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特許拒絶査定不服審判

2021-017159

サーバ制御システム

審判番号
2021-017159
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-115299外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年12月13日
審決日
2022年09月28日
公報発行日
2022年12月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H02J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-115299「サーバ制御システム」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月10日出願公開、特開2019- 4542〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成29年6月12日を出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

令和3年 4月27日付け:拒絶理由通知書
令和3年 7月 5日 :意見書及び手続補正書の提出
令和3年 9月 9日付け:拒絶査定(原査定)
令和3年12月13日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和3年12月13日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和3年12月13日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 補正の内容

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。以下、本件補正後の請求項1に係る発明を「本件補正発明」という。)

「 【請求項1】
サーバと、前記サーバを冷却する空調機と、への電力の供給が停止された際、非常用発電機が前記サーバと前記空調機へ電力の供給を開始するまでの間、無停電電源装置によって前記サーバへ電源が供給されるサーバ制御システムであり、
前記サーバへの電力供給が停止したことを検知し、停止信号を発する電力異常検知器と、
前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信し、前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力するサーバ制御部と、
を備えることを特徴とするサーバ制御システム。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の、令和3年7月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「 【請求項1】
サーバへの電力の供給が停止された際、非常用発電機が電力を開始するまでの間、無停電電源装置によって電源が供給されるサーバ制御システムであり、
前記サーバへの電力供給が停止したことを検知し、停止信号を発する電力異常検知器と、
前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信し、前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力するサーバ制御部と、
を備えることを特徴とするサーバ制御システム。」

2 補正の適否について

(1)補正事項

本件補正のうちの請求項1についての補正は、以下の補正事項1~3を含むものである。

ア 補正事項1

補正事項1は、本件補正前の請求項1の「サーバへの電力の供給が停止された際」を、「サーバと、前記サーバを冷却する空調機と、への電力の供給が停止された際」に補正するものである。

イ 補正事項2

補正事項2は、本件補正前の請求項1の「非常用発電機が電力を開始するまでの間」を、「非常用発電機が前記サーバと前記空調機へ電力の供給を開始するまでの間」に補正するものである。

ウ 補正事項3

補正事項3は、本件補正前の請求項1の「無停電電源装置によって電源が供給される」を、「無停電電源装置によって前記サーバへ電源が供給される」に補正するものである。

(2)補正の目的について

ア 補正事項1は、「電力の供給」の態様について、下線部の限定を付加するものである。

イ(ア)補正事項2に関し、本件補正前の「非常用発電機が電力を開始するまでの間」の「開始する」は、通常、何らかの動作や行為を始めることを意味する用語であるところ、「電力」は動作や行為を表す用語ではない。

そのため、「電力を開始する」との記載には誤りがあるといえる。

(イ)本件補正前の請求項1には、「電力の供給が停止された」との記載がある。また、明細書【0013】には、「そのタイムラグ対策として、サーバ13の電源はサーバ用UPS15、空調機14の電源は空調機用UPS16にて、非常用発電機12から電力が供給される短時間の電源バックアップを行う。その結果、非常用発電機12から電力が供給されるまで、サーバ13、空調機14に対する電源供給が継続される。」との記載がある。

これらの記載に鑑みれば、前記「電力を開始する」が、「電力の供給を開始する」の誤記であったことは明らかである。

(ウ)前記(イ)を踏まえると、補正事項2は、「電力を開始する」との誤記を訂正するとともに、非常用発電機による「電力の供給」の態様について、「前記サーバと前記空調機へ」という限定を付加するものである。

ウ 補正事項3は、無停電電源装置による「電源」の「供給」の態様について、下線部の限定を付加するものである。

エ 本件補正の前後において請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるものと解される。

オ 前記ア~エのとおりであるから、本件補正のうちの請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項2号及び3号に掲げる特許請求の範囲の減縮及び誤記の訂正を目的とするものに該当する。

3 独立特許要件について

前記2のとおり、本件補正のうちの請求項1についての補正は、特許請求の範囲の減縮及び誤記の訂正を目的とするものに該当するから、本件補正発明が特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項及び引用発明

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ア 引用文献1の記載事項及び引用発明

原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開平5-333969号公報(平成5年12月17日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は強調のため当審で付した。以下、同じ。)。

「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無停電電源装置を備えたパ-ソナルコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置に係り、とくに、商用電源の停電時における処理の続行に好適な情報処理装置の停電時運転方法と情報処理装置に関する。」

【0002】

【従来の技術】パーソナルコンピュータ(パソコン)においては、ユーザのプログラムファイル、データファイルなどを一箇所の大容量記憶装置に保管して各パソコンのユーザが共有したり、あるいは各パソコンの記憶装置容量以上のデータを上記大容量記憶装置にストアしてアクセスすることが行なわれている。一般的にはコンピュータ(ファイルサーバ)と複数のパソコン(クライアント)をネットワークで接続し、ファイルサーバ上のファイルを各パソコンからアクセスし使用する。

【0003】ここでファイルサーバの記憶装置上のファイルへのユーザ、あるいはアプリケーションソフトウェアからのアクセスは、各パソコンのローカルな記憶装置上のファイルへのアクセスと同じ方法で行えるようになっている。上記ファイルサーバは複数のユーザが共用するので、停電等の災害によって記憶装置に障害が発生すると多くのユーザに迷惑が及ぶので、ファイルサーバには無停電電源が接続されることが多い。

【0004】図2は無停電電源装置の構成例を示すブロック図である。電源モニタ204は商用電源1とバッテリ電源205の電圧をモニタして電源モニタ信号7に出力し、インバータ203はバッテリ202の電圧を商用電源1と同じ交流に変換する。また、バッテリ202は充電器201により常時充電されている。インバータ203は通電、停電にかかわらず商用電源1と同じ交流電圧を出力端子6から出力するので、この方式は常時インバータ給電方式と呼ばれている。

【0005】図3は図2の出力端子6に、商用電源1の通電時には商用電源1を出力し、停電時にはインバータ203の出力を出力するように切り替え器206を設けた場合である。切り替え器206は電源モニタ204の切り替え信号207により制御される。この方式は停電時のみインバータ203が使用されるので常時商用給電方式と呼ばれている。

【0006】図4は従来の無停電電源装置2を用いたネットワークシステム例のブロック図である。無停電電源装置2は商用電源1の停電に応じて電源モニタ信号7により停電の発生をファイルサーバ3に通知し、ファイルサーバ3はネットワーク5に接続された各クライアント4a、4b、4cに停電の発生を通知し、同時にとファイルサーバ3の使用中止を要請する。」

「【0015】
【実施例】本発明では、停電時にシステムの各構成要素を無停電電源2により個別に最適順位でバックアップし、さらに、支障の無いものの電力を低減/遮断して無停電電源2の定格電力容量を総合的に低減し、バックアップ時間を延長するようにする。以下に述べる実施例においては、一例として停電時に、ファイルサ-バ3内で無停電電源2の出力より変換して生成したAC電源、DC電源を分割して制御し、また、ハードディスクのスピンドルモータを停止、CPUなどのクロック周波数を低めて消費電力を削減する方法について説明する。この他に未使用メモリのリフレッシュ停止や他の消費電力削減に関する手順、方法等を含めるようにしてもよいことは勿論である。
【0016】図5は本発明によるファイルサーバ3のブロック図である。CPU301はCPUバス350および、I/Oバス351にリードあるいはライトコマンドをアドレスとともに発行して各バスに接続された各デバイスをアクセスする。CPUバス350にはキャッシュメモリ302、数値演算プロセッサ303、メインメモリ304等が接続され、I/Oバス351には表示コントローラ307、キーボードコントローラ308、フロッピーディスク309、ハードディスク310、SCSIコントローラ311、LANインタフェース312、シリアル/パラレルインタフェース314やCPU301に定期的にタイマ割り込みを発生するタイマカウンタ305、および無停電電源モニタ313、DC電源制御ユニット315、AC電源制御ユニット316等が接続される。また、306はバスコントローラ、318はクロックコントローラである。
【0017】図6は上記各デバイスへの電源供給系統図である。ファイルサ-バ3内のAC電源制御ユニット316と電源ユニット317は無停電電源の出力6をそれぞれAC電圧371、372と例えば5Vと12VのDC電圧360に変換し、DC電源制御ユニット315はDC電圧360をDC電圧361~363に変換する。なお、304aはメインメモリ304の基本ブロック、304bはメインメモリ304の拡張ブロックである。
続きを表示(全16行)
【0018】DC電源360は無停電電源6が遮断されない限り供給される。DC電源361~363は、CPU301がDC電源制御ユニット315のI/Oレジスタへ制御情報を書き込むことにより、それぞれ個別に通電、遮断制御される。AC電源371、372も同様に、CPU301がAC電源制御ユニット316のI/Oレジスタへ制御情報を書き込むことにより、それぞれ個別に通電、遮断制御される。また、メインメモリ拡張ブロック304bはハードディスク310および外付けハードディスク10のディスクキャッシュ用メモリとして使用される。
【0019】以下、図5、図6で示したファイルサーバ3を図4で示したシステムに適用した場合の動作を図7および図1のフローチャート、図8のメモリマップを用いて説明する。図8は上記メインメモリ304のメモリマップ例を示す図である。メインメモリ基本ブロック304aにはOSの他にタイマ割り込み処理ルーチン100、無停電電源モニタ割り込み処理ルーチン700、無停電電源モニタパラメータ850等をマッピングする。
【0020】一方、メインメモリ拡張ブロック304bはディスクキャッシュとしてマッピングする。ここで無停電電源モニタパラメータ850を停電中かどうかを示す停電フラグと停電時間カウンタにより構成する。なお、設定値A、B、C、D等は停電発生後の時間を設定するものであり停電時間カウンタに設定される。設定値Aには停電発生からシリアル/パラレルインタフェース314およびフロッピーディスク309を使用停止するまでの時間を設定する。
【0021】設定値Bには停電発生からハードディスク310および外付けハードディスク10を使用停止し、またCPUのクロック周波数を切り替えるまでの時間を設定する。設定値Cには停電発生から表示コントローラ307およびCRT8を使用停止するまでの時間を設定する。設定値Dには停電発生からファイルサーバ3のOSの停止処理までの時間を設定する。
【0022】図4で示した無停電電源装置2は停電、通電再開、およびバッテリ202の電圧低下検出等を電源モニタ信号7によりファイルサーバ3に通知する。無停電電源モニタ313は上記電源モニタ信号7に応じてCPU301に割り込みを発生して図7に示す無停電電源モニタ割り込みの処理ルーチン700を実行する。
【0023】図7において、停電発生により無停電電源モニタ313からCPU301に対する割り込みが発生すると、ステップ701にて停電時間カウンタをクリアし、ステップ702にて停電フラグをONにし、停電時間カウンタ値と停電フラグをメインメモリ304に記憶する。次いでステップ703にて、ネットワーク5に接続されたクライアントに対して停電が発生し現在無停電電源装置によるバックアップ運転中であることを通知し、作業の中止を促す。
【0024】図1は上記停電フラグON以後のタイマ割り込み処理ルーチン100を説明するフロ-チャ-トである。まず、ステップ102にて停電時間カウンタの値をカウントアップし、ステップ103にて停電時間カウンタの値と設定値Aと比較して両者が一致した場合にはステップ107にてDC電源bを遮断し、シリアル/パラレルインタフェース314およびフロッピーディスク309を停止し電力消費をカットする。次いでステップ104にて停電時間カウンタの値と設定値Bとを比較し、一致すればステップ108にてハードディスク310および外付けハードディスク10に対してCPU301からコマンドを発行してハードディスクのスピンドルモータを停止する。
【0025】ここで、外付けハードディスク10に対するコマンドはSCSIコントローラ311を経由して外付けハードディスク10に発行される。同じくステップ108ではディスクキャッシュの使用を停止してメインメモリ拡張ブロック304bを解放する。さらにステップ108では、CPU301からクロックコントローラ318にコマンドを発行してクロック周波数を例えば二分の一の周波数に低める。クロック周波数はCPU301、数値演算プロセッサ303、バスコントローラ306等に供給される。
【0026】ステップ109ではAC電源372、DC電源363を遮断してSCSIコントローラ311、ハードディスク310、メインメモリ拡張ブロック304b、外付けハードディスク10等への給電を停止する。上記ステップ108、ステップ109の処理により、ハードディスク310、CPU301、メインメモリ304などの消費電力を削減することができる。
【0027】次いでステップ105にて、停電時間カウンタの値と設定値Cとを比較し、一致した場合にはステップ110にて、AC電源371、DC電源362を遮断し、表示コントローラ307およびCRT8への給電を遮断する。さらに、ステップ106にて停電時間カウンタの値と設定値Dとを比較し、一致した場合にはステップ11にてAC電源371、AC電源372、DC電源361、DC電源362、DC電源363等を通電し、ステップ112にてクライアントにサーバを停止するメッセージを送り、ステップ113にてサーバの停止処理を行う。
【0028】次いでステップ190にて他のタイマ割り込み処理ルーチンへ移行する。上記処理の後、バッテリ202の電圧低下が検知されると、図7のステップ750、~712に示す無停電電源モニタ割り込みの処理に移行する。ステップ712では停電時間カウンタの値を設定値Dから1つ下げ、次のタイマ割り込み処理においてサーバ停止を行うようにして、設定値Dの設定時に見積もったバッテリ保持時間の前にサーバを安全に停止するようにする。以上述べた処理により、停電時に消費電力を削減している状態でもハードディスクへのアクセスを行うことができる。
【0029】停電が回復した場合には、図7のステップ750、751およびステップ722~724を経る割込み処理を実行する。ステップ722にて停電フラグをクリアし、以後のタイマ割り込み処理ルーチンにて停電時処理をバイパスするようにする。ステップ723ではCPU301のコマンドによりDC電源ユニット315、AC電源ユニット316はそれぞれDC電源361、DC電源362、DC電源363およびAC電源371、AC電源372等を通電状態にし、ステップ724にて各クライアントに商用電源の通電再開を通知する。」
「【図1】
[図:0001391701000001.jpg]
」
「【図2】
[図:0001391701000002.jpg]
」
「【図3】
[図:0001391701000003.jpg]
」
「【図4】
[図:0001391701000004.jpg]
」
「【図5】
[図:0001391701000005.jpg]
」
「【図6】
[図:0001391701000006.jpg]
」
「【図7】
[図:0001391701000007.jpg]
」

【図5】には、【0016】の記載を踏まえると、「ファイルサーバ3」の「クロックコントローラ318」が、「CPU108」、「数値演算プロセッサ303」及び「I/Oバス351」と接続されていること、が見て取れる。

したがって、引用文献1には、特に「図5、図6で示したファイルサーバ3を図4で示したシステムに適用した場合」(【0019】参照)の記載に注目すると、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、後の参照の便宜のため、引用発明をA~Rに分説した。

「A 無停電電源装置2を用いたネットワークシステムであって(【0006】)、
B ファイルサーバ3は(【0016】)、
C CPU301はCPUバス350および、I/Oバス351にリードあるいはライトコマンドをアドレスとともに発行して各バスに接続された各デバイスをアクセスし(【0016】)、
D I/Oバス351にはCPU301に定期的にタイマ割り込みを発生するタイマカウンタ305、および無停電電源モニタ313等が接続され(【0016】)、
続きを表示(全18行)
E クロックコントローラ318は、CPU108、数値演算プロセッサ303及びI/Oバス351と接続され(【図5】、【0016】)、
F 設定値A、B、C、D等は停電発生後の時間を設定するものであり停電時間カウンタに設定され(【0020】)、
G 無停電電源装置2は停電、通電再開、およびバッテリ202の電圧低下検出等を電源モニタ信号7によりファイルサーバ3に通知し(【0022】)、
H 無停電電源モニタ313は上記電源モニタ信号7に応じてCPU301に割り込みを発生して、無停電電源モニタ割り込みの処理ルーチン700を実行し(【0022】)、
I 停電発生により無停電電源モニタ313からCPU301に対する割り込みが発生すると、ステップ701にて停電時間カウンタをクリアし、ステップ702にて停電フラグをONにし、停電時間カウンタ値と停電フラグをメインメモリ304に記憶し、次いでステップ703にて、ネットワーク5に接続されたクライアントに対して停電が発生し現在無停電電源装置によるバックアップ運転中であることを通知し、作業の中止を促し(【0023】)、
J 上記停電フラグON以後のタイマ割り込み処理ルーチン100は(【0024】)、
K ステップ102にて停電時間カウンタの値をカウントアップし(【0024】)、
L ステップ103にて停電時間カウンタの値と設定値Aと比較して両者が一致した場合にはステップ107にてDC電源bを遮断し、シリアル/パラレルインタフェース314およびフロッピーディスク309を停止し電力消費をカットし(【0024】)、
M 次いでステップ104にて停電時間カウンタの値と設定値Bとを比較し、一致すればステップ108にてハードディスク310および外付けハードディスク10に対してCPU301からコマンドを発行してハードディスクのスピンドルモータを停止し(【0024】)、
N 同じくステップ108ではディスクキャッシュの使用を停止してメインメモリ拡張ブロック304bを解放し(【0024】)、
O さらにステップ108では、CPU301からクロックコントローラ318にコマンドを発行してクロック周波数を例えば二分の一の周波数に低め、クロック周波数はCPU301、数値演算プロセッサ303、バスコントローラ306等に供給され(【0025】)、
P ステップ109ではAC電源372、DC電源363を遮断してSCSIコントローラ311、ハードディスク310、メインメモリ拡張ブロック304b、外付けハードディスク10等への給電を停止し(【0026】)、
Q 停電が回復した場合には、ステップ722にて停電フラグをクリアし、以後のタイマ割り込み処理ルーチンにて停電時処理をバイパスするようにし、ステップ723ではCPU301のコマンドによりDC電源ユニット315、AC電源ユニット316はそれぞれDC電源361、DC電源362、DC電源363およびAC電源371、AC電源372等を通電状態にし、ステップ724にて各クライアントに商用電源の通電再開を通知する
R ネットワークシステム」

イ 引用文献2の記載事項

原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2012-26620号公報(平成24年2月9日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。

「【背景技術】
【0002】
DC等のサーバールームでは、多数のサーバー、その他の電子機器、電源装置等が高密度化され、それらの排熱が増加傾向にある。そのような状況下で空調が停止すると、室内の温度が急激に上昇する。そして、サーバー等は動作環境の上限温度を超えると、障害を発生する可能性が高くなる。また、機種によっては、自ら動作を停止することもある。従って、利用者に多大な損害を与えるおそれがあり、非常時も含めた安定運用上その熱対策が重要となっている。
【0003】
特に、停電等の非常時においては、空調機の電源が切れた場合でも、サーバー、その他の電子機器は運転していることが多く、その場合、非常用発電機から空調機に電源供給が行われるまでの時間、サーバールームはサーバー、その他の電子機器、電源装置等からの排熱で温度が上昇していく。排熱が増加傾向にある現状では、この様な非常時にサーバー等の動作環境の上限温度を超えることにより障害を発生する可能性が高まることから、利用者に多大な損害を与えるおそれがある。そこで、このような空調機の停電時にもサーバールーム又はサーバー等の温度の上昇を抑える方策が要望されている。」

ウ 引用文献3の記載事項

原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2002-238184号公報(平成14年8月23日出願公開。以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。

「【0002】
【従来の技術】情報化杜会の発展に伴い、オフィスや病院等には、コンピュータや情報通信機器等の負荷機器の導入は不可欠で、該負荷機器が使用中に突然ダウンすると、そのデータが消失してしまう等のトラブルが発生し、そこで、これらの負荷機器のバックアップ電源として、従来、建物の地下等の電気室内に無停電電源装置(以下、UPS)が配備されていた。該UPSは、停電等で電力会社からの電力供給が停止した場合に作動し、非常用発電機を立ち上げるまでの間、該負荷機器に対して連続的に電力を供給していた。また、前記UPSには、専用の非常用発電機が付設され、災害等、停電が長時間に及ぶときには、該非常用発電機を立ち上げて、該UPSを充電しつつ、負荷機器へ給電していた。」

(3)引用発明との対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

ア 「サーバと、前記サーバを冷却する空調機と、への電力の供給が停止された際、非常用発電機が前記サーバと前記空調機へ電力の供給を開始するまでの間、無停電電源装置によって前記サーバへ電源が供給されるサーバ制御システムであり、」について

(ア)引用発明の「ファイルサーバ3」(分説B)及び「無停電電源装置2」(分説A)はそれぞれ、本件補正発明の「サーバ」、「無停電電源装置」に相当する。

(イ)引用発明の「ファイルサーバ3」は、「停電が発生」すると「無停電電源装置によるバックアップ運転」(分説I)を行い、「停電が回復した場合」には、「各クライアントに商用電源の通電再開を通知」(分説Q)することから、前記「停電」が「ファイルサーバ3」への「商用電源」による電力の供給の停止であることは明らかである。

また、無停電電源装置は停電時に負荷装置に電源を供給する装置であるとの技術常識に照らせば、「停電が発生」した際の「ファイルサーバ3」の「無停電電源装置によるバックアップ運転」は、「無停電電源装置2」からの電源の供給による運転である。

(ウ)引用発明では、「停電が回復した場合」に、「DC電源361、DC電源362、DC電源363およびAC電源371、AC電源372等を通電状態に」(分説Q)するから、前記(イ)の「停電が発生」した際の「ファイルサーバ3」の「無停電電源装置によるバックアップ運転」は、「停電が回復」するまで、すなわち、「商用電源」による「ファイルサーバ3」への電力の供給が再開するまでの間であることは明らかである。

したがって、本件補正発明と引用発明とは、「サーバへの電力の供給が停止された際、サーバへ電力の供給が開始されるまでの間、無停電電源装置によって前記サーバへ電源が供給される」点で共通する。

(エ)引用発明の「ネットワークシステム」では、「停電発生」(分説I)時、「DC電源bを遮断し、シリアル/パラレルインタフェース314およびフロッピーディスク309を停止し」(分説K)、「ハードディスク310および外付けハードディスク10に対してCPU301からコマンドを発行してハードディスクのスピンドルモータを停止し」(分説M)、「ディスクキャッシュの使用を停止してメインメモリ拡張ブロック304bを解放し」(分説N)、「CPU301からクロックコントローラ318にコマンドを発行してクロック周波数を例えば二分の一の周波数に低め」(分説O)る処理を行う。

前記処理が、「ファイルサーバ3」の運転を制御するものであることは明らかであり、引用発明の「ネットワークシステム」は、「ファイルサーバ3」の運転を制御するシステムといえるから、後述する相違点を除き、本件補正発明の「サーバ制御システム」に相当する。

イ 「前記サーバへの電力供給が停止したことを検知し、停止信号を発する電力異常検知器と、」について

(ア)引用発明の「無停電電源モニタ313」は、「上記電源モニタ信号7に応じてCPU301に割り込みを発生」(分説H)しており、「無停電電源モニタ313」が「CPU301」に対して「割り込み」の信号を送っていることは、技術常識に照らせば明らかである。

そして、「停電発生により無停電電源モニタ313からCPU301に対する割り込みが発生すると」、「停電時間カウンタをクリア」し、「停電フラグをON」にする(「分説I」)という停電に係る処理が行われるから、上記「停電発生」による「割り込み」の信号は「停電発生」を示すものといえる。

したがって、引用発明における「割り込み」の信号は、本件補正発明の「停止信号」に相当する。

(イ)前記(ア)の「無停電電源モニタ313」による「停電発生」時の「CPU301に対する割り込み」は「電源モニタ信号7」に応じたものであるところ、当該「電源モニタ信号7」は、「無停電電源装置2」が「停電、通電再開、およびバッテリ202の電圧低下検出等」を「ファイルサーバ3に通知」(分説G)するものである。

したがって、「無停電電源装置2」が、「停電」を検知していることは明らかである。

(ウ)前記(ア)及び(イ)を踏まえると、「CPU301」への「停電発生」を示す「割り込み」の信号の送出は、前記「無停電電源装置2」と「無停電電源モニタ313」とが協働して行うものといえるから、前記「割り込み」の信号の送出に係る「無停電電源装置2」と「無停電電源モニタ313」の構成は、本件補正発明の「前記サーバへの電力供給が停止したことを検知し、停止信号を発する電力異常検知器」に相当する。

ウ 「前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信し、前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力するサーバ制御部と、」について

(ア)引用発明では、上記イ(ア)の「停電発生」による「無停電電源モニタ313」から「CPU301」に対する「割り込み」が発生すると、「無停電電源モニタ割り込みの処理ルーチン700」が「実行」(分説H)され、「ステップ701にて停電時間カウンタをクリアし、ステップ702にて停電フラグをONにし、停電時間カウンタ値と停電フラグをメインメモリ304に記憶」する処理が行われるが、当該「無停電電源モニタ割り込みの処理ルーチン700」を「CPU301」が実行していることは明らかである。

(イ)上記(ア)の「停電フラグをON」以後の「タイマ割り込み処理ルーチン100」(分説J)において、「停電時間カウンタの値をカウントアップ」(分説K)し、「ステップ104にて停電時間カウンタの値と設定値Bとを比較し、一致すれば」(分説M)、「ステップ108」で、「CPU301からクロックコントローラ318にコマンドを発行してクロック周波数を例えば二分の一の周波数に低め」ることを行う。

「CPU301」が「クロックコントローラ318にコマンドを発行」することから、前記「CPU301」が「タイマ割り込み処理ルーチン100」を実行していることは明らかである。

前記「クロック周波数」は、「ファイルサーバ3」の「CPU301」「等に供給され」(分説O)るものであるから、本件補正発明の「サーバのCPUのクロック周波数」に相当し、前記「二分の一の周波数」は、本件補正発明の「予め設定された設定クロック周波数」に相当する。

また、前記「クロックコントローラ318」に発行される「コマンド」は、本件補正発明の「制御信号」に相当する。そして、前記「コマンド」が発行される「クロックコントローラ318」は「ファイルサーバ3」のものであり、前記「コマンド」が「ファイルサーバ」の「CPU301」等に供給される「クロック周波数」を低めるものであることも踏まえると、「コマンド」は「ファイルサーバ3」に出力されているといえる。

(ウ)前記(ア)及び(イ)のとおり、「CPU301」は、「無停電電源モニタ割り込みの処理ルーチン700」及び「タイマ割り込み処理ルーチン100」を実行し、「クロックコントローラ318にコマンドを発行して」いるから、前記ア(イ)及びイ(ア)も踏まえると、「CPU301」は、本件補正発明の「前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信し、前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力するサーバ制御部」に相当する。

エ 上記ア~ウで対比した事項を踏まえると、本件補正発明と引用発明とは、次の一致点、相違点があるといえる。

<一致点>

「サーバへの電力の供給が停止された際、サーバへ電力の供給が開始されるまでの間、無停電電源装置によって前記サーバへ電力が供給されるサーバ制御システムであり、
前記サーバへの電力供給が停止したことを検知し、停止信号を発する電力異常検知器と、
前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信し、前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力するサーバ制御部と、
を備えることを特徴とするサーバ制御システム。」

<相違点>

(相違点1)

本件補正発明は、電力の供給が停止した際、「非常用発電機」による電力の供給を開始するものであるのに対し、引用発明は、非常用発電機による電力供給について特定されていない点。

それに付随して、無停電電源装置による電源の供給が、本件補正発明は「非常用発電機」による電力供給の開始までの間であるのに対し、引用発明は、商用電源による電力供給の再開までの間である点。

(相違点2)

本件補正発明は、電力の供給が「サーバを冷却する空調機」にも行われるのに対し、引用発明は、サーバを冷却する空調機に電力を供給することについて特定されていない点。

(4)相違点についての判断

ア 相違点1について

引用文献3に記載されているように、電力会社からの電力供給が停止した場合に、非常用発電機を立ち上げるまでの間、無停電電源装置により、コンピュータや情報機器等の負荷機器に対して電力を供給することは、本願出願時における周知技術である。

そして、引用発明は、停電発生後の時間を設定値A、B、C、D等で設定する等、商用電源がすぐに回復しない場合を示唆するものであり、前記周知技術を引用発明に適用し、停電時に非常用発電機を立ち上げ、当該非常用発電機が立ち上がるまでの間、無停電電源装置2によりファイルサーバ3のバックアップ運転を行う構成、すなわち、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 相違点2について

空調機により、計算機室に配置されたサーバを冷却することは、広く行われていることである。

また、引用文献2に記載されているように、停電時に、計算機室の空調機に非常用発電機から電力を供給することは、本願出願時における周知技術である。

そして、引用発明においても、各クライアント4に共用されるファイルサーバ3が多くの熱を排出することは当然に想定されるところ、前記周知技術を引用発明に適用し、ファイルサーバ3を冷却するための空調機に、停電時に非常用発電機から電力を供給することは、当業者が容易になし得たものである。また、その場合、平常時には、商用電源によって電力が供給されることは言うまでもないことである。

ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2、3にそれぞれ記載された周知技術の奏する作用効果から予測される範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(5)請求人の主張について

ア 請求人は、審判請求書において、概ね以下の主張をしている。

(ア)主張1

引用文献1~3は、本願発明の「前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信し、前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力する」構成を開示するものではありません。

引用文献1はバックアップ運転時間を増加させるべく、停電時間に応じて消費電力を低減させるための処理がなされる構成を開示するものに過ぎません。…(後略)

(イ)主張2

たとえ、CPUのクロック周波数を下げることで発熱が抑制できる点が当業者にとって自明であったとしても、いずれの文献にも本願発明のように「前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信」することを条件として「前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力する」とした、変更タイミングに係る記載はなく、いずれの文献を組み合わせても本願発明を容易に想到することはできません。

イ 上記主張について検討する。

(ア)主張1について

引用発明が、本件補正発明の「前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信し、前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力する」構成を備えることは、前記(2)ウで示したとおりである。

したがって、請求人の主張1は採用できない。

(イ)主張2について

a 引用発明では、停電発生により無停電電源モニタ313からCPU301に割り込みの信号が送出され、CPU301は、無停電電源モニタ割り込みの処理ルーチン700を実行して、停電時間カウンタをクリアし、停電フラグをONにする。

そして、前記停電フラグON以後のタイマ割り込み処理ルーチン100において、停電時間カウンタの値をカウントアップし、停電時間カウンタの値が設定値Bとなると、クロックコントローラ318にクロック周波数を例えば二分の一の周波数に低めるコマンドを出力するものである。

一方、前記停電フラグは、停電発生による前記割り込みが発生しないとONにはならず(図7を参照)、その結果、タイマ割り込み処理ルーチン100において、停電時間カウンタの値がカウントアップされ、クロックコントローラ318にクロック周波数を低めるコマンドを出力することもない(図1の特にステップ101「停電フラグON?」を参照)。

つまり、引用発明のCPU301は、無停電電源モニタ313からの停電発生を示す割り込みの信号を受信することを条件として、クロックコントローラ318にクロック周波数を低めるコマンドを出力するものである。

b 請求人の主張2は、本件補正発明は「前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信」すると、即座に「前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力する」ものであることを主張しているようにも解される。

しかしながら、本件補正発明は、「前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信し」、「前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力する」ことが特定されているに過ぎず、本件補正発明が「前記停止信号を受信」後、即座に「制御信号を出力する」ものと解することはできない。

c 前記a及びbのとおりであるから、請求人の主張2も採用できない。

(6)小括

以上のとおり、本件補正発明は、引用発明並びに引用文献2及び引用文献3にそれぞれ記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 本件補正についてのむすび

よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

令和3年12月13日にされた手続補正は、前記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年7月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定されるものであるところ、前記第2[理由]2(2)イで示したとおり、請求項1の「電力を開始する」は「電力の供給を開始する」の誤記と解される。

したがって、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりと認める。

「 【請求項1】
サーバへの電力の供給が停止された際、非常用発電機が電力の供給を開始するまでの間、無停電電源装置によって電源が供給されるサーバ制御システムであり、
前記サーバへの電力供給が停止したことを検知し、停止信号を発する電力異常検知器と、
前記電力異常検知器から発せられた前記停止信号を受信し、前記無停電電源装置で電源が供給される前記サーバのCPUのクロック周波数を、予め設定された設定クロック周波数に変更すべく、前記サーバに制御信号を出力するサーバ制御部と、
を備えることを特徴とするサーバ制御システム。」

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1及び2に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明並びに引用文献2及び引用文献3にそれぞれ記載された周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1.特開平5-333969号公報

引用文献2.特開2012-26620号公報

引用文献3.特開2002-238184号公報

3 引用文献の記載事項

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1~3及びその記載事項は、前記第2[理由]3(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は、前記第2[理由]3で検討した本件補正発明から、「電力の供給」及び無停電電源装置による「電源」の「供給」に係る限定事項を削除したものである。

そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]3(3)~(6)に記載したとおり、引用発明並びに引用文献2及び引用文献3にそれぞれ記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明並びに引用文献2及び引用文献3にそれぞれ記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-017159

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