2021-900466
トップトイ、トイ、テイオオワイ
- 審判番号
- 2021-900466
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-051565外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6457315
- 請求日
- 2021年12月28日
- 審決日
- 2023年01月12日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】蘇州巴摩洛品牌運営有限公司
- 【異議申立人】ミニソ・(ホンチン)・エンタープライズ・マネジメント・カンパニー・リミテッド
- 【異議申立人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 分類
- T1651.261-Y (W25) / T1651.262-Y (W25) / T1651.263-Y (W25) / T1651.222-Y (W25)
- 識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
- 図形・ロゴ等(別掲)
- 引用商標(本文から自動抽出・参考)
- 引用商標国際登録第1597195号「TOP」「TOY」第9・14・16・26・28・35類
- 登録第5670271号(図形等・別掲)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 本件商標
本件登録第6457315号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「TOPTOY」の欧文字を書してなり、令和3年4月26日に登録出願、第25類「被服,ズボン,子供服,新生児用被服,水泳着,帽子,メリヤス下着、メリヤス靴下,手袋(被服),スカーフ,ベルト」を指定商品として、同年10月7日に登録査定、同月15日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第19号に該当するとして登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1597195号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおり、「TOP」の欧文字と「TOY」の欧文字を2段に書してなり、2020年(令和2年)10月21日にChinaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、2021年(令和3年)2月9日に国際商標登録出願、第9類、第14類、第16類、第26類、第28類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務(別掲3)を指定商品及び指定役務として、令和4年9月9日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
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申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第28号証(なお、表記にあたっては、「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)商標の類似性
本件商標は、「TOPTOY」の欧文字を特に特徴のない書体で書す態様からなる。引用商標は、「TOP」及び「TOY」の欧文字を特に特徴のない書体で書して2段に並記する態様からなる。すなわち、構成要素は同一であって全体として看者が受ける印象は同一であり外観が類似する。
また、本件商標からも引用商標からもローマ字の読みに倣って「トップトーイ」の称呼を生じる。一段書きと二段書きの差こそあれ構成する欧文字が共通し、いずれも比較的短い商標であるからそれぞれ一連に称呼されるのが自然である。
さらに観念について、本件商標と引用商標とは、いずれも日本人に馴染み深い平易な英単語である「TOP」及び「TOY」の二語として認識されることから「最高位のおもちゃ」程度の意味合いを生じる。
以上より、本件商標と引用商標とは外観・称呼・観念のいずれにおいても相紛らわしく、商品・役務の出所について混同を生じるおそれのある類似の商標である。
(2)商品・役務の類似性
引用商標の指定商品・役務中、特に第14類「Small accessories (jewelry); rings (trinkets); plastic bracelet; medals; wristwatches; simulated jewellery」及び第26類「Badges for wear, not of precious metal; ornamental novelty badges [buttons]; decorative articles for the hair; clothing brooches; cord-knitted handwork; decorative ribbons; hat trimmings; bobby pins; embroidery.」は、人間の身体又は衣服を装飾するために着けるものであって、本件商標の指定商品である第25類「被服,ズボン,子供服,新生児用被服,水泳着,帽子,メリャス下着、メリヤス靴下,手袋(被服),スカーフ,ベルト」とは、その性質・使用目的・流通経路を共通にし、一般大衆を需要者とする点においても極めて関連が深い関係であるといえる。よって、これらの指定商品は互いに類似する商品である。
(3)まとめ
以上より、本件商標と引用商標とは商標が類似し、指定商品も類似の関係にあるものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定により登録ができない。
2 商標法第4条第1項第19号について
(1)引用商標の外国における周知著名性
ア 申立人について
申立人は、低価格のいわゆるバラエティショップとして台頭してきた中国ブランド「MINISO」ショップを運営する名創優品グループの関連会社である。「MINISO」ブランドは、雑貨・電子機器・アクセサリーなどを扱うチェーン店舗を展開している(甲1)。
引用商標は、名創優品(MINISO)グループが運営するデザイナーズトイと呼ばれるフィギュアの店舗名及びその商品名として主に使用されている。2020年に中国広州市で第1号店をオープンして以来中国全土に事業展開し、その躍進は日本経済新聞においても伝えられ(甲1)、中でも「TOPTOY」ブランドは、10代から40代の男女を需要者とするグローバルストアとして位置付けられており、デザイナーズトイの他にもびっくり箱やブロックおもちゃ、組立て用人形・モデル人形・ガレージキット・ミニカーなどを多様な価格で販売している。
イ 「TOPTOY」店舗について
「TOPTOY」は、おもちゃ関連製品において特に著名なブランドであり、2020年12月に本国中国において第1号店をオープンして以来、70のロボットショップを展開し、72の実店舗を運営し(甲2、甲3)、電子コマースの分野においても中国では周知な「AliExpress」、「TMALL」及び「JD.com」などで「TOPTOY」旗艦店が運営されており、利用者が多い会話アプリでも「wechat Mini Program」として広告宣伝がなされている(甲4~甲7)。
ウ 展示会出展について
「TOPTOY」ブランドは、世界各国においてインターネット・新聞・雑誌・屋外広告を用いて販売促進及び宣伝活動を行っている。また、国際的展示会にも数多く参加しており(甲8~甲11)、この展示会は、中国国内で実施されたとはいえ他国からの参加者・訪問者に対する販売促進活動としても十分機能するものである。特に「China Joy」記事においては、申立人ブランド「TOPTOY」が、デジタル戦略を通じて世界中にファンを獲得していることが喧伝されている。
エ オンラインマーケティングについて
ソーシャルメディアやオンラインニュースヘの露出も多く、申立人の「TOPTOY」ブランドの浸透は疑いがない。オンラインマーケティングとして中国では著名な「wechat」、「Douyin」及び「Bilibili」においてビデオチャネルを有し、YouTubeでも商品紹介を行っている。ライブのストリーミングを通じてデザイナー達とファンとの橋渡しを行い、ブランド構築を行ってきた結果、各ストリーミングチャネルにおいて5~6万人もの視聴者を獲得し、最も人気の高いもので20万人を超えるファンを得ている(甲12~甲15)。
オ メディア掲載について
MINISOが「TOPTOY」ブランドを発表して以来、その急速な拡大ぶりを報じるメディアは枚挙に暇がない(甲16)。中国国内ではさらに多くの報道がなされており、その人気ぶりが伺える(甲17)。
カ 引用商標の外国における商標登録について
申立人が属するMINISOグループ各社は、中国をはじめ世界各国にその店舗を展開し急速に成長中の企業である。その現実をふまえ、本国官庁を中国として日本をはじめとする35の国と地域とを指定してなされた国際商標登録出願が引用商標である(甲18)。
本国中国においては、申立人は商標「TOP/TOY」について、引用商標である国際商標登録第1597195号の基礎出願として、7件の商標登録出願を有している(甲19)。
申立人は、このほかにも「TOPTOY」関連商標を合計50件、中国において出願中である(甲20)。このうち商標「TOPTOYS」は第35類について登録となっている(甲21)。
なお、MINISOグループは、その急成長の過程で何度か名称を変更し、また関連会社を合併等しているため、上記登録証は出願時の名称にて発行されているが、最新の名称は「名創優品(横琴)企業管理有限公司」であり、英訳は「MINISO (Hengqin) Enterprise Management Co., Ltd.」であって申立人名称と一致する(甲21)。
申立人は、引用商標のほかに中国を含む11の国と地域において引用商標と同一の商標「TOP/TOY」及び本件商標と実質的に同一の商標「TOPTOY」について、計41件の商標登録出願及び商標登録を有している(甲22、甲23)。
(2)我が国での周知性
申立人関連会社の経営になる「MINISO」は、我が国においても多くの買物客でにぎわうショッピングモールに焦点を当て、高田馬場店、イオンモール小名浜店、イオンモール津田沼店、イオンモール名取店の4店舗を出店しており(甲24)、これらの店舗に関する国内での記事は2021年1月20日付け日本経済新聞以外にもインターネットニュース記事が多数存在し(甲25)、Goog1e検索エンジンで「MINISO」及び「ニュース」をキーワードとして検索すると、MINISO自身のウェブサイトも含めて約409万件ものウェブサイトがヒットする(甲26)。
このような状況に鑑みると、我が国の需要者にとっても「MINISO」は身近な存在であり、また、フィギュア商品は国内で非常に人気が高いことも相まって、その関連会社である申立人の商標「TOPTOY」を知る需要者も少なからず存在することが推認される。
(3)本件商標と引用商標の類似性
以上のとおり、引用商標「TOP/TOY」又は「TOPTOY」は、申立人及びその関連会社「名創優品(MINISO)」の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、外国における需要者の間において広く認識されており、本件商標「TOPTOY」はこれと実質的に同一、又は少なくとも類似の商標である。
さらに、上記2(2)において述べたとおり、引用商標の指定商品及び指定役務中、第14類「Small accessories (jewelry); rings (trinkets); plastic bracelet; medals; wristwatches; simulated jewellery」及び第26類「Badges for wear, not of precious metal; ornamental novelty badges [buttons]; decorative articles for the hair; clothing brooches; cord-knitted handwork; decorative ribbons; hat trimmings; bobby pins; embroidery.」は、アクセサリー(身飾品)類やバッジ、髪飾り、リボンといった装飾用品であって、本件商標の指定商品とはその性質・使用目的・流通経路を共通にし、需要者・取引者を一にする点において極めて関連が深い。
(4)商標権者の不正の目的
申立人は中国企業であるところ、本件商標の商標権者も同様に中国企業である。上記(1)アのように、中国において周知著名な申立人、申立人関連会社及びその事業と商標とについて、本件商標の商標権者が不知であることはおよそ考えられない。
本件商標権者が、第25類「被服,ズボン,子供服,新生児用被服,水泳着,帽子,メリヤス下着、メリヤス靴下,手袋(被服),スカーフ,ベルト」を指定して我が国で商標「TOPTOY」について出願したことは、申立人がこれらの商品において商標登録を得ていないことを奇貨として、引用商標の指定商品と近しい関係の商品について、申立人の著名な商標を登録・使用して我が国の需要者をして混同を生じせしめ、申立人の中国における著名性にフリーライドして不正の利益を得、かつ申立人の得べかりし利益を損じるものである。
なお、現に商標権者は、中国においても「TOPTOY」商標について商標登録出願を行って拒絶されており(出願番号第56702718号)(甲27)、申立人所有の「TOP/TOY(ロゴ)」商標にかかる登録(登録第56702718号)が先行商標として引用されたものと容易に推察される(甲28)。
(5)まとめ
以上の事情を考慮し、本件商標の指定商品の取引者・需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、本件商標は、その商標登録出願時及び登録査定時において、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的(不正の益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの」に該当することは明白である。よって商標法第4条第1項第19号の規定により、本件商標の登録は認められるべきではない。
第4 当審の判断
1 使用標章の周知性について
(1)申立人の提出した甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実が認められる。
ア 申立人は、中国でMINISOショップを運営する名創優品グループの関連会社であり、引用商標及び「TOP TOY」の欧文字又は「TOPTOY」の欧文字からなる標章(以下「使用標章」という。)は、上記グループが運営する玩具専門店の店舗名及びその商品名として使用され、2020年に第1号店をオープンしたことが記載されていること(甲1)、また、2021年の店舗数は中国において72店舗展開していることがうかがえる(甲3)。
イ 使用標章を付した商品(玩具)(以下「申立人商品」という。)が、中国国内のサイトにおいて広告宣伝されていることがうかがえる(甲4~甲7)ものの、これらの広告宣伝は、中国語(英訳されたものも含む。)で作成されたものであり、これらが申立人の業務に係る商品であるかどうかについては確認できない。
ウ 申立人は、中国国内での展示会に出展(甲8~甲11)し、各種のウェブサイトにおいて紹介されている(甲12~甲17)ことがうかがえる。
なお、これらの広告宣伝は、中国語(英訳されたものも含む。)で作成されたものであり、我が国におけるものとはいえない。
エ 我が国においては、MINISOショップが、高田馬場、小名浜、津田沼及び名取において、合計4店舗展開されているが、使用標章を表示した玩具専門店の展開は確認できない(甲24)。また、使用標章を付した玩具専門店が中国において、2021年に開店した(甲25)。
(2)上記(1)の事実によれば、申立人は、MINISOショップを運営する名創優品グループの関連会社であり、使用標章は、上記グループが運営する玩具専門店の店舗名及びその商品名として使用され、2020年に第1号店をオープンしたこと、中国国内において広告宣伝していることを合わせ考慮すれば、使用標章は、申立人の業務を表示するものとして当該商品を取り扱う業界の需要者の間に、ある程度認識されているものということができる。
しかしながら、我が国又は外国における使用標章を使用した商品に限定した売上高など販売実績を示す主張はなく、その証左も見いだせない。
また、当該商品に係る広告宣伝の実績も確認できないし、さらに、申立人に関してはその周知性について何らの立証もされていないものである。
したがって、使用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務を表示するものとして、我が国及び外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、「TOPTOY」の殴文字を書してなるところ、その構成文字は、同じ書体及び同じ大きさをもって等間隔に表されており、視覚上、全体としてまとまりよく一体的に看取されるものである。
そして、本件商標の構成中、「TOP」の欧文字は「一番上」の意味を有し、「TOY」の欧文字は「おもちゃ、玩具」(いずれも、「プログレッシブ英和中辞典 第5版」小学館)の意味を有する、いずれも親しまれた英語であり、本件商標は、「TOP」と「TOY」を結合したものと容易に認識できるものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「トップトイ」の称呼を生じ、「一番上のおもちゃ」ほどの観念を認識させるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「TOP」の欧文字と「TOY」の殴文字を2段に横書きしてなるところ、上段と下段の文字は特に間隔を有するものでもなく、同一の書体、同一の大きさで書され、商標全体としても、まとまり感のある一体的な構成態様で表されており、その殴文字部分が一体のものとして認識されるものである。
そうすると、引用商標は、その構成全体から「トップトイ」の称呼を生じ、本件商標と同様に親しまれた英語「TOP」と「TOY」を2段に書したものと容易に認識できるものであるから、「一番上のおもちゃ」ほどの観念を認識させるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とは、称呼においては、いずれも「トップトイ」の称呼を生ずるものであるから、両商標は「トップトイ」の称呼を共通にするものである。
また、外観においては、両商標は、1段書きと2段書きの相違や書体の相違がみられるものの、これらは格別顕著な相違とはいえないものであり、他方、いずれも「TOPTOY」の欧文字を容易に認識できるものであり、文字のつづりを共通にすることから、外観上、近似した印象を与えるものということができる。
さらに、観念においては、両商標は、いずれも「一番上のおもちゃ」の観念を生じるものであるから、両商標は、「一番上のおもちゃ」の観念を共通にするものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にするものであって、外観上も近似するものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
申立人は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第14類「Small accessories (jewelry); rings (trinkets); plastic bracelet; medals; wristwatches; simulated jewellery」及び第26類「Badges for wear, not of precious metal; ornamental novelty badges [buttons]; decorative articles for the hair; clothing brooches; cord-knitted handwork; decorative ribbons; hat trimmings; bobby pins; embroidery.」は、人間の身体又は衣服を装飾するために身に着けるものであって、本件商標の指定商品(以下「本件指定商品」という。)である第25類「全指定商品」とはその性質・使用目的・流通経路を共通にし、一般大衆を需要者とする点においても極めて関連が深い関係であるから、互いに類似する商品である旨主張している。
しかしながら、商品の類否の判断に当たっては、指定商品における一般的・恒常的な取引の実情を考慮するが、商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的・限定的な取引の実情は考慮しないものとされているところ、上記引用商標の指定商品を扱う事業者は、指輪、時計、衣服用ブローチ等の装飾品の製造及び販売を行う専門業者であり、本件指定商品を扱う事業者は、被服、下着、靴下等の製造及び販売を行う専門業者(アパレルメーカー)であるから、共に身に着ける商品であるとしても、それぞれの業務に係る事業者及び商品の販売場所が異なる上、その取引形態、流通経路も共通するものではない。
そうとすれば、本件指定商品と引用商標の指定商品の需要者を共通にする場合が少なからずあるとしても、当該商品の製造・販売が同一事業者によって行われているのが一般的とまではいうことはできず、当該商品の生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途等を総合的に考慮して具体的に判断すると、両者は、同一であるとはいえないから、本件指定商品と申立人の主張する引用商標中の指定商品とは、類似するものとはいえないというのが相当である。
また、本件指定商品と上記以外の引用商標の指定商品及び指定役務とは、明らかに事業者、用途、取引対象も異なるものであるから、類似するものではない。
(5)小括
したがって、本件商標は、引用商標と商標において類似するものであるとしても、本件指定商品と引用商標に係る指定商品及び指定役務とが同一又は類似するものでないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第19号該当性について
商標法第4条第1項第19号は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」と規定されているところ、上記1のとおり、使用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務又は申立人商品及び役務を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。
そうすると、使用標章が我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたことを前提に、本件商標は不正の目的をもって使用をするものであるとする申立人の主張は、その前提を欠くものである。
また、申立人提出の証拠によっては、本件商標権者が我が国及び外国において不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実を見いだすことはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第19号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきである。
よって、結論のおり決定する。
別掲(理由中で参照)
内容を表示(6行)
第9類「Cell phone straps; cell phone cases; hourglasses; decorative fridge magnets; computer mouse pads; USB flash drives; USB cables; USB chargers; cabinets for loudspeakers; headset.」
第14類「Personal small ornaments (jewelry); key rings; rings (trinkets); plastic bracelet; medals; charms for key rings; wristwatches; clocks; simulated jewellery; jewellery boxes.」
第16類「Stamps [seals]; photo stands; decalcomanias; cards; printed matter; bookmarkers; comic books; art prints; paper bags; stationery.」
第26類「Badges for wear, not of precious metal; ornamental novelty badges [buttons]; charms, other than for jewellery, key rings or key chains; decorative articles for the hair; clothing brooches; cord-knitted handwork, namely braids; decorative ribbons; hat trimmings; bobby pins; embroidery.」
第28類「Toys; magic cube puzzles; jigsaw puzzle; building blocks [toys]; board games; toy ball; intelligent toys; toy figures; stuffed toys; toy models.」
第35類「Presentation of goods on communication media, for retail purposes; business management and organization consultancy; commercial administration of the licensing of the goods and services of others; advisory services for business management; import-export agency services; marketing; sales promotion for others; advertising; procurement services for others [purchasing goods and services for other businesses]; drug retail or wholesale services; business management of hotels; exhibition of products; sales promotion display services; publicity; rental of vending machines; rental of sales stands; retail or wholesale services for medical supplies.」
審決本文(J-PlatPat)
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