2022-004845
タッチパネル、タッチパネル付き表示装置、加飾シート
- 審判番号
- 2022-004845
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-222931外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年04月01日
- 審決日
- 2023年03月14日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .537-WY (G06F) / P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 16項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成29年11月20日の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
出
第2 原査定の概要
原査定(令和3年12月20日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。
本願請求項1~3,5~10に係る発明は、以下の引用文献1,2に記載された発明に基づいて、本願請求項4に係る発明は、以下の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 本願発明
本願請求項1~11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明11」という。)は、令和4年12月13日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1,10は次のとおりの発明である。
「【請求項1】タッチパネルセンサと、前記タッチパネルセンサに重ねられる加飾シートと、を備え、前記加飾シートは、互いに離間して配置された複数の絵柄部を有し、前記絵柄部は、導電性材料を含む顔料を含み、各絵柄部の最大幅は、500μm以下である、静電容量方式のタッチパネル。」
「【請求項10】静電容量方式のタッチパネルセンサに重ねて用いられる加飾シートであって、互いに離間して配置されている複数の絵柄部を備え、前記絵柄部は、導電性材料を含む顔料を含み、各絵柄部の最大幅は、500μm以下である、加飾シート。」
なお、本願発明2~9、本願発明11は、それぞれ、本願発明1、本願発明10を減縮した発明である。
第4 引用文献の記載、引用発明等
1 引用文献1、引用発明
(1)原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(下線は当審による。以下同様。)。
「【0013】図2に示すように、タッチスイッチ素子10は、発光層1上に、タッチスイッチ素子の操作側に向かってタッチセンサ層3、光拡散パターン部2、半透明意匠層4が順に積層されたものである。図2において、タッチスイッチ素子10は、使用しない場合には発光層1を消光状態として、半透明意匠層4側すなわち操作側からみて、半透明意匠層4の絵柄模様のみが視認されて、発光層1、タッチセンサ層3、光拡散パターン部2については視認されないよう形成されたものである。そして、タッチスイッチ素子10は、使用する場合には発光層1を発光状態として、その光がタッチセンサ層3を透過して、光拡散パターン部2の遮光部6により遮光され光拡散部5を透過し、半透明意匠層4を透過して、操作側からパターンとして視認できるよう形成されたものである。」
「【0018】(タッチセンサ層)図6は、図1~図5のタッチスイッチ素子10を構成するタッチセンサ層3の部分断面図と部分平面図である。図6(a)は、タッチセンサ層3の平面図であり、図6(c)は、タッチセンサ層の図6(a)とは反対側の平面図である。図6(b)は、図6(a)及び図6(c)の平面図のS?S線における断面図である。図6に示すように、タッチセンサ層3は、誘電体部である基材11と、基材11の一方の側の面上に設けられた第1電極部21と、基材11の他方の側の面上に設けられた第2電極部22と、を有している。第1電極部21には複数の第1導電体31が含まれ、第1導電体31の各々は、その配列方向と直交する方向に沿って直線状に延びている。また、第2電極部22には複数の第2導電体32が含まれ、第2導電体32の各々は、その配列方向と直交する方向に沿って直線状に延びている。更に、第1導電体31と第2導電体32は、前記タッチセンサ層3の平面視上互いに交差してなるものである。ここで、タッチセンサ層3は、図8に示すようにタッチスイッチ装置100に適用されて、制御部50と接続されることによって、第1導電体31と第2導電体32との交点の基材11の部分にはコンデンサが形成され、操作者のタッチ操作に応じて交点の静電容量が変化することでタッチ操作の有無を検出することができるものである。」
「【0028】半透明意匠層4の意匠性を有する層としては、機器や家具の表面被覆材、壁や床などの内装材に適したものであればどのようなものも使えるが、絵柄模様を有する層を用いる場合には、絵柄模様としは、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼り模様、煉瓦模様、布目模様、皮絞模様、幾何学模様、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。」
「【図2】[図:0001396001000001.jpg]」
(2)上記(1)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「タッチセンサ層3、光拡散パターン部2、半透明意匠層4が順に積層され、使用しない場合には発光層1を消光状態として、半透明意匠層4側すなわち操作側からみて、半透明意匠層4の絵柄模様のみが視認され、使用する場合には発光層1を発光状態として、その光がタッチセンサ層3を透過して、光拡散パターン部2の遮光部6により遮光され光拡散部5を透過し、半透明意匠層4を透過して、操作側からパターンとして視認できるよう形成され、タッチセンサ層3は、操作者のタッチ操作に応じて交点の静電容量が変化することでタッチ操作の有無を検出し、半透明意匠層4の絵柄模様が、木目模様、石目模様等である、タッチスイッチ素子10。」
2 引用文献2
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献2には、図面とともに、次の記載がある。
「【0001】本考案は電磁誘導の座標入力機に関し、特に木目模様を有する座標入力機に関する。【背景技術】【0002】座標入力機(Coordinated Input Device)は、電磁技術を使用するコンピューター週辺のインプットデバイスである。その使用方式は、専用の電磁ペンを用いて、タブレット表面のワークスペース上で書き込みを行う。電磁ペンは、特定周波数の電磁信号を発する。座標入力機内部には、コントロールパネル及びアンテナ基板を有する。コントローラーは順番にアンテナ基板のX軸及びY軸を走査する。次に信号の大きさに基づき、書き込まれた絶対座標を計算し、コンピューターに伝送する。」
「【0008】(一実施形態)図1は、本考案一実施形態の座標入力機の模式図である。図2は、図1に示す座標入力機の分解図である。続きを表示(全24行)図3は、図1に示す電磁式モジュールを第一板層に取り付ける様子を示す模式図である。【0009】本実施形態では、座標入力機100は、第一板層110、第二板層120、電磁式モジュール130及び連接ポート140を有する。第一板層110は、天然木材、人造木材或いは複合板材の内のいずれか一つであるが、本考案はこれに制限されない。一実施形態中では、第一板層は、無垢材、突き板接着、合板、集成材、MDF、フィンガーボード、プラスチック合板、ウッドコアプレート或いは層板の内のいずれか一つである。言い換えれば、第一板層110は、無垢材、突き板接着、合板、集成材、MDF、フィンガーボード、プラスチック合板、ウッドコアプレート或いは層板の形態で形成される。【0010】第一板層110は、相対する書き込み面112、底面114及び貫通部116を有する。第一板層110の書き込み面112には、表面光沢処理を施し、第一板層110の書き込み面112の表面は平坦である。一実施形態では、書き込み面には、硬化加工処理を施し、これにより書き込み面112は傷や摩耗に強く書き込みに使用でき、こうして使用機能性を高められる。【0011】第一板層110の書き込み面112は、木目模様112aを有する。本実施形態では、木目模様112aは、天然木材、人造木材或いは複合板材の内のいずれか一つで、第一板層110に選定される材質に基づき決まるが、本考案はこれに限定されない。第一板層110の書き込み面112が、木質模様を有する木目模様112aを現せればそれで良い。【0012】例えば、一実施形態中では、第一板層110は、天然木材により製造し、その書き込み面112上には、木目模様112aを有し、木質模様の外観を現す。別種の実施形態では、木目模様112aを薄皮接着の方式で形成し、これにより第一板層110上には、木質模様を有する木目模様112aを接着する。この時、木目模様112aは、天然木材、人造木材或いは複合板材の内のいずれか一つで、第一板層110そのものも、天然木材、人造木材、複合板材或いはプラスチック等の他の材質を組み合わせて構成される。【0013】他の実施形態においては、第一板層110は、合板、集成材、MDF、フィンガーボード、プラスチック合板、ウッドコアプレート或いは層板等により製造する。いかなる設計を採用するかは、実際の必要に応じて決定し、第一板層110の書き込み面112に木質模様を有する木目模様112aが現せられればそれで良い。」
「【図2】[図:0001396001000002.jpg]」
3 引用文献3
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献3には、図面とともに、次の記載がある。
「【0012】(実施例1)図1及び図2を参照すると、本発明のタッチモジュール20は、タッチ素子210と、ケース220と、装飾フィルム230と、を備え、前記ケース220は、前記タッチ素子210と前記装飾フィルム230との間に設置されて、前記タッチ素子210と前記装飾フィルム230と一体成型される。【0013】前記タッチモジュール20には、更に、湾曲したタッチ領域222が定義されている。該タッチ領域222は、前記ケース220の中間部に位置し、且つ前記タッチ素子210によって、カバーされている。ユーザーが、前記タッチ領域222をタッチすることによって、電子信号を発生させ、前記タッチ素子210は、該電子信号を感知する。その後、前記タッチ領域222には、前記タッチ素子210によって、表示画面が表示される。【0014】また、前記ケース220は、弧状或いは階段状を呈し、2.5次元或いは3次元の構造を備えるので、前記ケース220に曲面を備えた外観を持たせることができる。前記タッチ領域222は、前記ケース220の湾曲する部分に設置されるので、前記タッチ領域222も弧状或いは階段状を有する。従って、前記タッチモジュール20も、立体的で、2.5次元或いは3次元の構造を有することができる。該タッチモジュール20は、他の電子デバイスにも用いることもできる。前記の他の電子デバイスは、例えば、携帯電話のカバー、カーナビゲーションのカバー、立体的なタッチパネルのカバーなどである。本発明において、前記タッチモジュール20は、携帯電話の前カバーとして利用される。」
「【0028】前記装飾フィルム230は、前記タッチモジュール20を装飾するために用いられ、該タッチモジュール20に図案或いは色彩を持たせる。これにより、前記タッチモジュール20は、美しい外観を有することができる。また、前記装飾フィルム230により、前記タッチモジュール20のタッチ機能を実現する押しボタンの表示記号及び企業名なども表示することができる。前記装飾フィルム230は、前記ケース220の外表面(即ち、前記タッチモジュールの外表面)に設置されるので、前記ケース220を保護して、破損することを防ぐ機能を持ち、且つ前記装飾フィルム230の形状も、前記ケース220の形状と同じである。即ち、前記ケース220の外表面の変化によって前記装飾フィルム230自身も変化することができる。」
「【図1】[図:0001396001000003.jpg]」
4 前置報告書の引用文献
(1)前置報告書にて引用された特表2012-532336号公報(以下、「前置引用文献」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
ア 「【0006】本発明は、金属微小パターンを含む(例えば透明な)基材と、金属微小パターン化透明基材を含む電子ディスプレイと、を目的とする。この金属微小パターンは、図形に隣接する対照領域によって画定される少なくとも1つの図形を含む。いくつかの実施形態において、金属微小パターンの少なくとも一部が電子的機能を提供する。他の実施形態において、金属微小パターンは(例えば単独で)光学的なデザイン効果を提供し、これにより可視図形を形成する。【0007】本明細書において使用されるとき、「微小パターン特徴」は、少なくとも0.5マイクロメートルで、典型的には20マイクロメートル以下の寸法(例えば線幅)を有する、点、線、塗り潰し図形、又はこれらの組み合わせの配列を指す。この微小パターン特徴の寸法は、微小パターンの選択によって変わり得る。いくつかの好ましい実施形態において、微小パターン特徴の寸法(例えば線幅)は10、9、8、7、6、又は5マイクロメートル未満(例えば1~3マイクロメートル)である。」
イ 「【0018】いくつかの実施形態において、対照領域は実質的に金属微小パターン特徴を含まず、一方で図形は微小パターン特徴を含む。例えば図1は、ハート形図形を形成する金属パターンの実例である。他の実施形態において、図形は実質的に金属微小パターン特徴を含まず、一方で対照領域は微小パターン特徴を含む。例えば図2は、ハート形図形を形成する金属パターンの別の実例である。【0019】更に他の実施形態において、図形と対照領域の両方が、図形が可視となるよう十分に異なっている微小パターン特徴を含む。例えば図9は、非連続的線状パターン特徴の配列を有する金属パターンの実例であり、これは、ハート形図形内の微小パターンが第1の向きを有し、この図形に隣接する対照領域内では異なる向きを有している。【0020】例示の目的のため、図1~2及び7~10の個々のパターン(すなわち点又は線分)の特徴は、個々のパターン特徴として明らかであり識別可能となっている。しかしながら、このパターン特徴が微小パターン特徴(例えば寸法が20マイクロメートル以下)である場合、個々の(例えば点又は線分の)パターン特徴は識別可能ではない。むしろ、この微小パターン特徴は、金属微小パターン化基材又はディスプレイの、図形及び/又は対照領域に対して、平均的な(例えば暗い)外観をもたらす。【0021】図1及び9に示すように、金属微小パターンは、図形領域全体にわたって同じであり得る。同様に、図2に示すように、金属微小パターンは、対照領域全体にわたって同じであり得る。あるいは、金属微小パターンには1つ以上の対照領域部分が含まれていてもよく、ここにおいてこの部分は互いに異なっており、更に図形とも異なっている。更に、図形が明らかであり識別可能となるように対照領域が十分な差異をもたらしている限り、この対照領域の部分は、図形と同じであってもよい。」
ウ 「【0022】いくつかの望ましい実施形態において、金属微小パターン化基材の金属微小パターンの少なくとも一部分が、電子的機能を提供する。例えば、金属微小パターンが低密度で、連続的であり、かつ透明基材上に形成されている場合、これはディスプレイの電磁干渉(EMI)などに対する透明シールドとして有用であり得る。【0023】あるいは、又はEMIシールドとして有用である組み合わせにおいて、いくつかの実施形態において、金属微小パターンの少なくとも一部分が連続的であり、例えばディスプレイのタッチセンサーコントローラー電子部品などの、照明電子ディスプレイの回路に電気的接続している。【0024】タッチセンサーディスプレイは、当該技術分野において既知であり、一般に、タッチセンサードライブ装置に電気的に接続されたタッチセンシング領域を有するタッチスクリーンパネルを含む。タッチスクリーンパネルは典型的に、例えば照明電子ディスプレイ装置などの電子ディスプレイ装置に組み込まれる(すなわち、電子ディスプレイ装置がタッチパネルを含む)。タッチパネルは例えば、抵抗方式、表面型静電容量方式、又は投影型静電容量方式であり得る。タッチセンシング領域は、可視光透明基材と、可視光透明基材の上又は中に配置される金属製の導電性微小パターンと、を含む。【0025】導電性微小パターンは、2次元の連続的金属メッシュを形成する複数の線状金属微小パターン特徴(しばしば金属トレースと呼ばれる)で形成され得る。いくつかの実施形態において、タッチセンシング領域には、2層以上の可視光透明基材が含まれ、そのそれぞれが(すなわち導電性の)金属微小パターンを有する。ディスプレイが2層以上の可視光透明基材を含み、そのそれぞれが(例えば導電性)金属微小パターンを有する場合、図形は、第1層の(例えば第1層内の)パターン特徴の一部と、第2層の(例えば第2層内の)パターン特徴の一部と、によって(例えば重ね合わせによって)形成され得る。」
エ 「【図1】[図:0001396001000004.jpg]」
(2)特に上記(1)ア、イ、エに着目すると、前置引用文献には次の事項が記載されていると認められる。
「金属微小パターン化透明基材を含む電子ディスプレイであって、この金属微小パターンは、図形に隣接する対照領域によって画定される少なくとも1つの図形を含み、金属微小パターンは光学的なデザイン効果を提供し、これにより可視図形を形成し、対照領域は実質的に金属微小パターン特徴を含まず、一方で図形は微小パターン特徴を含み、パターン特徴が微小パターン特徴(例えば寸法が20マイクロメートル以下)である場合、個々の点のパターン特徴は識別可能ではなく、むしろ、この微小パターン特徴は、金属微小パターン化基材又はディスプレイの、図形及び/又は対照領域に対して、平均的な(例えば暗い)外観をもたらす、電子ディスプレイ。」
(3)特に上記(1)ウに着目すると、前置引用文献には次の事項も記載されていると認められる。
「金属微小パターン化基材であって、金属微小パターンが低密度で、連続的であり、かつ透明基材上に形成され、これはディスプレイの電磁干渉(EMI)などに対する透明シールドとして有用であり得るものであり、金属微小パターンの少なくとも一部分が連続的であり、例えばディスプレイのタッチセンサーコントローラー電子部品などの、照明電子ディスプレイの回路に電気的接続しており、タッチセンサーディスプレイは、タッチセンサードライブ装置に電気的に接続されたタッチセンシング領域を有するタッチスクリーンパネルを含み、タッチパネルは表面型静電容量方式、又は投影型静電容量方式であり、導電性微小パターンは、2次元の連続的金属メッシュを形成する複数の線状金属微小パターン特徴(しばしば金属トレースと呼ばれる)で形成される、金属微小パターン化基材。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
ア 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
(ア)引用発明の「タッチスイッチ素子10」は、「タッチセンサ層3、光拡散パターン部2、半透明意匠層4が順に積層され」たものであるから、「タッチセンサ層3」と、これに重ねられる「半透明意匠層4」とを備えているといえる。
また、引用発明において、「タッチセンサ層3は、操作者のタッチ操作に応じて交点の静電容量が変化することでタッチ操作の有無を検出」するから、引用発明の「タッチセンサ層3」と、本願発明1の「タッチパネルセンサ」とは、「タッチ検出手段」である点で共通し、引用発明の「タッチスイッチ素子10」と、本願発明1の「静電容量方式のタッチパネル」とは、「静電容量方式のタッチ検出装置」である点で共通する。
(イ)引用発明は、「使用しない場合には発光層1を消光状態として、半透明意匠層4側すなわち操作側からみて、半透明意匠層4の絵柄模様のみが視認され」るものであるから、引用発明の「半透明意匠層4」と、本願発明1の「互いに離間して配置された複数の絵柄部を有」する「加飾シート」とは、「絵柄部を有」する「加飾シート」である点で共通する。
イ したがって、本願発明1と引用発明とは以下の点で一致する。
(一致点)
「タッチ検出手段と、前記タッチパネルセンサに重ねられる加飾シートと、を備え、前記加飾シートは、絵柄部を有する、静電容量方式のタッチ検出装置。」
ウ また、本願発明1と引用発明とは以下の点で相違する。
(相違点1)
本願発明1は、「タッチパネル」であって、当該「タッチパネル」が「タッチパネルセンサ」を含むのに対して、引用発明は、「タッチセンサ層3」を含む「タッチスイッチ素子10」である点。
(相違点2)
本願発明1は、「絵柄部」の配置構成について、「互いに離間して配置された複数の絵柄部」とされるものであるのに対して、引用発明では、「半透明意匠層4の絵柄模様」について、そのように特定されるものではない点。
(相違点3)
本願発明1は、「絵柄部」の材料及び寸法について、「前記絵柄部は、導電性材料を含む顔料を含み」、かつ「各絵柄部の最大幅は、500μm以下である」とされるものであるのに対して、引用発明では、「半透明意匠層4の絵柄模様」について、そのように特定されるものではない点。
(2)判断
事案に鑑みて、相違点3について先に検討する。
タッチ検出装置のタッチ検出面に設ける絵柄部について、その材料が導電性材料を含む顔料であるものとするとともに、寸法を「最大幅」が500μm以下であるものとすることは、引用文献1~3及び前置引用文献のいずれにも記載されておらず、本願の出願日前において周知技術であったともいえない。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用文献1~3及び前置引用文献に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明10について
本願発明10は、「タッチパネルセンサ」と「加飾シート」とを備える「タッチパネル」の発明である本願発明1を、「タッチパネルセンサ」を伴った「加飾シート」の発明に変更したといえるものであって、本願発明1同様に、相違点3に係る技術的事項を有するものである。
よって、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用文献1~3及び前置引用文献に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明2~9,11について
本願発明2~9、本願発明11は、それぞれ、本願発明1、本願発明10を減縮した発明であるから、本願発明1,10と同様の理由により、当業者であっても引用文献1~3及び前置引用文献に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 原査定についての判断
本願発明1~11は、相違点3に係る技術的事項を有するものであり、上記第5のとおり、引用文献1~3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。
第7 当審拒絶理由について
当審が令和4年10月25日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。
この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
請求項1には、「タッチパネル」の「絵柄部」に導電性材料が含まれていることについては記載されていないから、請求項1に係る発明は、(本願明細書の「タッチセンシングの不良」に関する記載(段落【0007】、【0045】、【0046】等に記載されている)タッチパネルにおけるタッチセンシングの不良の発生を抑制するという課題自体が存在しない「タッチパネル」を含んでいるといえる。
そうすると、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲のものとはいえず、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求するものである。
よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。請求項1を引用する請求項2~8に係る発明、及び、請求項1と同様の記載がある請求項9に係る発明も、同様の理由により発明の詳細な説明に記載したものでない。
これに対して、令和4年12月13日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1,10は、それぞれ、「前記絵柄部は、導電性材料を含む顔料を含」む旨が記載されているものとされている。
よって、当審拒絶理由は解消した。
第8 前置報告書について
1 前置報告書では、本願発明1等が、引用文献1及び前置引用文献に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである旨の見解が示されているが、本願発明1等は、当業者であっても引用文献1及び前置引用文献に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではないことは、上記第5の1(2)で述べたとおりである。
2 また、前置報告書では、付言として、請求項1等の「各絵柄部の最大幅は、500μm以下である」との記載は、上限値のみが特定されるのみで下限値が不明であるため、本願発明1等は不明確である旨の見解も示されているが、「各絵柄部」の寸法の下限値が「絵柄部」として機能し得る(視認できる)程度に設定されることは明らかであるから、下限値が特定されていなくとも本願発明1等は明確である。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-004845