2022-000295
プローブカードモジュール
- 審判番号
- 2022-000295
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-240060外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年01月07日
- 審決日
- 2022年10月27日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】新特系統股▲フン▼有限公司
- 【請求人代理人】村井 康司
- 【請求人代理人】西尾 剛輝
- 分類
- P18 .121-Z (G01R)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成29年10月19日の特許出願(特願2017-202831号)の一部を令和元年12月30日に新たな特許出願としたものであって(パリ条約による優先権主張 2016年10月21日、米国)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
同年 8月31日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年 9月 7日 :原査定の謄本の送達)
第2 本願発明について
本願の請求項1~10に係る発明は、令和4年1月7日に提出された手続補正書により補正された請求項1~10に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1の記載は次のとおりである。
以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。
「 【請求項1】第1非反相出力端(324)及び第1反相出力端(326)を有する第1駆動ユニット(320)であって、前記第1非反相出力端(324)は第1スイッチ(Q1)に接続され、前記第1スイッチ(Q1)の両端のうちの一方は第1導電性プローブ(380)及び第1抵抗器(R41)に接続され、続きを表示(全12行)前記第1スイッチ(Q1)の前記両端のうちの他方は第1電流源(Is1)に接続され、前記第1反相出力端(326)は第2スイッチ(Q2)に接続され、前記第2スイッチ(Q2)の両端のうちの一方は第2導電性プローブ(381)及び第2抵抗器(R42)に接続され、前記第2スイッチ(Q2)の前記両端のうちの他方は前記第1電流源(Is1)に接続される、第1駆動ユニット(320)、を備え、前記第1導電性プローブ(380)は前記第1抵抗器(R41)に接続され、前記第2導電性プローブ(381)は前記第2抵抗器(R42)に接続される、プローブカードモジュール(300)。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての理由の概要は、次のとおりである。
なお、原査定においては、引用文献1を主たる引用文献とする進歩性欠如の理由と、引用文献2を主たる引用文献とする進歩性欠如の理由の2つの理由が示されている。
理由1(進歩性)
本願発明は、下記の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
第4 引用文献等
1 引用文献2
(1) 引用文献2の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用した引用文献2には、以下の記載がある。下線は当審において付与した。以下同様である。
「[0001] 本発明は、伝送線路を介して差動信号を出力する差動ドライバ回路に関する。[0002] 複数の半導体デバイス間で高速なデータ通信を実現するために、CML(Current Mode Logic)やLVDS(Low Voltage Differential Signaling)と称される差動伝送が利用される。差動伝送のための差動インタフェースを備える半導体デバイスを試験する試験装置には、半導体デバイスに対して差動信号を出力する差動ドライバ回路が搭載される。」
「[0014](第1の実施の形態)図1は、実施の形態に係る差動ドライバ回路100の構成を示す回路図である。差動ドライバ回路100は、相補的な差動パターン信号PAT、PATxを受け、それに応じた差動出力OUT、OUTxを発生し、差動伝送線路102へと出力する。差動ドライバ回路100は制御信号SWに応じて、差動出力OUT、OUTxの振幅が調節可能に構成されることを特徴とする。差動パターン信号PAT、PATxは、互いに相補的なレベル1(ハイレベル)、0(ローレベル)をとる。[0015] 差動ドライバ回路100は、第1出力端子Po1、第2出力端子Po2、第1抵抗R1、第2抵抗R2、複数(n個)の差動対101~10n、第1電流源12、複数(n個の)プリドライバ141~14n、第1電圧源16を備える。図1には、理解の容易化と説明の簡略化のためにn=2の場合が示されるが、本発明はそれに限定されず、後述の図5で示すように、任意の自然数nに適用することができる。[0016] 第1出力端子Po1には差動伝送線路102の一方が接続される。第2出力端子Po2には、差動伝送線路102の他方が接続される。第1抵抗R1の一端には、所定の電圧VHが印加され、その他端は第1出力端子Po1と接続される。第2抵抗R2の一端には、所定の電圧VHが印加され、その他端は第2出力端子Po2と接続される。第1電圧源16は電圧VHを生成する。[0017] 複数の差動対101、102それぞれは、それぞれのソースが互いに接続された第1トランジスタMi1と第2トランジスタMi2を含む。添え字のi(1≦i≦M)はそのトランジスタが属する差動対を示す。トランジスタMi1、Mi2はMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、同じ差動対を形成するトランジスタ同士Mi1、Mi2のサイズは等しい。つまり、トランジスタMi1、Mi2それぞれのW/L(ゲート幅/ゲート長)は等しくなっている。[0018] 第1トランジスタMi1のドレインは第1出力端子Po1に接続され、そのゲートには送信すべき差動信号の一方PATiが入力される。第2トランジスタMi2のドレインは第2出力端子Po2に接続され、そのゲートには送信すべき差動信号の他方PATixが入力されている。[0019] 第1電流源12は、すべての差動対101、102の第1トランジスタMi1、第2トランジスタMi2のソースに共通に接続され、テイル電流Itを供給する。[0020] 複数のプリドライバ141、142はそれぞれ、複数の差動対101、102ごとに設けられる。i番目のプリドライバ14iは、対応する差動対10iを構成する第1トランジスタMi1、第2トランジスタMi2それぞれのゲートに対して、ゲート信号PATi、PATixを供給する。複数のプリドライバ141、142は、それぞれが独立にイネーブル(アクティブ)状態とディスイネーブル(非アクティブ)状態を選択的に切りかえ可能に構成される。プリドライバ14iはイネーブル状態において、対応する差動対10iに対して、送信すべき差動信号PAT、PATxに応じたゲート信号PATi、PATixを出力する。つまりイネーブル状態におけるゲート信号PATi、PATixは相補的なレベルをとる。[0021] またディスイネーブル状態においてプリドライバ14iは、対応する差動対10iの第1トランジスタMi1、第2トランジスタMi2がオフするレベルを有するゲート信号PATi、PATixを出力する。ディスエーブル状態におけるゲート信号PATi、PATixは、同じレベルをとることが許容される。[0022] 複数のプリドライバ141、142それぞれのイネーブル、ディスエーブル状態は、制御信号SWに応じて切りかえられる。本実施の形態において制御信号SWは、複数の複数のプリドライバ141、142に対応づけられる複数の制御信号SW1~SW2を含む。i番目のプリドライバ14iは、対応する制御信号SWiがアサート(たとえばハイレベル:1)されるときイネーブル状態、対応する制御信号SWiがネゲート(たとえばローレベル:0)されるときディスイネーブル状態となる。」
「[0083] 最後に、第1または第2の実施の形態に係る差動ドライバ回路のアプリケーションを説明する。図13は、実施の形態に係る差動ドライバ回路を備える試験装置2の構成を示すブロック図である。[0084] 試験装置2は、主としてパターン発生器PG、タイミング発生器TG、波形整形器FC、ドライバDR、タイミングコンパレータTC、論理比較器DCを備える。[0085] パターン発生器PGは、DUT1に対して供給すべきテストパターンを規定するパターンデータDPを発生する。タイミング発生器TGは、パターンデータDPにもとづいて、DUT1に与えるべき信号Voutのポジティブエッジおよびネガティブエッジのタイミングを設定するタイミング設定データTPを、所定の周期(以下、レート周期TRATEと称する)ごとに生成する。[0086] 波形整形器FCは、パターンデータDPおよびタイミング設定データTPを受け、それに応じたタイミングで値が変化する出力信号FPを生成する。ドライバDRは、上述の実施の形態に係るドライバ回路100、100a、300、400であり、波形整形器FCからの信号FPに応じたレベルを有する電圧VoutをDUT1へと出力する。[0087] タイミングコンパレータTCは、DUT1から出力される信号S2を受け、所定のタイミングでその値をラッチする。論理比較器DCは、テストサイクルごとのタイミングコンパレータTCの出力値を、それぞれに対応する期待値EXPとデジタル比較(Digital Compare)し、一致、不一致を示すパスフェイル信号PASS/FAILを生成する。パスフェイル信号はフェイルメモリFMに格納される。[0088] 以上が試験装置2の構成例である。実施の形態に係る差動ドライバ回路100や200を、このような試験装置2に搭載することにより、DUT1に対して供給する差動信号のレベルを、DUT1の種類や試験項目に応じて、任意に調節することができる。」
「[図1][図:0001395855000001.jpg]」
「[図13][図:0001395855000002.jpg]」
(2) 引用文献2の記載から認定した事項
引用文献2の図1及び図13から、差動ドライバ回路100からの差動出力OUT、OUTxは、2つの差動伝送線路102と試験対象(DUT1)を接続する2つの導電部材を介して試験対象(DUT1)に供給されることが読み取れる。
(3) 引用発明の認定
前記(1)において摘記した事項及び前記(2)において認定した事項を総合すると、引用文献2には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「差動伝送のための差動インタフェースを備える半導体デバイスに対して差動信号を出力して半導体デバイスを試験する試験装置であって、([0002])試験装置2は、主としてパターン発生器PG、タイミング発生器TG、波形整形器FC、ドライバDR、タイミングコンパレータTC、論理比較器DCを備えており、([0084])ドライバDRは、差動ドライバ回路100であり、([0014]、[0086])差動ドライバ回路100は、相補的な差動パターン信号PAT、PATxを受け、それに応じた差動出力OUT、OUTxを発生し、差動伝送線路102へと出力するものであり、制御信号SWに応じて、差動出力OUT、OUTxの振幅が調節可能に構成され、([0014])続きを表示(全16行)差動パターン信号PAT、PATxは、互いに相補的なレベル1(ハイレベル)、0(ローレベル)をとり、([0014])差動ドライバ回路100からの差動出力OUT、OUTxは、2つの差動伝送線路102と試験対象(DUT1)を接続する2つの導電部材を介して試験対象(DUT1)に供給され、([図1]、[図13]、前記(2)の認定事項)差動ドライバ回路100は、第1出力端子Po1、第2出力端子Po2、第1抵抗R1、第2抵抗R2、複数(n個)の差動対101~10n、第1電流源12、複数(n個の)プリドライバ141~14n、第1電圧源16を備え、([0015])n=2の場合には、([0015])第1出力端子Po1には差動伝送線路102の一方が接続され、第2出力端子Po2には、差動伝送線路102の他方が接続され、第1抵抗R1の一端には、所定の電圧VHが印加され、その他端は第1出力端子Po1と接続され、第2抵抗R2の一端には、所定の電圧VHが印加され、その他端は第2出力端子Po2と接続され、第1電圧源16は電圧VHを生成し、([0016])複数の差動対101、102それぞれは、それぞれのソースが互いに接続された第1トランジスタMi1と第2トランジスタMi2を含み、([0017])第1トランジスタMi1のドレインは第1出力端子Po1に接続され、そのゲートには送信すべき差動信号の一方PATiが入力され、第2トランジスタMi2のドレインは第2出力端子Po2に接続され、そのゲートには送信すべき差動信号の他方PATixが入力されており、([0018])第1電流源12は、すべての差動対101、102の第1トランジスタMi1、第2トランジスタMi2のソースに共通に接続され、テイル電流Itを供給するものであり、([0019])複数のプリドライバ141、142はそれぞれ、複数の差動対101、102ごとに設けられ、i番目のプリドライバ14iは、対応する差動対10iを構成する第1トランジスタMi1、第2トランジスタMi2それぞれのゲートに対して、ゲート信号PATi、PATixを供給し、複数のプリドライバ141、142は、それぞれが独立にイネーブル(アクティブ)状態とディスイネーブル(非アクティブ)状態を選択的に切りかえ可能に構成され、プリドライバ14iはイネーブル状態において、対応する差動対10iに対して、送信すべき差動信号PAT、PATxに応じたゲート信号PATi、PATixを出力して、イネーブル状態におけるゲート信号PATi、PATixは相補的なレベルをとり、([0020])ディスイネーブル状態においてプリドライバ14iは、対応する差動対10iの第1トランジスタMi1、第2トランジスタMi2がオフするレベルを有するゲート信号PATi、PATixを出力し、ディスエーブル状態におけるゲート信号PATi、PATixは、同じレベルをとることが許容され、([0021])複数のプリドライバ141、142それぞれのイネーブル、ディスエーブル状態は、制御信号SWに応じて切りかえられ、制御信号SWは、複数のプリドライバ141、142に対応づけられる複数の制御信号SW1~SW2を含み、i番目のプリドライバ14iは、対応する制御信号SWiがアサート(たとえばハイレベル:1)されるときイネーブル状態、対応する制御信号SWiがネゲート(たとえばローレベル:0)されるときディスイネーブル状態となる、([0022])差動ドライバ回路100を備える試験装置2。([0083])」
2 引用文献1
(1) 引用文献1の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用した引用文献1には、以下の記載がある。
「【0020】次に、本発明の第2の実施の形態にかかるプローブカードについて図面を参照して説明する。このプローブカード10は、図3に示すように、第1の実施の形態と同様にLSI(大規模集積回路)20と、その動作を試験するためのLSI試験装置30との間に配置されている。そして、プローブカード10は、LSI20とLSI試験装置30との間で信号を受け渡しする。LSI20及びLSI試験装置30の構成や機能は、第1の実施の形態で示したものと実質的に同一である。ただし、第2の実施の形態にかかるプローブカード10は、図3に模式的に示すように、第1の実施の形態で示したプローブカード10の中継部11と選択回路12の位置が入れ替わったような構成となっている。そして、第2の実施の形態にかかるプローブカード10は、第1の実施の形態で示した構成に加えて、プルアップ抵抗15を備えている。プルアップ抵抗15は、探針13の電位を安定化するために、各探針13に1つずつ接続するように、プローブカード10内部に設けられている。【0021】LSI試験装置30の出力部31から出力された試験信号は、1本の信号線51を介して、プローブカード10の選択回路12に入力される。選択回路12は、LSI試験装置30の部34からの制御信号に従って、LSI試験装置30の端子とLSI20の端子との接続を切り替える。即ち、選択回路12は、LSI試験装置30からの試験信号を供給するLSI20の端子を選択する。一方、中継部11は、LSI20の論理回路23,24,25,26からそれぞれ出力された出力信号を、信号線52を介してLSI試験装置30の入力部32に供給する。【0022】次に、LSI20の動作を試験する際の、プローブカード10及びLSI試験装置30の動作について説明する。なお、以下で示すLSI試験装置30の動作は、制御部34によって制御されている。初めに、試験対象であるLSI20が所定位置に設置されると、プローブカード10の探針13,14は、LSI20のそれぞれ対応するパッド21,22に接続される。探針13,14とパッド21,22が接続されると、LSI試験装置30の出力部31は、LSI20を試験するための試験信号を、1本の信号線51を介してプローブカード10の選択回路12に出力する。LSI試験装置30の選択部33は、制御線53,54を介して選択回路12に入力する制御信号の組み合わせを順次変更し、出力部31の端子とパッド21との接続を切り替える。即ち、選択部33は、試験信号を供給するパッド21を選択する。【0023】選択回路12での切り替えによって、LSI試験装置30からの試験信号は、探針13、パッド21を介して、順次LSI20の論理回路23~26に入力される。論理回路23~26は、LSI試験装置30からの試験信号に対応する出力信号を、パッド22及び探針14を介して、中継部11にそれぞれ出力する。中継部11は、論理回路23~26からそれぞれ出力された出力信号を、信号線52を介してLSI試験装置30の入力部32に供給する。LSI試験装置30の制御部34は、入力部32で受け取った出力信号の電圧と期待値とをそれぞれ比較し、LSI20の論理回路23~26が正常に作動しているか否かをそれぞれ判別する。そして、LSI試験装置30の制御部34は、上記の判別結果を図示せぬディスプレイやプリンタ等に出力する。以上で1つのLSI20に対する試験が終了する。なお、上記LSI20の試験は、試験対象であるLSI20全てに対して順に行われる。」
「【図3】[図:0001395855000003.jpg]」
(2) 引用文献1技術事項の認定
前記(1)において摘記した事項から、引用文献1には、次の技術事項が記載されていると認められる(以下「引用文献1技術事項」という。)
[引用文献1技術事項]
「LSI(大規模集積回路)20と、その動作を試験するためのLSI試験装置30との間に、LSI20とLSI試験装置30との間で信号の受け渡しをするプローブカード10が配置され、(【0020】)試験対象であるLSI20が所定位置に設置されると、プローブカード10の探針13,14が、LSI20のそれぞれ対応するパッド21,22に接続され、LSI試験装置30の出力部31から、LSI20を試験するための試験信号が、1本の信号線51を介してプローブカード10の選択回路12に出力され、(【0022】)選択回路12での切り替えによって、LSI試験装置30からの試験信号は、探針13、パッド21を介して、順次LSI20の論理回路23~26に入力され、パッド22及び探針14を介して、論理回路23~26から中継部11にそれぞれ出力された出力信号を、信号線52を介してLSI試験装置30の入力部32に供給し、LSI試験装置30の制御部34は、入力部32で受け取った出力信号の電圧と期待値とをそれぞれ比較し、LSI20の論理回路23~26が正常に作動しているか否かをそれぞれ判別すること。(【0023】)」
3 引用文献6
(1) 引用文献6の記載事項
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当審において新たに引用する特開2013-57523号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の記載がある。
「【0001】本発明は、プローブカード、半導体装置、半導体装置の試験方法、及び、半導体装置の製造方法に関する。【背景技術】【0002】近年、半導体装置の動作を高速化させる手法として、低電圧差動伝送(LVDS:Low Voltage Differential Signaling)などの差動伝送方式が利用されている。」
「【0024】<<第1の実施形態>>本実施形態では、プローブカードを用い、差動伝送方式を採用した半導体装置の試験を行う。図1は、本実施形態を説明するための図であり、プローブカード20、テスタ10、及び、半導体装置30各々の要部を抽出して模式的に示している。【0025】続きを表示(全18行)<テスタ10>テスタ10は、図1に示すように、配線5a及び5bを介してプローブカード20と接続する。そしてテスタ10は、プローブカード20を介して、半導体装置30に所定の信号を入力するとともに、半導体装置30から出力された信号を取得する。なお、配線5a及び5bは、配線長に差がある場合がある。このようなテスタ10は、従来技術に準じて実現することができる。【0026】<半導体装置30>半導体装置30は、差動伝送方式を採用している。すなわち、半導体装置30は、図1に示すように、差動信号入力用の対の第1の電極パッドP1及び第2の電極パッドP2(以下、「第1及び第2の電極パッドP1及びP2」という)を有する。なお、第1及び第2の電極パッドP1及びP2からなるペアの数は特段制限されないが、2~8ペア程度とすることができる。また、半導体装置30は、出力用の電極パッドや、差動信号と異なる信号入力用の電極パッド等、その他の電極パッドを備えることもできる。例えば、出力用の電極パッドとして、表示パネルのデータ線を駆動するものが含まれてもよい。また、差動信号と異なる信号入力用の電極パッドとして、電源入力パッドなどが含まれてもよい。このような半導体装置30は、従来技術に準じて実現することができる。【0027】<プローブカード>プローブカード20は、図1に示すように、基板4を有し、基板4は、第1のプローブ針1aと、第2のプローブ針2aと、第3のプローブ針1b及び1b´と、第4のプローブ針2b及び2b´と(以下、「第1乃至第4のプローブ針1a乃至2b´」という)を支持している。また、プローブカード20は、第3のプローブ針1b及び1b´と、第4のプローブ針2b及び2b´との間に、配線3及び抵抗部材RTからなる導通部材を有する。【0028】なお、プローブ針の本数は図示するものに限定されない。また、図示しないが、基板4は、出力用のプローブ針や、差動信号と異なる信号入力用のプローブ針等、その他のプローブ針を支持することもできる。【0029】第1のプローブ針1a、及び、第2のプローブ針2a(以下、「第1及び第2のプローブ針1a及び2a」という)は、差動信号入力用の対のプローブ針である。第1及び第2のプローブ針1a及び2aは、互いに異なる電極パッドに接続するよう配置される。図1に示す例では、第1のプローブ針1aは第1の電極パッドP1に、第2のプローブ針2aは第2の電極パッドP2に接続するよう配置されている。【0030】そして、第1及び第2のプローブ針1a及び2aは、配線5a及び5b各々を介してテスタ10と接続可能に構成されている。すなわち、第1及び第2のプローブ針1a及び2a各々を介して、テスタ10から第1及び第2の電極パッドP1及びP2各々に信号が入力される。」
「【図1】[図:0001395855000004.jpg]」
(2) 周知技術の認定
前記(1)の摘記事項に例示されているように、次の技術事項は当業者にとって周知の技術であったと認められる(以下「周知技術」という。)
[周知技術]
「差動伝送方式を採用した半導体装置の試験を行うために、基板に支持された差動信号入力用の対のプローブ針を有するプローブカードを用い、対のプローブ針を介して、テスタから半導体装置の電極パッドに所定の信号を入力するとともに、半導体装置から出力された信号を取得すること。」
第5 当審の判断
1 本願発明について
(1) 本願発明と引用発明の対比
本願発明と引用発明を対比する。
ア(ア) 引用発明において、「i番目のプリドライバ14iは、対応する差動対10iを構成する第1トランジスタMi1、第2トランジスタMi2それぞれのゲートに対して、ゲート信号PATi、PATixを供給」するものであるところ、「プリドライバ14i」は、「第1トランジスタMi1」のゲートに「ゲート信号PATi」を供給するための出力端子と、「第2トランジスタMi2」のゲートに「ゲート信号PATix」を供給するための出力端子を有していることは明らかである。
(イ) そして、「プリドライバ14i」が「イネーブル状態」において出力する「ゲート信号PATi、PATix」は「相補的なレベルをと[る]」から、「プリドライバ14i」の「ゲート信号PATi」を供給するための出力端子と、「ゲート信号PATix」を供給するための出力端子は、互いに反転・非反転出力用の端子の関係にあることも自明である。
(ウ) そうすると、引用発明の「プリドライバ14i」の「ゲート信号PATi」を供給するための出力端子は、本願発明の「第1非反相出力端(324)」に相当し、「ゲート信号PATix」を供給するための出力端子は、本願発明の「第1反相出力端(326)」に相当するから、このような二つの出力端子を有する引用発明の「プリドライバ14i」は、本願発明の「第1非反相出力端及び第1反相出力端を有する第1駆動ユニット(320)」に相当する。
(エ) また、引用発明の「第1トランジスタMi1」は、「プリドライバ14i」の「ゲート信号PATi」を供給するための出力端子と接続されているから、本願発明の「前記第1非反相出力端(324)」が「接続され」る「第1スイッチ(Q1)」に相当する。
(オ) 同様に、引用発明の「第1トランジスタMi2」は、「プリドライバ14i」の「ゲート信号PATix」を供給するための出力端子と接続されているから、本願発明の「前記第1反相出力端(326)」が「接続され」る「第2スイッチ(Q2)」に相当する。
(カ) したがって、本願発明と引用発明は、「第1非反相出力端及び第1反相出力端を有する第1駆動ユニット」を備え、「前記第1非反相出力端は第1スイッチに接続され」、「前記第1反相出力端は第2スイッチに接続され」る点で一致する。
イ(ア) 引用発明の「第1電流源12」は、「差動対101」の「第1トランジスタMi1、第2トランジスタMi2のソースに共通に接続され」ているから、本願発明の「前記第1スイッチ(Q1)の前記両端のうちの他方」及び「前記第2スイッチ(Q2)の前記両端のうちの他方」が「接続され」る「第1電流源(Is1)」に相当する。
(イ) したがって、本願発明と引用発明は、「前記第1スイッチの前記両端のうちの他方は第1電流源に接続され」、「前記第2スイッチの前記両端のうちの他方は前記第1電流源に接続される」点で一致する。
ウ(ア) 引用発明の「第1トランジスタMi1のドレインは第1出力端子Po1に接続され」るところ、引用発明の「第1トランジスタMi1のドレイン」は、本願発明の「前記第1スイッチ(Q1)の両端のうちの一方」に相当する。
(イ) また、引用発明の「第1抵抗R1」の「他端は第1出力端子Po1と接続され」るから、「第1トランジスタMi1のドレイン」は「第1抵抗R1」とも接続される。
(ウ) そうすると、引用発明の「第1トランジスタMi1のドレイン」に接続される「第1抵抗R1」は、本願発明の「前記第1スイッチ(Q1)の両端のうちの一方」に接続される「第1抵抗器(R41)」に相当する。
(エ) 引用発明の「第1トランジスタMi1のドレイン」は、「第1出力端子Po1」と「差動伝送線路102の一方」を介して「2つの導電部材」の一方と接続されるところ、引用発明の「2つの導電部材」の一方と、本願発明の「第1導電性プローブ(380)」は、「第1導電性部材」である点で共通する。
(オ) 上記(ウ)及び(エ)における検討結果を踏まえると、本願発明と引用発明は、「前記第1導電性部材は前記第1抵抗器に接続され[る]」点で共通する。
(カ) したがって、本願発明と引用発明は、「前記第1スイッチの両端のうちの一方は第1導電性部材及び第1抵抗器に接続され」、「前記第1導電性部材は前記第1抵抗器に接続され[る]」点で共通する。
エ(ア) 同様に、引用発明の「第2トランジスタMi2のドレインは第2出力端子Po2に接続され」るところ、引用発明の「第2トランジスタMi2のドレイン」は、本願発明の「前記第2スイッチ(Q2)の両端のうちの一方」に相当する。
(イ) また、引用発明の「第2抵抗R2」の「他端は第2出力端子Po2と接続され」るから、「第2トランジスタMi2のドレイン」は「第2抵抗R2」とも接続される。
(ウ) そうすると、引用発明の「第2トランジスタMi2のドレイン」に接続される「第2抵抗R2」は、本願発明の「前記第2スイッチ(Q2)の両端のうちの一方」に接続される「第2抵抗器(R42)」に相当する。
(エ) 引用発明の「第2トランジスタMi2のドレイン」は、「第2出力端子Po2」と「差動伝送線路102の他方」を介して「2つの導電部材」の他方と接続されるところ、引用発明の「2つの導電部材」の他方と、本願発明の「第2導電性プローブ(381)」は、「第2導電性部材」である点で共通する。
(オ) 上記(ウ)及び(エ)における検討結果を踏まえると、本願発明と引用発明は、「前記第2導電性部材は前記第2抵抗器に接続され[る]」点で共通する。
(カ) したがって、本願発明と引用発明は、「前記第2スイッチの両端のうちの一方は第2導電性部材及び第2抵抗器に接続され」、「前記第2導電性部材は前記第2抵抗器に接続される」点で共通する。
オ 本願発明の「プローブカードモジュール(300)」と、引用発明の「差動ドライバ回路100を備える試験装置2」、「2つの差動伝送線路102」及び「2つの導電部材」の組み合わせは、「電気的試験をするための装置」である点で共通する。
(2) 一致点及び相違点の認定
前記(1)の対比結果を踏まえると、本願発明と引用発明は、次の一致点において一致し、以下の相違点において相違する。
ア 一致点
「第1非反相出力端及び第1反相出力端を有する第1駆動ユニットであって、前記第1非反相出力端は第1スイッチに接続され、前記第1スイッチの両端のうちの一方は第1導電性部材及び第1抵抗器に接続され、前記第1スイッチの前記両端のうちの他方は第1電流源に接続され、続きを表示(全11行)前記第1反相出力端は第2スイッチに接続され、前記第2スイッチの両端のうちの一方は第2導電性部材及び第2抵抗器に接続され、前記第2スイッチの前記両端のうちの他方は前記第1電流源に接続される、第1駆動ユニット、を備え、前記第1導電性部材は前記第1抵抗器に接続され、前記第2導電性部材は前記第2抵抗器に接続される、電気的試験をするための装置。」
イ 相違点
本願発明では、「第1導電性部材」及び「第2導電性部材」がそれぞれ「第1導電性プローブ(380)」及び「第2導電性プローブ(381)」であり、「電気的試験をするための装置」が「プローブカードモジュール(300)」であるのに対して、引用発明では、「2つの差動伝送線路102と試験対象(DUT1)を接続する2つの導電部材」がプローブであるとは、引用文献2には明示されていないため、「差動ドライバ回路100を備える試験装置2」、「2つの差動伝送線路102」及び「2つの導電部材」の組み合わせが、プローブカードモジュールとして構成されているとはいえない点。
(3) 本願発明についての判断
前記相違点について検討する。
ア 引用文献1技術事項には、「LSI(大規模集積回路)20と、その動作を試験するためのLSI試験装置30との間に、LSI20とLSI試験装置30との間で信号の受け渡しをするプローブカード10が配置され、試験対象であるLSI20が所定位置に設置されると、プローブカード10の探針13,14が、LSI20のそれぞれ対応するパッド21,22に接続され、LSI試験装置30の出力部31から、LSI20を試験するための試験信号が、1本の信号線51を介してプローブカード10の選択回路12に出力され」ることが開示されている。
イ このように、試験対象と試験装置の間に、2つの導電性プローブを有する「プローブカード」という形態を有する手段を設けて電気的試験を行うことは、公知の技術であるから、引用発明において、引用文献1技術事項に開示されたような「プローブカード」という形態を採用することにより、「2つの差動伝送線路102と試験対象(DUT1)を接続する2つの導電部材」をいずれも導電性プローブとし、「差動ドライバ回路100を備える試験装置2」、「2つの差動伝送線路102」及び「2つの導電部材」が、プローブカードモジュールを含むように構成することは、当業者が適宜なし得た設計事項にすぎないというべきであり、前記相違点に係る構成は、格別のものではない。
ウ また、「差動伝送方式を採用した半導体装置の試験を行うために、基板に支持された差動信号入力用の対のプローブ針を有するプローブカードを用い、対のプローブ針を介して、テスタから半導体装置の電極パッドに所定の信号を入力するとともに、半導体装置から出力された信号を取得すること」は、周知の技術であるから(前記周知技術を参照)、引用発明に上記周知技術を適用することにより、「2つの差動伝送線路102と試験対象(DUT1)を接続する2つの導電部材」を2つの導電性プローブとし、「差動ドライバ回路100を備える試験装置2」、「2つの差動伝送線路102」及び「2つの導電部材」が、プローブカードモジュールを含むように構成することは、当業者ならば格別の困難性はない。
エ 前記イ及びウの検討結果を踏まえると、いずれにしても引用発明から前記相違点に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得たことであり、本願発明の奏する効果も、引用発明、及び、引用文献1技術事項又は周知技術に基づいて当業者が容易に予測し得たものにすぎない。
したがって、本願発明は、当業者が容易に発明することができたものである。
2 請求人の主張について
(1) 審判請求書における主張の概要
請求人は、審判請求書において概略次の主張をしている。
ア プルアップ抵抗の用途
引用文献1のプルアップ抵抗15は探針13の電位の安定化のためであり(引用文献1、[0020])、仮にプルアップ抵抗15が電流源に接続されるようなことがあれば、探針13の電位は乱れてしまうから、引用文献1の分野の当業者は、補正後の請求項1の「前記第1導電性プローブ(380)は前記第1抵抗器(R41)に接続され、前記第2導電性プローブ(381)は前記第2抵抗器(R42)に接続される」という要件を満たすように引用文献1の構成を改変する動機を持たない。
イ プルアップ抵抗の抵抗値
本願の明細書【0046】(当審注:【0045】の誤記。)に記載されているように、第1抵抗器及び第2抵抗器は、電流源の電流値を制御することによってその抵抗値を可変できる。
一方、引用文献2では、電圧源16が抵抗器R1、R2に電圧VHを印加することによって、出力信号OUT、OUTxを発生させる。すなわち、引用文献2には、電流源Vssの電流値を制御すること、及び抵抗器R1、R2の抵抗値を調節することによってプローブカードモジュールの駆動力を高めることについての教示がない。
逆に、引用文献2の回路構成によれば、電流源Vss(V12)の電流値が任意に変えられ、抵抗器R1、R2の抵抗値が任意に調節されるなら、抵抗器R1、R2に電圧VHを印加することによって、出力信号OUT、OUTxを発生させるという目的が達成できない。
(2) 請求人の主張の検討
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ア 請求人の主張アについては、引用文献1を主たる引用文献とした進歩性欠如の理由に対する反論であるから、引用文献2を主たる引用文献とした進歩性欠如の当審の判断は、上記主張アにより左右されない。
イ 請求人の主張イについては、そもそも請求項1の記載に基づくものであるとはいえないから採用することはできないが、その点は措く(おく)としても、引用文献2の段落[0033]には、
「 差動ドライバ回路100の差動出力は、OUT=VH-R2・(1-PAT)・ItOUTx=VH-R1・PAT・Itで与えられる。PAT=1のとき、OUT=VIH=VHOUTx=VIL=VH-R1・Itである。PAT=0のとき、OUT=VIL=VH-R2・ItOUTx=VIH=VHとなる。」
と記載されているように、差動出力OUT、OUTxの振幅は、抵抗値R1、R2及び電流源の電流値Itに依存していることは明らかであるから、引用発明においても、抵抗値R1、R2及び電流源の電流値Itの値を調整することにより、差動出力OUT、OUTxの振幅が調節可能である。
そして、抵抗値R1、R2及び電流源の電流値Itの値をどのように設定すべきかについては、最適な差動出力OUT、OUTxを得るために当業者が適宜なし得た設計事項にすぎない。
したがって、請求人の上記主張イは、いずれにしても採用することはできない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-000295