2022-007980
ハスネカン
- 審判番号
- 2022-007980
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-104525外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年05月27日
- 審決日
- 2023年02月16日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- T18 .13 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
- 識別力なし図形・ロゴ等(別掲)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
1 手続の経緯
本願は、令和2年8月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「はすねかん」の文字と「蓮根羹」の文字とを、上下二段に横書きしてなり、第30類「れんこんを摺りおろして寒天で固めた棹菓子」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「蓮根羹」の文字と、その表音を理解させる「はすねかん」の文字とを、一般的に使用される構成態様の範ちゅうで表してなるものである。
そして、本願商標を構成する「蓮根(はすね)」の文字は、「れんこん」の意味を、「羹(かん)」の文字は、「餅菓子。」等の意味を有し、本願商標全体としては、その指定商品「れんこんを摺りおろして寒天で固めた棹菓子」との関係において、「れんこんを使用した菓子」ほどの意味合いを理解させるものであり、また、本願の指定商品を取り扱う業界において、主に石川県を産地とするれんこんを使用した菓子を「ハス根かん」「蓮根羹」等と称し取引している実情があることからすると本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「れんこんを使用した菓子」であること、すなわち、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示した標章として認識するというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「はすねかん」の文字と、「蓮根羹」の文字とを、普通に用いられる方法の範囲内で、上下二段に横書きしてなるものであるところ、上段の平仮名は下段の漢字の読みを表したものとして自然であるから、本願商標は、「蓮根羹」の漢字と、その表音としての「はすねかん」の平仮名からなるものと、容易に理解できるものである。
そして、その構成中「蓮根」の文字は「蓮の根。れんこん。」「ハスの地下茎」(出典:「広辞苑 第七版」)を意味する語であり、また、「羹」の文字は「肉・野菜などを煮た吸物。」「餅菓子。」「雑煮。」(出典:同上)を意味する語であって、辞書によっては「ようかん。」「寒天やゼラチンなどをまぜて、ゼリーのようにかためた菓子・料理。」(出典:「三省堂国語辞典 第八版」株式会社三省堂)を意味する語としても掲載されているものである。
また、原審で提示した情報のほか、別掲2のインターネット情報にあるように、棹菓子を取り扱う分野や、その調理方法を紹介する分野においては、その原材料を表す文字(○○)と「羹」の文字とを結合した「○○羹」の語が、「○○を原材料に使用してなる羊羹状の菓子(棹菓子)」を表示するものとして、広く一般に採択、使用されている実情が認められる。
そして、別掲3のインターネット情報にあるように、棹菓子を取り扱う分野において、「れんこんを使用した羊羹状の菓子(棹菓子)」が一般に製造販売されている実情が認められるほか、原審で提示した情報にあるように、それを「蓮根羹」等と称している事例も見受けられる。
そうすれば、本願商標は、その指定商品との関係において、「れんこんを使用してなる羊羹状の菓子(棹菓子)」ほどの意味合いを表すものとして認識されるというのが相当であり、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それがその商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は「蓮根」「羹」として分節されるべきものでなく全体を一体不可分なものとして理解すべきものであって、また、仮に分節してとらえる需要者がいたとしても、各語の意味からは「蓮根を使用した吸い物」「蓮根を使用した餅菓子」又は「蓮根を用いた雑煮」と認識されるものであって、「れんこんを摺りおろして寒天で固めた棹菓子」を一般に認識されるとはいえない旨主張する。
しかしながら、本願商標を構成する「蓮根(はすね)」及び「羹(かん)」の各文字の意味や使用の実情、本願の指定商品の内容に照らせば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それが「蓮根(はすね)」の語と「羹(かん)」の語とを結合してなるものと容易に理解するというのが相当である。
また、上記(1)のとおり、辞書によっては「羹」の文字が「ようかん。」「寒天やゼラチンなどをまぜて、ゼリーのように固めた菓子・料理。」を意味する語として掲載されているほか、商品の原材料を表す文字(○○)と「羹」の文字とを結合した「○○羹」の語が、「○○を原材料に使用してなる羊羹状の菓子(棹菓子)」を表示するものとして、広く一般に採択、使用されていること、及び、棹菓子を取り扱う分野において、「れんこんを使用した羊羹状の菓子(棹菓子)」が一般に製造販売されている実情が認められることからすれば、本願商標は、その指定商品との関係において、「れんこんを使用してなる羊羹状の菓子(棹菓子)」ほどの意味合いを表すものとして認識されるというのが相当であるから、本願商標をその指定商品に使用した場合には、商品の品質を直接的かつ具体的に表すものとして認識されるというべきである。
イ 請求人は、「蓮根羹(はすねかん)」を100年以上前から継続して製造販売しており、裏千家十四代家元淡々斎お好みの菓子として昭和2年から知られているものであって、皇族の夕食のデザートとして提供された過去もあることなどから、本願商標は、請求人の取扱いに係る商品を表示するものとして広く知られており、自他商品の識別力を獲得したといえる旨主張し、証拠方法として第9号証、第10号証、第17号証ないし第20号証(枝番号を含む。)を提出した。
しかしながら、請求人に係る商品の販売実績(売上高、市場シェア)を具体的に示す証拠の提出はなく、北陸地方以外の地域における広告宣伝実績(広告宣伝費、宣伝媒体)も不明である。
また、職権において調査するも、本願商標が請求人の商品の名称を表すものとして、本願の指定商品の分野における我が国の需要者の間に知られていると認めるに足る事実は、見いだせなかった。
ウ 請求人は、平仮名からなる「はすねかん」の商標を平成15年に取得済みであり(商標登録第4658115号)、現在も権利を維持しており、権利取得後も、他人の無断使用を確認するたびに電話等で警告し、その使用を差し止めさせるなど、自他識別力を失うことのないよう、日々努力を重ねている旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲(理由中で参照)
内容を表示(14行)
別掲2 本願の指定商品を取り扱う分野において、「○○羹」の語が、「○○を原材料に使用してなる羊羹状の菓子(棹菓子)」を表示するものとして使用されている事例(下線は当審が付した。)
(1)「越後村上うおや」のウェブサイトにおいて、商品「深山のしずく(葡萄羹)」が掲載されており、商品紹介として「奥山の山ぶどう液を使用し、明治の初め以来百余年に渡り絶品と賞せられ可愛がられている伝統の銘菓です。」の記載がある。
https://www.uoya.co.jp/uoyasake/F17-B22.html
(2)「AJINOMOTO PARK」のウェブサイトにおいて、「かぼちゃ羹」の見出しの下、「かぼちゃや粉寒天を使った人気のデザート・菓子レシピです。」の記載がある。
https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/702549/print/
(3)「株式会社明治」のウェブサイトにおいて、「かぼちゃ羹」の見出しの下、「中秋の名月に因んだ、自然な甘みの和風スイーツです。 かぼちゃの黄色い成分のβカロチンは、体内でビタミンAとなって肌や粘膜を強くする効果や、活性酸素を除去する抗ガン作用があると言われています。また、かぼちゃはビタミンC・E、食物繊維も豊富に含んでいます。」の記載がある。
https://www.meijioishiigyunyu.com/recipe/detail/40.html
別掲3 本願の指定商品を取り扱う分野において、「れんこんを使用した羊羹状の菓子(棹菓子)」が製造販売されている事例(下線は当審が付した。)
(1)「東京新聞」のウェブサイトにおいて、「2021年11月20日 06時48分」の記事として、「<食卓ものがたり>手作業で守る絶妙食感 レンコン(静岡市)」の見出しの下、「静岡のお土産品としてJA静岡市が販売している「麻機れんこん羊羹(ようかん)」=写真=は、自慢の食感が和菓子で味わえる。名産のレンコンをじっくり蜜に漬け込んで刻んだものをようかんで包んだ。」の記載がある。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/143807
(2)青森県平川市経済部商工観光課制作のパンフレット「平川物産館」において、商品「蓮根羊羹」が掲載されており、商品紹介として「夏には一面に蓮の淡いピンクの花を咲かせ、人々の目を癒してくれる。その蓮から取れた蓮根を使い、祖父の代から受け継いできた製造方法を守り続けて今に伝えます。どうぞご賞味ください。」の記載がある。
https://aomori-tourism.com/lsc/upfile/pamphlet/0000/0098/98_101_file.pdf
(3)「日本堂」のウェブサイトにおいて、商品「加賀・能登の恵み 旨石-うまいし-(栗・桜・蓮・レンコン)」が掲載されており、「石川県菓子工業組合青年部(石川菓業青年会)設立10周年記念で作られた創作菓子です。栗=黒糖羊羹、桜=手亡羊羹、蓬=大納言羊羹、小倉=レンコン羊羹と4種あります。」「レンコンは小倉入りの生地にレンコン羊羹がサンドされた商品です。」の記載がある。
http://nihondo.biz/products/detail.php?product_id=48
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