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特許拒絶査定不服審判

2022-013385

畳み込みニューラルネットワーク(CNNS)を使用した異常スプライシング検出

審判番号
2022-013385
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-023537
請求日
2022年08月25日
審決日
2023年04月17日
公報発行日
2023年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】イルミナ インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】村山 靖彦
  • 【請求人代理人】実広 信哉
  • 【請求人代理人】阿部 達彦
審判長/審判官
  • 審判長 高瀬 勤
  • 審判官 後藤 亮治
  • 審判官 中野 浩昌
分類
P18 .121-WY (G16B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2021- 23537「畳み込みニューラルネットワーク(CNNS)を使用した異常スプライシング検出」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 7月 8日出願公開、特開2021-101338、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)10月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年10月16日、アメリカ合衆国、2017年10月16日、アメリカ合衆国、2017年10月16日、アメリカ合衆国、2018年8月31日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2019-567670号の一部を令和3年2月17日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 3年 3月19日 手続補正書の提出 令和 4年 1月 4日 拒絶理由通知書(起案日) 令和 4年 3月10日 意見書、手続補正書の提出 令和 4年 4月18日 拒絶査定(起案日) 令和 4年 8月25日 審判請求書の提出 令和 4年10月 7日 手続補正書(方式)の提出 第2 原査定の理由の概要 原査定(令和4年4月18日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 この出願の請求項1~4、6~7、11~12に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 記 引用文献1:Zhao-Chun Xu, et al.,iSS-PC: Identifying Splicing Sites via Physical-Chemical Properties Using Deep Sparse Auto-Encoder,online,2017年08月15日,[検索日:2022年1月4日], URL:https://www.nature.com/articles/s41598-017-08523-8.pdf 第3 本願発明 本願請求項1~15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明15」という。)は、令和4年3月10日になされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】 スプライス部位予測器であって、 ドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位の訓練例で訓練された、畳み込みニューラルネットワークと、 入力配列内の標的ヌクレオチドの評価のためにヌクレオチドの前記入力配列を送る前記畳み込みニューラルネットワークの入力段と、 前記畳み込みニューラルネットワークによる解析結果を、各前記標的ヌクレオチドがドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性に対する分類スコアに翻訳する前記畳み込みニューラルネットワークの出力段と を含む、スプライス部位予測器。 【請求項2】 前記畳み込みニューラルネットワークは、畳み込み層の数、畳み込みフィルタの数、およびサブサンプリング層の数によってパラメータ化される、請求項1に記載のスプライス部位予測器。 【請求項3】 前記畳み込みニューラルネットワークは、1つまたは複数の全結合層と、末端分類層とを含む、請求項1に記載のスプライス部位予測器。 【請求項4】 前記畳み込みニューラルネットワークは、先行する入力の空間および特徴次元を再整形する次元変換層を含む、請求項1に記載のスプライス部位予測器。 【請求項5】 前記畳み込みニューラルネットワークは、残差ブロックの数、スキップコネクションの数、および残差コネクションの数によってパラメータ化され、各残差ブロックは、少なくとも1つのバッチ正規化層と、少なくとも1つの正規化線形ユニット(ReLU)層と、少なくとも1つの次元変換層と、少なくとも1つの残差コネクションとを含み、各残差ブロックは、2つのバッチ正規化層と、2つのReLU非線形層と、2つの次元変換層と、1つの残差コネクションとを含む、請求項1に記載のスプライス部位予測器。 【請求項6】 異常スプライシング検出器であって、 入力配列内の標的ヌクレオチドを分類し、各前記標的ヌクレオチドがドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性に対するスプライス部位スコアを割り当てるように訓練された、畳み込みニューラルネットワークと、 前記畳み込みニューラルネットワークを通じて参照配列およびバリアント配列を処理し、前記参照配列および前記バリアント配列内の各標的ヌクレオチドがドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性に対するスプライス部位スコアを生成し、前記バリアント配列を生成したバリアントが異常スプライシングを引き起こし、したがって病原性を有するかどうかを決定するように構成された、分類器と を含む、異常スプライシング検出器。 【請求項7】 前記分類器は、前記参照配列内および前記バリアント配列内の対応する標的ヌクレオチドのスプライス部位スコア間の差に基づき、前記バリアントが病原性を有するかどうかを決定する、請求項6に記載の異常スプライシング検出器。 【請求項8】 前記スプライス部位スコアの前記差は、前記参照配列および前記バリアント配列内の前記対応する標的ヌクレオチドの間で位置毎に決定される、請求項7に記載の異常スプライシング検出器。 【請求項9】 少なくとも1つの標的ヌクレオチド位置について、前記スプライス部位スコアのグローバルな最大の差が所定の閾値より高く、前記バリアントを異常スプライシングを引き起こし、したがって病原性を有すると分類するようにさらに構成された、請求項8に記載の異常スプライシング検出器。 【請求項10】 少なくとも1つの標的ヌクレオチド位置について、前記スプライス部位スコアのグローバルな最大の差が所定の閾値より低く、前記バリアントを異常スプライシングを引き起こさず、したがって良性であると分類するようにさらに構成された、請求項9に記載の異常スプライシング検出器。 【請求項11】 自閉症スペクトラム障害を引き起こすバリアントを識別するようにさらに構成された、請求項6に記載の異常スプライシング検出器。 【請求項12】 発育遅滞障害を引き起こすバリアントを識別するようにさらに構成された、請求項6に記載の異常スプライシング検出器。 【請求項13】 異常スプライシングを引き起こすゲノムバリアントを検出するコンピュータ実施方法であって、前記方法は、 標的部分配列内の各ヌクレオチドをドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、または非スプライシング部位として分類することによって入力配列の前記標的部分配列内の差次的スプライシングパターンを検出するように訓練された畳み込みニューラルネットワークを通じて参照配列を処理するステップと、 前記参照配列の前記処理に基づき、参照標的部分配列内の各ヌクレオチドをドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、または非スプライシング部位として分類することによって前記参照標的部分配列内の第1の差次的スプライシングパターンを検出するステップと、 前記畳み込みニューラルネットワークを通じてバリアント配列を処理するステップであって、前記バリアント配列および前記参照配列は、バリアント標的部分配列内に配置されている少なくとも1つのバリアントヌクレオチドだけ異なる、ステップと、 前記バリアント配列の前記処理に基づき、前記バリアント標的部分配列内の各ヌクレオチドをドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、または非スプライシング部位として分類することによって前記バリアント標的部分配列内の第2の差次的スプライシングパターンを検出するステップと、 ヌクレオチド毎に、前記参照標的部分配列および前記バリアント標的部分配列のスプライス部位分類を比較することによって前記第1の差次的スプライシングパターンと前記第2の差次的スプライシングパターンとの間の差を決定するステップと、 前記差が所定の閾値より高いときに、前記バリアントを異常スプライシングを引き起こし、したがって病原性を有すると分類するステップと を含む、コンピュータ実施方法。 【請求項14】 差次的スプライシングパターンは、標的部分配列内のスプライシング事象の出現の位置分布を識別する、請求項13に記載のコンピュータ実施方法。 【請求項15】 前記スプライシング事象は、潜在的スプライシング、エクソンスキッピング、相互排他的エクソン、代替ドナー部位、代替アクセプター部位、およびイントロン保持のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコンピュータ実施方法。」 第4 引用文献、引用発明 1 引用文献1について (1)引用文献1の記載事項 原査定の理由に引用された引用文献1には、次のとおりの記載がある。当審訳における下線は、注目箇所に当審が付したものである。なお、記載事項3の原文において下線が付された箇所については、当審が付した下線と区別するために[]で囲うことで識別している。 (記載事項1)(1頁~2頁2行) 「Generally, the pre-mRNA, including exons and one or more introns, is transcribed from a eukaryotic gene’s DNA template. In the pre-mRNA, exon-intron boundaries i.e. the 5′ ends of the introns are called splice donor sites or 5′ splice sites, and intron-exon boundaries i.e. the 3′ ends of the introns are called splice acceptor sites or 3′ splice sites, as shown in Fig. 1. There are two forms of splice sites. Before the pre-mRNA becomes a mature messenger RNA (mRNA), it must go through several biological processes (Fig. 1). The final mRNA containing only remaining exons can be directly involved in the synthesis of protein. Thus, the biological process of removing introns from its 5′ splice site to its 3′ splice site in pre-mRNA and connecting exons to form mRNA plays an important role in gene regulation and expression. In this case, accurate identification of splice sites becomes increasingly important. Although the technology of PCR has become one of the most important identification methods to accurately identify splice sites with the development of identification technology the functional sites of genes, it is very expensive and time consuming based only on experimental technique. Hence, development of an effective computational method, so as to help researchers effectively and in a timely fashion, identifying splice sites, has become the urgent need to solve a big problem. In this situation, the computational splice-site analysis tools based on the WEB took up, such as NetGene, SplicePredictor, GeneSplicer and SplicePort. Recently, Wei Chen et al. built a prediction model “iSS-PseDNC” which incorporated six DNA local structural properties into pseudo dinucleotide composition to identify splice donor and acceptor sites. In 2016, M Iqbal et al. used PseTNC and PseTetraNC methods to propose a hybrid prediction model, called iSS-Hyb-mRMR, for identifying splice sites, and Prabina Kumar Meher used a hybrid feature extraction approach, which contains positional, dependency and compositional features, to develop a predictor called HSplice for predicting the donor splice sites in eukaryotic genes. These were, on balance, successful.」 (当審訳:一般に、エクソンおよび1つ以上のイントロンを含むpre-mRNAは、真核生物遺伝子のDNAテンプレートから転写される。pre-mRNAでは、図1に示すように、イントロンの5′末端をスプライスドナー部位または5′スプライス部位と呼び、イントロンの3′末端をスプライスアクセプタ部位または3′スプライス部位と呼ぶ。2種類のスプライス部位がある。pre-mRNAが成熟したメッセンジャーRNA(mRNA)になる前に、いくつかの生物学的過程を経なければならない(図1)。残りのエクソンのみを含む最終的な mRNAは、タンパク質の合成に直接関与することができる。したがって、pre-mRNA内の5′スプライス部位から3′スプライス部位までのイントロンを除去し、エクソンを連結してmRNAを形成する生物学的プロセスは、遺伝子調節と発現に重要な役割を果たす。この場合、スプライス部位の正確な識別がますます重要になる。 PCR技術は遺伝子の機能部位の識別技術の発達により、スプライス部位を正確に識別する最も重要な識別方法の一つになったが、実験技術のみを基礎にしており、非常に高価で時間がかかる。したがって、研究者がスプライス部位を効果的かつ適時に識別できるように、効果的な計算方法の開発が、大きな問題を解決する緊急の要求となっている。このような状況で、NetGene、SplicePredictor、GeneSplicer、SplicePortなどのWEBベースのコンピュータスプライス部位分析ツールが始まった。最近Wei Chenらは、6つのDNA局所構造特性を疑似ジヌクレオチド組成に組み込み、スプライスドナーとアクセプタ部位を特定する、予測モデル「iSS-PseDNC」を構築した。2016年に、M IqbalらはPseTNCとPseTetraNC法を使用して、スプライス部位を識別する、iSS-Hyb-mRMRと呼ばれるハイブリッド予測モデルを提案し、Prabina Kumar Meherは位置的、依存性、構成的特徴を含むハイブリッド特徴抽出アプローチを使用して、真核生物遺伝子のドナースプライス部位を予測する、HSpliceと呼ばれる予測器を開発した。これらはバランスが取れており、成功を収めた。) (記載事項2)(2頁3行~3頁2行) 「Based on the above information, although the remarkable progress in identification of splice sites has been made, further study about splice-site predictors can be improved and perfected, whether it is with regard to in feature extraction, or to machine learning classification algorithms. In response to these the issue of two aspects, we have presented a solution to improve the performance of the predictive model in this paper. On the one hand, improvement of feature extraction method is of critical importance to improve the classification performance. Since S Wold proposed the concept of auto-covariance function(ACF) and cross-covariance function(CCF) to analyze the relations between biopolymer sequences and chemical processes in 1993, this method had been applied to identify nuclear receptors and their subfamilies and N6-methyladenosine sites1 via incorporating physical-chemical properties into pseudo amino acid composition(PseAAC) or pseudo dinucleotide composition(PseDNC), respectively. Encouraged by the above successes of introducing this feature extraction approach into computational proteomics, we use twelve physical-chemical properties of the dinucleotides within DNA via a battery of cross-covariance and auto-covariance transformations to obtain a mode of PseDNC to formulate given sequence samples. On the other hand, the improved machine learning classification algorithms that can provide a better result for classification, is one of the important factors impacting on the performance of classifiers. And in general, different classification algorithms will have different performances. Conventional classification algorithms, such as Support Vector Machine(SVM), random forest, hidden Markov model, Bayes, covariance discriminant (CD), Minimax Probability Machine (MPM) and so on, have limitations in processing the original data. Recently, a novel classification algorithm, deep learning, has been proposed based on big data, and it has overcome the former limitations. Deep learning algorithm mainly includes convolutional neural network(CNN), deep belief network(DBN) and stacked auto-encoder(SAE). Some remarkable progress has been made in diverse fields such as speech recognition and image recognition. In 2014, L James et al. firstly used SAE to predict θ and Tangles used to represent local backbone structure of proteins. In the same year, SP Nguyen et al. built a model “DL-Pro” that learned a SAE network as a classifier for protein structures. In 2016, J Xu et al. used SAE algorithm to detect on breast cancer histopathology images. W Xu et al. constructed a model for human promoter recognition with SAE. Inspired by these achievements, the predictor called iSS-PC is constructed by using deep sparse auto-encoder in this paper and its predication performance has been greatly improved. Basing on a series of recent studies, we can draw a conclusion that we should follow the five steps shown in Fig. 2 to establish a real and effective biological predictor based on sequence. Below, we are going to discuss how to deal with these steps one by one. Of course, the order of these steps may be appropriately adjusted to be in a format that is suitable for the journal “Scientific Reports”.」 (当審訳:これらの情報に基づいて、スプライス部位の識別は目覚ましい進歩を遂げたが、特徴抽出に関するものであれ、機械学習分類アルゴリズムに関するものであれ、スプライス部位予測器についての、さらなる研究は、改善され、完成させることができる。これらの2つの側面の問題に対して、私たちはこの論文で予測モデルの性能を改善するための解決策を提示した。 一方、分類性能を向上させるためには、特徴抽出方法の改善が非常に重要である。 S Woldが1993年にバイオポリマー配列と化学プロセスの関係を分析するために自己共分散関数(ACF)と交差共分散関数(CCF)の概念を提案して以来、この方法は、物理化学的特性を、疑似アミノ酸組成物(PseAAC)または疑似ジヌクレオチド組成物(PseDNC)それぞれに組み込むことによって、核受容体とそのサブファミリーとN6-メチルアデノシン部位を識別するために適用された。計算プロテオミクスにこの特徴抽出アプローチを導入した上記の成功に鼓舞され、私たちは、与えられた配列サンプルを公式化するPseDNCモードを得るために、交差共分散と自己共分散変換の組を介して、DNA内のジヌクレオチドの12の物理化学的特性を使用する。 一方、分類のためのより良い結果を提供することができる改善された機械学習分類アルゴリズムは、分類器の性能に影響を与える重要な要素の一つである。一般的には、分類アルゴリズムによってパフォーマンスが異なる。サポートベクトルマシン(SVM)、ランダムフォレスト、隠れマルコフモデル、ベイズ、共分散判別(CD)、最小最大確率マシン(MPM)などの従来の分類アルゴリズムは、原データを処理するのに限界がある。 最近、ビッグデータに基づいた新しい分類アルゴリズムであるディープラーニングが提案され、以前の限界を克服した。深層学習アルゴリズムは、主に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、深層信念ネットワーク(DBN)およびスタック型オートエンコーダ(SAE)を含む。音声認識や画像認識など、さまざまな分野で顕著な進展が見られている。2014年に、L JamesらはSAEを最初に予測に使用し、Tanglesはタンパク質の局所的な骨格構造を表すために使用した。同年、SP Nguyenらは、タンパク質構造の分類器として、SAEネットワークを学習したモデル「DL-Pro」を構築した。2016年に、J Xuらは、SAEアルゴリズムを使用して、乳がんの組織病理画像を検出した。 W Xuらは、SAEを用いてヒトプロモーター認識のモデルを構築した。これらの成果から刺激を受けて、iSS-PCと呼ばれる予測器が、この論文で、ディープスパースオートエンコーダを使用して構築され、その予測性能は、大幅に改善された。 一連の最近の研究に基づいて、配列に基づいて実際に効果的な生物学的予測変数を確立するためには、図2に示す5つのステップに従うべきであるという結論を導き出すことができる。以下では、これらのステップを1つずつ処理する方法について説明する。もちろん、これらの手順の順序は、ジャーナル「Scientific Reports」に適した形式に適切に調整することができる。) (記載事項3)(5頁22行~6頁6行) 「Web server and its user guide. In this paper, a simple and practical network predictor shown in Fig. 5, called iSS-PC, has been developed, in order to help the researchers identify splicing sites in real-time and easily. And we provide service consumers with a Web site link http://www.jci-bioinfo.cn/iSS-PC. Below, this article provides details on how to use the network predictor “iSS-PC”. (a) If you want to get the information about the network predictor, please click the [Read Me] button. Then you can obtain a brief introduction of our predictor and the caveats for using it. (b) If you want to obtain the benchmark data-set for the iSS-PC predictor training and testing in this paper, please click the [Supporting Information] button. Here are a few data-sets for download, such as S1 only containing splice donor site sequences, S2 only containing splice acceptor site sequences. (c) If you want to get some important references and resources in establishing the iSS-PC predictor, please click the [Citation] button. (d) Before entering query sequences or uploading a file for batch prediction, you should choose types of splice sites: splice donor site or splice acceptor site. (e) The network predictor “iSS-PC” accepts single or multiple sequence queries. But the input sequences must be in FASTA format, or the network predictor may report errors and will request you to re-input your query sequence. Click the [Example] button on top of the first input box to see the input format. (f) If you want to obtain the prediction results, please click the [Submit] button. After entering query sequences in the first input box in the [Example] window, you will see how much you’ve been doing with the job on your screen. When the job is over, the results will be displayed in the page as “The number of DNA sequences investigated: X”, and “The DNA #xx is splice donor/acceptor site sequences” or “ The DNA #xx is non-splice donor/acceptor site sequences”. (g) The lower panel of Fig. 5 offers the option for batch prediction. If you want to submit your batch of multiple sequences in FASTA format for prediction in order to avoid constantly online awaiting, please click the [Browse] button. The prediction results of each batch job will be sent to your e-mail address. Clicking the [Batch-example] button, you will see the examples of batch file in FASTA format. (h) Running times of the network predictor “iSS-PC” are shown underneath the above graph in mathematical terms. And the corresponding number stands for popularity of our predictor to a certain extent.」 (当審訳:Webサーバとそのユーザガイド 本論文では、研究者がリアルタイムで簡単にスプライシング部位を識別できるようにするために、図5に示す、簡単で実用的なネットワーク予測器iSS-PCを開発した。また、サービスをご利用のお客様には、http://www.jci-bioinfo.cn/iSS-PCというWebサイトリンクを提供している。以下、この文書では、ネットワーク予測器「iSS-PC」の使用方法について詳しく説明する。 (a) ネットワーク予測器に関する情報を取得するには、[ReadMe]ボタンをクリックしてください。次に、予測器の簡単な紹介と、予測器の使用に関する注意事項を入手します。 (b) この論文でのiSS-PC予測器のトレーニングとテストのベンチマークデータセットを取得するには、[サポート情報]ボタンをクリックしてください。ここでは、ダウンロードされるいくつかのデータセットを示します。例えば、スプライスドナー部位配列のみが含まれるS1、スプライスアクセプタ部位配列のみが含まれまるS2があります。 (c) iSS-PC予測器を構築する際の重要な参照先とリソースを取得するには、[引用]ボタンをクリックしてください。 (d) クエリ配列を入力するか、バッチ予測用のファイルをアップロードする前に、スプライス部位のタイプ(スプライスドナー部位またはスプライスアクセプタ部位)を選択する必要があります。 (e) ネットワーク予測器「iSS-PC」は、単一または複数の配列クエリを受け入れます。ただし、入力配列はFASTA形式である必要があります。そうしないと、ネットワーク予測器がエラーを報告し、クエリの再入力を要求する場合があります。入力形式を表示するには、一つ目の入力ボックスの上部にある[例]ボタンをクリックしてください。 (f) 予測結果を取得したい場合は、[送信]ボタンをクリックしてください。[例]ウィンドウの一つ目の入力ボックスにクエリ配列を入力すると、そのジョブでどれだけ多くの作業を行っていたかが画面に表示されます。ジョブが終了すると、結果がページに「調査されたDNA配列の数:X」、「DNA#xxはスプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」または「DNA#xxは非スプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」として表示されます。 (g) 図5の下部パネルには、バッチ予測のオプションがあります。常にオンラインで待機することを避けるために、予測される複数の配列のバッチをFASTA形式で送信する場合は、[ブラウズ]ボタンをクリックしてください。各バッチジョブの予測結果がEメールアドレスに送信されます。[バッチ例]ボタンをクリックすると、FASTA形式のバッチファイルの例が表示されます。 (h) ネットワーク予測器「iSS-PC」の実行時間は、上記図の下に数学用語で表示されます。それに相当する数字はわれわれの予測器の人気をある程度表しています。) (2)引用文献1に記載された発明 引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「ディープスパースオートエンコーダを使用して構築され(記載事項2)、研究者がリアルタイムで簡単にスプライシング部位を識別できる、ネットワーク予測器iSS-PC(記載事項3)であって、 トレーニングとテストのベンチマークデータセットとしては、例えば、スプライスドナー部位配列のみが含まれるS1、スプライスアクセプタ部位配列のみが含まれるS2があり(記載事項3(b))、 クエリ配列を入力するか、バッチ予測用のファイルをアップロードする前に、スプライス部位のタイプ(スプライスドナー部位またはスプライスアクセプタ部位)を選択する必要があり(記載事項3(d))、 単一または複数のFASTA形式の配列クエリを受け入れ(記載事項3(e))、 予測のジョブが終了すると、結果がページに「調査されたDNA配列の数:X」、「DNA#xxはスプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」または「DNA#xxは非スプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」として表示される(記載事項3(f)) ネットワーク予測器iSS-PC。」 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「スプライシング部位」は、本願発明1の「スプライス部位」に相当する。 よって、引用発明の「研究者がリアルタイムで簡単にスプライシング部位を識別できる、ネットワーク予測器iSS-PC」は、後述の相違点は別として、本願発明1の「スプライス部位予測器」に相当する。 イ 引用発明の「ディープスパースオートエンコーダ」と、本願発明1の「畳み込みニューラルネットワーク」とは、「ニューラルネットワーク」である点で共通する。 また、引用発明の「スプライスドナー部位」は、本願発明1の「ドナースプライス部位」に相当し、以下同様に、「スプライスアクセプタ部位」は「アクセプタースプライス部位」に、「トレーニングとテストのベンチマークデータセット」は「訓練例」に相当する。 よって、引用発明の「スプライスドナー部位配列のみが含まれるS1、スプライスアクセプタ部位配列のみが含まれるS2」を含む「トレーニングとテストのベンチマークデータセット」で訓練された「ディープスパースオートエンコーダ」と、本願発明1の「ドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位の訓練例で訓練された、畳み込みニューラルネットワーク」とは、「ドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位を含む訓練例で訓練された、ニューラルネットワーク」である点で共通する。 ウ 引用発明は、「単一または複数のFASTA形式の配列クエリを受け入れ」るものであるが、「クエリ」として入力される「FASTA形式の配列」が、ヌクレオチド配列であることは明らかである。また、「受け入れ」た「配列」は、「ディープスパースオートエンコーダ」の入力段に送られているものといえる。しかしながら、クエリとしてヌクレオチド配列を入力するとともに、スプライス部位のタイプ(スプライスドナー部位またはスプライスアクセプタ部位)を選択する必要があり、「予測のジョブが終了すると、結果がページに「調査されたDNA配列の数:X」、「DNA#xxはスプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」または「DNA#xxは非スプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」として表示される」ものであるから、予測の結果は、ヌクレオチド単位で行われるものではなく、配列単位で行われるものである。 よって、上記イの相当関係を鑑みると、引用発明の「予測のジョブが終了すると、結果がページに「調査されたDNA配列の数:X」、「DNA#xxはスプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」または「DNA#xxは非スプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」として表示される」ために、「クエリ」として入力される、ヌクレオチド配列である「配列」が送られる「ディープスパースオートエンコーダ」の入力段と、本願発明1の「入力配列内の標的ヌクレオチドの評価のためにヌクレオチドの前記入力配列を送る前記畳み込みニューラルネットワークの入力段」とは、「ヌクレオチドを含む入力配列の評価のために前記入力配列を送る前記ニューラルネットワークの入力段」である点で共通する。 エ 引用発明は、「予測のジョブが終了すると」、「結果」を「ページに「調査されたDNA配列の数:X」、「DNA#xxはスプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」または「DNA#xxは非スプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」として表示」するものであるが、かかる表示の指示は、「ディープスパースオートエンコーダ」の出力段からの出力により行われるものであるから、引用発明の「ディープスパースオートエンコーダ」の出力段は、上記表示を指示する出力を行うものといえる。 他方、本願発明1の「各前記標的ヌクレオチドがドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性に対する分類スコア」は、「入力配列内の標的ヌクレオチドの評価のために」行われるものであるから、「入力配列内」の各「標的ヌクレオチド」について行われるものである。 よって、上記ウの相当関係を鑑みると、引用発明の「予測のジョブが終了すると」、「結果」を「ページに「調査されたDNA配列の数:X」、「DNA#xxはスプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」または「DNA#xxは非スプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」として表示」することを指示する出力を行う、「ディープスパースオートエンコーダ」の出力段と、本願発明1の「前記畳み込みニューラルネットワークによる解析結果を、各前記標的ヌクレオチドがドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性に対する分類スコアに翻訳する前記畳み込みニューラルネットワークの出力段」とは、「前記入力配列の評価結果を出力する出力段」である点で共通する。 オ 以上、上記ア~エによると、本願発明1と引用発明とは次の一致点、相違点を有する。 [一致点] スプライス部位予測器であって、 ドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位を含む訓練例で訓練された、ニューラルネットワークと、 ヌクレオチドを含む入力配列の評価のために前記入力配列を送る前記ニューラルネットワークの入力段と、 前記入力配列の評価結果を出力する出力段と を含む、スプライス部位予測器。 [相違点1] ニューラルネットワークが、本願発明1では、「ドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位の訓練例で訓練された、畳み込みニューラルネットワーク」であるのに対し、引用発明では、「スプライスドナー部位配列のみが含まれるS1、スプライスアクセプタ部位配列のみが含まれるS2」を含む「トレーニングとテストのベンチマークデータセット」で訓練された「ディープスパースオートエンコーダ」である点。 [相違点2] ニューラルネットワークの入力段に入力されるヌクレオチドを含む入力配列の評価の対象が、本願発明1は「入力配列内の標的ヌクレオチドの評価」であるのに対し、引用発明は「入力配列内の標的ヌクレオチドの評価」ではなく、入力にスプライス部位のタイプ(スプライスドナー部位またはスプライスアクセプタ部位)を選択した上で「受け入れ」る「配列」が「スプライスドナー/アクセプタ部位配列」であるか否かを対象としたものである点。[相違点3] ニューラルネットワークの出力段から出力される入力配列の評価結果が、本願発明1は「各前記標的ヌクレオチドがドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性に対する分類スコアに翻訳」したものであるのに対し、引用発明は標的ヌクレオチドの分類スコアではなく、入力配列がスプライスドナー/アクセプタ部位配列か、非スプライスドナー/アクセプタ部位配列かである点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み、先に、相違点2及び相違点3について検討する。 引用発明は、「クエリ配列を入力するか、バッチ予測用のファイルをアップロードする前に、スプライス部位のタイプ(スプライスドナー部位またはスプライスアクセプタ部位)を選択する必要があり」、「予測のジョブが終了すると、結果がページに「調査されたDNA配列の数:X」、「DNA#xxはスプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」または「DNA#xxは非スプライスドナー/アクセプタ部位配列です。」として表示される」ものであるから、その予測は、予測のタイプとして、スプライスドナー部位が選択された場合、受け入れた配列が、スプライスドナー部位配列であるか否かが判定され、予測のタイプとして、スプライスアクセプタ部位が選択された場合、受け入れた配列が、スプライスアクセプタ部位配列であるか否かが判定されるものにすぎない。 よって、引用発明は、そもそもの予測する単位が、配列単位にとどまり、入力配列内のヌクレオチド単位で、どのスプライス部位に該当するかを予測するものではないから、入力配列内の各標的ヌクレオチドが、ドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性を予測するものではない。そして、当然のことながら、畳み込みニューラルネットワークによる解析結果を、各標的ヌクレオチドがドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性に対する分類スコアに翻訳したものとするものでもない。 また、引用文献1には、相違点2及び相違点3に係る構成を示唆する記載はなく、前記構成は当業者にとって自明なものでもない。 したがって、引用発明において、当業者が相違点2及び相違点3に係る構成を容易に想到し得たということはできない。 また、引用発明は、入力配列がスプライスドナー/アクセプタ部位配列か、非スプライスドナー/アクセプタ部位配列かを評価するものであるため、ニューラルネットワークを「ドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位の訓練例」(相違点1)で訓練する必要はないから、当業者が、相違点1に係る構成を容易に想到し得たということはできない。 以上によれば、本願発明1は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2 本願発明2~4について 本願発明2~4も、本願発明1と同様、相違点1~3に係る構成を含むものであるから、本願発明2~4は、本願発明1と同様の理由により、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3 本願発明6~7、11~12について 本願発明6~7、11~12は「前記畳み込みニューラルネットワークを通じて参照配列およびバリアント配列を処理し、前記参照配列および前記バリアント配列内の各標的ヌクレオチドがドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性に対するスプライス部位スコアを生成」する「分類器」を含むものであるから、本願発明1と同様に、「分類器」において処理される「配列」内の「各標的ヌクレオチドがドナースプライス部位、アクセプタースプライス部位、および非スプライシング部位である可能性に対するスプライス部位スコア(本願発明1の「分類スコア」に相当する。)を生成」するものである。 してみれば、本願発明6~7、11~12は、本願発明1と同様の理由により、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-013385

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