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特許拒絶査定不服審判

2022-014284

患者の状況、ユーザの役割、現在のワークフロー及びディスプレイの近接度に基づいて、ユーザ体験を最適化するためのシステム及び方法

審判番号
2022-014284
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-503511外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年09月12日
審決日
2023年06月20日
公報発行日
2023年07月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G16H) / P18 .113-WY (G16H) / P18 .537-WY (G16H)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-503511「患者の状況、ユーザの役割、現在のワークフロー及びディスプレイの近接度に基づいて、ユーザ体験を最適化するためのシステム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月 1日国際公開、WO2018/019959、令和 1年 9月 5日国内公表、特表2019-525337、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)7月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年7月28日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。 平成31年 1月29日 手続補正書 提出 令和 3年 9月13日付け 拒絶理由通知 令和 3年12月16日 意見書・手続補正書 提出 令和 4年 5月 9日付け 拒絶査定 令和 4年 9月12日 審判請求書・手続補正書 提出 第2 原査定の概要 原査定(令和4年5月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。(当審注:原査定の本文では、下記理由1-2を拒絶査定の理由としつつ、備考欄では、理由3についても記載しており、請求人は、審判請求書において、理由3についても反論していることから、理由3についても原査定の理由として取り扱う。) 1.(新規性)この出願の請求項1,7-9に係る発明は、下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 2.(進歩性)この出願の請求項1,7-9に係る発明は、下記の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、 この出願の請求項2-6,10-15に係る発明は、下記の引用文献1-4に記載された発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 3.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 ・請求項1-15 (1)請求項1には「提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するステップ」との記載があるが、当該記載は当該ステップが果たすべき業務上の機能を示すに過ぎず、如何なる情報を用いて如何なる技術的手段で提示すべきコンテンツを決定するのか、その具体的な技術的手段が不明であるから、当該処理の技術的意味(当該請求項に係る発明において果たす働きや役割、ここでは特に具体的な情報処理の内容)を理解することができない。 請求項1を引用する請求項2-9にも同様の点が指摘される。 また、請求項10-15にも同様の点が指摘される。 (2)請求項2には「前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定するステップは、前記現在の参加者に基づき前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定することを含む」との記載があるが、現在の参加者の何を用いて、具体的に如何なる技術的手段でコンテンツを決定するのか、その技術的手段が不明であるから、当該処理の技術的意味(当該請求項に係る発明において果たす働きや役割、ここでは特に具体的な情報処理の内容)を理解することができない。 請求項2を引用する請求項3-9にも同様の点が指摘される。 請求項3,5-7,11,12-14のコンテンツの決定にも同様の点が指摘される。 よって、請求項1-15にかかる発明は依然として明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2013-061923号公報 2.米国特許出願公開第2015/0019260号明細書 3.特開平10-260666号公報(周知技術を示す文献) 4.特開2003-271276号公報(周知技術を示す文献) 第3 本願発明 本願の請求項1ないし15に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明15」という。)は、令和4年9月12日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項15に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 医療ワークスペース管理方法を実行するためにサーバコンピュータによって読取可能及び実行可能な命令を格納する非一時的記憶媒体であって、前記医療ワークスペース管理方法は、 ユーザデータベースで識別されたユーザを認証するステップであって、それにより、前記ユーザが認証済みユーザになるステップと; 前記サーバコンピュータで複数の医療アプリケーションのインスタンスを実行することを含む仮想セッションを作成するステップであって、前記インスタンスは、前記認証済みユーザに関連付けられる、ステップと; 前記認証済みユーザに近接するか前記認証済みユーザによってアクセスされる現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップと; 提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するために、動的イベントに優先順位を付けるための1組のルールを適用するステップであって、前記1組のルールを適用するステップは、現在の患者の識別に対して作用して前記現在の患者に関連するコンテンツとして前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定する少なくとも1つの臨床ルールを適用することを含む、ステップと; 前記現在の医療コンテンツ提示デバイスにおける提示のために、前記提示すべきコンテンツを前記サーバコンピュータから前記現在の医療コンテンツ提示デバイスにプッシュするステップと; を含む、非一時的記憶媒体。 【請求項2】 前記識別するステップは、 少なくとも1つの位置情報サービスを使用して前記認証済みユーザの現在位置を追跡するステップと、 前記現在の医療コンテンツ提示デバイスに対する前記認証済みユーザの現在位置の近接に基づいて、前記現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップと、を含み、該識別するステップは、 前記少なくとも1つの位置情報サービスのリアルタイム位置情報サービス(RTLS)コンポーネントを使用して、前記認証済みユーザ以外の前記ユーザデータベース内の他のユーザの現在位置を同時追跡するステップと、 前記同時追跡から現在の参加者を決定するステップであって、前記現在の参加者は、前記認証済みユーザと、前記現在の医療コンテンツ提示デバイスに近接する、前記認証済みユーザ以外の1人以上のユーザとを含む、ステップと、 を更に含み、前記提示すべきインスタンスのコンテンツはさらに、前記現在の参加者に基づく、 請求項1に記載の非一時的記憶媒体。 【請求項3】 前記提示すべきインスタンスのコンテンツはさらに、前記ユーザデータベースから決定される前記現在の参加者の1つ以上の医療的役割に基づき、 前記同時追跡するステップは、前記少なくとも1つの位置情報サービスの前記RTLSコンポーネントを使用して、前記ユーザデータベース内にいない人の位置を同時追跡するステップを更に含み、 前記現在の参加者は、前記ユーザデータベース内におらず、前記現在の医療コンテンツ提示デバイスに近接する1人以上の人を更に含む、 請求項2に記載の非一時的記憶媒体。 【請求項4】 前記少なくとも1つの位置情報サービスを使用して前記認証済みユーザの現在位置を追跡するステップは、近接センサを使用して前記認証済みユーザの現在位置と前記現在の医療コンテンツ提示デバイスとの間の距離を決定するステップを含み、 前記決定された距離に基づいて、提示すべきコンテンツの量と提示すべきテキストコンテンツのフォントサイズとのうちの少なくとも一方が決定される、 請求項2又は3のいずれかに記載の非一時的記憶媒体。 【請求項5】 前記現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップは、前記現在の医療コンテンツ提示デバイスのディスプレイサイズを識別するステップを含み、 前記ディスプレイサイズに基づき前記提示すべきインスタンスのコンテンツは調整される、 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の非一時的記憶媒体。 【請求項6】 前記医療ワークスペース管理方法は、 現在の患者を、前記少なくとも1つの位置情報サービスによって決定される、前記認証済みユーザの現在位置に対する前記現在の患者の近接に基づいて識別するステップ、 を更に含み、前記提示すべきインスタンスのコンテンツは、前記現在の患者の識別情報に基づき決定される、 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の非一時的記憶媒体。 【請求項7】 前記医療ワークスペース管理方法は、 前記ユーザデータベースで識別された第2ユーザを認証するステップであって、それにより、前記第2ユーザが第2認証済みユーザになるステップと; 前記サーバコンピュータの複数の医療アプリケーションの更なるインスタンスを実行することを含む第2仮想セッションを作成するステップであって、前記更なるインスタンスは、前記第2認証済みユーザに関連付けられる、ステップと; 前記認証済みユーザと前記第2認証済みユーザの双方に近接するかその双方によってアクセスされる前記現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップと; を更に含み、 前記1組のルールを適用するステップは、提示すべき前記インスタンスのコンテンツ及び提示すべき前記更なるインスタンスの更なるコンテンツを決定し、 前記プッシュするステップは、前記現在の医療コンテンツ提示デバイスで表示される第1ウィンドウ又はタイルにおける提示のために、前記提示すべきコンテンツを前記サーバコンピュータから前記現在の医療コンテンツ提示デバイスにプッシュすることと、前記現在の医療コンテンツ提示デバイスで更に表示される第2ウィンドウ又はタイルにおける提示のために、前記提示すべき更なるコンテンツを前記サーバコンピュータから前記現在の医療コンテンツ提示デバイスにプッシュすることを含む、 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の非一時的記憶媒体。 【請求項8】 前記識別するステップは、 前記認証済みユーザが前記現在の医療コンテンツ提示デバイスにログインしたことを示す通知を前記現在の医療コンテンツ提示デバイスから受け取るステップ、 を含む、請求項1に記載の非一時的記憶媒体。 【請求項9】 前記認証するステップは、前記ユーザから認証情報を受け取ること又は前記ユーザによる認証動作を検出することのうちの少なくとも一方を含み、 前記仮想セッションを作成するステップは、前記の認証するステップの完了後に実行され、前記認証済みユーザから認証情報を受け取ることを含まず、前記認証済みユーザによる認証動作を検出することを含まない、 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の非一時的記憶媒体。 【請求項10】 医療ワークスペース管理デバイスであって: サーバコンピュータと; 医療ワークスペース管理方法を実行するために前記サーバコンピュータによって読取可能及び実行可能な命令を格納する非一時的記憶媒体と、 を備え、前記医療ワークスペース管理方法は、 ユーザデータベースで識別されたユーザを認証するステップであって、それにより、前記ユーザが認証済みユーザになるステップと; 前記認証の完了後に、前記サーバコンピュータで複数の医療アプリケーションのインスタンスを実行することを含む仮想セッションを作成するステップであって、前記インスタンスは、前記認証済みユーザに関連付けられる、ステップと; 少なくとも1つの位置情報サービスを使用して前記認証済みユーザの現在位置を追跡するステップと; 現在の医療コンテンツ提示デバイスに対する前記認証済みユーザの現在位置の近接に基づいて、前記現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップと; 提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するために、動的イベントに優先順位を付けるための1組のルールを適用するステップであって、前記1組のルールを適用するステップは、現在の患者の識別に対して作用して前記現在の患者に関連するコンテンツとして前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定する少なくとも1つの臨床ルールを適用することを含む、ステップと; 前記現在の医療コンテンツ提示デバイスにおける提示のために、前記提示すべきコンテンツを前記サーバコンピュータから前記現在の医療コンテンツ提示デバイスにプッシュするステップと; を含む、医療ワークスペース管理デバイス。 【請求項11】 前記医療ワークスペース管理方法は、 現在の患者を、前記少なくとも1つの位置情報サービスによって決定される、前記認証済みユーザの現在位置に対する前記現在の患者の近接に基づいて識別するステップ、 を更に含み、前記提示すべきインスタンスのコンテンツは、前記現在の患者の識別情報に基づき決定される、 請求項10に記載の医療ワークスペース管理デバイス。 【請求項12】 前記識別するステップは、 前記少なくとも1つの位置情報サービスのリアルタイム位置情報サービス(RTLS)コンポーネントを使用して、前記認証済みユーザ以外の前記ユーザデータベース内の他のユーザの現在位置及び前記ユーザデータベース内にいない人の現在位置を同時追跡するステップと、 前記同時追跡から現在の参加者を決定するステップであって、前記現在の参加者は、前記認証済みユーザと、前記現在の医療コンテンツ提示デバイスに近接する、前記認証済みユーザ以外の任意のユーザと、前記現在の医療コンテンツ提示デバイスに近接する、前記ユーザデータベース内にいない任意の人を含む、ステップと、 を更に含み、前記提示すべきインスタンスのコンテンツはさらに、前記現在の参加者に基づき、 前記提示すべきインスタンスのコンテンツはさらに、前記ユーザデータベースから決定された前記現在の参加者の1つ以上の医療的役割に基づく、 請求項10又は11のいずれかに記載の医療ワークスペース管理デバイス。 【請求項13】 前記少なくとも1つの位置情報サービスを使用して前記認証済みユーザの現在位置を追跡するステップは、近接センサを使用して前記認証済みユーザの現在位置と前記現在の医療コンテンツ提示デバイスとの間の距離を決定するステップを含み、 前記決定された距離に基づいて、提示すべきコンテンツの量と提示すべきテキストコンテンツのフォントサイズとのうちの少なくとも一方が決定される、 請求項10乃至12のいずれか一項に記載の医療ワークスペース管理デバイス。 【請求項14】 前記医療ワークスペース管理方法は、 前記ユーザデータベースで識別された第2ユーザを認証するステップであって、それにより、前記第2ユーザが第2認証済みユーザになるステップと; 前記サーバコンピュータの複数の医療アプリケーションの更なるインスタンスを実行することを含む第2仮想セッションを作成するステップであって、前記更なるインスタンスは、前記第2認証済みユーザに関連付けられる、ステップと; 前記認証済みユーザと前記第2認証済みユーザの双方に近接するかその双方によってアクセスされる前記現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップと; を更に含み、 前記1組のルールは、前記インスタンスのコンテンツ対前記更なるインスタンスのコンテンツの表示について優先順位付けをするルールを含む、 請求項10乃至13のいずれか一項に記載の医療ワークスペース管理デバイス。 【請求項15】 前記現在の医療コンテンツ提示デバイスを含む複数の医療コンテンツ提示デバイスを更に備え、各医療コンテンツ提示デバイスは、前記サーバコンピュータからプッシュされたコンテンツを受け取って提示するように前記医療コンテンツ提示デバイスをプログラムするドライバを含む、 請求項10乃至14のいずれか一項に記載の医療ワークスペース管理デバイス。」 第4 引用文献 1 引用文献1および引用発明 (1)引用文献1の記載事項 原査定の拒絶理由に引用された引用文献1(特開2013-061923号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審が付加した。以下同様。)。 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、病院などの医療機関において、一つの携帯端末を利用して個人認証を行い、認証後に認証サーバからビューワとしての別の携帯端末(入力も可能)へ使用許可を与え、入院患者のベッドサイド等において、医療従事者等がMRI,CT,レントゲン等の撮影画像のデータや体温、血圧、脈拍などのバイタルデータ、心電図、採血検査、尿検査及びその他の検査結果のデータなどを前記入力も可能なビューワとしての携帯端末へ表示しながら患者に対して直接説明することのできる携帯端末による入力及び認証支援システムに関するものである。 【背景技術】 【0002】 電子システム化された病院、診療所などの医療機関では、医事システム、オーダリングシステム、電子カルテシステムなどのシステムを備え、病院内における各種のデータを処理して電子情報として管理することで病院内の医療業務の円滑化を図り、医療スタッフの作業性及び作業効率の向上を実現し、また患者の利便性、安全性に寄与している。 【0003】 医事システムは、患者登録、外来会計、病名登録、収納処理等を担当する窓口業務と、入退院を担当する入院業務と、レセプトに関する業務を行うレセプト業務と、統計業務と、患者別管理業務などの医療事務に関する業務を行うシステムである。 【0004】 オーダリングシステムは、指示や注文などのオーダーが適切に行われるように支援するシステムであり、医療従事者や看護師が検査や投薬・注射などのオーダーを入力すると、その内容が電子的に関係部門に伝達され、診察から薬品処方、医事会計までの処理が迅速かつ正確に行われるようになっている。 これらは各部門ごとに独立したシステムの集合からなるものであり、具体的には放射線科、臨床検査科、生理検査科、薬局等の各科ごとにデータ処理を行う部門システム単体の集合体である。これらの各部門システム単体は、最近では数十のシステムが実用化されており、今後は更に細分化される等して増加する傾向にある。 【0005】 電子カルテシステムは、従来の紙のカルテに代わり、診療録等の診療情報を電子化して保存・更新するシステムである。医療スタッフは、この電子カルテシステムを利用して処方、検査等のオーダ、カルテ内容の記載等を行っており、医療従事者、看護師、検査技師、薬剤師、理学療法及び医事等の医療スタッフで共有され、チームとしての一貫した医療の提供が行えるようにしている。 【0006】 ところで、入院患者に対して病院の医療従事者が病気の状況や検査結果について説明する場合は、前記電子カルテシステムの端末コンピュータがLAN接続されている室へ医療従事者と患者及びその家族等が集合した上で行う必要があった。医療従事者は、LAN接続された端末コンピュータを通じて、本人認証を獲得した後、電子カルテシステムのサーバへアクセスし、MRI、CT及びレントゲンなどの撮影画像を表示したり、心電図、血液検査、尿検査などの検査結果のデータを表示したり、体温、血圧、脈拍などのバイタルデータを表示したりして、当該患者の病気の状況や検査結果、更には診療スケジュール等を説明していた。 【0007】 ところが、このような従来の方法では、電子カルテシステムの端末コンピュータがLAN接続された室へ医療従事者と患者及びその家族等が集合して行う必要があり、固定された室でなければならないという場所的な制限を受ける欠点があった。また入院患者が移動するのに不自由であるような場合は、ベッドサイドで説明することになるが、このような場合は撮影画像のデータや診察結果、検査結果などをプリントアウトして書面データに変換した上で行う必要があり、煩雑且つ面倒であった。また説明後の書面データの管理もその保管場所や秘密性保持のために大掛かりなものとなっていた。 【0008】 従来のこのような問題点を解決する技術として特許文献1に示すようなものがある。この特許文献1の技術は、携帯端末装置と、無線通信ユニットと、通信機器とから成り、携帯端末装置と、無線通信ユニットとの間で認証が成立している状態において、携帯端末装置の使用を可能とするものである。またこの特許文献1の技術では、通信機器のエリアに携帯端末装置と無線通信ユニットとが入ると、携帯端末装置の使用を制限するようにし、携帯端末装置から発信される電磁波が医療機関内での他の機器への障害とならないように配慮されている。 【0009】 この特許文献1の技術では、例えば、携帯端末装置をPDA等の情報表示装置とし、無 線通信ユニットをカードとした場合において、医療機関の医療従事者が、前記携帯端末装置と無線通信ユニットとの二つの無線端末機器を所持している間は、PDA等の携帯端末装置を通じて所定の医療行為を行うことが可能になる。入院病棟などで、回診を行うような場合には、携帯端末装置の表示部に所定の医療情報を表示することが可能である。具体的には、携帯端末装置の表示部に、MRI、CT及びレントゲンなどの撮影画像を表示したり、心電図、血液検査、尿検査などの検査結果のデータを表示したり、体温、血圧、脈拍などのバイタルデータを表示したりして、当該患者の病気の状況や検査結果、更には入院スケジュール等を表示することが考えられる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0010】 【特許文献1】 特開2008-022328号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 ところが、前記特許文献1に示す技術では、携帯端末装置と無線通信ユニットとの間において、相互に認証を行うことが必要であり、それぞれの機器に認証機能が必要であった。特許文献1では、無線通信ユニットがカードやキー、キーホルダー等である場合の例示列挙がなされているが、無線通信ユニットに特許文献1に記載の発明の効果をもたらすためには、これらの機器に無線認証機能を搭載しなければならない。しかしながら、現実的には直接搭載することは無理であり、専用のアダプターを接続したりして無線認証機能を持たせる必要があった。 また無線通信ユニットに無線認証機能が必要であるが、市販されている携帯電話の端末のOS(Operation Systems)には、認証機能がないため、無線通信ユニットとして市販されている携帯電話端末を利用することができず、専用の無線通信ユニットの機器を準備する必要があった。 【0012】 更に、特許文献1の技術では、携帯端末装置と無線通信ユニットの二つの端末機器が揃っておれば、誰でもが携帯端末装置の使用をすることができる。そのため、二つの端末機器の管理者がこれらをうっかり置き忘れる等してその管理状態が解放されたような場合にあっては、病院内の患者情報などを他人が容易に見ることができ、セキュリティー上の重大な問題があった。 本発明は、従来の前記問題点に鑑みてこれを改良除去したものであって、市販されている携帯電話の端末やタブレット型パーソナルコンピュータ等の携帯端末を利用して、入院患者のベッドサイド等において、MRI、CT及びレントゲンなどの撮影画像を表示したり、心電図、血液検査、尿検査などの検査結果のデータを表示したり、体温、血圧、脈拍などのバイタルデータを表示したりして、当該患者の病気の状況や検査結果、更には診療スケジュール等を、ビューワとしての携帯端末(入力も可能)を通じて表示しながら患者へ直接説明することのできる携帯端末による入力及び認証支援システムを提供せんとするものである。」 イ 図1 [図:0001399149000001.jpg] ウ 図2 [図:0001399149000002.jpg] エ 「【0024】 以下に、本発明の構成を図1及び図2に示す第一の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1は携帯端末による入力及び認証支援システムの全体を示すブロック図、図2は同システムのシーケンスフローチャート図である。 図1に示すごとく、この実施の形態に係る携帯端末による入力及び認証支援システムは、本人確認用の携帯端末として、一般に市販されている携帯電話及び多機能型の携帯電話(スマートフォン)1を使用し、入力もできるビューワ用の携帯端末として、一般に市販されているタブレット型のパーソナルコンピュータ(以下は、「タブレット型PC」という)を使用している。そして、これらの携帯電話1及びタブレット型PC2との間でそれぞれ通信し、情報の交換を行う認証サーバ3を有している。また本人確認用の携帯電話1と、ビューワ用のタブレット型PC2とは、各個人の医療従事者に対して専用使用品として予め付与されており、その機体番号等(ID)と、医療従事者の個人のID及びパスワード(PW)とは認証サーバ3に登録されている。 【0025】 一般に市販されている携帯電話1は、送受信部4と制御部5を有し、制御部5で信号処理された情報をスピーカ6を介して音声信号として出力したり、映像信号として表示部7に表示することができる。なお、この携帯電話1には、認証サーバ3との間で本人認証のための通信を行うための専用ソフト24が予めインストールされている。この専用ソフト24は、院内において自由にダウンロードすることが可能である。この専用ソフト24により、操作部8から入力した文字、数字、記号等の信号を送受信部4を通じてインターネット経由又はWi-Fi環境下の認証サーバ3へ送信することが可能である。 【0026】 一般に市販されているビューワ用のタブレット型PC2は、携帯電話1の場合と同じように、送受信部9と制御部10を有し、制御部で信号処理された情報をスピーカ11を介して音声信号として出力したり、映像信号として表示部12に表示することができる。また操作部13から入力した文字、数字、記号等の信号を送受信部11を通じてインターネット経由又はWi-Fi環境下の認証サーバ3へ送信することが可能である。なお、このタブレット型PC2の表示部12は、画面サイズが10インチを超えるものもあり、解像度も極めて高く、医療用画像を表示するものとして十分である。更に、このタブレット型PC2には、認証サーバ3との間で本人認証のための通信を行うための専用ソフト14がインストールされている。 【0027】 認証サーバ3は、送受信部15と、制御部16と、認証部17とを有している。認証部17は、本人確認用の携帯電話1からビューワ用のタブレット型PC2のID信号が入力されると、タブレット型PC2へ待機信号を送信するようになっている。 【0028】 更に、この実施の形態では、入力もできるビューワ用のタブレット型PC2の使用許可が出た場合には、これを管理する医療従事者はHIS又はRIS等の医療情報システム19へアクセスできるようになっている。医療情報システム19は、送受信部20と、制御部21と、認証部22とを有している。認証が得られた場合は、HIS又はRIS等の医療情報システム19とLAN接続又はバス接続等された電子カルテシステム23のデータベース(DB)から目的とする患者の医療情報を取得し、ビューワ用のタブレット型PC2へ出力するようになっている。 【0029】 次に、このように構成された携帯型の医療情報表示システムの動作態様を、本人確認用の携帯電話1とビューワ用のタブレット型PC2とを所持管理している医療従事者が、入院患者の巡回診察を行うに際して現在の病気の経過状況を説明する場合を例に図1及び図2を参照して説明する。先ず、所持している本人確認用の携帯電話1と、ビューワ用のタブレット型PC2の電源をONにし、携帯電話1と認証サーバ3とをWi-Fiにて通信可能状態にする。 このような状態から携帯用電話1に、医療従事者のIDとパスワード(PW)とをその操作部8から入力し、認証サーバ3へ当該携帯電話1の機体番号(ID)とともに送信する。なお、携帯電話1の機体番号(ID)は、当該携帯電話1に固有のものであり、認証サーバ3へ使用者本人のID及びパスワードを出力するときに、自動的に同時に付随して出力されるようになっている。認証サーバ3には、予め各医療従事者に貸与した携帯電話1の機体番号と医療従事者個人のID及びパスワードとが登録されているので、登録されているID及びPWと、携帯電話1から送信されてきた携帯電話自体のID、医療従事者のID及びPWとを照合し、一致していれば、本人確認が得られた許可信号を携帯電話1へ送信する。 【0030】 然る後は、携帯電話1へビューワ用のタブレット型PC2の機体番号(ID)を入力し、認証サーバ3へ送信する。認証サーバ3は、本人確認が得られた携帯電話1からの情報であるので、その認証部17がビューワ用のタブレット型PC2へ待機信号を出力するようになる。この待機信号を受信したタブレット型PC2では、医療従事者のID及びパスワード入力画面が表示されるようになっており、医療従事者がID及びパスワードを入力して、これらのID及びパスワードと、タブレット型PC2自体の機体番号(ID)とを認証サーバ3へ出力することにより、認証サーバ3でタブレット型PC2の使用者を確認する。なお、このタブレット型PC2の場合も、当該携帯端末のIDは、当該携帯端末に固有のものであり、認証サーバ3へ使用者本人である医療従事者のID及びパスワードを出力するときに、自動的に同時に付随して出力されるようになっている。 認証サーバ3で、使用者本人である医療従事者がタブレット型PC2を使用するものであることの照合確認が得られた場合は、認証サーバ3はタブレット型PC2に使用許可の信号を出力するようになる。これにより、当該ビューワ用のタブレット型PC2が使用可能な状態になる。 【0031】 然る後は、ビューワ用のタブレット型PC2を通じて使用者である医療従事者が病院内のネットワークであるHIS又はRIS等の医療情報システム19へアクセスし、予め医療従事者に付与された所定のID及びパスワードを入力もできるビューワ用の携帯端末から入力することでアクセス権が得られる。そして、医療従事者がビューワ用のタブレット型PC2へ患者のIDを入力すると、医療情報システム19の電子カルテシステム23のデータベースDBから当該患者に関する各種の医療情報を入手することが可能となる。患者のID入力は、患者の診察券をカードリーダで読み込む方式やブレスレットのバーコードを読み込む方式又はRFIDを利用する方式等がある。医療情報としては、MRI、CT及びレントゲンなどの撮影画像、心電図、血液検査、尿検査などの検査結果のデータ、体温、血圧、脈拍などのバイタルデータ、当該患者の病気の状況や検査結果、更には診療スケジュール等がある。これらの得られた医療情報は、タブレット型PC2の表示部12に表示される。 【0032】 従って、医療従事者は、巡回診察において、入院患者のベッドサイドでこれらの医療情報をタブレット型PC2の表示部12に表示しながら当該患者へ説明することができ、患者に対して詳細に且つ根拠を示して説明することができるので患者も納得のいく説明を受けることができ、安心であると共に、病院に対する信頼性も向上する。一方、医療従事者にしてみれば、前記いろいろな医療情報を書面にして持参し、当該患者に説明する必要がないので、極めて便利で、書面の管理をする必要もない。しかも、患者を取り間違ったりする医療ミスもない。 なお、ビューワ用としてのタブレット型PC2は、入力も可能であり、この使用許可が得られた状態において、新たに検査した患者の体温、血圧、脈拍などの生のバイタルデータを電子カルテシステムのデータベースへ登録することも可能である。」 (2)引用発明 上記(1)の、特に下線を付加した記載に着目すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「市販されている携帯電話の端末やタブレット型パーソナルコンピュータ等の携帯端末を利用して、入院患者のベッドサイド等において、MRI、CT及びレントゲンなどの撮影画像を表示したり、心電図、血液検査、尿検査などの検査結果のデータを表示したり、体温、血圧、脈拍などのバイタルデータを表示したりして、当該患者の病気の状況や検査結果、更には診療スケジュール等を、ビューワとしての携帯端末(入力も可能)を通じて表示しながら患者へ直接説明することのできる携帯端末による入力及び認証支援システムであって、 携帯端末による入力及び認証支援システムは、本人確認用の携帯端末として、一般に市販されている携帯電話及び多機能型の携帯電話(スマートフォン)1を使用し、入力もできるビューワ用の携帯端末として、一般に市販されているタブレット型のパーソナルコンピュータ(以下は、「タブレット型PC」という)を使用しており、これらの携帯電話1及びタブレット型PC2との間でそれぞれ通信し、情報の交換を行う認証サーバ3を有しており、 本人確認用の携帯電話1と、ビューワ用のタブレット型PC2とは、各個人の医療従事者に対して専用使用品として予め付与されており、その機体番号等(ID)と、医療従事者の個人のID及びパスワード(PW)とは認証サーバ3に登録されており、 携帯電話1には、認証サーバ3との間で本人認証のための通信を行うための専用ソフト24が予めインストールされており、 タブレット型PC2には、認証サーバ3との間で本人認証のための通信を行うための専用ソフト14がインストールされており、 認証サーバ3は、送受信部15と、制御部16と、認証部17とを有しており、認証部17は、本人確認用の携帯電話1からビューワ用のタブレット型PC2のID信号が入力されると、タブレット型PC2へ待機信号を送信するようになっており、 入力もできるビューワ用のタブレット型PC2の使用許可が出た場合には、これを管理する医療従事者はHIS又はRIS等の医療情報システム19へアクセスできるようになっており、 医療情報システム19は、送受信部20と、制御部21と、認証部22とを有しており、認証が得られた場合は、HIS又はRIS等の医療情報システム19とLAN接続又はバス接続等された電子カルテシステム23のデータベース(DB)から目的とする患者の医療情報を取得し、ビューワ用のタブレット型PC2へ出力するようになっており、 本人確認用の携帯電話1とビューワ用のタブレット型PC2とを所持管理している医療従事者が、入院患者の巡回診察を行うに際して現在の病気の経過状況を説明する場合において、 携帯用電話1に、医療従事者のIDとパスワード(PW)とをその操作部8から入力し、認証サーバ3へ当該携帯電話1の機体番号(ID)とともに送信し、 認証サーバ3には、予め各医療従事者に貸与した携帯電話1の機体番号と医療従事者個人のID及びパスワードとが登録されているので、登録されているID及びPWと、携帯電話1から送信されてきた携帯電話自体のID、医療従事者のID及びPWとを照合し、一致していれば、本人確認が得られた許可信号を携帯電話1へ送信し、 携帯電話1へビューワ用のタブレット型PC2の機体番号(ID)を入力し、認証サーバ3へ送信し、 認証サーバ3は、本人確認が得られた携帯電話1からの情報であるので、その認証部17がビューワ用のタブレット型PC2へ待機信号を出力し、 待機信号を受信したタブレット型PC2では、医療従事者のID及びパスワード入力画面が表示されるようになっており、医療従事者がID及びパスワードを入力して、これらのID及びパスワードと、タブレット型PC2自体の機体番号(ID)とを認証サーバ3へ出力することにより、認証サーバ3でタブレット型PC2の使用者を確認し、 認証サーバ3で、使用者本人である医療従事者がタブレット型PC2を使用するものであることの照合確認が得られた場合は、認証サーバ3はタブレット型PC2に使用許可の信号を出力し、これにより、当該ビューワ用のタブレット型PC2が使用可能な状態となり、 ビューワ用のタブレット型PC2を通じて使用者である医療従事者が病院内のネットワークであるHIS又はRIS等の医療情報システム19へアクセスし、予め医療従事者に付与された所定のID及びパスワードを入力もできるビューワ用の携帯端末から入力することでアクセス権が得られ、 医療従事者がビューワ用のタブレット型PC2へ患者のIDを入力すると、医療情報システム19の電子カルテシステム23のデータベースDBから当該患者に関する各種の医療情報を入手することが可能となり、患者のID入力は、患者の診察券をカードリーダで読み込む方式やブレスレットのバーコードを読み込む方式又はRFIDを利用する方式等があり、 得られた医療情報は、タブレット型PC2の表示部12に表示される 携帯端末による入力及び認証支援システム。」 2 引用文献2ないし4およびその他の文献 (1)引用文献2 原査定の拒絶理由において、引用された引用文献2(米国特許出願公開第2015/0019260号明細書)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「[0010] Embodiments disclosed herein provide systems and methods to automatically transmit medical information to nurses, doctors, or other medical practitioners (referred to individually and collectively hereinafter collectively as “medical practitioners”) during or preceding a point of care for a patient. [0011] In embodiments, a medical logic server may be configured to receive medical information associated with at least one patient's medical history. The medical information may include medical procedures the patient has previously completed, upcoming medical procedures, lab results, a medical practitioner's diagnosis of a previous illness, reasons the patient is visiting the medical practitioner, etc. The received medical information may also be received from medical computing devices monitoring the patient in real-time, such as a heart rate monitor, blood pressure monitor, etc. [0012] In embodiments, the medical information transmitted to a medical practitioner may be automatically transmitted based on information that the medical practitioner desires to be view at a certain time and/or location. The medical information may be transmitted responsive to determining the location of the medical practitioner, other medical practitioners proximate to the medical practitioner, the medical practitioner's profession, the medical practitioner's schedule, and/or a patient's medical status or reasons for visiting the medical practitioner. [0013] In embodiments, the medical information may be transmitted to the medical practitioner without the medical practitioner performing commands on a client computing device to request the medical information. [0014] In embodiments, the medical information may be received from at least one data source, and may include a patient's electronic health record. The medical logic server may be configured to perform data processing on the received medical information associated with the patient to analyze the medical information. The received medical information associated with a patient's medical health record may be tagged with contextual identifiers, wherein the contextual identifiers are associated with what medical information a medical practitioner may desire to receive (e.g., information based on the patient's last visit, diagnosis, schedule treatment, etc.). The medical information may also include contextual identifiers associated with when the medical practitioner may desire to receive the medical information (e.g., information based on the medical practitioner's schedule or location and/or a number of medical practitioner's in close proximity to each other).」 (当審訳: [0010] 本明細書に開示される実施形態は、患者に対するケアのポイントの間またはそれに先立って、看護師、医師、または他の医療従事者(以下、個別に、および集合的に「医療従事者」と称する)に医療情報を自動的に送信するシステムおよび手法を提供する。 [0011] 実施形態では、医療論理サーバは、少なくとも1人の患者の病歴に関連する医療情報を受信するように構成される場合がある。医療情報は、患者が以前に完了した医療処置、今後の医療処置、検査結果、以前の病気に対する医療従事者の診断、患者が医療従事者を訪れている理由等を含むことができる。受信された医療情報は、心拍数モニタ、血圧モニタなど、リアルタイムで患者を監視する医療コンピューティング装置から受信されることもある。 [0012] 実施形態では、医療従事者に送信される医療情報は、医療従事者が特定の時間および/または場所で閲覧することを望む情報に基づいて自動的に送信される場合がある。医療情報は、医療従事者の位置、医療従事者に近接する他の医療従事者、医療従事者の職業、医療従事者のスケジュール、及び/又は患者の医療状態又は医療従事者を訪問する理由の決定に応答して送信される場合がある。 [0013] 実施形態において、医療情報は、医療従事者が医療情報を要求するためにクライアントコンピューティングデバイス上でコマンドを実行することなく、医療従事者に送信され得る。 [0014] 実施形態では、医療情報は、少なくとも1つのデータソースから受信されてもよく、患者の電子健康記録を含むことができる。医療論理サーバは、医療情報を分析するために、患者に関連する受信された医療情報に対してデータ処理を実行するように構成される場合がある。患者の医療健康記録に関連する受信された医療情報は、文脈識別子でタグ付けされてもよく、文脈識別子は、医療従事者が受信を希望し得る医療情報(例えば、患者の最後の診察、診断、スケジュール治療などに基づく情報)と関連付けられる。医療情報はまた、医療従事者が医療情報(例えば、医療従事者のスケジュール又は場所に基づく情報及び/又は互いに近接する医療従事者の数)の受信を望む可能性のあるタイミングに関連する文脈的識別子を含むことができる。) (2)引用文献3 原査定の拒絶理由において、引用された引用文献3(特開平10-260666号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ワードプロセッサ等、ユーザ操作に応じたデータ表示がなされる表示画面を備えた機器において表示の制御を行なうための表示制御装置、及び表示制御プログラムを記録した記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】例えばワードプロセッサを操作して文書データを作成する際には、キー入力された文字データが対応する文字フォントとして表示フォントメモリから読み出され、順次表示画面に配列されて表示される。 【0003】この場合、表示される文字フォントのサイズは、表示モードの切り換え処理により変更することができるが、この表示モードの切り換え処理は、文字データの入力操作を中断し、表示モードの切り換え用画面をウインド表示させて行なわなければならない。 【0004】すなわち、前記ウインド表示される表示モードの切り換え用画面では、複数種類のフォントサイズが並列表示され、任意のフォントサイズをカーソル等のキー操作により指定して選択実行することで、それ以降の文字データの入力操作に応じてフォントメモリから読み出されて表示される文字フォントが、指定サイズの文字フォントに切り換えられる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】したがって、従来のワードプロセッサでは、例えば文書作成中における表示フォントのフォントサイズが小さくて見ずらい場合、あるいは、表示フォントのフォントサイズが大き過ぎて全体文書として見にくい場合には、その都度、文書入力を中断して前記表示モードの切り換え用画面をウインド表示させ、表示文字フォントのサイズ変更操作を行なわなければならない問題がある。 【0006】本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、表示モードの切り換え操作等、特定の操作を行なう必要なく、表示データの表示サイズを容易に変更することが可能になる表示制御装置、及び表示制御プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。」 イ 「【0012】つまり、本発明の請求項3に係わる表示制御装置では、距離計測手段により計測された表示画面に相対する人の顔との距離に応じて、前記表示手段により表示画面に表示する表示フォントのフォントサイズが変更制御されるので、例えば表示画面に人の顔が近付いた場合には小さな文字フォントに変更表示され、遠のいた場合には大きな文字フォントに変更表示され、ユーザによる無意識の視認動作に合わせた常に見やすいフォントサイズに調整できることになる。」 ウ 「【0032】したがって、本発明の第1実施形態に係わる表示制御装置を搭載したワードプロセッサ10によれば、例えば文書入力表示状態において、表示部12の上部に設けられた距離センサ13により計測される表示画面~ユーザH間距離Dが、一定距離(例えば10cm)以上接近する方向に変化した場合には、CPU21から表示フォント変換部24に対して指定されるフォントサイズが一定割合の拡大サイズに変更され、表示部12に表示されている表示データ中の各基本文字フォントが、表示フォント記憶部25から読み出されると共に、表示フォント変換部24にて拡大サイズのアウトラインフォントに変換されて再表示され、また、一定距離以上離間する方向に変化した場合には、前記CPU21から表示フォント変換部24に対して指定されるフォントサイズが一定割合の縮小サイズに変更され、表示部12に表示されている表示データ中の各基本文字フォントが、表示フォント記憶部25から読み出されると共に、表示フォント変換部24にて縮小サイズのアウトラインフォントに変換されて再表示されるので、ユーザが表示データの見にくさや見やすさに応じて表示画面に対する姿勢を無意識に換えた場合に、これに連動して自動的に見やすいサイズの表示文字サイズに切り換えられるようになる。」 (3)引用文献4 原査定の拒絶理由において、引用された引用文献4(特開2003-271276号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はデータを出力する際に利用するデータ出力指示装置等に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、データを液晶プロジェクターなどで出力して、プレゼンテーションする技術が発達してきた。プレゼンテーションを行う技術として、マイクロソフト社のPOWERPOINT(「POWERPOINT」はマイクロソフト社の商標。)がある。この従来技術は、動きのあるプレゼンテーションが用意に作成できるなどの機能を有する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術によれば、データを見ている人々とデータ出力画面との距離を考慮して自動的にデータの内容や文字のフォント、色などが変化しなかった。従って、視聴距離に応じた適切なデータ出力ができなかった、という課題があった。 【0004】また、従来技術によれば、出力する媒体(液晶プロジェクターかCRTかなど)によりデータの見せ方が変わらなかった。従って、出力媒体に応じた適切なデータ出力が容易にできなかった、という課題があった。 【0005】また、従来技術によれば、出力画面サイズに応じてデータの見せ方が変わらなかった。従って、出力画面サイズに応じた適切なデータ出力ができなかった、という課題があった。 【0006】さらに、見る人に応じて、つまり、お年寄りか若者かなどに応じてデータの見せ方が変わらなかった。従って、視聴者自身や視聴者の属性値等に応じた適切なデータ出力ができなかった、という課題があった。 【0007】 【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、本発明は、出力されるデータを視聴する人とデータを出力する場所との距離に関する情報である距離情報を取得する距離情報取得部と、当該距離情報に基づいてデータの出力を指示する第一出力指示部とを具備することにより、データを見ている人々とデータ出力画面との距離を考慮したデータ出力ができる。 【0008】また、本発明は、データの出力先の種類に関する情報である出力先種類情報を取得する出力先種類情報取得部と、当該出力先種類情報に基づいてデータの出力を指示する第四出力指示部とを具備することにより、出力媒体に応じた適切なデータ出力ができる。 【0009】また、本発明は、データ出力先の画面サイズに関する情報である画面サイズ情報を取得する画面サイズ情報取得部と、当該画面サイズ情報に基づいてデータの出力指示をする第五出力指示部とを具備することにより、出力画面サイズに応じた適切なデータ出力ができる。」 (4)特開2002-169888号公報 特開2002-169888号公報(以下、この文献を「引用文献5」とよぶ。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 図7 [図:0001399149000003.jpg] イ 図8 [図:0001399149000004.jpg] ウ 「【0054】以上のように構成された医療介護支援システム1において、ユーザとしての医師への医療介護情報の提供処理について、図7、8に示すフローチャートに沿って説明する。 【0055】この医療介護情報の提供処理が開始されると、まず、ユーザである医師は、端末装置41、43を使って閲覧ソフトを立ち上げ、管理装置3にネットワーク6を介してアクセスする(ステップS1)。すると、管理装置2のWebサーバ32から認証情報入力画面データが送信され、表示部414、432の画面上に、図示しない認証情報入力画面が表示される。この認証画面には、「ID番号」欄と、「パスワード」欄が表示され(ステップS2)、予め登録しておいたID番号およびパスワードを「ID番号」欄および「パスワード」欄にそれぞれ入力部412、433等により入力する(ステップS3)。また、このとき、医師は自ら保持するハードキー7をリーダ423の差込口423aに差し込むと、リーダ423は、ハードキー7に記憶された認証コードを読みとり、制御部411に出力する(ステップS4)。 【0056】次いで、制御部411は、入力されたID番号、パスワード、認証コードを管理装置2に送信し(ステップS5)、管理装置3の送受信制御部35は、ID番号、パスワード、認証コードを受信する(ステップS6)。すると、管理装置3のCPU331は、受信したID番号、パスワード、認証コードに基づいて、認証されるか否か判定する(ステップS7)。具体的に、CPU331は、送信されたID番号、パスワード、認証コードからなる認証情報の全てに合致するデータがユーザ認証データファイル341に存在するか否かを判定する。そして、認証情報の全てに一致するデータがあると判定した場合(ステップS7:YES)には、ステップS8に移行するが、認証情報の全てに一致するデータがない場合(ステップS7:NO)には、CPU331は、「認証不可」メッセージを端末装置41、43に送付して、再びステップS2に移行する。このように、当該医療介護支援システム1による認証は、ID番号とパスワード(第1の認証情報)の入力と、ハードキー7による認証コード(第2の認証情報)の入力という2つの認証情報を入力しなければならないので、秘密漏洩をより厳重に防止することが出来るようになっている。 【0057】次いで、ステップS8では、CPU331は、認証されたユーザのユーザ属性をユーザ認証データファイル341から取得する。次いで、Webサーバ32は、取得されたユーザ属性に応じた「医療介護項目メニュー」画面データから、「医師」ユーザ属性に該当する「医療介護項目メニュー」画面データを選択して端末装置41、43に送信する(ステップS9)。すると、例えば、端末装置41、43の表示部414、432には、図示しない医療介護項目メニュー画面が表示される(ステップS10)。ここで、ユーザ属性に応じた「医療介護項目メニュー」を選択する、とは、医師、看護婦、介護ヘルパー毎に開示される情報が制限されるので、その開示される項目のみを表示するようにユーザ属性毎に「医療介護項目メニュー」を準備し、その中から選択することをいう。また、「医療介護項目メニュー」画面には、被診療介護者を特定するため情報を入力する被診療介護者特定欄(例えば、氏名、住所、生年月日等)も設けられており、全ての医療介護項目を選択することも、医療介護項目を個別単位に選択することも出来るようになっている。 【0058】次いで、表示部414、432に表示送信された「医療介護項目メニュー」画面の被診療介護者特定欄に特定情報の入力や、医療介護項目を選択する(ステップS11)と、かかる特定或いは選択された指定情報が管理装置2に送信され(ステップS12)、管理装置3の送受信制御部35は、送信された指定情報を受信する(ステップS13)とともに、当該指定情報を各提供装置2に送信する(ステップS14)。次いで、各提供装置2は、指定情報を受信し(ステップS15)、制御部21は、送信された指定情報に基づいて、特定された被医療介護者に関する医療介護項目について、当該提供装置2が情報を開示しない医療介護項目に該当するか否かを1項目づつ判別する(ステップS16)。そして、当該提供装置2が情報を開示しない医療介護項目であると判別した場合(ステップS16:YES)には、更に、未判別の医療介護項目があるか否かを判定する(ステップS17)。そして、未判別の医療介護項目がある場合(ステップS17:YES)には、再び、ステップS16に移行するが、未判別の医療介護項目がない場合(ステップS17:NO)には、ステップS20に移行する。 【0059】一方、ステップS16で、当該提供装置2が開示してない医療介護項目でないと判別した場合(ステップS16:NO)には、制御部21は、該当する医療介護情報が記憶部23にあるか否かを判別する(ステップS18)。そして、該当する医療介護情報があると判別した場合には(ステップS18:YES)、提供装置2は、当該医療介護情報を取得し(ステップS19)、制御部21のRAM(図示省略)に一時的に保管してステップS17に移行する。また、該当する医療介護情報がないと判別した場合(ステップS18:NO)には、ステップS17に移行する。 【0060】次いで、ステップSでは、RAM(図示省略)に記憶された医療介護情報を管理装置3に送信する(ステップS20)。次いで、管理装置3の送受信制御部35は、医療介護情報を受信し(ステップS21)、管理サーバ33のCPU331は、各提供装置2から送信された医療介護情報に基づいて、統合カルテWebデータを作成する(ステップS22)。具体的には、各提供装置2から送信された医療介護情報を、予め作成された統合カルテWebデータの該当する箇所に貼り付けることにより行われる。 【0061】次いで、作成した統合カルテWebデータを端末装置41、43に送信する(ステップS23)。すると、端末装置41、43は、当該統合カルテWebデータを受信し(ステップS24)、表示部414、432に表示する(ステップS25)。具体的には、「医師」ユーザ属性に従い、医療介護項目データが開示される。そして、各提供装置2…(A病院、B病院など)から提供された医療介護情報は、管理装置3によって統合され、統合された統合カルテデータは、端末装置41、43に送信され、図9の表示画面例のように示される。図9では、被医療介護者の氏名、年齢、性別、生年月日、発症、入院、住所、電話番号などの個人情報、発症から現在までの通院経過情報、診断結果、既往歴、家族歴、社会的背景などの診断情報、CTスキャンの検査画像及び所見、問題点などの全ての情報が開示される。 【0062】また、画面には、マスターメニューへの移行を促す「マスターメニューへ」ボタン901、データ取り込み画面への移行を促す「データ取込み画面へ」ボタン902、データ入力画面への移行を促す「データ入力画面へ」ボタン903、患者一覧画面への移行を促す「患者一覧画面へ」ボタン904、予検予想画面への移行を促す「予検予想画面へ」ボタン905などが表示されている。 【0063】なお、ここで、例えば、ユーザが看護婦の場合、「看護婦」ユーザ属性に従い、医療介護項目データが開示される。そして、各提供装置2…(A病院、B病院など)から提供された医療介護情報は、管理装置3によって統合され、統合された統合カルテデータは、端末装置41、43に送信され、図10の表示画面例のように示される。図10は、図9に比較して、CTスキャンの検査画像及び所見が制限される。 【0064】また、例えば、ユーザが介護ヘルパーの場合、「介護ヘルパー」ユーザ属性に従い、医療介護項目データが開示される。そして、各提供装置2…(A病院、B病院など)から提供された医療介護情報は、管理装置3によって統合され、統合された統合カルテデータは、端末装置41、43に送信され、図11の表示画面例のように示される。図11では、図9に比較して、既往歴に関する情報、CTスキャンの検査画像及び所見が制限されている。 【0065】再びフローチャートに戻って、ユーザである医師は、表示画面上の「カルテ番号」欄906に所望するカルテ番号を入力するとともに、「データ入力画面へ」ボタン903を入力部412、433等で押下する(ステップS26)。次いで、端末装置41、43は、当該押下に基づく指示命令を管理装置3に送信し(ステップS27)、管理装置は当該押下信号を受信する(ステップS28)。管理装置3のWebサーバ32は、データ入力画面Webページデータを当該ユーザの端末装置41、43に送信する(ステップS29)。すると、端末装置41、43は、当該データ入力画面Webページデータを受信し(ステップS30)、表示部414、432に、データ入力画面(図示省略)を表示する(ステップS31)。 【0066】次いで、医師は、このデータ入力画面の表示指示に従って診断結果を入力する(ステップS32)。すると、当該診断結果データは、管理装置3に送信され(ステップS33)、管理装置3は、当該診断結果データを受信する(ステップS34)。次いで、管理装置3のCPU331は、カルテ番号をキーに、該当する提供装置2を検索し(ステップS35)、当該診断結果データを該当する提供装置2に送信する(ステップS36)。次いで、診断結果データを受信した提供装置2は、当該診断結果データを受信し(ステップS37)、当該診断結果データを記憶部23の該当する格納領域に記憶し(ステップS38)、本処理を終了する。このように、一人の被診療介護者に関する複数の病院、事業所で保管されている医療介護情報を一つにまとめた「統合カルテ」を作成出来、且つその作成された統合カルテを、通信回線を介して端末装置で見ることが出来るので、医師、看護婦、介護ヘルパー等の業務を効率的かつ確実に行うことができることとなって、これらの業務支援をすることが出来る。加えて、提供される医療介護情報の内容がユーザの属性に応じて制限されるので、不必要な情報開示による秘密漏洩を防止出来る。」 (5)特開2006-338522号公報 特開2006-338522号公報(以下、この文献を「引用文献6」とよぶ。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は医療情報を電子データとして管理する医療情報システムに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、医療分野では受付や検査室、診察室、会計等をネットワークで結び、各端末においてユーザの識別情報(ID番号)と対応するパスワードをログイン画面にて入力することにより、医療情報管理を行うことのできる医療情報管理システムが知られている(特許文献1 参照)。 【特許文献1】 特開2000-200314号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 このような医療情報管理システムにおいては、医師、看護師、検査技師、事務職員等の種々の職業の者が使用しているため、ユーザ毎にアクセス制限を細かく設定し、情報セキュリティーを向上させることが望まれている。 【0004】 本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、ログイン時の操作が容易であり、各ユーザに対して細かなアクセス制限を設定することのできる医療情報管理システムを提供することを技術課題とする。」 イ 図2 [図:0001399149000005.jpg] ウ 「【0014】 図2は医療情報管理システムの複数の権限グループのアクセス権限を設定する権限設定画面(メンテナンス画面)を示す図である。医療情報管理システムの設定用プログラムを起動する。図2(a)において、100は本実施形態の医療情報管理システムのメンテナンスを行うマスタメンテナンスウインドウであり、各部署、部屋及びそれらの対応付け、ユーザグループ、各個人の権限レベルや各ユーザの認証情報(ログイン名やパスワード等)を、このウインドウを用いて設定することができる。図示するように、ウインドウ100には、部署や部屋等の設定項目がツリー表示101にてつり下がっている。例えば、このツリー表示101から部署を新規登録したい場合には、マウス24を操作して画面上に表示されているカーソルを移動させて、「部署」を選択することにより、部署を設定することができる部署設定ウインドウ120を画面上に開くことができる。このようにして、複数の第1権限グループである部署を設定する。 【0015】 部署設定ウインドウ120は、眼科、内科、耳鼻科等の診療科や医事、薬局等の病院内の部署が予め複数用意されており、これらを部署設定ウインドウ120に用意されている各種のボタンアイコン(追加、更新、削除等)を用いて必要とする部署を新規に登録する。同様にツリー表示101から「部屋」を選択すると、図示なき部屋設定ウインドウが表示され、各種の部屋を新規に登録することができる。部屋としては、例えば、受付、診察室、検査室、会計等が用意されている。このようにして、第1権限グループである部署に対して下位の位置付けとなる複数の第2権限グループである部屋を設定する。 【0016】 次に、前述で設定した部署と部屋の関連付けを行う。前述の設定方法と同様にツリー表示101から「部署・部屋関連付け」を選択すると図示なき部署・部屋関連付けウインドウが表示される。このウインドウでは先に設定した部署と部屋のリストがそれぞれ表示されており、各部署に対して登録したい部屋をマウス24で選択し、ボタンアイコン(追加、削除等)を用いて関連付けの登録を確定させる。関連付けの例としては、眼科という部署に対し、診察室、検査室、暗室等を関連付けることや、医事という部署に受付と会計を関連付ける例が挙げられる。このようにして、第1権限グループである部署と第2権限グループである部屋とを関連付ける。 【0017】 次に、ツリー表示101の「ユーザグループ」を選択すると、図示なきユーザグループ設定ウインドウが起動される。前述の部署等の設定と同様にユーザグループの名称(分類)やその権限を設定できる。図2(b)は、図示なきユーザグループ設定ウインドウにより設定された権限を示し、本システムの作業画面(受付画面、診察画面、検査画面等)に対する各ユーザグループの権限を示す表である。なお、図2(b)において、「○」は読み書き可能、「△」は参照のみ可能、「×」はアクセス不可を示す。 【0018】 なお、本実施形態では、図示するように、ユーザグループの名称を「医師」とした場合には、カルテ作成画面及び検査画面において読み書きできる設定としている。また、ユーザグループの名称を「医師(診察)」とした場合には、このユーザグループであれば、カルテ作成画面において読み書き可、検査画面にはアクセス不可の設定としている。 【0019】 このような設定は、医師に限らず、必要に応じてユーザグループの名称を追加し、対応する権限を各ユーザグループ毎で設定することにより、システムの使用権限を任意に設定できる。作業画面における権限の変更は、各項目をクリックすることにより、その項目の権限状態を変えて行う。また、各項目にプルダウンメニューを設けて、権限を選択する変更方法でもよい。 【0020】 部署と部屋の関連付けと、ユーザグループを確定させた後に、ユーザの登録と権限の設定を行う。ツリー表示101で「スタッフ」を選択すると、スタッフ(ユーザ)設定画面130が起動される。スタッフ各個人の名前とログイン名、パスワードの登録は登録欄131を用いて登録する。職員種別欄132ではプルダウンメニューから予め設定したスタッフの種別を選択する。職員種別はユーザグループで先に設定したものとは異なり、後に分類し易くするための項目である。133は前述のユーザグループの選択欄である。プルダウンメニューにより、ユーザグループを選択する。これらの設定をボタンアイコン(確定、適用、取消等)を押すことにより登録させる。これにより、ユーザ毎にシステム上の権限を細かく割り当てることができる。例えば、ユーザグループ上の「医師」であっても設定により、検査の権限を制限できることで、検査室を利用できる医師と利用できない医師を分けてユーザ登録できる。 【0021】 部署及び部屋関連付けとユーザグループの対応は、ツリー表示101に形成される部署・部屋設定項目102を選択することにより表示される図示なき部署・部屋設定ウインドウによって行う。このウインドウには先に登録したユーザグループと、関連付けをした部署・部屋のリストがそれぞれ表示されている。ユーザグループのリストから設定したいユーザグループを選択し、部署・部屋のリストから対応させたい部署と部屋の組み合わせを選択し、図示なきボタンアイコン(追加、削除等)により登録用リストを編集して、さらに、図示なきボタンアイコン(保存、取消、適用等)により対応設定を確定させる。対応の例としては、例えば、ユーザグループ「医師」に部署「眼科」で部屋「診察室」と、部署「眼科」で部屋「暗室」を対応させることが挙げられる。以上説明した操作により、各個人(ユーザ)に部署や部屋の権限を付加して医療情報管理システムに登録する。 【0022】 これによりユーザグループで付与される権限に部署・部屋毎の制限をかけることができる。例えば、あるユーザが職員種別を「医師」、部署を「眼科」、部屋を「診察室」及び「暗室」と登録された場合、そのユーザは医師であっても、他部署である「耳鼻科」のカルテを参照するだけで、書き込むことはできない。眼科のカルテにのみフルアクセス(読み書き)可能であり、また、診察室と暗室しかログインする権限を持たない(後述)。従来では医師の権限を持つユーザであれば、どのような診療科であっても患者のカルテにフルアクセスすることができたが、本発明によれば、部署と部屋でも権限が制限されるため、カルテ等の個人情報は無闇に編集されることがなく、システムのセキュリティが向上する。 【0023】 また、同じ部署に所属する医師であっても、検査室へのアクセスレベルに差が付加されるために、無用に検査室が利用されることがない。例えば、医師2名が共に眼科と内科に所属する場合、一方の医師は眼科、内科の双方とも検査室にアクセス可能とするが、もう一方の医師は内科の検査室にのみアクセス可能で、眼科の検査室にはアクセス不可と設定することができる。カルテのアクセスに関しても同様で、同じ診療科に所属する医師であっても、カルテの権限が、読み書き可能なのか参照のみなのかを設定できる。 【0024】 以上、説明したようにそれぞれのユーザに対して「ユーザグループ」で権限を細かく割り当て、さらに「部署」「部屋」を割り当てることによって、医師や看護師等の職員種別毎の細かい権限設定に加えて、部署や部屋毎に権限の設定ができる。これによって、カルテ等の個人情報の閲覧を細かく制限することにより医療情報管理システムのセキュリティレベルが向上する。」 第5 対比・判断 1 本願発明1 (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことが認められる。 ア 引用発明において、「認証サーバ3には、予め各医療従事者に貸与した携帯電話1の機体番号と医療従事者個人のID及びパスワードとが登録されているので、登録されているID及びPWと、携帯電話1から送信されてきた携帯電話自体のID、医療従事者のID及びPWとを照合し、一致していれば、本人確認が得られた許可信号を携帯電話1へ送信」し、「認証サーバ3で、使用者本人である医療従事者がタブレット型PC2を使用するものであることの照合確認が得られた場合は、認証サーバ3はタブレット型PC2に使用許可の信号を出力し、これにより、当該ビューワ用のタブレット型PC2が使用可能な状態となり、ビューワ用のタブレット型PC2を通じて使用者である医療従事者が病院内のネットワークであるHIS又はRIS等の医療情報システム19へアクセスし、予め医療従事者に付与された所定のID及びパスワードを入力もできるビューワ用の携帯端末から入力することでアクセス権が得られ、医療従事者がビューワ用のタブレット型PC2へ患者のIDを入力すると、医療情報システム19の電子カルテシステム23のデータベースDBから当該患者に関する各種の医療情報を入手することが可能とな」るとされている。 ここで、引用発明の「認証サーバ3」は、本願発明1の「サーバコンピュータ」に対応し、一般的に、サーバコンピュータは、サーバコンピュータによって読取可能及び実行可能な命令を格納する非一時的記憶媒体であるHDDなどの記憶媒体を備えているといえるから、引用発明の「認証サーバ3」も、本願発明1の「サーバコンピュータ」と同様に、「サーバコンピュータによって読取可能及び実行可能な命令を格納する非一時的記憶媒体」を備えているといえる。 そして、引用発明の「認証サーバ3」が「タブレット型PC2に使用許可の信号を出力」することで「ビューワ用のタブレット型PC2が使用可能な状態となり、」「アクセス権が得られ、」「医療情報システム19の電子カルテシステム23のデータベースDBから当該患者に関する各種の医療情報を入手することが可能とな」るのであるから、引用発明の「認証サーバ3」と、本願発明1の「サーバコンピュータ」とは、「医療」情報の「管理方法を実行する」「命令を格納する非一時的記憶媒体」を備えている点で共通しているといえる。 また、引用発明の「認証サーバ3」において、「予め各医療従事者に貸与した携帯電話1の機体番号と医療従事者個人のID及びパスワードとが登録されている」のは、本願発明1の「ユーザデータベース」に対応するものであることは、当業者にとって,明らかであるといえる。 さらに、引用発明の「認証サーバ3」において、「登録されているID及びPWと、携帯電話1から送信されてきた携帯電話自体のID、医療従事者のID及びPWとを照合し、一致していれば、本人確認が得られた許可信号を携帯電話1へ送信」することは、本願発明1の「ユーザデータベースで識別されたユーザを認証するステップであって、それにより、前記ユーザが認証済みユーザになるステップ」に対応するといえる。 そして、引用発明の「アクセス権が得られ」た「タブレット型PC2」は、本願発明1の「現在の医療コンテンツ提示デバイス」に相当し、引用発明において「認証サーバ3はタブレット型PC2に使用許可の信号を出力し、これにより、当該ビューワ用のタブレット型PC2が使用可能な状態となり、ビューワ用のタブレット型PC2を通じて使用者である医療従事者が病院内のネットワークであるHIS又はRIS等の医療情報システム19へアクセスし、予め医療従事者に付与された所定のID及びパスワードを入力もできるビューワ用の携帯端末から入力することでアクセス権が得られ」ることは、本願発明1の「前記認証済みユーザによってアクセスされる現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップ」に対応するといえる。 したがって、本願発明1と引用発明とは、「医療」情報の「管理方法を実行するためにサーバコンピュータによって読取可能及び実行可能な命令を格納する非一時的記憶媒体であって、前記医療」情報の「管理方法は、ユーザデータベースで識別されたユーザを認証するステップであって、それにより、前記ユーザが認証済みユーザになるステップと;」「前記認証済みユーザによってアクセスされる現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップと;」「を含む、非一時的記憶媒体」を備えている点で共通しているといえる。 しかし、本願発明1では、医療ワークスペース管理方法を実行するとされているのに対し、引用発明では、医療情報の管理方法を実行している点で相違している。 また、本願発明1では、前記サーバコンピュータで複数の医療アプリケーションのインスタンスを実行することを含む仮想セッションを作成するステップであって、前記インスタンスは、前記認証済みユーザに関連付けられる、ステップを含んでいるのに対し、引用発明では、このようなステップを含んでいない点で相違している。 さらに、本願発明1では、現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップにおいて、認証済みユーザに近接する医療コンテンツ提示デバイスも識別しているのに対し、引用発明では、認証済みユーザに近接する医療コンテンツ提示デバイスは識別していない点で相違している。 そして、本願発明1では、提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するために、動的イベントに優先順位を付けるための1組のルールを適用するステップであって、前記1組のルールを適用するステップは、現在の患者の識別に対して作用して前記現在の患者に関連するコンテンツとして前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定する少なくとも1つの臨床ルールを適用することを含む、ステップを含んでいるのに対し、引用発明では、このようなステップを含んでいない点で相違している。 イ 引用発明において、「アクセス権が得られ」た「ビューワ用のタブレット型PC2へ患者のIDを入力すると、医療情報システム19の電子カルテシステム23のデータベースDBから当該患者に関する各種の医療情報を入手することが可能となり、」「得られた医療情報は、タブレット型PC2の表示部12に表示される」とされている。 ここで、引用発明の「当該患者に関する各種の医療情報」は、本願発明1の「提示すべきコンテンツ」に相当する。 したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記現在の医療コンテンツ提示デバイスにおける提示のために、前記提示すべきコンテンツを」「コンピュータから前記現在の医療コンテンツ提示デバイスに」表示「するステップ」「を含む」点で共通しているといえる。 しかし、本願発明1では、提示すべきコンテンツを「前記サーバコンピュータ」から取得し、プッシュ表示しているのに対し、引用発明では、提示すべきコンテンツを「前記サーバコンピュータ」に対応する「認証サーバ3」からではなく、「医療情報システム19」から取得し、プッシュ表示していない点で相違している。 (2)一致点・相違点 本願発明1と、引用発明とは、以下アの点で一致し、以下イの点で相違する。 ア 一致点 「医療情報の管理方法を実行するためにサーバコンピュータによって読取可能及び実行可能な命令を格納する非一時的記憶媒体であって、前記医療情報の管理方法は、 ユーザデータベースで識別されたユーザを認証するステップであって、それにより、前記ユーザが認証済みユーザになるステップと; 前記認証済みユーザによってアクセスされる現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップと; 前記現在の医療コンテンツ提示デバイスにおける提示のために、前記提示すべきコンテンツをコンピュータから前記現在の医療コンテンツ提示デバイスに表示するステップと; を含む、非一時的記憶媒体。」 イ 相違点 (ア)<相違点1> 本願発明1では、医療ワークスペース管理方法を実行するとされているのに対し、引用発明では、医療情報の管理方法を実行している点。 (イ)<相違点2> 本願発明1では、前記サーバコンピュータで複数の医療アプリケーションのインスタンスを実行することを含む仮想セッションを作成するステップであって、前記インスタンスは、前記認証済みユーザに関連付けられる、ステップを含んでいるのに対し、引用発明では、このようなステップを含んでいない点。 (ウ)<相違点3> 本願発明1では、現在の医療コンテンツ提示デバイスを識別するステップにおいて、認証済みユーザに近接する医療コンテンツ提示デバイスも識別しているのに対し、引用発明では、認証済みユーザに近接する医療コンテンツ提示デバイスは識別していない点。 (エ)<相違点4> 本願発明1では、提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するために、動的イベントに優先順位を付けるための1組のルールを適用するステップであって、前記1組のルールを適用するステップは、現在の患者の識別に対して作用して前記現在の患者に関連するコンテンツとして前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定する少なくとも1つの臨床ルールを適用することを含む、ステップを含んでいるのに対し、引用発明では、このようなステップを含んでいない点。 (オ)<相違点5> 本願発明1では、提示すべきコンテンツを「前記サーバコンピュータ」から取得し、プッシュ表示しているのに対し、引用発明では、提示すべきコンテンツを「前記サーバコンピュータ」に対応する「認証サーバ3」からではなく、「医療情報システム19」から取得し、プッシュ表示していない点 (3)相違点についての判断 事案に鑑みて、まず、<相違点4>について検討する。 本願発明1の<相違点4>に係る構成の「提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するために、動的イベントに優先順位を付けるための1組のルールを適用するステップであって、前記1組のルールを適用するステップは、現在の患者の識別に対して作用して前記現在の患者に関連するコンテンツとして前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定する少なくとも1つの臨床ルールを適用することを含む、ステップ」について、引用文献1ないし6には、記載も示唆も無く、当該構成が周知であったとも認められない。 なお、引用文献5ないし6には、医療情報に対するアクセス制限に関する周知技術が記載されていると認められるが、本願発明1の<相違点4>に係る構成のように、「提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するために、動的イベントに優先順位を付ける」ものとはいえない。 したがって、引用発明および引用文献2ないし6の記載事項に基づいて、当業者は本願発明1の相違点に係る構成を容易に想到することができない。 エ 小括 したがって、本願発明1は、その他の<相違点1>ないし<相違点3>および<相違点5>について検討するまでもなく、引用発明および引用文献2ないし6の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。 2 本願発明2ないし9 本願発明2ないし9は、いずれも、本願発明1を減縮したものであって、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、上記1で述べた本願発明1と同じ理由により、引用発明および引用文献2ないし6の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。 3 本願発明10 本願発明10は、本願発明1のカテゴリを、単に、非一時的記憶媒体の発明から、医療ワークスペース管理デバイスの発明へと変更したものであって、本願発明1と同様の構成を備えるものであるから、上記1で述べた本願発明1と同様の理由により、引用発明および引用文献2ないし6の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。 4 本願発明11ないし15 本願発明11ないし本願発明15は、いずれも、本願発明10を減縮したものであって、本願発明10と同一の構成を備えるものであるから、上記3で述べた本願発明10と同じ理由により、引用発明および引用文献2ないし6の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。 第6 原査定について 1.理由1(新規性)について (1)本願発明1 令和4年9月12日提出の手続補正書により、本願発明1は、「提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するステップ」について、「提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するために、動的イベントに優先順位を付けるための1組のルールを適用するステップであって、前記1組のルールを適用するステップは、現在の患者の識別に対して作用して前記現在の患者に関連するコンテンツとして前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定する少なくとも1つの臨床ルールを適用することを含む、ステップ」との技術的限定が付加され、当該技術的限定により、本願発明1と引用発明とは、上記第5の1(2)イ(エ)で述べた<相違点4>を有することとなった。この<相違点4>は、実質的なものであるから、本願発明1は、原査定において引用された引用文献1に記載された発明ではない。 (2)本願発明7ないし9 本願発明7ないし9は、いずれも、本願発明1を減縮したものであって、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、上記(2)で述べた本願発明1と同じ理由により、本願発明7ないし9は、原査定において引用された引用文献1に記載された発明ではない。 (3)小括 以上から、原査定の拒絶の理由の内、理由1(新規性)は、解消している。 2.理由2(進歩性)について 上記第5の1(3)、2ないし4で述べたように、本願発明1ないし本願発明15は、いずれも、引用発明、および、引用文献2ないし6の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえないから、原査定において引用された引用文献1に記載された発明、および、引用文献2ないし4の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。 よって、原査定の拒絶の理由の内、理由2(進歩性)も、解消している。 3.理由3(明確性)について (1)請求項1について 令和4年9月12日提出の手続補正書により、請求項1は、「提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するステップ」について、「提示すべき前記インスタンスのコンテンツを決定するために、動的イベントに優先順位を付けるための1組のルールを適用するステップであって、前記1組のルールを適用するステップは、現在の患者の識別に対して作用して前記現在の患者に関連するコンテンツとして前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定する少なくとも1つの臨床ルールを適用することを含む、ステップ」との技術的限定が付加され、当該技術的限定により、技術的意味が明確となった。 請求項1を引用する請求項2ないし9についても同様に,技術的意味が明確となった。 また、請求項1と同様の記載がある請求項10ないし15についても、同様の技術的付加がされ、当該技術的限定により、技術的意味が明確となった。 (2)請求項2について 令和4年9月12日提出の手続補正書により、請求項2は、「 、前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定するステップは、前記現在の参加者に基づき前記提示すべきインスタンスのコンテンツを決定することを含む、」について、「前記提示すべきインスタンスのコンテンツはさらに、前記現在の参加者に基づく、」と補正され、当該補正により、技術的意味が明確となった。 請求項2を引用する請求項3ないし9についても同様に,技術的意味が明確となった。 また、請求項2と同様の記載がある請求項11ないし15についても、同様の技術的付加がされ、当該技術的限定により、技術的意味が明確となった。 (3)小括 以上から、原査定の拒絶の理由の内、理由3(明確性)も、解消している。 4.小括 以上から、原査定の理由は、維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-014284

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