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特許拒絶査定不服審判

2022-002893

遊技機

審判番号
2022-002893
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-189054外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年02月28日
審決日
2023年01月31日
公報発行日
2023年03月31日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WYA(A63F) / P18 .575-WYA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-189054「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和3年2月12日出願公開、特開2021-13820、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成24年8月27日に出願した特願2012-187024の一部を平成29年9月20日に新たな特許出願(特願2017-179674)とし、さらにその一部を平成31年3月4日に新たな特許出願(特願2019-38164)とし、さらにその一部を令和2年11月13日に新たな特許出願(特願2020-189054)としたものであって、令和3年5月26日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月30日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月25日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月5日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年同月24日付け(送達日:同年12月1日)で、同年11月5日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対し、令和4年2月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 原審における補正の却下の決定の当否について 請求人は、審判請求書の「請求の趣旨」において、「原査定を取り消す。本願は特許をすべきものである、との審決を求める。」とし、「請求の理由」「本願発明が特許されるべき理由」の「(3)拒絶査定に対する意見」において、 「上記のとおり令和3年11月5日付けの手続補正書により補正された請求項1に係る発明に対する補正の却下の決定は明らかに適切ではない。そして、令和3年11月5日付けの手続補正書により補正された請求項1に係る発明が令和3年8月25日付け拒絶理由通知書にて指摘された拒絶理由を解消していることは、令和3年11月5日付け意見書にて主張した通りである。よって、本願は令和3年8月25日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって拒絶をすべきものであるとする拒絶査定の判断は妥当ではない。」 と主張している。 以上のことを踏まえると、請求人は、審判請求書の「請求の趣旨」において、令和3年11月24日付けの補正の却下の決定の取り消しを求める旨を明記してはいないものの、実質的に、その取り消しを求めていると認められるから、上記補正の却下の決定の当否について検討する。 [補正の却下の決定の当否の結論] 令和3年11月24日付け補正の却下の決定を取り消す。 [理由] 1 令和3年11月24日付け補正の却下の決定の概要 原審における令和3年11月24日付け補正の却下の決定(以下、単に「補正の却下の決定」という。)の概要は、 令和3年11月5日提出の手続補正書における補正(以下「本件補正」という。)による請求項1についての補正は限定的減縮を目的としているが、引用文献1に記載された発明に、引用文献2に記載の技術を適用して、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)のように構成することは、当業者が容易になし得たことであり、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、本件補正は同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第53条第1項の規定により却下する、というものである。 引用文献1:特開2009-28281号公報 引用文献2:特開2010-246698号公報 2 本件補正について 本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲は、 (補正前:令和3年7月30日付け手続補正書でした補正) 「【請求項1】 取得契機が発生したことに基づいて、特別情報を取得する取得手段と、 前記取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、 前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に対して遊技者に特典を付与するか否かの特典付与判定処理を実行する特典付与判定手段と、 前記特典付与判定処理の判定結果に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、 遊技回用演出が開始された後に前記特典付与判定処理の判定結果に対応した態様となるように演出実行手段を制御する遊技回制御手段と、 を備えた遊技機において、 特定種類の特典が付与される場合には前記遊技回用演出において特定事象が発生し当該特定種類の特典が付与されない場合には前記遊技回用演出において当該特定事象が発生しない特定演出が行われるようにする演出設定手段と、 前記特定演出の演出継続期間を調整する期間調整手段と、 を備え、 前記演出設定手段は、特定状態である場合において前記特定演出として、時間が経過していくような時間表示が行われる時間経過演出が実行されるようにするものであり、 前記時間表示として、整数部分の時間表示と、小数点以下の時間表示と、が行われる構成であって、前記整数部分の時間表示については更新タイミングに応じて切り換わる各数字を遊技者が認識可能となるように当該整数部分の時間表示の更新が行われ、前記小数点以下の時間表示については更新タイミングに応じて切り換わる各数字を遊技者が認識不可又は認識しづらくなるように当該小数点以下の時間表示の更新が高速で行われる構成であり、 前記期間調整手段は、前記時間経過演出における前記整数部分の時間表示の更新タイミングを調整するものであり、 前記演出設定手段は、前記時間表示の内容が終了内容となった場合、前記特定状態が終了していなくても前記時間経過演出を終了させるものであり、 本遊技機は、 前記取得手段により取得された所定の特別情報が前記特典付与判定処理の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記特典付与判定処理の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段と、 前記所定の特別情報が前記特定種類の特典の付与に対応していることが前記先特定手段により先特定された場合、前記特定状態における前記時間経過演出の内容を特定内容とする手段と、 を備えている ことを特徴とする遊技機。」から、 (補正後:令和3年11月5日付け手続補正書でした補正) 「【請求項1】 A 取得契機が発生したことに基づいて、特別情報を取得する取得手段と、 B 前記取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、 C 前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報を利用して遊技者に特典を付与するか否かの特典付与判定処理を実行する特典付与判定手段と、 D 前記特典付与判定処理の判定結果に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、 E 遊技回用演出が開始された後に前記特典付与判定処理の判定結果に対応した態様となるように演出実行手段を制御する遊技回制御手段と、 F を備えた遊技機において、 G 特定種類の特典が付与される場合には前記遊技回用演出において特定事象が発生し当該特定種類の特典が付与されない場合には前記遊技回用演出において当該特定事象が発生しない特定演出が行われるようにする演出設定手段と、 H 前記特定演出の演出継続期間を調整する期間調整手段と、 を備え、 I 前記演出設定手段は、特定状態である場合において前記特定演出として、時間が経過していくような時間表示が行われる時間経過演出が実行されるようにするものであり、 J 前記時間表示として、整数部分の時間表示と、小数点以下の時間表示と、が行われる構成であって、前記整数部分の時間表示については更新タイミングに応じて切り換わる各数字を遊技者が認識可能となるように当該整数部分の時間表示の更新が行われ、前記小数点以下の時間表示については更新タイミングに応じて切り換わる各数字を遊技者が認識不可又は認識しづらくなるように当該小数点以下の時間表示の更新が高速で行われる構成であり、 K 前記期間調整手段は、前記時間経過演出における前記整数部分の時間表示の更新タイミングを調整するものであり、 L 前記演出設定手段は、前記時間表示の内容が終了内容となった場合、前記特定状態が終了していなくても前記時間経過演出を終了させるものであり、 M 本遊技機は、 前記取得手段により取得された所定の特別情報が前記特典付与判定処理の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記特典付与判定処理の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段と、 N 前記所定の特別情報が前記特定種類の特典の付与に対応していることが前記先特定手段により先特定された場合、前記特定状態における前記時間経過演出の内容を特定内容とする手段と、 を備え、 O 前記取得手段は、 前記取得契機として第1取得契機が発生したことに基づいて、前記特別情報として第1特別情報を取得する第1取得手段と、 P 前記取得契機として第2取得契機が発生したことに基づいて、前記特別情報として第2特別情報を取得する第2取得手段と、 を備え、 Q 前記特典付与判定手段は、前記第1特別情報を利用して前記特典付与判定処理を実行し、前記第2特別情報を利用して前記特典付与判定処理を実行し、 R 前記特定状態では、前記第1取得契機よりも前記第2取得契機の方が発生し易くなる構成であり、 S 本遊技機は、前記取得情報記憶手段に前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで前記取得手段により取得された前記第1特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記特典付与判定処理が行われるようにする優先手段を備え、 T 前記特定状態において前記第1特別情報に対する前記特典付与判定処理に対応する前記遊技回用演出が実行された場合、前記期間調整手段による前記時間経過演出における前記整数部分の時間表示の更新タイミングの調整が行われる U ことを特徴とする遊技機。」 に補正された(下線は、補正箇所を明示するために合議体により付した。また、A等は、分説のため合議体により付した。以下A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。 3 本件補正の適否 (1) 補正の目的について 本件補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「取得手段」について、 「前記取得手段は、 前記取得契機として第1取得契機が発生したことに基づいて、前記特別情報として第1特別情報を取得する第1取得手段と、 前記取得契機として第2取得契機が発生したことに基づいて、前記特別情報として第2特別情報を取得する第2取得手段と、 を備え、」と限定するものであり、 また、同「特典付与判定手段」について、 「前記特典付与判定手段は、前記第1特別情報を利用して前記特典付与判定処理を実行し、前記第2特別情報を利用して前記特典付与判定処理を実行し、 前記特定状態では、前記第1取得契機よりも前記第2取得契機の方が発生し易くなる構成であり、 本遊技機は、前記取得情報記憶手段に前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで前記取得手段により取得された前記第1特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記特典付与判定処理が行われるようにする優先手段を備え、 前記特定状態において前記第1特別情報に対する前記特典付与判定処理に対応する前記遊技回用演出が実行された場合、前記期間調整手段による前記時間経過演出における前記整数部分の時間表示の更新タイミングの調整が行われる」ことを限定するものである。 したがって、本件補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を減縮する補正であり、また、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (2) 新規事項の追加の有無 本件補正に係る補正事項は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0098】、【0168】、【0182】、【0183】、【0187】、【0190】、【0289】、【0330】及び【0331】等に記載された事項であり、当該補正は、当初明細書等の記載の範囲内においてしたものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、特許法第17条の2第3項の規定を満たす。 4 独立特許要件について 本件補正は、上記3(1)に示したように、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的として含むものであるから、本願補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(同法同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下、検討する。 (1) 本願補正発明 本願補正発明は、上記2の「(補正後:令和3年11月5日付け手続補正書でした補正)」の【請求項1】に記載したとおりのものである。 (2) 引用文献及び引用発明 ア 引用文献1に記載された事項 原査定で引用し、補正の却下の決定に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-28281号公報(平成21年2月12日出願公開、以下同じく「引用文献1」という。)には、弾球遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(なお、下線は合議体により付した。以下同様。) (ア)「【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 本実施例に示すぱちんこ遊技機は、通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技を複数の形態で複合的に提供する。すなわち、第1の特別遊技(以下、第1特別遊技という)として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を、第2の特別遊技(以下、第2特別遊技という)として、従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を提供する。第1特別遊技は、以下の過程を経て発生する。すなわち、遊技球が始動入賞口に入球すると第1の抽選が実行されるとともに、その結果を示すための特別図柄の変動表示がなされる。第1の抽選が当たりとなり、特別図柄が所定の当たり態様で停止されると、第1特別遊技が開始される。第2特別遊技は、以下の過程を経て発生する。すなわち、遊技球が普通電役入球口に入球すると、第2大入賞口が一時的に開放されて第2特別遊技の第1段階が開始される。第2大入賞口に入球した遊技球がその内部の特定領域を通過すると、第2特別遊技の第2段階が開始され、第2特別遊技は継続される。 【0020】 第1特別遊技または第2特別遊技が終了すると、所定の確率でいわゆる変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)と呼ばれる特定遊技に移行する。特定遊技は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(以下、「継続回数」とよぶ)に達するまで継続する。この特定遊技中においては、普通電役入球口への入球容易性が高まるので、第2特別遊技の発生可能性も高まる。特定遊技中に第2特別遊技が発生しても第2特別遊技の第2段階が開始されない限り特定遊技は継続回数に到達するまで継続される。通常状態の通常遊技においては、普通電役入球口への入球容易性が低いため、まずは遊技球を始動入賞口に入球させて第1特別遊技を発生させ、特定遊技に移行させた上で、第2特別遊技を繰り返し狙う遊技方法が定石となる。 【0021】 図1は、ぱちんこ遊技機の正面側の構成を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側へ所定の指示入力をするために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。 【0022】 遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、センター飾り64、第1種始動入賞口(以下、単に「始動口」という)24、普通電役入球口26、第1大入賞口28、第2大入賞口30、作動口68を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。 【0023】 第1の始動口として機能する始動口24は、遊技球の入球を検出する入球検出装置32を含む。第2の始動口として機能する作動口68は、遊技球の入球を検出する入球検出装置38を含む。可変入球口として機能する普通電役入球口26は、遊技球の入球を検出する入球検出装置34を含む。普通電役入球口26は、その入球する入口を拡開する普通電動役物と、その普通電動役物を開閉させる普通電役ソレノイド76とを含む。可変入球装置として機能する第1大入賞口28は、遊技球の入球を検出する入球検出装置78と、第1大入賞口28を開閉させる大入賞口ソレノイド83とを含む。別の可変入球装置として機能する第2大入賞口30は、遊技球の入球を検出する入球検出装置81と、第2大入賞口30の羽根を開閉させる大入賞口ソレノイド80とを含む。 【0024】 普通電役入球口26は、普通電動役物が開閉することにより入球可能な状態と入球不可状態の間で変化する。具体的には、普通電役入球口26は、普通電役ソレノイド76による駆動力で開放状態または閉鎖状態への変化が可能な可変入球口として機能する。普通電役入球口26は、始動口24のすぐ下方に設けられる。普通電動役物が閉鎖状態にあるとき普通電役入球口26の入球口は始動口24に遮蔽され、遊技球は普通電役入球口26に落入しない。ただし、変形例においては通常時に遮蔽されないよう構成してもよい。その場合、普通電動役物の開放状態は閉鎖状態よりも入球容易な状態となる。普通電動役物が開放状態となると遊技球は普通電動役物の横方向から普通電役入球口26に落入可能となる。」 (イ)「【0028】 遊技盤50の略中央に設けられたセンター飾り64には、演出表示装置60、特別図柄表示装置61、特別図柄変動用の保留ランプ20が設けられている。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。特別図柄表示装置61は、7セグメントLEDで構成される表示手段であり、特別図柄192を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。特別図柄192は、始動口24への入球を契機に実行される第1の抽選(以下、「特別図柄抽選」とよぶ)の結果に応じた図柄であり、第1特別遊技を発生させるか否かを示す役割をもつ。すなわち、始動口24に入球すると、特別図柄192が変動表示され、表示に先立って決定された変動時間の経過後に特別図柄抽選の結果を示す態様にて停止する。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の右方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。 【0029】 演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄抽選の結果を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。また、演出表示装置60は、第1特別遊技や第2特別遊技において遊技者の賞球獲得に対する期待感を喚起するための演出においても演出的な画像を表示させる。 【0030】 作動口68は、遊技盤50の左下方位置に設けられる。作動口68への遊技球の通過は普通電役入球口26の普通電動役物を拡開させるか否かを決定する第2の抽選である普通図柄抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄194がランプを点滅させる形で普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は作動口68の左方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄194の変動表示が当たりの態様で停止すると、普通電役入球口26が所定時間拡開する。普通図柄変動用の保留ランプ21は普通図柄表示装置59の近傍に設けられる。」 (ウ)「【0033】 始動口24に入球すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口28の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、第1大入賞口28は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口28の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。 【0034】 特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技終了後の通常遊技において、特定遊技として時短が開始される。時短においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。なお、時短中の特別図柄および装飾図柄の変動時間はその平均値が通常遊技状態の特別図柄および装飾図柄の変動時間の平均値より短ければよい。したがって、時短中に長い変動時間の特別図柄および装飾図柄の変動表示を含んでもよい。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。時短においては、特別図柄192が短縮されるだけでなく、普通図柄表示装置59における普通図柄の変動時間も短縮され、また、普通電役入球口26の開放時間が長くなる。そのため、通常状態の通常遊技に比べて格段に普通電役入球口26へ入球しやすくなる。開放された普通電役入球口26に入球すると、第2大入賞口30が開放される。これにより、第2特別遊技に移行する。第2特別遊技において第2大入賞口30が開放される状態を第2特別遊技の第1段階と呼ぶ。 【0035】 センター飾り64は、その内側に、センター飾り64の外部から隔てられる形で仕切られた空間を形成している。第2大入賞口30はセンター飾り64の左側に取り付けられており、開放された第2大入賞口30に入球した遊技球はセンター飾り64の内部に設けられた通路31を通って内側の空間へ流入する。その空間には、誘導装置62、特定領域22、流出領域66が設けられている。通路31の内部には、入球検出装置81が設けられ、第2大入賞口30への入球が検出される。センター飾り64の内側に入球した遊技球は特定領域22または流出領域66の方向に導かれる。誘導装置62は、低速で回転しており、遊技球を特定領域22または流出領域66のいずれかへ導くよう作用する。特定領域22は入球口の形状を有し、つねに左右方向に往復移動している。このように、誘導装置62の回転状態と特定領域22の往復移動の位置関係や遊技球の勢いなどによって、遊技球が特定領域22へ入球するか、流出領域66へ入球するかが決まる。 【0036】 特定領域22への入球は入球検出装置36により検出され、流出領域66への入球は流出検出装置37により検出される。なお、入球検出装置36および流出検出装置37をまとめて、排出検出装置35とよぶ。入球検出装置36および流出検出装置37は、特定領域22および流出領域66のそれぞれに入球した遊技球を計数する。それぞれの領域への入球数の和が入球検出装置81により計数された入球数と一致すると、第2大入賞口30に入球したすべての遊技球が、特定領域22または流出領域66に入球したと判定される。 【0037】 遊技球がセンター飾り64の内部の特定領域22に入球することが、第2特別遊技の第1段階から第2段階へ移行するための継続条件となる。継続条件が成立すると、第1特別遊技と同様に、第1大入賞口28の開閉動作が所定回数、たとえば15回繰り返される。第2特別遊技の第1段階は1回目の単位遊技に相当し、第2段階が2回目以降の単位遊技に相当する。第2特別遊技の発生原因となった特定領域22への入球が時短中であった場合、その第2特別遊技終了後の通常遊技も再び時短へ移行するが、特定領域22に入球が時短中でなかった場合は、その第2特別遊技終了後は通常状態での通常遊技へ戻り、時短とはならない。したがって、時短中は比較的高い確率で第2特別遊技が繰り返し発生するチャンスとなる。 【0038】 ・・・。 【0039】 図2は、ぱちんこ遊技機の背面側の構成を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口24および作動口68へ入球したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。 【0040】 図3は、ぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口24、作動口68、普通電役入球口26、第1大入賞口28、第2大入賞口30、演出表示装置60、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置59、スピーカ18、操作ボタン82のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄の変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。 【0041】 本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段112、第2抽選手段113、図柄決定手段114、保留制御手段118、メイン表示制御手段122、特別遊技制御手段126、開閉制御手段132、特定遊技制御手段133を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段140、演出決定手段142、演出表示制御手段144、時間表示制御手段200、残余演出画像記憶手段202を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。 【0042】 入球判定手段110は、各入球口への入球を判定する。入球判定手段110は、入球検出装置32から始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口24に入賞したと判定し、入球検出装置38から通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判定する。入球判定手段110は、入球検出装置78から大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口28に入賞したと判定し、入球検出装置81から大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口30に入賞したと判定する。さらに、入球判定手段110は、第2大入賞口30における特定領域22や流出領域66への入球も判定する。 【0043】 第1抽選手段112は、始動口24への入球を契機に第1特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を特図抽選値として取得する。たとえば、特図抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選手段112が参照する当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と特図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。 【0044】 第2抽選手段113は、作動口68への入球を契機に普通電役入球口26を開放するか否かを判定するために乱数の値を普図抽選値として取得する。たとえば、普図抽選値は「0」から「511」までの値範囲から取得される。第2抽選手段113が参照する当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。 【0045】 図柄決定手段114は、特図決定手段115と普図決定手段116を含む。特図決定手段115は、特別図柄192の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第1抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄192の停止図柄を決定する。特図決定手段115は、第1抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。特図決定手段115は、特別図柄192の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、特別図柄192の変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。なお、特図決定手段115で決定される特別図柄192の「変動パターン」は、演出的な過程が含まれないパターンであるため実質的には「変動時間」と同義である。特図決定手段115は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段122および後述する演出決定手段142へ送出する。 【0046】 普図決定手段116は、普通図柄194の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第2抽選手段113による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて普通図柄194の停止図柄を決定する。普図決定手段116は、通常状態において、たとえば10秒から60秒の間で変動時間をランダムに選択し、特定遊技中は通常状態よりも短い、たとえば1秒という変動時間を選択する。普図決定手段116は、普通図柄194の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、普通図柄194の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持する。普図決定手段116は、決定した停止図柄および変動時間を示すデータを普通図柄表示装置59へ送出する。普通図柄194の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段132が普通電役入球口26の普通電動役物を所定時間拡開する。 【0047】 保留制御手段118は、第1保留手段119と第2保留手段120を含む。第1保留手段119は、特別図柄192の変動表示中や特別遊技の実行中に始動口24への入球があったとき、その入球に対応する特図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶する。第2保留手段120は、普通図柄194の変動表示中に作動口68への入球があったとき、その入球に対応する普図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶する。 【0048】 メイン表示制御手段122は、特図表示手段123と普図表示手段124を含む。特図表示手段123は、第1抽選手段112による抽選の結果を、特図決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。特図表示手段123は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段144へ送信することにより、特図表示手段123および演出表示制御手段144による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図表示手段124は、決められた変動時間にて普通図柄194の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。 【0049】 特別遊技制御手段126は、第1作動条件保持手段127、第2作動条件保持手段128、第1特別遊技実行手段129、第2特別遊技実行手段130、作動回避手段131を含む。第1作動条件保持手段127は、第1特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持し、第2作動条件保持手段128は、第2特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する。第1作動条件には、特別図柄192が当たり態様で停止することが条件として定められている。第2作動条件には、普通電役入球口26への入球が条件として定められている。 【0050】 第1特別遊技実行手段129は、第1抽選手段112による抽選結果が当たりであった場合に、第1特別遊技を実行する。第1特別遊技は、第1大入賞口28の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした単位遊技が複数回実行される。単位遊技の回数は例えば15回であり、1回につき第1大入賞口28を約30秒間開放させる。 【0051】 第2特別遊技実行手段130は、第2抽選手段113による抽選結果が当たりとなって普通電役入球口26に遊技球が入球した場合に、第2特別遊技を実行する。第2特別遊技は、第1段階と第2段階に分けられる。第2作動条件の成立は、第2特別遊技の第1段階を開始するための条件が成立したことを示すとともに、その後、第1段階および第2段階を通して第2特別遊技が続く限り第2作動条件が成立している。第2特別遊技の第1段階では1回目の単位遊技として第2大入賞口30が開放され、第2段階では2回目以降の単位遊技として、第1大入賞口28が複数回開放される。第2段階での単位遊技の回数は本実施例の場合例えば14回であり、1回につき第1大入賞口28を約30秒間開放させる。 【0052】 作動回避手段131は、第1作動条件および第2作動条件のいずれか一方の作動条件が成立したとき、他方の作動条件の成立を回避させる。いいかえれば、第1特別遊技と第2特別遊技が同時並行的に実行されないように排他制御する。第2作動条件の成立中であって、第2特別遊技の第1段階または第2段階が実行されている間は、第1作動条件の成立が回避される。一方、第1作動条件の成立中は、第2作動条件の成立が回避され、第2特別遊技の第1段階および第2段階のいずれも実行されない。特別図柄192が変動表示されている間に第2作動条件が成立した場合、作動回避手段131は特別図柄192の変動表示における変動時間の進行を一時停止させるように特別図柄192の図柄変動を制御する。たとえば、特別図柄192を所定の変動時間経過後に停止させるために時間計測を行っている変動タイマを一時停止させる。変動タイマが停止されている間、特別図柄192の変動表示は継続していてもよい。この作動回避手段131の制御により特別図柄192の変動時間が実質的に延長されることになる。作動回避手段131が特別図柄192の図柄変動を制御した場合、その制御時間の情報は時間表示制御手段200に送信される。 【0053】 特定遊技制御手段133は、通常遊技における遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技は時短である。第1抽選手段112による抽選が当たりとなった場合であって、特図決定手段115が決定する特別図柄192の停止図柄が所定の図柄であった場合に、その第1特別遊技の終了後に時短へ移行する。また、時短中に第2特別遊技が発生した場合もまた、その第2特別遊技の終了後に時短へ移行する。その他の場合は、第1特別遊技または第2特別遊技の終了後であっても時短へは移行しない。時短へ移行した場合、図柄変動回数が所定の継続回数、たとえば5回に達するか、次の第1特別遊技が開始されるか第2特別遊技の第2段階が実行されるまで時短が継続される。」 (エ)「【0059】 演出表示制御手段144は、第1抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段144は、遊技効果ランプの点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。 【0060】 時間表示制御手段200は、特定遊技(本実施例の場合は時短)状態で遊技できる遊技残余時間204をたとえば演出表示装置60にカウントダウンしながら表示する。図4(a)には、カウントダウン中の遊技残余時間204が示されている。時短中は第2特別遊技があとどれくらい遊技できるか、すなわち第2特別遊技の獲得を狙い易いチャンス状態であとどれくらい遊技ができるのかに遊技者の興味が移行する。そこで、図4(a)に示すように遊技残余時間204を拡大表示して強調することより遊技者の緊張感が高まるようにしている。このとき、特別図柄192の当否結果を視覚的に演出する装飾図柄190は通常サイズで表示させてもよいが、遊技残余時間204の視認性を低減させないように通常より縮小表示することが望ましい。なお、本実施例では、遊技残余時間204を演出表示装置60上に表示する例を示しているが、専用の表示装置に表示してもよい。 【0061】 残余演出画像記憶手段202には、表示中の遊技残余時間204に修正を加えるときなどに遊技者の違和感を軽減させる効果がある残余演出画像が複数保持され、時間表示制御手段200が必要に応じて残余演出画像記憶手段202から残余演出画像を選択して表示させる。 【0062】 前述したように「時短」は、特別図柄192の変動終了回数が所定回数に到達するまで継続される。したがって、時短終了までに残された特別図柄192の変動回数(以下、残余回数という)と時短時における特別図柄192の変動時間に基づき、時短終了までの時間を示す残余時間値を算出することができる。本実施例の場合、時短中の特別図柄192の変動時間は基準変動時間(たとえば8秒)が頻繁に選択されるように設定されている。したがって、残余回数に基準変動時間を乗算することにより概ねの遊技残余時間204を算出することができる。たとえば、「時短」継続回数が5回の場合、8秒×5回=40秒が残余時間値として算出できる。図4(b)は、時短に移行したときに表示される遊技残余時間204の一例であり、算出した残余時間値から遊技残余時間204のカウントダウンを開始することを示している。このように、遊技残余時間204をカウントダウンの形態で表示することにより遊技者に時短の終了時期を明確に認識させることができる。つまり、時短の継続状況を直感的に認識させることができる。その結果、時短中に遊技者の意識が特別図柄192の変動状態に向き、第1種遊技と第2種遊技の間で散漫してしまうことを抑制できる。その結果、第2種遊技に対する集中力や遊技意欲を向上させることができる。また、時短の終了に対する遊技者の緊張感を高めて遊技性を向上させることができる。なお、時短中に特別図柄192の変動時間として基準変動時間より長い変動時間(リーチ用の変動時間など)が用いられた場合、特別図柄192の変動終了時期が延びるので時間表示制御手段200は遊技残余時間204を延長するように修正する。具体的には、基準変動時間とリーチ用の変動パターンの変動時間との差分に基づき、遊技残余時間204を修正する。遊技残余時間204の延長は、遊技者にとって歓迎すべき現象であり、当たりに対する期待感を高め遊技性向上に寄与できる。この場合、カウントダウン中の遊技残余時間204を数十秒単位で大きく修正することになるが、図4(c)に示すように、遊技残余時間204が延長されたことを示すメッセージや演出画像を表示させることにより、遊技残余時間204が突然修正されても遊技者に与える違和感を軽減できる。また、その修正や演出画像により利益感を増大させることができる。」 (オ)「【0066】 ところで、特別図柄192の変動が終了したときに第1保留手段119に保留がない場合、特別図柄192の変動終了回数は減らない。この場合、時短の終了が何処まで延長されるか予測不能となる。そこで、時間表示制御手段200は特別図柄192の変動が停止したときに第1保留手段119の保留がない場合、カウントダウンを停止させる。時間表示制御手段200は、残余演出画像記憶手段202から図5(a)に示すような、カウントダウンが停止したことを示す演出画像を読み出し演出表示装置60に表示する。カウントダウンの停止により、遊技球を始動口24に入球させることを遊技者に喚起することもできる。そして、次に特別図柄192の変動表示が開始されたときに時間表示制御手段200は、残余時間値を再算出して当該再算出した残余時間値からカウントダウンしながら遊技残余時間204を表示する。その結果、特別図柄192の変動再開時から正確に遊技残余時間204の表示が可能になり表示誤差が軽減された信頼性のある遊技残余時間204を遊技者に提供できる。」 (カ)「【図4】 [図:0001394839000001.jpg] 」 (キ)「【図5】 [図:0001394839000002.jpg] 」 イ 引用文献1に記載された事項より認定できる事項 (ア)引用文献1の【0029】には「特別図柄192は、始動口24への入球を契機に実行される第1の抽選(以下、「特別図柄抽選」とよぶ)の結果に応じた図柄であり、第1特別遊技を発生させるか否かを示す役割をもつ。」と記載され、【0033】には「停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口28の開閉動作が開始される。」と記載されていることから、【0033】に記載された「特別遊技」は、「特別図柄192」に基づく特別遊技であって、「第1特別遊技」であり、さらに、【0034】の「特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技終了後の通常遊技において、特定遊技として時短が開始される。」の記載における「特別遊技」も「第1特別遊技」であること(以下「認定事項ア」という。)が認定できる。 (イ)引用文献1の【0045】には、「特図決定手段115は、特別図柄192の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第1抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄192の停止図柄を決定する。特図決定手段115は、第1抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。」と記載され、同【0046】には、「普図決定手段116は、普通図柄194の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第2抽選手段113による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて普通図柄194の停止図柄を決定する。」と記載されていることから、「第1抽選手段112は特図抽選値の当否判定を行う点」及び「第2抽選手段113は、普図抽選値の当否判定を行う点」(以下「認定事項イ」という。)が認定できる。 (ウ)引用文献1の【0060】には、「時間表示制御手段200は、特定遊技(本実施例の場合は時短)状態で遊技できる遊技残余時間204をたとえば演出表示装置60にカウントダウンしながら表示する図4(a)には、カウントダウン中の遊技残余時間204が示されている。時短中は第2特別遊技があとどれくらい遊技できるか、すなわち第2特別遊技の獲得を狙い易いチャンス状態であとどれくらい遊技ができるのかに遊技者の興味が移行する。」と記載され、図4及び図5を参照すると、演出表示装置60において、「遊技残余時間204」として、「30.5秒」、「40.0秒」等の整数部分と小数点以下の部分からなる時間表示が表示された例が記載されていることから、「遊技残余時間204が秒数の整数部分と、小数点以下の部分によって表示される点」(以下「認定事項ウ」という。)が認定できる。 ウ 引用発明 上記アの(ア)~(キ)の記載事項及び上記イの認定事項から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、符号は、本願補正発明の分説に概ね対応させて合議体が付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。 「a-e1 遊技機枠と遊技盤で構成されるぱちんこ遊技機10であって(【0021】)、 a-e2 遊技盤50は、センター飾り64、始動口24、普通電役入球口26、第1大入賞口28、第2大入賞口30、作動口68を含み(【0022】)、第1の始動口として機能する始動口24は、遊技球の入球を検出する入球検出装置32を含み、第2の始動口として機能する作動口68は、遊技球の入球を検出する入球検出装置38を含み、可変入球口として機能する普通電役入球口26は、遊技球の入球を検出する入球検出装置34を含み(【0023】)、普通電役入球口26は、普通電動役物が開閉することにより入球可能な状態と入球不可状態の間で変化し(【0024】)、 a-e3 始動口24への入球を契機に第1の抽選が実行され(【0028】)、作動口68への遊技球の通過は普通電役入球口26の普通電動役物を拡開させるか否かを決定する第2の抽選である普通図柄抽選の契機となり(【0030】)、 a-e4 遊技盤50に設けられたセンター飾り64には、演出表示装置60、特別図柄表示装置61が設けられ、特別図柄表示装置61は、第1の抽選の結果に応じた図柄であり、第1特別遊技を発生させるか否かを示す役割をもつ特別図柄192を変動させながら表示し(【0028】)、演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示し(【0029】)、 a-e5 始動口24に入球すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示され、特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止され、停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である第1特別遊技に移行し、第1大入賞口28の開閉動作が開始され(【0033】)、 a-e6 作動口68を遊技球が通過すると、作動口68の左方に設けられた普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄194が普通図柄表示装置59に変動表示され、所定時間の経過後に普通図柄194の変動表示が当たりの態様で停止すると、普通電役入球口26が所定時間拡開され(【0030】)、開放された普通電役入球口26に入球すると、第2大入賞口30が開放され、これにより、第2特別遊技の第1段階に移行し(【0034】)、 a-e7 第2大入賞口30はセンター飾り64の左側に取り付けられており、開放された第2大入賞口30に入球した遊技球はセンター飾り64の内部に設けられた通路31を通って内側の空間へ流入し、その空間には、誘導装置62、特定領域22、流出領域66が設けられ、特定領域22は入球口の形状を有し(【0035】)、遊技球がセンター飾り64の内部の特定領域22に入球することが、第2特別遊技の第1段階から第2段階へ移行するための継続条件となり、継続条件が成立すると、第1特別遊技と同様に、第1大入賞口28の開閉動作が所定回数繰り返され(【0037】)、 g1 第1特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技終了後の通常遊技において、特定遊技として時短が開始され、時短においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮され(認定事項ア、【0034】)、 g2 時短においては、普通図柄表示装置59における普通図柄の変動時間も短縮され、普通電役入球口26の開放時間が長くなり、通常状態の通常遊技に比べて格段に普通電役入球口26へ入球しやすくなり(【0034】)、 a-e8 ぱちんこ遊技機10は、全体動作を制御し、始動口24および作動口68へ入球したときの抽選等、遊技動作全般を処理するメイン基板102および演出表示装置60における表示内容を制御し、メイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させるサブ基板104より構成される遊技制御装置100を有し(【0039】)、 a-e9 メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段112、第2抽選手段113、図柄決定手段114、保留制御手段118、メイン表示制御手段122、特別遊技制御手段126、開閉制御手段132、特定遊技制御手段133を備え(【0041】)、 a-e10 サブ基板104は、パターン記憶手段140、演出決定手段142、演出表示制御手段144、時間表示制御手段200、残余演出画像記憶手段202を備え(【0041】)、 o1 第1抽選手段112は、始動口24への入球を契機に第1特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を特図抽選値として取得し(【0043】)、特図抽選値の当否判定を行い(認定事項イ)、 p1 第2抽選手段113は、作動口68への入球を契機に普通電役入球口26を開放するか否かを判定するために乱数の値を普図抽選値として取得し(【0044】)、普図抽選値の当否判定を行い(認定事項イ)、 o2 図柄決定手段114は、特図決定手段115と普図決定手段116を含み、特図決定手段115は、特別図柄192の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第1抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄192の停止図柄を決定し、特図決定手段115は、第1抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択し(【0045】)、 p2 普図決定手段116は、普通図柄194の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第2抽選手段113による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて普通図柄194の停止図柄を決定し、普図決定手段116は、通常状態において、変動時間をランダムに選択し、特定遊技中は通常状態よりも短い変動時間を選択し(【0046】)、 a-e11 保留制御手段118は、第1保留手段119と第2保留手段120を含み、第1保留手段119は、特別図柄192の変動表示中や特別遊技の実行中に始動口24への入球があったとき、その入球に対応する特図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶し、第2保留手段120は、普通図柄194の変動表示中に作動口68への入球があったとき、その入球に対応する普図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶し(【0047】)、 a-e12 特別遊技制御手段126は、第1作動条件保持手段127、第2作動条件保持手段128、第1特別遊技実行手段129、第2特別遊技実行手段130、作動回避手段131を含み(【0049】)、第1特別遊技実行手段129は、第1抽選手段112による抽選結果が当たりであった場合に、第1大入賞口28の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした単位遊技が複数回実行される第1特別遊技を実行し(【0050】)、第2特別遊技実行手段130は、第2抽選手段113による抽選結果が当たりとなって普通電役入球口26に遊技球が入球した場合に、第1段階では1回目の単位遊技として第2大入賞口30が開放され、第2段階では2回目以降の単位遊技として、第1大入賞口28が複数回開放される第2特別遊技を実行し(【0051】)、作動回避手段131は、第1特別遊技と第2特別遊技が同時並行的に実行されないように排他制御し(【0052】)、 g3 特定遊技制御手段133は、通常遊技における遊技状態を通常状態から時短へ移行させる制御と、時短から通常状態へ戻す制御を実行し、第1抽選手段112による抽選が当たりとなった場合であって、特図決定手段115が決定する特別図柄192の停止図柄が所定の図柄であった場合に、その第1特別遊技の終了後に時短へ移行し、時短中に第2特別遊技が発生した場合もまた、その第2特別遊技の終了後に時短へ移行し、時短へ移行した場合、図柄変動回数が所定の継続回数に達するか、次の第1特別遊技が開始されるか第2特別遊技の第2段階が実行されるまで時短が継続され(【0053】)、演出表示制御手段144は、第1抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させ(【0059】)、 i 時間表示制御手段200は、時短で遊技できる遊技残余時間204を演出表示装置60にカウントダウンしながら表示し(【0060】)、 j 遊技残余時間204は秒数の整数部分と、小数点以下の部分によって表示され(認定事項ウ)、 h 時短中に特別図柄192の変動時間として基準変動時間より長い変動時間(リーチ用の変動時間など)が用いられた場合、特別図柄192の変動終了時期が延びるので時間表示制御手段200は遊技残余時間204を延長するように修正し(【0062】)、 t 時間表示制御手段200は特別図柄192の変動が停止したときに第1保留手段119の保留がない場合、カウントダウンを停止させ、次に特別図柄192の変動表示が開始されたときに時間表示制御手段200は、残余時間値を再算出して当該再算出した残余時間値からカウントダウンしながら遊技残余時間204を表示する(【0066】)、 fu ぱちんこ遊技機10(【0021】)。」 エ 引用文献2に記載された事項 補正の却下の決定に引用文献2として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-246698号公報(平成22年11月4日出願公開、以下同じく「引用文献2」という。)には、弾球遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、パチンコ機に代表される弾球遊技機に関するものであり、特にその遊技盤に複数の始動口を備え、各始動口に遊技球が入るとその各始動口に対応して予め設定された図柄の変動を開始し、その変動が停止したときの表示態様により遊技者に特典を付与する遊技機に関するものである。」 (イ)「【0058】 続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。 本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12それぞれ4個までとしており、第1保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11に入賞又は第2保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。」 (ウ)「【0095】 以上の処理により、演出図柄表示装置6の画面6aに先読み図柄などが表示される様子を図24、図25に示す。まず図24は、大当たり確率が低い状態で、確変図柄による大当りを引いたときの表示例を示す説明図である。図24(a)に示す確変図柄「777」が確定図柄として表示された状態では、第1保留図柄100として保留図柄が1個と先読み図柄Aが1個、画面6aの左下部に表示されており、第2保留図柄101としては、保留図柄が1個と先読み図柄Aが1個、画面6aの右下部に表示されていたとする。図24(b)に示す大当たり遊技中の画面では、第1保留図柄100として表示されていた先読み図柄Aがただの保留図柄に変わり、更に2個の保留図柄が表示され、都合4個の保留図柄が表示されている。保留図柄が増えているのは、大当たり遊技中は保留が消化できず、この間に発生した少なくとも2回の第1始動口11への入賞が保留されたためである。そしてこれら2個の保留は、大当たり中に発生したものであるため、図7のS145の処理でYESと判定され、先読み信号が設定されないので、図23(b)の振り分けにより、ただの保留図柄となっている。なお、第2保留については、通常時、大当たり中とも第2始動口12の開放延長が作動しないため、ほとんど入賞は発生せず2個のままとなっている。図24(c)は、大当たり遊技が終了し、最初の保留が消化されて演出図柄が変動している様子を示す図である。パチンコ機50は、特別図柄1の保留よりも特別図柄2の保留を先に消化する仕様であるので、第2保留図柄101が1個消化されて1個に減り、第1保留図柄100は4個のままとなっている。」 (エ)「【0104】 また、特別図柄1は、大当たり遊技後の当たり確率が高い場合は演出動作を再開させない。これに反し、大当たり後の遊技後、当たり確率が高い場合に演出動作を再開させると、開放延長機能が働いている間(パチンコ機50では確変中は開放延長機能が働く)は第2始動口12に入賞しやすく、しかもこの入賞が第1始動口11への入賞よりも優先して消化されるので、確変状態が終了するまで、特別図柄1で演出動作が実行されている保留が消化されない。これにより、この演出動作が出力されっぱなしになるという事態が発生するが、パチンコ機50では、大当たり遊技後の当たり確率が高い場合は演出動作を再開させないので、こうした事態を防ぐことができる。」 (オ)上記【0058】には「遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数」が「取得され」、「保留記憶」される点が記載されていることから、上記【0095】に記載された「特別図柄1の保留」及び「特別図柄2の保留」は、それぞれ、「第1始動口11」への入賞による「保留」及び「第2始動口12」への入賞による「保留」であると認められる。 (カ)上記【0104】には「大当たり後の遊技後、当たり確率が高い場合に演出動作を再開させると、開放延長機能が働いている間(パチンコ機50では確変中は開放延長機能が働く)は第2始動口12に入賞しやすく、」との記載があるが、当該記載の直前に「大当たり遊技後の当たり確率が高い場合は演出動作を再開させない。」の記載があることを勘案すると、上記【0104】における「大当たり後の遊技後」の記載は、「大当たり遊技後」を意味していると認められる。 (キ) 上記(ア)から(カ)より、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2記載の事項」という。)が記載されていると認められる。 「大当たり遊技後、当たり確率が高い場合に第2始動口12に入賞しやすくし、第1始動口への入賞11による特別図柄1の保留よりも第2始動口12への入賞による特別図柄2の保留を先に消化するように構成した弾球遊技機。」 (3) 対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)等とし、本願補正発明の分説に対応させている。 (a) 引用発明の構成o1における「始動口24への入球を契機に第1特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を特図抽選値として取得」する「第1抽選手段112」及び構成p1における「作動口68への入球を契機に普通電役入球口26を開放するか否かを判定するために乱数の値を普図抽選値として取得」する「第2抽選手段113」は、本願補正発明の特定事項Aの「取得契機が発生したことに基づいて、特別情報を取得する取得手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Aを備える。 (b) 引用発明の構成a-e11における「特別図柄192の変動表示中や特別遊技の実行中に始動口24への入球があったとき、その入球に対応する特図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶」する「第1保留手段119」及び「普通図柄194の変動表示中に作動口68への入球があったとき、その入球に対応する普図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶」する「第2保留手段120」は、本願補正発明の特定事項Bの「前記取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Bを備える。 (c) 引用発明の構成o1における「特図抽選値の当否判定を行」う「第1抽選手段112」及び構成p1における「普図抽選値の当否判定を行」う「第2抽選手段113」は、本願補正発明の特定事項Cの「前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報を利用して遊技者に特典を付与するか否かの特典付与判定処理を実行する特典付与判定手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Cを備える。 (d) 引用発明の構成a-e12における「第1抽選手段112による抽選結果が当たりであった場合に、第1大入賞口28の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした単位遊技が複数回実行される第1特別遊技を実行」する「第1特別遊技実行手段129」及び「第2抽選手段113による抽選結果が当たりとなって普通電役入球口26に遊技球が入球した場合に、第1段階では1回目の単位遊技として第2大入賞口30が開放され、第2段階では2回目以降の単位遊技として、第1大入賞口28が複数回開放される第2特別遊技を実行」する「第2特別遊技実行手段130」は、本願補正発明の特定事項Dの「前記特典付与判定処理の判定結果に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Dを備える。 (e) 引用発明の構成o2における「特別図柄192の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第1抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄192の停止図柄を決定し、」「第1抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択」する「特図決定手段115」は、本願補正発明の特定事項Eの「遊技回用演出が開始された後に前記特典付与判定処理の判定結果に対応した態様となるように演出実行手段を制御する遊技回制御手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Eを備える。 (fu) 引用発明の構成fuにおける「ぱちんこ遊技機10」は、本願補正発明の特定事項F及びUの「遊技機」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項F及びUを備える。 (g) 引用発明の構成g1における「第1特別遊技が発生した場合」があることは、本願補正発明の構成Gにおける「遊技回用演出において特定事象が発生」する「特定種類の特典が付与される場合」と「前記遊技回用演出において当該特定事象が発生しない」「特定事象が発生し当該特定種類の特典が付与されない場合」があることに相当する。 また、引用発明の構成g1及びg3における「第1特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合」に「第1抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させ」る「演出表示制御手段144」は、本願補正発明の特定事項Gの「特定種類の特典が付与される場合には前記遊技回用演出において特定事象が発生し当該特定種類の特典が付与されない場合には前記遊技回用演出において当該特定事象が発生しない特定演出が行われるようにする演出設定手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Gを備える。 (h) 引用発明の構成hにおける「時短中に特別図柄192の変動時間として基準変動時間より長い変動時間(リーチ用の変動時間など)が用いられた場合、特別図柄192の変動終了時期が延びるので」「遊技残余時間204を延長するように修正」する「時間表示制御手段200は」は、本願補正発明の特定事項Hの「前記特定演出の演出継続期間を調整する期間調整手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Hを備える。 (i) 引用発明の構成iにおける「時短」は、本願補正発明の特定事項Iにおける「特定状態」に相当する。 そして、引用発明の構成iにおける「時間表示制御手段200は、時短で遊技できる遊技残余時間204を演出表示装置60にカウントダウンしながら表示」することは、本願補正発明の特定事項Iの「前記演出設定手段は、特定状態である場合において前記特定演出として、時間が経過していくような時間表示が行われる時間経過演出が実行されるようにするものであ」ることに相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Iを備える。 (j) 引用発明の構成jにおける「遊技残余時間204は秒数の整数部分と、小数点以下の部分によって表示され」ることは、「整数部分と、小寸点以下の部分」からなる表示を「カウントダウンしながら表示」する場合には、整数部分は1秒ごとに切り換わるのに対して、小数点以下の部分は表示の変化が速く、表示される数値が認識しづらくなることは明らかであるから、本願補正発明の特定事項Jの「前記時間表示として、整数部分の時間表示と、小数点以下の時間表示と、が行われる構成であって、前記整数部分の時間表示については更新タイミングに応じて切り換わる各数字を遊技者が認識可能となるように当該整数部分の時間表示の更新が行われ、前記小数点以下の時間表示については更新タイミングに応じて切り換わる各数字を遊技者が認識不可又は認識しづらくなるように当該小数点以下の時間表示の更新が高速で行われる構成であ」ることに相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Jを備える。 (o) 引用発明の構成o1における「始動口24への入球を契機に第1特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を特図抽選値として取得」する「第1抽選手段112」は、本願補正発明の特定事項Oの「前記取得契機として第1取得契機が発生したことに基づいて、前記特別情報として第1特別情報を取得する第1取得手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Oを備える。 (p) 引用発明の構成p1における「作動口68への入球を契機に普通電役入球口26を開放するか否かを判定するために乱数の値を普図抽選値として取得」する「第2抽選手段113」は、本願補正発明の特定事項Pの「前記取得契機として第2取得契機が発生したことに基づいて、前記特別情報として第2特別情報を取得する第2取得手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Pを備える。 (q) 引用発明の構成o1における「第1抽選手段112」が「特図抽選値の当否判定を行」うこと及び構成p1における「第2抽選手段113」が「普図抽選値の当否判定を行」うことは、本願補正発明の特定事項Qの「前記特典付与判定手段は、前記第1特別情報を利用して前記特典付与判定処理を実行し、前記第2特別情報を利用して前記特典付与判定処理を実行」することに相当する。 よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Qを備える。 以上のことから、本願補正発明と引用発明は、以下の点で一致する。 「A 取得契機が発生したことに基づいて、特別情報を取得する取得手段と、 B 前記取得手段が取得した前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、 C 前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報を利用して遊技者に特典を付与するか否かの特典付与判定処理を実行する特典付与判定手段と、 D 前記特典付与判定処理の判定結果に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、 E 遊技回用演出が開始された後に前記特典付与判定処理の判定結果に対応した態様となるように演出実行手段を制御する遊技回制御手段と、 F を備えた遊技機において、 G 特定種類の特典が付与される場合には前記遊技回用演出において特定事象が発生し当該特定種類の特典が付与されない場合には前記遊技回用演出において当該特定事象が発生しない特定演出が行われるようにする演出設定手段と、 H 前記特定演出の演出継続期間を調整する期間調整手段と、 を備え、 I 前記演出設定手段は、特定状態である場合において前記特定演出として、時間が経過していくような時間表示が行われる時間経過演出が実行されるようにするものであり、 J 前記時間表示として、整数部分の時間表示と、小数点以下の時間表示と、が行われる構成であって、前記整数部分の時間表示については更新タイミングに応じて切り換わる各数字を遊技者が認識可能となるように当該整数部分の時間表示の更新が行われ、前記小数点以下の時間表示については更新タイミングに応じて切り換わる各数字を遊技者が認識不可又は認識しづらくなるように当該小数点以下の時間表示の更新が高速で行われる構成であり、 O 前記取得手段は、 前記取得契機として第1取得契機が発生したことに基づいて、前記特別情報として第1特別情報を取得する第1取得手段と、 P 前記取得契機として第2取得契機が発生したことに基づいて、前記特別情報として第2特別情報を取得する第2取得手段と、 を備え、 Q 前記特典付与判定手段は、前記第1特別情報を利用して前記特典付与判定処理を実行し、前記第2特別情報を利用して前記特典付与判定処理を実行する U 遊技機。」 そして、両者は、以下の点で相違する。 [相違点1] (特定事項Kに関して) 期間調整手段に関して、本願補正発明は、期間調整手段が、時間経過演出における整数部分の時間表示の更新タイミングを調整するものであるのに対して、引用発明は、時間表示制御手段200がどのように遊技残余時間204を延長するように修正するのか不明である点。 [相違点2] (特定事項Lに関して) 演出設定手段に関して、本願補正発明は、演出設定手段が、時間表示の内容が終了内容となった場合、特定状態が終了していなくても時間経過演出を終了させるものであるのに対して、引用発明は、時短で遊技できる遊技残余時間204のカウントダウンが終了となったときに時短が終了していない場合についての特定がされていない点。 [相違点3] (特定事項M及びNに関して) 先特定手段に関して、本願補正発明は、取得手段により取得された所定の特別情報が特典付与判定処理の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記特典付与判定処理の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段と、前記所定の特別情報が前記特定種類の特典の付与に対応していることが前記先特定手段により先特定された場合、前記特定状態における前記時間経過演出の内容を特定内容とする手段と、を備えているのに対して、引用発明は、第1抽選手段112が取得した特図抽選値又は第2抽選手段113が取得した普図抽選値の「当否判定」をどの時点で行うのかが特定されておらず、本願補正発明の「先特定手段」に相当する構成を有するか否か不明であり、さらに、「先特定手段により先特定された場合、」「特定状態における」「時間経過演出の内容を特定内容とする手段」の有無も不明である点。 [相違点4] (特定事項Rに関して) 特定状態に関して、本願補正発明は、前記取得手段が前記特定状態では、前記第1取得契機よりも前記第2取得契機の方が発生し易くなる構成であるのに対して、引用発明は、時短中に、「始動口24への入球」と「作動口68への遊技球の通過」のどちらが発生しやすいかは不明である点。 [相違点5] (特定事項Sに関して) 特典付与判定処理に関して、本願補正発明は、取得情報記憶手段に第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得手段により取得された第1特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記特典付与判定処理が行われるようにする優先手段を備えているのに対して、引用発明は、第1保留手段119に記憶された特図抽選値の当否判定は第1特別遊技を発生させるか否かを示す役割をもつ特別図柄192に関する判定であり、第2保留手段120に記憶された普図抽選値の当否判定は普通電役入球口26が所定時間拡開されるか否かを示す役割をもつ普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄194に関する判定であることから、両者は特別図柄及び普通図柄という異なる種類の図柄を対象とした当否の判定であり、それらの優先関係が存在しない点。 [相違点6] (特定事項H及びTに関して) 期間調整手段による特定演出の演出継続期間を調整に関して、本願補正発明は、特定状態において前記第1特別情報に対する特典付与判定処理に対応する遊技回用演出が実行された場合に前記期間調整手段による特定演出の演出継続期間の調整が行われるのに対して、引用発明は、時短中に第1抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンから選択された特別図柄192の変動時間として基準変動時間より長い変動時間(リーチ用の変動時間など)が用いられた場合、特別図柄192の変動終了時期が延びるので時間表示制御手段200は遊技残余時間204を延長するように修正し、特別図柄192の変動が停止したときに第1保留手段119の保留がない場合、カウントダウンを停止させ、次に特別図柄192の変動表示が開始されたときに時間表示制御手段200は、残余時間値を再算出して当該再算出した残余時間値からカウントダウンしながら遊技残余時間204を表示するものである点。 (4) 判断 事案に鑑みて、相違点5について検討する。 上記4(2)エ(キ)に示したように、引用文献2には、引用文献2記載の事項が記載されており、引用文献2記載の事項における「大当たり遊技後、当たり確率が高い場合に第2始動口12に入賞しやすくし、第1始動口11への入賞による特別図柄1の保留よりも第2始動口12への入賞による特別図柄2の保留を先に消化するように構成」することは、本願補正発明の相違点5に記載された事項における「取得情報記憶手段に第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得手段により取得された第1特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記特典付与判定処理が行われるようにする優先手段を備え」ることに相当する。 しかしながら、引用発明は、「第1保留手段119に記憶された特図抽選値の当否判定」は「第1特別遊技を発生させるか否かを示す役割をもつ特別図柄192に関する判定」であるのに対し、「第2保留手段120に記憶された普図抽選値の当否判定」は「普通電役入球口26が所定時間拡開されるか否かを示す役割をもつ普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄194に関する判定」であるから、両者は特別図柄及び普通図柄という異なる種類の図柄を対象とした当否の判定である。 一方、引用文献2記載の事項は、第1始動口11への入賞が保留された特別図柄1の保留と第2始動口12への入賞が保留された特別図柄2の保留という同じ種類の特別図柄を対象として、特別図柄1及び特別図柄2の消化の優先関係を規定したものである。 してみると、引用文献2に「取得情報記憶手段に第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得手段により取得された第1特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記特典付与判定処理が行われるようにする優先手段を備え」ることに相当する構成が記載されていたとしても、引用発明には、優先関係を設けるという前提となる同じ種類の特別図柄が存在しないことから、引用文献2記載の事項を適用する前提を欠いており、引用文献2記載の事項を引用発明に適用することはできない。 したがって、本願補正発明の相違点5に係る構成は、引用発明及び引用文献2記載の事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものとはいえない。 次に、相違点6に係る構成について検討する。 引用発明は、「時短中に第1抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンから選択された特別図柄192の変動時間として基準変動時間より長い変動時間(リーチ用の変動時間など)が用いられた場合、特別図柄192の変動終了時期が延びるので時間表示制御手段200は遊技残余時間204を延長するように修正」するものであり、引用発明の「時間表示制御手段200は遊技残余時間204を延長するように修正」することは、本願補正発明の相違点6に係る構成における「期間調整手段による特定演出の演出継続期間の調整が行われる」ことに含まれると認められるが、本願補正発明は、「特定状態において前記第1特別情報に対する特典付与判定処理に対応する遊技回用演出が実行された場合に前記期間調整手段による特定演出の演出継続期間の調整が行われる」ものであるから、「第1特別情報に対する特典付与判定処理に対応する遊技回用演出が実行された場合」は必ず「特定演出の演出継続期間の調整が行われる」ものであるのに対して、引用発明は「時短中に第1抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンから選択された特別図柄192の変動時間として基準変動時間より長い変動時間(リーチ用の変動時間など)が用いられた場合、特別図柄192の変動終了時期が延びるので時間表示制御手段200は遊技残余時間204を延長するように修正」するものであり、特別図柄192の変動時間として基準変動時間より長い変動時間(リーチ用の変動時間など)が用いられた場合のみ「遊技残余時間204を延長するように修正」するものであるから、この点において、本願補正発明と引用発明は相違するものである。 そして、引用発明は、特別図柄192の変動時間として基準変動時間より長い変動時間(リーチ用の変動時間など)が用いられた場合のみ「遊技残余時間204を延長するように修正」することから、本願補正発明のように「第1特別情報に対する特典付与判定処理に対応する遊技回用演出が実行された場合」には必ず「特定演出の演出継続期間の調整が行われる」ようにすることを、当業者が容易に想到し得ると認定するに足る十分な根拠を見いだすことはできない。 したがって、本願補正発明の相違点6に係る構成は、引用発明及び引用文献2記載の事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものとはいえない。 よって、他の相違点について検討するまでもなく、本願補正発明は、当業者であっても引用発明及び引用文献2記載の事項に基いて容易に発明できたものとはいえない。 (5) まとめ 以上のことから、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定によって、特許出願の際独立して特許を受けることができないものではなく、他に特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由もない。 よって、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項(独立特許要件)に適合する。 (6) むすび 以上のとおりであるので、令和3年11月24日付け補正の却下の決定は取り消す。 第3 本願発明について判断 1 本願発明 以上のとおり、令和3年11月24日付け補正の却下の決定は取り消されたから、本願の請求項1に係る発明は令和3年11月5日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]2の「(補正後:令和3年11月5日付け手続補正書でした補正)」の【請求項1】に記載したとおりのものである。 2 原査定の概要 原査定の概要は次のとおりである。 理由(進歩性) 本願の請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 [引用文献等一覧] 引用文献1:特開2009-28281号公報 3 原査定の拒絶の理由についての判断 本願の請求項1に係る発明は、上記第2[理由]2に示した本願補正発明である。 そして、上記第2[理由]4において検討したように、本願補正発明は、引用発明及び引用文献2記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできないことから、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 したがって、本願は、原査定の拒絶の理由における理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 4 まとめ 以上のことから、本願について、原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることができない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-002893

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