、メッセージ作成部180および発信端末識別部190に通知する。
【0050】
メッセージ作成部180は、条件判定部160によって通知条件が満たされていると判定されたメッセージリストに基づいて、メッセージを生成する。そして、メッセージ作成部180は、生成したメッセージをメッセージ送信手段に通知する。
【0051】
発信端末識別部190は、条件判定部160によって通知条件が満たされていると判定されたメッセージリストに基づいて、メッセージの宛先を決定する。上記の通り、メッセージリスト141には、通知条件と、該通知条件が満たされたと判定された場合に通知されるメッセージの内容(通知内容)と、該メッセージの宛先とが相互に対応付けられて、格納されている。発信端末識別部190は、メッセージリストに基づいて決定したメッセージの宛先を、メッセージ送信手段に通知する。
【0052】
メッセージ送信部200は、メッセージ作成部180から通知されたメッセージを、発信端末識別部190から通知された宛先に送信し、該メッセージを該宛先となっている登録被制御装置30に発話させる。つまり、メッセージ送信部200は、条件判定部160によって通知条件が満たされていると判定されたメッセージリストに基づいて、該通知条件に対応付けられているメッセージを、該通知条件に対応付けられている登録被制御装置30に発話させる。」
(6)「【0054】
(被制御装置)
冷蔵庫30a、およびリビングのエアコン30bは、いずれも、制御装置10によって所定の動作を実行させられ得る登録被制御装置30であり、また、登録被制御装置30に、自装置の動作状態等を状態情報として送信する被検出装置である。ただし、冷蔵庫30aは、自装置の動作状態等を状態情報として送信する被検出装置であるが、制御装置10によって所定の動作を実行させられ得る自制御装置ではないとしてもよい。同様に、リビングのエアコン30bは、制御装置10によって所定の動作を実行させられ得る自制御装置ではあるが、被検出装置ではないとしてもよい。
【0055】
登録被制御装置30は、機器通信部31および処理実行部32を備えている。
【0056】
機器通信部31は、制御装置10から、登録被制御装置30が通知(発話)すべきメッセージを発話指示情報(指示情報)として受信する。また、機器通信部31は、制御装置10に、登録被制御装置30の状態情報を送信する。
【0057】
処理実行部32は、登録被制御装置30に対するユーザ操作、登録被制御装置30の動作状態等を、機器通信部31に通知する。また、処理実行部32は、機器通信部31が制御装置10から受信した指示情報に対応する処理を実行する。具体的には、機器通信部31が制御装置10から受信したメッセージを発話する。」
(7)図4
[図:0001403395000001.jpg]
図4によれば、メッセージリストの「何をさせる」の項目の内容には、「発話」及び「メール」があり、「メッセージ内容」の項目の内容には、「冷蔵庫が開けられました」、「リビングのエアコンの電源がONにされたよ」等がある。
2 前記1の記載によれば、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。なお、後の参照での便宜のため、引用発明を構成毎に分説し、それぞれの構成にa~nの記号を付し、「構成a」のように参照する。(アルファベット小文字の「l」は、算用数字の「1」及びアルファベット大文字の「I」と紛らわしいので、使用しない。)
a メッセージ通知制御システム1における制御装置10であって、(【0022】)
b 制御装置10は、条件判定部160、機器情報取得部170、メッセージ作成部180、メッセージ送信部200、および記憶部140を備え、(【0039】)
c 記憶部140には、メッセージリスト141が格納され、(【0040】)
d メッセージリストにおいては、被検出装置(「検出機器」の項目)に対する、ユーザ操作(「ユーザ操作」の項目)が、いつの時間帯(「時刻」の項目)に検出されるかを通知条件とするかが、定義され、また、上記通知条件が満たされたと判定した場合に、被制御装置(「動作機器」の項目)に、どのような処理を実行させるかが、定義され、そして、「どのような処理を実行させるか」という点については、どのような内容の(「メッセージ内容」の項目)メッセージを、どのような通知の形態によって(「何をさせる」の項目)、誰を宛先として(「メッセージ宛先」の項目)、通知するかが、定義されており、(【0043】)
e メッセージリストの「何をさせる」の項目の内容には、「発話」及び「メール」があり、「メッセージ内容」の項目の内容には、「冷蔵庫が開けられました」、「リビングのエアコンの電源がONにされたよ」等があり、(図4)
f 機器情報取得部170は、被検出装置30から、被検出装置30に対するユーザ操作、および被検出装置30の動作状態(例えば、電源のON/OFF状態)などに係る状態情報を取得し、(【0048】)
g 条件判定部160は、機器情報取得部170から取得する状態情報に基づいて、通知条件が満たされたメッセージリストがメッセージリスト141に格納されているかを判定し、通知条件が満たされたメッセージリストが格納されていると判定すると、該メッセージリストを、メッセージ作成部180に通知し、(【0049】)
h メッセージ作成部180は、条件判定部160によって通知条件が満たされていると判定されたメッセージリストに基づいて、メッセージを生成し、生成したメッセージをメッセージ送信手段に通知し、(【0050】)
i メッセージ送信部200は、メッセージ作成部180から通知されたメッセージを送信し、該メッセージを該宛先となっている登録被制御装置30に発話させ、(【0052】)
j 登録被制御装置30は、機器通信部31および処理実行部32を備え、(【0055】)
k 機器通信部31は、制御装置10から、登録被制御装置30が通知(発話)すべきメッセージを発話指示情報(指示情報)として受信し、(【0056】)
m 処理実行部32は、機器通信部31が制御装置10から受信した指示情報に対応する処理を実行する(【0057】)
n 制御装置10。
第5 本願発明と引用発明との対比
後の参照の便宜のため、本願の請求項1を以下のA~Eに分説し、それぞれの記号を用いて「発明特定事項A」のように参照する。
A 第1の他の装置から送信される前記第1の他の装置の状態を通知する状態通知情報を受信する状態通知情報受信部と、
B 前記状態通知情報に基づき前記第1の他の装置の状態をユーザに通知する際に使用する第2の他の装置の出力部の制御内容について、前記第1の他の装置毎に、前記状態通知情報と、前記第2の他の装置の出力部が有するデバイス及び当該デバイスの用い方を定めた制御内容と、を対応づけた他装置出力部制御テーブルを記憶する他装置出力部制御テーブル記憶部と、
C 前記状態通知情報受信部が受信した前記状態通知情報に対応する前記第2の他の装置の出力部の制御内容を、前記他装置出力部制御テーブルを参照して取得することにより、前記第2の他の装置の出力部を制御する出力部制御情報を生成する他装置出力部制御情報生成部と、
D 前記他装置出力部制御情報生成部が生成した前記出力部制御情報を、前記第2の他の装置に送信する他装置出力部制御情報送信部と、
E を備える通知制御装置。
以下では、本願発明と引用発明との対比を、発明特定事項A~Eについて行う。
1 発明特定事項E(「通知制御装置」)について
対比の便宜上、発明特定事項Eと引用発明とを最初に対比する。
引用発明は「メッセージ通知制御システム1における制御装置10」(構成a)であるから、本願発明の「通知制御装置」に相当する。
2 発明特定事項Aについて
(1)「第1の他の装置」について
引用発明において「被検出装置」と「被検出装置30」は同一の装置を指すものと解され、「被検出装置」は、「制御装置10」とは別の装置であるから、これを「第1の他の装置」と称することは任意である。
(2)「状態通知情報」について
引用発明では、「機器情報取得部170は、被検出装置30から、被検出装置30に対するユーザ操作、および被検出装置30の動作状態(例えば、電源のON/OFF状態)などに係る状態情報を取得」(構成f)するから、引用発明の「状態情報」は、「被検出装置30」から「機器情報取得部170」に送信されるものであり、「被検出装置30」の状態を通知する情報であると解される。
ここで、引用発明の「被検出装置30」は、本願発明の「第1の他の装置」に相当する(前記(1))。
そうすると、本願発明の「状態通知情報」と引用発明の「状態情報」とは、「第1の他の装置から送信される前記第1の他の装置の状態を通知する状態通知情報」である点で一致する。
(3)「状態通知情報受信部」について
引用発明の「機器情報取得部170」は、「状態情報を取得」する(構成f)から、「状態情報」を受信する部分であり、前記(2)も考慮すると、本願発明の「状態通知情報受信部」に相当する。
そして、引用発明の「機器情報取得部170」は、「制御装置10」に備わる(構成b)。
よって、前記(2)も考慮すると、本願発明と引用発明とは、「第1の他の装置から送信される前記第1の他の装置の状態を通知する状態通知情報を受信する状態通知情報受信部」を備える点で一致する。
3 発明特定事項Bについて
(1)「第2の他の装置」について
引用発明の「被制御装置」及び「登録被制御装置30」は同一の装置を指すものと解され、「被制御装置」は、「制御装置10」及び「被検出装置」とは別の装置であるから、これを「第2の他の装置」と称することは任意である。
(2)「他装置出力部制御テーブル」について
ア 引用発明の「条件判定部160」は、「機器情報取得部170から取得する状態情報に基づいて、通知条件が満たされたメッセージリストがメッセージリスト141に格納されているかを判定し、通知条件が満たされたメッセージリストが格納されていると判定すると、該メッセージリストを、メッセージ作成部180に通知」する(構成g)。
すなわち、引用発明では、
(i)「条件判定部160」は、「メッセージリスト141」に格納されたもののうち、「状態情報」に基づいて通知条件が満たされたものを、「通知条件が満たされたメッセージリスト」とする。
イ 引用発明の「メッセージ作成部180」は、「条件判定部160によって通知条件が満たされていると判定されたメッセージリストに基づいて、メッセージを生成し、生成したメッセージをメッセージ送信手段に通知」する(構成h)。
すなわち、引用発明の「メッセージ作成部180」において生成される「メッセージ」は、「条件判定部160によって通知条件が満たされていると判定されたメッセージリストに基づいて」生成される。
ここで、「条件判定部160によって通知条件が満たされていると判定されたメッセージリスト」は、文脈から、前記アの「通知条件が満たされたメッセージリスト」と同一と解される。
以上によれば、引用発明では、
(ii)「メッセージ作成部180」は、「通知条件が満たされたメッセージリスト」から「メッセージ」を生成して「メッセージ送信部200」に送信する。
ウ 引用発明の「メッセージ作成部180」が「生成したメッセージ」は、「メッセージ送信手段に通知」される(構成h)。
引用発明の「メッセージ送信手段」(構成h)及び「メッセージ送信部200」(構成i)は、文脈から、同一と解される。
ここで、引用発明では「メッセージ送信部200は、メッセージ作成部180から通知されたメッセージを送信し、該メッセージを該宛先となっている登録被制御装置30に発話させ」る(構成i)のだから、「メッセージ作成部180から通知されたメッセージ」(前記イにおける「メッセージ作成部180」において生成される「メッセージ」と同一と解される。)は、「登録被制御装置30」に送信され、「登録被制御装置30」を発話させるものと解される。
以上によれば、引用発明では、
(iii)「メッセージ送信部200」は、「メッセージ作成部180から通知されたメッセージ」を「登録被制御装置30」に送信し、「登録被制御装置30」に発話させる。
エ 引用発明の「機器通信部31」は、「制御装置10から、登録被制御装置30が通知(発話)すべきメッセージを発話指示情報(指示情報)として受信」する(構成k)。
文脈によれば、「登録被制御装置30が通知(発話)すべきメッセージ」は、前記ウの「メッセージ作成部180から通知されたメッセージ」と同一と解される。
また、引用発明の「登録被制御装置30」は、「機器通信部31」を備える(構成j)。
以上によれば、引用発明では、
(iv)「登録被制御装置30」の「機器通信部31」は、「メッセージ作成部180から通知されたメッセージ」を「発話指示情報(指示情報)」として受信する。
オ 引用発明の「処理実行部32」は、「制御装置10から受信した指示情報に対応する処理を実行する」(構成m)。
文脈によれば、「制御装置10から受信した指示情報」は、前記エの「発話指示情報(指示情報)」と同一と解される。
また、引用発明の「登録被制御装置30」は、「処理実行部32を備え」る(構成j)。
以上、及び、前記ア~エも合わせると、引用発明は、
(i)「条件判定部160」は、「メッセージリスト141」に格納されたもののうち、「状態情報」に基づいて通知条件が満たされたものを、「通知条件が満たされたメッセージリスト」とし、
(ii)「メッセージ作成部180」は、「通知条件が満たされたメッセージリスト」から「メッセージ」を生成して「メッセージ送信部200」に送信し、
(iii)「メッセージ送信部200」は、「メッセージ作成部180から通知されたメッセージ」を「登録被制御装置30」に送信し、
(iv)「登録被制御装置30」の「機器通信部31」は、「メッセージ作成部180から通知されたメッセージ」を「発話指示情報(指示情報)」として受信し、
(v)「登録被制御装置30」の「処理実行部32」は、「発話指示情報(指示情報)」に対応する処理を実行する。
カ 前記オ(v)によれば、引用発明の「発話指示情報(指示情報)」は「処理実行部32」を制御する情報である。
そして、「発話指示情報(指示情報)」は「メッセージ作成部180から通知されたメッセージ」であって(前記オ(iv))、「メッセージ作成部180から通知されたメッセージ」は「通知条件が満たされたメッセージリスト」から生成されるものであり(前記オ(ii)(iii))、「通知条件が満たされたメッセージリスト」は、「メッセージリスト141」に格納されたもののうち、通知条件が満たされたものである(前記オ(i))。
「メッセージリスト141」には、「何をさせる」の項目の内容として「発話」及び「メール」があり、「メッセージ内容」の項目の内容として「冷蔵庫が開けられました」、「リビングのエアコンの電源がONにされたよ」等がある(構成e)。
そうすると、「メッセージリスト141」の「何をさせる」の項目及び「メッセージ内容」の項目が、「発話指示情報(指示情報)」の一部を構成し、「処理実行部32」に実行される処理を指示し、「処理実行部32」を制御する情報として働くものと解される。
キ 前記カによれば、引用発明の「処理実行部32」は、「発話」及び「メール」を行うものであり、「発話」及び「メール」は、いずれも、「メッセージ内容」を外部に出力することと解されるから、「処理実行部32」は「出力部」といえる。
そうすると、引用発明の「登録被制御装置30」に備わる「処理実行部32」(構成j)は、本願発明の「第2の他の装置」の出力部に相当し、これを「他装置出力部」と称することは任意である。
ク 前記カ及びキによれば、「メッセージリスト141」(特に「何をさせる」の項目及び「メッセージ内容」の項目)は、他装置出力部を制御する情報であるといえる。
ケ 引用発明において「メッセージリスト」と「メッセージリスト141」は同一のリストを指すものと解され、図4を参照すると、「メッセージリスト」は表形式で表されるものであるからテーブルといえる。
そうすると、本願発明の「他装置出力部制御テーブル」と引用発明の「メッセージリスト」とは、「テーブル」である点で一致する。
コ 前記ク及びケによれば、引用発明の「メッセージリスト」は、本願発明の「他装置出力部制御テーブル」に相当する。
(3)「対応づけた」について
ア 引用発明の「メッセージリスト」においては、「被検出装置…に対する、ユーザ操作…が、いつの時間帯…に検出されるかを通知条件とするかが、定義され」ている(構成d)。ここで、前記「ユーザ操作」は、「被検出装置30」から取得される「被検出装置30に対するユーザ操作、および被検出装置30の動作状態…などに係る状態情報」(構成f)から得られるものと解される。そうすると、引用発明の「メッセージリスト」は、「被検出装置」と、「状態情報」と、「時間帯」とを対応づけて「通知条件」として定義したものと認められる。
イ 加えて、引用発明の「メッセージリスト」は、「上記通知条件が満たされたと判定した場合に、被制御装置…に、どのような処理を実行させるかが、定義され」ている(構成d)。
「上記通知条件」は、前記アのとおり、「被検出装置」、「状態情報」及び「時間帯」の対応づけで定義されるものである。
そうすると、「メッセージリスト」は、「上記通知条件」と、「被制御装置」(本願発明の「第2の他の装置」に相当)と、「被制御装置」に「どのような処理を実行させるか」以下(「被制御装置の処理」という。)とを対応づけたもの、すなわち、「被検出装置」、「状態情報」及び「時間帯」並びに「被制御装置」及び「被制御装置の処理」を対応づけたものと認められる。
ウ ここで、引用発明の「どのような処理を実行させるか」(「被制御装置の処理」)については、「メッセージ内容…を、どのような通知の形態によって(「何をさせる」の項目)、誰を宛先として…、通知するかが、定義されて」いる(構成d)。
そうすると、引用発明の「メッセージリスト」は、「被検出装置」、「状態情報」及び「時間帯」並びに「被制御装置」、「メッセージ内容」、「何をさせる」(以下、「通知方法」という。)、及び、「宛先」の人物と、を対応づけたものと認められる。
換言すれば、引用発明の「メッセージリスト」は、「被検出装置」毎に、「状態情報」と、「被制御装置」と、「メッセージ内容」と、「通知方法」と、「宛先」の人物と、を対応づけたものと認められる。
エ 前記ウによれば、引用発明の「メッセージリスト」は、「被制御装置」と、「メッセージ内容」と、「通知方法」と、「宛先」の人物とを対応づけている。
引用発明の「メッセージ内容」及び「通知方法」は、「被制御装置」の用い方を定めた制御内容といえる。
そして、前記(2)カによれば、「登録被制御装置30」のうち、「メッセージリスト」によって制御されるのは「処理実行部32」であるから、「被制御装置」の用い方は、つまるところ「処理実行部32」の用い方であると解される。
また、引用発明の「メッセージリスト」に含まれる「被制御装置」は、制御の対象となる「処理実行部32」を定めるものといえる。
他方、引用発明の「処理実行部32」は、デバイスを有するとは特定されていない。
オ 前記ウ及びエによれば、本願発明の「他装置出力部制御テーブル」と、引用発明の「メッセージリスト」とは、「前記第1の他の装置毎に、前記状態通知情報と、前記第2の他の装置の出力部及び当該出力部の用い方を定めた制御内容と、を対応づけた他装置出力部制御テーブル」である点で共通する。
(4)「出力部の制御内容について」について
前記(3)ウ及びエによれば、引用発明の「メッセージリスト」が、「状態情報」に基づき、「処理実行部32」の用い方すなわち制御内容について定めており、「処理実行部32」の制御内容には、「メッセージ内容」と「宛先」の人物とが含まれる。
そして、引用発明の「メッセージ内容」は、「冷蔵庫が開けられました」、「リビングのエアコンの電源がONにされたよ」等がある(構成e)から、「被検出装置」の状態を通知するものと認められる。
そうすると、引用発明の「メッセージリスト」は、「状態情報」に基づき、「被検出装置」の状態を、「宛先」の人物すなわちユーザに通知する際に使用する「処理実行部32」の制御内容について定めていると認められる。
以上によれば、本願発明の「他装置出力部制御テーブル」と、引用発明の「メッセージリスト」とは、「前記状態通知情報に基づき前記第1の他の装置の状態をユーザに通知する際に使用する第2の他の装置の出力部の制御内容について」定めたものである点で一致する。
(5)「他装置出力部制御テーブル記憶部」について
引用発明の「制御装置10」が備える「記憶部140」(構成b)には、「メッセージリスト141が格納され」る(構成c)から、前記(2)コも考慮すると、引用発明の「記憶部140」は、本願発明の「他装置出力部制御テーブルを記憶する他装置出力部制御テーブル記憶部」に相当する。
そして、引用発明の「記憶部140」は、「制御装置10」に備わる(構成b)。
よって、前記(1)~(4)も考慮すると、本願発明と引用発明とは、「前記状態通知情報に基づき前記第1の他の装置の状態をユーザに通知する際に使用する第2の他の装置の出力部の制御内容について、前記第1の他の装置毎に、前記状態通知情報と、前記第2の他の装置の出力部及び当該出力部の用い方を定めた制御内容と、を対応づけた他装置出力部制御テーブルを記憶する他装置出力部制御テーブル記憶部」を備える点で共通する。
4 発明特定事項Cについて
(1)「前記状態通知情報受信部が受信した前記状態通知情報」について
引用発明の「機器情報取得部170から取得する状態情報」(構成g)は、前記2(3)を踏まえると、本願発明の「前記状態通知情報受信部が受信した前記状態通知情報」に相当する。
(2)「出力部の制御内容」について
前記3(2)カによれば、引用発明の「メッセージリスト141」は、「処理実行部32」の制御内容を示すものである。
また、引用発明の「通知条件が満たされたメッセージリスト」は、「メッセージリスト141」に格納されたもののうち、「状態情報」に基づいて通知条件が満たされたもの(前記3(2)オ(i))である。
そうすると、引用発明の「通知条件が満たされたメッセージリスト」は、「メッセージリスト141」すなわち「処理実行部32」の制御内容のうち、「状態情報」に基づいて通知条件が満たされた制御内容である。換言すれば、引用発明の「処理実行部32」の制御内容は、「状態情報」に対応したものとなる。
以上によれば、前記(1)も考慮すると、本願発明の「出力部の制御内容」と、引用発明の「処理実行部32」の制御内容とは、「前記状態通知情報受信部が受信した前記状態通知情報に対応する前記第2の他の装置の出力部の制御内容」である点で一致する。
(3)「前記他装置出力部制御テーブルを参照して取得する」について
前記(2)の「処理実行部32」の制御内容が、「メッセージリスト」を参照して取得されることは明らかである。
よって、本願発明と引用発明とは「前記状態通知情報受信部が受信した前記状態通知情報に対応する前記第2の他の装置の出力部の制御内容を、前記他装置出力部制御テーブルを参照して取得すること」を含む点で一致する。
(4)「出力部制御情報」について
前記(3)の「処理実行部32」の制御内容は、前記3(2)オ(v)の「発話指示情報(指示情報)」に含まれていると解される。
よって、引用発明の「発話指示情報(指示情報)」は、本願発明の「前記第2の他の装置の出力部を制御する出力部制御情報」に相当する。
(5)「他装置出力部制御情報生成部」について
引用発明の「発話指示情報(指示情報)」は、前記3(2)オ(i)~(iv)によれば、「条件判断部160」及び「メッセージ作成部180」によって作成されていると認められる。
よって、引用発明の「条件判断部160」及び「メッセージ作成部180」は、本願発明の「他装置出力部制御情報生成部」に相当する。
そして、引用発明の「条件判断部160」及び「メッセージ作成部180」は、「制御装置10」に備わる(構成b)。
以上によれば、前記(1)~(4)も考慮すると、本願発明と引用発明とは、「前記状態通知情報受信部が受信した前記状態通知情報に対応する前記第2の他の装置の出力部の制御内容を、前記他装置出力部制御テーブルを参照して取得することにより、前記第2の他の装置の出力部を制御する出力部制御情報を生成する他装置出力部制御情報生成部」を備える点で一致する。
5 発明特定事項Dについて
引用発明の「条件判定部160」及び「メッセージ作成部180」が作成した「発話指示情報(指示情報)」(前記4(5))は、「メッセージ送信部200」によって「登録被制御装置30」に送信される(前記3(2)オ(iii))から、引用発明の「メッセージ送信部200」は、本願発明の「前記他装置出力部制御情報生成部が生成した前記出力部制御情報を、前記第2の他の装置に送信する他装置出力部制御情報送信部」に相当する。
6 一致点及び相違点
前記1~5によれば、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
〈一致点〉
「第1の他の装置から送信される前記第1の他の装置の状態を通知する状態通知情報を受信する状態通知情報受信部と、
前記状態通知情報に基づき前記第1の他の装置の状態をユーザに通知する際に使用する第2の他の装置の出力部の制御内容について、前記第1の他の装置毎に、前記状態通知情報と、前記第2の他の装置の出力部及び当該出力部の用い方を定めた制御内容と、を対応づけた他装置出力部制御テーブルを記憶する他装置出力部制御テーブル記憶部と、
前記状態通知情報受信部が受信した前記状態通知情報に対応する前記第2の他の装置の出力部の制御内容を、前記他装置出力部制御テーブルを参照して取得することにより、前記第2の他の装置の出力部を制御する出力部制御情報を生成する他装置出力部制御情報生成部と、
前記他装置出力部制御情報生成部が生成した前記出力部制御情報を、前記第2の他の装置に送信する他装置出力部制御情報送信部と、
を備える通知制御装置。」である点。
〈相違点〉
本願発明の「第2の他の装置の出力部」は「デバイス」を有するのに対し、引用発明の「処理実行部32」は「デバイス」を有するとは特定されていない点。
これに付随して、本願発明の「他装置出力部制御テーブル」に定められた「制御内容」は、「前記第2の他の装置の出力部が有するデバイス及び当該デバイスの用い方を定めた制御内容」であるのに対し、引用発明の「メッセージリスト」に定められた制御内容は、「処理実行部32」及び「処理実行部32」の用い方を定めた制御内容である点。
第6 判断
1 相違点についての判断
引用発明の「メッセージリスト」には、「通知方法」すなわち「何をさせる」の項目(前記第5、3(3)ウ)の内容として、「発話」及び「メール」がある(構成e)。
「発話」を行うためには、スピーカーのような音声を発する音響デバイスが必要であることは明らかであり、「メール」を行うためにはメールを送信するための通信デバイス(以下、「メールデバイス」という。)が必要であることが明らかである。
よって、引用発明の「処理実行部32」が音響デバイス及びメールデバイスを有するように構成することは、当業者の通常の創作能力の発揮に過ぎない。
そして、引用発明において「何をさせるか」の項目の内容が「発話」であるならば、メッセージ内容の通知は音響デバイスにおいて行われるべきであるし、「メール」ならばメールデバイスにおいて行われるべきである。
そうすると、引用発明の「メッセージリスト」において、「何をさせるか」の項目は、制御すべきデバイスを定めたものではないものの、「発話」の場合には制御すべきデバイスを音響デバイスに定め、「メール」の場合には制御すべきデバイスをメールデバイスに定めるものとして扱うことに、格別の困難性は存在しない。
その際、引用発明の「メッセージリスト」の「メッセージ項目」の内容は、音響デバイス又はメールデバイスにどのようなメッセージを通知させるかを定めるものとなり、これをデバイスの用い方を定める項目として扱うことにも格別の困難性は存在しない。
以上によれば、相違点に係る構成は、引用発明から容易になし得るものである。
なお、制御対象となる機器における「デバイス及び当該デバイスの用い方を定める」点は、拒絶査定で引用した特開2015-29170号公報(以下、「引用文献2」という。)に開示されるのみならず、家庭用電気機器の技術分野において周知の事項であると認められ、この観点からも相違点に係る構成は、当業者が容易になし得ると認められる。
2 効果についての判断
本願発明が奏する効果は、引用発明のものと比べて格別のものとは認められない。
3 請求人の主張についての判断
(1)請求人は、引用発明と引用文献2(特開2015-29170号公報)に記載の技術を適用することが容易ではない旨を主張する。(審判請求書4~5頁)
しかしながら、前記1のとおり、引用文献2を適用するまでもなく、本願発明は引用発明から容易に発明をすることができたと認められるから、請求人の主張は結論を左右しない。
(2)請求人は、本願発明の効果について、他装置出力部制御テーブルを参照して、情報送信装置(第1の他の装置)に応じた「デバイスおよび当該デバイスの用い方を定めた」制御内容を取得することにより、情報通知装置(第2の他の装置)を制御する制御情報を生成することができ、本願発明は、この制御情報を情報通知装置に送信することで、情報送信装置及び情報通知装置に応じた通知の仕方でユーザに情報を通知できるという格別の効果を奏する旨、主張する。(審判請求書3~4頁)
しかしながら、引用発明においても「被検出装置」(本願発明の「第1の他の装置」に相当)及び「被制御装置」(本願発明の「第2の他の装置」に相当)に応じた通知の仕方でユーザに情報を通知できることは明らかである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-016455