2022-016005
遊技機
- 審判番号
- 2022-016005
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-187255外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年10月06日
- 審決日
- 2024年04月30日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社大一商会
- 分類
- P18 .4 -WY (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第39条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 21項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和1年10月11日の出願であって、令和4年3月1日に手続補正書が提出され、同年6月6日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月22日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年8月17日付け(送達日:同月22日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年10月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、これに対し、当審において、令和5年3月7日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月3日に意見書及び手続補正書が提出され、これに対し、当審において、同年7月25日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月14日に意見書及び手続補正書が提出され、これに対し、当審において、同年12月20日付けで最後の拒絶の理由が通知され、令和6年2月7日に意見書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1及び2に係る発明は、いずれも、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
<引用文献等一覧>
A.特開2007-175386号公報
B.特開2015-83168号公報(周知技術を示す文献)
C.特開2013-212151号公報(周知技術を示す文献)
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。
1 令和5年3月7日付け当審拒絶理由
当審における令和5年3月7日付けの拒絶の理由は、この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、また、この出願の請求項1及び2に係る発明は、いずれも、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
<引用文献等一覧>
1.特開2002-301206号公報
2.特開2012-232503号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2019-136898号公報(周知技術を示す文献)
2 令和5年7月25日付け当審拒絶理由
当審における令和5年7月25日付けの拒絶の理由は、この出願の請求項1及び2に係る発明は、いずれも、同一出願人が同日出願した下記の出願4~7の請求項1及び2に係る発明とそれぞれ同一と認められるから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
<引用文献等一覧>
4.特願2019-187254号(同日出願)
5.特願2019-187256号(同日出願)
6.特願2019-187257号(同日出願)
7.特願2019-187258号(同日出願)
8.特開2002-301206号公報(周知技術を示す文献)
9.特開平10-155970号公報(周知技術を示す文献)
3 令和5年12月20日付け当審拒絶理由
当審における令和5年12月20日付けの拒絶の理由は、この出願の請求項1及び2に係る発明は、いずれも、同一出願人が同日出願した下記の出願6の請求項1及び2に係る発明とそれぞれ同一と認められるから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
<引用文献等一覧>
6.特願2019-187257号(同日出願)
第4 本願発明
本願の請求項1、2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明2」という。)は、令和5年9月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される次のとおりのものである(A1等は、本願発明1及び本願発明2を分説するために当審で付した。)。
「【請求項1】A1 遊技球を用いた遊技が可能であって、遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を少なくとも含む遊技盤側部品を具備する遊技機において、B1 前記遊技盤側部品は視覚的な効果を生ずる装飾体を備え、前記装飾体は所定の形状で立体的に膨出している立体部と、前記立体部の内面側に光を照射可能な発光手段を備え、前記立体部には着色された特定の装飾からなる加飾部を設け、C1 前記加飾部は、前記立体部に形成された後は前記立体部から分離不能に設けられ、続きを表示(全24行)D1 前記加飾部は前記立体部のすべてには設けられず、E1 前記加飾部の周縁と前記立体部の基端との間の前記立体部に余白部を有しており、F1 前記立体部には、前記立体部を所定の部位に取り付ける際に用いられる後方に突出した突出部を設け、G1 前記立体部は、前記立体部が基端から膨出する方向に延びる側壁部を含み、H1 前記側壁部の内外面の向きは、前記突出部の突出方向に沿った方向の成分より前記突出部の突出方向と直交する方向の成分が大となるように構成され、I1 前記加飾部と前記余白部との境界は、前記側壁部に形成されており、J1 前記発光手段による光が、前記加飾部の外縁および前記立体部の基端に沿った方向に前記余白部を介して帯状に視認可能であるL1 ことを特徴とする遊技機。【請求項2】A2 夫々に複数の図柄を備えている複数の回胴体と、視覚的な効果を生ずる装飾体を有する回胴式の遊技機において、B2 前記装飾体は所定の形状で立体的に膨出している立体部と前記立体部の内面側に光を照射可能な発光手段を備え、前記立体部には着色された特定の装飾からなる加飾部を設け、C2 前記加飾部は、前記立体部に形成された後は前記立体部から分離不能に設けられ、D2 前記加飾部は前記立体部のすべてには設けられず、E2 前記加飾部の周縁と前記立体部の基端との間の前記立体部に余白部を有しており、F2 前記立体部には、前記立体部を所定の部位に取り付ける際に用いられる後方に突出した突出部を設け、G2 前記立体部は、前記立体部が基端から膨出する方向に延びる側壁部を含み、H2 前記側壁部の内外面の向きは、前記突出部の突出方向に沿った方向の成分より前記突出部の突出方向と直交する方向の成分が大となるように構成され、I2 前記加飾部と前記余白部との境界は、前記側壁部に形成されており、J2 前記発光手段による光が、前記加飾部の外縁および前記立体部の基端に沿った方向に前記余白部を介して帯状に視認可能であるL2 ことを特徴とする回胴式の遊技機。」
第5 同日発明
令和5年12月20日付けの拒絶の理由に引用され、本願と同一出願人が、本願と同日(令和1年10月11日)に出願した特願2019-187257号の請求項1、2に係る発明(以下、それぞれ「同日発明6の1」、「同日発明6の2」という。)は、令和5年9月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される次のとおりのものである(a1等は、本願発明1及び本願発明2の分説と対応させて当審で付した。)。
「【請求項1】(同日発明6の1)a1 遊技球を用いた遊技が可能であって、遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を少なくとも含む遊技盤側部品を具備する遊技機において、b1 前記遊技盤側部品は視覚的な効果を生ずる装飾体を備え、前記装飾体は所定の形状で立体的に膨出している立体部と、前記立体部の内面側に光を照射可能な発光手段を備え、前記立体部には着色された特定の装飾からなる加飾部を設け、c1 前記加飾部は、前記立体部に形成された後は前記立体部から分離不能に設けられ、続きを表示(全24行)d1 前記加飾部は前記立体部のすべてには設けられず、e1 前記加飾部の周縁と前記立体部の基端との間の前記立体部に余白部を有しており、f1 前記立体部には、前記立体部を所定の部位に取り付ける際に用いられる後方に突出した突出部を設け、g1 前記立体部は、前記立体部が基端から膨出する方向に延びる側壁部を含み、h1 前記側壁部の内外面の向きは、前記突出部の突出方向に沿った方向の成分より前記突出部の突出方向と直交する方向の成分が大となるように構成され、i1 前記加飾部と前記余白部との境界は、前記側壁部に形成されており、k1 前記発光手段を発光させたとき、前記余白部は前記加飾部よりも明るく発光されるl1 ことを特徴とする遊技機。【請求項2】(同日発明6の2)a2 夫々に複数の図柄を備えている複数の回胴体と、視覚的な効果を生ずる装飾体を有する回胴式の遊技機において、b2 前記装飾体は所定の形状で立体的に膨出している立体部と前記立体部の内面側に光を照射可能な発光手段を備え、前記立体部には着色された特定の装飾からなる加飾部を設け、c2 前記加飾部は、前記立体部に形成された後は前記立体部から分離不能に設けられ、d2 前記加飾部は前記立体部のすべてには設けられず、e2 前記加飾部の周縁と前記立体部の基端との間の前記立体部に余白部を有しており、f2 前記立体部には、前記立体部を所定の部位に取り付ける際に用いられる後方に突出した突出部を設け、g2 前記立体部は、前記立体部が基端から膨出する方向に延びる側壁部を含み、h2 前記側壁部の内外面の向きは、前記突出部の突出方向に沿った方向の成分より前記突出部の突出方向と直交する方向の成分が大となるように構成され、i2 前記加飾部と前記余白部との境界は、前記側壁部に形成されており、k2 前記発光手段を発光させたとき、前記余白部は前記加飾部よりも明るく発光されるl2 ことを特徴とする回胴式の遊技機。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と同日発明6の1を対比すると、両者は、特定事項A1~I1及びL1の点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1](特定事項J1)
本願発明1では、「前記発光手段による光が、前記加飾部の外縁および前記立体部の基端に沿った方向に前記余白部を介して帯状に視認可能である」のに対し、
同日発明6の1では、このような特定がなされていない点。
[相違点2](特定事項k1)
同日発明6の1では、「前記発光手段を発光させたとき、前記余白部は前記加飾部よりも明るく発光される」のに対し、
本願発明1では、このような特定がなされていない点。
(2) 判断
相違点2について検討する。
本願発明1を先願とし、同日発明6の1を後願とした場合について判断する。
本願発明1は「立体部の内面側に光を照射可能な発光手段」を備えるものであるところ、発光手段の照射方向や、加飾部や余白部との距離によっては加飾部のほうが余白部より明るく発光されることがあり、必ずしも余白部が加飾部よりも明るく発光されるとは限らないことから、本願発明1が「立体部の内面側に光を照射可能な発光手段」を備え、「発光手段による光が」「余白部を介して帯状に視認可能である」としても、「前記発光手段を発光させたとき、前記余白部は前記加飾部よりも明るく発光される」ことは自明とはいえない。
そして、当該「前記発光手段を発光させたとき、前記余白部は前記加飾部よりも明るく発光される」との特定は、周知技術であるともいえない。
さらに、同日発明6の1は、特定事項k1を有することにより、発光手段を発光させたとき、余白部は加飾部よりも明るく発光される」ので、「加飾部」と「側壁部に形成される余白部」のコントラストを高くして装飾の主体である加飾部を目立たせることができるという効果を奏する。
このような効果を奏する同日発明6の1は、本願発明1との関係において、周知・慣用技術の付加・削除・転換等であって、新たな効果を奏しないものに該当しない。
したがって、本願発明1を後願とし、同日発明6の1を先願とした場合について検討するまでもなく、また、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1と同日発明6の1とは同一の発明ではない。
2 本願発明2について
(1) 対比
本願発明2と同日発明6の2を対比すると、両者は、特定事項A2~I2及びL2の点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1](特定事項J2)
本願発明2では、「前記発光手段による光が、前記加飾部の外縁および前記立体部の基端に沿った方向に前記余白部を介して帯状に視認可能である」のに対し、
同日発明6の2では、このような特定がなされていない点。
[相違点2](特定事項k2)
同日発明6の2では、「前記発光手段を発光させたとき、前記余白部は前記加飾部よりも明るく発光される」のに対し、
本願発明2では、このような特定がなされていない点。
(2) 判断
相違点2について検討する。
本願発明2を先願とし、同日発明6の2を後願とした場合について判断する。
本願発明2は「立体部の内面側に光を照射可能な発光手段」を備えるものであるところ、発光手段の照射方向や、加飾部や余白部との距離によっては加飾部のほうが余白部より明るく発光されることがあり、必ずしも余白部が加飾部よりも明るく発光されるとは限らないことから、本願発明2が「立体部の内面側に光を照射可能な発光手段」を備え、「発光手段による光が」「余白部を介して帯状に視認可能である」としても、「前記発光手段を発光させたとき、前記余白部は前記加飾部よりも明るく発光される」ことは自明とはいえない。
そして、当該「前記発光手段を発光させたとき、前記余白部は前記加飾部よりも明るく発光される」との特定は、周知技術であるともいえない。
さらに、同日発明6の2は、特定事項k2を有することにより、発光手段を発光させたとき、余白部は加飾部よりも明るく発光される」ので、「加飾部」と「側壁部に形成される余白部」のコントラストを高くして装飾の主体である加飾部を目立たせることができるという効果を奏する。
このような効果を奏する同日発明6の2は、本願発明2との関係において、周知・慣用技術の付加・削除・転換等であって、新たな効果を奏しないものに該当しない。
したがって、本願発明2を後願とし、同日発明6の2を先願とした場合について検討するまでもなく、また、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明2と同日発明6の2とは同一の発明ではない。
第7 原査定について
令和5年4月3日提出の手続補正書による補正によって、補正後の請求項1、2は、「前記加飾部は、前記立体部に形成された後は前記立体部から分離不能に設けられ」るという特定事項と「前記加飾部の周縁と前記立体部の基端との間の前記立体部に余白部を有して」いるという特定事項を含むものとなった。当該「前記加飾部は、前記立体部に形成された後は前記立体部から分離不能に設けられ」、「前記加飾部の周縁と前記立体部の基端との間の前記立体部に余白部を有して」いることは、原査定における引用文献A~Cには記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1及び2は、当業者であっても、原査定における引用文献A~Cに基づいて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第8 当審拒絶理由について
1 令和5年3月7日付け当審拒絶理由について
令和5年4月3日提出の手続補正書による補正によって、補正後の請求項1、2は、「前記立体部は、前記立体部が基端から膨出する方向に延びる側壁部を含み、前記側壁部の内外面の向きは、前記突出部の突出方向に沿った方向の成分より前記突出部の突出方向と直交する方向の成分が大となるように構成され」るという特定事項を含むものとなった。当該「前記立体部は、前記立体部が基端から膨出する方向に延びる側壁部を含み、前記側壁部の内外面の向きは、前記突出部の突出方向に沿った方向の成分より前記突出部の突出方向と直交する方向の成分が大となるように構成され」ることは、令和5年3月7日付けの当審拒絶理由における引用文献1~3には記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1及び2は、当業者であっても、引用文献1~3に基づいて容易に発明できたものではない。
また、令和5年4月3日提出の手続補正書による補正によって、請求項1及び請求項2に係る発明は明確となった。
したがって、この拒絶の理由は解消した。
2 令和5年7月25日付け当審拒絶理由について
同日出願4、5及び7のそれぞれに対して、令和5年9月14日に手続補正書が提出され、本願発明1と同日出願4、5及び7のそれぞれの請求項1に係る発明、及び、本願発明2と同日出願4、5及び7のそれぞれの請求項2に係る発明は、いずれも異なる特定事項を備えることとなった。
そして、異なる特定事項を備えることにより、それぞれ特有の効果を奏することとなった。
また、同日出願6に対して、令和5年9月14日に手続補正書が提出され、さらに、令和6年2月7日に提出された意見書を参酌することで、本願発明1と同日出願6の請求項1に係る発明、及び、本願発明2と同日出願6のそれぞれの請求項2に係る発明は、異なる特定事項を備え、それぞれ特有の効果を奏することが理解されることとなった。
したがって、本願発明1と同日出願4~7のそれぞれの請求項1に係る発明、及び、本願発明2と同日出願4~7のそれぞれの請求項2に係る発明は、いずれも同一でないこととなり、この拒絶の理由は解消した。
3 令和5年12月26日付け当審拒絶理由について
同日出願6に対して、令和6年2月7日に提出された意見書を参酌することで、本願発明1と同日出願6の請求項1に係る発明、及び、本願発明2と同日出願6のそれぞれの請求項2に係る発明は、異なる特定事項を備え、それぞれ特有の効果を奏することが理解されることとなった。
そして、上記第6において検討のとおり、本願発明1と同日発明6の1、及び、本願発明2と同日発明6の2は、いずれも同一でないこととなったので、この拒絶の理由は解消した。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の拒絶の理由及び当審における拒絶の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-016005