意匠拒絶査定不服審判
2022-004862
包装用容器
- 審判番号
- 2022-004862
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2021-006314
- 登録番号
- 1723836
- 請求日
- 2022年04月02日
- 審決日
- 2022年07月26日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】中央化学株式会社
- 【請求人代理人】打越 佑介
- 審判長/審判官
- 審判長 刈間 宏信
- 審判官 橘 崇生
- 審判官 正田 毅
- 分類
- D18 .113-WY (F4-7)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
意願2021-6314「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の主な経緯
本願は、令和3年(2021年)3月26日の意匠登録出願であって、同年8月10日付けの拒絶理由の通知に対し、同年9月10日に面接をした上で、同月30日に意見書が提出されたが、同年12月24日付けで拒絶査定がなされ、これに対して令和4年4月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書及び願書に添付した図面によれば、意匠に係る物品を「包装用容器」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり「実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。斜視図及び端面図を含めて部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を特定している。底面図は、意匠登録を受けようとする部分が表れないため省略する。背面図、左側面図、及び右側面図は、正面図と同一に表れ、かつ意匠登録を受けようとする部分が表れないため省略する。」としたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって、拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい、本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は、下記のとおりである(別紙第2参照)。
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1373521号
(意匠に係る物品、包装用容器)の意匠
第4 当審の判断
1.本願意匠
本願意匠は、上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載内容によると、以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「包装用容器」であって、例えばスーパーやコンビニエンスストアで販売される弁当や惣菜といった食品を包装する熱可塑性樹脂製の包装用容器の容器本体である。
(2)本願部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能
本願意匠に係る物品のうち、意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は、角を面取りした側壁部を持つ包装用容器の内側で、角の面取りした部分の面(以下「面取り面」という。)における、底面から面取り面の途中までの縦長長方形部分であって、平面視で、包装用容器の最大幅を100としたときに、縦長さが約13、横幅が約3の大きさ及び範囲である。
そして、本願部分は、包装用容器における側壁部の、面取り面の内側の、底面から面取り面の途中までの縦長長方形部分という用途及び機能、及び成形前のシートに積層されたバリア層が、容器に成形した後に部分的に薄くならず所望の厚みを確保するという用途及び機能を有するものである。
(3)本願部分の形状
曲面を長方形に切り取った形状であって、その鉛直断面の形状は、底面の水平な部分から、放物線のような曲線を描いて立ち上がり、約80度の面取り面上部につながっているものである。
2.引用意匠
引用意匠は、上記「第3」の意匠公報の内容によると、以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「包装用容器」である。
(2)引用部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能
引用意匠中、本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい、本願部分と併せて「両部分」ともいう。)は、角を面取りした側壁部を持つ包装用容器の内側で、角の面取りした部分の面(以下「面取り面」という。)における、底面から面取り面の途中までの縦長長方形部分であって、平面視で、包装用容器の最大幅を100としたときに、縦長さが約13、横幅が約3の大きさ及び範囲である。
そして、引用部分は、包装用容器における側壁部の、面取り面の内側の、底面から面取り面の途中までの縦長長方形部分という用途及び機能を有するものである。
(3)引用部分の形状
曲面を長方形に切り取った形状であって、その鉛直断面の形状は、底面の水平な部分から、円弧状の曲線を描いて立ち上がり、約45度の面取り面上部につながっているものである。
3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品も、引用意匠に係る物品も、共に「包装用容器」である。
(2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の対比
両部分共に、角を面取りした側壁部を持つ包装用容器の内側で、面取り面における、底面から面取り面の途中までの縦長長方形部分であって、平面視で、包装用容器の最大幅を100としたときに、縦長さが約13、横幅が約3の大きさ及び範囲である。
本願部分は、包装用容器における側壁部の、面取り面の内側の、底面から面取り面の途中までの縦長長方形部分という用途及び機能、及び成形前のシートに積層されたバリア層が、容器に成形した後に部分的に薄くならず所望の厚みを確保するという用途及び機能を有するものであるのに対して、引用部分は、包装用容器における側壁部の、面取り面の内側の、底面から面取り面の途中までの縦長長方形部分という用途及び機能を有するものである。
(3)両部分の形状の対比
両部分の形状を対比すると、以下に示す共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
曲面を長方形に切り取った形状である点。
イ.相違点について
部分の鉛直断面の形状につき、本願部分は、底面の水平な部分から、放物線のような曲線を描いて立ち上がり、約80度の面取り面上部につながっているものであるのに対して、引用部分は、底面の水平な部分から、円弧状の曲線を描いて立ち上がり、約45度の面取り面上部につながっているものである点。
4.判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の、意匠に係る物品は、いずれも「包装用容器」であるから、一致している。
(2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の評価
両部分共に、角を面取りした側壁部を持つ包装用容器の内側で、面取り面における、底面から面取り面の途中までの縦長長方形部分であって、平面視で、包装用容器の最大幅を100としたときに、縦長さが約13、横幅が約3の大きさ及び範囲であるから、両部分の位置、大きさ及び範囲は一致している。
両部分の用途及び機能については、包装用容器における側壁部の、面取り面の内側の、底面から面取り面の途中までの縦長長方形部分という用途及び機能に限り一致しており、本願部分は、加えて、成形前のシートに積層されたバリア層が、容器に成形した後に部分的に薄くならず所望の厚みを確保するという用途及び機能を有するものであるから、両部分の用途及び機能は、一部で一致し、一部で異なっており、総合的には共通していると認められる。
(3)両部分における形状の評価
ア.共通点について
共通点の「長方形に切り取った形状」という点は、意匠登録を受けようとする部分を定めるものと、それに伴うものであって、意匠の創作内容ではないから、両部分の形状に関する類否判断に関する評価はできない。
共通点の「曲面」という点は、両部分を大まかに捉えたものであり、大まかに捉えた程度においては、この物品分野においてありふれた形状であるから、この共通点が両部分の類否判断に及ぼす影響は、小さい。
イ.相違点について
相違点は、水平から約80度の面につながる放物線のような曲線と、水平から約45度の面につながる円弧状の曲線という、部分全体を占める具体的な形状が異なることから、本願部分と引用部分では、別異の印象を生じさせているといえ、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
(4)小括
そうすると、両部分の形状については、その共通点及び相違点の評価に基づくと、上記のとおり、共通点は、類否判断に及ぼす影響が小さいものであるのに対して、相違点によって類否判断に及ぼす影響は大きいものといえるものであり、両部分の形状は、類似するとは認められないものである。
(5)両意匠における類否判断
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、両部分の位置、大きさ及び範囲が一致して、用途及び機能は共通していると認められる。
しかし、上記のとおり、両部分の形状は、類似するとは認められないものである。
よって、本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえない。
5.結び
以上のとおりであって、本願意匠は、引用意匠に類似するとはいえず、原査定の引用意匠をもって、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審が更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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