特許拒絶査定不服審判
2021-015110
情報処理システム
- 審判番号
- 2021-015110
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-066307
- 請求日
- 2021年11月05日
- 審決日
- 2022年10月19日
- 公報発行日
- 2022年11月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社バンダイ
- 審判長/審判官
- 審判長 須田 勝巳
- 審判官 山崎 慎一
- 審判官 山澤 宏
- 分類
- P18 .121-WY (G06K) / P18 .537-WY (G06K) / P18 .536-WY (G06K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条、特許法第164条、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020- 66307「情報処理システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 8月 6日出願公開、特開2020-119582、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成25年6月28日に出願した特願2013-137161号の一部を平成26年4月15日に新たな特許出願とした特願2014-83332号の一部を平成29年6月5日に新たな特許出願とした特願2017-110564号の一部を平成30年7月9日に新たな特許出願とした特願2018-130137号の一部を令和元年5月8日に新たな特許出願とした特願2019-87971号の一部を令和2年4月1日に新たな特許出願としたものであって、令和2年4月14日に手続補正書が提出され、令和3年3月11日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月1日に意見書とともに手続補正書が提出され、同年8月2日付けで拒絶査定(謄本送達日同年8月10日。以下これを「原査定」という。)がなされ、これに対して同年11月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされ、同年12月22日付けで審査官により特許法164条3項の規定に基づく報告がなされ、令和4年7月8日付けで当審により拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年8月24日に意見書とともに手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願請求項1~4に係る発明(以下、「本願発明1」~「本願発明4」という。)は、令和4年8月24日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1~4に記載された、次のとおりのものと認める。(なお、下線部は補正箇所を示す。)
「 【請求項1】
媒体基材と、第1方向に並んで前記媒体基材に設けられた複数の単位データ部からなる単位データ部列を有し、当該単位データ部列は前記第1方向とは交差する第2方向に並んで複数設けられており、前記単位データ部の配列にディジタルコードを形成するためのマークが、一部の前記単位データ部に設けられており、前記マークは前記媒体基材表面に形成される所定の高さを有する凸部であって、当該凸部の有無に応じて単位データ部に二値のデータのいずれかを付与するものであり、前記媒体基材に設けられ、前記第2方向に延在する溝をさらに有し、前記第1方向に延びる単位データ部列の前記第2方向の並びにおいて、隣り合う二つの単位データ部列の前記第1方向順列のマークパターンが互いに異なり、前記単位データ部は前記溝の底面に設けられている情報保持媒体と、
前記情報保持媒体の前記単位データ部の配列に形成されたディジタルコードを読み取る情報読取装置と、
を備え、
前記情報読取装置は、
前記情報保持媒体の前記第2方向への相対移動を伴って該情報保持媒体が装着される装着部と、
前記装着部に装着された前記情報保持媒体の前記第1方向に平行な方向に配列されて前記装着部に一つの単位データ部列を構成する単位データ部の個数と同数設けられ、前記情報保持媒体の前記単位データ部に設けられた前記マークを検出し、検出結果に対応した信号を出力する複数の検出部と、
一つの単位データ部列が前記複数の検出部の上を通るとき複数の前記検出部から同期して出力される複数の信号を一単位とする単位信号に基づいてデータ列を生成し、前記情報保持媒体の前記単位データ部列毎に順次得られる前記データ列の群に基づいて前記ディジタルコードを認識する処理部と、
を有し、
前記検出部は前記凸部によって押下されるスイッチであり、
また、前記情報読取装置は、動作部と、前記動作部を動作させるための動作データを前記ディジタルコードに関連付けて記憶した記憶部と、をさらに有しており、
前記情報読取装置の前記処理部は、認識した前記ディジタルコードに対応する動作データを前記記憶部から読み出して、該読み出した動作データに基づいて前記動作部を動作させる情報処理システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理システムであって、
前記情報保持媒体は、前記媒体基材に設けられ、前記第2方向に延在する被ガイド部をさらに有しており、
前記情報読取装置の前記装着部には、前記情報保持媒体の前記被ガイド部に係合して該情報保持媒体の前記第2方向の相対移動をガイドするガイド部が設けられている情報処理システム。
【請求項3】
請求項2記載の情報処理システムであって、
前記情報保持媒体の前記被ガイド部は溝であり、
前記情報読取装置の前記ガイド部は、前記装着部に装着された前記情報保持媒体の前記第2方向に平行な方向に延びる凸条である情報処理システム。
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項記載の情報処理システムであって、
前記動作部は、音声または発光のうち少なくともいずれかを含む演出を出力可能である情報処理システム。」
第3 引用例、引用発明等
1 引用例1に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用した、本願の原出願(特願2013-137161号)の出願前に既に公知である、特開2008-67882号公報(平成20年3月27日公開。以下、これを「引用例1」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。(下線は説明のために当審で付加。以下同様。)
A 「【0001】
本発明は、操作入力に応じて可動する可動部を有し、可動部の可動に応じた操作入力信号をゲーム装置本体へ出力するゲームコントローラに装着される装着具に関する。
…中略…
【0041】
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成例を説明するシステム構成図である。家庭用ゲーム装置1200のゲーム装置本体1201には、例えばCPUや画像処理用LSI、ICメモリ等が実装された制御ユニット1210と、光学ディスク1202やメモリカード1204といった情報記憶媒体の読み取り装置1206、1208を備える。そして、家庭用ゲーム装置1200は、光学ディスク1202やメモリカード1204からゲームプログラムおよび各種設定データを読み出し、付属するゲームコントローラ1230に為される操作入力に基づいて各種のゲーム演算を実行し、所与のビデオゲームを実行する。」
B 「【0066】
図5は、本実施形態におけるコントローラホルダ1150の構成図である。(a)は正面図、(b)はD-D断面図、(c)はE-E断面図に該当する。
同図に示すように、コントローラホルダ1150には、ゲームコントローラ1230が、把持部1232の正面側を覆うようにして装着される。コントローラホルダ1150は、把持部1232を覆う程度の大きさに設定された矩形の基板部1152を有し、その左右側部のそれぞれからゲームコントローラ1230のガイド溝1236とスライド自在に嵌合するガイドレール1154が立設され、下端部にはストッパー1155が立設されている。すなわち、同図の上側が挿入端となって、ゲームコントローラ1230がその下端から挿入される。このとき、ガイドレール1154をガイド溝1236に合わせて挿入し、ゲームコントローラ1230の下端がストッパー1155に当るまでスライドさせる。
【0067】
ガイドレール1154は、立設腕部1154aの先端が内向きL字状に屈曲して嵌合レール1154bが形成されている。嵌合レール1154bには、ガイド溝1236の凹部1237と嵌合してガイド溝1236への位置固定手段として機能する凸部1154cが形成されている。そして、挿入端側(同図の上側)の立設腕部1154aには切り欠き部1154dが設けられており、ゲームコントローラ1230に装着する際に挿入端側の嵌合レール1154bが左右方向外向きに弾性変形して挿入操作し易くなるように工夫されている。嵌合レール1154bがガイド溝1236に沿って遊嵌し、凸部1154cが凹部1237に嵌合すると、今度は弾性によって嵌合状態が維持されゲームコントローラ1230とコントローラホルダ1150とを位置決めする効果を発揮する。
ゲームコントローラ1230とコントローラホルダ1150との位置決め構造はこれに限らず、ラッチ機構やねじ止め、面ファスナーによる固定など適宜選択することができるのは勿論である。
【0068】
さて、基板部1152には、コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着した状態において、把持部1232に設けられた複数の操作ボタン1240それぞれに対向する位置に装着孔1158,1159が設けられている。装着孔1158,1159には識別突起1156,1157が装着される。
【0069】
識別突起1156,1157は、操作ボタンのキートップに当接して操作ボタンを確実に押し込める程度の大きさを有しており、側面から上面にかけて斜面1156a,1157aが形成されている。コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着すると、識別突起1156が対応する操作ボタン1240を押し下げる。斜面1156a,1157aは、装着時に操作ボタン1240をスムーズに押し込む効果を奏する。
【0070】
本実施形態では、装着孔1158,1159は合計5つ設けられており、識別突起1156は、コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着した状態において当該ヌイグルミ1110の個体識別に対応付けられた特定の操作入力状態を実現するように装着される。すなわち、装着孔1158,1159の5つの装着位置に、識別突起1156、1157を装着するまたは装着しないことの組合せにより形成される64通りのうちの一つの操作入力状態が設定される。操作ボタン1240が反押し状態を検出することができる場合には、識別突起1156,1157の押し込み量が半分になる仕様のものを別途用意することによって、装着/反押し/未装着の組合せ分の特定入力状態を実現することができる。
【0071】
識別突起1156,1157によって、コントローラホルダ1150が装着されたゲームコントローラ1230は、常時特定の入力がなされた状態となる。詳細は後述するが、特定入力状態による入力信号はゲームコントローラ1230から、ゲーム装置1200に送信される。ゲーム装置1200では、これを受信し予め設定されている識別設定に係る情報を参照し、何れの種類のキャラクタが使用されているかを判別し、判別したキャラクタをプレーヤが操作するプレーヤキャラクタとしてゲームを実行する。」
C 「【0080】
次に、ゲーム装置1200について説明する。
図8は、本実施形態におけるゲーム装置1200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態におけるゲーム装置1200は、操作入力部100と、処理部200と、通信部500と、音出力部400と、画像表示部300と、記憶部600とを有している。
…中略…
【0107】
記憶部600は、処理部200にゲーム装置1200を統合的に制御させるためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム602及び各種データを記憶する。記憶部600の機能は、例えばICメモリやハードディスク、メモリカード、CD-ROMやDVD-RAMなどの光学ディスクといった情報記憶媒体により実現される。本実施形態では、光学ディスク1202、メモリカード1204、制御ユニット1210に搭載されるハードディスクやICメモリ等がこれに該当する。」
D 「図1
[図:0001390302000001.jpg]
」
E 「図5
[図:0001390302000002.jpg]
」
F 「図6
[図:0001390302000003.jpg]
」
G 「図9
[図:0001390302000004.jpg]
」
2 引用発明
ア 上記記載事項D(図1)の記載、上記記載事項Bの「図5は、本実施形態におけるコントローラホルダ1150の構成図である」(【0066】)との記載、及び、上記記載事項E(図5)から、引用例1には、“ゲーム装置1200とゲームコントローラ1230とコントロールホルダ1150からなるゲームシステム”が記載されているといえる。
イ 上記記載事項Aから、引用例1には、“ゲーム装置1200は、光学ディスク1202やメモリカード1204からゲームプログラムおよび各種設定データを読み出し、付属するゲームコントローラ1230に為される操作入力に基づいて各種のゲーム演算を実行し、所与のビデオゲームを実行”すること(【0041】)が記載されているといえる。
ウ 上記記載事項Aの「本発明は、操作入力に応じ…中略…た操作入力信号をゲーム装置本体へ出力するゲームコントローラに装着される装着具」(【0001】)との記載、及び上記記載事項Bの「図5は、本実施形態におけるコントローラホルダ1150の構成図である…中略…同図に示すように、コントローラホルダ1150には、ゲームコントローラ1230が、…中略…装着され…コントローラホルダ1150は、…中略…ゲームコントローラ1230のガイド溝1236とスライド自在に嵌合するガイドレール1154が立設され」(【0066】)との記載から、引用例1には、“コントローラホルダ1150は、操作入力信号をゲーム装置1200へ出力するゲームコントローラ1230に装着され、ゲームコントローラ1230のガイド溝1236とスライド自在に嵌合するガイドレール1154が立設され”ることが記載されているといえる。
同じく上記記載事項Bから、“コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着した状態において、複数の操作ボタン1240それぞれに対向する位置に識別突起が装着され”ること(【0068】)、“コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着すると、識別突起が対応する操作ボタン1240を押し下げ”ること(【0069】)、“識別突起は、コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着した状態において特定の操作入力状態を実現するように装着され、識別突起の組合せにより形成される64通りのうちの一つの操作入力状態が設定され”ること(【0070】)、及び、“識別突起によって、コントローラホルダ1150が装着されたゲームコントローラ1230は、常時特定の入力がなされた状態となり、特定入力状態による入力信号はゲームコントローラ1230から、ゲーム装置1200に送信され、ゲーム装置1200では、これを受信し予め設定されている識別設定に係る情報を参照し、何れの種類のキャラクタが使用されているかを判別し、判別したキャラクタをプレーヤが操作するプレーヤキャラクタとしてゲームを実行”すること(【0071】)が記載されているといえる。
エ 上記記載事項Cから、引用例1には、“ゲーム装置1200は、処理部200と、記憶部600とを有”すること(【0080】)、及び“記憶部600は、処理部200にゲーム装置1200を統合的に制御させるためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム602及び各種データを記憶している”こと(【0107】)が記載されているといえる。
オ 以上、上記ア~エより、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「ゲーム装置1200とゲームコントローラ1230とコントロールホルダ1150からなるゲームシステムであって、
ゲーム装置1200は、光学ディスク1202やメモリカード1204からゲームプログラムおよび各種設定データを読み出し、付属するゲームコントローラ1230に為される操作入力に基づいて各種のゲーム演算を実行し、所与のビデオゲームを実行し、
コントローラホルダ1150は、操作入力信号をゲーム装置1200へ出力するゲームコントローラ1230に装着され、ゲームコントローラ1230のガイド溝1236とスライド自在に嵌合するガイドレール1154が立設され、
コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着した状態において、複数の操作ボタン1240それぞれに対向する位置に識別突起が装着され、
コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着すると、識別突起が対応する操作ボタン1240を押し下げ、
識別突起は、コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着した状態において特定の操作入力状態を実現するように装着され、識別突起の組合せにより形成される64通りのうちの一つの操作入力状態が設定され、
識別突起によって、コントローラホルダ1150が装着されたゲームコントローラ1230は、常時特定の入力がなされた状態となり、特定入力状態による入力信号はゲームコントローラ1230から、ゲーム装置1200に送信され、ゲーム装置1200では、これを受信し予め設定されている識別設定に係る情報を参照し、何れの種類のキャラクタが使用されているかを判別し、判別したキャラクタをプレーヤが操作するプレーヤキャラクタとしてゲームを実行し、
ゲーム装置1200は、処理部200と、記憶部600とを有し、
記憶部600は、処理部200にゲーム装置1200を統合的に制御させるためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム602及び各種データを記憶している
ゲームシステム。」
3 引用例2に記載された事項
本願の原出願(特願2013-137161号)の出願前に既に公知である、特開平7-134757号公報(平成7年5月23日公開。以下、これを「引用例2」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。
H 「【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1~図3に基づいて説明する。なお、本実施例に示される2次元コード200 は、図3で示されるように名刺等の表示体5にそれぞれ付されるものであって、その読み取りは、ハンドスキャンタイプの2次元コード読み取り装置(図3参照)により行われる。また、本実施例では、図1に示すように2次元コード200 として、データコードを表す2行×4列のモジュール10・11・12・・が、列方向に複数配置された形態のものを使用しており、これ対応して、図3に示されるコード読み取り装置のセンサ3・4は、2次元コード200 のa行、b行に対応して上下方向に1つずつ設けられている。
【0012】また、この2次元コード200 では、奇数列(1,3,5,7……)の枡目に「白」と「濃灰」のいずれかが配色され、また、偶数列(2,4,6,8……)の枡目に、奇数列は異なる2色、すなわち「灰」と「黒」のいずれかが配色されるようになっている。なお、このような枡目に付される色において、奇数列の「白」は「0」を示し、「濃灰」は「1」を示し、また、偶数列の「灰」は「0」を示し、「黒」は「1」を示している。このような「白」、「濃灰」、「灰」、「黒」がそれぞれ付された2次元コード200 の読み取りに際しては、2次元コード読み取り装置のセンサ3・4もこれに対応した読取精度の高いものを使用する。
【0013】また、前記2次元コード200 の最末尾には誤りチェックコード(図示略)が付されており、この誤りチェックコードに基づき、検出された「0」、「1」のビット数が、2次元コード200 の枡目の個数に対応したものか否かが判断されるようになっている。
【0014】次に、上記2次元コード200 を読み取ってコードを判別するための2次元コード読み取り装置について図2を参照して説明する。図2は2次元コード読み取り装置の制御内容を示すフローチャートを示すものであって、以下は各ステップの詳細である。
《ステップ1》~《ステップ2》
センサ3・4により2次元コード200 の読み取りが行われた場合に(ステップ1)、センサ3・4が読み取った2次元コード200 をビット情報として行毎にバッファに記憶させる(ステップ2)。
【0015】《ステップ3》バッファに記憶されたビット情報に基づき、各枡目について、「白」、「濃灰」、「灰」、「黒」のいずれに該当するかを判別し、「白」、「濃灰」である場合に奇数列と判定して次のステップ4に進み、「灰」、「黒」である場合に偶数列と判定して次のステップ5に進む。なお、このステップ3の色判別は、1列目、2列目、3列目、……の順番で列毎に行なう。
【0016】《ステップ4》枡目の色が「白」、「濃灰」のいずれに該当するかを判別して、「白」に該当する場合にこの枡目は「0」であると判定し、また、「濃灰」に該当する場合にこの枡目は「1」であると判定する。《ステップ5》枡目の色が「灰」、「黒」のいずれに該当するかを判別して、「灰」に該当する場合にこの枡目は「0」であると判定し、また、「黒」に該当する場合にこの枡目は「1」であると判定する。なお、このようなステップ3~5では、記憶部に、「白」、「濃灰」、「灰」、「黒」を示す基準データを予め記憶させておき、これら基準データと、センサ3・4で検出された読取データとを比較することで、これら各色を判定する。
【0017】《ステップ6》ステップ4・5にて求めた各枡目毎の「0」、「1」の二値データを、予め定められた規則に基づき配列し所定のコードを形成する。《ステップ7》2次元コード200 の最末尾に付されている誤りチェックコードを検出したか否かを判断し、YESの場合にステップ8に進み、誤りチェックコードの検出がないNOの場合にステップ3に戻って、次の列の枡目の色を判別する。
【0018】《ステップ8》~《ステップ10》
ステップ6で検出したコードと誤りチェックコードとに基づき、二値データのビット数が、2次元コード200 の枡目の数に一致したものであるか否かを判断し(ステップ8)、二値データのビット数が、2次元コード200 の枡目の数に一致していない場合に、異常であるとしてアラームを出力し(ステップ9)、また、二値データのビット数が、2次元コード200 の枡目の数に一致している場合に、正常であるとして、ステップ8で得たコードを出力する(ステップ10)。そして、これらステップ9、10を経た後はフローチャートを終了する。
【0019】以上説明したような表示体5に付されている2次元コード200 では、奇数列(1,3,5,7……)と偶数列(2,4,6,8……)とが各々異なる2色に塗り分けられていることから、例えば、隣接する枡目、隣接するモジュール10・11・12・・において同一コードが連続して付された場合であっても、枡目の色が連続することが防止され、これによって2次元コード読み取り装置において、これらコードを明確に区別することができ、2次元コード200 の判別を正確に行うことが可能となる。
【0020】なお、本実施例では、2行×4列のモジュール10・11・12・・が、列方向に配置されたタイプのものを2次元コード200 として使用したが、モジュールの行数、列数、数についてはこれに限定されるものではない。また、本実施例では、「白」、「濃灰」、「灰」、「黒」の4色により、奇数列、偶数列、及び「0」、「1」を判別するようにしたが、これに限定されず、他の色の組み合わせ、例えば「白」、「黒」、「赤」、「黄」とし、かつセンサ3・4にイメージセンサを使用してこれら色を読み取っても良い。また、本実施例では、フローチャートのステップ3が特許請求の範囲の「識別手段」に相当し、ステップ4~ステップ7が特許請求の範囲の「判別手段」に相当する。」
I 「図1
[図:0001390302000005.jpg]
」
J 「図2
[図:0001390302000006.jpg]
」
K 「図3
[図:0001390302000007.jpg]
」
第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「コントロールホルダ1150」には、「コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着した状態において、複数の操作ボタン1240それぞれに対向する位置に識別突起が装着され」ていて、当該「識別突起は、コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着した状態において特定の操作入力状態を実現するように装着され、識別突起の組合せにより形成される64通りのうちの一つの操作入力状態が設定され」ることから、引用発明の当該「コントロールホルダ1150」に「識別突起」が装着される部分は、本願発明1の「媒体基材」に対応する。
そして、当該「識別突起」は、「コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着すると、…対応する操作ボタン1240を押し下げ」ることから、“所定の高さを有する凸部”であるといえ、また、「識別突起の組合せにより形成される64通りのうちの一つの操作入力状態」は、“凸部の有無に応じて単位データ部に二値のデータのいずれかを付与”して形成される、“ディジタルコード”といえるから、以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、“媒体基材と、前記媒体基材に設けられたディジタルコードを形成するためのマークは前記媒体基材表面に形成される所定の高さを有する凸部であって、当該凸部の有無に応じて単位データ部に二値のデータのいずれかを付与するものであ”る点で一致する。
また、引用発明の「コントローラホルダ1150」の「ガイドレール1154」は、「ゲームコントローラ1230のガイド溝1236とスライド自在に嵌合する」ことを考慮すると、「ゲームコントローラ1230」が「スライド」する方向を“第2方向”とすれば、当該「ガイドレール1154」で挟まれた「識別突起が装着され」る部分は、本願発明1の「第2方向に延在する溝」に対応するといえるから、本願発明1と引用発明とは、“前記媒体基材に設けられ、第2方向に延在する溝”を有する点で一致する。
そして、引用発明が、「コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着すると、識別突起が対応する操作ボタン1240を押し下げ、」「識別突起は、コントローラホルダ1150をゲームコントローラ1230に装着した状態において特定の操作入力状態を実現するように装着され」た上、「特定入力状態による入力信号はゲームコントローラ1230から、ゲーム装置1200に送信され」るものであるから、引用発明の「コントローラホルダ1150」は、何らかの情報を保持する“情報保持媒体”といい得て、以上を総合すると、引用発明と本願発明1の「媒体基材と、第1方向に並んで前記媒体基材に設けられた複数の単位データ部からなる単位データ部列を有し、当該単位データ部列は前記第1方向とは交差する第2方向に並んで複数設けられており、前記単位データ部の配列にディジタルコードを形成するためのマークが、一部の前記単位データ部に設けられており、前記マークは前記媒体基材表面に形成される所定の高さを有する凸部であって、当該凸部の有無に応じて単位データ部に二値のデータのいずれかを付与するものであり、前記媒体基材に設けられ、前記第2方向に延在する溝をさらに有し、前記第1方向に延びる単位データ部列の前記第2方向の並びにおいて、隣り合う二つの単位データ部列の前記第1方向順列のマークパターンが互いに異なり、前記単位データ部は前記溝の底面に設けられている情報保持媒体」とは、下記の点(相違点1)で相違するものの、“媒体基材と、前記媒体基材に設けられたディジタルコードを形成するためのマークは前記媒体基材表面に形成される所定の高さを有する凸部であって、当該凸部の有無に応じて単位データ部に二値のデータのいずれかを付与するものであり、前記媒体基材に設けられ、第2方向に延在する溝をさらに有する情報保持媒体”を備える点で一致する。
イ 引用発明の「ゲームコントローラ1230」は、「コントローラホルダ1150が装着され」ると、「識別突起」により、「常時特定の入力がなされた状態となり、特定入力状態による入力信号はゲームコントローラ1230から、ゲーム装置1200に送信され」ることから、上記アの認定を踏まえると、「コントローラホルダ1150」に装着される「識別突起」の有無による“情報”を、「ゲーム装置1200」に送信しているといえる。
また、引用発明の「ゲーム装置1200」は、その“情報”を「受信し予め設定されている識別設定に係る情報を参照し、何れの種類のキャラクタが使用されているかを判別」していることから、送信された情報を読取っているといえ、「ゲームコントローラ1230」と「ゲーム装置1200」とをあわせたものは、“情報読取装置”といい得る。
したがって、引用発明と本願発明1とは、“前記情報保持媒体に形成されたディジタルコードを読み取る情報読取装置”を備える点で一致する。
ウ 引用発明の「ゲームコントローラ1230のガイド溝1236」は、「コントローラホルダ1150」に「立設」される、「ガイドレール1154」と「スライド自在に嵌合する」ものであるから、上記ア及びイの認定を踏まえると、引用発明は、本願発明1の「前記情報保持媒体の前記第2方向への相対移動を伴って該情報保持媒体が装着される装着部」の構成を有するといえる。
エ 引用発明の「ゲームコントローラ1230」に設けられる「操作ボタン1240」は、「コントローラホルダ1150」に装着される「識別突起」の有無を検出して、検出した結果を「ゲーム装置1200」に送信した上、「ゲーム装置1200では、これを受信し予め設定されている識別設定に係る情報を参照し、何れの種類のキャラクタが使用されているかを判別し、判別したキャラクタをプレーヤが操作するプレーヤキャラクタとしてゲームを実行」することから、引用発明と本願発明1とは、下記の点(相違点2)で相違するものの、“前記情報読取装置”が“前記情報保持媒体に設けられた前記マークを検出し、検出結果に対応した信号を出力する複数の検出部”及び“前記ディジタルコードを認識する処理部”を有する点で一致する。
オ 引用発明の「ゲームコントローラ1230」に設けられる「操作ボタン1240」は、上記エの認定を踏まえれば、“検出部”にあたり、さらに上記アの認定も踏まえれば、引用発明は、本願発明1の「前記検出部は前記凸部によって押下されるスイッチであ」るとの構成を有する。
カ 引用発明の「ゲーム装置1200は、処理部200と、記憶部600とを有」するものであって、当該「処理部200」及び「記憶部600」は、本願発明1の「動作部」及び「記憶部」に相当する。
また、引用発明は、「識別突起によって、コントローラホルダ1150が装着されたゲームコントローラ1230は、常時特定の入力がなされた状態となり、特定入力状態による入力信号はゲームコントローラ1230から、ゲーム装置1200に送信され、ゲーム装置1200では、これを受信し予め設定されている識別設定に係る情報を参照し、何れの種類のキャラクタが使用されているかを判別し、判別したキャラクタをプレーヤが操作するプレーヤキャラクタとしてゲームを実行」しているところ、「予め設定されている識別設定に係る情報を参照」することはすなわち、引用発明の「記憶部600」には、“動作部を動作させるための動作データがディジタルコードに関連付けて記憶”されているといえるから、引用発明は、本願発明1の「前記情報読取装置は、動作部と、前記動作部を動作させるための動作データを前記ディジタルコードに関連付けて記憶した記憶部と、をさらに有して」いるとの構成を有するといえる。
キ 引用発明の「ゲームシステム」は、本願発明1とは、“情報処理システム”である点で一致する。
ク 以上、ア~キの検討から、引用発明と本願発明1とは、次の一致点及び相違点を有する。
〈一致点〉
媒体基材と、前記媒体基材に設けられたディジタルコードを形成するためのマークは前記媒体基材表面に形成される所定の高さを有する凸部であって、当該凸部の有無に応じて単位データ部に二値のデータのいずれかを付与するものであり、前記媒体基材に設けられ、第2方向に延在する溝をさらに有する情報保持媒体と、
前記情報保持媒体に形成されたディジタルコードを読み取る情報読取装置と、
を備え、
前記情報読取装置は、
前記情報保持媒体の前記第2方向への相対移動を伴って該情報保持媒体が装着される装着部と、
前記情報保持媒体に設けられた前記マークを検出し、検出結果に対応した信号を出力する複数の検出部と、
前記ディジタルコードを認識する処理部と、
を有し、
前記検出部は前記凸部によって押下されるスイッチであり、
また、前記情報読取装置は、動作部と、前記動作部を動作させるための動作データを前記ディジタルコードに関連付けて記憶した記憶部と、をさらに有している
情報処理システム。
〈相違点1〉(情報保持媒体)
本願発明1の「情報保持媒体」は、「第1方向に並んで前記媒体基材に設けられた複数の単位データ部からなる単位データ部列を有し、当該単位データ部列は前記第1方向とは交差する第2方向に並んで複数設けられており、前記単位データ部の配列にディジタルコードを形成するためのマークが、一部の前記単位データ部に設けられて」いて、「前記第1方向に延びる単位データ部列の前記第2方向の並びにおいて、隣り合う二つの単位データ部列の前記第1方向順列のマークパターンが互いに異なり、前記単位データ部は前記溝の底面に設けられている」のに対し、引用発明は、そのような構成を有しない点。
〈相違点2〉(情報読取装置)
本願発明1の「情報読取装置」は、「情報保持媒体の前記単位データ部の配列に形成されたディジタルコードを読み取る」ものであると共に、「検出部」が、「前記装着部に装着された前記情報保持媒体の前記第1方向に平行な方向に配列されて前記装着部に一つの単位データ部列を構成する単位データ部の個数と同数設けられ」ていて、「前記単位データ部に設けられた前記マーク」を検出し、「一つの単位データ部列が前記複数の検出部の上を通るとき複数の前記検出部から同期して出力される複数の信号を一単位とする単位信号に基づいてデータ列を生成し、前記情報保持媒体の前記単位データ部列毎に順次得られる前記データ列の群に基づいて前記ディジタルコードを認識する処理部」を有し、「前記情報読取装置の前記処理部は、認識した前記ディジタルコードに対応する動作データを前記記憶部から読み出して、該読み出した動作データに基づいて前記動作部を動作させる」ものであるのに対し、引用発明は、そのような構成を有しない点。
(2)相違点についての判断
相違点1及び2についてまとめて検討する。
本願発明1は、「前記情報保持媒体の前記第2方向への相対移動を伴って」情報保持媒体が装着されることによって、「処理部」が「前記情報保持媒体の前記単位データ部列毎に順次得られる前記データ列の群に基づいて前記ディジタルコードを認識する」ものであり、そのため、「情報保持媒体」は、「第1方向に並んで前記媒体基材に設けられた複数の単位データ部からなる単位データ部列」を有し、「当該単位データ部列は前記第1方向とは交差する第2方向に並んで複数設けられて」いて、「第1方向に延びる単位データ部列の前記第2方向の並びにおいて、隣り合う二つの単位データ部列の前記第1方向順列のマークパターンが互いに異な」る(相違点1)ようにして、隣り合う二つの単位データ部列のマークパターンが検出部21の群によってそれぞれ検出された場合に、隣り合う二つの単位データ部列の間で、少なくとも一つは検出部21から出力される信号が変化することとなり(【0052】)、単位データ部列の境界を精度良く認識でき、単位データ部列毎のデータ列を生成することができる(【0053】)という格別な効果を有するものである。
一方、引用発明は、単に「識別突起によって、コントローラホルダ1150が装着されたゲームコントローラ1230は、常時特定の入力がなされた状態となり、特定入力状態による入力信号はゲームコントローラ1230から、ゲーム装置1200に送信され、ゲーム装置1200では、これを受信し予め設定されている識別設定に係る情報を参照し、何れの種類のキャラクタが使用されているかを判別し、判別したキャラクタをプレーヤが操作するプレーヤキャラクタとしてゲームを実行」するものであり、当該「識別突起」同士が、どのような配列であっても、「ゲームコントローラ1230」が「コントローラホルダ1150」に装着された状態となれば、引用発明の「ゲーム装置1200」は、所定の情報(「何れの種類のキャラクタが使用されているか」の情報)を認識することができるに過ぎないものであるから、「識別突起」を、単位データ部列のような構成をとる動機付けに欠けるものである。
してみれば、引用発明において、上記相違点1及び2の構成を採用することは当業者といえども容易になし得たとまではいうことができず、また上記引用例2にも、相違点1及び2に係る構成は開示されておらず、当該技術分野における周知技術でもないので、本願発明1は、当業者であっても、引用発明や引用例2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明2~4について
本願発明2~4は、請求項1を直接または間接的に引用するものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明や引用例2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第5 原査定の概要及び原査定についての判断
1 原査定(令和3年8月2日付け拒絶査定)の概要
原査定の概要は、この出願の請求項1~5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2008-067882号公報(以下、「引用文献1」という。)に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
2 当審の判断
上記第4に示したとおり、本願発明1~5は、上記引用例1(原査定の引用文献1)に記載された発明に対して相違点1及び2の点で相違し、上記第4 1(2)に示したとおり、当業者であっても、引用発明や引用例2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 当審拒絶理由について
1 特許法36条6項1号について
当審では、請求項1~5につき、課題を解決するための手段が特定されているものとはいえず、上記課題を解決できないことは明らかであるため、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえないとの拒絶の理由を通知しているが、令和4年8月24日付けの補正において、「情報保持媒体」が「前記第1方向に延びる単位データ部列の前記第2方向の並びにおいて、隣り合う二つの単位データ部列の前記第1方向順列のマークパターンが互いに異な」るものであることが特定された結果、この拒絶の理由は解消した。
2 特許法36条6項2号について
当審では、請求項1の「前記第2方向」という記載の意味が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、令和4年8月24日付けの補正において、当該「前記」が削除された結果、この拒絶の理由は解消した。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-015110