商標取消審判
2021-301031
オステオン
- 審判番号
- 2021-301031
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2011-056053
- 登録番号
- 5523618
- 請求日
- 2021年12月22日
- 審決日
- 2023年07月13日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】インプラント ソリューションズ ピーティーワイ リミテッド
- 【請求人代理人】辻本 希世士
- 【請求人代理人】神吉 出
- 【請求人代理人】大本 久美
- 【被請求人】デンティアム カンパニー リミテッド
- 【被請求人代理人】岡村 太一
- 【被請求人代理人】恩田 俊郎
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 小松 里美
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T132 .1 -Y (X10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5523618号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5523618号商標(以下「本件商標」という。)は、「Osteon」の文字を標準文字で表してなり、平成23年8月5日に登録出願、第10類「人工鼓膜用材料,角膜曲率計,検眼用機械器具,鏡器,骨盤計測器,脳波記録器,クロマトグラフ医療用分析装置,舌圧子,心電計,眼圧測定器,尿道消息子,胃内視鏡,医療用温度計,医療用電極,消息子,皮層の厚さを測定する医療用装置,医療用携帯スキャナー,聴力検査用器具,聴診器,打診器具,核磁気共鳴CT装置,血球計算器,血圧測定装置,血液検査装置,医療用の鈎,結石器具,歯科用てこ,外科用の骨用補綴充てん材料(骨用セメント)注入装置,起子,卵管処置器,鈍匙,ランセット,麻酔用装置,剥離子,白金焼灼器,産科用機械器具,超音波治療機械器具,インサフレーター(医療機械),治療用浴機械器具,はり治療用はり,カニューレ,炭素灯治療器,套管針,皮下注射器,移動可能な医療用酸素供給装置,吸入器,器械台,器械テーブル,救急車用担架,分娩用マットレス,消毒用及び滅菌用の器具,手術台,外科手術用照明器具,医師用医療器具ケース,医療用ランプ,医療用ウォーターベッド,医療用又は歯科用の肘掛いす,医療用くん蒸消毒用具,医療専用ベッド,調剤台,調剤用機械器具,診療台,解剖台,患者を移送するための患者用昇降移動機,補綴器具,剔削用器具,充てん用器具,虫歯の穴探知器,歯科用鏡,歯科用バー,歯科用ユニット,歯科用治療台,歯洗浄用歯科用機械器具,歯石除去器,矯正機械器具,歯列矯正器具,歯周ポケットの検査器具,家畜用出産装置,家畜用去勢器具,動物用丸薬挿入器,獣医用産科機械器具,獣医用外科手術機械器具,蹄鉄機械器具,健康帯,松葉づえ,補聴器,歩行補助器,腹帯,医療用腹部用パッド,外科用インプラント(人工材料),副木,外科用圧迫器,外科用人造皮膚,医療用ガイドワイヤー,拘束服,医療用指サック,医療用ブーツ,植毛用人工毛髪,医療用電気式ベルト,医療用コルセット,義肢,義眼,義歯,人工歯根,人工透析装置,人工乳房,人工靭帯,人工顎関節,妊婦用腹帯,整形外科用ベルト,整形外科用靴底,医療用聴覚保護具,脊髄外科手術用機器,ヘルニア帯,脱肛痔バンド,扁平足用サポーター,医療用下腹部用ベルト,松葉杖,吸角ガラス,灸治療用器具,医療用ラジウム管,医療用レーザー発生装置,医療用の放射線透写スクリーン,医療用X線管,医療用エックス線装置,医療用エックス線防護器具,X線写真(医療用標本),病床用シーツ,失禁防止用尿道栓,外科用縫合器具,手術用患者被覆シート,手術用無菌シーツ,外科用スポンジ,外科用糸,電気的温熱湿布機,外科用伸縮性靴下,医療用氷嚢,医療用電気毛布,医療用電熱式クッション,医療用電熱式パッド,医療用ピンセット,呼吸器用機械器具,手術用キャットガット,静脈瘤用ストッキング,整形外科用ギプス包帯,整形外科用ひざ用包帯,ほ乳用具,ほ乳瓶のバルブ,ほ乳瓶の乳首,医療用サポーター,投薬用スプーン,腰痛・筋肉痛等の緩和用パッド,医療用肺活量計,麻酔用マスク,医療従事者用マスク,整形外科用品,整形外科用インプラント,整形外科用添木・ギプス・装具,人工骨,骨接合用ねじ,外科用骨固定インプラントとして用いるプレート,医療用人工骨補填材,ステント,家庭用電気マッサージ機,マッサージ用手袋,医療用手袋」を指定商品として、同24年9月21日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年1月20日である。
なお、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成31年(2019年)1月20日ないし令和4年(2022年)1月19日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
1 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第10類「角膜曲率計,検眼用機械器具,鏡器,骨盤計測器,脳波記録器,クロマトグラフ医療用分析装置,舌圧子,心電計,眼圧測定器,尿道消息子,胃内視鏡,医療用温度計,医療用電極,消息子,皮層の厚さを測定する医療用装置,医療用携帯スキャナー,聴力検査用器具,聴診器,打診器具,核磁気共鳴CT装置,血球計算器,血圧測定装置,血液検査装置,医療用の鈎,結石器具,歯科用てこ,外科用の骨用補綴充てん材料(骨用セメント)注入装置,起子,卵管処置器,鈍匙,ランセット,麻酔用装置,剥離子,白金焼灼器,産科用機械器具,超音波治療機械器具,インサフレーター(医療機械),治療用浴機械器具,はり治療用はり,カニューレ,炭素灯治療器,套管針,皮下注射器,移動可能な医療用酸素供給装置,吸入器,器械台,器械テーブル,救急車用担架,分娩用マットレス,消毒用及び滅菌用の器具,手術台,外科手術用照明器具,医師用医療器具ケース,医療用ランプ,医療用ウォーターベッド,医療用又は歯科用の肘掛いす,医療用くん蒸消毒用具,医療専用ベッド,調剤台,調剤用機械器具,診療台,解剖台,患者を移送するための患者用昇降移動機,補綴器具,剔削用器具,充てん用器具,虫歯の穴探知器,歯科用鏡,歯科用バー,歯科用ユニット,歯科用治療台,歯洗浄用歯科用機械器具,歯石除去器,矯正機械器具,歯列矯正器具,歯周ポケットの検査器具,家畜用出産装置,家畜用去勢器具,動物用丸薬挿入器,獣医用産科機械器具,獣医用外科手術機械器具,蹄鉄機械器具,健康帯,松葉づえ,補聴器,歩行補助器,腹帯,医療用腹部用パッド,外科用インプラント(人工材料),副木,外科用圧迫器,外科用人造皮膚,医療用ガイドワイヤー,拘束服,医療用ブーツ,医療用電気式ベルト,医療用コルセット,義肢,義眼,義歯,人工歯根,人工透析装置,人工乳房,人工靭帯,人工顎関節,妊婦用腹帯,整形外科用ベルト,整形外科用靴底,医療用聴覚保護具,脊髄外科手術用機器,ヘルニア帯,脱肛痔バンド,扁平足用サポーター,医療用下腹部用ベルト,松葉杖,吸角ガラス,灸治療用器具,医療用ラジウム管,医療用レーザー発生装置,医療用の放射線透写スクリーン,医療用X線管,医療用エックス線装置,医療用エックス線防護器具,X線写真(医療用標本),病床用シーツ,失禁防止用尿道栓,外科用縫合器具,手術用患者被覆シート,手術用無菌シーツ,外科用スポンジ,外科用糸,電気的温熱湿布機,外科用伸縮性靴下,医療用氷嚢,医療用電気毛布,医療用電熱式クッション,医療用電熱式パッド,医療用ピンセット,呼吸器用機械器具,静脈瘤用ストッキング,整形外科用ギプス包帯,整形外科用ひざ用包帯,医療用サポーター,投薬用スプーン,腰痛・筋肉痛等の緩和用パッド,医療用肺活量計,麻酔用マスク,整形外科用品,整形外科用インプラント,整形外科用添木・ギプス・装具,人工骨,骨接合用ねじ,外科用骨固定インプラントとして用いるプレート,ステント」(以下「本件請求商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品中、本件請求商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである旨述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
2 請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
被請求人は、以下のとおり、本件商標を本件請求商品中「外科用インプラント(人工材料),整形外科用品,整形外科用インプラント,人工骨,皮下注射器,補綴器具」か、又はこれらに含まれる商品について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用している。
(1)被請求人と通常使用権者
被請求人(商標権者)であるデンティアム カンパニー リミテッドは、2000年6月に設立された韓国企業で歯科医療用製品の製造・販売を手掛けている(乙1)。
Genoss Co.,Ltd.(以下「Genoss社」という。)は、医療用品・医薬品の製造・販売を行う韓国企業である。韓国の国税庁が発行したGenoss社の事業者登録証を提出する(乙2)。乙第3号証は、被請求人の事業報告書であるが、当該資料内に大株主としてジョンソンミン氏が記載されており、同氏はGenoss社の代表者である(乙2)。
被請求人とGenoss社は、Genoss社が本件商標を付した商品「人工骨,合成骨移植材料,人工骨補填材」等を製造し、被請求人に納品するという内容のODM契約を2018年10月24日付けで締結しており、当該契約書にはGenoss社の代表者としてジョンソンミン氏が記載されている(乙4)。
このように、被請求人とGenoss社とは、事業上の密接な関係を有しており、また、両社の間で交わされたODM契約の内容から、被請求人がGenoss社に本件商標の使用を許諾していたことは明らかである。よって、Genoss社は本件商標の通常使用権者といえる。
Genoss社は、乙第4号証のODM契約に基づき、本件商標の通常使用権者として、本件商標を付した商品「骨移植材料」及び「骨移植材料用注射器」を製造し、被請求人に納品していた。
(2)本件商標の使用商品
被請求人は、本件商標の使用商品(下記アの商品)は、第10類「医療用人工骨補填材」又は同「骨移植材料」であるか、これらの範ちゅうに属するものであると考えている。
以下、本件商標の通常使用権者であるGenoss社が製造し、被請求人に納品していた商品「骨移植材料」及び「骨移植材料用注射器」について説明する。
ア 骨移植材料
乙第5号証及び乙第6号証は、本件商標の使用商品の一つである「骨移植材料」の外箱の側面の写真である。乙第5号証に示す外箱側面には、欧文字「OSTEON」が表示されており、また、「高再吸収性の合成骨移植材料(Synthetic,highly,resorbable Bone grafting material)」と記載されている(乙5)。乙第6号証に示す外箱側面には、商品の製品番号(REF「DT7G0510025」及び「DT7G0510100」)、製造日、使用期限等が記載されており、下部には「genoss co.,ltd.」と表記されている。Genoss社の社名と製品番号、製造日等が併記されていることから、当該商品の製造者が同社であると理解可能といえる。
乙第7号証は、商品「骨移植材料」に関する説明資料である。当該商品が、請求に係る指定商品「外科用インプラント(人工材料),整形外科用品,整形外科用インプラント,人工骨」のいずれかの使用であるか、又はこれらの範ちゅうに含まれることは明白である。
イ 骨移植材料用注射器
乙第8号証は、本件商標の使用商品の一つである「骨移植材料用注射器」の外箱の正面の写真である。乙第8号証に示す外箱正面には、欧文字「OSTEON」が表示されており、また、「高再吸収性の合成骨移植材料(Synthetic,highly,resorbable bone grafting material)」と記載されていて、中には「骨移植材料用注射器」と「骨移植材料」が入っている。乙第9号証に示す外箱背面には、商品の製品番号(REF「DT7G0510050SS」)、製造日、使用期限等が記載されており、下部には「genoss co.,ltd.」と表記されている。Genoss社の社名と製品番号、製造日等が併記されていることから、当該商品の製造者が同社であると理解できる。
乙第10号証は、当該使用商品の内容を記載した被請求人のウェブサイトの写し及びその日本語訳であり、商品「骨移植材料用注射器」の使用方法が掲載されている。「骨移植材料用注射器」は骨移植材料を体内に注入するための注射器であることから、請求に係る指定商品「皮下注射器」の使用であるか、少なくとも本件商品が「皮下注射器,補綴器具,整形外科用品」に含まれることは明らかといえる。
(3)販売
本件商標の使用商品の主な購入者は、歯科クリニック・歯科医院である。日本では、被請求人の販売代理店であるコアフロント株式会社(以下「コアフロント社」という。)が、本件商標の使用商品を歯科クリニック・歯科医院に販売している。コアフロント社(英語表記:Corefront Corporation)は、主に歯科医療関連製品の開発・販売を行う日本の企業である(乙11)。
商品販売の流れを具体的に説明すると、コアフロント社は、歯科クリニック・歯科医院より本件商標の使用商品の購入依頼を受けた後、被請求人にEメールで発注書を送付する。発注書を受領した被請求人は、歯科クリニック・歯科医院向けに商品を直接発送し、被請求人は当該商品に関する請求書をコアフロント社宛に送付する。
以下、上記の流れを下記の使用証拠により証明する。
ア 骨移植材料について
(ア)乙第12号証の1及び乙第13号証の1は、コアフロント社から被請求人に送付されたEメールの写しである。
(イ)乙第12号証の2及び乙第13号証の2は、上記Eメールに添付され、コアフロント社から被請求人に送付された発注書(Purchase Order)の写しである。商品名として商標「Osteon」が記載されている。また、発注書内に「製品番号(Product No.)」が記載されているが、当該製品番号は、乙第6号証で確認できる外箱に記載された製品番号「DT7G0510100」と一致している。
個人情報保護の観点より、上記Eメール及び発注書中の個人名、クリニック名、住所等はマスキングしているものの、日本の歯科医師から要証期間内に本件商標の使用商品の購入依頼があった点は確認可能である。
(ウ)乙第12号証の3及び乙第13号証の3は、韓国税関に提出された輸出申告証書の写しである。「取引品名」に「骨移植材料(BONE GRAFT MATERIALS)」と記載され、「モデル・規格」には欧文字「OSTEON」とともに、商品の製品番号「DT7G0510100」が記載されている。
(エ)乙第12号証の4及び乙第13号証の4は、被請求人から日本の歯科クリニック・歯科医院向けに、本件商標に係る商品を発送する際の国際宅配便又は国際郵便の伝票である。乙第12号証の4では、被請求人の社員の名前(個人名)が発送者として記入されているが、乙第12号証の5(被請求人からコアフロント社宛に発行された請求書)に記載されたトラッキングナンバー(追跡番号)「7750 1243 9300」が当該伝票に記載されていることから、実質的には被請求人が発送者であると理解できる。
乙第13号証の4では、被請求人が発送者であり、また伝票番号である「UP 402 128 467 KR」が、乙第13号証の5の請求書中に記載されている。
さらに、いずれの発送伝票にも貨物名称として「移植材料(Graft materials)」と記載されている。
(オ)乙第12号証の5及び乙第13号証の5は、被請求人からコアフロント社宛に発行された請求書の写しである。対象商品として、商標「OSTEON」が表示されており、製品番号「DT7G0510100」が記載されている。また、「No.& date of invoice(番号と請求書の日付)」に記載された記号が、対応する輸出申告証書の「送品帳符号」と一致していることから、各々が関連する資料であることは明らかである。
(カ)このように、乙第5号証、乙第6号証、乙第12号証及び乙第13号証により、本件商標の使用商品「骨移植材料」が、要証期間に日本の歯科クリニック・歯科医院に販売(譲渡)されたことは明白である。
イ 骨移植材料用注射器について
(ア)乙第14号証の1は、コアフロント社から被請求人に送付された2021年(令和3年)7月12日付け発注書(Purchase Order)の写しである。商品名として商標「Osteon」が記載されている。また、発注書内に「製品番号(Product No.)」が記載されているが、当該製品番号は、乙第9号証で確認できる外箱に記載された製品番号「DT7G0510050SS」と一致している。
個人情報保護の観点より、本件発注書中の個人名、クリニック名、住所等はマスキングしているものの、日本の歯科医師から要証期間内に本件商標の使用商品の購入依頼があった点は確認可能といえる。
(イ)乙第14号証の2は、韓国税関に提出された2021年(令和3年)7月12日付け輸出申告証書の写しである。本件輸出申告証書の「モデル・規格」の項目には、欧文字「OSTEON」とともに、商品の製品番号「DT7G0510050SS」が記載されている。
(ウ)乙第14号証の3は、被請求人から日本の歯科クリニック・歯科医院向けに、本件商標に係る商品を発送した際の国際郵便の伝票である。2021年(令和3年)7月12日付けの伝票であり、発送者として「Dentium」と記載されていることから、被請求人が発送者であることは明らかといえる。また伝票番号である「UP 402 128 574 KR」が、乙第14号証の4の請求書中に記載されている。
(エ)乙第14号証の4は、被請求人からコアフロント社宛に発行された2021年(令和3年)7月12日付け請求書の写しである。対象商品として、商標「OSTEON」が表示されており、併せて製品番号「DT7G0510050SS」が記載されている。また、請求書中の「No.& date of invoice(番号と請求書の日付)」に記載された記号「DEN210712-05」が、対応する輸出申告証書の「送品帳符号」と一致しており、さらに、上記伝票番号が請求書中の「Remarks」の項目に記載されていることから、各々が関連する資料であることは明らかといえる。
(オ)上記乙第14号証と乙第8号証及び乙第9号証により、本件商標の使用商品「骨移植材料用注射器」が、要証期間内に日本の歯科クリニック・歯科医院に販売(譲渡)されたことは明白である。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、本件請求商品中の「外科用インプラント(人工材料),整形外科用品,整形外科用インプラント,人工骨,皮下注射器,補綴器具」か、又はこれらに含まれる商品について、要証期間に日本国内において使用されているので、本件審判請求には理由がない。
第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、次の事実が認められる。
ア 商標権者は、韓国の歯科医療用製品を製造販売する企業であり、同じく韓国の医療用品等の製造業者であるGenoss社とは、大株主又は代表者が同一人という関係にある(乙2、乙3)。
商標権者は、Genoss社と2018年10月24日付けでODM契約を交わしており、その契約書において、Genoss社は、商標権者の所有する本件商標に係る「人工骨、人工骨補填材、骨移植、合成骨移植材料を含む歯科用及び医療用の製品」を製造するものであり、その契約期間は1年であるが、その後も契約放棄の意思を示さない限り同じ条件で継続することなどが記載されている(乙4)。
イ 品番「DT7G0510100」の商品について
(ア)Genoss社は、品番が「DT7G0510100」である商品「高再吸収性の合成骨移植材料(Synthetic,highly,resorbable Bone grafting material)」を2022年1月27日に製造した。そして、その商品の包装には「OSTEON II」(「OSTEON」の文字の右肩に小さく「TM」の文字がある。)の文字からなる商標(別掲)及びGenoss社の名称が付されている(乙5、乙6)。
また、Genoss社による「OSTEON II」に関する説明資料(乙7)には、「OSTEON II」は、骨伝導性をもつ合成骨であり、骨の欠損部位を再生、修復するために使用され、自骨の量が不足して空間を埋められない場合にも適用することができる旨記載がある。
さらに、Genoss社のウェブサイト(乙10)には、「OSTEON II」の「Syringe」(注射器)の「使用方法」として、骨移植片材料を手術領域に注入する旨記載がある。
(イ)商標権者の日本代理店であるコアフロント社(乙11)は、2019年4月19日付けの注文書により商標権者に宛てて、品番が「DT7G0510100」である商品「Osteon II」(数量3)を東京の歯科医院宛に送付するよう発注した(乙12の2)ところ、商標権者は、同日付けで上記商品に関する輸出申告証書を韓国の税関に提出し、受理された(乙12の3)。
なお、当該輸出申告証書には、「購買者」欄にコアフロント社の英語表記、「取引品名」欄に「BONE GRAFT MATERIALS(骨移植材料)」、「モデル・規格」欄に「DT7G0510100 OSTEON II」、「数量」欄に「3」、「送品帳符号」欄に「DEN190419-06」の記載がある(乙12の3)。
また、商標権者がコアフロント社に宛てた2019年4月19日付けの「DT7G0510100 Osteon II」(数量3)に関する請求書(COMMERCIAL INVOICE)には、上記輸出申告証書(乙12の3)の「送品帳符号」欄に記載された番号「DEN190419-06」と同一の番号が、「No.& date of invoice」欄に記載され、さらに、商標権者が東京の歯科医院宛に商品を発送した際の、2019年4月19日付けの国際宅配便(FedEX)の伝票(乙12の4)に記載された「TRK(追跡番号)」欄の番号「7750 1243 9300」と同一の番号が「FedEX WB#」欄に記載されている(乙12の5)。
ウ 品番「DT7G0510050SS」の商品について
(ア)Genoss社は、品番が「DT7G0510050SS」である商品「高再吸収性の合成骨移植材料(Synthetic,highly,resorbable bone grafting material)」及びそれを注入するためのシリンジ(Sinus(syringe))を2022年3月21日に製造した。そして、それらの商品の包装には「OSTEON II」(「OSTEON」の文字の右肩に小さく「TM」の文字がある。)の文字からなる商標(別掲)及びGenoss社の名称が付されている(乙8、乙9)。
(イ)商標権者の日本代理店であるコアフロント社は、2021年7月12日付けの注文書により、商標権者に宛てて、品番が「DT7G0510050SS」である商品「Osteon II」(数量5)を東京の歯科医院宛に送付するよう発注した(乙14の1)ところ、商標権者は、同日付けで上記商品に関する輸出申告証書を韓国の税関に提出し、受理された(乙14の2)。
なお、当該輸出申告証書には、「購買者」欄にコアフロント社の英語表記、「取引品名」欄に「BONE GRAFT MATERIALS(骨移植材料)」、「モデル・規格」欄に「DT7G0510050SS OSTEON II SINUS STRAIGHT」、「数量」欄に「5」、「送品帳符号」欄に「DEN210712-05」の記載がある(乙14の2)。
また、商標権者がコアフロント社に宛てた2021年7月12日付けの「DT7G0510050SS OSTEON II Sinus Straight」(数量5)に関する請求書(COMMERCIAL INVOICE)には、上記輸出申告証書(乙14の2)の「送品帳符号」欄に記載された番号「DEN210712-05」と同一の番号が、「No.& date of invoice」欄に記載され、さらに、商標権者が東京の歯科医院宛に商品を発送した2019年4月19日付けの国際郵便(EMS)の伝票(乙14の3)に記載された「Item No.」欄の番号「UP 402 128 574 KR」と同一の番号が「EMS AWB#」欄に記載されている(乙14の4)。
(2)上記(1)からすれば、次のとおり認めることができる。
ア 商標権者とGenoss社は、密接な関係(大株主又は代表者が同一人)にあるものであり、また、両社は、2018年10月24日付けで本件商標に係る「歯科用及び医療用の製品」の製造に関するODM契約を結び、その契約書に記載された契約期間に関する条項から、契約時以降もその契約は継続しているものと推認できる。
イ Genoss社は、2022年1月27日に品番「DT7G0510100」の商品「高再吸収性の合成骨移植材料」(以下「使用商品1」という。)を、また、2022年3月21日に品番「DT7G0510050SS」の商品「高再吸収性の合成骨移植材料及びそれを手術領域に注入するためのシリンジ」(以下「使用商品2」という。)をそれぞれ製造し、各使用商品には、別掲のとおりの商標(以下「使用商標」という。)がその商品の包装に付されていたことが認められる。
そして、使用商品1は2022年1月27日、使用商品2は2022年3月21日にそれぞれ製造されたものであるから、商標権者とGenoss社との上記アの契約は、2022年3月頃まで継続していたものといえる。
ウ また、2019年4月19日及び2021年7月12日に、日本代理店であるコアフロント社から商品「Osteon II」の注文を受けた商標権者が、それぞれ同日に、商標権者(韓国)から日本の顧客へ配送し、当該商品の代金をコアフロント社へ請求したこと、これらの取引書類といえる発注書、輸出申告証書、国際宅配便の伝票、請求書の記載内容から、その取引に係る上記商品はGenoss社の製造に係る使用商品1及び使用商品2であることが認められ、上記商品の取引時期と上記イの製造時期はさほど経過しているとはいえないことから、上記取引に係る商品の包装に使用商標が付されていたとみて差し支えない。
エ そうすると、2018年10月24日付けで商標権者とODM契約を結んだGenoss社は、当該契約以降2022年3月頃まで、商品の包装に使用商標を付した使用商品1及び使用商品2を製造し、商標権者は、使用商品1及び使用商品2を2019年4月及び2021年7月頃に、日本代理店であるコアフロント社を通じて日本の顧客に譲渡したということができる。
2 判断
(1)使用商品について
使用商品1「高再吸収性の合成骨移植材料」は、その骨の欠損部位を再生、修復するために使用される「合成骨」であり、また、使用商品2「高再吸収性の合成骨移植材料及びそれを手術領域に注入するためのシリンジ」(「シリンジ(syringe)」は「注射器」のこと。研究社新英和中辞典)は、高再吸収性の合成骨移植材料(使用商品1)とそれを注入するための「注射器」であるといえる。
そうすると、使用商品1は「合成骨」であり、使用商品2は「合成骨及び合成骨を手術領域に注入するための注射器」であるから、使用商品1及び使用商品2は、いずれも本件審判の請求に係る指定商品中の「人工骨」又は「皮下注射器」の範ちゅうに含まれる商品である。
(2)使用商標について
使用商標は、別掲のとおり「OSTEON II」(「OSTEON」の文字の右肩に小さく「TM」の文字がある。)の文字からなるものであり、その構成態様などから「OSTEON」の文字が独立して自他商品識別標識としての機能を果たすものといえる。
そして、当該「OSTEON」の文字は、上記第1のとおり「Osteon」の文字からなる本件商標と、大文字と小文字の差異はあるものの、欧文字のつづりを共通にするから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標と判断するのが相当である。
(3)使用者、使用時期及び使用行為について
商標権者は、2018年10月にGenoss社とODM契約を結び、本件商標の使用を許諾していたことが認められ、その契約は、要証期間を含む2022年3月頃までも継続していたといえるから、Genoss社は、要証期間において、本件商標の通常使用権者であり、上記契約に基づき、使用商品1及び使用商品2を製造し、その包装に使用商標を付したといえる。
そして、商標権者は、本件商標の通常使用権者が商品の包装に使用商標を付した使用商品1及び使用商品2を、要証期間である2019年4月及び2021年7月頃に、日本代理店であるコアフロント社を通じて日本の顧客へ譲渡したといえるから、使用商標の使用者は商標権者である。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、商標権者は、要証期間に本件審判の請求に係る指定商品中の「人工骨」又は「皮下注射器」の範ちゅうに含まれる商品の包装に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を通常使用権者が付したものを日本国内の顧客に譲渡した(商標法第2条第3項第2号に該当。)ということができる。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-301031