特許拒絶査定不服審判
2022-001218
呼気弁を備える折り畳み可能なフェイスピース呼吸マスク
- 審判番号
- 2022-001218
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-516848
- 請求日
- 2022年01月27日
- 審決日
- 2023年12月19日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
- 【請求人代理人】赤澤 太朗
- 【請求人代理人】野村 和歌子
- 【請求人代理人】佃 誠玄
- 【請求人代理人】浅村 敬一
- 審判長/審判官
- 審判長 藤原 直欣
- 審判官 久保 克彦
- 審判官 稲葉 大紀
- 分類
- P18 .575-Z (A41D) / P18 .113-Z (A41D) / P18 .121-Z (A41D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-516848「呼気弁を備える折り畳み可能なフェイスピース呼吸マスク」拒絶査定不服審判事件〔平成29年4月6日国際公開、WO2017/058880、平成30年12月6日国内公表、特表2018-536099〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)9月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2015年(平成27年)9月30日 ロシア(RU))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和 2年 8月12日付け : 拒絶理由通知
2年11月 2日 : 意見書及び手続補正書の提出
3年 2月25日付け : 拒絶理由通知<<最後>>
3年 7月 8日 : 意見書及び手続補正書の提出
3年 9月13日付け : 令和3年7月8日に提出された手続補正書による補正の却下の決定
3年 9月13日付け : 拒絶査定
4年 1月27日 : 本件審判請求、同時に手続補正書の提出(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。)
第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1) 本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「マスク本体を備える折り畳み可能な濾過フェイスピース呼吸マスクであって、前記マスク本体は、前記マスク本体を第1の部分と第2の部分とに分離する折り目線である境界線を有し、前記呼吸マスクは、前記境界線上かつ前記マスク本体の中央領域に配置されることで使用中に着用者の口の上に本質的に配置される呼気弁を更に有し、前記境界線が前記弁の場所で不連続であり、
前記マスク本体は、トラス型形状を呈する構造パターンを有し、
前記マスク本体の前記第1の部分が前記マスク本体の上部分を形成し、かつ前記第2の部分が前記マスク本体の下部分を形成するように、前記境界線が横方向に延在する、折り畳み可能な濾過フェイスピース呼吸マスク。」
(2) 本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和2年11月2日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「マスク本体を備える折り畳み可能な濾過フェイスピース呼吸マスクであって、前記マスク本体は、前記マスク本体を第1の部分と第2の部分とに分離する境界線を有し、前記呼吸マスクは、前記境界線上かつ前記マスク本体の中央領域に配置されることで使用中に着用者の口の上に本質的に配置される呼気弁を更に有し、前記境界線が前記弁の場所で不連続であり、
前記マスク本体は、トラス型形状を呈する構造パターンを有する、折り畳み可能な濾過フェイスピース呼吸マスク。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定する事項である「境界線」が、「折り目線」であること、及び、本件補正前の請求項2に記載されていた「前記マスク本体の前記第1の部分が前記マスク本体の上部分を形成し、かつ前記第2の部分が前記マスク本体の下部分を形成するように、前記境界線が横方向に延在する」との限定事項を付加する補正であって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か)について、以下、検討する。
(1) 本願補正発明
本願補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2) 引用文献
ア 引用文献1
(ア) 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された中国実用新案第204191652号明細書(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。なお、和訳については当審において作成した。
「[0007] 本実用新案の優れた点は次のとおりである。該空気中粒子状物質防護マスクは、ポリプロピレンメルトブローン繊維のエレクトレット濾材を濾過層として選択しているため、優れた防護性能を有し、物理的粒子のエアロゾルに対する濾過効率は99%を実現し、一方向呼気弁を取り付けることによって、吸気抵抗は120Pa未満、呼気抵抗は40Pa未満となり、国家標準に規定された250Paよりも大幅に低い。総合防護性能は、中国国家標準GB2626―2006 のKN95等級の要件を上回る。ノーズクリップ及びスポンジ棒が設置されることでマスク装着時により有効に顔面部へ密着し、非常に良好な防護作用を発揮する。さらに、マスクは折り畳み可能に設計され、包装や携帯に便利である。
・・・
[0009] 図2は、カップ型マスクの概略図である。
・・・
[0019] 実施例2
[0020] 図2に示すように、本実用新案は、カップ型の一方向呼気弁を有する空気中粒子状物質防護マスクであって、本体及び耳紐6を含む。本体は外層のスパンボンド不織布又はニードルパンチ不織布1、ポリプロピレンメルトブローン繊維のエレクトレット濾材である中間濾過層2及びスパンレース不織布の内層3を含み、マスク本体上に環状辺縁に沿って設けられる圧着線4によって外層1、中間濾過層2及び内層3が一体に圧着される。本体上縁の中央位置にノーズクリップ5が設置され、且つ内層のノーズクリップに対応する位置に密封棒が設置されることで、装着者にマスクがより有効に密着し、非常に良好な防護作用を発揮する。本体中央は呼気弁7であり、呼吸抵抗を有効に低下させる。耳紐6上に調節ボタン8及び9を備え、耳紐の長さを短縮することができ、異なる顔型の人が使用するのに便利である。
[0021] 本実用新案は、ポリプロピレンメルトブローン繊維のエレクトレット濾材を用いて作られたエレクトレット空気中粒子状物質防護マスクであって、濾過効率は99%より大きく、気流抵抗は120Pa未満であり、中国国家標準GB2626―2006のKN95防護等級の技術要件に適合する。」
(イ) 「【図2】
[図:0001411619000001.jpg]
」
(ウ) 引用文献1に記載された発明
上記(イ)の図示から、実施例2のマスク本体の中央の呼気弁7から左右に延びる 線が形成され、その線によりマスク本体が上部と下部に二分されていることが看取できる。
そうすると、上記摘記事項(ア)及び(イ)の図示から、特に実施例2に着目すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
<引用発明>
「本体は外層のスパンボンド不織布又はニードルパンチ不織布1、ポリプロピレンメルトブローン繊維のエレクトレット濾材である中間濾過層2及びスパンレース不織布の内層3を含み、本体上に環状辺縁に沿って設けられる圧着線4によって外層1、中間濾過層2及び内層3が一体に圧着され、本体上縁の中央位置にノーズクリップ5が設置され、且つ内層のノーズクリップに対応する位置に密封棒が設置され、本体の中央に呼気弁7、耳紐6上に調節ボタン8及び9を備え、本体を上部と下部に二分するように、本体の中央の呼気弁7から左右に延びる線が形成され、カップ型の一方向呼気弁を有する空気中粒子状物質防護マスク。」
イ 引用文献3
(ア) 引用文献3に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用された特開2011-62525号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦折り畳み式フィルタ式顔面装着呼吸マスクであって、
(a)横方向に延びる境界線と、縦軸と、上方で前記境界線を横切らないように前記縦軸の両側にそれぞれ配置された第1及び第2の溶接パターンと、下方で前記境界線を越えないように前記縦軸の両側にそれぞれ配置された第3及び第4の溶接パターンと、を有し、前記第1、第2、第3、及び第4の溶接パターンのそれぞれが二次元の閉鎖パターンである、マスク本体と、
(b)前記マスク本体に固定されたハーネスと、
を備える、平坦折り畳み式フィルタ式顔面装着呼吸マスク。
【請求項2】
各溶接パターンがトラス型形状を有する、請求項1に記載の平坦折り畳み式フィルタ式顔面装着呼吸マスク。」
「【0005】
使用中、フィルタ式顔面装着呼吸マスクは、それらの意図されるカップ状の構造を維持しなければならない。人の顔に着用されている間にマスクが他の物体に衝突するのと共に、何度も着用されて着用者の呼気からの多量の水分に晒された後、既知のマスクは、圧潰又はシェルに押し込まれた窪みを有し易くなり得る。着用者は、マスクを顔からずらしてマスクの内側から窪みを押すことによって、この窪みを取り除くことができる。使用中にマスクが圧潰するのを妨げるために、マスク本体構造に付加的な層を追加してマスクの構造的完全性を改善してきた。例えば、米国特許第6,923,182号(Angadjivand et al.)は、フィルタ層と第1及び第2の成形層との間の第1及び第2の接着剤層を使用して、耐圧潰性成型フィルタ式フェイスマスクを提供している。平坦折り畳み式呼吸マスクの構造的完全性を保つために、米国特許第6,394,090号(Chen)は、使用中の圧潰を防ぐのを補助するための第1及び第2の境界線をマスク本体に設けている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、使用中のマスク本体の圧潰を防止するのに役立つ、新しい平坦折り畳み式フィルタ式顔面装着呼吸マスク構成体を提供する。・・・」
「【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】 本発明による平坦折り畳み式フィルタ式顔面装着呼吸マスク10の斜視図。
【図2】 図1に示される平坦折り畳み式フィルタ式顔面装着呼吸マスク10の正面図。
・・・
【0045】
図2は、平坦折り畳み式呼吸マスク10が、上方で境界線22を横切らないように配置された第1及び第2の溶接パターン32a、32bを有するところを示している。第1及び第2の溶接パターン32a、32bは、縦軸34の両側に位置付けられる。第3及び第4の溶接パターン32c及び32dは、下方で境界線22を越えないように配置される。溶接パターン32c及び32dはまた、縦軸34の両側に位置付けられる。第1、第2、第3、及び第4の溶接パターン32a、32b、32c、32dのそれぞれは、二次元の閉鎖パターンを画定する溶着線32’を包含する。各溶接パターンは、例えば、丸みのあるコーナーを有し、かつその内側に位置付けられた一対の三角形36及び38を有する、大きな三角形を包含するトラス型形状を呈してもよい。三角形36、38のそれぞれは、三角形36、38のそれぞれの2辺が三角形32a~32dのそれぞれの部分辺も形成するように、大きな三角形32a~32d内に入れ子となっている。
・・・
【0077】
試験結果は、溶接強化パターンが形成されたマスクの耐圧潰性は、重い構成体よりも軽量化された構成体により大きな影響を与えたことを示した。溶接パターンを備えない軽量化された構成体のマスクと比較して、トラス型の溶接パターンは、軽量化された構成体に耐圧潰性の改善をもたらした。」
(イ) 「【図1】
[図:0001411619000002.jpg]
【図2】
[図:0001411619000003.jpg]
」
(ウ) 引用文献3に記載された事項
上記摘記事項(ア)及び(イ)から、引用文献3には、以下の事項(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。
<引用文献3記載事項>
「平坦折り畳み式フィルタ式顔面装着呼吸マスクに関し、トラス型形状を有する溶接パターンを設けることで、当該マスクに対して、耐圧潰性の改善をもたらすこと。」
(3) 引用発明との対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
引用発明の「本体」は、本願補正発明の「マスク本体」に相当する。
引用発明の「本体を上部と下部に二分するように、本体の中央の呼気弁7から左右に延びる線」は、「上部」、「下部」及び「線」の配置態様からみて、当該「線」は横方向に延在するものであり且つ「上部」と「下部」の間の境界線ともいえるものであるから、本願補正発明の「マスク本体を第1の部分と第2の部分とに分離する」「境界線」及び「マスク本体の前記第1の部分が前記マスク本体の上部分を形成し、かつ前記第2の部分が前記マスク本体の下部分を形成するように、前記境界線が横方向に延在する」に相当する。
加えて、引用発明の「左右に延びる線が形成され」る「本体の中央の呼気弁7」は、マスク本体の中央の領域への呼気弁7の配置により、使用中は着用者の口の上に呼気弁7が配置されるものであることは明らかであるから、本願補正発明の「境界線上かつ前記マスク本体の中央領域に配置されることで使用中に着用者の口の上に本質的に配置される呼気弁」に相当し、さらに、引用発明の「呼気弁7から左右に延びる線」は、「呼気弁7」が中央にあることで左右の「線」が不連続といえるから、「境界線が前記弁の場所で不連続であり」に相当する。
本願補正発明の「濾過フェイスピース」は、「マスク本体自体が通過する空気を濾過するように設計され、この目的を達成するためにマスク本体に取り付けられた又は成形された識別可能なフィルタカートリッジ又はインサート成形されたフィルタ要素が別個にないことを意味する」(本願明細書の段落【0014】)から、引用発明の「一方向呼気弁を有する空気中粒子状物質防護マスク」は、本願補正発明の「濾過フェイスピース呼吸マスク」に相当する。
そうすると、本願補正発明と引用発明とは、
「マスク本体を備える濾過フェイスピース呼吸マスクであって、前記マスク本体は、前記マスク本体を第1の部分と第2の部分とに分離する境界線を有し、前記呼吸マスクは、前記境界線上かつ前記マスク本体の中央領域に配置されることで使用中に着用者の口の上に本質的に配置される呼気弁を更に有し、前記境界線が前記弁の場所で不連続であり、
前記マスク本体の前記第1の部分が前記マスク本体の上部分を形成し、かつ前記第2の部分が前記マスク本体の下部分を形成するように、前記境界線が横方向に延在する、濾過フェイスピース呼吸マスク。」である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
本願補正発明は、「境界線」が「折り目線」であり「折り畳み可能な」マスクであるのに対し、引用発明は、「線」が折り目線であり且つマスクが折り畳み可能であることについて特定されていない点。
<相違点2>
マスク本体に関し、本願補正発明は「トラス型形状を呈する構造パターンを有」するのに対し、引用発明は、このような特定はない点。
(4) 相違点についての判断
以下、上記相違点について検討する。
ア 相違点1について
引用文献1には、「マスクは折り畳み可能に設計され、包装や携帯に便利である。」([0007])と記載されており、引用発明のマスクは、折り畳み可能とすることの示唆がある。
また、マスクにおいて上部分と下部分の境界線を折り目線とし、折り畳み可能とすることは当業者にとって、周知技術(例えば、特開2010-187901号公報(段落【0028】~【0038】、図1)、特開平3-173580号公報(第1ページ右下欄第20行~第2ページ左上欄第11行、第1図~第5図)、実願昭61-178928号(実開昭63-84253号)のマイクロフィルム(明細書第4ページ第16行~同7ページ第8行、第1図~第6図)参照のこと。以下、「周知技術1」という。)である。
そうすると、引用発明は、マスクを折り畳み可能とすることの動機付けがあり、上記周知技術1を踏まえ、引用発明における「線」を折り畳みための「折り目線」とすることで、相違点1に係る本願補正発明の構成を備えたものとすることは、当業者が容易になし得た事項である。
イ 相違点2について
引用発明と同一の技術分野に属する文献である引用文献3には、上記(2)イ(ウ)に示したとおり、以下の引用文献3記載事項が記載されている。
「平坦折り畳み式フィルタ式顔面装着呼吸マスクに関し、トラス型形状を有する溶接パターンを設けることで、当該マスクに対して、耐圧潰性の改善をもたらすこと。」
引用文献1には、「ノーズクリップ及びスポンジ棒が設置されることでマスク装着時により有効に顔面部へ密着し、非常に良好な防護作用を発揮する。」([0007])との記載がある。そうすると、引用発明は、本体の環状辺縁の顔面への密着に加え、本体中央の呼気弁7を含めマスク装着時に本体中央の内側に顔面との空間を生じせしめ、かつ、当該空間を維持しようとする必要性があり、当該空間を維持しつつ潰れないようにするために、上記引用文献3記載事項を採用することの動機付けがある。
したがって、引用文献3記載事項を踏まえ、引用発明において、相違点2に係る本願補正発明に係る構成を備えたものとすることは、当業者が容易になし得た事項である。
ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献3記載事項及び周知技術1の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
エ したがって、本願補正発明は、引用発明、引用文献3記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
以上のことから、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~6に係る発明は、令和2年11月2日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献3に記載の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許受けることができない、というものを含むものである。
引用文献1:中国実用新案第204191652号明細書
引用文献3:特開2011-62525号公報
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用文献3の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本願補正発明から、「境界線」が「折り目線」であること及び「前記マスク本体の前記第1の部分が前記マスク本体の上部分を形成し、かつ前記第2の部分が前記マスク本体の下部分を形成するように、前記境界線が横方向に延在する」との限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2の[理由]2(4)に記載したとおり、引用発明、引用文献3記載事項及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明、及び、引用文献3記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明、すなわち、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-001218