2022-005609
電子部品ユニット
- 審判番号
- 2022-005609
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-134436外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年04月14日
- 審決日
- 2022年11月25日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社タムラ製作所
- 【請求人代理人】山崎 崇裕
- 分類
- P18 .121-WY (H05K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
本願は、令和元年7月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年1月27日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-4、6に係る発明は、以下の引用文献1-3に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.実願平4-10102号(実開平5-72077号)のCD-ROM
2.特開2010-40436号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2018-107018号公報(周知技術を示す文献)
第3 本願発明
本願請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、令和3年8月31日提出の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】箱型のケースと、前記ケースに形成された開口部と、前記ケースに形成されたケース溝部と、続きを表示(全11行)前記開口部の内周に配置された防水部材と、前記開口部に配置された電子部品と、前記電子部品に形成された電子部品溝部と、前記ケース溝部と前記電子部品溝部とを連結させることにより形成される連結空間と、前記連結空間に挿入される部材であり、前記連結空間を構成する前記ケース溝部と前記電子部品溝部とに跨って配置されることにより、前記ケースに対して前記電子部品を固定する固定部材とを備え、前記連結空間は、前記ケース溝部が形成されている部材と、前記電子部品溝部が形成されている部材とを接触させ、前記ケース溝部と前記電子部品溝部とを直接連結させることにより形成されていることを特徴とする電子部品ユニット。」
また、本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。
「【0008】図1は本考案の電源スイッチ取付け構造の一実施例を示す斜視図であり、(a)は取付け構造を分解した図、(b)は取付け完成図である。図2(a)は電源スイッチ単体の上面図、図2(b)は電源スイッチ取付け構造の断面図に電源スイッチを取付けた状況を示している(ただしケーブルは図示されていない)。【0009】本実施例の取付け構造は、装置のベースカバー2の前面に設けられた角形開口3と、開口部の内側にベースカバー2に取付けられた溝つきのリブ4と、リブ4に上方から挿入される止め板5からなっている。開口3の輪郭は電源スイッチ1の前面板6および電源スイッチ本体が通り抜け可能な大きさを有する。【0010】リブ4は、止め板5が上方から溝に挿入され、それを左右から保持する。左右のリブの間の間隔は開口3の左右の間隔に等しいかまたはより大きくとる。止め板5は上方から左右のリブ5の溝に挿入され、支えられる。止め板5は、その外周の輪郭は開口3の輪郭より大きく、下方に切欠きが開いた「コ」の字形の開口を有し、その開口の左右の間隔は電源スイッチ1の前面板6の左右の幅より小さく、かつ電源スイッチ1の本体部分の幅よりは僅かに大きくなっている。しかし上の本体部分の左右には可動バネ7があるため、この可動バネ7を左右より中央方向に押し込まなければ、本体部分も「コ」の字形開口を通ることはできないようになっている。【0011】次に、上述の取付け構造に対する電源スイッチ1の取付け方法について説明する。図1(a)に示すとおりケーブル束9のついた電源スイッチ1をベースカバー2の内方から外方へ開口3を通して引き出しておく。次に止め板5をリブ4に挿入する。このときケーブル束9は止め板の「コ」の字形開口に収まり、とめ板5はケーブル束9に阻止されることなくリブ4に収まる。次に電源スイッチ1を開口3よりベースカバー2に押し入れると、図2(b)に示すように、電源スイッチ1の両側面にある可動バネ7が左右より中央方向に押し込まれることにより、電源スイッチ1の本体部分は止め板5の「コ」の字形開口に進入し、電源スイッチ1の前面板6が止め板5に接する状態で進入が停止する。このとき電源スイッチ1は両側面が可動バネを介して止め板5の「コ」の字形開口にはめ込まれた状態で固定される。装置作動により電源スイッチ1に加えられる力は内方に押す力のみであるので、安定に保持される。」
「【図1】[図:0001391901000001.jpg]」
「【図2】[図:0001391901000002.jpg]」
ここで、【図2】(b)の記載から、「波形電源スイッチ1に形成された、可動バネ7の設置場所にわたる凹部を備える」こと、及び「前面板6とリブ4は接触しない」ことが記載されていると認められる。
したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「電源スイッチ取付け構造であって、取付け構造は、ベースカバー2の前面に設けられた角形開口3と、開口部の内側にベースカバー2に取付けられた溝つきのリブ4と、リブ4に上方から挿入される止め板5からなっており、リブ4は、止め板5が上方から溝に挿入され、それを左右から保持し、止め板5は上方から左右のリブ5の溝に挿入され、支えられ、電源スイッチ1を開口3よりベースカバー2に押し入れると、電源スイッチ1の両側面にある可動バネ7が左右より中央方向に押し込まれることにより、電源スイッチ1の本体部分は止め板5の「コ」の字形開口に進入し、電源スイッチ1の前面板6が止め板5に接する状態で進入が停止し、このとき電源スイッチ1は両側面が可動バネを介して止め板5の「コ」の字形開口にはめ込まれた状態で固定され、波形電源スイッチ1に形成された、可動バネ7の設置場所にわたる凹部を備え、前面板6とリブ4は接触しないことを特徴とする電源スイッチ取付け構造。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「電源スイッチ1」は、本願発明1の「電子部品」に相当する。また、引用発明の「電源スイッチ取付け構造」は、「ユニット」であるといえる。そうすると、引用発明の「電源スイッチ取付け構造」は、本願発明1の「電子部品ユニット」に相当する。
イ 引用発明の「ベースカバー2」は、装置のケースの一部であるといえるから、本願発明1の「ケース」に相当する。
ウ 引用発明の「角形開口3」は、ベースカバー2の前面に設けられているから、上記イを踏まえると、本願発明1の「ケースに形成された」「開口部」に相当する。
エ 引用発明の「リブ4」は、「ベースカバー2に取付けられた溝つき」のものであるから、上記イを踏まえると、本願発明1の「ケースに形成された」「ケース溝部」に相当する。
オ 引用発明において、「電源スイッチ1を開口3よりベースカバー2に押し入れると、電源スイッチ1の両側面にある可動バネ7が左右より中央方向に押し込まれることにより、電源スイッチ1の本体部分は止め板5の「コ」の字形開口に進入し、電源スイッチ1の前面板6が止め板5に接する状態で進入が停止」することから、引用発明の「電源スイッチ1」は、(角形)開口3に配置されることは明らかである。したがって、引用発明の「電源スイッチ1」は、本願発明1の「開口部に配置された」「電子部品」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「ケースと、前記ケースに形成された開口部と、前記ケースに形成されたケース溝部と、前記開口部に配置された電子部品と、を備えていることを特徴とする電子部品ユニット。」
(相違点1)
ケースにおいて、本願発明1では「箱型」であるのに対し、引用発明では、箱型であるのか明確に特定されていない点。
(相違点2)
本願発明1では「開口部の内周に配置された防水部材」を備えるのに対し、引用発明では、防水部材について特定されていない点。
(相違点3)
本願発明1では「電子部品に形成された電子部品溝部」を備えるのに対し、引用発明では、「波形電源スイッチ1に形成された、可動バネ7の設置場所にわたる凹部を備える」点。
(相違点4)
本願発明1では「前記ケース溝部と前記電子部品溝部とを連結させることにより形成される連結空間」を備えるのに対し、引用発明では、連結空間について明確に特定されていない点。
(相違点5)
本願発明1では「前記連結空間に挿入される部材であり、前記連結空間を構成する前記ケース溝部と前記電子部品溝部とに跨って配置されることにより、前記ケースに対して前記電子部品を固定する固定部材」を備えるのに対し、引用発明では、「止め板5は上方から左右のリブ5の溝に挿入され、支えられ、電源スイッチ1を開口3よりベースカバー2に押し入れると、電源スイッチ1の両側面にある可動バネ7が左右より中央方向に押し込まれることにより、電源スイッチ1の本体部分は止め板5の「コ」の字形開口に進入し、電源スイッチ1の前面板6が止め板5に接する状態で進入が停止し、このとき電源スイッチ1は両側面が可動バネを介して止め板5の「コ」の字形開口にはめ込まれた状態で固定され」る点。
(相違点6)
本願発明1では「前記連結空間は、前記ケース溝部が形成されている部材と、前記電子部品溝部が形成されている部材とを接触させ、前記ケース溝部と前記電子部品溝部とを直接連結させることにより形成されている」のに対し、引用発明では、前面板6とリブ4は接触しない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、相違点6について先に検討する。
引用文献2-3には、ケース溝部が形成されている部材と、電子部品溝部が形成されている部材とを接触させ、前記ケース溝部と前記電子部品溝部とを直接連結させることにより形成されている連結空間について記載も示唆もない。
また、上記相違点6に係る本願発明1の構成が、本願の出願前に周知技術であったとはいえない。
したがって、相違点6に係る本願発明1の構成は、引用文献2-3に記載されたものではなく、周知技術であるともいえないから、当業者といえども、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項から、相違点6に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。
したがって、上記相違点1-5について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明2-6について
本願発明2-6も、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-6は、当業者が引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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