2022-006218
選定装置及びプログラム
- 審判番号
- 2022-006218
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-082078外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年04月25日
- 審決日
- 2023年02月22日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
本願は、令和2年5月7日の出願であって、令和3年8月24日付けの拒絶理由の通知に対し、同年10月27日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、令和4年1月24日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年4月25日に審判請求がされると同時に手続補正がされたものである。
第2 本件補正について
令和4年4月25日提出の手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について、本件補正前の請求項1~9のうち、請求項2、請求項5及び請求項9を削除し、本件補正後の請求項1~6とするものである。
そうすると、本件補正は、特許法17条の2第5項1号に掲げる同法36条5項に規定する請求項の削除を目的とする補正である。
したがって、本件補正は適法にされたものである。
第3 本願発明
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである(以下、請求項1に記載された発明を「本願発明」という。)。
[本願発明]
荷物の配送業者を選定する選定装置であって、
前記配送業者ごとの前記荷物の集荷終了時刻を含む配送条件を条件情報として取得する条件情報取得部と、
前記荷物ごとに前記配送条件のうち優先する優先条件を取得する優先条件取得部と、
前記荷物ごとにサイズ及び配送先を特定する特定部と、
取得された優先条件と特定されたサイズ及び配送先と前記集荷終了時刻と前記荷物の出荷時刻とに基づいて、取得された条件情報から配送を依頼する前記配送業者を決定する決定部と、
を備える選定装置。
第4 原査定の拒絶の理由の概要
本願発明についての原査定の拒絶の理由は、概略、本願発明は、その出願前に日本国内において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1 特開2002-274651号公報
引用文献2 特開2002-324197号公報
第5 引用文献の記載、引用発明等
1 引用文献1の記載及び引用発明
(1) 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前に公開された引用文献1(特開2002-274651号公報(平成14年9月25日出願公開))には、次の記載がある(下線加筆。以下同じ。)。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、差出人から受取人に荷物を配送する配送業者を選択する配送業者選択装置、配送業者選択方法、及びプログラムに関する。」
「【0004】本発明の課題は、差出人の所望する配送条件に基づいて、最適な配送業者を容易且つ効率的に選択可能な配送業者選択装置、配送業者選択方法、及びプログラムを提供することである。」
「【0010】【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1~図14は、本発明を適用した配送業者選択システムの一実施の形態を示す図である。【0011】まず、構成を説明する。図1は、本実施の形態における通信システム100の全体構成を示すと共に、本通信システム100における各種情報の送受信の様子を概念的に示した図である。この図1に示す様に、通信システム100は、管理サーバ1、利用者端末11、業者端末21がネットワークNを介して相互に接続されることにより構成されている。」
「【0014】次に、図2を参照して管理サーバ1の内部構成を詳細に説明する。図2は、管理サーバ1の機能的構成を示すブロック図である。図2に示す様に、管理サーバ1は、CPU2、入力部3、伝送制御部4、RAM5、及び記録媒体6aを有する記憶装置6によって構成され、各部はバス7によって接続されている。」
「【0024】また、記憶装置6は、各配送業者別の料金表データを格納する料金データメモリ62を備える。図4は、料金データメモリ62内のデータ格納例として、A配送業者の料金表データを示す図である。図4に示す様に、料金データメモリ62には、A配送業者の料金表データ621、B配送業者の料金表データ622、N配送業者の料金表データ623がそれぞれ個別の料金データとして格納されている。・・・【0027】また、記憶装置6は、各配送業者が個別に設定したオプション料金のデータを格納するオプション料金データメモリ63を備える。図5(a)は、オプション料金データメモリ63内のデータ格納例として、A配送業者が提供するオプションの種類と料金の対応関係を示す図である。図5(a)に示す様に、オプション料金データメモリ63には、A配送業者のオプション料金データ631、B配送業者のオプション料金データ632、N配送業者のオプション料金データ633がそれぞれ個別のオプション料金データとして格納されている。・・・【0029】オプション種類データ領域631aには、A配送業者が提供するオプション種類の文字データ(例えば、午後・午前指定、深夜指定、至急等)が、オプション種類データとして格納される。また、オプション料金データ領域631bには、各オプション種類に対応するオプション料金の数字データ(例えば、100円、200円、150円等)が、オプション料金データとして格納される。」
「【0032】利用者端末11は、例えば、配送の受付が可能なコンビニエンスストア等に設置される通信端末である。この利用者端末11は、図1の管理サーバ1に接続されるが、これら利用者端末11と管理サーバ1との間には、例えば、インターネット等のネットワークNが経由される構成としてもよいし、店内に設備されるPOSシステム(Point Of Sales System :販売時点管理システム)の端末機が経由されるものとしてもよい。【0033】図6は、図1に示した利用者端末11の概略内部構成を示すブロック図である。この図6において、利用者端末11は、CPU12、入力部13、ワークエリアを内部に有するRAM14、表示部15、記憶装置16、記録媒体16a、伝送制御部17、及び重量・サイズ測定部18によって構成されており、記録媒体16aを除く各部はバス20によって接続されている。」
「【0044】まず、図7は、後述する配送業者選択処理の実行前に、利用者端末11において実行される伝票発行処理について説明するフローチャートである。差出人より差出人データの入力を開始する指示が有ると、CPU12は、図8の差出人データ入力処理を実行する(ステップS1)。・・・【0053】図7に戻り、差出人より受取人データの入力を開始する指示が有ると、CPU12は、図9の受取人データ入力処理を実行する(ステップS2)。・・・【0060】再び図7に戻り、伝票発行処理のステップS3以降の処理について説明する。ステップS3では、CPU12は、表示部15に「配送種別を指定して下さい。」等のメッセージを表示させ、差出人が依頼する配送種別の入力を行わせる。この種別指定は、クール、ゴルフ、スキー等の複数の配送種別の中から選択形式で指定する構成としてもよいし、差出人が入力部13を介して文字入力する形式で指定する構成としてもよい。【0061】次のステップS4では、CPU12は、表示部15に「荷物の重量、サイズ、個数を指定して下さい。」等のメッセージを表示させ、差出人が配送を依頼する荷物の性状を入力させる。この性状指定は、重量・サイズ測定部18により測定された荷物の重量、サイズをCPU12へ出力すると共に、差出人が入力部13を介して荷物の個数を入力することにより行われる。なお、配送する荷物の重量或いはサイズが予め定まっている場合には、差出人が手入力する構成としてもよい。また、個数は荷物が複数ある場合にのみ入力する構成としてもよい。【0062】次のステップS5では、CPU12は、表示部15に「荷物の配送時間、或いは配送時間帯を指定して下さい。」等のメッセージを表示させ、差出人が配送を希望する時間、或いは時間帯を入力させる。ここで、配送時間とは、差出人が配送を依頼してから、受取人への配送が完了するまでの所要時間を示し、配送時間帯とは、受取人が荷物を受取可能な時間帯を示す。従って、差出人が可及的に早い配送を望む場合には配送時間を指定し、配送の早さよりも受取の確実性を優先する場合には配送時間帯を指定することが望ましい。【0063】次いで、CPU12は、入力部13からの送信指示の有無に基づいて、ステップS3~S5で入力された種別データ、性状データ、時間データ(以下、これら3種のデータを纏めて「荷物データ」と記す。)を管理サーバ1へ送信するか否かを確認する(ステップS6)。送信指示が確認されると(ステップS6;Y)、CPU12は、伝送制御部17を介して該荷物データを管理サーバ1へ送信する(ステップS7)。また、荷物データは、上記種別データ、性状データ、時間データの他に、配送料金、配送時間帯、配送の早さの3条件の内、何れの条件を優先させるかを指定する優先条件データを含む。【0064】後述する配送業者選択処理によって管理サーバ1が選択した配送料金、配送業者、その他の配送内容(配送種別、時間帯等)を受信して、表示部15に表示させる(ステップS8)。表示された配送内容を差出人が妥当と判断し、入力部13から配送指示を入力すると(ステップS9;Y)、CPU12は、印刷部19に配送伝票を発行させて(ステップS10)、伝票発行処理を終了する。」
「【0078】確認の結果、荷物データに入力漏れが無い場合(ステップT19;Y)、CPU2は、配送業者選択処理を実行する(ステップT20)。以下、図11のフローチャートを参照して、配送業者選択処理について説明する。先ず、CPU2は、ステップT18でRAM5に記憶された荷物データの中から優先条件データを抽出し、該優先条件データに基づいて、差出人が料金、時間帯、早さの内、何れの条件を優先条件として指定しているか判別する(ステップT201)。【0079】ここで、優先条件として“配送料金”が指定されている場合(ステップT201;Y)、CPU2は、料金データメモリ62に記憶されている全配送業者の差出地域、受取地域別の料金表を参照して、指定された差出人と受取人の住所に該当する基本料金を特定する。同時に、CPU2は、オプション料金データメモリ63に記憶されている全配送業者のオプション料金表を参照して、指定されたオプション種類に該当するオプション料金を特定する。【0080】次に、CPU2は、配送業者毎に特定された基本料金とオプション料金とを加算して、差出人の所望する条件に見合った配送業者別の配送料金を求める(ステップT202)。そして、配送料金の安い方から順に10社の配送業者を選択し、この配送業者データを配送料金データ、配送内容データと共に利用者端末11へ送信する(ステップT203)。そして、図10に戻り、ステップT1以降の処理に移行する。【0081】また、RAM5に記憶されている荷物データが優先条件として“時間帯”を指定している場合(ステップT204;Y)、CPU2は、オプション料金データメモリ63を参照して、差出人によって指定された配送時間帯のオプション料金が安い方から順に10社の配送業者を選択し、この配送業者データを、配送料金、配送内容の各データと共に利用者端末11へ送信する(ステップT205)。そして、図10に戻り、ステップT1以降の処理に移行する。【0082】更に、RAM5に記憶されている荷物データが優先条件として“早さ”を指定している場合(ステップT206;Y)、CPU2は、オプション料金データメモリ63を参照して、配送時間の最も早い方から順に10社の配送業者を選択し、この配送業者データを、配送料金、配送内容の各データと共に利用者端末11へ送信する(ステップT207)。【0083】この時、配送業者の選択方法として、差出人によって指定された配送時間内に配送が可能な配送業者の内、低料金の方から10社の配送業者を選択するものとしてもよい。配送業者の選択後、図10に戻り、ステップT1以降の処理に移行する。なお、RAM5に記憶されている荷物データが優先条件を指定していない場合(ステップT206;N)には、配送料金を指定しているものと見なしてステップT202の処理に移行する。【0084】以上、管理サーバ1と利用者端末11間におけるデータの送受信について説明したが、以下に管理サーバ1と業者端末21間におけるデータの送受信について説明する。すなわち、管理サーバ1が、業者端末21からネットワークNを介して送信された配送業者の料金データを受信した場合(ステップT21;Y)、CPU2は、受信した料金データが新規の配送業者のものであれば料金データメモリ62に追加登録し、既存の配送業者のものであれば対応する料金表データを更新する(ステップT22)。」
「【0099】以上説明した様に、本実施の形態における通信システム100によれば、差出人が荷物の配送を依頼する際に指定した所望の条件に基づいて、当該条件に適した配送業者を選択し、その配送業者の配送に関する情報を配送伝票フォームに記入して印刷出力する。従って、差出人は、希望する配送条件を指定するという容易な操作で、多数の配送業者の中から最適な配送業者を選択して、配送を依頼できる。また、配送依頼と同時に、配送伝票も発行されるので配送作業の迅速性も確保できる。【0100】なお、本実施の形態における記述内容は、本発明に係る配送業者選択システムの好適な一例であり、これに限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、配送業者選択時の優先条件として、配送料金、配送時間帯、早さを指定可能な構成としたが、これらに限らず、一括して配送可能な荷物の上限個数、配送距離等の定量的な条件を指定可能な構成としてもよい。」
「【図4】[図:0001396913000001.jpg]」
「【図5】[図:0001396913000002.jpg]」
ア 上記【0001】、【0004】及び【0010】によれば、引用文献1には、差出人から受取人に荷物を配送する最適な配送業者を選択する配送業者選択システムが記載されている。また、上記【0011】によれば、上記配送業者選択システムは、管理サーバ1、利用者端末11及び業者端末21がネットワークNを介して相互に接続されるものである。
したがって、引用文献1には、管理サーバ1、利用者端末11、業者端末21がネットワークNを介して相互に接続された、差出人から受取人に荷物を配送する最適な配送業者を選択する配送業者選択システムにおける管理サーバ1の発明が記載されているといえる。
イ 上記【0014】によれば、管理サーバ1は、CPU2、入力部3、RAM5及び記憶装置6等によって構成されている。
ウ 上記【0024】及び【0027】によれば、記憶装置6は、各配送業者別の料金表データを格納する料金データメモリ62と、各配送業者が個別に設定したオプション料金のデータを格納するオプション料金データメモリ63を備えている。
エ 上記【0029】及び【図5】によれば、オプション料金データメモリ63のオプション種類データ領域631aには、A配送業者が提供するオプション種類の文字データ(例えば、午後・午前指定、深夜指定、至急等)が、オプション種類データとして格納され、オプション料金データ領域631bには、各オプション種類に対応するオプション料金の数字データ(例えば、100円、200円、150円等)が、オプション料金データとして格納される。
オ 上記【0032】及び【0033】によれば、利用者端末11は、配送の受付が可能なコンビニエンスストア等に設置される通信端末であり、CPU12、入力部13、重量・サイズ測定部18等によって構成されている。
カ 上記【0044】によれば、利用者端末11では、管理サーバ1において実行される配送業者選択処理の実行前に、伝票発行処理が実行されるものである。そして、同【0044】や【0053】によれば、伝票発行処理には、差出人データ入力処理や受取人データ入力処理が含まれる。
キ 上記【0060】~【0063】によれば、利用者端末11は、差出人に配送種別を入力させ、重量・サイズ測定部18により測定された荷物の重量、サイズを入力すると共に、差出人が入力部13を介して荷物の個数を入力することにより配送を依頼する荷物の性状を入力させ、差出人が配送を希望する時間あるいは時間帯を入力させ、種別データ、性状データ、時間データの他に、配送料金、配送時間帯、配送の早さの3条件のうち、何れの条件を優先させるかを指定する優先条件データを含む荷物データを管理サーバ1に送信させる。
ク 上記【0078】~【0082】によれば、管理サーバ1は、配送業者選択処理を実行するものであり、RAM5に記憶された荷物データの中から優先条件データを抽出し、該優先条件データに基づいて、差出人が(A)料金、(B)時間帯及び(C)早さのうち、何れの条件を優先条件として指定しているか判別し、(A)優先条件として“配送料金”が指定されている場合、料金データメモリ62に記憶されている全配送業者の差出地域、受取地域別の料金表を参照して、指定された差出人と受取人の住所に該当する基本料金を特定すると同時に、オプション料金データメモリ63に記憶されている全配送業者のオプション料金表を参照して、指定されたオプション種類に該当するオプション料金を特定し、配送業者毎に特定された基本料金とオプション料金とを加算して、差出人の所望する条件に見合った配送業者別の配送料金を求め、配送料金の安い方から順に10社の配送業者を選択して、この配送業者データを配送料金データ、配送内容データと共に利用者端末11へ送信し、(B)優先条件として“時間帯”を指定している場合、オプション料金データメモリ63を参照して、差出人によって指定された配送時間帯のオプション料金が安い方から順に10社の配送業者を選択し、この配送業者データを配送料金、配送内容の各データと共に利用者端末11へ送信し、(C)優先条件として“早さ”を指定している場合、オプション料金データメモリ63を参照して、配送時間の最も早い方から順に10社の配送業者を選択し、この配送業者データを配送料金、配送内容の各データと共に利用者端末11へ送信する。
ケ 上記【0084】によれば、管理サーバ1は、業者端末21からネットワークNを介して送信された配送業者の料金データを受信した場合、受信した料金データが新規の配送業者のものであれば料金データメモリ62に追加登録し、既存の配送業者のものであれば対応する料金表データを更新する。
(2) 引用発明
上記(1)によれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(なお、(A)、(B)及び(C)の符号は、説明の便宜のために付した。)。
[引用発明]
管理サーバ1、利用者端末11及び業者端末21がネットワークNを介して相互に接続された、差出人から受取人に荷物を配送する最適な配送業者を選択する配送業者選択システムにおける管理サーバ1であって、
当該管理サーバ1は、CPU2、入力部3、RAM5及び記憶装置6等によって構成され、
記憶装置6は、各配送業者別の料金表データを格納する料金データメモリ62と、各配送業者が個別に設定したオプション料金のデータを格納するオプション料金データメモリ63を備えており、
オプション料金データメモリ63のオプション種類データ領域631aには、A配送業者が提供するオプション種類の文字データ(例えば、午後・午前指定、深夜指定、至急等)が、オプション種類データとして格納され、オプション料金データ領域631bには、各オプション種類に対応するオプション料金の数字データ(例えば、100円、200円、150円等)が、オプション料金データとして格納され、
ここで、利用者端末11は、配送の受付が可能なコンビニエンスストア等に設置される通信端末であり、CPU12、入力部13、重量・サイズ測定部18等によって構成され、管理サーバ1において実行される配送業者選択処理の実行前に、差出人データ入力処理や受取人データ入力処理を含む伝票発行処理が実行されるものであり、利用者端末11は、差出人に配送種別を入力させ、重量・サイズ測定部18により測定された荷物の重量、サイズを入力すると共に、差出人が入力部13を介して荷物の個数を入力することにより配送を依頼する荷物の性状を入力させ、差出人が配送を希望する時間あるいは時間帯を入力させ、種別データ、性状データ、時間データの他に、(A)配送料金、(B)配送時間帯及び(C)配送の早さの3条件のうち、何れの条件を優先させるかを指定する優先条件データを含む荷物データを管理サーバ1に送信させるものであり、
前記管理サーバ1は、配送業者選択処理を実行するものであり、RAM5に記憶された荷物データの中から優先条件データを抽出し、該優先条件データに基づいて、差出人が(A)料金、(B)時間帯及び(C)早さのうち、何れの条件を優先条件として指定しているか判別し、
(A)優先条件として“配送料金”が指定されている場合、料金データメモリ62に記憶されている全配送業者の差出地域、受取地域別の料金表を参照して、指定された差出人と受取人の住所に該当する基本料金を特定すると同時に、オプション料金データメモリ63に記憶されている全配送業者のオプション料金表を参照して、指定されたオプション種類に該当するオプション料金を特定し、配送業者毎に特定された基本料金とオプション料金とを加算して、差出人の所望する条件に見合った配送業者別の配送料金を求め、配送料金の安い方から順に10社の配送業者を選択して、この配送業者データを配送料金データ、配送内容データと共に利用者端末11へ送信し、
(B)優先条件として“時間帯”を指定している場合、オプション料金データメモリ63を参照して、差出人によって指定された配送時間帯のオプション料金が安い方から順に10社の配送業者を選択し、この配送業者データを配送料金、配送内容の各データと共に利用者端末11へ送信し、
(C)優先条件として“早さ”を指定している場合、オプション料金データメモリ63を参照して、配送時間の最も早い方から順に10社の配送業者を選択し、この配送業者データを配送料金、配送内容の各データと共に利用者端末11へ送信し、
当該管理サーバ1は、業者端末21からネットワークNを介して送信された配送業者の料金データを受信した場合、受信した料金データが新規の配送業者のものであれば料金データメモリ62に追加登録し、既存の配送業者のものであれば対応する料金表データを更新する、
管理サーバ1。
2 引用文献2の記載及び引用文献2記載事項
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(1) 引用文献2の記載
原査定の拒絶の理由において、周知技術を示す文献として引用され、本願の出願日前に公開された引用文献2(特開2002-324197号公報(平成14年11月8日出願公開))には、次の記載がある。
「【0017】料金体系記憶領域41bは、利用者の所在地での荷物引取サービスを含めた全ての宅配料金を、時間帯別、配達先の地域別、荷物の種類、大きさ別に記憶したものであり、例えば、サーバコンピュータ3側で集荷依頼情報を受信した時刻を基準として、時間帯毎に異なる集荷料金を記憶したものである。この集荷料金は、この集荷業者の業務終了直前の時間帯を最も高く設定し、また、始業開始直後の時間帯を最も安く設定している。すなわち、終業時刻直前に大量の集荷依頼を受けた場合は、何回も自転車などで往復しなければならず、宅配業者の最終発送時刻までに荷物を引き渡すことができなくなる。従って、仮に大量の荷物を受け付けた場合であっても、その宅配業者の最終発送時刻までに余裕を持って引き渡しすることができるように、この集荷業者の始業直後の時間帯を最も安い料金に設定し、そこから徐々に料金を高く設定して終業直前の料金を最も高くするようにしている。このようにすることによって、通常最も荷物が発生する夕方時間帯を避けて集荷依頼を行なうようになり、集荷の分散化を図ることができるようにしている。」
上記記載によれば、集荷業者による荷物の集荷時刻によっては、荷物が宅配業者の最終発送時刻に間に合わなくなること、すなわち、荷物の「集荷終了時刻」が、荷物の配送元から配送先までの配送時間に影響を及ぼす要素であることが理解できる。
(2) 引用文献2記載事項
上記(1)によれば、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。
[引用文献2記載事項]
荷物の「集荷終了時刻」が、荷物の配送元から配送先までの配送時間に影響を及ぼす要素であること。
第6 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1) 引用発明の「管理サーバ1」は、「差出人から受取人に荷物を配送する最適な配送業者を選択する」ための「配送業者選択処理を実行するもの」であるから、後述の[相違点]を除き、本願発明と同様の「荷物の配送業者を選定する選定装置」ということができる。
(2) 引用発明の「管理サーバ1」は、「業者端末21からネットワークNを介して送信された配送業者の料金データを受信した場合、受信した料金データが新規の配送業者のものであれば料金データメモリ62に追加登録し、既存の配送業者のものであれば対応する料金表データを更新する」ものであるところ、具体的には、「各配送業者別の料金表データ」、「午後・午前指定、深夜指定、至急等」の「配送業者が提供するオプション種類」及び「各オプション種類に対応するオプション料金」等の情報を受信(取得)して追加登録、更新するものである。
そして、配送業者ごとの「料金表データ」、「オプション種類」及び「オプション料金」等の情報は、配送業者が、いくらで荷物を配送するのかという配送条件であって、配送業者を選択する際の条件情報といえるものである。
そうすると、引用発明において、配送業者ごとの「料金表データ」、「オプション種類」及び「オプション料金」等の情報を取得する取得部と、本願発明の「前記配送業者ごとの前記荷物の集荷終了時刻を含む配送条件を条件情報として取得する条件情報取得部」とは、「前記配送業者ごとの配送条件を条件情報として取得する条件情報取得部」である点で共通する。
(3) 引用発明では「利用者端末11」において「差出人に配送種別を入力させ、重量・サイズ測定部18により測定された荷物の重量、サイズを入力すると共に、差出人が入力部13を介して荷物の個数を入力することにより配送を依頼する荷物の性状を入力させ」るものであり、さらに、「差出人が配送を希望する時間あるいは時間帯を入力させ、種別データ、性状データ、時間データの他に、(A)配送料金、(B)配送時間帯及び(C)配送の早さの3条件のうち、何れの条件を優先させるかを指定する優先条件データを含む荷物データを管理サーバ1に送信させるもの」であるから、「管理サーバ1」は、荷物ごとに「優先条件データ」を取得するものである。
そうすると、引用発明において、「管理サーバ1」が、荷物ごとに「(A)配送料金、(B)配送時間帯及び(C)配送の早さの3条件のうち、何れの条件を優先させるかを指定する優先条件データ」を取得する取得部と、本願発明の「前記荷物ごとに前記配送条件のうち優先する優先条件を取得する優先条件取得部」とは、「前記荷物ごとに優先する優先条件を取得する優先条件取得部」である点で共通する。
(4) 引用発明では「利用者端末11」において「差出人データ入力処理や受取人データ入力処理を含む伝票発行処理が実行されるものであり」、「重量・サイズ測定部18」により「荷物の重量、サイズ」を測定し、「荷物データ」として「管理サーバ1」に送信するから、「管理サーバ1」は、荷物ごとにサイズ及び受取人を受信し、「配送業者選択処理を実行する」ために「サイズ及び受取人」を特定するものであるといえる。
そうすると、引用発明において、「管理サーバ1」が、荷物ごとにサイズ及び受取人を受信し、荷物ごとに「サイズ及び受取人」を特定する特定部は、本願発明の「前記荷物ごとにサイズ及び配送先を特定する特定部」に相当する。
(5) 引用発明の「管理サーバ1」は、上記(3)のとおり、荷物ごとに「優先条件データ」を取得するものであり、また、上記(4)のとおり、荷物ごとに「サイズ及び受取人」を特定するものであるから、取得した「優先条件データ」と特定した「サイズ及び受取人」とに基づいて、配送業者ごとの「料金表データ」、「オプション種類」及び「オプション料金」等の情報(条件情報)を参照して、「配送業者選択処理」を実行、すなわち、配送業者を決定しているものである。
そうすると、引用発明において、取得した「優先条件データ」と特定した「サイズ及び受取人」とに基づいて、配送業者ごとの「料金表データ」、「オプション種類」及び「オプション料金」等の情報(条件情報)を参照して、「配送業者選択処理」を実行する実行部と、本願発明の「取得された優先条件と特定されたサイズ及び配送先と前記集荷終了時刻と前記荷物の出荷時刻とに基づいて、取得された条件情報から配送を依頼する前記配送業者を決定する決定部」は、「取得された優先条件と特定されたサイズ及び配送先とに基づいて、取得された条件情報から配送を依頼する前記配送業者を決定する決定部」で共通する。
以上によれば、本願発明と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
荷物の配送業者を選定する選定装置であって、
前記配送業者ごとの配送条件を条件情報として取得する条件情報取得部と、
前記荷物ごとに優先する優先条件を取得する優先条件取得部と、
前記荷物ごとにサイズ及び配送先を特定する特定部と、
取得された優先条件と特定されたサイズ及び配送先とに基づいて、取得された条件情報から配送を依頼する前記配送業者を決定する決定部と、
を備える選定装置。
[相違点]
[相違点1]
本願発明は、条件情報取得部が「荷物の集荷終了時刻」を取得し、決定部が「取得された優先条件と特定されたサイズ及び配送先」に加え、「集荷終了時刻」と「荷物の出荷時刻」にも基づいて配送業者を決定しているのに対し、引用発明は、「荷物の集荷終了時刻」を取得しておらず、「取得された優先条件と特定されたサイズ及び配送先」に基づいて配送業者を決定するものの、それに加え「集荷終了時刻」と「荷物の出荷時刻」にも基づいて配送業者を決定するものではない点。
[相違点2]
荷物ごとに優先する優先条件を取得する優先条件取得部について、本願発明は「前記荷物ごとに前記配送条件のうち優先する優先条件」を取得するのに対し、引用発明は「前記荷物ごとに優先する優先条件」であって、「優先条件」が「前記配送条件のうち」との限定はない点。
第7 判断
(1) [相違点1]について
荷物の集配業者が、コンビニ等で受け付けられた荷物を集荷する際の当日中の荷物の「集荷終了時刻」や、自宅や会社等に出向いて集荷する際の当日中の荷物の「集荷終了時刻」を定めていることは一般的なことである。そして、このような「集荷終了時刻」が、荷物の配送元から配送先までの配送時間や、配送先が受け取る時間帯を配送元が指定するときの配送時間帯に影響を及ぼす要素であることは、集配業者のみならず、荷物の配送を依頼する依頼者にとっても明らかであって周知な事項(周知事項)である(なお、上記第5の2(2)の[引用文献2記載事項]も同旨である。)。以下、これを前提に判断する。
引用発明の「管理サーバ1」は、上記第5の1(2)のとおり、「(A)配送料金、(B)配送時間帯及び(C)配送の早さの3条件」のうち、どの条件を優先条件とするかを差出人が指定し、指定された優先条件に基づいて配送業者を選択(決定)するものである。
そして、引用発明の「管理サーバ1」は「(A)配送料金」が優先条件として指定されている場合には、「料金データメモリ62に記憶されている全配送業者の差出地域、受取地域別の料金表を参照して、指定された差出人と受取人の住所に該当する基本料金を特定すると同時に、オプション料金データメモリ63に記憶されている全配送業者のオプション料金表を参照して、指定されたオプション種類に該当するオプション料金を特定し、配送業者毎に特定された基本料金とオプション料金とを加算して、差出人の所望する条件に見合った配送業者別の配送料金を求め、配送料金の安い方から順に10社の配送業者を選択」するものであるところ、「オプション料金」とは、差出人が「配送時間(差出人が配送を依頼してから、受取人への配送が完了するまでの所要時間)」や「配送時間帯(受取人が荷物を受取可能な時間帯)」(上記第5の1(1)【0062】)として、「午後・午前指定、深夜指定、至急等」、「今日中、翌朝9時迄」(上記第5の1(1)【図5】)等の配送時間や配送時間帯を指定した場合の追加料金である。
そうすると、引用発明は、差出人が「(A)配送料金」を優先条件として指定した場合であっても、単に基本料金のみに基づいて配送業者を決定するのではなく、荷物の配送時間や配送時間帯も考慮して、配送業者を決定するものであることが理解できる。また、引用発明は、差出人が「(B)配送時間帯」や「(C)配送の早さ」を優先条件として指定した場合であっても、「オプション料金データメモリ63」を参照し、配送時間や配送時間帯を考慮して配送業者を決定している。
以上によれば、引用発明は、差出人が指定した優先条件にかかわらず、荷物の配送時間や配送時間帯を考慮して配送業者を決定しているから、引用発明の「管理サーバ1」において、上述のとおり、「荷物の配送時間や配送時間帯」に影響を及ぼす要素として周知な事項である「荷物の集荷終了時刻」を取得するように構成し、「取得された優先条件と特定されたサイズ及び配送先」に加え「集荷終了時刻」と、配送時間等の算出のための「荷物の出荷時刻」にも基づいて配送業者を決定するように構成することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
(2) [相違点2]について
相違点2に係る構成の「優先条件取得部」とは、通常は「荷主」(差出人)によって指定された「優先条件」を取得するものであると考えられるところ、本願発明では「前記配送条件のうち優先する優先条件」と記載されているように、「荷主」(差出人)によって指定された「優先条件」と「配送業者」から取得する「配送条件」とが関連して特定されており、「前記配送条件のうち優先する優先条件」を取得することの技術的意義は必ずしも明らかでない。
ア そこで、本願明細書を参酌すると、【0025】には「優先条件格納部13は、例えば、ハードディスク等の記憶媒体である。優先条件格納部13は、荷物ごとに配送条件のうち優先する優先条件を格納する。優先条件格納部13は、例えば、荷主によって指定されている配送業者を優先条件として格納する。また、優先条件格納部13は、例えば、配送を最も早い日時とすることを優先条件として格納する。」と記載されている(なお、「早い日時とるす」は「早い日時とする」の明らかな誤記と認められるから訂正した。)。
そうすると、本願明細書によれば「配送条件のうち優先する優先条件」を取得するとは、例示として挙げられている「荷主によって指定されている配送業者を優先条件」として取得することや「配送を最も早い日時とすることを優先条件」として取得することを意味すると理解できるから、本願発明の「前記配送条件のうち優先する優先条件」を取得することもそのような意味を含むものと解釈される。
これに対し、引用発明は「(C)配送の早さ」を優先条件として受信(取得)することを含むものであるから、本願発明の「配送を最も早い日時とすることを優先条件」として取得することと比較して相違はない。
したがって、相違点2に係る構成は、実質的な相違点ではない。
イ なお、仮に、本願発明の「前記配送条件のうち優先する優先条件を取得する」ことが、「優先条件」を「配送条件」の中の一部として含めておき、その中から「優先条件」を取得するという意味であると解釈される場合でも、引用発明において、そのように構成することに特段の困難性は認められないから、相違点2に係る構成は、当業者であれば容易に想到し得るものである。
ウ したがって、相違点2に係る構成は、実質的な相違点ではないか、あるいは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
(3) 小括
以上によれば、本願発明は、引用発明及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-006218