特許拒絶査定不服審判
2021-012914
β-プロピオラクトン処理による低レベルの残存細胞DNAを含む細胞由来のウイルスワクチン
- 審判番号
- 2021-012914
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-192740
- 請求日
- 2021年09月27日
- 審決日
- 2022年10月03日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】セキラス ユーケー リミテッド
- 【請求人代理人】山本 秀策
- 【請求人代理人】森下 夏樹
- 【請求人代理人】飯田 貴敏
- 【請求人代理人】石川 大輔
- 【請求人代理人】山本 健策
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 典之
- 審判官 森井 隆信
- 審判官 馬場 亮人
- 分類
- P18 .537-Z (A61K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第44条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-192740「β-プロピオラクトン処理による低レベルの残存細胞DNAを含む細胞由来のウイルスワクチン」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 2月13日出願公開、特開2020- 23557〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2006年11月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2005年11月1日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2008-538454の一部を、特許法第44条第1項の規定により平成26年7月23日に新たな特許出願とした特願2014-149517の一部を、さらに特許法第44条第1項の規定により令和1年10月23日に新たな特許出願としたものである。
以降の主な手続の経緯は次のとおりである。
令和1年10月23日受付 上申書
令和2年 9月30日付け 拒絶理由通知
令和3年 4月 1日受付 意見書
同年 5月24日付け 拒絶査定
同年 9月27日受付 審判請求書
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は、願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1に記載された、「明細書に記載の発明。」である。
第3 原査定の拒絶理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、請求項1において「明細書に記載の発明。」とあるが、特許請求の範囲の記載が発明の詳細な説明の記載で代用されており、特許を受けようとする発明の範囲が不明瞭であるから、請求項1に係る発明は明確でなく、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない、というものである。
第4 当審の判断
本願明細書の【発明の概要】の欄、特に【0007】~【0009】には、次のような記載がある。なお、下線は当審合議体が付した。
「【0007】
発明の概要
本発明は、減少された不純物を伴う、改善された細胞培養プロダクトおよびプロセスを提供する。具体的には、本発明は、細胞培養で作製されたプロダクトと関連する残存しているいかなる残存機能性細胞培養物DNAをも分解する改善された方法を提供する。本発明によれば、残存機能性細胞培養物DNAは、DNAアルキル化剤、例えばβ-プロピオラクトン(BPL)での処理によって分解される。このプロセスは、ワクチンおよび組換えタンパク質を含む一連の細胞培養プロダクトを処理するために使用され得る。
【0008】
本発明は、細胞培養物において増殖されたウイルスから誘導された免疫原性タンパク質を含むワクチンであって、該ワクチンが残存機能性細胞培養物DNAを実質的に含まないワクチンを含む。さらに、本発明は、細胞培養物中において発現された組換えタンパク質であって、最終組換えタンパク質製剤が残存機能性細胞培養物DNAを実質的に含まない組換えタンパク質に関する。
【0009】
・・・
本発明は、例えば、以下の項目を提供する:
(項目1)
細胞培養物において増殖されたウイルスから誘導された免疫原性タンパク質を含むワクチンであって、該ワクチンが残存機能性細胞培養物DNAを実質的に含まない、ワクチン。
・・・
(項目8)
細胞培養物において増殖されたウイルスから誘導された免疫原性タンパク質を含むワクチンであって、残存細胞培養物DNAの長さが500塩基対未満である、ワクチン。
・・・
(項目16)
細胞培養物において増殖されたウイルスから誘導された免疫原性タンパク質を含むワクチンを調製する方法であって、以下:
(i)残存機能性細胞培養物DNAを分解する工程;および
(ii)該免疫原性タンパク質を単離する工程
を包含する、方法。
・・・
(項目24)
細胞培養物中において発現された組換えタンパク質を含む製剤であって、該製剤が残存機能性細胞培養物DNAを実質的に含まない、製剤。
・・・」
つまり、本願明細書には発明として多種多様なものが記載されている。そして、本願の特許請求の範囲の記載は、上記のとおり本願明細書に記載された多種多様な発明のうち、どの発明について特許を受けようとしているのか不明であって、特許を受けようとする発明が明確であるとはいえないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
第5 結語
以上のことから、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-012914