2022-004554
弁クリップ切除のための方法および装置
- 審判番号
- 2022-004554
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-569005外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月29日
- 審決日
- 2022年11月22日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エバルブ・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人川口國際特許事務所
- 分類
- P18 .1 -Z (A61B) / P18 .56 -Z (A61B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
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本願発明は2017年(平成29年)7月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年11月7日 米国、2016年7月6日 米国2016年7月5日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年4月22日付け 拒絶理由通知
令和3年8月3日 意見書及び手続補正書提出
令和3年12月2日付け 拒絶査定
令和4年3月29日 本件審判請求及び手続補正書提出
第2 令和4年3月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年3月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(補正の内容)
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、
本件補正前の請求項1に
「心臓弁の対向する1対の弁尖に接近するクリップを切除するためのシステムの作動方法であって、前記方法は、システムが、クリップの片側の弁尖に隣接する心腔内に捕捉カテーテルであって、磁気遠位先端を有する捕捉カテーテルを導入するステップと、システムが、クリップの反対側の弁尖に隣接する心腔内に移送カテーテルを導入するステップであって、切断部材が、移送カテーテルによって担持され、移送カテーテルの遠位端に露出した磁気要素を有する、ステップと、移送カテーテルの操作が切断部材を配置することで、捕捉カテーテルが切断部材を捕捉し、弁尖のうちの少なくとも1つの組織に対して切断部材を配置するように、移送カテーテルから切断部材をシステムが、配備するステップと、システムが、弁尖組織に対して切断部材を係合させるステップと、システムが、切断部材を使用して少なくとも1つの弁尖からクリップを切除するステップと、を備える方法。」
とあるのを、
「心臓弁の対向する1対の弁尖に接近するクリップを切除するためのシステムの作動方法であって、前記方法は、クリップの片側の弁尖に隣接する心腔内に捕捉カテーテルであって、磁気遠位先端を有する捕捉カテーテルを導入するように、システムを構成するステップと、クリップの反対側の弁尖に隣接する心腔内に移送カテーテルを導入するように、システムを構成するステップであって、切断部材が、移送カテーテルによって担持され、移送カテーテルの遠位端に露出した磁気要素を有する、ステップと、移送カテーテルの操作が切断部材を配置することで、捕捉カテーテルが切断部材を捕捉し、弁尖のうちの少なくとも1つの組織に対して切断部材を配置するように、移送カテーテルから切断部材を、配備するように、システムを構成するステップであって、切断部材が、放射線不透過性マーカによって画定された切断ゾーンを備える、ステップと、弁尖組織に対して切断部材を係合させるように、システムを構成するステップと、切断部材を使用して少なくとも1つの弁尖からクリップを切除するように、システムを構成するステップと、を備える方法。」
と、補正するものである。
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「切断部材」について「放射線不透過性マーカによって画定された切断ゾーンを備える」ことの限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号に規定された特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1に記載したとおりの本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載のものである。
(2)特許法第29条第1項柱書について
本件補正発明が、特許法第29条第1項柱書の「産業上利用することができる発明」に該当するか否かについて、検討する。
本件補正発明は、本願明細書の「本発明は、クリップまたはその他の移植されたプロテーゼを心臓弁から除去するための装置、システム、キット、および方法に関する。」(【0002】)との記載、及び【0041】~【0046】の記載を参照すると、
ア 本件補正発明の「クリップの片側の弁尖に隣接する心腔内に捕捉カテーテルであって、磁気遠位先端を有する捕捉カテーテルを導入するように、システムを構成するステップ」は、本願明細書の【0041】及び【0042】の記載を参照すると、実質的に人体内に捕捉カテーテルを挿入する工程であり、
イ 本件補正発明の「クリップの反対側の弁尖に隣接する心腔内に移送カテーテルを導入するように、システムを構成するステップであって、切断部材が、移送カテーテルによって担持され、移送カテーテルの遠位端に露出した磁気要素を有する、ステップ」は、本願明細書の【0042】の記載を参照すると、実質的に人体内に移送カテーテルを挿入する工程であり、
ウ 本件補正発明の「移送カテーテルの操作が切断部材を配置することで、捕捉カテーテルが切断部材を捕捉し、弁尖のうちの少なくとも1つの組織に対して切断部材を配置するように、移送カテーテルから切断部材を、配備するように、システムを構成するステップ」、及び「弁尖組織に対して切断部材を係合させるように、システムを構成するステップ」は、「移送カテーテルの操作が切断部材を配置することで、捕捉カテーテルが切断部材を捕捉し、弁尖のうちの少なくとも1つの組織に対して切断部材を配置」し、「弁尖組織に対して切断部材を係合させる」ことを含むから、本願明細書の【0042】の記載を参照すると、実質的に人体内で移送カテーテル及び捕捉カテーテルを移動、操作する工程と、人体に対する外科的処置を施す工程とを含んでおり、
エ 本件補正発明の「切断部材を使用して少なくとも1つの弁尖からクリップを切除するように、システムを構成するステップ」は、本願明細書の【0043】の「切断領域54はその後、クリップC2を包囲する後尖PLの組織を鋸で切るかまたは電極外科的に切断するために、操作されることが可能である。その後、図7Fに示されるように、後尖PLから第1のクリップC1を切除するために手順が繰り返され、プロテーゼ弁移植またはその他の介入を行えるようにする僧帽弁の開口を生じる。」の記載を参照すると、クリップを包囲する後尖の組織を切断することを意味しており、実質的に人体内で移送カテーテル及び捕捉カテーテルを操作する工程と、人体に対する外科的処置を施す工程とを含んでいる。
<請求人の主張について>
請求人は、審判請求書において、各ステップが「システムを構成するステップ」であるから、「機器による人体に対する作用工程」ではないではない旨主張する。
しかし、本願明細書には、後尖を切断するために、捕捉カテーテルと移送カテーテルを使用することが記載されていることに鑑みれば、各「システムを構成するステップ」は、上記のとおり、実質的に捕捉カテーテルと移送カテーテルによる後尖に対する切断の工程であることは明らかであるから、請求人の主張は、当を得ないものである。
<小括>
したがって、本件補正発明の方法は、人間を手術する方法を発明の工程の一部として含むから、人間を手術する方法の発明に該当し、通常、医師が人間に対して手術、治療を実施する方法の発明である。
よって、本件補正発明は、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年3月29日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年8月3日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~30に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1の本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
令和3年12月2日付けの拒絶査定の理由は、以下の理由を含むものである。
(産業上の利用可能性)この出願の請求項1~17に係る発明は、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。
3 特許法第29条第1項柱書について
本願明細書の【0002】及び【0041】~【0046】の記載を参照すると、
ア 本願発明の「システムが、クリップの片側の弁尖に隣接する心腔内に捕捉カテーテルであって、磁気遠位先端を有する捕捉カテーテルを導入するステップ」は、本願明細書の【0041】及び【0042】の記載を参照すると、実質的に人体内に捕捉カテーテルを挿入する工程であり、
イ 本願発明の「システムが、クリップの反対側の弁尖に隣接する心腔内に移送カテーテルを導入するステップ」は、本願明細書の【0042】の記載を参照すると、実質的に人体内に移送カテーテルを挿入する工程であり、
ウ 本願発明の「移送カテーテルの操作が切断部材を配置することで、捕捉カテーテルが切断部材を捕捉し、弁尖のうちの少なくとも1つの組織に対して切断部材を配置するように、移送カテーテルから切断部材をシステムが、配備するステップ」及び「システムが、弁尖組織に対して切断部材を係合させるステップ」は、移送カテーテルの切断部材を捕捉カテーテルが捕捉するように操作し、弁尖組織に対して切断部材を係合させることを含み、本願明細書の【0042】の記載を参照すると、実質的に人体内で移送カテーテル及び捕捉カテーテルを移動、操作する工程と、人体に対する外科的処置を施す工程とを含んでおり、
エ 本願発明の「システムが、切断部材を使用して少なくとも1つの弁尖からクリップを切除するステップ」は、本願明細書の【0043】の「切断領域54はその後、クリップC2を包囲する後尖PLの組織を鋸で切るかまたは電極外科的に切断するために、操作されることが可能である。その後、図7Fに示されるように、後尖PLから第1のクリップC1を切除するために手順が繰り返され、プロテーゼ弁移植またはその他の介入を行えるようにする僧帽弁の開口を生じる。」の記載を参照すると、実質的にクリップを包囲する後尖の組織を切断することを意味しており、実質的に人体内で移送カテーテル及び捕捉カテーテルを操作する工程と、人体に対する外科的処置を施す工程とを含んでいる。
したがって、本願発明の方法は、人間を手術する方法を発明の工程の一部として含むから、人間を手術する方法の発明に該当し、通常、医師が人間に対して手術、治療を実施する方法の発明である。
よって、本願発明は、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-004554