2022-007486
トリプルカメラデバイス及び端末デバイス
- 審判番号
- 2022-007486
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-551982外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年05月19日
- 審決日
- 2023年05月08日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G03B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、2019年(平成31年)3月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2018年(平成30年)3月27日(以下「優先日」という。)中国)が国際出願日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 令和4年5月19日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年 5月19日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「【請求項1】トリプルカメラデバイスであって、第1のモータを含む第1のカメラであり、前記第1のモータは、第1のオートフォーカスAFコイルとM個の第1の磁石を含み、前記M個の第1の磁石は、前記AFコイルの外壁に沿ってペアごとに互いに対向して設置され、Mは正の整数であり、Mは2の倍数である、第1のカメラと、第2のモータを含む第2のカメラであり、前記第2のモータは、N個の第2の光学画像安定化OISコイルとN個の第2の磁石を含み、前記第2のOISコイルは、通電されたとき前記第2の磁石を浮遊させて支持するように構成され、レンズを支持するために前記N個の第2の磁石により使用される平面は同じ平面であり、前記N個の第2の磁石は、前記第2のモータの内壁の周囲にペアごとに互いに対向して設置され、Nは正の整数であり、Nは4の倍数である、第2のカメラと、第3のモータを含む第3のカメラであり、前記第3のモータは、前記第1のモータと前記第2のモータとの間に配置され、前記第3のモータは、第3のAFコイルとK個の第3の磁石を含み、前記K個の第3の磁石は、前記第3のAFコイルの外壁に沿ってペアごとに互いに対向して設置され、Kは正の整数であり、Kは2の倍数であり、前記K個の第3の磁石と前記N個の第2の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第1の予め設定された距離以上である、第3のカメラと、を含み、前記M個の第1の磁石と前記K個の第3の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第2の予め設定された距離以上であり、前記第2のモータは、少なくとも1つの第2のホールセンサをさらに含み、前記第2のホールセンサは、第2の磁石と前記第2の磁石に対応する前記第2のOISコイルとの間に配置され、前記第2のOISコイル及び前記第2のホールセンサは、前記第2の磁石より小さい、トリプルカメラデバイス。」
「【請求項2】前記第2のホールセンサと前記K個の第3の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第3の予め設定された距離以上である、請求項1に記載のトリプルカメラデバイス。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和4年 1月 4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2の記載は次のとおりである。
「【請求項1】トリプルカメラデバイスであって、第1のモータを含む第1のカメラであり、前記第1のモータは、第1のオートフォーカスAFコイルとM個の第1の磁石を含み、前記M個の第1の磁石は、前記AFコイルの外壁に沿ってペアごとに互いに対向して設置され、Mは正の整数であり、Mは2の倍数である、第1のカメラと、第2のモータを含む第2のカメラであり、前記第2のモータは、N個の第2の光学画像安定化OISコイルとN個の第2の磁石を含み、前記第2のOISコイルは、通電されたとき前記第2の磁石を浮遊させて支持するように構成され、レンズを支持するために前記N個の第2の磁石により使用される平面は同じ平面であり、前記N個の第2の磁石は、前記第2のモータの内壁の周囲にペアごとに互いに対向して設置され、Nは正の整数であり、Nは4の倍数である、第2のカメラと、第3のモータを含む第3のカメラであり、前記第3のモータは、前記第1のモータと前記第2のモータとの間に配置され、前記第3のモータは、第3のAFコイルとK個の第3の磁石を含み、前記K個の第3の磁石は、前記第3のAFコイルの外壁に沿ってペアごとに互いに対向して設置され、Kは正の整数であり、Kは2の倍数であり、前記K個の第3の磁石と前記N個の第2の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第1の予め設定された距離以上である、第3のカメラと、を含み、前記M個の第1の磁石と前記K個の第3の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第2の予め設定された距離以上である、トリプルカメラデバイス。」
「【請求項2】前記第2のモータは、少なくとも1つの第2のホールセンサをさらに含み、前記第2のホールセンサは、第2の磁石と前記第2の磁石に対応する前記第2のOISコイルとの間に配置され、前記第2のホールセンサと前記K個の第3の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第3の予め設定された距離以上である、請求項1に記載のトリプルカメラデバイス。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項2における「前記第2のモータは、少なくとも1つの第2のホールセンサをさらに含み、前記第2のホールセンサは、第2の磁石と前記第2の磁石に対応する前記第2のOISコイルとの間に配置され、」との特定事項を、補正前の請求項2から補正前の請求項1に移動し、かつ、「前記第2のOISコイル及び前記第2のホールセンサは、前記第2の磁石より小さい、」との限定を付加することで、本件補正前の請求項1における「第2のモータ」に限定を付加するものである。前記限定を付加する補正は、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2007-306282号公報(2007年(平成19年)11月22日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(なお、下線は当審が付したものである。以下同じ。)
a
「【請求項1】異なる焦点距離を持つ複数のレンズユニットと、該レンズユニットを介して入射された光に基づき撮像信号を処理するイメージセンサチップと、前記複数のレンズユニットを介して入射された光または該光に基づく撮像信号を選択する選択手段とを備え、該選択手段によって前記複数のレンズユニットのうちのいずれか1つのレンズユニットを介して入射された光または該光に基づく撮像信号を選択可能としたことを特徴とするカメラモジュール。・・・(略)・・・【請求項6】前記複数のレンズユニットのうち少なくとも一つのレンズユニットはピント調整を行うフォーカス機構を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカメラモジュール。」
「【0009】(目的)本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、異なる焦点距離を持つ複数のレンズユニットを用いて構造が簡素で、設計、組み立てが容易、且つレンズユニットの全長の短いカメラモジュールを実現し、異なる倍率の画像を選択的に得ることができると共に、携帯機器に特に好適であり、薄型化を実現できるカメラモジュールを提供することを目的とするものである。」
「【0032】次にオートフォーカスについて簡単に説明する。図6に示すように本実施例における望遠側の第2のレンズユニット39は、レンズユニット支持部23に保持されているカバー33と、カバー33の内部に配置されるレンズ鏡筒34と、レンズ鏡筒34の光軸方向の移動をガイドするガイドポスト35a、35bと、モータ36と、モータ36に取り付けられレンズ鏡筒34を光軸方向に移動させるための板カム37と、レンズ鏡筒34を板カム36側に付勢するためのばね38とを備えている。レンズ鏡筒34はリング状の形状をなし、その外周付近に貫通孔34a、34bが設けられており、この貫通孔34a、34bに挿入されたガイドポスト35a、35bがカバー33とレンズユニット支持部23との間に保持されている。また、ガイドポスト35a、35bにおけるカバー33とレンズ鏡筒34との間にはばね38が配置されている。さらに、レンズ鏡筒34の外周部の一端が板カム37のカム面に当接されており、モータ36による板カムの37の回転に伴いレンズ鏡筒34が光軸方向に移動する。このように本実施例の第2のレンズユニット39によれば、接写から無限遠までの撮影が可能である。例えば、レンズユニットとイメージセンサチップとの距離を数百μm前後させることで5cmから無限遠まで、どの位置でもベストピントで撮影が可能である。【0033】以上のように本実施例によれば各レンズユニットにオートフォーカス機構またはマクロ機構を備えることで、より高機能カメラモジュールを実現することができる。なお、本実施例においても実施例1と同様の効果を得ることができる。」
「【実施例3】【0034】実施例3におけるカメラモジュールは、第1、第2、第3のレンズユニットを直接、配線基板上に配置した例であり、その他の基本的な構成は実施例1とほぼ同様である。実施例1は、二つのレンズユニットをレンズユニット支持部に固定して一体化し、レンズユニット支持部を配線基板に配置し、固定した例であるが、本実施例は三つのレンズユニットをそれぞれ個別に、直接、配線基盤に配置し、配線基盤に設ける三つのイメージセンサチップに対応する位置に固定した例である。【0035】図7は実施例3におけるカメラモジュールの断面図である。図7に示すように本実施例におけるカメラモジュールは、広角側(1倍)の第1のレンズユニット51と、望遠側(2倍)の第2のレンズユニット52と、望遠側(3倍)の第3のレンズユニット53と、第1、第2、第3のレンズユニット51、52、53のそれぞれに対応する位置に配置された第1のイメージセンサチップ55aと第2のイメージセンサチップ55bと第3のイメージセンサチップ55cとを備えている。また、第1、第2、第3のレンズユニット51、52、53は直線上に隣接して配置され、配線基板26に直接、固定されている。第1、第2、第3のレンズユニット51、52、53は、レンズ群51a、52a、53aとレンズ鏡筒51b、52b、53bにより構成されており、レンズ鏡筒51b、52b、53bは、対応する第1、第2、第3のイメージセンサチップ55a、55b、55cをそれぞれ包囲するように配置されている。・・・(略)・・・【0040】また、本実施例においても、図8、図9に示すように実施例2と同様にマクロ機構や、オートフォーカス機構を設け、高機能化したカメラモジュールを実現することができる。図8は広角側の第1のレンズユニット40にマクロ機構を設けた例であり、第1のレンズユニット40をレンズユニット支持部42で保持し、このレンズユニット支持部42がイメージセンサチップ55aを包囲するように配線基盤26に固定されている。その他は第2実施例と同様であるため、説明を省略するが、マクロ切り替えレバー44を回転させることにより通常撮影とマクロ撮影(接写)との選択ができるようになっている。」
「【0041】.図9は、望遠側の第2のレンズユニット39にオートフォーカス機構を設けた例であり、レンズ鏡筒39bの光軸方向の移動をガイドするガイドポスト35a、35bと、レンズ鏡筒39bを移動するためのモータ36とが配線基盤26に直接固定されている。さらに、カバー33がイメージセンサチップ55bを包囲するように配線基盤26に固定されている。その他は第2実施例と同様であり、モータ36による板カムの37の回転に伴いレンズ鏡筒39bが光軸方向に移動し、焦点調整のために、レンズ群39aとイメージセンサチップ55bとの間の距離を変更することができる。これによって接写から無限遠までの撮影ができるようになっている。なお、第3のレンズユニット53についても同様にオートフォーカス機構を設けても良い。」
b 図7及び9の記載は、次のとおりである。」
「【図7】[図:0001402246000001.jpg]【図9】[図:0001402246000002.jpg]」
(イ)上記(ア)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。(なお、括弧内は認定の根拠とした段落番号などを参考までに示す。以下同じ。)
「異なる焦点距離を持つ複数のレンズユニットと、該レンズユニットを介して入射された光に基づき撮像信号を処理するイメージセンサチップと、前記複数のレンズユニットを介して入射された光または該光に基づく撮像信号を選択する選択手段とを備え、該選択手段によって前記複数のレンズユニットのうちのいずれか1つのレンズユニットを介して入射された光または該光に基づく撮像信号を選択可能であり、(【請求項1】)前記複数のレンズユニットのうち少なくとも一つのレンズユニットはピント調整を行うフォーカス機構を有するものであって、(【請求項5】)広角側(1倍)の第1のレンズユニット51と、望遠側(2倍)の第2のレンズユニット52と、望遠側(3倍)の第3のレンズユニット53と、第1、第2、第3のレンズユニット51、52、53のそれぞれに対応する位置に配置された第1のイメージセンサチップ55aと第2のイメージセンサチップ55bと第3のイメージセンサチップ55cとを備えて、第1、第2、第3のレンズユニット51、52、53は直線上に隣接して配置され、配線基板26に直接、固定され、第1、第2、第3のレンズユニット51、52、53は、レンズ群51a、52a、53aとレンズ鏡筒51b、52b、53bにより構成されており、レンズ鏡筒51b、52b、53bは、対応する第1、第2、第3のイメージセンサチップ55a、55b、55cをそれぞれ包囲するように配置され、(【0035】、図7)望遠側の第2のレンズユニット39にオートフォーカス機構が設けられ、レンズ鏡筒39bの光軸方向の移動をガイドするガイドポスト35a、35bと、レンズ鏡筒39bを移動するためのモータ36とが配線基盤26に直接固定され、、カバー33がイメージセンサチップ55bを包囲するように配線基盤26に固定されており、モータ36による板カムの37の回転に伴いレンズ鏡筒39bが光軸方向に移動し、焦点調整のために、レンズ群39aとイメージセンサチップ55bとの間の距離を変更することができ、これによって接写から無限遠までの撮影ができるようになっており、第3のレンズユニット53についても同様にオートフォーカス機構を設けても良く、(【0041】、図9)各レンズユニットにオートフォーカス機構を備えることで、より高機能カメラモジュールを実現することができる、(【0033】)カメラモジュール。(【請求項1】、【請求項5】)」
イ 引用文献4
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、米国特許出願公開第2017/0336699号(平成29年(2017年)11月23日出願公開。以下「引用文献4」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(なお、括弧内の日本語訳は当審が付したものである。)
「[0003] A conventional dual camera module usually has two image capturing units for capturing different images. However, as the image capturing units are close to each other, magnetic interference may occur between the magnets which are disposed in the lens driving mechanisms of the image capturing units, so that the focusing speed and accuracy of the lens which is moved along with a lens holder can be adversely reduced. Additionally, magnetic interference may also occur between a magnet and other components within the same image capturing unit. Thus, to design a camera module to reduce magnetic interference between magnetic elements has become an important issue.」
(当審訳:[0003] 従来の二台のカメラモジュールは、通常、異なる画像を撮像するために2台の撮像部を有している。しかしながら、画像取得ユニットは、互いに接近しているので、撮像ユニットのレンズ駆動機構に配置された磁石との間に生じる磁気干渉することができ、レンズホルダと一緒に移動するレンズのフォーカス速度及び精度が低下してしまう場合がある。また、マグネットと同一の撮像ユニット内の他の構成要素との間に生じる磁気干渉がある。従って、磁気素子間の磁気的干渉を低減するためにカメラモジュールを設計することが重要な課題となっている。)
「[0031]Referring to FIG. 1, a camera module M according to an embodiment of the invention includes two image capturing units 1 and 2 which may comprise the same or similar configuration and are arranged along a longitudinal direction (X axis). The camera module M can be disposed in a hand-held electronic device such as digital camera, cell phone, or tablet computer for photographing or video recording. FIG. 2 shows an exploded diagram of the image capturing unit 1 in FIG. 1, FIG. 3 shows a cross-sectional view along line A-A in FIG. 1, and FIG. 4 shows a cross-sectional view along line B-B in FIG. 1. As shown in FIG. 2, the image capturing unit 1 primarily comprises a housing 10, a base 20, a lens holder 30, a first coil 60, a second coil 40. A frame 50, a first magnet 62, at least a second magnet 64, a third magnet 66, an upper spring sheet 70, a lower spring sheet 72, a plurality of flexible members 74, a circuit board 80, a plurality of magnetic sensor 82, and a driving board 90.[0032]The housing 10 is connected to the base 20 for receiving the other components of the image capturing unit 1. An optical lens (not shown) is received in the lens holder 30, and an image sensor (not shown) such as Charge-coupled Device (CCD) is disposed below the base 20, wherein light propagates through the lens and can be focused onto the image sensor along an optical axis O of the lens. As shown in FIG. 2, the housing 10 and the base 20 respectively form an opening 12 and an opening 22, wherein light can enter the image capturing unit 1 via the opening 12 and propagate sequentially through the lens and the opening 22 to the image sensor.[0033]In this embodiment, the lens is affixed in a through hole 32 of the lens holder 30, and the second coil 40 is disposed around the lens holder 30. The lens holder 30 and the lens are movably connected to the frame 50 via the upper and lower spring sheets 70 and 72, so that the lens holder 30 and the lens are suspended within the frame 50 and are movable along the Z axis.[0034]As shown in FIG. 2, the driving board 90 forms a C-shaped structure, and it can be affixed to the circuit board 80 by adhesive. In this embodiment, the circuit board 80 and the driving board 90 are electrically connected to each other. The first magnet 62 is disposed on the base 20 and accommodated in an opening 91 of the driving board 90. Referring to FIGS. 2-4, the first coil 60 is affixed to a sidewall 52A of the frame 50 parallel to the Y axis, corresponding to the first magnet 62. Two second magnets 64 are affixed to two sidewalls 52B of the frame 50 parallel to the X axis, corresponding to the second coil 40 and two third coils 94 (FIG. 3) which are disposed in the driving board 90. Additionally, the third magnet 66 is affixed to another sidewall 52C of the frame 50 parallel to the Y axis, corresponding to another third coil 94 (FIG. 4) which is disposed in the driving board 90.[0035]Based on the mechanism as described above, when a current is applied to the second coil 40, a magnetic force is generated between the second coil 40 and the second magnets 64 which are affixed to the frame 50, so that the lens holder 30 and the lens can be moved relative to the frame 50 along a direction parallel to an optical axis O of the lens (Z direction), and auto focusing (AF) between the lens and the image sensor can therefore be achieved. It should be noted that the four flexible members 74 may be resilient metal wires which connect the frame 50 to the base 20, and the frame 50, the lens holder 30 and the lens are movably supported above the base 20 by the flexible members 74. Here, the circuit board 80 can be a C-shaped flexible printed circuit board, affixed to the base 20 by adhesive and electrically connect the flexible members 74 to an external control unit (not shown) which is located outside of the image capturing unit 1. The control unit can apply an electrical current through the circuit board 80 and the flexible members 74 to the second coil 40, so that a magnetic force can be generated between the second coil 40 and the second magnets 64 to move the lens holder 30 and the lens relative to the frame 50 along a direction parallel to the optical axis O of the lens (Z direction).[0036]When the frame 50 encounters an impact from an external force, the lens may deviate relative to the base 20 in a horizontal direction (parallel to the XY plane). In this circumstance, the magnetic sensor 82 on the base can detect the horizontal displacement of the frame 50 relative to the base 20, and then the first and third coils 60 and 94 disposed on the frame 50 and the driving board 90 can be energized by electrical current to produce magnetic forces between the first, second, third magnets 62, 64, 66 and the first and third coils 60 and 94. Thus, the frame 50, the lens holder 30 and the lens can return to an initial position to achieve optical image stabilization (OIS) of the camera module. In some embodiments, the magnetic sensor 82 can be a Hall effect sensor, a magnetoresistive (MR) sensor, or a Fluxgate sensor.」
(当審訳:[0031]図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るカメラモジュールMは、同一または同様の構成を含んでいてもよい2個の撮像ユニット1、2を有しており、長手方向(X軸)に沿って配置されている。カメラモジュールMは、撮影映像を記録するためのデジタルカメラ、携帯電話、又はタブレット型コンピュータのような携帯電子装置に配置することができる。図2は、図1における撮像ユニット1の分解図を示し、図3は図1のA-A線に沿った断面図を示し、図4は図1のB-B線に沿った断面図を示す。図2に示すように、撮像ユニット1は主に、ハウジング10、ベース20、レンズホルダ30と、第1のコイル60、第2のコイル40とを備えている。前記フレーム50、第1の磁石62、第2磁石64、第3磁石66、上部スプリングシート70、下ばねシート72と、可撓性部材74、回路基板80、磁気センサ82、および駆動基板90が形成されている。
[0032] 筐体10は、撮像ユニット1の他の構成要素を収容するためのベース20に接続されている。レンズホルダ30内に収容されている光学レンズ(図示せず)と、ベース20の下に配置された電荷結合デバイス(CCD)のようなイメージセンサ(図示せず)では、光は、レンズを通して伝搬し、レンズの光軸Oに沿ってイメージセンサ上に結像させることができる。図2に示すように、ハウジング10とベース20は開口12および開口22をそれぞれ形成し、光線は、開口12を介して撮像部1に入射し、レンズおよび開口部22を介して連続的に伝え、画像センサとすることができる。
[0033] この実施形態では、レンズは、レンズホルダ30の貫通孔32に固定され、第2のコイル40は、レンズホルダ30の周囲に配置されている。レンズホルダ30とレンズは、上下のスプリングシート70及び72を介してフレーム50に可動に連結され、レンズホルダ30とレンズ枠50内に懸架されており、Z軸に沿って移動するようになっている。
[0034] 図2に示すように、駆動基板90は、C字形状の構造を形成し、接着剤により回路基板80に固定することができる。この実施形態では、回路基板80と駆動基板90とが電気的に接続されている。第1の磁石62は、ベース20上に配置され、駆動基板90の開口部91内に収容されている。図2-4を参照すると、第1のコイル60は、Y軸に平行に、フレーム50の側壁52aに固定され、第1の磁石62に対応する。2つの第2の磁石64は、X軸に平行なフレーム50の第2側壁52bに固定され、駆動基板90に配置された第2のコイル40、2つの第3コイル94(図3)に対応している。また、第3磁石66は、Y軸に平行なフレーム50の他の側壁52cに固定され、駆動基板90に配置されている別の第3のコイル94(図4)に対応する。
[0035]上記のメカニズムに基づいて、第2コイル40に電流を印加すると、フレーム50に固定された第2コイル40と第2マグネット64との間に働く磁力によって、レンズホルダ30と、レンズがレンズの光軸Oと平行な方向(Z方向)に沿ってフレーム50に対して移動することができ、レンズとイメージセンサとの間の自動合焦(AF)を達成することができる。なお、4本の弾性部材74は、フレーム50をベース20に接続する弾性金属ワイヤであってもよく、フレーム50、レンズホルダ30及びレンズは、可撓性部材74によってベース20の上に移動可能に支持されている。ここで、回路基板80はC字状のフレキシブルプリント回路基板は、接着剤によってベース20に取り付けられてもよく、可撓性部材74を撮像部1の外部に位置する外部制御ユニット(図示せず)に電気的に接続することができる。制御部は、回路基板80の可撓性部材74を介して電流を印加する第2のコイル40、第2コイル40と第2の磁石64との間に発生するレンズの光軸Oと平行な方向(Z方向)に沿ってフレーム50に対して、レンズホルダ30、レンズを移動させることができる磁気力となっている。
[0036] フレーム50は外部からの衝撃力に遭遇したときには、レンズは、水平方向(XY平面と平行)にベース20に対してずれていてもよい。この状況では、支持体上の磁気センサ82がベース20に対するフレーム50の水平方向の変位を検出することができ、その後フレーム50と駆動基板90上に配置された第1及び第3のコイル60、94は、第1、第2及び第3の磁石62、64、 66、および第1及び第3のコイル60及び94との間の磁気力を発生するための電流を通電することができる。したがって、フレーム50、レンズホルダ30及びレンズは、カメラモジュールの光学画像安定化(OIS)を達成するために初期位置に戻ることができる。いくつかの実施形態では、磁気センサ82は、ホール効果センサ、磁気抵抗(MR)センサ、フラックスゲート(Fluxgate sensor)である。)
「[0039] According to another embodiment as shown in FIG. 7, the first magnet 62 in the image capturing unit 1 is disposed below the first coil 60, and the first magnet 62 in the image capturing unit 2 is disposed above the first coil 60 and may be mounted to the frame 50. Here, the first and third coils 60 and 94 are embedded in the driving board 90, so that the distance between the two first magnets 62 can be increased and magnetic interference therebetween can be efficiently reduced. It should be noted that any one of the first, second, and third magnets 62, 64, and 66 can be a multipolar magnet, such as the 4-pole magnet shown in FIGS. 6 and 7. As a result, not only can the dimensions of the camera module and the production cost be reduced, magnetic interference between the magnets can be further suppressed, but also the electromagnetic driving force can be increased, thereby facilitating miniaturization and high performance of the camera module.」
(当審訳:[0039]図7に示すような別の実施形態によれば、撮像ユニット1における第1の磁石62は、第1のコイル60の下方に配置され、撮像ユニット2の第1磁石62は第1コイル60の上方に配置され、フレーム50に取り付けることができる。ここで、第1のコイル60及び第3コイル94は、駆動基板90に埋設されているので、2つの第1の磁石62間の距離を大きくすることができ、両者間の磁気干渉を効率よく低減することができる。第1、第2、および第3のマグネット62、64及び66のいずれも、多極磁石とすることができることに留意すべきである(図6及び図7に示した4極磁石などの結果として、カメラモジュールの製造コストの低減を図ることができるのみならず、マグネット間の磁気的干渉をさらに抑制することができるだけでなく、電磁駆動力を大きくすることができ、カメラモジュールの小型化及び高性能化を容易にする。)
b FIG.1、2及び5は、次のとおりである。
「[図:0001402246000003.jpg][図:0001402246000004.jpg][図:0001402246000005.jpg]FIG.2から、磁気センサ82は、第2の磁石64よりも小さいことが見て取れる。」
(イ)上記(ア)から、引用文献4には、次の技術的事項(以下「引用文献4に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
a
「2個の撮像ユニット1、2を有しており、長手方向(X軸)に沿って配置されているカメラモジュールにおいて、([0031])撮像ユニットは、ハウジング10、ベース20、レンズホルダ30と、第1のコイル60、第2のコイル40とを備え、フレーム50、第1の磁石62、第2磁石64、第3磁石66、上部スプリングシート70、下ばねシート72と、可撓性部材74、回路基板80、磁気センサ82、および駆動基板90が形成され、([0031])第2コイル40に電流を印加すると、フレーム50に固定された第2コイル40と第2マグネット64との間に働く磁力によって、レンズホルダ30と、レンズがレンズの光軸Oと平行な方向(Z方向)に沿ってフレーム50に対して移動することができ、レンズとイメージセンサとの間の自動合焦(AF)を達成することができ、([0035])支持体上の磁気センサ82がベース20に対するフレーム50の水平方向の変位を検出することができ、その後フレーム50と駆動基板90上に配置された第1及び第3のコイル60、94は、第1、第2及び第3の磁石62、64、 66、および第1及び第3のコイル60及び94との間の磁気力を発生するための電流を通電することができ、フレーム50、レンズホルダ30及びレンズは、カメラモジュールの光学画像安定化(OIS)を達成するために初期位置に戻ることができ、([0036])、磁気センサ82は、ホール効果センサであり、([0036])前記磁気センサ82は、第2の磁石64よりも小さい、こと。」
b
「画像取得ユニットは、互いに接近しているので、撮像ユニットのレンズ駆動機構に配置された磁石との間に生じる磁気干渉することができ、レンズホルダと一緒に移動するレンズのフォーカス速度及び精度が低下してしまう場合があり、また、マグネットと同一の撮像ユニット内の他の構成要素との間に生じる磁気干渉があるため、磁気素子間の磁気的干渉を低減するためにカメラモジュールを設計することが重要な課題であって、([0003])2つの第1の磁石62間の距離を大きくすることができ、両者間の磁気干渉を効率よく低減することができること。([0039])」
(3)本件補正発明と引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)本件補正発明の「トリプルカメラデバイスであって、」との特定事項について
引用発明の「カメラモジュール」は、「第1のレンズユニット51」、「第2のレンズユニット52」及び「第2のレンズユニット52」と、「第1、第2、第3のレンズユニット51、52、53のそれぞれに対応する位置に配置された第1のイメージセンサチップ55aと第2のイメージセンサチップ55bと第3のイメージセンサチップ55c」を備えていることから、当該「カメラモジュール」は、本件補正発明の「トリプルカメラデバイス」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の上記特定事項を満たす。
(イ)本件補正発明の「第1のモータを含む第1のカメラであり、前記第1のモータは、第1のオートフォーカスAFコイルとM個の第1の磁石を含み、前記M個の第1の磁石は、前記AFコイルの外壁に沿ってペアごとに互いに対向して設置され、Mは正の整数であり、Mは2の倍数である、第1のカメラと、」との特定事項について
a 引用発明の「第1のレンズユニット51」と「対応する位置に配置された第1のイメージセンサチップ55a」を組み合わせたものは、本件補正発明の「第1のカメラ」に相当する。
b 引用発明は、本件補正発明の「第1のモータを含み、前記第1のモータは、第1のオートフォーカスAFコイルとM個の第1の磁石を含み、前記M個の第1の磁石は、前記AFコイルの外壁に沿ってペアごとに互いに対向して設置され、Mは正の整数であり、Mは2の倍数である」との特定事項(以下「第1のカメラ機構」という。)を満たさない。
(ウ)本件補正発明の「第2のモータを含む第2のカメラであり、前記第2のモータは、N個の第2の光学画像安定化OISコイルとN個の第2の磁石を含み、前記第2のOISコイルは、通電されたとき前記第2の磁石を浮遊させて支持するように構成され、レンズを支持するために前記N個の第2の磁石により使用される平面は同じ平面であり、前記N個の第2の磁石は、前記第2のモータの内壁の周囲にペアごとに互いに対向して設置され、Nは正の整数であり、Nは4の倍数である、第2のカメラと、」との特定事項について
a 引用発明の「第3のレンズユニット53」と「対応する位置に配置された」「第3のイメージセンサチップ55c」を組み合わせたものは、本件補正発明の「第2のカメラ」に相当する。
b 引用発明は、本件補正発明の「第2のモータを含み、前記第2のモータは、N個の第2の光学画像安定化OISコイルとN個の第2の磁石を含み、前記第2のOISコイルは、通電されたとき前記第2の磁石を浮遊させて支持するように構成され、レンズを支持するために前記N個の第2の磁石により使用される平面は同じ平面であり、前記N個の第2の磁石は、前記第2のモータの内壁の周囲にペアごとに互いに対向して設置され、Nは正の整数であり、Nは4の倍数である、」との特定事項(以下「第2のカメラ機構」という。)を満たさない。
(エ)本件補正発明の「第3のモータを含む第3のカメラであり、前記第3のモータは、前記第1のモータと前記第2のモータとの間に配置され、前記第3のモータは、第3のAFコイルとK個の第3の磁石を含み、前記K個の第3の磁石は、前記第3のAFコイルの外壁に沿ってペアごとに互いに対向して設置され、Kは正の整数であり、Kは2の倍数であり、前記K個の第3の磁石と前記N個の第2の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第1の予め設定された距離以上である、第3のカメラと、」との特定事項について
a 引用発明の「第2のレンズユニット52」と「対応する位置に配置された」「第2のイメージセンサチップ55c」を組み合わせたものは、本件補正発明の「第3のカメラ」に相当する。
b 引用発明は、本件補正発明の「第3のモータを含み、前記第3のモータは、第3のAFコイルとK個の第3の磁石を含み、前記K個の第3の磁石は、前記第3のAFコイルの外壁に沿ってペアごとに互いに対向して設置され、Kは正の整数であり、Kは2の倍数であり、」との特定事項(以下「第3のカメラ機構」という。)を満たさない。
c 引用発明は、本件補正発明の「前記第3のモータは、前記第1のモータと前記第2のモータとの間に配置され、」との特定事項を満たさない。
d また、引用発明は、上記「第2のカメラ機構」及び「第3のカメラ機構」を満たさないことから、本件補正発明の「前記K個の第3の磁石と前記N個の第2の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第1の予め設定された距離以上である、」との特定事項を満たさない。
(オ)本件補正発明の「前記M個の第1の磁石と前記K個の第3の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第2の予め設定された距離以上であり、」との特定事項について
引用発明は、本件補正発明の上記特定事項を満たさない。
(カ)本件補正発明の「前記第2のモータは、少なくとも1つの第2のホールセンサをさらに含み、前記第2のホールセンサは、第2の磁石と前記第2の磁石に対応する前記第2のOISコイルとの間に配置され、前記第2のOISコイル及び前記第2のホールセンサは、前記第2の磁石より小さい、」との特定事項について
引用発明は、本件補正発明の上記特定事項を満たさない。
(キ)上記(ア)~(カ)から、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「トリプルカメラデバイスであって、第1のカメラと、第2のカメラと、第3のカメラと、を含む、トリプルカメラデバイス。」
<相違点1>
第1のカメラにおいて、本件補正発明は「第1のカメラ機構」を有するのに対して、引用発明は、そのようになっていない点。
<相違点2>
第2のカメラにおいて、本件補正発明は「第2のカメラ機構」を有するのに対して、引用発明は、そのようになっていない点。
<相違点3>
第3のカメラにおいて、本件補正発明は「第3のカメラ機構」を有するのに対して、引用発明は、そのようになっていない点。
<相違点4>
本件補正発明は、「前記第3のモータは、前記第1のモータと前記第2のモータとの間に配置され」ているのに対して、引用発明は、そのようになっていない点。
<相違点5>
本件補正発明は、第3のカメラにおける「前記K個の第3の磁石と前記N個の第2の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第1の予め設定された距離以上である」との特定事項、及び、トリプルカメラデバイスにおける「前記M個の第1の磁石と前記K個の第3の磁石との間の距離のうち最短の距離が、第2の予め設定された距離以上であり、」との特定事項を有するのに対して、引用発明は、そのようになっていない点。
<相違点6>
本件補正発明は「前記第2のモータは、少なくとも1つの第2のホールセンサをさらに含み、前記第2のホールセンサは、第2の磁石と前記第2の磁石に対応する前記第2のOISコイルとの間に配置され、前記第2のOISコイル及び前記第2のホールセンサは、前記第2の磁石より小さい」のに対して、引用発明は、そのようになっていない点。
(4)判断
以下、相違点1~6について検討する。
ア 相違点1~3について
事案に鑑み、相違点1~3をまとめて検討する。
(ア)相違点1について
引用発明は、「各レンズユニットにオートフォーカス機構を備えることで、より高機能カメラモジュールを実現することができる」ものであるところ、高機能カメラモジュールとして、レンズユニットのレンズを光軸方向と垂直方向に移動させる光学画像安定化機構(以下「OIS機構」という。)を備えたものは、前記オートフォーカス機構を備えたものと同様に広く知られたものである。
そして、引用文献4には、撮像ユニットにおいて、2つの第2磁石64と第2コイルによりオートフォーカスをなし、第1磁石、第3磁石及び2つの第2磁石からなる4つの磁石と第1及び第3のコイルにより光学画像安定化(OIS)を達成すること、が記載されている。(上記(2)イ(イ)の引用文献4に記載された技術的事項a参照。)
引用発明において、第1のレンズユニット51を、より高機能なものとすることは自明な課題であって、当該課題を解決するために、上記引用文献4に記載された技術的事項aに基づいて、2つの第2磁石64と第2コイルによりオートフォーカスをなし、第1磁石、第3磁石及び2つの第2磁石からなる4つの磁石と第1及び第3のコイルにより光学画像安定化(OIS)を達成する構成を採用し、上記相違点1に係る本件補正発明の構成をなすことは当業者が容易に想到しうるものである。
(イ)相違点2及び3について
上記(ア)と同様の理由により、引用発明の「第2のレンズユニット52」及び「第3のレンズユニット53」のそれぞれにおいて、上記引用文献4に記載された技術的事項aに基づいて、2つの第2磁石64と第2コイルによりオートフォーカスをなし、第1磁石、第3磁石及び2つの第2磁石からなる4つの磁石と第1及び第3のコイルにより光学画像安定化(OIS)を達成する構成を採用し、上記相違点2及び3に係る本件補正発明の構成をなすことは当業者が容易に想到しうるものである。
(ウ)相違点1~3についてのまとめ
上記(ア)及び(イ)で説示したとおり、引用発明において、第1~第3のレンズユニットのそれぞれに対して、引用文献4に記載された技術的事項に基づいて、第1~第3の磁石及び第1~第3のコイルを採用して、オートフォーカス及びOISの機能を持たせ、上記相違点1~3のそれぞれに係る本件補正発明の構成をなすことは、当業者が容易に想到し得るものである。
イ 相違点4について
上記アで説示したように、引用発明の第1~第3のレンズユニットのそれぞれに対して、磁石及びコイルを適用することは容易想到であるところ、当該適用の結果として、引用発明の「第1レンズユニット」は本件補正発明の「第1のカメラ機構」を、引用発明の「第2レンズユニット」は本件補正発明の「第3のカメラ機構」を、引用発明の「第3レンズユニット」は本件補正発明の「第2のカメラ機構」を、それぞれ備えるものとなる。
引用発明は「第1、第2、第3のレンズユニット51、52、53は直線上に隣接して配置され」ることを踏まえると、引用発明の第1~第3のレンズユニットのそれぞれに対して、磁石及びコイルからなるカメラ機構を適用したものは、「第1のカメラ機構」と「第2のカメラ機構」との間に「第3のカメラ機構」を備えたものといえ、上記相違点4に係る本件補正発明の構成が満たされることは、明らかである。
ウ 相違点5について
引用発明において、第1~第3のレンズユニットのそれぞれに対して、磁石及びコイルを適用した結果として、それぞれのレンズユニットの磁石同士が、特定の距離を有して配置されることは明らかである。
上記相違点5に係る本件補正発明には「第1の予め設定された距離」及び「第2の予め設定された距離」との特定があるところ、本願の明細書の発明の詳細な説明等を参酌しても当該2つの予め設定された距離が、どのようなものであるかが特定されておらず、そのため、2つの予め設定された距離とは、任意の距離であると解される。
そうすると、引用発明において、第1~第3のレンズユニットのそれぞれに対して、磁石及びコイルを適用すれば、相違点5に係る本件補正発明の構成は、自然と満たされることになる。
仮に、そうでないとしても、引用文献4には「磁気素子間の磁気的干渉を低減するためにカメラモジュールを設計することが重要な課題」であって、「2つの第1の磁石62間の距離を大きくすることができ、両者間の磁気干渉を効率よく低減することができること」が記載されている。(上記(2)イ(イ)の引用文献4に記載された技術的事項b参照。)
引用発明において、引用文献4に記載された技術的事項aに基づいて、第1~第3のレンズユニットのそれぞれに磁石を適用する際に、上記課題に鑑みて、当該磁石間の距離を磁気干渉が低減出来る距離とすることは当業者が容易に想到し得るものであり、その際に設定された距離は、本件補正発明の「第1の予め設定された距離」及び「第2の予め設定された距離」であるといえる。
エ 相違点6について
引用文献4には、「磁気センサ82は、ホール効果センサ」であり、「前記磁気センサは、第2の磁石64よりも小さい」ことが記載されている。(上記(2)イ(イ)の引用文献4に記載された技術的事項a参照。)
上記ア及びイで説示したとおり、引用発明において、相違点2~3に係る本件補正発明の構成をなすことは当業者が容易に想到しうるものであるところ、上記「磁気センサ82」も第1から第3のカメラ機構と共に引用発明に適用することは当業者が当然行う事項である。
オ そして、これらの相違点1~6を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献4に記載された技術的事項から認められる周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
カ 小括
したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年5月19日にされた手続補正は、上記のとおり却下され、また、令和4年1月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献4に記載された技術的事項に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び4の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明1から、「前記第2のモータは、少なくとも1つの第2のホールセンサをさらに含み、前記第2のホールセンサは、第2の磁石と前記第2の磁石に対応する前記第2のOISコイルとの間に配置され、前記第2のOISコイル及び前記第2のホールセンサは、前記第2の磁石より小さい、」との限定事項を削除したものである。
そうすると、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が引用発明及び引用文献4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1は、引用発明及び引用文献4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-007486