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特許拒絶査定不服審判

2021-013414

寝台装置

審判番号
2021-013414
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-132887外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年10月05日
審決日
2023年03月30日
公報発行日
2023年06月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A61G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2020-132887号「寝台装置」拒絶査定不服審判事件〔令和2年10月29日出願公開、特開2020-175254号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成27年10月6日(以下「原出願日」という。)に出願された特願2015-198765号の一部を、平成30年10月12日に新たな特許出願である特願2018-193663号として出願し、さらにその一部を、令和2年8月5日に新たな特許出願としたものであって、その経緯は、以下のとおりである。 令和2年 8月 5日 :上申書の提出 令和3年 6月 1日付け :拒絶理由の通知 同年 7月13日 :手続補正書、意見書の提出 同年 8月 2日付け :拒絶査定(令和3年8月5日送達) 同年10月 5日 :審判請求、手続補正書の提出 令和4年 7月14日付け :拒絶理由の通知 同年 9月12日 :手続補正書、意見書の提出 第2 本願発明 令和4年9月12日に提出された手続補正書により補正された請求項1には、「・・・第1駆動機構と、前記膝ボトムを膝上げ状態とする」との記載があるが、「膝ボトム」は前記されていないので、そのままでは本願発明を明確に認定することができない。 そこで、上記の点を踏まえて、本願の請求項1~4に係る発明は、令和4年9月12日に提出された手続補正書により補正された請求項1~4に記載された事項のうち、請求項1の「前記膝ボトム」を「膝ボトム」に読み替えた事項により特定されるものと認める。そうすると、読み替えた後の本願の請求項1の記載は次のとおりである。 以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。なお、下線は当審が追加した。以降も同様。 「【請求項1】 背ボトム、腰ボトム、及び脚ボトムを含む複数のボトムを備える寝台と、 前記複数のボトムを支持する複数の第1フレームと、 前記複数の第1フレームを支持する第2フレームと、 前記寝台を移動させる駆動機構と、 前記駆動機構に接続する制御部と、 前記制御部に接続する報知部と、 を備え、 前記報知部は、前記寝台を下降させる際に、寝台が低くなるほど発音期間が短くなるよう、前記寝台の床からの高さに基づいて前記発音期間が異なる複数のパターンのブザー音を発し、 前記第2フレームには、平面視において左右方向に延び、湾曲する部分を含む連結棒が設けられ、 前記連結棒の両端は、上側で前記複数の第1フレームの一対の縦部材に回転自在に連結され、 前記第1フレームは、前記背ボトムを背上げ状態とするための第1回動部材と、前記第1回動部材を回動させて前記背ボトムを回動させる第1駆動機構と、膝ボトムを膝上げ状態とするための第2回動部材と、を含み、 平面視において、前記背ボトム側から前記脚ボトム側に向かって、前記第1駆動機構、前記第1回動部材、前記連結棒、前記第2回動部材の順で配置されている、電動ベッド。」 第3 令和4年7月14日付けで通知した拒絶理由 当審において、令和4年7月14日付けで通知した拒絶理由は、概略以下のとおりである。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ・請求項 1~4 ・引用文献等 1~8 <引用文献等一覧> 1.取扱説明書 在宅ケアベッド 楽匠Sシリーズ、パラマウントベッド株式会社 2.電動在宅看護ベッド NX-1・NX-2 和夢彩 取扱説明書、シーホネンス株式会社 3.特開2008-257636号公報(周知技術を示す文献) 4.特開2014-11896号公報(周知技術を示す文献) 5.登録実用新案第3072969号公報(周知技術を示す文献) 6.特開平11-339144号公報(周知技術を示す文献) 7.特開2006-135777号公報(周知技術を示す文献) 8.特開2008-269996号公報(周知技術を示す文献) 第4 引用文献等 1 引用文献1、2の公知日の認定 引用文献1、2は、それぞれ、本願の原出願(特願2018-193663号)のさらに原出願(特願2015-198765号)に係る特許第6460954号に対する異議2019-700593において、特許異議申立人より提出された甲第1、2号証である。 引用文献1の裏表紙の右下に「’12.03」との記載があり、西暦を略記する場合、「’」を付して下2桁で表記することは常識的なことであるから、引用文献1は、本願の原出願日前の2012年(平成24年)3月に公知になったものと推認される。 また、引用文献2の裏表紙の右下に「2014.07.01」との記載があり、引用文献2は、本願の原出願日前の2014年(平成26年)7月1日に公知になったものと推認される。 2 引用文献1 (1)記載事項 引用文献1の5、24、25、44、48~53、59~62、80、97、101ページには、図面と共に以下の記載がある。 「 [図:0001397530000001.jpg] [図:0001397530000002.jpg] [図:0001397530000003.jpg] [図:0001397530000004.jpg] [図:0001397530000005.jpg] [図:0001397530000006.jpg] [図:0001397530000007.jpg] [図:0001397530000008.jpg] [図:0001397530000009.jpg] [図:0001397530000010.jpg] [図:0001397530000011.jpg] [図:0001397530000012.jpg] [図:0001397530000013.jpg] [図:0001397530000014.jpg] [図:0001397530000015.jpg] [図:0001397530000016.jpg] [図:0001397530000017.jpg] 」 (2)参考図 引用文献1の49、50、80、53ページの図面に基づき、引用文献1における一部の部材の位置関係を示すと、当審で加筆・作成した以下の参考図1~4のとおりといえる。 ア【参考図1】(49ページの図面に対応) 「 [図:0001397530000018.jpg] 」 (図の補足) 参考図1は、49ページの上側の斜視図を基に作成した。 参考図1の左下の「ベースフレーム」には、「ベースフレームの受金具」(50ページの中央の図面参照。)が設けられている。当該「ベースフレームの受金具」を両端に備えたフレーム部材を、「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」と呼ぶこととし、当該部材に色(灰色)を付けた。 参考図1の右上の「足側フレーム」には、「膝あげリンク」(48ページの右上の図面、97ページの右下の図面の「膝あげリンク」の位置を参照)が設けられている。当該「膝あげリンク」の両端部に連結する縦方向に延びる部材を「足側フレームの一対の縦部材」と呼ぶこととし、当該部材に色(灰色)を付けた。また、当該「膝あげリンク」を動かすアクチュエーターを、「膝あげリンクを動かすアクチュエーター」と呼ぶこととする。 イ【参考図2】(50ページの図面に対応) 「 [図:0001397530000019.jpg] 」 (図の補足) 参考図2は、50ページの左上の斜視図(ベースフレームに足側フレームを載せた斜視図)を基に作成した。当該斜視図は、49ページの上側の斜視図(参考図1に対応)の4本の矢印に沿って、ベースフレームに足側フレームを載せた斜視図であり、「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」、「足側フレームの一対の縦部材」、「膝あげリンク」、「膝あげリンクを動かすアクチュエーター」は、図中の位置である。 ウ【参考図3】(80ページの図面に対応) 「 [図:0001397530000020.jpg] 」 (図の補足) 参考図3は、80ページの左側の斜視図及びその要部拡大図を基に作成した。 参考図3の「背あげリンク」の回動軸になる位置の部材を、「背あげリンクの回動軸位置部材」と呼ぶこととし、当該部材に色(灰色)を付けた。 エ【参考図4】(53ページの図面に対応) 「 [図:0001397530000021.jpg] 」 (図の補足) (ア)参考図4は、53ページの上側の斜視図の要部拡大図(吹き出しの中の平面図)を基に作成した。 以下、「膝あげリンク」、「足側フレームの一対の縦部材」(灰色)、「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」(灰色)、「背アクチュエーター」、「連結ピン」、「背あげリンクの回動軸位置部材」(灰色)の位置は、次のように特定できる。 (イ)「膝あげリンク」は、「膝あげリンクを動かすアクチュエーター」に連結しており(参考図1の足側フレームを参照)、且つ、リンク自体が湾曲している(参考図1、2を参照)ので、参考図4中の最も足側(参考図4の右側の端)に位置する部材が「膝あげリンク」である。 (ウ)「足側フレームの一対の縦部材」(灰色)は、上記(イ)の「膝あげリンク」が連結しており、且つ、膝あげリンク用のアクチュエーターを支持するフレームの左右の端部が連結する縦部材である(参考図1、2を参照)ので、図中の位置である。 (エ)「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」(灰色)は、上記(ウ)の「足側フレームの一対の縦部材」の頭側(参考図4の左側)の先端位置に対応する(参考図2を参照)ので、図中の位置である。 (オ)「背アクチュエーター」は、参考図3の「背アクチュエーター」に対応するものであり、53ページ左上の斜視図の「背アクチュエーター」の位置を参照すると、図中の位置である。 (カ)「連結ピン」は、「背アクチュエーター」の先端に位置する(参考図3参照)ので、図中の位置である。 (キ)「背あげリンクの回動軸位置部材」(灰色)の位置: まず、「連結ピン」の周辺に着目すると、「背アクチュエーター」の先には、「連結ピン」があり、さらにその先には、「連結ピン」が差し込まれているリンク部材がある。当該リンク部材に連結して電動ベッドの幅方向に延びる部材が「背あげリンクの回動軸位置部材」である(参考図3を参照)。 よって、「背あげリンクの回動軸位置部材」の位置は、図中の位置である。 (3)認定事項 上記(1)の記載事項に加え、以下の事項が認定できる。 ア 101ページの下段の「電装品」の表の「形式」の欄には「リニアアクチュエーター(DCモーター)」と記載されているので、引用文献1記載の「ベッド」は「電動ベッド」である。 イ 5ページの上の図面から、「背ボトム」、「キューマボトム」、「膝ボトム」、「足ボトム」からなるものはベッドの上面を形成しており、人が寝るための「寝台」であることが看て取れる。 したがって、上記アを踏まえると、「電動ベッドが、背ボトム、キューマボトム、膝ボトム、足ボトムからなる寝台を備えること」が認定できる。 ウ (ア)51ページ右上の図面には、「頭側フレーム」における「リトラフレーム」の位置が示されており、同図より「リトラフレーム」が「頭側フレーム」の一部であることが看て取れる。 60ページの説明文の「まる1 図のように背ボトムをリトラフレームに載せてください。」(当審注:「まる1」は、黒丸に白抜き数字の1を表す。以下同様。)、「まる2 背ボトムを足側へスライドさせ、背ボトムの溝をリトラフレームのボスに差込んでください。」、「まる3 背ボトムとリトラフレームの取付穴(左右各1ヶ所)に外側から蝶ボルトを差込み、蝶ナットで締付けてください。」との記載及び同ページの図面より、「頭側フレーム」の一部である「リトラフレーム」は、「背ボトム」を支持することが認定できる。 (イ)59ページの説明文の「まる6 キューマボトムの左右のボスを、リトラフレームの穴に差込んでください。」との記載及び同ページの一番下の図面より、「頭側フレーム」の「リトラフレーム」は、「キューマボトム」を支持することが認定できる。 (ウ)59ページの説明文の「まる7 キューマボトムのブラケットをベッドフレームとボトム受金具の間に入れてください。」と記載、61ページの説明文の「まる6 膝ボトムのブラケットをキューマボトムのブラケットとボトム受金具の間に入れてください。」との記載、62ページの説明文の「まる7 膝ボトムのブラケット穴とベッドフレームの取付穴の位置をあわせ、ベッドフレームの取付穴にL字ピンを外側から差込み、キューマボトムと膝・足ボトムをベッドフレームと連結してください。」との記載から、キューマボトム、膝ボトム及び足ボトムはボトム受金具に支持されることが認定できる。 また、59ページ一番下の図の「ボトム受金具」のベッドフレームにおける位置及び形状に着目すると、これと同じ部材が、44ページ右上の図に示される足側フレームに設けられていることが看て取れる。 そうすると、「足側フレーム」は、「キューマボトム」、「膝ボトム」及び「足ボトム」を支持することが認定できる。 (エ)したがって、上記ア、(ア)~(ウ)を踏まえると、「電動ベッドが、背ボトムを支持する頭側フレームのリトラフレーム、キューマボトムを支持する頭側フレームのリトラフレーム及び足側フレーム、膝ボトム及び足ボトムを支持する足側フレームを備えること」が認定できる。 エ (ア)49ページの説明文には「まる2 足側フレームの先端を持ってゆっくり倒し、ベースフレームのローラーに足側フレームのローラー受の欠き部を載せてください。」、50ページの説明文には「まる3 足側フレームをスライドさせて、先端の穴をベースフレームの受金具の穴にあわせてください。」、「まる4 まる3であわせた穴に外側から連結ピンを差込んでください。」と記載されているので、「ベースフレーム」は「足側フレーム」を支持している。 さらに、51ページの説明文には「まる1 頭側フレームの樹脂部を足側フレームのピンにあわせて、足側フレームの上に載せてください。」、「まる2 ノブボルトで頭側フレームを足側フレームに固定してください。」と記載されており、「頭側フレーム」は「足側フレーム」に連結されるのであるから、結局のところ、「ベースフレーム」は「頭側フレーム」と「足側フレーム」を支持することが認定できる。 (イ)24ページの<一旦停止時><低床動作中>の電動ベッドの高さ調整を行っている図から、電動ベッドはX型のリンク機構で高さ調整を行っていることが看て取れる。また、49ページ上側の図面から、ベースフレームが、当該X型のリンク機構を備えていることが看て取れる。 (ウ)したがって、上記ア、(ア)、(イ)を踏まえると、「電動ベッドが、頭側フレーム及び足側フレームを支持し、高さ調整を行うX型のリンク機構を備えたベースフレームを備えること」が認定できる。 オ 24ページの「■低床位置のお知らせ」欄の図面に示される動作をするためには、床からベッドのボトム上面までの高さ(つまり、寝台の高さ)を調節する「駆動機構」を備えることは自明である。 したがって、上記アを踏まえると、「電動ベッドが、寝台を移動させる駆動機構を備えること」が認定できる。 カ 5、53ページの「コントロールボックス」の中には「制御部」といえるものが収められていることは自明であり、当該「制御部」は、5ページ下方の「アクチュエーターケーブルのコネクター差込部」との記載及び52ページの「ハイローアクチュエーターの配線」を示す図面より、ハイローアクチュエーター(上記オの「駆動機構」)に接続することは、技術的に明らかである。 したがって、上記アを踏まえると、「電動ベッドが、駆動機構に接続する制御部を備えること」が認定できる。 キ 5ページ下方の「手元スイッチコネクター差込部」及び53ページ下方の「手元スイッチコード」との記載から、5ページの「手元スイッチ」が、上記カの「制御部」に接続することは、技術的に明らかである。 また、24ページの「■低床位置のお知らせ」欄の図面には、「ピッ!」というブザー音と、「ピピッ!」、「ピピッ!」というブザー音が、「手元スイッチ」からの吹き出し内に記載されていることから、「手元スイッチ」が「ブザー」を有することは明らかといえる。 したがって、上記アを踏まえると、「電動ベッドが、制御部に接続する、ブザーを有する手元スイッチを備えること」が認定できる。 ク 24ページの「■高さの動作範囲」欄には、「高さボタン」、「さげボタンを押す」、「高さがさがります。」と記載されている。また、同ページの右下には「●再度、手元スイッチの高ささげボタンを押すと、ブザーを繰り返し鳴らしながら最低高さ(約20cm)までさがります。」と記載されている。同ページの左下の<低床動作中>の図面にからは、低床動作中にベッドのボトム上面の高さが下がる態様が看て取れる。 したがって、「手元スイッチは、高さボタンのさげボタンを押すと、ベッドのボトム上面の高さをさげるものであること」が認定できる。 ケ 24ページの<一旦停止時>の説明文には「●安全のため、ベッドの高さをさげる場合、ゆかからボトム上面までの高さ(床高)が約28cmで、ブザーを鳴らして一旦停止します。」と記載されている。さらに、その左側の<一旦停止時>の図面には「ピッ!」というブザー音が「手元スイッチ」からの吹き出し内に記載されている。 また、24ページの<低床動作中>の説明文には「●再度、手元スイッチの高ささげボタンを押すと、ブザーを繰り返し鳴らしながら最低高さ(約20cm)までさがります。」と記載されている。その左側の<低床動作中>の図面には、「ピピッ!」、「ピピッ!」というブザー音が「手元スイッチ」からの吹き出し内に記載されている。 したがって、 「ベッドの高さをさげる場合、ゆかからボトム上面までの高さ(床高)が約28cmで、「ピッ!」というブザー音を鳴らして一旦停止し、 再度、手元スイッチの高さボタンのさげボタンを押すと、「ピピッ!」というブザー音を繰り返し鳴らしながら最低高さ(約20cm)までさがること」 が認定できる。 コ 49ページの上側の図面及び50ページの左上の図面からは、上記(2)の参考図1を踏まえると、以下の点が看て取れる。 ・ベースフレームには、「ベースフレームの受金具」及び「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」(上記(2)の参考図1の図の補足を参照)が設けられている点。 ・「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」は、「平面視において左右方向に延びる」形状である点。 ・「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」は、湾曲しておらず全体が直線的な棒状の部材である点。 したがって、「ベースフレームには、平面視において左右方向に延びる「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」が設けられ、該「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」は、湾曲しておらず全体が直線的な棒状の部材であること」が認定できる。 サ 50ページの中央の「ベースフレームの受金具」付近の拡大図面に注目すると共に、エ(イ)を踏まえると、「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」(上記コ参照)の両端は、「ベースフレームの受金具」、「連結ピン」、「スナップピン」を介して、高さ調整を行うX型のリンク機構の頭側で上側の端部で、「足側フレーム」に回転自在に連結されることが看て取れる。 さらに、49ページの上側の図面を併せて考えると、「ベースフレーム」の「ベースフレームの受金具」には、「足側フレームの一対の縦部材」(上記(2)の参考図1の図の補足を参照)が回転自在に連結することが看て取れる。 したがって、「「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」の両端は、ベースフレームの受金具、連結ピン及びスナップピンを介して、高さ調整を行うX型のリンク機構の頭側で上側の端部で「足側フレームの一対の縦部材」に回転自在に連結されること」が認定できる。 シ 51ページの中央左側の図面と、右上の図面とから、「頭側フレーム」が「背アクチュエーター」を含むことが看て取れる。 80ページの上側及びその一部を拡大した図面から、「背アクチュエーター」は、「スナップピン」及び「連結ピン」を介して、「背ボトム」を背上げ状態とするための「背あげリンク」と連結されていることが看て取れる。また、当該図面より「背あげリンク」は「背ボトム」を背上げ状態とする部材であり、「背アクチュエーター」は「背あげリンク」を回動させて「背ボトム」を回動させることが看て取れる。 したがって、「頭側フレームは、背ボトムを背上げ状態とするための背あげリンクと、背あげリンクを回動させて背ボトムを回動させる背アクチュエーターと、を含むこと」が認定できる。 ス 48ページの右上の図面、97ページの右下の図面には、足側フレームにおける「膝あげリンク」の位置が示されている。25、48、97ページの図面から、該「膝あげリンク」は、アクチュエーターの先端に取り付けられており、当該アクチュエーターの伸長に応じて、膝ボトムをあげた状態とするために回動する部材であることが看て取れる。 したがって、「足側フレームは、膝ボトムをあげた状態とするために回動する膝あげリンクを含むこと」が認定できる。 セ 53ページの上側の斜視図の要部拡大図(平面図)からは、上記(2)の参考図4を踏まえると、「平面視において、背ボトム側から足ボトム側に向かって、「背アクチュエーター」、「背あげリンク」、「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」、「膝あげリンク」の順で配置されていること」が看て取れる。 (4)引用発明 上記(1)~(3)より、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「背ボトム、キューマボトム、膝ボトム、足ボトムからなる寝台と、 前記背ボトムを支持する頭側フレームのリトラフレーム、前記キューマボトムを支持する前記頭側フレームの前記リトラフレーム及び足側フレーム、膝ボトム及び足ボトムを支持する前記足側フレームと、 前記頭側フレーム及び前記足側フレームを支持し、高さ調整を行うX型のリンク機構を備えたベースフレームと、 前記寝台を移動させる駆動機構と、 前記駆動機構に接続する制御部と、 前記制御部に接続する、ブザーを有する手元スイッチと、 を備え、 手元スイッチは、高さボタンのさげボタンを押すと、ベッドのボトム上面の高さをさげるものであり、 ベッドの高さをさげる場合、ゆかからボトム上面までの高さ(床高)が約28cmで、「ピッ!」というブザー音を鳴らして一旦停止し、 再度、手元スイッチの高さボタンのさげボタンを押すと、「ピピッ!」というブザー音を繰り返し鳴らしながら最低高さ(約20cm)までさがり、 ベースフレームには、平面視において左右方向に延びる「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」が設けられ、該「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」は、湾曲しておらず全体が直線的な棒状の部材であり、 前記「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」の両端は、ベースフレームの受金具、連結ピン及びスナップピンを介して、高さ調整を行うX型のリンク機構の頭側で上側の端部で「足側フレームの一対の縦部材」に回転自在に連結され、 頭側フレームは、背ボトムを背上げ状態とするための背あげリンクと、背あげリンクを回動させて背ボトムを回動させる背アクチュエーターと、を含み、 足側フレームは、膝ボトムをあげた状態とするために回動する膝あげリンクを含み、 平面視において、背ボトム側から足ボトム側に向かって、背アクチュエーター、背あげリンク、「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」、膝あげリンクの順で配置されている、 電動ベッド。」 3 引用文献2 (1)記載事項 引用文献2には、図面と共に以下の記載がある。 (なお、上記1で既に述べたとおり、引用文献2は、異議2019-700593において特許異議申立人より提出された甲第2号証であり、手書きの文字等は、特許異議申立人が付加したものである。) ・引用文献2の2~3枚目(頁数の記載なし) [図:0001397530000022.jpg] ・引用文献2の21、22ページ [図:0001397530000023.jpg] (2)認定事項 上記(1)の記載事項に加え、以下の事項が認定できる。 ア 引用文献2の2枚目の左側頁の上段には「「電動在宅介護ベッド 和夢シリーズ“彩”NX-1・NX-2」は、ベッドを使用する方の動作を助けること、介護する方の介護負担を軽減することを目的として作られたベッドです。」との記載があるので、引用文献2には「電動ベッド」が記載されている。 イ (ア)引用文献2の21、22ページに記載された「ハイローベースユニット」は、「電動ベッド」における「ハイローベースユニット」である。 (イ)引用文献2の21、22ページの「ハイローベースユニット」は、「リアユニット」を支持し、X型のリンク機構を備え、当該X型のリンク機構により「電動ベッド」の高さ調節を行うことは、技術的に明らかである。 (ウ)したがって、「電動ベッドが、リアユニットを支持し、高さ調整を行うX型のリンク機構を備えたハイローベースユニットを備えること」が認定できる。 ウ 引用文献2の21ページの中央左側の図面、22ページの中央の図面から、「ハイローベースユニットの上部の位置における、高さ調整を行うX型のリンク機構の頭側で上側の端部で、平面視において左右方向に延び、湾曲した湾曲部を含む連結棒を設けたこと」が看て取れる。 (3)引用文献2に記載された事項 上記(1)(2)より、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。 「リアユニットを支持し、高さ調整を行うX型のリンク機構を備えたハイローベースユニットを備え、 前記ハイローベースユニットの上部の位置における、高さ調整を行うX型のリンク機構の頭側で上側の端部で、平面視において左右方向に延び、湾曲した湾曲部を含む連結棒を設けた、 電動ベッド。」 4 周知技術を示す文献 当審が令和4年7月14日付けで通知した拒絶の理由で新たに引用した引用文献3~8には、次の記載がある。 (1)引用文献3の【0003】 「この場合、より具体的には、車両のボデーと、障害物との間の距離が比較的大きい(例えば1m~25cm)場合には、「ピーピーピー」というブザー音を、比較的間隔の広い断続音で出力すると共に、黄色または緑色の表示色で、障害物の存在を表示するようになっている。そして、障害物との間の距離が短く(25cm以下)なって接触の虞が高くなった場合には、ブザー音が「ピピピピ」というふうに断続時間が短くなる(リズムが速くなる)ように出力すると共に、表示色を赤色に変化させるようになっている。 【非特許文献1】「レクサス GS430/GS350 HDDナビゲーションシステム取扱説明書」 2005年10月11日 3版 P.386-389」 (2)引用文献4の【0023】 「あるいは、電力供給を停止するまでの時間をアラーム音の間隔で伝えるようにしてもよい。アラーム音の例としては、鳴り始めで電力供給が止まるまでの時間があるときには、「ピーピーピー・・」と間隔が長く、電力供給が止まるときには「ピピピピピ・・」と間隔を狭くする。」 (3)引用文献5の【0007】 「次に当該時間差の情報をマイクロプロセサーへ送って距離差へ変換したなら、距離に応じて青、黄、赤の三色を出す三色表示装置と、距離に応じた長さの音を出すスピーカーを使って、視覚と聴覚の双方へ訴える形で接近情報を警報として表示し伝達する。」 (4)引用文献6の【0016】、図4 ・「次に、警報回路4による周囲温度の報知について説明する。警報回路4は、本来、マイコン1の火災判定部10において、火災の発生を判定したときに警報音(警報ブザー)を鳴動させるが、動作確認の操作がされたときには、周囲温度に応じて、警報音の出力時間又は警報音の出力回数を変化させることによって、その温度を報知する。」 ・図4 「 [図:0001397530000024.jpg] 」 (5)引用文献7の【0066】 「ここで、ブザー鳴動の開始処理は、図12に示すように、指示されたブザーパターン(強注意音、警告音、操作音など)に対応するブザーカウンタのセットを行なうことにより実現される(判断301~処理306)。処理302,304,306のブザーカウンタのセットとしては、ブザー回数、ブザーオン時間、ブザーオフ時間、ブザー要求レベル、ブザー音量などが行なわれる。」 (6)引用文献8の【0022】~【0024】 「【0022】 又、本発明の告知装置の音出力部での一定期間或いは無制限の音出力動作は、出力回数又は出力時間或いは音量が次第に増えるようにすることが好ましい。このような音出力の制御は、計測部としての機能を一部に有したマイクロコンピュータで担うことが可能である。 【0023】 ここに、出力回数が次第に増える音出力動作とは、所定の時期に、予め想定した経年通電時間に達した後最初の一定期間の音出力が例えば「ピー」という態様であるとした場合、次の一定期間での音出力の態様が「ピーピー」であり、更に次の一定期間での音出力の態様が「ピーピーピー」となり、以下同様に出力回数が漸増することを指している。 【0024】 更に、出力時間が次第に増える音出力動作とは、所定の時期に、予め想定した経年通電時間に達した後最初の一定期間の音出力が例えば「ピー」という態様が2秒間継続するとした場合、次の一定期間での「ピー」という態様の音出力が4秒間継続し、更に次の一定期間での「ピー」という態様の音出力が6秒間継続し、以下同様に音出力時間が次第に長くなることを指している。」 第5 対比・判断 1 対比 (1)本願発明と引用発明とを対比する。 ア 後者の「背ボトム」は前者の「背ボトム」に相当し、以下同様に、「キューマボトム」は「腰ボトム」に、「膝ボトム」は「膝ボトム」に、「寝台」は「寝台」に、「駆動機構」は「駆動機構」に、「制御部」は「制御部」に、「ブザーを有する手元スイッチ」は「報知部」に、「背アクチュエーター」は「第1駆動機構」に、「電動ベッド」は「電動ベッド」に、それぞれ相当する。 そして、上記の相当関係を踏まえると、さらに以下のことがいえる。 イ 前者の「脚ボトム」は、具体的には「脚ボトム18」は「膝ボトム19」と「足ボトム20」からなるものである(本願明細書の段落【0055】)から、後者の「膝ボトム」と「足ボトム」を併せたものは、前者の「脚ボトム」に相当する。 そうすると、後者の「背ボトム、キューマボトム、膝ボトム、足ボトムからなる寝台」は、前者の「背ボトム、腰ボトム、及び脚ボトムを含む複数のボトムを備える寝台」に相当する。 ウ 前者の「前記複数のボトムを支持する複数の第1フレーム」について検討すると、具体的には「背ボトム16」は「頭側フレーム37」の「リトラフレーム39」に固定されるものであり(本願明細書の段落【0065】)、「腰ボトム17」は「頭側フレーム37」の「リトラフレーム39」と「足側フレーム38」の「固定部材45」に固定されるものであり(同段落【0070】、【0075】)、「脚ボトム18」は「足側フレーム38」の「固定部材45」に固定されるものである(同段落【0070】)。 そうすると、後者の「頭側フレーム」と「足側フレーム」を併せたものが、前者の「複数の第1フレーム」に相当するから、後者の「前記背ボトムを支持する頭側フレームのリトラフレーム、前記キューマボトムを支持する前記頭側フレームの前記リトラフレーム及び足側フレーム、膝ボトム及び足ボトムを支持する前記足側フレーム」は、前者の「複数のボトムを支持する複数の第1フレーム」に相当する。 エ 上記ウを踏まえると、後者の「前記頭側フレーム及び前記足側フレームを支持し、高さ調整を行うX型のリンク機構を備えたベースフレーム」は、前者の「複数の第1フレームを支持する第2フレーム」に相当する。 オ 前者の「前記寝台を移動させる駆動機構」は、後者の「前記寝台を移動させる駆動機構」に相当する。 カ 前者の「前記駆動機構に接続する制御部」は、後者の「前記駆動機構に接続する制御部」に相当する。 キ 後者の「前記制御部に接続する、ブザーを有する手元スイッチ」は、前者の「制御部に接続する報知部」に相当する。 ク 上記のイ~キを踏まえると、前者の「電動ベッド」が、寝台と、リトラフレーム、頭側フレーム及び足側フレームと、ベースフレームと、駆動機構と、制御部と、ブザーを有する手元スイッチと、を「備え」ることは、後者の「電動ベッド」が、寝台と、第1フレームと、第2フレームと、駆動機構と、制御部と、報知部と、を「備え」ることに相当する。 ケ 後者の「「ピッ!」というブザー音を鳴ら」すことと、「「ピピッ!」というブザー音を繰り返し鳴ら」すことは、発音回数が1回(ピッ!)のパターンのブザー音と、2回(ピピッ!)のパターンのブザー音と、の2パターンのブザー音が存在するという意味で、「発音形態(発音回数)が異なる複数のパターンのブザー音」を発しているといえる。 そうすると、上記キを踏まえると、後者の 「手元スイッチは、高さボタンのさげボタンを押すと、ベッドのボトム上面の高さをさげるものであり、ベッドの高さをさげる場合、ゆかからボトム上面までの高さ(床高)が約28cmで、「ピッ!」というブザー音を鳴らして一旦停止し、再度、手元スイッチの高さボタンのさげボタンを押すと、「ピピッ!」というブザー音を繰り返し鳴らしながら最低高さ(約20cm)までさがる」ことと、前者の「前記報知部は、前記寝台を下降させる際に、前記寝台の床からの高さが低くなるほど発音期間が順に短い複数のパターンのブザー音を発」することとは、「前記報知部は、寝台を下降させる際に、寝台が低くなると発音形態が変化するよう、前記寝台の床からの高さに基づいて発音形態が異なる複数のパターンのブザー音を発」する点で共通する。 コ 後者の「「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」は、ベースフレームの一部であって、平面視において左右方向に延びる棒状の部材であるから、前者の「連結棒」に相当する。さらに、上記エを踏まえると、後者の「ベースフレーム」は前者の「第2フレーム」に相当する。 そうすると、後者の「ベースフレームには、平面視において左右方向に延びる「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」が設けられ、該「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」は、湾曲しておらず全体が直線的な棒状の部材であ」ることと、前者の「前記第2フレームには、平面視において左右方向に延び、湾曲する部分を含む連結棒が設けられ」ることとは、「前記第2フレームには、平面視において左右方向に延びる連結棒が設けられ」る点で共通する。 サ 上記ウ及びコを踏まえると、後者の「前記「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」の両端は、ベースフレームの受金具、連結ピン及びスナップピンを介して、高さ調整を行うX型のリンク機構の頭側で上側の端部で「足側フレームの一対の縦部材」に回転自在に連結され」ることは、前者の「連結棒の両端は、上側で複数の第1フレームの一対の縦部材に回転自在に連結される」ことに相当する。 シ 後者の「頭側フレーム」の「背あげリンク」は、背ボトムを背上げ状態とするためのリンクであり、背ボトムを背上げ状態とすることは、背ボトムを回動させることを意味するので、前者の「背ボトムを背上げ状態とするための第1回動部材」に相当する。 さらに、後者の「頭側フレーム」における「背アクチュエーター」は、「背あげリンクを回動させて背ボトムを回動させる」アクチュエーターであるから、前者の「前記第1回動部材を回動させて前記背ボトムを回動させる第1駆動機構」に相当する。 さらに、後者の「足側フレーム」における「膝あげリンク」は、「膝ボトムをあげた状態とするために回動する」部材であるから、前者の「膝ボトムを膝上げ状態とするための第2回動部材」に相当する。 そうすると、後者の 「頭側フレームは、背ボトムを背上げ状態とするための背あげリンクと、背あげリンクを回動させて背ボトムを回動させる背アクチュエーターと、を含み、 足側フレームは、膝ボトムをあげた状態とするために回動する膝あげリンクを含」 む構成は、前者の 「前記第1フレームは、前記背ボトムを背上げ状態とするための第1回動部材と、前記第1回動部材を回動させて前記背ボトムを回動させる第1駆動機構と、膝ボトムを膝上げ状態とするための第2回動部材と、を含」 む構成に相当する。 ス 上記イを踏まえると、後者の「平面視において、背ボトム側から足ボトム側に向かって」は、前者の「平面視において、前記背ボトム側から前記脚ボトム側に向かって」に相当する。 また、上記コを踏まえると、後者の「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」は、前者の「連結棒」に相当する。 また、上記シを踏まえると、後者の「背あげリンク」、「膝あげリンク」は、前者の「第1回動部材」、「第2回動部材」にそれぞれ相当する。 そうすると、後者の「平面視において、背ボトム側から足ボトム側に向かって、背アクチュエーター、背あげリンク、「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」、膝あげリンクの順で配置されている」ことは、前者の「平面視において、前記背ボトム側から前記脚ボトム側に向かって、前記第1駆動機構、前記第1回動部材、前記連結棒、前記第2回動部材の順で配置されている」ことに相当する。 (2)一致点、相違点 以上のことより、本願発明と引用発明との一致点、相違点は次のとおりである。 <一致点> 「背ボトム、腰ボトム、及び脚ボトムを含む複数のボトムを備える寝台と、 前記複数のボトムを支持する複数の第1フレームと、 前記複数の第1フレームを支持する第2フレームと、 前記寝台を移動させる駆動機構と、 前記駆動機構に接続する制御部と、 前記制御部に接続する報知部と、 を備え、 前記報知部は、前記寝台を下降させる際に、寝台が低くなると発音形態が変化するよう、前記寝台の床からの高さに基づいて前記発音形態が異なる複数のパターンのブザー音を発し、 前記第2フレームには、平面視において左右方向に延びる連結棒が設けられ、前記連結棒の両端は、上側で前記複数の第1フレームの一対の縦部材に回転自在に連結され、 前記第1フレームは、前記背ボトムを背上げ状態とするための第1回動部材と、前記第1回動部材を回動させて前記背ボトムを回動させる第1駆動機構と、膝ボトムを膝上げ状態とするための第2回動部材と、を含み、 平面視において、前記背ボトム側から前記脚ボトム側に向かって、前記第1駆動機構、前記第1回動部材、前記連結棒、前記第2回動部材の順で配置されている、電動ベッド。」 <相違点1> 異なる複数のパターンのブザー音に関して、本願発明では、「寝台が低くなるほど発音期間が短くなるよう、前記寝台の床からの高さに基づいて前記発音期間が異なる複数のパターンのブザー音を発」するのに対して、引用発明では、一旦停止時の「ピッ!」というブザー音の発音期間と、最低高さまでさがるときの「ピピッ!」というブザー音の発音期間の長短関係が明らかでなく、発音回数以外のブザー音のパターンの違いが不明な点。 <相違点2> 第2フレームの連結棒に関して、本願発明では「湾曲する部分を含む」のに対して、引用発明では、ベースフレームの受金具を両端に備えたフレームが、湾曲しておらず全体が直線的である点。 2 判断 (1)相違点1について 引用発明は、「ベッドの高さをさげる場合、ゆかからボトム上面までの高さ(床高)が約28cmで、「ピッ!」というブザー音を鳴らして一旦停止し、再度、手元スイッチの高さボタンのさげボタンを押すと、「ピピッ!」というブザー音を繰り返し鳴らしながら最低高さ(約20cm)までさが」る構成を備えているから、これを言い換えると、高さ状態に応じて、発音回数の異なるパターンのブザー音を設けて、操作者がベッドの高さ状態を聴覚的に区別可能にしている寝台装置といえる。 一方で、複数のパターンのブザー音を設定する際に、何らかのパラメータに応じて、ブザー音の「発音期間」の長さを変えて聴覚的に区別可能にすることは、上記「第4 4」の引用文献3~8に示すように、具体的な技術分野を問わず報知装置として広く採用されている周知技術である(以下「周知技術」という。)。 そして、引用発明のブザー音は、ベッドの高さ状態を示すために、「「発音回数」の異なるパターン音」を採用しているところ、これを上記周知技術の「「発音期間」の異なるパターン音」とすることは、同様の機能を奏する手段による置換にすぎないし、その際に発音期間を長くするのか短くするのかは適宜選択し得たことにすぎない。 そうすると、引用発明のブザー音の発音形態に関して、聴覚的に区別可能にする別の態様として、引用発明に上記周知技術を適用して相違点1に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が必要に応じて適宜なし得たことにすぎない。 (2)相違点2について 引用発明及び引用文献2に記載された事項は、いずれも「高さ調整を行うX型のリンク機構を備えたベースフレームを備え、高さ調整を行うX型のリンク機構の頭側で上側の端部で、平面視において左右方向に延びる連結棒を設けた、電動ベッド」という点で共通し、その点に着目すると両者の技術分野は共通する。 また、引用発明の「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」と、引用文献2の「湾曲する部分を含む連結棒」とは、X型のリンク機構における配置が共通しており、寝台を支持するフレームを下から支える役割(機能)も共通しているので、リンク機構の一部として果たしている機能は共通する。 さらに、そもそも機械設計上一般に、他の部材との干渉を避ける等の理由により、フレーム部材の一部を湾曲させることは、当業者にとって常套手段ともいえる。 そうすると、引用発明の「ベースフレームの受金具を両端に備えたフレーム」について、引用文献2の連結棒の「湾曲する部分を含む」形状を適用して、相違点2に係る本願発明の構成にすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得たことにすぎない。 (3)効果について 相違点1及び2を総合的に勘案しても、本願発明の作用効果は、引用発明、引用文献2に記載された事項及び上記周知技術から予測できる程度のものにすぎない。 (4)請求人の主張について ア 主張の概要 請求人は、令和4年9月12日提出の意見書において、概ね以下の主張をしている。 (主張1)本願発明は、「前記第1フレームは、前記背ボトムを背上げ状態とするための第1回動部材と、前記第1回動部材を回動させて前記背ボトムを回動させる第1駆動機構と、前記膝ボトムを膝上げ状態とするための第2回動部材と、を含み、平面視において、前記背ボトム側から前記脚ボトム側に向かって、前記第1駆動機構、前記第1回動部材、前記連結棒、前記第2回動部材の順で配置されている」(以下、「補正で追加された事項」という。)という構成において、その連結棒(連結棒53)が「湾曲する部分を含む」という独特の構成を有しており、このような独特の構成については、引用文献1、2には記載も示唆もない。 (主張2)本願発明は、湾曲する部分を含む連結棒が、第1回動部材と第2回動部材との間、すなわち、回動のための部品が集中する電動ベッドの中央部分にあることで、湾曲する部分により、回動のための部品との干渉を避けることができるので、これにより、ベッドの高さを15cmなどのように極低床が実現できる優れた効果を奏する。 イ 主張に対する当審の判断 (主張1について) 引用文献1、2には、本願発明の上記「補正で追加された事項」の全てが1つの文献に記載されていないことは、当審も異論はない。 しかしながら、当審は、上記「第5 対比・判断」で示したとおり、引用発明は、「前記背ボトム側から前記脚ボトム側に向かって、前記第1駆動機構、前記第1回動部材、前記連結棒、前記第2回動部材の順で配置されている」構成を有するものであって、その連結棒は湾曲していないものの、引用文献2に記載された事項を適用して、湾曲させることが容易想到であるとして、いわゆる進歩性がないと判断しているのである。よって、上記主張1には理由がない。 (主張2について) 上記(2)で述べたとおりであるから、上記主張2には理由がない。 (5)判断の小括 よって、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載された事項及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-013414

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