特許拒絶査定不服審判
2021-017219
内燃機関のためのガス交換弁、及び内燃機関
- 審判番号
- 2021-017219
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-218034
- 請求日
- 2021年12月14日
- 審決日
- 2023年03月28日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 審判長/審判官
- 審判長 河端 賢
- 審判官 鈴木 充
- 審判官 木村 麻乃
- 分類
- P18 .121-WZ (F01L) / P18 .536-WZ (F01L) / P18 .537-WZ (F01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-218034「内燃機関のためのガス交換弁、及び内燃機関」拒絶査定不服審判事件〔平成30年5月24日出願公開、特開2018-80698〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年11月13日(パリ条約による優先権主張2016年(平成28年)11月14日(DE)ドイツ連邦共和国)の出願であって、令和3年1月14日付け(発送日:令和3年1月25日)で拒絶理由が通知され、令和3年7月20日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年8月4日付け(発送日:令和3年8月16日)で拒絶査定がされ、これに対して令和3年12月14日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、その審判の請求と同時に手続補正書が提出され、令和4年10月6日付け(発送日:令和4年10月17日)で当審において拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、令和5年1月16日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1ないし8に係る発明は、令和5年1月16日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
ガス交換弁(10)であって、
弁本体(12)を具備する弁ステム(11)と、
前記弁本体(12)のための弁シート(13)であって、前記ガス交換弁(10)が閉じられている状態において、前記弁本体(12)が前記弁シート(13)に接触した状態で載置されており、前記ガス交換弁(10)が開いている状態において、前記弁本体(12)が前記弁シート(13)に接触した状態で載置されていない、前記弁シート(13)と、
前記弁ステム(11)を案内するための弁ガイド(16)と、
を備えている前記ガス交換弁(10)において、
前記弁ガイド(16)が、前記弁ステム(11)のための別体のワイピング要素(18)を受容するための径方向内側溝(17)を有しており、
前記ワイピング要素(18)が、前記ワイピング要素(18)の径方向内面が前記弁ガイド(16)の径方向内面から径方向内方に突出した状態で、前記ワイピング要素(18)の径方向内面が前記弁ステム(11)の径方向外面と面接触するように円筒状に形成されており、
前記ワイピング要素(18)が、交換可能とされることを特徴とするガス交換弁。」
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は、次のとおりである。
(進歩性)本願の請求項1ないし8に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
<引用文献等一覧>
1.独国特許出願公開第19646851号明細書
2.特開昭62-237017号公報
3.実願昭56-190484号(実開昭58-94802号)
のマイクロフィルム
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1
当審拒絶理由において引用された独国特許出願公開第19646851号明細書(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審が付与した。以下同様。)。
なお、ウムラウト記号は省略した。
(1)「Der in Fig.1 dargestellte Ventiltrieb einer Brennkraftmaschine besteht aus einem Gaswechselventil 1, das in einer Ventilfuhrung 2 langsverschieblich angeordnet ist. Die Ventilfuhrung 2 ist in einem Zylinderkopf 3 einer Brennkraftmaschine fixiert. Ein Ventilschaft 4 des Gaswechselventils 1 tragt an seinem in Richtung Brennraum gerichteten Ende einen Ventilteller 5, der im geschlossenen Zustand des Gaswechselventiles 1 fest an einem Ventilsitzring 6 anliegt.
Das Gaswechselventil 1 wird durch eine Feder 7 in Schliessstellung gehalten. An seinem oberen Ende steht der Ventilschaft 4 uber einen an einem Abstutzelement 8 abgestutzten Schlepphebel 9 mit einem Nocken 10 in Wirkverbindung.
Nach der Erfindung ist zu verhindern, dass auf der Ebene A-A unmittelbar vor dem stirnseitigen Ende der Ventilfuhrung 2 auf dem Ventilschaft 4 angelagerte feste Olruckstande aufgrund unterschiedlicher Warmedehnungen von Gaswechselventil 1 einerseits und Zylinderkopf 3 bzw. Ventilfuhrung 2 andererseits in das Innere der Ventilfuhrung 2 hineinwandern und die eingangs beschriebenen Schwierigkeiten beim Kaltstart auslosen.」(4欄6ないし27行)
〔当審仮訳〕
「図1に示す内燃機関の弁装置は、弁ガイド2内に長手方向に変位可能に配置されたガス交換弁1から構成されている。弁ガイド2は、内燃機関のシリンダヘッド3に固定されている。ガス交換弁1の弁ステム4は、燃焼室の方に向けられたその端部に弁体5を担持し、この弁体は、ガス交換弁1の閉状態において弁座リング6に対してしっかりと静止している。
ガス交換弁1は、スプリング7によって閉位置に保持されている。その上端では、弁ステム4は、支持要素8に支持されたドラッグレバー9を介して、カム10と作動的に接続されている。
本発明によれば、弁ガイド2の前端部の直前の平面A-A上の弁ステム4に堆積した固形油残渣が、一方ではガス交換弁1、他方ではシリンダヘッド3または弁ガイド2の異なる熱膨張により弁ガイド2の内部に移行し、冷間始動時に冒頭に述べた困難を引き起こすことを防止する必要がある。」
(2)「Der Fig. 6 ist ein in der Ventilfuhrung 2 angeordneter Ring 15 entnehmbar, welcher eine nach innen gerichtete umlaufende Scratchkante zur Entfernung der am Ventilschaft 4 angelagerten Ruckstande besitzt. Dieser Ring 15 ist in axialer Richtung nach oben bzw. nach unten geringfugig verschiebbar.」(5欄3ないし8行)
〔当審仮訳〕
「図6は、弁ガイド2に配置されたリング15を示し、このリング15には、弁ステム4に付着した残留物を除去するための内側に向いた周方向のスクラッチエッジが形成されている。このリング15は、軸方向に若干上下に移動可能である。」
(3)
[図:0001400973000001.jpg]
(4)
[図:0001400973000002.jpg]
(5)上記(1)及び技術常識から、ガス交換弁1が閉じられている状態において、弁体5が弁座リング6に接触した状態で載置されており、前記ガス交換弁1が開いている状態において、前記弁体5が前記弁座リング6に接触した状態で載置されていないといえる。
(6)上記(2)及び(4)から、リング15は、弁ガイド2とは別体であるといえる。
(7)上記(4)から、弁ガイド2は、リング15を受容するための径方向内側溝を有していることが看取できる。
上記記載事項、認定事項及び図面の図示内容から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。
〔引用発明〕
「 ガス交換弁1であって、
弁体5を具備する弁ステム4と、
前記弁体5のための弁座リング6であって、前記ガス交換弁1が閉じられている状態において、前記弁体5が前記弁座リング6に接触した状態で載置されており、前記ガス交換弁1が開いている状態において、前記弁体5が前記弁座リング6に接触した状態で載置されていない、前記弁座リング6と、
前記弁ステム4を案内するための弁ガイド2と、
を備えている前記ガス交換弁1において、
前記弁ガイド2が、前記弁ステム4のための別体のリング15を受容するための径方向内側溝を有しており、
前記リング15が、弁ステム4に付着した残留物を除去するために内側に向いた周方向のスクラッチエッジが形成されている、
ガス交換弁。」
2 引用文献2
当審拒絶理由において引用された特開昭62-237017号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)「内燃機関のシリンダヘッドlは排気通路2を備えている。この排気通路はきのこ弁すなわち円板弁3によって制御可能である。このきのこ弁は閉鎖状態で弁座リング4に接触する。第1図では、きのこ弁3の弁軸5は軽金属で鋳造されたシリンダヘッド1の案内孔内で長手方向に案内されている。この場合、シリンダヘッド1は直接的にガイドとしての働きをし、熱を弁軸5から導いて放出する。排気通路2の中に突出する突起部6内には硬質金属ブッシュ7が押し込まれている。この硬質金属ブッシュの内径は案内孔の直径とほぼ同じである。きのこ弁3がその下側の開放位置から閉鎖位置の方へ向かって上方へ動くと、弁軸5に接する硬質金属ブッシュ7がいわば掻き取り部材として作用し、弁軸5に付着している石油カーボンを案内孔から遠ざける。」(2ページ右下欄5ないし20行)
(2)
[図:0001400973000003.jpg]
(3)上記(1)の「硬質金属ブッシュの内径」及び「案内孔の直径」との記載から、「硬質金属ブッシュ」及び「案内孔」の内面の断面形状は円形であるといえる。そして、上記(2)から、硬質金属ブツシュ7は、弁軸5の長手方向に長さを有することが看取できるので、硬質金属ブツシュ7の内面は円筒状であるといえる。
(4)上記(1)の「弁軸5は軽金属で鋳造されたシリンダヘッド1の案内孔内で長手方向に案内されている。」との記載から、弁軸5は案内孔内で案内されるから、技術常識を踏まえれば、案内孔の内面は弁軸5の外面に面接触するといえる。そして、「硬質金属ブッシュの内径は案内孔の直径とほぼ同じである。」との記載及び上記(3)を踏まえれば、硬質金属ブツシュ7の内面は弁軸5の外面に面接触する円筒状であるといえる。
上記記載事項、認定事項及び図面の図示内容から、引用文献2には、次の発明(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されているといえる。
〔引用文献2記載事項〕
「弁軸5に接して、弁軸5に付着している石油カーボンの掻き取り部材として作用する硬質金属ブッシュ7の内面を、弁軸5の外面に面接触するように円筒状とすること。」
3 引用文献3
当審拒絶理由において引用された実願昭56-190484号(実開昭58-94802号)のマイクロフィルム(以下「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)「本考案の要部となる構成は、バルブガイド6の掃気通路11側端部に金属環8を固定するための環状部6Aを形成すると共に、金属環8に耐熱布9(例えば石綿)をカシメ固定し、金属環8を環状部6Aに圧入固定した状態で、耐熱布9が、バルブ4の外周部に接触可能に配設した構成にある。
より詳細に説明すれば、金属環8は鍔付円環状をなし、鍔部内径はバルブガイド6の内径よりやや大きいが、9の耐熱布が金属環8の内部にカシメられた状態で耐熱布9の内径がバルブガイド6の内径とほぼ一致する。」(明細書4ページ4ないし14行)
(2)「また、金属環を交換するのみで耐熱布に付着したカーボン粒子等を除去でき、メンテナンスが極めて容易に行えるという実用上見逃し難い効果も奏する。(明細書5ページ2ないし5行)
(3)
[図:0001400973000004.jpg]
(4)上記(1)の「バルブガイド6の内径」及び「耐熱布9の内径」との記載から、バルブガイド6及び耐熱布の内面の断面形状は円形であるといえる。そして、上記(3)から、耐熱布9はバルブガイド6の長手方向に長さを有することが看取でき、上記(1)に「耐熱布9が、バルブ4の外周部に接触可能」と記載されているから、「耐熱布9の内面はバルブ4の外周部に面接触するように円筒状」であるといえる。
上記記載事項、認定事項及び図面の図示内容から、引用文献3には、次の発明(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されているといえる。
〔引用文献3記載事項〕
「バルブガイド6の掃気通路11側端部に固定された金属環8の内部に耐熱布9がカシメ固定され、該耐熱布9がバルブ4の外周部に接触可能であり、該耐熱布9の内面はバルブ4の外周部に面接触するように円筒状であり、該金属環8は交換可能であること。」
第5 当審の判断
1 本願発明と引用発明との対比
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「ガス交換弁1」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本願発明の「ガス交換弁(10)」に相当し、以下同様に、「弁体5」は「弁本体(12)」に、「弁ステム4」は「弁ステム(11)」に、「弁座リング6」は「弁シート(13)」に、「弁ガイド2」は「弁ガイド(16)」に、「リング15」は「ワイピング要素(18)」に、それぞれ相当する。
引用発明における「前記リング15が、弁ステム4に付着した残留物を除去するために内側に向いた周方向のスクラッチエッジが形成されて」いることと、本願発明における「前記ワイピング要素(18)が、前記ワイピング要素(18)の径方向内面が前記弁ガイド(16)の径方向内面から径方向内方に突出した状態で、前記ワイピング要素(18)の径方向内面が前記弁ステム(11)の径方向外面と面接触するように円筒状に形成されて」いることとは、「前記ワイピング要素(18)が、前記ワイピング要素(18)の径方向内面が前記弁ステム(11)の径方向外面と接触するように形成されて」いること、という限りにおいて一致している。
そうすると、本願発明と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有する。
〔一致点〕
「 ガス交換弁であって、
弁本体を具備する弁ステムと、
前記弁本体のための弁シートであって、前記ガス交換弁が閉じられている状態において、前記弁本体が前記弁シートに接触した状態で載置されており、前記ガス交換弁が開いている状態において、前記弁本体が前記弁シートに接触した状態で載置されていない、前記弁シートと、
前記弁ステムを案内するための弁ガイドと、
を備えている前記ガス交換弁において、
前記弁ガイドが、前記弁ステムのための別体のワイピング要素を受容するための径方向内側溝を有しており、
前記ワイピング要素が、前記ワイピング要素の径方向内面が前記弁ステムの径方向外面と接触するように形成されている、
ガス交換弁。」
〔相違点1〕
「前記ワイピング要素(18)が、前記ワイピング要素(18)の径方向内面が前記弁ステム(11)の径方向外面と接触するように形成されて」いることに関して、本願発明においては、前記ワイピング要素(18)が、「前記ワイピング要素(18)の径方向内面が前記弁ガイド(16)の径方向内面から径方向内方に突出した状態で、」前記ワイピング要素(18)の径方向内面が前記弁ステム(11)の径方向外面と「面」接触するように「円筒状に」形成されているのに対して、引用発明においては、リング15が、弁ステム4に付着した残留物を除去するために内側に向いた周方向のスクラッチエッジが形成されている点。
〔相違点2〕
本願発明においては、ワイピング要素(18)が、「交換可能」とされるのに対して、引用発明においては、リング15が交換可能とされるのか不明な点。
2 相違点についての判断
上記相違点1について検討する。
弁ステムを案内するための弁ガイドに設けられたワイピング要素の径方向内面を弁ステムの径方向外面と面接触するように円筒状に形成することは、本願の優先日前に周知の技術である(以下「周知技術」という。例えば、引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項を参照。)。
引用発明1において周知技術を参酌し、リング15(ワイピング要素に相当)を、弁ステム4(弁ステムに相当)の径方向外面と面接触するように円筒状に形成することは、当業者が容易に想到できたことである。
そして、弁ガイドの径方向内側溝に受容されたワイピング要素の径方向内面を弁ステムの径方向外面に接触させるためには、ワイピング要素の径方向内面と弁ガイドの径方向内面とが面一であるか、又は、ワイピング要素の径方向内面を弁ガイドの径方向内面よりも突出させなければならないことは、当業者が容易に認識することであるところ、そのいずれを選択するかは、接触させたい程度(ワイピングの程度)と、弁ガイドによる弁ステムの案内性(弁ステムの動きのスムースさ)のバランスを考慮し、当業者が適宜決定し得ることであって、ワイピング要素の径方向内面が弁ガイドの径方向内面から径方向内方に突出した状態とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
したがって、引用発明1において周知技術を参酌し、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
上記相違点2について検討する。
引用発明のリング15は弁ガイド2とは別体である。そして、引用文献1の5欄7ないし8行の「リング15が、軸方向に若干上下に移動可能である。」との記載から、リング15は、弁ガイド2に完全に固定されているものではなく、取り外すことができないものではないと理解できる。
そうすると、引用発明のリング15は、「交換可能」といえる。
よって、上記相違点2は、実質的な相違点ではない。
仮に実質的な相違点であるとしても、引用文献3記載事項を参酌すれば、引用発明において、リング15を交換可能とし、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
そして、全体として見ても、本願発明が奏する作用効果は、引用発明及び周知技術から、又は、引用発明、周知技術及び引用文献3記載事項から、当業者が予測し得る範囲内のものであって、格別なものではない。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、又は、引用発明、周知技術及び引用文献3記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
3 請求人の主張について
請求人は、令和5年1月16日に提出された意見書において次のように主張している。
「引用発明2では、硬質金属ブッシュ7の内径は、案内スリーブ8(本願の弁ガイドに対応)の内径と略同一です(第2頁右下欄第14~16行)。そうしますと、硬質金属ブッシュ7の径方向内面は、案内スリーブ8の径方向内面から径方向内方に突出しておりません。
引用発明3では、金属環8の内部にかしめられた耐熱布9の内径がバルブガイド6の内径と略同一です(第4頁第12~14行)。そうしますと、金属環8の内部にかしめられた耐熱布9の径方向内面は、バルブガイド6の径方向内面から径方向内方に突出しておりません。
引用発明1では、リング15の内径が弁ガイド2の内径と同一か否か開示されていませんので、リング15の径方向内面は、弁ガイド2の径方向内面から径方向内方に突出しているか否かについても開示されておりません。」(〔3〕進歩性(拒絶理由1)(3)本願発明と引用発明の比較)
上記主張について検討すると、上記2の相違点1についての検討において述べたとおり、ワイピング要素の径方向内面が弁ガイドの径方向内面から径方向内方に突出した状態とすることは、接触させたい程度(ワイピングの程度)と、弁ガイドによる弁ステムの案内性(弁ステムの動きのスムースさ)のバランスを考慮し、当業者が適宜決定し得ることである。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、又は、引用発明、周知技術及び引用文献3記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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