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意匠拒絶査定不服審判

2022-010235

デジタルカメラ

審判番号
2022-010235
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2020-009830外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
1743001
請求日
2022年07月01日
審決日
2023年03月22日
公報発行日
2026年05月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .3 -WY (J3-2)
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第10条、意匠法第14条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

意願2020- 9830「デジタルカメラ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 13項目
理 由

第1 主な手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、意匠法14条1項の規定により、3年間秘密にすることを請求し、物品の部分について意匠登録を受けようとする、令和2年(2020年)5月19日の意匠登録出願であって、その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。

令和3年(2021年) 7月21日付け 拒絶理由の通知

同年 9月 6日 意見書の提出

令和4年(2022年) 3月31日付け 拒絶査定

同年 7月 1日 審判請求書の提出

令和5年(2023年) 2月17日 手続補正書の提出(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)

第2 本願の意匠

本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「デジタルカメラ」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「破線で表した部分以外の部分(交換レンズが取り付けられるマウント部の一部とウィンドジャマー)が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

なお、本願意匠は、本件補正前は、本意匠を意匠登録第1695932号(意願2020-9828)の意匠とする関連意匠として出願していた。

第3 原査定の拒絶の理由及び願書に記載した本意匠

1 原査定における拒絶の理由

原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、本件補正前の願書に記載した本意匠に類似する意匠とは認められず、意匠法10条1項の規定に該当しないとの理由であって、具体的には以下のとおりである。

「本願意匠の意匠登録を受けようとする部分(以下「本願意匠」とする。)と、願書に記載の本意匠の対応する部分(以下「本意匠」とする。)を、意匠全体として観察すると、本願意匠及び本意匠は、カメラ部正面の円環部及びその上方の毛並み状部からなる点で共通している一方で、本願意匠は、「交換レンズが取り付けられるマウント部の一部」及び本意匠よりもやや毛足が長く、毛束が纏まっているように見受けられる毛並み状部からなるのに対し、本意匠は、「レンズ周りの一部」と毛並み状部からなり、かつ両者が略円筒形部の高さ分、離れている点で相違しています。
上記共通点は、両意匠の形態を概括的に捉えた場合の共通点に過ぎず、両意匠の類否判断を直ちに決定付ける程に大きいとはいえません。対して、上記相違点は、物品の性格上、見る者の注意をひく部分に関わるものであり、類否判断に与える影響は大きいといえます。したがって、上記相違点の印象が共通点を凌駕して両意匠は意匠全体として美感を異にするものといえます。
なお、この意匠登録出願に対して、本意匠の表示の欄を削除する補正をされた場合は、この拒絶の理由は解消します。」

2 願書に記載した本意匠

(1)手続きの経緯

本件補正前の願書に記載した本意匠は、本願の出願前、令和2年(2020年)5月19日の意匠登録出願(意願2020-9828)であって、令和3年(2021年)9月10日に意匠権の設定の登録(意匠登録第1695932号)がなされ、同年9月27日に意匠公報が発行されたものである(別紙第2参照)。

(2)願書及び添付図面の記載

本意匠は、物品の部分について意匠登録を受けようとし、意匠に係る物品を「デジタルカメラ」とするものであって、その形状等を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり、本意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本意匠部分」という。)を、願書の「意匠の説明」の欄には「破線で表した部分以外の部分(ウィンドジャマーとレンズ周りの一部)が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。

第4 当審の判断

以下、本願意匠及び本意匠(以下「両意匠」という。)が類似し、意匠法10条1項の規定に該当するものか否かについて検討する。

1 意匠に係る物品の対比

両意匠の意匠に係る物品は、いずれも「デジタルカメラ」であるから、一致する。

2 本願部分と本意匠部分の用途及び機能の対比

本願部分と本意匠部分(以下「両部分」という。)は、風防(ウインドジャマー)の部分(以下「ウインドジャマー部」という。)及びレンズ周辺の環状の部分(以下「円環部」という。)の、物理的に分離した2つの部分について意匠登録を受けようとするものであるところ、

(1)ウインドジャマー部については、収録時の風切り音を軽減するためのものであるから、ウインドジャマー部における両部分の用途及び機能は一致する。

(2)円環部については、本願部分は、レンズとカメラ本体を接続するレンズマウントであるのに対し、本意匠部分は、レンズ一体型カメラの鏡胴(きょうどう)先端の面であるから、円環部における両部分の用途及び機能は一致しない。

3 両部分の位置、大きさ及び範囲の対比

(1)ウインドジャマー部については、両部分は、全体の上面中央やや右寄りに位置し、上面全体の約半分強の大きさであるから、ウインドジャマー部における両部分の位置、大きさ及び範囲は一致する。

(2)円環部

両部分は、全体の正面中央やや右寄りに位置し、正面のレンズ周縁の部分であるから、両部分の位置、大きさ及び範囲は一致する。

4 両部分の形状等の対比

(1)共通点

ア ウインドジャマー部

両部分は、細かい毛が密集して一塊の毛玉状をなし、正面右側から左側に流れるような毛並みである点、

イ 円環部

両部分は、平坦面状の略円環である点、において共通する。

(2)相違点

ア ウインドジャマー部

本願部分は、長さの異なる先鋭な毛束が四方に向かって多数突き出るように形成したものであるのに対し、本意匠部分は、そのような毛束は形成しておらず、毛先がほぼ一様に揃っている点、

イ 円環部

本願部分は、円環部の幅と直径の比率が、約1:12であるのに対し、本意匠部分は、約1:8である点、において相違する。

5 類否判断

以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響の評価に基づき、総合的に観察して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。

(1)意匠に係る物品の類否判断

両意匠の意匠に係る物品は、同一である。

(2)両部分の用途及び機能の類否判断

両部分のウインドジャマー部の用途及び機能は一致するが、円環部の用途及び機能は一致しないから、両部分の用途及び機能は、非類似である。

(3)両部分の位置、大きさ及び範囲の類否判断

両部分の位置、大きさ及び範囲は一致するから、同一である。

(4)両部分の形状等の共通点及び相違点の評価

ア 共通点の評価

(共通点ア)及び(共通点イ)は、いずれも両部分の骨格をなし、共通の印象を強くもたらしているから、両部分の類否判断に与える影響は大きい。

イ 相違点の評価

(相違点ア)及び(相違点イ)は、いずれも、前記の共通するとした態様に埋没する程度の微弱な相違か、部分的な改変の範囲内にとどまるものであるから、これらの相違は、両部分のみが有する特徴とはいえず、両部分の類否判断に与える影響は小さい。

ウ 形状等の類否判断

両部分の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察し判断した場合、(共通点ア)及び(共通点イ)は、両部分の類否判断に与える影響は大きいのに対し、(相違点ア)及び(相違点イ)は、両部分の類否判断に与える影響は小さい。

したがって、両部分の形状等を全体として総合的に観察した場合、両部分の形状等は、相違点に比べて、共通点が与える影響の方が大きいものであるから、両部分の形状等は類似する。

(5)小括

そうすると、両意匠は、意匠に係る物品は同一で、両部分の位置、大きさ及び範囲も同一で、両部分の形状等は類似するものであるが、両部分の用途及び機能において非類似であるから、本願意匠は、本意匠に類似しない。

6 本件補正

審判請求人は、審判請求後の令和5年2月17日に手続補正書を提出し、願書の「本意匠の表示」を削除する補正を行った。

本願意匠は、前記のとおり、本件補正前の願書に記載されていた本意匠に類似せず、意匠法10条1項の規定に該当しないものであり、本意匠の関連意匠として意匠登録を受けることができないものであるが、審判請求人が、本件補正によって、本願の願書に記載していた「本意匠の表示」の欄を削除したことにより、関連意匠として出願したものではなくなったことから、意匠法10条1項の規定に該当しない旨の拒絶の理由は解消された。

第5 むすび

以上のとおりであって、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-010235

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