特許拒絶査定不服審判
2022-004020
音声に基づいて画像を変更するためのシステム
- 審判番号
- 2022-004020
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-199772外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月16日
- 審決日
- 2022年09月27日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社インタラクティブソリューションズ
- 【請求人代理人】廣瀬 隆行
- 分類
- P18 .537-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-199772「音声に基づいて画像を変更するためのシステム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 2月18日出願公開、特開2022- 31086、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年8月5日に出願した特願2020-133416号の一部を令和2年12月1日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年10月28日付け:拒絶理由通知書
令和3年11月 2日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 3月 9日付け:拒絶査定
令和4年 3月16日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和4年3月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない(サポート要件)。
記
本願の請求項1には、「前記コンテンツの形状及び色のいずれか又は両方を変化させる画像変化部(7)とを有し、前記画像変化部(7)は、前記音声情報を発した者である発言者を特定するとともに、前記発言者に応じて前記コンテンツの変化量を調整する」との記載がある。しかしながら、本願の発明の詳細な説明の段落0026には、コンテンツの位置を変化させ、コンテンツの位置の変化量を調整することは記載されているものの、コンテンツの形状や色の変化量を調整することについては記載されていない。
また、請求項3-4にも同様の点が指摘される。
よって、請求項1、3-4に係る発明、及び、従属する請求項2、5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
第3 本願発明
本願請求項1~4に係る発明(以下、「本願発明1」~「本願発明4」という。)は、令和4年3月16日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される発明であり、それらのうちの本願発明1は、以下のとおりの発明である。(下線は、当審で付した。以下同じ。)。
「【請求項1】
音声情報を入力するための音声情報入力部(3)と,
前記音声情報入力部(3)により入力された音声情報を解析するための音声解析部(5)と,
前記音声解析部(5)が解析した音声情報に含まれるコンテンツに関する情報と,前記コンテンツの変化に関する情報を用いて,前記コンテンツを特定するとともに,前記コンテンツを表す画像における前記コンテンツの形状及び色のいずれか又は両方を変化させる画像変化部(7)とを有し,
前記画像変化部(7)は,前記音声情報を発した者である発言者を特定するとともに,前記発言者に応じて前記コンテンツの形状及び色のいずれか又は両方の変化量を調整する,
音声に基づいて画像を変更するためのシステム(1)」
なお、本願発明2~4の概要は以下のとおりである。
本願発明2~4は、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明であって、本願発明1を「方法」、「プログラム」又は「情報記録媒体」の発明として特定したものである。
第4 本願明細書及び図面の記載事項
本願明細書の発明の詳細な説明及び図面には、次の記載がある。
ア 「画像変化部7は,音声解析部5が解析した音声情報に含まれるコンテンツに関する情報と,音声解析部5が解析した音声情報に含まれるコンテンツの変化に関する情報とを用いて,コンテンツを表す画像におけるコンテンツの位置を変化させる。例えば,画像変化部7は,コンテンツに関する情報により変化させるコンテンツを特定し,コンテンツの変化に関する情報に基づいてそのコンテンツを変化させる処理を行えばよい。変化した画像は,表示部に表示される。例えば,サーバは,サーバの記憶部から,解析結果である,「薬剤C」「薬剤B」というコンテンツに関する情報や,「薬剤Cは,薬剤Bより薬効が高く」というコンテンツの変化に関する情報,及び「薬剤Cは,もう少し安全性が高い」というコンテンツの変化に関する情報を読み出す。そして,読み出した解析結果を用いて,コンテンツの画像における薬剤Cの位置を変化させる。そして,コンテンツの位置が変化した画像は,サーバの記憶部に記憶される。そして,MRの端末45aと医療従事者の端末45bへ出力されてもよい。すると,MRの端末45aと医療従事者の端末45bの出力部(モニタ)に変化後の画像が表示される。」(段落0026)
イ 「画像変化部7は,音声情報について音声を発した者(発言者)を特定し,特定した発言者に応じて変化量を調整するようにしてもよい。」(段落0026)
ウ 「発言者の特定は,端末のIDや,ウェブ会議の入力の際に行えばよい。また,変化量の調整は,発言者のIDと関連して,調整に用いる係数を記憶させておき,発言者のIDに応じて読み出せばよい。このようにして発言者の個性に応じた変化を自動的に(発言者に悟られずに)行うことができることとなる。」(段落0026)
エ 「コンテンツの位置を変化させず,コンテンツの形や色を変化させるものは,この明細書に記載された上記とは別の態様である。」(段落0026)
オ 「図6は,画像変化部によりコンテンツを表す画像におけるコンテンツの位置,形状及び色が変化した後の画像を示す概念図である。図6に示されるように,画像変化部7は,位置を変化させたコンテンツが分かるように,その形状及び色のいずれか又は両方を変化させるものであってもよい。形状を変化させるには,大きさを変化させるものや,消滅させるもの,別のコンテンツ画像とするもの,及び枠の形を変化させるものであってもよい。後述するように,操作情報に基づいてコンテンツの位置を変化させた場合と,音声に基づいてコンテンツの位置を変化させた場合とで,変化後のコンテンツの形状及び色のいずれか又は両方を異ならせるようにしてもよい。」(段落0029)
カ 「【図6】
[図:0001389313000001.jpg]
」
第5 判断
1 本願発明1について
特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できる範囲のものであるか否か、また、発明の詳細な説明に記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
以下、この観点に立って検討する。
本願発明1の「コンテンツの形状及び色のいずれか又は両方の変化量を調整する」という事項が、発明の詳細な説明に記載されているか否かについて、以下検討する。
上記第4のアによると、「コンテンツの変化」として、コンテンツの位置を変化させる態様が記載されている。また、同エによると、コンテンツの位置を変化させる態様とは別の態様として、コンテンツの形や色を変化させる態様が、記載されているといえる。
一方、同イによると、特定した発言者に応じて変化量を調整するようにしてもよいと記載されており、同アを踏まえると、特定した発言者に応じてコンテンツの位置の変化の変化量を調整するようにしてもよいことが記載されているといえる。ここで、同イは、コンテンツの位置の変化に限定されている記載となっていないので、同アに代えて同エを踏まえると、特定した発言者に応じてコンテンツの形や色の変化の変化量を調整するようにしてもよいことが記載されているといえる。
さらに、「形状及び色のいずれか又は両方」を変化させるという事項については、同オに記載されている。
上記の点を踏まえると、本願発明1の「コンテンツの形状及び色のいずれか又は両方の変化量を調整する」という事項は、発明の詳細な説明に記載されているといえる。
また、本願発明1のほかの事項も発明の詳細な説明に記載されている。
したがって、本願発明1は、発明の詳細な説明に記載したものである。
2 本願発明2~4について
本願発明2~4は、本願発明1に対応する方法、プログラム又は情報記録媒体の発明であり、「コンテンツの形状及び色のいずれか又は両方の変化量を調整する」という事項は、本願発明1と同じ理由により、発明の詳細な説明に記載されているといえる。また、本願発明2~4のほかの事項も発明の詳細な説明に記載されている。
したがって、本願発明2~4は、発明の詳細な説明に記載したものである。
第6 原査定について
上記第5のとおり、「コンテンツの形状及び色のいずれか又は両方の変化量を調整する」という事項は、発明の詳細な説明に記載されているといえる。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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