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特許拒絶査定不服審判

2021-016329

電子チケット提示システム、電子チケットの提示プログラム、及び電子チケットの提示方法

審判番号
2021-016329
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-021638外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年11月30日
審決日
2023年04月25日
公報発行日
2023年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 21638「電子チケット提示システム、電子チケットの提示プログラム、及び電子チケットの提示方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 9月 2日出願公開、特開2021-128429、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 16項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、令和2年2月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和3年 5月25日付け:拒絶理由通知書
令和3年 7月26日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 9月 9日付け:拒絶査定
令和3年11月30日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
令和4年 7月 5日付け:拒絶理由(当審拒絶理由1)通知書
令和4年 9月12日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年11月 1日付け:拒絶理由(当審拒絶理由2、最後の拒絶理由

)通知書

令和5年 1月10日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和3年9月9日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。

この出願の請求項1~8に係る発明は、以下の引用文献Aに記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献A: 特開2002-260099号公報

第3 当審拒絶理由の概要

1 当審拒絶理由1

当審が令和4年7月5日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)の概要は次のとおりである。

この出願の請求項1~7に係る発明は、以下の引用文献1,2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1: 特開2017-27251号公報
引用文献2: 特開2002-260099号公報(原査定の引用文献A)

2 当審拒絶理由2

当審が令和4年11月1日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)の概要は次のとおりである。

この出願の請求項1~7に係る発明は、以下の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1: 特開2017-27251号公報
引用文献2: 特開2002-260099号公報(原査定の引用文献A)
引用文献3: 国際公開第2015/016120号

第4 本願発明

本願請求項1~6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明6」という。)は、令和5年1月10日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は次のとおりの発明である。

「【請求項1】
利用者の携帯端末において、
購入したサービスに付与された固有の識別子を取得して携帯端末の記憶部に記憶する識別子取得部と、
取得して携帯端末の記憶部に記憶した前記固有の識別子に対応するサービスの一覧の中から利用する一部のサービスだけを、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で複数選択し、残りは後に利用するために非選択とする利用サービス選択部と、
識別子として前記利用サービス選択部で選択した複数のサービスに付与された固有の識別子のみからなる文字列を、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で一つ作成する文字列作成部と、
前記文字列作成部で作成した文字列を、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で電子チケットとして表示して提示する電子チケット提示部と、
を備えたことを特徴とする電子チケット提示システム。」

なお、本願発明2~6は、本願発明1を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明等

1 引用文献1、引用発明1

(1)当審拒絶理由1,2にて引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。

「【0009】
[電子レシートシステムの構成]
図1は、本実施形態における電子レシートシステム1の全体構成図である。
電子レシートシステム1は、POSシステム2と、サーバシステム3と、両システム2,3間を相互通信自在に接続するためのネットワーク4とを含む。ネットワーク4は、インターネットあるいはVPN(Virtual Private Network)等の広域通信網である。また電子レシートシステム1は、ネットワーク4上の基地局5を中継することで、無線通信機能を搭載した情報端末6と接続する。情報端末6は、例えば買物客が携帯する無線通信機器であり、パソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等が該当する。」
「【0015】
サーバシステム3は、電子レシートサーバ31とセンタサーバ32とを含む。電子レシートサーバ31は、各買物客に対して発行された電子レシート情報を一括して記憶する。詳しくは、電子レシートサーバ31は、電子レシート情報を保存するための記憶デバイスを備えており、ネットワーク4を介して受信した電子レシート情報をこの記憶デバイスで保存する。電子レシートサーバ31は、情報端末6からの要求があると、その情報端末6のユーザである買物客に対して発行された電子レシート情報を記憶デバイスから読み出し、ネットワーク4を介して当該情報端末6に送信する。」
「【0019】
このような構成の情報端末6は、アプリケーションプログラムである電子レシート端末プログラムP1をインストールすることによって、電子クーポン情報を配信可能な電子レシートシステム1に対するユーザ端末となる。すなわち情報端末6は、電子レシートサーバ31から配信される電子レシート情報を、無線ユニット66を介して受信し、レシート画像をタッチパネル65に表示することができる。また情報端末6は、センタサーバ32から配信される電子クーポン情報を、無線ユニット66を介して受信し、クーポンリストをタッチパネル65に表示することができる。」
「【0039】
[センタサーバの構成]
図5は、センタサーバ32の要部回路構成を示すブロック図である。
センタサーバ32は、プロセッサ321、メインメモリ322、補助記憶デバイス323、時計324、通信インターフェース325等を備える。プロセッサ321と、メインメモリ322、補助記憶デバイス323、時計324及び通信インターフェース325とは、システム伝送路326によって接続される。
センタサーバ32のプロセッサ321、メインメモリ322、補助記憶デバイス323、時計324及び通信インターフェース325は、電子レシートサーバ31のものと同様である。
【0040】
このような構成のセンタサーバ32は、アプリケーションプログラムである電子クーポン管理プログラムP4をインストールすることによって、電子クーポン情報を配信可能な電子レシートシステム1のサーバ装置となる。すなわちセンタサーバ32は、商品の製造業者等が企画した電子クーポン情報を一括して保存する。またセンタサーバ32は、情報端末6からの要求に応じて、その情報端末6を携帯する会員が属するグループを配信先とする電子クーポン情報を情報端末6に送信する。
【0041】
電子クーポン管理プログラムP4は、センタサーバ32が電子クーポン情報を配信可能な電子レシートシステム1のサーバ装置となるようにプロセッサ321を制御する。電子クーポン管理プログラムP4は、補助記憶デバイス323に保存される。また、この電子クーポン管理プログラムP4とともに会員ファイルFL2、クーポンファイルFL3及び配信管理ファイルFL4が補助記憶デバイス323に形成される。会員ファイルFL2は、会員に関する情報を一括して保存するための領域として使用される。クーポンファイルFL3は、電子クーポン情報を一括して保存するための領域として使用される。配信管理ファイルFL4は、電子クーポン情報毎に、その電子クーポン情報の配信を管理するための情報を保存するための領域として使用される。」
「【0051】
図9は、配信管理ファイルFL4に保存される配信管理レコードFL4Rの構造を示す模式図である。配信管理レコードFLR4は、クーポンIDと、会員ID及び許容回数Nの対データとで構成される。会員IDは、クーポンIDで識別される電子クーポン情報の配信対象であるグループに属する会員を識別するものである。許容回数Nは、初期値が電子クーポン情報の有効回数であり、対応する会員IDで識別される会員によって当該電子クーポン情報が使用される毎にカウントダウンされる。そして許容回数Nが“0”になると、会員は電子クーポン情報のクーポンを使用できなくなる。」
「【0066】
図11は、情報端末6のプロセッサ61が実行する処理のうちの一部であるクーポン確認処理の手順を示す流れ図である。また、図12~図15は、クーポン確認処理の実行によりタッチパネル65に表示される種々の画面の一例を示す模式図である。プロセッサ61は、電子レシート端末プログラムP1にしたがって、このクーポン確認処理を実行する。なお、図11に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0067】
電子レシート端末プログラムP1がインストールされた情報端末6のタッチパネル65には、電子レシート端末プログラムP1を起動するためのアイコンが表示されている。会員がこのアイコンにタッチすると、電子レシート端末プログラムP1が起動する。
続きを表示(全55行)
【0068】
電子レシート端末プログラムP1が起動すると、プロセッサ61は、Act21としてタッチパネル65の画面をトップ画面G1(図12を参照)とする。図12に示すように、トップ画面G1にはバーコードシンボル71が表示される。このバーコードシンボル71は、電子レシート管理領域W1に保存されている会員IDをバーコード化したものである。また、会員が電子クーポン情報を確認することを指示するためのクーポン確認アイコン72と、会員が電子レシート情報を確認することを指示するためのレシートアイコン73もトップ画面G1に表示される。
【0069】
トップ画面G1を表示させた状態で、プロセッサ61は、Act22として画面がタッチされるのを待機する。タッチパネル65からの信号により画面がタッチされたことを検知すると(Act22にてYES)、プロセッサ61は、Act23としてクーポン確認アイコン72がタッチされたか確認する。クーポン確認アイコン72以外の画面領域がタッチされた場合(Act23にてNO)、プロセッサ61は、そのタッチ位置に応じた処理を実行する。例えばレシートアイコン73がタッチされた場合には、タッチパネル65にレシート一覧画面を表示させる。レシート一覧画面は、会員に対して発行された電子レシート情報の取引日付,店名、合計金額等の簡易情報を一覧にした画面であり、会員が所望の簡易情報表示欄にタッチすると、その欄の簡易情報に対応した取引のレシート画像がタッチパネル65に表示される。
【0070】
クーポン確認アイコン72がタッチされた場合には(Act23にてYES)、プロセッサ61は、Act24として会員IDを検索用のキーとするクーポン要求コマンドをセンタサーバ32宛に送信する。すなわちプロセッサ61は、電子レシート管理領域W1から会員IDを読み込む。そしてプロセッサ61は、この会員IDを含むクーポン要求コマンドをセンタサーバ32に送信するように無線ユニット66に通知する。
【0071】
この通知を受けて、無線ユニット66は、センタサーバ32の通信アドレスを送信先アドレスとし、情報端末6の通信アドレスを送信元アドレスとするクーポン要求コマンドを無線送信する。このクーポン要求コマンドには、電子レシート管理領域W1内の会員IDが含まれる。無線送信されたクーポン要求コマンドは、基地局5で受信され、ネットワーク4を経由してセンタサーバ32に送信される。
【0072】
クーポン要求コマンドを受信したセンタサーバ32のプロセッサ321は、図16の流れ図に示す手順の受信処理を実行する。この処理は、電子クーポン管理プログラムP4にしたがったものである。なお、図16に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0073】
クーポン要求コマンドの受信処理を開始すると、プロセッサ321は、Act41として会員IDを取得する。前述したように、クーポン要求コマンドには、そのコマンドの送信元である情報端末6のユーザである会員を識別するための会員IDが含まれる。プロセッサ321は、クーポン要求コマンドから会員IDを取得する。
【0074】
会員IDを取得すると、プロセッサ321は、Act42としてメインメモリ322の揮発性メモリ領域にクーポンリストを形成する。次いでプロセッサ321は、Act43として配信管理ファイルFL4を検索する。そしてプロセッサ321は、Act44として配信管理レコードFL4R毎に、取得した会員IDが含まれているか確認する。会員IDが含まれている配信管理レコードFL4Rを検出した場合(Act44にてYES)、プロセッサ321は、Act45としてその会員IDと対データを構成する許容回数Nが“1”以上であるか確認する。
【0075】
許容回数Nが“1”以上の場合(Act45にてYES)、プロセッサ321は、Act46として配信管理レコードFL4RからクーポンIDを取得する。そしてプロセッサ321は、Act47としてクーポンファイルFL3から当該クーポンファイルを含むクーポンレコードFL3Rを読出し、このクーポンレコードFL3RのクーポンID、商品ID、商品名、値引額等で電子クーポンデータを作成する。プロセッサ321は、Act48として電子クーポンデータをクーポンリストに登録する。配信管理レコードFL4Rに会員IDが含まれていない場合(Act43にてNO)、あるいは許容回数Nが“0”の場合には(Act45にてNO)、プロセッサ321は、Act46、Act47及びAct48の各処理を実行しない。
【0076】
プロセッサは、Act49として配信管理ファイルFL4の検索を終了したか確認する。終了していない場合(Act49にてNO)、プロセッサ321は、Act43の処理に戻る。すなわちプロセッサ321は、配信管理ファイルFL4の検索を続ける。そして、クーポン要求コマンドから取得した会員IDを含み、かつこの会員IDと対データを構成する許容回数Nが“1”以上である配信管理レコードFL4Rを検出する度に、プロセッサ321は、その配信管理レコードFL4RのクーポンIDを含む電子クーポンデータを作成する。そしてプロセッサ321は、この電子クーポンデータをクーポンリストに登録する。
【0077】
配信管理ファイルFL4の検索を終了したならば(Act49にてYES)、プロセッサ321は、Act50としてクーポンリストに電子クーポンデータが登録されているか確認する。電子クーポンデータが登録されている場合(Act50にてYES)、プロセッサ321は、Act51としてクーポン要求コマンドの送信元である情報端末6宛にクーポンリストデータを送信するように通信インターフェース325に通知する。
【0078】
この通知を受けて、通信インターフェース325は、クーポン要求コマンドの送信元である情報端末6の通信アドレスを送信先とし、センタサーバ32の通信アドレスを送信元とするクーポンリストデータをネットワーク4上に送信する。クーポンリストデータには、クーポンリストに登録された電子クーポンデータが含まれる。
【0079】
一方、クーポンリストに電子クーポンデータが登録されていない場合には(Act50にてNO)、プロセッサ321は、Act52として同情報端末6宛にクーポン無し通知のデータを送信するように通信インターフェース325に通知する。
【0080】
この通知を受けて、通信インターフェース325は、クーポン要求コマンドの送信元である情報端末6の通信アドレスを送信先とし、センタサーバ32の通信アドレスを送信元とするクーポン無し通知のデータをネットワーク4上に送信する。
【0081】
ネットワーク4上に送信されたクーポンリストデータまたはクーポン無し通知のデータは、基地局5から無線送信され、送信先の通信アドレスを有する情報端末6で受信される。
【0082】
ここに、プロセッサ321を主体とするセンタサーバ32のコンピュータは、通信インターフェース325と協働して、電子クーポン配信手段を構成する。すなわちコンピュータは、会員IDを含む電子クーポン要求コマンドの受信に応答して、当該コマンドに含まれる会員IDと関連付けて配信管理ファイルFL4に記憶されているクーポンIDで識別される電子クーポン情報を当該コマンドの送信元である情報端末6に送信するように通信インターフェース315を制御する。より詳しくは、コンピュータは、電子クーポン要求コマンドに含まれる会員IDと関連付けて記憶されているクーポンIDのうち、使用回数を表す情報、すなわち許容回数Nから求まる使用回数が制限を超えたクーポンIDを除いたクーポンIDで識別される電子クーポン情報を当該コマンドの送信元である情報端末6に送信するように通信インターフェース315を制御する。
【0083】
図11に説明を戻す。
センタサーバ32宛にクーポン要求コマンドを送信した情報端末6のプロセッサ61は、Act25としてセンタサーバ32から送信されるデータを待機する。ここで、無線ユニット66を介してクーポン無し通知のデータを受信した場合には(Act25にてNO)、プロセッサ61は、Act26としてタッチパネル65の画面をクーポン無し通知画面G2(図13を参照)とする。図13に示すように、クーポン無し通知画面G2には、会員IDのバーコードシンボル71とともに使用可能な電子クーポン情報が無いことを告知するメッセージ74が表示される。したがって、クーポン確認アイコン72にタッチした会員は、このメッセージ74から、現時点において使用可能な電子クーポン情報は存在しないことを確認できる。
【0084】
センタサーバ32からクーポンリストデータを受信した場合には(Act25にてYES)、プロセッサ61は、Act27としてタッチパネル65の画面をクーポンリスト画面G3(図14を参照)とする。図14に示すように、クーポンリスト画面G3には、会員IDのバーコードシンボル71とともにクーポンリスト75が表示される。また、会員が電子クーポン情報の選択終了を指示するための選択終了アイコン76もクーポンリスト画面G3に表示される。クーポンリスト75は、クーポンリストデータに含まれる電子クーポンデータの一覧を表す。具体的には、クーポンの対象となる商品の名称と値引額との一覧がクーポンリスト75に表わされる。したがって、クーポン確認アイコン72にタッチした会員は、このクーポンリスト75から、現時点において使用可能なクーポンの対象となる商品とそのクーポンを使用した場合の値引額とを確認できる。
【0085】
このように電子レシートシステム1においては、電子クーポン情報毎に配信条件が設定されている。そして、この配信条件を満足する会員に対してのみ、電子クーポン情報が配信される。したがって、レシートを電子レシート情報で受け取る会員を配信条件によってグループ化し、そのグループ単位で電子クーポン情報を配信することが可能となる。
【0086】
次に、電子クーポン情報を取得した会員がそのクーポンを使用して商取引の会計を行うときの動作について説明する。
【0087】
クーポンリスト75を確認した会員は、そのリスト75から小売店舗で使用したい電子クーポン情報を探す。そして、使用したい電子クーポン情報があったならば、会員は、そのクーポンの対象となる商品名が表示されているクーポンリスト75の行にタッチする。この際、2以上の電子クーポン情報のクーポンを使用したい場合には、それぞれの行を連続してタッチする。そして、電子クーポン情報の選択を終えた会員は、選択終了アイコン76にタッチする。
【0088】
クーポンリスト画面G3を表示させた状態で、プロセッサ61は、Act28として画面がタッチされるのを待機する。タッチパネル65からの信号により画面がタッチされたことを検知すると(Act28にてYES)、プロセッサ61は、Act29としてクーポンリスト75の行がタッチされたのか、Act30として選択終了アイコン76がタッチされたのかを確認する。クーポンリスト75または選択終了アイコン76以外の領域がタッチされた場合には(Act29にてNO、Act30にてNO)、プロセッサ61は、そのタッチ位置に応じた処理を実行する。
【0089】
クーポンリスト75の行がタッチされた場合には(Act29にてYES)、プロセッサ61は、Act31としてそのタッチされた行に表示されている商品名及び値引額を含む電子クーポンデータ(クーポンID、商品ID、商品名、値引額等)をワークエリアに格納する。その後、プロセッサ61は、Act28の処理に戻り、再び画面がタッチされるのを待機する。
【0090】
一方、選択終了アイコン76がタッチされた場合には(Act30にてYES)、プロセッサ61は、Act32としてタッチパネル65の画面をクーポン使用画面G4(図15を参照)とする。図15に示すように、クーポン使用画面G4には、会員IDのバーコードシンボル71とともに、クーポンIDを表すバーコード77が表示される。また、このバーコード77と関連付けて商品名と値引額も表示される。バーコード77は、ワークエリアに格納された電子クーポンデータに含まれたクーポンIDをバーコード化したものである。そして、このバーコード77と対応付けて、同電子クーポンデータに含まれる商品名と値引額とが表示される。したがって、タッチパネル65には、会員の会員IDとともに、その会員が選択した電子クーポンのクーポンIDがバーコードの形態で表示される。
【0091】
なお、会員が電子クーポン情報を選択することなく選択終了アイコン76にタッチした場合には、ワークエリアに電子クーポンデータが格納されていないので、クーポン使用画面G4にバーコード77は表示されない。
【0092】
電子クーポン情報のクーポンを使用する会員は、会計業務の担当者にクーポン使用画面G4を提示する。クーポン使用画面G4の提示を受けた担当者は、先ず、POS端末21のスキャナ218で、クーポン使用画面G4に表示されている会員IDのバーコードをスキャニングする。続いて担当者は、クーポン使用画面G4に表示されているクーポンIDのバーコード77と買上商品に付されている商品IDのバーコードとをスキャニングする。そして、スキャニングを終えたならば、担当者は、締めキーを入力して、商取引の登録締めを宣言する。」
「【0098】
スキャナ218によってバーコードのスキャニングが行われた場合(Act62にてYES)、プロセッサ211は、Act64として会員フラグF1を調べる。ここで、会員フラグF1が“0”にリセットされている場合、プロセッサ211は、Act65としてスキャニングされたバーコードが会員IDのバーコードであるか確認する。会員IDのバーコードでない場合(Act65にてNO)、プロセッサ211は、Act66としてスキャニングされたバーコードが商品IDのバーコードであるか確認する。商品IDのバーコードでない場合(Act66にてNO)、プロセッサ211は、そのバーコードの種類に応じた処理を実行する。
【0099】
スキャニングされたバーコードが会員IDのバーコードであった場合には(Act65にてYES)、プロセッサ211は、Act67としてそのバーコードを解析して得られる会員IDに係る会員データをワークエリアに格納する。会員データは、会員IDを含む。また、その会員IDに関連付けて会員ファイルFL2に設定されている氏名、性別、年齢、ランク等を含んでもよい。氏名、性別、年齢、ランク等のデータは、会員IDのバーコードがスキャニングされる都度、センタサーバ32から取得してもよいし、予め会員ファイルFL2のローカルファイルを店舗サーバ22で保存し、このローカルファイルから取得してもよい。
続きを表示(全17行)
【0100】
プロセッサ211は、Act68として会員フラグF1を“1”にセットする。その後、プロセッサ211は、Act62の処理に戻る。したがって、次にバーコードのスキャニングが行われた場合には(Act62にてYES)、会員フラグF1が“1”にセットされているので(Act64にてYES)、プロセッサ211は、Act69の処理に進む。Act69では、プロセッサ211は、スキャニングされたバーコードがクーポンIDのバーコードであるか確認する。クーポンIDのバーコードでない場合(Act69にてNO)、プロセッサ211は、Act70としてスキャニングされたバーコードが商品IDのバーコードであるか確認する。商品IDのバーコードでない場合(Act70にてNO)、プロセッサ211は、そのバーコードの種類に応じた処理を実行する。
【0101】
スキャニングされたバーコードがクーポンIDのバーコードであった場合には(Act69にてYES)、プロセッサ211は、Act71としてそのバーコードを解析して得られるクーポンIDに係る使用クーポンデータをクーポンバッファに格納する。使用クーポンデータは、クーポンIDと、そのクーポンIDに関連付けてクーポンファイルFL3に設定されている商品ID、商品名、値引額等を含む。商品ID、商品名、値引額等のデータは、クーポンIDのバーコードがスキャニングされる都度、センタサーバ32から取得してもよいし、予めクーポンファイルFL3のローカルファイルを店舗サーバ22で保存し、このローカルファイルから取得してもよい。
【0102】
使用クーポンデータをクーポンバッファに格納した後、プロセッサ211は、Act72としてクーポンフラグF2を調べる。ここで、クーポンフラグF2が“0”にリセットされている場合(Act72にてNO)、プロセッサ211は、Act73としてクーポンフラグF2を“1”にセットする。クーポンフラグF2を“1”にセットするか、既にクーポンフラグF2が“1”にセットされていた場合(Act72にてYES)、プロセッサ211は、Act76の処理に進む。
【0103】
一方、スキャニングされたバーコードが商品IDのバーコードであった場合には(Act66またはAct70にてYES)、プロセッサ211は、Act74の処理に進む。Act74では、プロセッサ211は、そのバーコードを解析して得られる商品IDから商品販売データを生成する。商品販売データは、商品IDと、その商品IDで識別される商品の名称(商品名)、単価、販売点数、販売金額等を含む。商品名及び単価のデータは、商品マスタファイルから取得する。販売点数は、通常は「1」であり、商品IDのスキャニングの直前に乗数がキー入力されている場合にはその乗数となる。販売金額は、価格に販売点数を乗算することで算出される。プロセッサ211は、商品販売データをトランザクションバッファに格納する。
【0104】
次に、プロセッサ211は、Act75としてクーポンフラグF2を調べる。ここで、クーポンフラグF2が“0”にリセットされていた場合(Act75にてNO)、プロセッサ211は、Act79の処理に進む。クーポンフラグF2が“1”にセットされていた場合には(Act75にてNO)、プロセッサ211は、Act76の処理に進む。
【0105】
Act76では、プロセッサ211は、図18の流れ図で示す手順のクーポン判定処理を実行する。すなわちプロセッサ211は、Act761として商品IDの照合を行う。
クーポン判定処理は、スキャニングされたバーコードがクーポンIDであり、Act71の処理を経て実行する場合と、スキャニングされたバーコードが商品IDであり、Act74の処理を経て実行する場合とがある。前者の場合、プロセッサ211は、Act71の処理でクーポンバッファに格納した使用クーポンデータの商品IDを、トランザクションバッファに既に格納されている商品販売データの商品IDと照合する。後者の場合、プロセッサ211は、Act74の処理でトランザクションバッファに格納した商品販売データの商品IDを、クーポンバッファに既に格納されている使用クーポンデータの商品IDと照合する。」
「【図12】
[図:0001396731000001.jpg]
」
「【図14】
[図:0001396731000002.jpg]
」
「【図15】
[図:0001396731000003.jpg]
」

(2)上記(1)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「POSシステム2と、サーバシステム3と、両システム2,3間を相互通信自在に接続するためのネットワーク4とを含む電子レシートシステム1であって、
情報端末6は、例えば買物客が携帯する無線通信機器であり、
サーバシステム3は、電子レシートサーバ31とセンタサーバ32とを含み、
情報端末6は、電子レシート端末プログラムP1をインストールすることによって、センタサーバ32から配信される電子クーポン情報を受信し、クーポンリストをタッチパネル65に表示することができ、
続きを表示(全18行)
センタサーバ32は、補助記憶デバイス323を備え、配信管理ファイルFL4が補助記憶デバイス323に形成され、
配信管理ファイルFL4に保存される配信管理レコードFL4Rは、クーポンIDと、会員ID及び許容回数Nの対データとで構成され、会員IDは、クーポンIDで識別される電子クーポン情報の配信対象であるグループに属する会員を識別するものであり、許容回数Nは、初期値が電子クーポン情報の有効回数であり、対応する会員IDで識別される会員によって当該電子クーポン情報が使用される毎にカウントダウンされ、
タッチパネル65の画面には、会員が電子クーポン情報を確認することを指示するためのクーポン確認アイコン72がトップ画面G1に表示され
クーポン確認アイコン72がタッチされた場合には、クーポン要求コマンドをセンタサーバ32宛に送信し、
クーポン要求コマンドを受信したセンタサーバ32は、会員IDを取得し、配信管理ファイルFL4を検索し、会員IDが含まれている配信管理レコードFL4Rを検出した場合、その会員IDと対データを構成する許容回数Nが“1”以上であるか確認し、許容回数Nが“1”以上の場合、配信管理レコードFL4RからクーポンIDを取得し、クーポンID、商品ID、商品名、値引額等で電子クーポンデータを作成し、電子クーポンデータをクーポンリストに登録し、クーポン要求コマンドの送信元である情報端末6宛にクーポンリストデータを送信し、クーポンリストデータには、クーポンリストに登録された電子クーポンデータが含まれ、
情報端末6は、センタサーバ32から送信されるデータを待機し、センタサーバ32からクーポンリストデータを受信した場合、タッチパネル65のクーポンリスト画面G3にクーポンリスト75が表示され、また、会員が電子クーポン情報の選択終了を指示するための選択終了アイコン76もクーポンリスト画面G3に表示され、
クーポンリスト75を確認した会員は、そのリスト75から小売店舗で使用したい電子クーポン情報を探し、そして、使用したい電子クーポン情報があったならば、会員は、そのクーポンの対象となる商品名が表示されているクーポンリスト75の行にタッチし、この際、2以上の電子クーポン情報のクーポンを使用したい場合には、それぞれの行を連続してタッチし、(【0087】)
選択終了アイコン76がタッチされた場合には、タッチパネル65のクーポン使用画面G4には、会員IDのバーコードシンボル71とともに、クーポンIDを表すバーコード77が表示され、バーコード77は、電子クーポンデータに含まれたクーポンIDをバーコード化したものであり、
電子クーポン情報のクーポンを使用する会員は、会計業務の担当者にクーポン使用画面G4を提示し、クーポン使用画面G4の提示を受けた担当者は、先ず、クーポン使用画面G4に表示されている会員IDのバーコードをスキャニングし、続いて担当者は、クーポン使用画面G4に表示されているクーポンIDのバーコード77と買上商品に付されている商品IDのバーコードとをスキャニングし、
スキャニングされたバーコードが会員IDのバーコードであった場合には、会員フラグF1を“1”にセットし、したがって、次にバーコードのスキャニングが行われた場合には、会員フラグF1が“1”にセットされているので、スキャニングされたバーコードがクーポンIDのバーコードであるか確認し、
スキャニングされたバーコードがクーポンIDのバーコードであった場合には、そのバーコードを解析して得られるクーポンIDに係る使用クーポンデータをクーポンバッファに格納し、使用クーポンデータは、クーポンIDと、そのクーポンIDに関連付けて設定されている商品ID、商品名、値引額等を含み、商品ID、商品名、値引額等のデータは、クーポンIDのバーコードがスキャニングされる都度、センタサーバ32から取得し、
一方、スキャニングされたバーコードが商品IDのバーコードであった場合には、そのバーコードを解析して得られる商品IDから商品販売データを生成し、商品販売データは、商品IDと、その商品IDで識別される商品の名称(商品名)、単価、販売点数、販売金額等を含み、商品販売データをトランザクションバッファに格納し、
クーポンバッファに格納した使用クーポンデータの商品IDを、トランザクションバッファに既に格納されている商品販売データの商品IDと照合する、
電子レシートシステム1。」

2 引用文献2、引用発明2

当審拒絶理由1,2にて引用された引用文献2の記載及び図面(特に、図10)によれば、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「商品販売システムであって、(【0019】)
携帯電話103のフラッシュメモリ113には、クーポン券として機能する2次元コードCを記憶するクーポン券記憶エリア113aの他、少なくとも1以上のクーポン情報(クーポン値引き対象商品の商品コードや商品名、値引き額、有効期限等)を記憶するクーポン情報記憶エリア113bが設けられ、(【0045】)
クーポン情報記憶エリア113bを参照して、クーポン情報記憶エリア113bに記憶された少なくとも1以上のクーポン情報に基づいて、2次元コードCを作成し、作成した2次元コードCを表示部104に表示させるとともに、作成した2次元コードCをクーポン券記憶エリア113aに記憶し、(【0049】)
複数のクーポン値引き情報を組み合わせて一つの2次元コードCを作成し、表示部104に表示することにより、この2次元コードCを読み取るだけで全てのクーポン値引き情報を取得することができる、(【0052】)
商品販売システム。」

なお、引用文献2の図10は次のとおりである。

「【図10】
[図:0001396731000004.jpg]
」

3 引用文献3

当審拒絶理由2にて引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。

「[0025] 次に、図4に示すフローチャートを参照して、クーポン発行システム10により配信されたクーポンを使用するときの手順を説明する。まず、ユーザが携帯端末20上でクーポンを使用するためのアプリケーションを起動させる(S100)。このとき、携帯端末20は、サーバ30から未受信のクーポンをダウンロードし、クーポン管理テーブルに新規登録する(S102)。クーポン管理テーブルに新たにダウンロードしたクーポンに関する情報が格納されることで、その後、ユーザはサーバ30との通信を介さなくてもクーポンを閲覧することができる。
[0026] 携帯端末20は、タッチパネルディスプレイ24に、クーポン管理テーブルに登録されている未使用のクーポンを選択する画面を表示する(S104)。ユーザは、アプリケーションを操作し、使用しようとする未使用のクーポンを指定して画面に表示させる(S106)。図5に示すように、表示される未使用のクーポンには、クーポンの内容に関する情報(例えば、クーポンの名称や使用時に得られるベネフィットの情報)は表示されるが、クーポンを使用する際に店舗に提示すべき情報であるバーコードは表示されない。このため、単に未使用のクーポンを店員に提示するだけでは、ユーザはベネフィットを受けることはできない。
[0027] ユーザがベネフィットを受けるためには、画面に未使用のクーポンを表示させた状態で、クーポンを使用するための所定の操作をする(S108)。この操作により、クーポンを使用したことが携帯端末20により認識され、携帯端末20からサーバ30へクーポンが使用済みである旨が通信され、クーポン管理テーブルのうち、使用したクーポンが「使用済み」という情報に更新される。ユーザが所定の操作を行うと、図7に示すように画面にバーコードが表示されるので、ユーザは、それを店員に提示して(S110)、店員はそれをスキャンすることで、クーポンを認識する(S112)。これにより、ユーザはクーポンを利用でき、ベネフィットを受けることができる。
[0028] 本実施形態でサーバ30から発行されるクーポンは、一定期間内であれば複数回使用することが許容される。このため、同一のクーポンは何度でも使用することができるが、所定の操作をした時点でクーポンが使用されたことを携帯端末20が認識し、携帯端末20からサーバ30へクーポンを使用した旨の情報が送信され、クーポン管理テーブルの情報が更新される。そして、所定の操作後バーコードをスキャンするのに十分な時間(例えば15秒)が経過した後、携帯端末に表示されたバーコードの表示が解消されるとともに、携帯端末20内のクーポン管理テーブルが更新され、使用済みクーポンが未使用クーポンへと更新される。この後、同様の所定の操作を再び行うことで再度バーコードが表示され、当該クーポンが再度使用できる。なお、クーポンの使用回数および/または使用期間に制限を設けてもよい。例えば、使用回数に制限を設ける場合には、クーポン管理テーブルにて限度回数と使用回数を管理し、クーポンを使用する都度、使用回数を1ずつインクリメントして、使用回数が限度回数と一致した場合に、そのクーポンを使い切ったことを示す表示をするとよい。また、使用期間に制限を設ける場合には、クーポン管理テーブルで使用期限を管理し、クーポンを選択した時刻やクーポンを使用するための操作が行われた時刻が使用期限を過ぎていた場合にそのクーポンを使い切ったことを示す表示をするとよい。」

第6 当審拒絶理由2について(引用発明1との対比・判断)

1 本願発明1について

(1)対比

ア 請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明1の「情報端末6」は、「センタサーバ32から送信されるデータを待機し、センタサーバ32からクーポンリストデータを受信した場合、タッチパネル65のクーポンリスト画面G3にクーポンリスト75が表示され」、「使用したい電子クーポン情報」について、「タッチパネル65のクーポン使用画面G4には、会員IDのバーコードシンボル71とともに、クーポンIDを表すバーコード77が表示され」るものである。また、「クーポンリストデータ」は、「クーポンID、商品ID、商品名、値引額等」で「作成」された「電子クーポンデータが含まれ」るとされるものである。

ここで、コンピュータの画面の表示等が記憶手段に記憶したデータに対する処理によって行われることは技術常識であるから、「クーポンリスト75」や「バーコード77」の「表示」等のために、「情報端末6」が、「クーポンID」を含む、「受信した」「クーポンリストデータ」を記憶することが明らかであって、「情報端末6」は、「クーポンID」を「受信」して記憶する手段を備えるといえる。

また、「クーポンID」により特定される「クーポン」は、対応する「商品名」を有する「商品」について、「値引額」で示される「割引」のサービスを受けるための電子チケットとして通用するものといえる。

したがって、引用発明1の「クーポンID」は、上記サービスに付与された固有のデータであって、本願発明の「購入したサービスに付与された固有の識別子」と、「サービスに付与された固有の識別子」である点で共通している。

また、引用発明1の「情報端末6」、「受信」すること、上記「受信」して記憶する手段は、それぞれ、本願発明の「利用者の携帯端末」、「取得」すること、「識別子取得部」に相当し、引用発明1の上記記憶するための領域は、本願発明の「記憶部」に相当する。

以上のことから、引用発明1の「情報端末6」が「クーポンID」を「受信」して記憶する手段を備えることと、本願発明1の

「利用者の携帯端末において、
購入したサービスに付与された固有の識別子を取得して携帯端末の記憶部に記憶する識別子取得部」

を「備えた」こととは、

「利用者の携帯端末において、
サービスに付与された固有の識別子を取得して携帯端末の記憶部に記憶する識別子取得部」

を「備えた」ことである点で共通している。

(イ)引用発明1の「情報端末6」は、「センタサーバ32から送信されるデータを待機し、センタサーバ32からクーポンリストデータを受信した場合、タッチパネル65のクーポンリスト画面G3にクーポンリスト75が表示され」るものであって、「クーポンリスト75を確認した会員は、そのリスト75から小売店舗で使用したい電子クーポン情報を探し、そして、使用したい電子クーポン情報があったならば、会員は、そのクーポンの対象となる商品名が表示されているクーポンリスト75の行にタッチし、この際、2以上の電子クーポン情報のクーポンを使用したい場合には、それぞれの行を連続してタッチ」することがなされるものである。

したがって、引用発明1の「情報端末6」は、「クーポンリスト75」の中から、「使用」する「クーポン」を選択することを可能とするための手段を備えるといえる。

また、上記「クーポン」の数は「2以上」であることから、3又はそれを超える数であり得るものであり(実際、引用文献1の図14には、数が4である場合が示されている。)、そして、その中から選択する数(「タッチ」する「行」の数)は、任意であって、一部の「クーポン」だけを複数選択し、残りは非選択とし得ることが明らかである。

そして、上記(ア)を踏まえると、引用発明1の「クーポンリスト75」は、本願発明の「取得して携帯端末の記憶部に記憶した前記固有の識別子に対応するサービスの一覧」に相当する。

また、引用発明1の「クーポン」を「使用」すること、上記手段は、それぞれ、本願発明の「サービス」を「利用」すること、「利用サービス選択部」に相当する。

以上のことから、引用発明1の「情報端末6」が、「クーポンリスト75」の中から「使用」する「クーポン」を選択することを可能とするための手段を備えることと、本願発明1の

「利用者の携帯端末において、」

「取得して携帯端末の記憶部に記憶した前記固有の識別子に対応するサービスの一覧の中から利用する一部のサービスだけを、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で複数選択し、残りは後に利用するために非選択とする利用サービス選択部」

を「備えた」こととは、

「利用者の携帯端末において、」

「取得して携帯端末の記憶部に記憶した前記固有の識別子に対応するサービスの一覧の中から利用する一部のサービスだけを複数選択し、残りは非選択とする利用サービス選択部」

を「備えた」ことである点で共通している。

(ウ)引用発明1の「情報端末6」の「タッチパネル65」は、「クーポン使用画面G4」に「会員IDのバーコードシンボル71とともに、クーポンIDを表すバーコード77が表示され」るものであり、また、「バーコード77は、電子クーポンデータに含まれたクーポンIDをバーコード化したもの」である。

ここで、「バーコード77」は、「会員」が「そのクーポンの対象となる商品名が表示されているクーポンリスト75の行にタッチし」た(選択した)「クーポン」について、「クーポンIDをバーコード化したもの」であることが明らかであり、「クーポンID」以外の情報を含まない、すなわち「クーポンID」からなるものといえる。

この点について、上記(ア)、(イ)を踏まえると、引用発明1の「バーコード化」の対象とされる「クーポンID」は、本願発明1の「識別子として」の「前記利用サービス選択部で選択した複数のサービスに付与された固有の識別子」に相当する。

また、引用発明1の「バーコード77」と、本願発明1の「文字列」とは、「提示物」である点で共通している。そして、引用発明1の「情報端末6」は、「会員IDのバーコードシンボル71」及び「クーポンIDを表すバーコード77」を作成する作成手段を備えるといえるところ、当該手段と、本願発明1の「文字列作成部」とは、「提示物作成部」である点で共通している。

以上のことから、引用発明1の「情報端末6」が上記手段を備えることと、本願発明1の

「利用者の携帯端末において、」

「識別子として前記利用サービス選択部で選択した複数のサービスに付与された固有の識別子のみからなる文字列を、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で一つ作成する文字列作成部」

を「備えた」こととは、

「利用者の携帯端末において、」

「識別子として前記利用サービス選択部で選択した複数のサービスに付与された固有の識別子からなる提示物を作成する提示物作成部」

を「備えた」ことである点で共通している。

(エ)引用発明1の「情報端末6」は、「タッチパネル65のクーポン使用画面G4」に「会員IDのバーコードシンボル71とともに、クーポンIDを表すバーコード77」を「表示」する手段を備えるといえる。そして、上記(ア)で述べたように、引用発明1の「クーポン」は、「割引」のサービスを受けるための電子チケットとして通用するものといえるものである。

以上の点について、上記(ウ)を踏まえると、引用発明1の「情報端末6」が上記手段を備えることと、本願発明1の

「利用者の携帯端末において、」

「前記文字列作成部で作成した文字列を、利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で電子チケットとして表示して提示する電子チケット提示部」

を「備えた」こととは、

「利用者の携帯端末において、」

「前記提示物作成部で作成した提示物を電子チケットとして表示して提示する電子チケット提示部」

を「備えた」ことである点で共通している。

(オ)引用発明1の「電子レシートシステム1」は、「情報端末6」が「タッチパネル65のクーポン使用画面G4」に「会員IDのバーコードシンボル71とともに、クーポンIDを表すバーコード77」を「表示」するシステムであるといえるから、上記(エ)を踏まえると、後述する相違点を除き、本願発明1の「電子チケット提示システム」に相当する。

イ 上記アから、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致する。

(一致点)

「利用者の携帯端末において、
サービスに付与された固有の識別子を取得して携帯端末の記憶部に記憶する識別子取得部と、
取得して携帯端末の記憶部に記憶した前記固有の識別子に対応するサービスの一覧の中から利用する一部のサービスだけを複数選択し、残りは非選択とする利用サービス選択部と、
識別子として前記利用サービス選択部で選択した複数のサービスに付与された固有の識別子からなる提示物を作成する提示物作成部と、
前記提示物作成部で作成した提示物を電子チケットとして表示して提示する電子チケット提示部と、
を備える電子チケット提示システム。」

ウ また、本願発明1と引用発明とは、以下の点で相違する。

(相違点1)

本願発明1の「サービス」は、「購入したサービス」であるのに対して、引用発明1の「クーポン」は、「購入した」ものであると特定されるものではない点。

(相違点2)

本願発明1では、「サービスの一覧の中」の「非選択とする」「残り」が、「後に利用するために非選択とする」ものであるのに対して、引用発明1では、「クーポンリスト75」の中から一部の「クーポン」だけを複数選択し、残りは非選択とし得ることが明らかであるものの、非選択とすることが「後に利用するために」であると特定されるものではない点。

(相違点3)

「提示物作成部」について、本願発明1では、作成するものが「文字列」である「文字列作成部」であって、作成する「文字列」の構成及び個数が、「選択した複数のサービスに付与された固有の識別子のみからなる」、「一つ」のものであるのに対して、引用発明1では、作成するものが「会員IDのバーコードシンボル71」及び「クーポンIDを表すバーコード77」であり、「文字列」ではなく、「クーポンID」のみからなるものではなく、「2以上の電子クーポン情報のクーポンを使用したい場合」において「一つ」ではない点。

(相違点4)

本願発明1では、「利用サービス選択部」による「選択」動作、「文字列作成部」による「作成」動作及び「電子チケット提示部」による「提示」動作が、いずれも「利用者の携帯端末においてインターネット通信が利用できない状況下で」なされるのに対して、引用発明1では、「2以上の電子クーポン情報のクーポンを使用したい場合には、それぞれの行を連続してタッチ」する動作、「会員IDのバーコードシンボル71」及び「クーポンIDを表すバーコード77」をそれぞれ作成する動作、並びに「会員IDのバーコードシンボル71とともに、クーポンIDを表すバーコード77」を「表示」する動作がそのような状況下でなされることについて特定されるものではない点。

(2)判断

事案に鑑みて、相違点3について先に検討する。

電子チケット提示システムにおいて、利用対象のサービスに付与された固有の識別子のみからなる文字列を作成することは、引用文献1~3のいずれにも記載されておらず、本願の出願日前において周知技術であったともいえない。

仮に、上記の事項が周知技術であったとしても、引用発明1において、上記周知技術を適用して、「会員IDのバーコードシンボル71」が作成されないようにすることには、次のとおり、引用文献1に記載されている所期の効果が得られなくなる点で、阻害要因があるものと認められる。

すなわち、引用発明1では、「電子クーポン情報のクーポンを使用する」際に、「会員IDのバーコードをスキャニング」することで「会員ID」が特定されて、「許容回数Nは、初期値が電子クーポン情報の有効回数であり、対応する会員IDで識別される会員によって当該電子クーポン情報が使用される毎にカウントダウンされ」るため、段落【0134】に記載されているように、「電子クーポン情報毎に設定される有効回数を超えて電子クーポン情報が配信されることはなく、電子クーポン情報の配信回数を適切に制御することができる」との効果が得られるものと解され、そうすると、「会員IDのバーコードシンボル71」が作成されない場合は当該効果が得られないものとなる。

よって、その余の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用文献1~3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2~6について

本願発明2~6は本願発明1を減縮した発明であるから、いずれも、相違点3に係る技術的事項を含むものである。そうすると、本願発明2~6も、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用文献1~3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 小括

以上のとおりであるから、当審拒絶理由2は解消した。

なお、当審拒絶理由1は、当審拒絶理由2の引用文献1~3の一部である引用文献1,2に基づく進歩性欠如の拒絶理由であるから、当審拒絶理由1も当然に解消している。

第7 原査定についての判断

本件補正により、本願発明1~6は、相違点3に係る技術的事項を含むものとなり、当該技術的事項については、引用文献A(当審拒絶理由2の引用文献2)には記載されておらず、本願の出願日前において周知技術であったとも認められないので、本願発明1~6は、当業者であっても、原査定における引用文献Aに基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-016329

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