2022-014437
排気タービン装置及び排気タービン装置を備えた過給機
- 審判番号
- 2022-014437
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-054260外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年09月13日
- 審決日
- 2023年05月10日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (F02B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 19項目
第1 手続の経緯
本願は、平成30年3月22日の出願であって、令和3年12月6日付け(発送日:令和3年12月14日)で拒絶の理由が通知され、その指定期間内の令和4年2月14日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和4年6月9日付け(発送日:令和4年6月14日)で拒絶査定がなされ、これに対し、令和4年9月13日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
1.原査定の拒絶の概要
原査定の拒絶の理由は大略以下のとおりである。
(進歩性) 本願の請求項1ないし8に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1ないし5に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献一覧>
1.特開2016-008561号公報
2.韓国公開特許第10-2015-0034850号公報
3.特開2001-200702号公報(周知技術を示す文献)
4.国際公開第2017/033226号(周知技術を示す文献)
5.国際公開第2015/068279号(新たに引用された文献)
第3 本願発明
本願の請求項1ないし請求項7に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、令和4年9月13日の手続補正により適法に補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項7に記載されたとおりものであるところ、本願発明1は、特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「 内燃機関から排出された排ガスによって回転駆動されるタービン翼と、前記排ガス流れの上流側の一端面である前面及び該前面の反対側の他端面である背面を有し、外周部から前記タービン翼が半径方向外側に突出する円盤状のタービンディスクと、一端に前記タービンディスクが連結され、前記タービンディスクによって回転駆動されるタービン軸と、前記タービンディスクの前記背面側に配置され、前記タービン軸を回転可能に支持する軸受部と、続きを表示(全11行)前記軸受部に潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、前記タービンディスクの前記前面が露出する空間と前記背面が露出する空間とを連通する連通部と、を備え、前記タービンディスクは、前記外周部に前記タービン翼が嵌合する嵌合溝が形成されていて、前記連通部は、前記前面から前記背面に貫通するように前記タービンディスクに形成された貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記嵌合溝の半径方向内側端部よりも内側に形成されていて、前記タービンディスクの前記背面には、該背面から突出する第1突出部が設けられていて、前記第1突出部は、板状部材であって、板面が前記タービンディスクの回転方向と交差するように配置されている排気タービン装置。」
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1
(1)引用文献1の記載事項
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原査定に引用された引用文献1(特開2016-8561号公報)には、「軸流タービンのラビリンスシール装置およびこれを備えた排ガスタービン過給機」に関して、次の記載事項及び図示事項がある(下線部は当審が付した。以下同様。)。
ア 「【0001】本発明は、軸流タービンのラビリンスシール装置およびこれを備えた排ガスタービン過給機に関するものである。」
イ 「【0029】以下に、本発明の複数の実施形態について、図1から図5を参照しながら説明する。[第1実施形態]図1は、本発明に係るラビリンスシール装置が適用された軸流型の排ガスタービン過給機における排ガスタービン付近を示す縦断面図であり、図2は本発明の第1実施形態を示すラビリンスシール装置付近の拡大図である。続きを表示(全45行)【0030】排ガスタービン過給機1は、例えば図示しない舶用大型ディーゼル機関に装備されて吸入ガスを過給するためのものであり、軸受台2と、この軸受台2に一対のラジアル軸受3を介して軸支されたタービン軸4と、このタービン軸4の一端に設けられて舶用大型ディーゼル機関が排出する排ガスによって高速回転駆動される排ガスタービン5(軸流タービン)と、タービン軸4の他端に同軸的に設けられて排ガスのエネルギーによりタービン軸4が回転駆動されることにより吸入ガスを圧縮して舶用大型ディーゼル機関に過給する図示しない圧縮機と、を備えて構成されている。【0031】なお、吸入ガスとしては舶用大型ディーゼル機関の外部から吸入される空気が適用されるが、この他に例えば舶用大型ディーゼル機関が排出する排ガスを利用したEGRガスが適用されてもよい。【0032】排ガスタービン5は、タービン軸4の一端に回転一体に設けられた円盤状のタービンディスク6と、このタービンディスク6の外周部に等間隔で多数設けられた排ガスタービン翼7とからなるタービンローター8を備えている。また、排ガスタービン5は、排ガス入口ケーシング11と、排ガス出口ケーシング12(ケーシング)と、排ガス通路13と、後述するラビリンスシール装置15とを備えている。【0033】排ガス入口ケーシング11と排ガス出口ケーシング12とが合わせられることにより、タービン軸4の軸方向に沿い、且つタービン軸4を囲む形状の排ガス通路13が形成されている。そして、排ガス出口ケーシング12の入口付近となる排ガス通路13の内部に排ガスタービン翼7が突出している。なお、符号17は排ガスタービン翼7の入口側に設置されたタービンノズルである。【0034】排ガス通路13の内部に突出している排ガスタービン翼7は、排ガス通路13を流れてタービンノズル17において膨張された排ガス流によって駆動される。これにより、タービンローター8およびタービン軸4が回転して動力が発生し、この動力によって前述の圧縮機(吸気タービン)が駆動され、外部から吸入されたガスが圧縮されて舶用大型ディーゼル機関の吸入ガスとして供給(過給)される。排ガスタービン翼7を通過後の排ガスの圧力は0.05bar以下まで低下する。【0035】ラビリンスシール装置15は、2つの環状のラビリンス部材21,22を備えている。一方のラビリンス部材21は、タービン軸4の軸方向でラジアル軸受3とタービンディスク6との間に位置するように軸受台2側に固定されてオイルラビリンスシールOLを構成している。もう一方のラビリンス部材22は、タービンディスク6に対して排ガス下流側(軸受台2側)に隣接するように軸受台2側に固定されてガスラビリンスシールGLを構成している。これらのラビリンスシールOL,GLは、いずれも多段状のラビリンスフィンを噛み合わせた公知の構成である。【0036】軸受台2の内部には抽気通路24が形成されている。この抽気通路24は、前述の圧縮機で圧縮された吸入ガスの一部を抽気してオイルラビリンスシールOLとガスラビリンスシールGLとに供給するガス通路である。なお、吸入ガスとして舶用大型ディーゼル機関が排出する排ガスを利用したEGRガスが適用される場合には、EGRガスをシールガスとしてオイルラビリンスシールOL、ガスラビリンスシールGLに供給するようにしてもよい。【0037】図2にも示すように、ガスラビリンスシールGLを構成するラビリンス部材22は、その外周面22aが排ガス通路13(排ガス出口ケーシング12)の内面13aに対して段差を発生させないように排ガス通路13内に露呈しており、排ガス出口ケーシング12とともに排ガス通路13を形成している。また、ラビリンス部材22は、排ガス出口ケーシング12との間に前述した間隙状のシールガス放出通路26を介して隣接するように軸受台2に固定されている。【0038】ラビリンス部材22の反タービンディスク6側には、外周面22aよりも外径が小さくなる段部22b(図2参照)が形成され、この段部22bに環状のガスシールリング28が嵌め込まれている。そして、このガスシールリング28の外周面に、排ガス出口ケーシング12の排ガス上流側端部12aの内周面が軸方向にスライド自在に被せられ、この排ガス上流側端部12aとラビリンス部材22との間にシールガス放出通路26が形成されている。【0039】シールガス放出通路26の末端部、即ち排ガス通路13に連通する合流部は、図1中に矢印で示すように、このシールガス放出通路26から排ガス通路13内に放出されるシールガスの流れ方向が、排ガス通路13内を流れる排ガスの流れ方向に沿い、且つ排ガス通路13の下流側に向く軸方向成分を有するように形成されている。つまり、シールガス放出通路26の末端部は排ガス通路13に対して斜めに合流する断面形状となっている。【0040】図2に示すように、ラビリンス部材22におけるガスラビリンスシールGLよりも外周側の部分には、タービンディスク6との間のクリアランスが大きくされた集気室30が形成されており、この集気室30よりもさらに外周側の部分とタービンディスク6との間の隙間G1は最小限の寸法、例えば1ミリ程度に設定されている。また、集気室30からシールガス放出通路26に連通する脱気通路31が形成されている。この脱気通路31は、ラビリンス部材22の周方向に複数設けられている。【0041】以上のように構成されたラビリンスシール装置15において、オイルラビリンスシールOLとガスラビリンスシールGLの各々には、圧縮機で圧縮された吸入ガスの一部が抽気通路24を経てシールガスとして供給される。具体的には、抽気通路24から先ずオイルラビリンスシールOLにシールガスが供給され、オイルラビリンスシールOLから放出されたシールガスが次にガスラビリンスシールGLに供給される。その後、排ガスタービン翼7よりも排ガス下流側に位置する間隙状のシールガス放出通路26から、図1中に矢印で示すように排ガス通路13内に放出される。【0042】これにより、オイルラビリンスシールOLにおいては、シールガスの圧力により、ラジアル軸受3に供給された潤滑油がタービンディスク6側に漏洩することが防止される。また、ガスラビリンスシールGLにおいては、シールガスの圧力により、タービンディスク6がラビリンス部材22に対して排ガス上流側(図1に向かって右方向)に押圧されるため、排ガスの圧力に抗してタービンローター8およびタービン軸4を排ガス上流側に押圧するスラスト力が発生し、図示しないスラストベアリングへの負担が軽減されると同時に、タービン軸4を回転させるのに必要な駆動力が低減される。【0043】エアラビリンスシールGLを通過した後のシールガスは集気室30(図2参照)に流れ、さらに脱気通路31を経てシールガス放出通路26に流れ、排ガス通路13内に放出される。このようにシールガスが排ガス通路13内に放出される位置は、タービン軸4の軸方向で、タービンディスク6とラビリンス部材22との隣接部(隙間G1)よりも下流側の位置となる。【0044】このように、排ガスよりも高圧なシールガスが排ガス通路13内に放出される位置(シールガス放出通路26)が、図6に示す従来の隙間Gの位置(タービンディスク6とラビリンス部材22との隣接部(隙間G))よりも下流側となるため、排ガスタービン翼7を通過した直後の位置(従来のシールガス噴出口であった隙間G1の位置)の付近における排ガス流に高圧なシールガスが放出されることによって乱れが発生することを抑制でき、これによってタービン効率を向上させることができる。【0045】しかも、排ガスの熱を受けて熱膨張する排ガス出口ケーシング12と、タービンディスク6との間にラビリンス部材22が配置され、このラビリンス部材22と排ガス出口ケーシング12との間に間隙状のシールガス放出通路26が形成されているため、このシールガス放出通路26によって排ガス出口ケーシング12の熱膨張が吸収される。【0046】即ち、排ガス出口ケーシング12が軸方向に熱膨張すると、その端部12aの内周面がガスシールリング28の外周面に対して軸方向に滑り、端部12aがラビリンス部材22側に伸びるが、このように排ガス出口ケーシング12が熱膨張によって軸方向に延びる量に比べ、シールガス放出通路26の軸方向長さは十分な間隔がある為、熱膨張した排ガス出口ケーシング12がラビリンス部材22に干渉することはない。【0047】このように、シールガス放出通路26の位置で排ガス出口ケーシング12の熱膨張が吸収されるため、排ガス出口ケーシング12とタービンディスク6とが隣接していた従来の構成(図6参照)のように、排ガス出口ケーシング12の熱伸びを考慮して排ガス出口ケーシング12の端部12aとタービンディスク6との間の隙間G1を大きく設定する必要がない。【0048】しかも、ラビリンス部材22は熱応力を受けにくい軸受台2に接続されているため、ラビリンス部材22が熱膨張してタービンディスク6に接近することがない。これらにより、隙間G1を最小限に設定することができる。したがって、排ガスタービン翼7の直ぐ下流側の排ガス通路13内における段差幅が小さくなり、排ガスタービン翼7を通過した直後の排ガス流の境界層が剥離することによる排ガス流の乱れが少なくなるため、この点でもタービン効率を向上させることができる。【0049】さらに、シールガス放出通路26の末端部は、排ガスの流れ方向に対して斜めに合流する断面形状であるため、シールガス放出通路26から排ガス通路13内に放出されるシールガスを、排ガスの流れに対して浅い角度で合流させ、これによって排ガスタービン翼7を通過した直後の排ガス流の乱れ(境界層の剥離等)を少なくし、タービン効率を一層向上させることができる。」
ウ 「【図1】[図:0001398103000001.jpg]」
エ 「【図2】[図:0001398103000002.jpg]」
(2)引用発明
上記(1)の記載事項及び図示事項を総合し、整理すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。
「船用大型ディーゼル機関から排出された排ガスによって高速回転駆動される排ガスタービン翼7と、外周部に前記排ガスタービン翼7を設けた円盤状のタービンディスク6と、一端に前記タービンディスク6が回転一体に設けられた、タービン軸4と、前記タービン軸4を軸支するラジアル軸受3と、前記ラジアル軸受3に供給される潤滑油と、を備える排ガスタービン過給機。」
2.引用文献2
原査定に引用された引用文献2(韓国公開特許第10-2015-0034850号公報)には、「羽根車を具備したターボチャージャー(当審仮訳)」に関して、次の記載事項及び図示事項がある。
オ 「[0005] 一方、前記タービン、前記シャフト、及び前記コンプレッサーが回転する間には前記シャフトの軸方向で推進力(thrustforce)が発生して、前記推進力を支持するために推進力支持ベアリングが使われる。合わせて、前記推進力によって推進力支持ベアリングの耐久性が低減されて、全体的なターボチャージャーの性能が低下されうる。(当審仮訳)」
カ 「[0006] 本発明の目的は推進力を低減させて支持ベアリングの耐久性を向上させて全体的な性能が向上した羽根車を具備したターボチャージャーを提供することである。(当審仮訳)」
キ 「[0016] 図1は羽根車を具備したターボチャージャーの全体的な断面図である。[0017] 図1を参照すると、羽根車を具備したターボチャージャーはコンプレッサー(100)、シャフト(110)、タービン(120)、可変ベイン(130)、及びディフューザ(140)を含む。[0018] 排気マニホールド(未図示)で排出される排気ガスは前記可変ベイン(130)を通過して前記タービン(120)を回転させて、前記タービン(120)によって回転する前記シャフト(110)が前記コンプレッサー(100)を回転させる。そして、前記コンプレッサー(100)は吸気を圧縮して吸気マニホルド(未図示)で供給する。[0019] 前記タービン(120)と前記コンプレッサー(100)を回転させる間には前記シャフト(110)の軸方向で力が加えられて、前記シャフト(110)の軸方向で加えられる力によってベアリングなど(未図示)の耐久性が低下されうる。続きを表示(全13行)[0020] しかし、本発明の実施例で、前記タービン(120)またはコンプレッサー(100)にバランスホール(200)を形成することで前記シャフト(110)の軸方向に形成される力を低減させることでベアリングを含んでターボチャージャーの全体的な耐久性をふやすことができる。[0021] 図2は本発明の実施例によるターボチャージャーで羽根車の正面図で、ターボチャージャーの羽根車はタービンまたはコンプレッサーに適用されることができる。[0022] 図2を参照すると、前記タービン(100)または前記ポンプ(120)の羽根車は回転ボディー(220)及びブレード(210)を含む。[0023] 前記回転ボディー(220)の中心部には前記シャフト(110)が貫くシャフト貫通ホールが形成されて、前記回転ボディー(220)の一面に前記ブレード(210)が形成される。[0024] 前記ブレード(210)は前記回転ボディー(220)の回転方向に設定された間隔を置いて複数個に形成されて、前記ブレード(210)の間にバランスホール(200)が形成される。合わせて、前記バランスホール(200)を前記シャフト(110)方向に延長した仮想の領域は前記ブレード(210)と干渉されない。すなわち、[0025] 本発明の実施例で前記タービン(100)または前記ポンプ(120)の羽根車が回転する間に前記シャフト(110)の長さ方向で発生する推進力(THRUSTFORCE)が低減される。[0026] よって、前記シャフト(110)を支持する推進力支持ベアリングの耐久性が向上して、推進力低減でベアリングの摩擦力が減少して全体的なターボチャージャーの性能が向上する。[0027] 合わせて、前記バランスホール(200)の直径は約1mm以内で、圧力を解消して流量は最小化して、前記バランスホール(200)の個数は2個以上が望ましい。[0028] 以上に本発明に関する望ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施例に限定されなくて、本発明の実施例から当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者による容易に変更されて均等であると認められる範囲のすべての変更を含む。」
ク 「図1[図:0001398103000003.jpg]」
ケ 「図2[図:0001398103000004.jpg]」
以上の記載事項及び図示事項から、引用文献2には次の事項(以下、「引用文献2の記載事項」という。)が記載されていると認められる。
「タービン(120)にバランスホール(200)を形成することで前記シャフト(110)の軸方向に形成される力を低減させ、ベアリングを含むターボチャージャーの全体的な耐久性をふやすこと。」
3.引用文献3
周知技術を示す文献として原査定に引用された引用文献3(特開2001-200702号公報)には、「蒸気タービンおよびタービン動翼」に関して、次の記載事項及び図示事項がある。
コ 「【0013】図1は、この発明の実施の形態にかかる蒸気タービンの翼列部分を示す断面図である。図2は、図1に示した動翼の植込み状態を示す説明図である。仕切板1は、内輪2および外輪3との間に複数の静翼4を設けた構造であり、この外輪3が内部車室5に対して固定されている。また、仕切板1の内輪2の内径面には、蒸気漏れを防止するためのラビリンスパッキン6が設けられている。動翼7は、静翼4により形成したノズルの後段に配置されている。この動翼7は、アキシャルエントリー形翼固定方式であり、そのルート部8がロータディスク9の翼溝10に植え込まれている。ルート部8とロータディスク9の翼溝10とは、抜き差しのために緩みばめとなっている。このため、動翼7の固定は、ピン(図示省略)によって行われる。【0014】また、動翼7の翼端には、シュラウド11が取り付けてある。さらに、内部車室5の前記シュラウド11に対向する面には、蒸気漏れを小さくするためのシールフィン12が設けられている。図2に示すように、動翼7のルート部8はクリスマスツリー形状をしているが、その下部は翼溝10との間で隙間13を形成している。この隙間13がロータディスク9の前後に渡って形成され、バランスホールの機能を奏する。ここで、ロータ14の回転により動翼7に作用する遠心力は、ルート部8の外面と翼溝10の内面(図中Fで示す)とで受けることになる。このため、翼溝10の下部はルート部8と接触していなくてもよい。」
サ 「【図2】[図:0001398103000005.jpg]」
以上の記載事項及び図示事項から、引用文献3には次の事項(以下、「引用文献3の記載事項」という。)が記載されていると認められる。
「動翼7のルート部8の下部は翼溝10との間で隙間13を形成し、この隙間13がロータディスク9の前後に渡って形成され、バランスホールの機能を奏すること。」
4.引用文献4
周知技術を示す文献として原査定に引用された引用文献4(国際公開第2017/033226号)には、「蒸気タービン」に関して、次の記載事項及び図示事項がある。
シ 「[0034] 図3、図4に示すように、本実施形態の蒸気タービン1において、動翼32のそれぞれの翼根36Aは、プラットフォーム35の径方向内側Driを向くプラットフォーム内周面35fから径方向内側Driに延びるよう形成されている。翼根36Aは、プラットフォーム内周面35fから径方向内側Driに延びる翼根本体37と、翼根本体37から周方向Dc両側に向かってそれぞれ突出する係合凸部38とを有する。係合凸部38は、径方向Drに沿って間隔を空けた複数箇所で翼根本体37から突出している。係合凸部38は、後述する翼溝28Aに形成された係合凹部29に係合する。この実施形態において、係合凸部38は、径方向Drに沿って間隔を空けた3カ所に形成されている。係合凸部38A、係合凸部38B、及び係合凸部38Cは、それぞれ、翼根36Aの周方向Dcの中心から周方向Dcに沿って離間する方向に凸となる湾曲面形状を有している。[0035] ここで、プラットフォーム35側の係合凸部38Aに対し、径方向内側Driに配置された係合凸部38B及び係合凸部38Cは、翼根本体37からの周方向Dcに向かった突出寸法が、漸次小さくなるよう形成されている。また、翼根本体37におけるプラットフォーム35と係合凸部38Aとの間の第一幹部39A、係合凸部38Aと係合凸部38Bとの間の第二幹部39B、及び係合凸部38Bと係合凸部38Cとの間の第三幹部39Cは、プラットフォーム35側から径方向内側Driに向かって、周方向Dcの幅寸法が漸次小さくなるよう形成されている。これにより、翼根36Aは、いわゆるクリスマスツリー状をなしている。[0036] 係合凸部38は、第一面100として翼根内側面101が形成されている。翼根内側面101は、係合凸部38において、径方向内側Driに形成された面である。翼根内側面101は、第一方向を向いている。つまり、本実施形態の翼根内側面101は、径方向内側Driを向く面だけでなく、係合凸部38の周方向Dcを向く面との間を繋ぐ湾曲した面のように径方向内側Driに向かう方向成分を含む方向を向く面も含んでいる。[0037] 係合凸部38には、径方向外側Droに向かう方向成分を含む方向を向く翼根外側面38fが形成されている。翼根外側面38fは、係合凸部38において、径方向外側Droに形成された面である。続きを表示(全13行)[0038] ロータ軸21のディスク部23は、径方向外側Droに向かう方向成分を含む第二方向を向く第二面200が形成されている。第二面200は、第一面100と対向している。なお、第二方向は、径方向外側Droに向かう方向成分を含んでいればよく、第一面100と同様に、径方向Drと平行な方向や、径方向Drに対して傾斜した方向であってもよい。本実施形態の第二方向は、第一方向と平行で異なる向きを向く方向である。[0039] ディスク部23には、外周面から径方向内側Driに向かって窪む翼溝28Aが形成されている。翼溝28Aは、ディスク部23の最も径方向外側Droに形成された径方向外側Droを向くロータ外周面23fから窪んで形成されている。ロータ外周面23fは、プラットフォーム内周面35fと対向している。[0040] 翼溝28Aは、翼根36Aの外周形状を補形するよう形成されている。翼溝28Aは、径方向Drに沿って間隔を空けた複数箇所に、周方向Dcの両側に向かって窪む係合凹部29を有している。この実施形態において、係合凹部29は、翼溝28Aの最も径方向内側Driに形成された底部(溝底部)28bよりも径方向外側Droに設けられている。底部28bは、翼溝28Aにおいて、径方向外側Droを向く面である。係合凹部29は、径方向Drに沿って間隔を空けた3カ所に形成されている。係合凹部29A、係合凹部29B、及び係合凹部29Cは、それぞれ、翼溝28Aの周方向Dcの中心から周方向Dcに沿って離間する方向に窪む湾曲面形状を有している。[0041] 係合凹部29は、第二面200として翼溝外側面201が形成されている。翼溝外側面201は、係合凹部29において、径方向内側Driに形成された面である。翼溝外側面201は、第二方向を向いている。つまり、本実施形態の翼溝外側面201は、径方向外側Droを向く面だけでなく、係合凹部29の周方向Dcを向く面との間を繋ぐ湾曲した面のように径方向内側Driに向かう方向成分を含む方向を向く面も含んでいる。[0042] 係合凹部29は、径方向内側Driに向かう方向成分を含む方向を向く翼溝内側面29fが形成されている。翼溝内側面29fは、係合凹部29において、径方向外側Droに形成された面である。[0043] ここで、ロータ軸21が軸線Ar回りに回転すると、ロータ軸21のディスク部23とともに、各動翼32がロータ軸21の軸線Arを中心として旋回する。これにより、各動翼32には遠心力が作用する。これにより、遠心力によって径方向外側Droに向かって動翼32が変位しようとする。その結果、係合凸部38A、38B、及び38Cの各翼根外側面38fと、係合凹部29A、29B、及び29Cの各翼溝内側面29fとが突き当たる。すなわち、翼根36Aの各翼根外側面38fと、翼溝28Aの各翼溝内側面29fとが接触した状態で、動翼32が支持される。[0044] 一方、動翼32に遠心力が生じることで、係合凸部38A、38B、及び38Cの翼根内側面101と、係合凹部29A、29B、及び29Cの翼溝外側面201との間の距離が離れる。その結果、翼根内側面101と翼溝外側面201と間の隙間が大きくなる。[0045] また、係合凸部38A、38B、及び38Cのそれぞれにおいて、径方向内側Driを向く翼根内側面101には、径方向外側Dro側に窪む凹部41Aが形成されている。また、係合凹部29A、29B、及び29Cのそれぞれにおいて、径方向外側Droを向く翼溝外側面201には、凹部41Aと対向する位置に、径方向内側Driに向かって窪む凹部42Aが形成されている。[0046] これら凹部41A及び凹部42Aにより、ディスク部23の上流側Dauと下流側Dadとを連通するバランスホール部40Aが形成される。このバランスホール部40Aを通して、ディスク部23の圧力が高い側(上流側Dau)から圧力が低い側(下流側Dad)に蒸気が流れることで、動翼列31の上流側と下流側との圧力差を抑え、ディスク部23に作用するスラスト方向の力を低減する。」
ス 「[図1][図:0001398103000006.jpg]」
セ 「[図2][図:0001398103000007.jpg]」
ソ 「[図3][図:0001398103000008.jpg]」
タ 「[図4][図:0001398103000009.jpg]」
以上の記載事項及び図示事項から、引用文献4には次の事項(以下、「引用文献4の記載事項」という。)が記載されていると認められる。
「また、係合凸部において、径方向内側Driを向く翼根内側面101に径方向外側Dro側に窪む凹部41Aが形成され、係合凹部において、径方向外側Droを向く翼溝外側面201の凹部41Aと対向する位置に、径方向内側Driに向かって窪む凹部42Aが形成され、凹部41Aと凹部42Aによりディスク部23の上流側Dauと下流側Dadとを連通するバランスホール部40Aが形成され、このバランスホール部40Aを通して、ディスク部23の圧力が高い側から圧力が低い側に蒸気が流れることで、動翼列31の上流側と下流側との圧力差を抑え、ディスク部23に作用するスラスト方向の力を低減すること。」
5.引用文献5
周知技術を示す文献として原査定に引用された引用文献5(国際公開第2015/068279号)には、「軸流タービン」に関して、次の記載事項及び図示事項がある。
チ 「[0001] 本発明は,蒸気タービンやガスタービン等の軸流タービンに係り,特に,回転体の外周面と静止部の内周面との間で形成された隙間流路を有する軸流タービンに関する。」
ツ 「[0017] 以下,図面を参照して,本発明を,蒸気タービンのダイアフラムシール部に適用した場合の実施の形態について説明する。なお,各図において同様の形状,同種の材質の構成要素が複数存在する場合には,それぞれに同一の符号を付している。[0018] ―第1の実施の形態― 図1は,本発明に係る蒸気タービンの一部を示す断面模式図である。図1において蒸気タービンは,回転軸100を中心に回転するロータ109等で構成された回転体と,回転体1を格納する概略円筒形状のケーシング103等で構成される静止部とを備えている。[0019] ロータ109の外周面には,ロータ109と一体に回転する複数のロータディスク112が径方向に突出して形成されている。ロータディスク112の外周上には複数の動翼102が,回転軸100に対して放射状に固定されており,概略環状の動翼列を構成している。一方,ケーシング103の内周面には,複数の静翼101が回転軸100に対して放射状に固定されており,概略環状の静翼列を構成している。静翼列と動翼列は,図1に示すように,回転軸100方向において交互に配置されている。静翼列の内輪側には概略環状のダイアフラム内輪111が設けられている。[0020] ダイアフラム内輪111の内周面と,これに対向するロータ109の外周面の間には,ダイアフラムシール部115が形成されている。ダイアフラムシール部115は,ロータ109の外周面に設けられたフィン115a,ダイアフラム内輪111の内周側に形成された凸部115bによって構成されるラビンリンスシールである。続きを表示(全11行)[0021] 一方,動翼102の外周側には,周方向に概略一様な動翼カバー118が設けられており,動翼カバー118の外周面とそれと対向するケーシング内周面との間に,動翼シール部116が形成されている。動翼シール部116は,動翼カバー118の外周側に設けられたフィン116a,ケーシング103に形成された凸部116bによって構成されるラビリンスシールである。[0022] ロータディスク112には,ロータ109の回転軸100方向と平行に貫通するバランスホール120(第1貫通孔)が形成されている。バランスホール120は,概略円筒形状の貫通孔であり,回転軸100に対して同一半径の位置に離散的に形成されている(図4参照)。[0023] ケーシング103内部において,静翼101,動翼102を通過する主流路には,不図示のボイラ等により予め加熱された蒸気(作動流体)が矢印11で示す方向に流れる。蒸気は静翼101,動翼102を流れ,蒸気の内部エネルギーが動翼102,ロータディスク112,ロータ109を通し回転エネルギーとして取り出される。静翼101,動翼102の組合せを1段とすると,図1には1段分とその周辺しか示されていないが,蒸気の内部エネルギーを効率よく回収するために,一般的には軸方向に複数段が配置される。[0024] 矢印11で示す主流の一部は,矢印12a,12bで示す漏れ流れとなって動翼シール部116,ダイアフラムシール部115を通過する。[0025] また,バランスホール120では,ロータディスク112の上流側と下流側の圧力差によって,矢印13で示すような下流に向かう流れが生じる。バランスホール120は,この流れ13によって,ロータディスク112の上流側と下流側の圧力差を緩和することにより,ロータ109に作用する軸方向流体力(スラスト力)を低減する役割を果たす。またさらに,ダイアフラムシール部115から流出した漏れ流れ13aが,主流11に戻らず,バランスホール120を通過することになるため,主流11に生じる乱れを低減する事ができ,タービン効率を向上する事ができる。[0026] また,バランスホール120の内部下流側には,案内流路部材130が設けられている。案内流路部材130の概略斜視図を図2に示す。図2において,案内流路部材130は,バランスホール120内部に挿入可能な概略中空円筒形状の保持ケース132と,保持ケース132の内部に配置された複数の整流板131とを備えている。また,保持ケース132の外周部には,バランスホール120内部に挿入した際の位置決めを行うための凸部140が形成されており,保持ケース132の端部には,バランスホール120内部で固定するための,先端に引掛け用の爪142を備えた固定部材143が取り付けられている。案内流路部材130の上半分を取り除いた概略断面斜視図を図3に示す。図3において,複数の整流板131は,バランスホール120から流出する流れを偏向させるために傾斜している。また,複数の整流板131によって複数の案内流路を構成することにより,案内流路当りの軸方向流路長に対する流路断面積の比が小さくなり,流れを偏向させる効果を向上する事ができる。[0027] 図4は,ロータディスク112の概略斜視図であり,案内流路部材130のバランスホール120への取付方法を示す。図中,ロータ109,ロータディスク112は矢印15で示す向きに回転する。案内流路部材130は,矢印138で示すようにロータディスク112の下流側からバランスホール120内部に挿入される。バランスホール120の下流側のロータディスク面には,凸部140と嵌合する切り欠き141が設けられており,これによりバランスホール120内部において,案内流路部材130の位置決めが行われる。」
テ 「[0041] ―第3の実施の形態― 図10を参照して,第3の実施の形態に係る蒸気タービンを説明する。なお,第1の実施の形態と同様の箇所には100番台に代えて300番台の参照番号(下2桁が同一)を付し,第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。[0042] 図10は,ロータディスク312に動翼302が固定された状態を示す概略斜視図である。蒸気タービンにおいては,図10に示すように,ロータ回転中に動翼302に作用する遠心力と対抗するために,動翼302の根元部分に形成された凹凸形状の動翼締結部380と,ロータディスク312の円周上に形成された対応する凹凸形状のロータディスク締結部381とが嵌め合い構造が用いられる事がある。図10に示すロータディスク312においては,ロータディスク締結部381の内周側にさらに溝部382が形成されており,ロータディスク312に動翼302が嵌め込まれた状態で,ロータディスク312をロータの回転軸方向と平行に貫通する締結部流路320(第1貫通孔)が形成されている。締結部流路320においては,第1の実施の形態のバランスホール120と同様に,ロータディスクの上流側と下流側の圧力差によって,下流に向かう流れが生じる。すなわち,本実施の形態においては,バランスホールに代えて締結部流路320を設けたことにより,バランスホールと同様の効果を得ることができる。具体的にはロータディスク312の上流側と下流側の圧力差を緩和し,ロータ309に作用する軸方向流体力(スラスト力)を低減することができる。またさらに,ダイアフラムシール部から流出した漏れ流れが,主流側に戻らず,締結部流路320を通過することになるため,主流に生じる乱れを低減する事ができ,タービン効率を向上する事ができる。」
ト 「[0048] また,第1及び第2の実施の形態では,蒸気タービンを例に説明したが,本発明は,回転体と静止部との間に作動流体の一部が通過する隙間流路が形成されたそのほかの軸流タービンにも適用可能である。」
ナ 「[図1][図:0001398103000010.jpg]」
ニ 「[図4][図:0001398103000011.jpg]」
ヌ 「[図10][図:0001398103000012.jpg]」
以上の記載事項及び図示事項から、引用文献5には次の事項(以下、「引用文献5の記載事項」という。)が記載されていると認められる。
「ロータディスク112には,ロータ109の回転軸100方向と平行に貫通するバランスホール120が形成されていること、または、ロータディスク312に動翼302が嵌め込まれた状態で,ロータディスク312をロータの回転軸方向と平行に貫通する締結部流路320(第1貫通孔)が形成されていること。」
第5 対比・判断
1.本願発明1
本願発明1と引用発明1とを対比すると、後者の「船用大型ディーゼル機関」はその機能、構成及び技術的意義からみて前者の「内燃機関」に相当し、以下同様に、「高速回転駆動」は「回転駆動」に、「排ガスタービン翼7」は「タービン翼」に、「タービンディスク6」は「タービンディスク」に、「タービン軸4」は「タービン軸」に、「ラジアル軸受3」は「軸受部」に、「排ガスタービン過給機」は「排気タービン装置」にそれぞれ相当する。
後者の「外周部に排ガスタービン翼7を設けた円盤状のタービンディスク6」は、図1及び図2の図示事項から、「排ガス流れの上流側の一端面である前面及び該前面の反対側の他端面である背面を有」するタービンディスク6であることは明らかであり、「外周部に排ガスタービン翼7を設けた」ことで「外周部から排ガスタービン翼7が半径方向外側に突出する」ものとなることも明らかであるから、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「前記排ガス流れの上流側の一端面である前面及び該前面の反対側の他端面である背面を有し、外周部から前記タービン翼が半径方向外側に突出する円盤状のタービンディスク」に相当する。同様に、後者の「一端に前記タービンディスク6が回転一体に設けられた、タービン軸4」は、タービンディスク6とタービン軸4が連結され、タービンディスク6によってタービン軸4が回転駆動されることは明らかであるから、前者の「一端に前記タービンディスクが連結され、前記タービンディスクによって回転駆動されるタービン軸」に相当する。さらに、後者の「タービン軸4を軸支するラジアル軸受3」は、図1の図示事項からラジアル軸受3がタービンディスク6の背面側に配置されていることは明らかであり、タービン軸4を軸支すなわち回転可能に支持するものであるから、後者の「前記タービンディスクの前記背面側に配置され、前記タービン軸を回転可能に支持する軸受部」に相当する。
そして、後者の「前記ラジアル軸受3に供給される潤滑油」は、「潤滑油供給手段」により潤滑油がラジアル軸受3に供給されることは明らかであるから、前者の「前記軸受部に潤滑油を供給する潤滑油供給手段」に相当する構成を備えているといえる。
したがって、両者は、
「内燃機関から排出された排ガスによって回転駆動されるタービン翼と、前記排ガス流れの上流側の一端面である前面及び該前面の反対側の他端面である背面を有し、外周部から前記タービン翼が半径方向外側に突出する円盤状のタービンディスクと、一端に前記タービンディスクが連結され、前記タービンディスクによって回転駆動されるタービン軸と、前記タービンディスクの前記背面側に配置され、前記タービン軸を回転可能に支持する軸受部と、前記軸受部に潤滑油を供給する潤滑油供給手段と、を備える排気タービン装置。」
である点で一致し、次の2点で相違する。
[相違点1]
前者は「タービンディスクの前面が露出する空間と背面が露出する空間とを連通する連通部」を備え、「タービンディスクは、前記外周部に前記タービン翼が嵌合する嵌合溝が形成」されていて、「連通部は、前面から背面に貫通するようにタービンディスクに形成された貫通孔を有」し、「貫通孔は、嵌合溝の半径方向内側端部よりも内側に形成」されているのに対し、後者はかかる連通部を有していない点。
[相違点2]
前者は「タービンディスクの背面には、該背面から突出する第1突出部が設けられ」ていて、「第1突出部は、板状部材であって、板面がタービンディスクの回転方向と交差するように配置」されているのに対し、後者はかかる第1突出部を有していない点。
事案に鑑み先ず相違点2について検討する。引用発明1、引用文献2の記載事項、引用文献3の記載事項、引用文献4の記載事項及び引用文献5の記載事項は、いずれも、相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を開示または示唆するものではない。
そうすると、引用発明1において、引用文献2の記載事項、引用文献3の記載事項、引用文献4の記載事項及び引用文献5の記載事項を参酌して相違点2に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者の通常の創作能力の範囲内で想起し得たこととはいえない。
そして、当業者の通常の創作能力の範囲内で、引用発明1から相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を容易に想到し得たとする他の事情を見出すこともできない。
そして、本願発明1は、相違点2にかかる本願発明1の発明特定事項により、「軸受部における潤滑性能の低下を抑制する」などの、引用発明1にはない格別顕著な効果も奏する。
したがって、他の相違点の検討をするまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。
2.本願発明2ないし本願発明7
本願発明2ないし本願発明7は、本願発明1の発明特定事項を全て備え、さらに請求項2ないし請求項7で新たに特定される発明特定事項を備えるものである。
そして、本願発明2ないし本願発明7と引用発明1とは、少なくとも本願発明1の対比・判断で上述した相違点1及び相違点2で相違する。
そうすると、本願発明1の対比・判断で上述した理由と同じく、本願発明2ないし本願発明7は、当業者であっても、引用発明1、引用文献2の記載事項、引用文献3の記載事項、引用文献4の記載事項及び引用文献5の記載事項に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし本願発明7は、引用発明1、引用文献2の記載事項、引用文献3の記載事項、引用文献4の記載事項及び引用文献5の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-014437