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特許拒絶査定不服審判

2022-002095

クライアント装置、データ送信方法及びデータ収集システム

審判番号
2022-002095
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-512116外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年02月14日
審決日
2022年10月25日
公報発行日
2022年12月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G08G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-512116「クライアント装置、データ送信方法及びデータ収集システム」拒絶査定不服審判事件〔令和1年10月10日国際公開、WO2019/193628、請求項の数(17)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)4月2日を国際出願日とする出願であって、令和3年5月17日付けで拒絶理由通知がされ、令和3年7月26日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和3年12月7日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和4年2月14日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(令和3年12月7日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-5、9-10、16-17に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、本願請求項6-8に係る発明は、以下の引用文献1-5に基づいて、本願請求項11に係る発明は、以下の引用文献1-4、6に基づいて、本願請求項12-15に係る発明は、以下の引用文献1-4、7に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2008-27011号公報 2.特開2002-260185号公報 3.特開2012-133726号公報 4.特開2009-129190号公報 5.特開2007-310790号公報(周知技術を示す文献) 6.特開2005-243010号公報(周知技術を示す文献) 7.特開2009-217371号公報 第3 本願発明 本願請求項1-17に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明17」という。)は、願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1-17に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 自車両及び他車両を含む複数台の車両にて取得された、固有データ及び非固有データを含む複数種類のデータを収集するデータ収集システム用のクライアント装置であって、 前記自車両の走行状態又は前記自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき、前記自車両にて取得された前記固有データの送信要否を判定する固有データ送信要否判定部と、 前記固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、前記自車両にて取得された前記固有データを送信する固有データ送信部と、 前記複数台の車両にて取得された前記固有データを用いて前記自車両が前記複数台の車両における代表車両であると判定された場合、前記自車両の走行状態又は前記自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき、前記自車両にて取得された前記非固有データの送信要否を判定する非固有データ送信要否判定部と、 前記非固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、前記自車両にて取得された前記非固有データを送信する非固有データ送信部と、 を備えることを特徴とするクライアント装置。」 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同様。)。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、プローブ情報収集システムおよびその収集装置ならびに収集方法およびプログラムに関し、特に走行する車両のセンサ等から得られるプローブデータ(速度、ワイパ動作、ライト点灯等)を無線通信を用いて収集センタ(以下、「プローブセンタ」と称する)へ送信するプローブ情報収集システムおよびその収集装置ならびに収集方法およびプログラムに関する。」 「【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 しかし、従来は個々の車両より、様々なセンサデータを一定時間間隔でプローブセンタへ送信していたため、通信コストが膨大になるという問題があった。このため、センタには上げず車内でオフライン収集したり、センタ送信の通信間隔を広げたり、送信するためのセンサの種類を制限するなどして通信コストの低減を図っている。しかし、このことはプローブ情報システムの特徴の1つである、リアルタイムな情報の提供、を損なうことになってしまっている。 【0012】 たとえば、従来より、走行地域の天気を判断するために、ワイパon/offなどのセンサ情報を個々の車両が挙げているが、特定の地域を走る車両群のワイパ動作はほぼ同時期である。このことから、その地域の車群の1台の代表値をセンタへ送信すれば十分である。 【0013】 また、複数台の車両がある時点または期間に特定の状態になったか否かは、現在では個々の車両のプローブデータを受信したプローブセンタが処理し判断しているが、車車間でデータ通信を行い、複数車両のプローブデータを1台の車両に収集、処理、判断し、必要な場合のみ1台の代表車両がセンタへ送信すれば十分である(たとえば、平均車間距離が100m以内になった車で加速度が4m/s2 以上の車など)。 ・・・ 【0021】 そこで本発明の目的は、車両からプローブセンタへ送信するシステム全体の通信コストを削減することが可能なプローブ情報収集システムおよびその収集装置ならびに収集方法およびプログラムを提供することにある。」 「【課題を解決するための手段】 【0022】 前記課題を解決するために本発明によるプローブ情報収集システムは、複数の車両と収集センタとを含み、前記複数の車両の各々が採取したプローブデータを前記収集センタへ送信するプローブ情報収集システムであって、前記複数の車両の各々は、車群および親車両を決定し、前記親車両が前記車群内の全ての車両のプローブデータを前記収集センタへ送信するプローブデータ送信手段を含むことを特徴とする。 ・・・ 【0026】 また、本発明によるプローブ情報収集方法は、複数の車両と収集センタとを含み、前記複数の車両の各々が採取したプローブデータを前記収集センタへ送信するプローブ情報収集方法であって、前記複数の車両の各々は、車群および親車両を決定し、前記親車両が前記車群内の全ての車両のプローブデータを前記収集センタへ送信するプローブデータ送信ステップを含むことを特徴とする。」 「【発明の効果】 【0033】 本発明によれば、上記構成を含むことにより、車両からプローブセンタへ送信するシステム全体の通信コストを削減することが可能となる。」 「【発明を実施するための最良の形態】 【0034】 以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係るプローブ情報収集システムの最良の形態の構成図である。なお同図において、図16と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。 【0035】 図1を参照すると、本発明に係るプローブ情報収集システム1は、車両121~123で車群141を形成し、かつ所定の方法を用いて車両121を代表車両(以下、「親車両」と表示する)に設定している。 【0036】 そして、車車間通信を用いて車両122および123が収集したプローブデータを親車両121に送信し、親車両121は自車両および車両122、123から得たプローブデータに所定の加工を施した後、プローブセンタ131へ送信する。 ・・・ 【0038】 このように、親車両121が車群を代表してプローブデータをプローブセンタ131へ送信するため、車両からセンタ131へ送信するシステム全体の通信コストを削減することが可能となる。」 「【実施例1】 【0039】 次に、本発明の第1実施例の構成について図面を参照して詳細に説明する。図2は本発明に係る収集装置の第1実施例の構成図である。本発明に係る車両の各々は同図に示す収集装置を有している。 【0040】 同図を参照すると、本発明の第1実施例は、車両が装備する各種センサ11と、CPU(central processing unit:中央処理装置))やメモリなどを内蔵するコンピュータでありプローブデータやVICS(vehicle information and communication system :道路交通情報通信システム) データを送受信し保持・管理でき、処理や表示が可能で、カーナビゲーションなど様々なサービスが提供できる車載装置12と、CPUやメモリなどを内蔵するコンピュータであり車群を決定し車群単位のプローブデータメッセージを作成する車群プローブデータ処理装置13と、プローブデータメッセージをプローブセンタへ送信したりプローブセンタからのコマンドを受信したりするためのセンタ通信装置14と、車両間でデータ交換を行なうための車車間通信装置15とを含んで構成されている。なお、車載装置12は当該機能を実現するために複数の装置で構成される場合もある。また、プログラム格納メモリ38については後述する。 【0041】 車群プローブデータ処理装置13は、センタ送信ポリシ設定部21と、車群/親車両決定部22と、プローブデータ参照部23と、車載装置経由でセンタ131または他車両との間でデータの送受信を行なうデータ送受信部24と、問合せ生成部25と、問合せ解析/分解部26と、問合せ実行部27と、問合せ結果蓄積部28とを含む。 ・・・ 【0043】 車群/親車両決定部22は、車車間通信を用いて通信範囲内に走行している車両で群を形成し、その中で親車両を決定する。本発明ではこの部分は既に公開されている方式で実現されるものとする。たとえば、非特許文献1の方式を用いる。 【0044】 非特許文献2では、次のような手順で車群および親車両を決める:(1)各車両は車両情報(IDや位置情報など)をブロードキャストし、受信車両は受信したパケット数をカウントする、(2)各車両はカウント値である通信可能台数をブロードキャストし、通信可能台数が最も多い車両を親車両とする、(3)親車両は(1)で受信した全車両の車両情報をブロードキャストする。この段階で親車両が決定し車群もほぼ決定する、(4)自身が複数の親車両に属しているかを(3)で受信した情報から判断し、複数の親に属している場合は、同期情報を送信する。また親車両から受信した車両情報に自身のIDが含まれていない場合は、車群参加要求を親車両へ送信する。 【0045】 プローブデータ参照部23は、車両の各種センサ11より車載装置12に集められたプローブデータを参照する。 【0046】 データ送受信部24は、車群プローブデータ処理装置13がセンタ131または他車両へ(から)データを送信(受信)する。 【0047】 問合せ生成部25は、車群に含まれる車両が持つプローブデータ集合に対して、ポリシを満足する問合せ文を生成する。 【0048】 問合せ解析/分解部26は、問合せ生成部25により生成された問合せ文を解析し、車両単位に部分問合せ文に分解する。分解された部分問合せ文のうち子車両に対する問合せ文は、データ送受信部24を用いて子車両へ送信する。 【0049】 問合せ実行部27は、当該車両用の問合せ文を実行する。 【0050】 問合せ結果蓄積部28は、問合せ文の実行により得られた結果のデータ集合を蓄積する。」 「【0051】 次に、図2~図5を参照しながら本発明の第1実施例の動作について詳細に説明する。図3は本発明に係るプローブ情報収集システムの通信シーケンスの一例を示す図、図4~図5は親車両の動作の一例を示すフローチャートである。 【0052】 まず、各車両は次の状態チェックを定期的に行っている。センタ送信ポリシ送信設定部21では、車両エンジンの起動時や定期的に、既に自車両にセンタ送信ポリシが設定済みか否かチェックする(図4のステップ400)。もしポリシが設定されていなければ(ステップ400にて“No”の場合)、センタ131より当該車両のポリシをデータ送受信部24によりセンタ通信装置14を使ってダウンロードする(ステップN400)。 【0053】 ここでポリシとは、車両からセンタ131に上げるプローブデータの集合に対する制約を規定するものである。たとえば、“車群の親車両からのみプローブデータを代表値として挙げる”、“車群のうちバス車両を除くプローブデータを挙げる”、“車群に大型車が60%を越えた場合に、排ガスデータをプローブデータとして挙げる”、などがある。 ・・・ 【0055】 次に車群/親車両決定部22により車車間通信装置15を用いて、車群および親車両を決定する(ステップ403)。これにより1台の親車両とそこから通信可能な範囲にある車両群(子車両)が決まる。車群と親車両を決める方法は、たとえば非特許文献1に記述されている方法を用いる。この車群および親車両決定は、予め決められた期間T2毎に見直しが行われる。 【0056】 次にセンタ送信ポリシ設定部21により、自車両に設定されているセンタ送信ポリシを参照する(ステップ404)。そのポリシに基づいて車群が持つデータに対する問合せ文を問合せ生成部にて作成する(ステップ405)。 【0057】 もしポリシが、センタへ親車両のプローブデータをそのままその車群の代表値として送信することを示している場合(ステップ406にて“No”の場合)、自車両(すなわち親車両)のプローブデータをプローブデータ参照部23にて参照し(N406)、自車両に対する問合せを問合せ実行部27にて実行して(N407)、データ送受信部24にて結果をセンタ131へ送信する(ステップ415)。 【0058】 もしポリシが、車群を構成する子車両のデータがある条件を満たしていることや、各車両間でデータがある関係を持つことを条件としている場合(ステップ406にて“Yes”の場合)は、問合せ解析/分解部26にて問合せ文を車両単位に分解する(ステップ407)。 【0059】 分解された個々の部分問合せが、子車両向けの問合せであれば(ステップ408にて“Yes”の場合)、その部分問合せを子車両へデータ送受信部24より車車間通信装置15を経由して送信する(ステップ409)。もし親車両向けの問合せであれば(ステップ408)、プローブデータをプローブデータ参照部にて参照し(ステップN408)、その部分問合せを問合せ実行部により実行し、問合せ結果蓄積部によりメモリに蓄積する(ステップN409)。これを部分問合せがすべて処理されるまで繰り返す(ステップ410)。 【0060】 その後、各子車両から問合せ結果をすべて受信するまで(ステップ411)、問合せ結果を車車間通信装置15を経由してデータ送受信部24にて受信し、問合せ結果蓄積部28にて結果を蓄積する(ステップ412,413)。 【0061】 すべての車両の問合せ処理結果がメモリに蓄積されると、最後に車間に相互に関連する処理を問合せ実行部27にて施し(ステップ414)、結果をデータ送受信部24にてセンタ通信装置14を用いてセンタ131へ送信する(ステップ415)。 ・・・ 【0063】 次に、本発明の第1の実施例の効果について説明する。本発明の第1の実施例では、親車両はポリシを持ち、そのポリシが当該親車両を代表値とする条件かを判断できるように構成されているため、親車両のプローブデータだけをセンタへ送信し、子車両の送信を無くすことができる。 【0064】 また、本発明の第1実施例では、さらに子車両に対して問合せ条件を満足するプローブデータだけを車車間通信により親車両へ集約するように構成されているため、各車両はセンタと通信するコストが削減できる。さらに、親車両と各子車両のデータ間の関連処理ができるように構成されているため、最終的に親車両がセンタへ送信するデータ量を削減でき、通信コストも削減することができる。」 「 [図:0001391821000001.jpg] 」(【図1】) 「 [図:0001391821000002.jpg] 」(【図2】) したがって、上記引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「 車両及び他車両を含む複数の車両にて集められた、速度、ワイパ動作、ライト点灯等のプローブデータを収集するプローブ情報収集システム1用の収集装置であって、 車両が複数の車両における親車両であると決定された場合、車両にて集められたプローブデータがセンタ送信ポリシにおいて規定されたセンタ131に上げるプローブデータの集合に対する制約を満足しているかを判断する車群プローブデータ処理装置13のプローブデータ参照部23及び問合せ実行部27と、 車群プローブデータ処理装置13のプローブデータ参照部23及び問合せ実行部27によりセンタ131に上げるプローブデータの集合に対する制約を満足していると判断された場合、車両にて集められたプローブデータを送信する車群プローブデータ処理装置13のデータ送受信部24及びセンタ通信装置14と、 車両が複数の車両における親車両でないと決定された場合、車両にて集められたプローブデータがセンタ送信ポリシに基づいて作成された問合せ条件を満足しているかを判断する車群プローブデータ処理装置13の問合せ実行部27と、 車群プローブデータ処理装置13の問合せ実行部27によりセンタ送信ポリシに基づいて作成された問合せ条件を満足していると判断された場合、車両にて集められたプローブデータを送信する車車間通信装置15と、 を備える車載装置12。」 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、道路面の凍結、積雪、冠水、障害物などの状態を計測する路面状態計測装置および路面状態計測車両に関する。」 「【0005】路面状態計測手段は、車両の走行に影響を与える道路表面の状態を計測した結果に基づく路面状態情報を出力する。そして、路面状態種類判別手段は、路面状態計測手段から入力された路面状態情報(例えば、検出したアナログ信号)に基づいて、前述の乾燥や湿潤などの路面状態の種類を判別する。この路面状態として、例えば、道路表面の乾燥、湿潤、凍結、圧雪、新雪がある。さらには、道路上の小石や落下物などの障害物の有無の状態を検出してもよい。路面状態種類記憶手段は、路面状態計測装置の外部へ送信すべき路面状態の種類を予め記憶する。これにより、外部において必要となる路面状態が、路面状態計測装置において計測されたときに、その路面状態の種類が外部に無線送信される。 【0006】例えば、路面の乾燥は車両の交通上安全であると、道路管理者が考え、必要のない情報であるとし、路面の凍結は、車両が滑りやすいため、車両の交通上危険であると、道路管理者が考え、必要な情報であるとする。そして、道路管理センターなどの外部において必要な路面状態の種類が凍結であって、外部において必要でない路面状態の種類が乾燥であったとする。このとき、路面状態計測装置で、路面状態が乾燥であると判別された場合、外部への無線送信は行われない。もし、路面状態が凍結であると判別された場合、その判別結果である凍結状態という情報が外部に無線送信される。これにより、外部では必要な情報のみを受信することができる。また、外部にとって必要な路面状態の種類を判別した場合のみ、外部に送信するようにしているから、本発明は通信回数や通信費用の削減に寄与する。」 「【0013】 【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は車両が道路を走行し、走行しながら路面状況を計測し、計測結果を道路管理センターに送信する概要を示す。計測部1は道路4の路面の状態を計測する。例えば、計測部1は路面に対してレーザ光を照射し、その反射光の変化によって、路面状態情報を出力し、さらに路面温度を検出することにより路面状態情報を出力する。計測部1は例えば、乾燥、湿潤、凍結、圧雪、新雪などの状態を計測する。そして、計測部1で得られた情報が車載器2に送信され、車載器2で路面状態の種類が判別される。一方、GPSアンテナ3で得られた情報に基づいて、路面状態計測車両6は計測位置(現在位置)を取得する。このとき、判別された路面状態の種類が特定の種類であった場合には、この判別された路面状態種類情報とともに計測位置が、道路管理センター5(中央装置)に無線で送信される。 【0014】図2は路面状態計測装置の構成の概要を示す。路面状態計測装置19は道路を走行する車両に搭載される。前述した車載器2は図2において、計測部1、GPSアンテナ3および道路管理センター5を除いた路面判別部11、無線送信部16、危険路面記憶部17および制御部14などから構成される。計測部1は前述の通り道路4の状態を計測する。路面判別部11は計測部1で得られた路面状態情報を分析することにより状態の種類を判別する。GPSアンテナ3は人工衛星から所定の情報を受信し、その受信した情報に基づいてGPS処理部13で、路面計測車両の位置(計測部1の計測位置)を取得する。 【0015】制御部14は路面判別部11で判別された路面状態情報、GPS処理部13から取得した計測位置、時計15から取得された計測時刻をデータ保存部18に記憶制御する。危険路面記憶部17は道路交通上危険であると考えられている路面状態を予め記憶している。例えば、危険路面記憶部17は湿潤、凍結、圧雪、新雪という路面状態種類情報を記憶している。 【0016】もし、路面判別部11において判別された路面状態が危険路面記憶部17に記憶されている路面状態種類情報と一致した場合に、制御部14は無線送信部16を介して道路管理センター5に、路面判別部11で判別された路面状態種類情報、GPS処理部13から取得した計測位置、時計15から取得された計測時刻を無線送信する。このとき、路面状態計測装置19の認別情報を同時に無線送信してもよい。入力部12は計測の開始と計測の終了の信号を路面状態計測装置に入力する。 【0017】図3のフローチャートを参照して、路面状態計測処理について説明する。ステップS1において、計測部1で取得した路面状態情報に基づいて、路面判別部11が路面状態種類を判別する。ステップS2において、判別された路面状態種類が危険路面記憶部17に予め記憶されている路面状態種類の一つと一致するかどうかを制御部14が判別する。一致すると判別された場合には道路管理センター5へ判別した路面状態種類情報を送信する必要がある。一致しないと判別された場合には路面状態は危険な状態ではないので、道路管理センター5へ判別した路面状態種類情報を送信しない。ステップS2において、一致すると判別された場合、ステップS3において、GPS処理部13からの計測位置情報が取得できている場合には、ステップS4の処理を行い、天候や建物の影でGPS処理部13からの計測位置情報が取得できなかった場合には、ステップS5の処理を行う。 【0018】ステップS4において、制御部14は無線送信部16を介して外部の道路管理センター5に判別された路面状態種類情報、計測位置、計測時刻を無線送信する。ステップS5において、制御部14は無線送信部16を介して道路管理センター5に、ステップS1において判別された路面状態種類情報、計測時刻を無線送信する。この場合、GPS処理部13から計側位置を取得できなかったため、計測位置を無線送信していない。ステップS4もしくはステップS5の処理の後、またはステップS2においてステップS1において判別された路面状態種類情報が、危険路面記憶部17に記憶されたものと一致しないと判別された場合、ステップS6の処理を行う。ステップS6において、制御部14は路面状態種類情報、計測時刻、もし取得できた場合には計測位置を、テータ保存部18に記憶する。入力部12から計測終了信号が入力されると計測処理を終了する。計測終了処理が入力されなければ、ステップS1に戻り、路面状態の計測が繰り返される。」 「 [図:0001391821000003.jpg] 」(【図1】) 「 [図:0001391821000004.jpg] 」(【図2】) 「 [図:0001391821000005.jpg] 」(【図3】) したがって、上記引用文献2には、以下の技術的事項(以下、「引用文献2に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「 車両にて計測された、乾燥、湿潤、凍結、圧雪、新雪等の路面の状態の情報を収集する路面状態計測装置19及び道路管理センター5(中央装置)用の路面状態計測装置19であって、 計測部1で得られた路面状態情報に基づき、車両にて計測及び分析された路面状態種類情報が危険路面記憶部17に予め記憶されている路面状態種類の一つと一致するかどうかを判別する制御部14と、 制御部14により送信する必要があると判別された場合、車両にて計測及び分析された路面状態種類情報を送信する制御部14と、 を備える路面状態計測装置19。」 3.引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、次の事項が記載されている。 「【背景技術】 【0002】 従来より、複数の車両の情報を情報センターに集約する際に、複数の車両の情報を1台の車両に集め、集めた複数の車両の情報を、この1台の車両から、情報センターに送信する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。」 「【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明は、自車両と自車両の走行状態と合致する他車両とからなる車両群の中から、代表車両を設定し、自車両が代表車両に設定された場合には、車両群を構成する各車両から、情報センターに送信するための情報を収集して、収集した情報を情報センターに送信し、他車両が代表車両に設定された場合には、情報センターに送信するための情報を、代表車両に設定された他車両に送信することで、上記課題を解決する。」 「【0010】 図1は、本実施形態に係る車載通信装置の構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る車載通信装置100は、GPSユニット110、地磁気センサ120、車速センサ130、地図情報データベース140、制御装置150、情報センター用通信装置160、車車間通信装置170から構成されている。これらの各構成は、CAN(ControllerArea Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができる。」 「【0016】 制御装置150は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、自車両の車両情報を取得する自車両情報取得機能、自車両周辺に存在する他車両の車両情報を取得する他車両情報取得機能、代表車両を設定する代表車両設定機能、情報センター200に送信するための情報を収集する収集機能、情報センター200に送信するための情報を情報センター200に送信する情報センター送信機能、および情報センター200に送信するための情報を代表車両である他車両に送信する代表車両送信機能を備える。以下に、制御装置150が備える各機能について説明する。 【0017】 自車両情報取得機能は、自車両の車両情報を取得する。具体的には、自車両情報取得機能は、自車両の車両情報として、自車両の位置、進行方向、および走行速度を、それぞれGPSユニット110、地磁気センサ120、および車速センサ130から取得する。また、自車両情報取得機能は、取得した自車両の位置および進行方向に基づいて、自車両の車両情報として、自車両が走行する道路の道路リンク情報を、地図情報データベース140から取得する。さらに、自車両情報取得機能は、自車両の車両情報として、情報センター200との通信速度、制御装置150の演算処理速度、および自車両が代表車両であった際の収集対象車両の車両台数などの優先度情報を取得する。なお、収集対象車両とは、代表車両により、情報センター200に送信するための情報が収集される車両である(以下の説明においても同様)。 【0018】 他車両情報取得機能は、車車間通信装置170を介して、自車両と車車間通信可能な自車両周辺の他車両から、各他車両の車両情報を取得する。具体的には、他車両情報取得機能は、他車両の車両情報として、他車両の位置、他車両の進行方向、他車両の走行速度、他車両が走行する道路の道路リンク情報、および他車両の優先度情報を取得する。 【0019】 代表車両設定機能は、自車両および自車両周辺に存在する他車両の中から、これら車両の情報を収集し、収集した情報を情報センター200に代表して送信する車両である代表車両を設定する。具体的には、代表車両設定機能は、まず、自車両情報取得機能により取得した自車両の車両情報と、他車両情報取得機能により取得した他車両の車両情報とに基づいて、自車両周辺に存在する車両のうち、自車両の走行状態と合致する他車両を抽出する。例えば、代表車両設定機能は、自車両の車両情報に含まれる自車両の走行速度、自車両の進行方向、および自車両が走行している道路リンク情報と、他車両の車両情報に含まれる他車両の走行速度、他車両の進行方向、および他車両が走行している道路リンク情報とをそれぞれ比較することで、自車両と進行方向が同じであり、かつ、自車両と同じ道路を走行している他車両のうち、自車両の走行速度との差が所定値以下である他車両を、自車両の走行状態と合致する他車両として抽出することができる。なお、自車両と進行方向が同じとは、道路上において自車両と同じ方向に向かっていること(自車両と逆方向に走行していないこと)を意味するものである。 【0020】 そして、代表車両設定機能は、自車両の車両情報に含まれる自車両の優先度情報と、他車両の車両情報に含まれる他車両の優先度情報とに基づいて、自車両および自車両の走行状態と合致する他車両の中から、代表車両を設定する。例えば、代表車両設定機能は、各車両の情報センター200との通信速度、制御装置150の演算処理速度、および各車両が代表車両であった際の収集対象車両の車両台数などの優先度情報に基づいて、各車両の優先度を決定し、この優先度が最も高い車両を代表車両として設定することができる。なお、情報センター200との通信速度および制御装置150の演算処理速度は、その速度が速いほど、また、代表車両であった際の収集対象車両の車両台数はその数が多いほど、各車両の優先度は高く決定される。 【0021】 収集機能は、代表車両設定機能により自車両が代表車両に設定された場合に、自車両および自車両の走行状態と合致する収集対象車両から、情報センター200に送信するための情報を収集する。例えば、収集機能は、情報センター200に送信するための情報を、自車両の各車載装置から取得するとともに、車車間通信装置170を介して、収集対象車両から取得することができる。また、収集機能は、情報センター200に送信するための情報を収集する際に、自車両が走行中であるか、または、停車中であるかを判断し、該判断結果に応じて、自車両および収集対象車両から収集する情報センター200に送信するための情報を異ならせる。例えば、収集機能は、自車両が走行中である場合には、情報センター200に送信するための情報として、現在の車両の走行状態に関する車両の位置、走行速度、およびエネルギー残量などのリアルタイム性が要求される情報を収集し、自車両が停車中である場合には、情報センター200に送信するための情報として、車両の使用履歴に関する累積エンジン駆動時間、累積バッテリ駆動時間、および累積走行距離などのリアルタイム性が要求されない情報を収集することができる。なお、各車両の位置および走行速度は、自車両情報取得機能により取得された自車両の位置および走行速度と、他車両情報取得機能により取得され他車両の位置および走行速度とを用いてもよい。 【0022】 情報センター送信機能は、代表車両設定機能により自車両が代表車両に設定された場合に、収集機能により収集された情報を、情報センター通信装置160を介して、情報センター200に送信する。 【0023】 代表車両送信機能は、代表車両設定機能により他車両が代表車両に設定された場合に、代表車両である他車両の要求に応じて、情報センター200に送信するための情報を、車車間通信装置170を介して、代表車両である他車両に送信する。 【0024】 情報センター用通信装置160は、車両外部に設置された情報センター200と通信し、情報センター200と情報の授受を行う。具体的には、情報センター用通信装置160は、自車両が代表車両に設定された場合に、情報センター200に送信するための情報を制御装置150から取得し、取得した情報を情報センター200に送信する。 【0025】 車車間通信装置170は、自車両と他車両との間の通信を行う。具体的には、車車間通信装置170は、自車両周辺の他車両から、他車両の車両情報や情報センター200に送信するための情報を受信し、受信した情報を制御装置150に送信する。また、車車間通信装置170は、他車両が代表車両に設定された場合に、制御装置150から、自車両の車両情報や情報センター200に送信するための情報を取得し、取得した情報を、代表車両に設定された他車両に送信する。なお、車車間通信装置170として、例えば、無線LANを介して他車両と通信可能な無線通信装置を用いることができる。」 「 [図:0001391821000006.jpg] 」(【図1】) したがって、上記引用文献3には、以下の技術的事項(以下、「引用文献3に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「 自車両及び他車両を含む車両群にて取得された、車両情報を集約する車載通信装置100及び情報センター200用の車載通信装置100であって、 自車両が車両群における代表車両であると設定された場合、自車両にて取得された車両情報を送信する情報センター通信装置160と、 自車両が車両群における代表車両でないと設定された場合、自車両にて取得された車両情報を送信する車車間通信装置170と、 を備える車載通信装置100。」 4.引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、次の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、いわゆるプローブ情報システムを構成する車載機器である車両用情報処理装置、及び交通情報収集提供システムに関する。」 「【0010】 この本発明の第1の態様によれば、自車両が渋滞路を走行している場合、及び自車両周辺の所定領域内に渋滞路が存在する場合に、自車両の現在位置を含む情報が車外設備に送信される。この結果、車外設備において渋滞路の迂回路を含めた渋滞情報を作成することができ、且つ不要な情報送信を抑制して通信コストを節約することができる。すなわち、通信コストを抑制しつつ、渋滞迂回路についての情報を適切に車外設備に送信することができる。」 「【実施例】 【0017】 <第1実施例> 以下、本発明の第1実施例に係る交通情報収集提供システム1、及び車両用情報処理装置11について説明する。 【0018】 [構成] 図1は、交通情報収集提供システム1の全体構成の一例を示す図である。交通情報収集提供システム1は、主要な構成として、複数の車両に搭載される車両用情報処理装置11と、情報センター100とを備える。 【0019】 車両用情報処理装置11は、GPS受信機20と、INS(Inertial Navigation System)用センサー25と、走行状態検知用センサー30と、メモリ40と、HMI(Human Machine Interface)50と、ナビゲーション装置用ECU(Electronic Control Unit)60と、通信装置70と、を備える。なお、図中矢印は、多重通信線等を介し、CAN(Controller Area Network)やBEAN、AVC-LAN、FlexRay等の適切な通信プロトコルを用いて行なわれる機器間の情報通信の流れを示す。 【0020】 GPS受信機20は、GPS衛星から衛星の軌道と時刻のデータを含む電波信号を受信してナビゲーション装置用ECU60に出力する。INS用センサー25は、例えばジャイロセンサーや車速センサーを含み、センサー出力値をナビゲーション装置用ECU60に出力する。 【0021】 走行状態検知用センサー30は、例えば、車速センサー(INS用センサー25の機能を兼ねてもよい)やアクセル開度センサー、ブレーキ踏量センサー等を含み、センサー出力値をナビゲーション装置用ECU60に出力する。」 「【0033】 情報送信可否判断部68は、所定の場合に、自車両の現在位置及び進行方向(方位)、及び当該位置(及び方位)において渋滞が発生しているか否かについての情報(プローブ情報)を情報センター100に送信するように、通信装置70を制御する。これにより、情報センター100では、現に渋滞が発生している道路を特定することができ、リアルタイムに生成された渋滞情報を各車両に提供することが可能となる。 【0034】 ここで、渋滞が発生しているか否かは、走行状態検知用センサー30の出力値に基づいて判断する。例えば、車速が所定車速未満の状態が所定時間以上継続した場合や、所定時間以内にアクセルオフの状態(又はブレーキ操作がなされた状態)が所定回数以上発生した場合に、渋滞が発生していると判断することができる。なお、車両側で渋滞が発生しているか否かを特定せずに、車速や運転操作履歴等のデータを情報センター100に送信し、情報センター100において渋滞が発生しているか否かを判断してもよい。」 「【0035】 [特徴的な処理内容1] 以下、情報送信可否判断部68が情報送信の可否を決定する際の動作について説明する。図2は、第1実施例に係るナビゲーション装置用ECU60が実行する、特徴的な処理の流れを示すフローチャートである。本フローは、例えば、地図データにおける新規リンク進入時、所定時間又は距離走行毎、情報センター100からの渋滞情報受信時毎など、適切な頻度をもって繰り返し実行される。 【0036】 まず、通信装置70により渋滞情報を受信する(S100)。 【0037】 そして、走行状態検知用センサー30の出力値に基づいて自車両の走行している道路が渋滞中であるか否かを判定する(S102)。自車両の走行している道路が渋滞中であると判定された場合は、前述の如くプローブ情報を情報センター100に送信する(S108)。 【0038】 一方、自車両の走行している道路が渋滞中でないと判定された場合には、自車両周辺の所定領域内に渋滞路が存在するか否かを判定する(S104)。 ・・・ 【0043】 自車両周辺の所定領域内に渋滞路が存在する場合には、プローブ情報を情報センター100に送信する(S108)。本ステップに到達するのは、S102において自車両の走行している道路が渋滞中でないと判定された場合である。従って、情報センター100においては、渋滞路からの迂回路となりうる周辺道路(渋滞していないもの)についての情報を得ることができる。この結果、車両側では、渋滞路の迂回路についての情報を情報センター100から受け取ることができる。 【0044】 自車両の走行している道路が渋滞中でなく、自車両周辺の所定領域内にも渋滞路が存在しないと判定された場合は、プローブ情報を情報センター100に送信しない(S106)。これにより、不要な情報送信を抑制して通信コストを節約することができる。本来、順調に交通が流れている道路について迂回路の情報は不要であり、係る情報を収集するための通信接続を省略することで、必要な情報に限定して情報センター100との通信接続を行なうことになるからである。」 「 [図:0001391821000007.jpg] 」(【図1】) 「 [図:0001391821000008.jpg] 」(【図2】) したがって、上記引用文献4には、以下の技術的事項(以下、「引用文献4に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「 自車両にて取得された、プローブ情報を収集する交通情報収集提供システム1用の車両用情報処理装置11であって、 自車両が渋滞路を走行中であるか否か及び自車両周辺の所定領域内に渋滞路が存在するか否かに基づき、自車両にて取得されたプローブ情報の送信可否を判断する情報送信可否判断部68と、 情報送信可否判断部68により送信可と判断された場合、自車両にて取得されたプローブ情報を送信する通信装置70と、 を備える車両用情報処理装置11。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 本願発明1における「データ収集システム用のクライアント装置」に関して 引用発明における「車両」は、本願発明1における「自車両」に相当し、同様に、「他車両」は「他車両」に、「複数の車両」は「複数台の車両」に、それぞれ相当する。 また、引用発明における「車両及び他車両を含む複数の車両にて集められた、速度、ワイパ動作、ライト点灯等のプローブデータ」は、本願発明1における「自車両及び他車両を含む複数台の車両にて取得された、固有データ及び非固有データを含む複数種類のデータ」と、「自車両及び他車両を含む複数台の車両にて取得された、複数種類のデータ」という限りにおいて一致する。 さらに、引用発明における「プローブ情報収集システム1」は、本願発明1における「データ収集システム」に相当し、同様に、「収集装置」は「クライアント装置」に相当することから、引用発明における「プローブ情報収集システム1用の収集装置」は、本願発明1における「データ収集システム用のクライアント装置」に相当する。 イ 本願発明1における「固有データ送信要否判定部」、「固有データ送信部」、「非固有データ送信要否判定部」及び「非固有データ送信部」に関して (ア) 引用発明における「車群プローブデータ処理装置13のプローブデータ参照部23及び問合せ実行部27」及び「車群プローブデータ処理装置13のデータ送受信部24及びセンタ通信装置14」について 引用発明における「親車両」は、本願発明1における「代表車両」に相当する。 そして、引用発明における「車両が複数の車両における親車両であると決定された場合」は、本願発明1における「複数台の車両にて取得された固有データを用いて自車両が複数台の車両における代表車両であると判定された場合」と、「自車両が複数台の車両における代表車両であると判定された場合」という限りにおいて一致する。 そうすると、引用発明における「車両が複数の車両における親車両であると決定された場合、車両にて集められたプローブデータがセンタ送信ポリシにおいて規定されたセンタ131に上げるプローブデータの集合に対する制約を満足しているかを判断する車群プローブデータ処理装置13のプローブデータ参照部23及び問合せ実行部27」は、本願発明1における「自車両の走行状態又は自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき、自車両にて取得された固有データの送信要否を判定する固有データ送信要否判定部」及び「複数台の車両にて取得された固有データを用いて自車両が複数台の車両における代表車両であると判定された場合、自車両の走行状態又は自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき、自車両にて取得された非固有データの送信要否を判定する非固有データ送信要否判定部」と、「自車両が複数台の車両における代表車両であると判定された場合、自車両にて取得されたデータの送信要否を判定するデータ送信要否判定部」という限りにおいて一致する。 また、引用発明における「車群プローブデータ処理装置13のプローブデータ参照部23及び問合せ実行部27によりセンタ131に上げるプローブデータの集合に対する制約を満足していると判断された場合」は、本願発明1における「固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合」及び「非固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合」と、「データ送信要否判定部により送信要と判定された場合」という限りにおいて一致する。 そうすると、引用発明における「車群プローブデータ処理装置13のプローブデータ参照部23及び問合せ実行部27によりセンタ131に上げるプローブデータの集合に対する制約を満足していると判断された場合、車両にて集められたプローブデータを送信する車群プローブデータ処理装置13のデータ送受信部24及びセンタ通信装置14」は、本願発明1における「固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、自車両にて取得された固有データを送信する固有データ送信部」及び「非固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、自車両にて取得された非固有データを送信する非固有データ送信部」と、「データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、自車両にて取得されたデータを送信するデータ送信部」という限りにおいて一致する。 (イ) 引用発明における「車群プローブデータ処理装置13の問合せ実行部27」及び「車車間通信装置15」について a 本願発明1における「固有データ送信要否判定部」及び「固有データ送信部」に関して 引用発明における「車両が複数の車両における親車両でないと決定された場合、車両にて集められたプローブデータがセンタ送信ポリシに基づいて作成された問合せ条件を満足しているかを判断する車群プローブデータ処理装置13の問合せ実行部27」は、本願発明1における「自車両にて取得された固有データの送信要否を判定する固有データ送信要否判定部」と、「自車両が複数台の車両における代表車両でないと判定された場合、自車両にて取得されたデータの送信要否を判定するデータ送信要否判定部」という限りにおいて一致する。 また、引用発明における「車群プローブデータ処理装置13の問合せ実行部27によりセンタ送信ポリシに基づいて作成された問合せ条件を満足していると判断された場合」は、本願発明1における「固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合」と、「データ送信要否判定部により送信要と判定された場合」という限りにおいて一致する。 そうすると、引用発明における「車群プローブデータ処理装置13の問合せ実行部27によりセンタ送信ポリシに基づいて作成された問合せ条件を満足していると判断された場合、車両にて集められたプローブデータを送信する車車間通信装置15」は、本願発明1における「固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、自車両にて取得された固有データを送信する固有データ送信部」と、「データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、自車両にて取得されたデータを送信するデータ送信部」という限りにおいて一致する。 b 本願発明1における「非固有データ送信要否判定部」及び「非固有データ送信部」に関して 引用発明における「車両が複数の車両における親車両でないと決定された場合、車両にて集められたプローブデータがセンタ送信ポリシに基づいて作成された問合せ条件を満足しているかを判断する車群プローブデータ処理装置13の問合せ実行部27」は、本願発明1における「複数台の車両にて取得された固有データを用いて自車両が複数台の車両における代表車両であると判定された場合、自車両の走行状態又は自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき、自車両にて取得された非固有データの送信要否を判定する非固有データ送信要否判定部」と、「自車両にて取得されたデータの送信要否を判定するデータ送信要否判定部」という限りにおいて一致する。 また、引用発明における「車群プローブデータ処理装置13の問合せ実行部27によりセンタ送信ポリシに基づいて作成された問合せ条件を満足していると判断された場合」は、本願発明1における「非固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合」と、「データ送信要否判定部により送信要と判定された場合」という限りにおいて一致する。 そうすると、引用発明における「車群プローブデータ処理装置13の問合せ実行部27によりセンタ送信ポリシに基づいて作成された問合せ条件を満足していると判断された場合、車両にて集められたプローブデータを送信する車車間通信装置15」は、本願発明1における「非固有データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、自車両にて取得された非固有データを送信する非固有データ送信部」と、「データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、自車両にて取得されたデータを送信するデータ送信部」という限りにおいて一致する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「 自車両及び他車両を含む複数台の車両にて取得された、複数種類のデータを収集するデータ収集システム用のクライアント装置であって、 自車両が複数台の車両における代表車両であると判定された場合及び自車両が複数台の車両における代表車両でないと判定された場合、自車両にて取得されたデータの送信要否を判定するデータ送信要否判定部と、 データ送信要否判定部により送信要と判定された場合、自車両にて取得されたデータを送信するデータ送信部と、 を備えるクライアント装置。」 (相違点) 本願発明1は、自車両及び他車両を含む複数台の車両にて取得された複数種類のデータを「固有データ及び非固有データを含む」ものとし、「固有データ」については、「固有データ送信要否判定部」と「固有データ送信部」を備え、「固有データ送信要否判定部」は、「前記自車両の走行状態又は前記自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき」、前記自車両にて取得された前記固有データの送信要否を判定するものであり、「非固有データ」については、「非固有データ送信要否判定部」と「非固有データ送信部」を備え、「非固有データ送信要否判定部」は、「前記複数台の車両にて取得された前記固有データを用いて」自車両が前記複数台の車両における代表車両であると判定された場合、「前記自車両の走行状態又は前記自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき」、自車両にて取得された前記非固有データの送信要否を判定するものであるのに対し、引用発明は、複数種類のデータを本願発明1のように「固有データ及び非固有データを含む」ものとはしておらず、「固有データ」についての「固有データ送信要否判定部」と「固有データ送信部」及び「非固有データ」についての「非固有データ送信要否判定部」と「非固有データ送信部」を備えておらず、親車両(代表車両)であるかは本願発明1のように「前記複数台の車両にて取得された前記固有データを用いて」決定(判定)されるものではなく、「プローブデータ」の送信は「センタ送信ポリシ」に基づいて判断するものであって本願発明1のように「前記自車両の走行状態又は前記自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づ」いて送信要否を判定するものではない点。 (2)相違点についての判断 上記相違点について検討する。 引用文献2-4に記載された技術的事項は、「第4 引用文献、引用発明等」の「2.引用文献2について」-「4.引用文献4について」に記載のとおりである。 しかしながら、引用文献2-4に記載された技術的事項のいずれにおいても、相違点に係る本願発明1の特定事項のように、自車両及び他車両を含む複数台の車両にて取得された複数種類のデータを「固有データ及び非固有データを含む」ものとし、「固有データ」と「非固有データ」ごとに、「前記自車両の走行状態又は前記自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき」、それぞれの「送信要否を判定するもの」ではない、すなわち、「固有データ」について「前記自車両の走行状態又は前記自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき」、前記自車両にて取得された前記固有データの送信要否を判定する「固有データ送信要否判定部」を備えるものではなく、「非固有データ」について「前記複数台の車両にて取得された前記固有データを用いて」自車両が前記複数台の車両における代表車両であると判定された場合、「前記自車両の走行状態又は前記自車両の周辺環境のうちの少なくとも一方に基づき」、自車両にて取得された前記非固有データの送信要否を判定する「非固有データ送信要否判定部」を備えるものではないことから、当業者といえども、引用発明及び引用文献2―4に記載された技術的事項から、相違点に係る本願発明1の発明特定事項に容易に想到することはできない。 したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2―4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 2.本願発明2―15について 本願発明2―15も、本願発明1と同一の発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2―4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3.本願発明16について 本願発明16は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の「固有データ送信要否判定部」、「固有データ送信部」、「非固有データ送信要否判定部」及び「非固有データ送信部」に対応する発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2―4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 4.本願発明17について 本願発明17は、本願発明1のクライアント装置が複数個設けられたデータ収集システムの発明であり、本願発明1の「固有データ送信要否判定部」、「固有データ送信部」、「非固有データ送信要否判定部」及び「非固有データ送信部」に対応する発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2―4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1-17は、当業者が引用発明及び引用文献2―4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-002095

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