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特許拒絶査定不服審判

2021-012720

コイン型ICタグ

審判番号
2021-012720
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-112037外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年09月22日
審決日
2022年08月17日
公報発行日
2022年09月30日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第164条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-112037「コイン型ICタグ」拒絶査定不服審判事件〔平成30年12月27日出願公開、特開2018-206152、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 22項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成29年6月6日の出願であって、令和3年3月11日付けで拒絶の理由が通知され、同年5月11日に意見書とともに手続補正書が提出され、同年6月24日付けで拒絶査定(謄本送達日同年6月29日。以下、「原査定」という。)がなされ、これに対して同年9月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされ、同年10月18日付けで審査官により特許法164条3項の規定に基づく報告がなされ、令和4年5月2日付けで当審により拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がなされ、同年7月7日に意見書とともに手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和3年6月24日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項 1

・引用文献等 1~2

<引用文献等一覧>

1.特開2006-331101号公報

2.特開2001-331772号公報(周知技術を示す文献;新たに引用された文献)

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1~3に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>

1.特開2001-331772号公報

2.特開2002-312745号公報

3.特開2007-310696号公報

第4 本願発明

本願請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和4年7月7日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものと認める。

「ICチップとこれに接続するアンテナを実装したインレットシートの片面に保護シートを積層し、前記インレットシートのもう一方の面に、高比重かつ磁性材料の機能を有する高比重磁性材料層を少なくとも積層させたコイン型ICタグであって、
磁性材料となるフェライトを粉末状にして樹脂に練り込んだ磁性シートを用いた磁性材料層と、前記磁性材料層に用いる磁性材料となるフェライトよりも比重の重い無機フィラーを樹脂に混練させた高比重樹脂材料を用いた高比重材料層の2層により前記高比重磁性材料層を構成し、前記高比重材料層を前記磁性材料層の裏面側に積層させ、前記磁性材料層に用いる前記磁性シートの厚み、並びに、前記高比重材料層に用いる高比重材料の比重および前記高比重材料層の厚みは、前記コイン型ICタグに要求される所定の重量に基づき決定されていることを特徴とするコイン型ICタグ。」

第5 引用例

1 引用例1に記載された事項及び引用発明1

(1)当審拒絶理由通知において引用した、本願の出願前に既に公知である、特開2001-331772号公報(平成13年11月30日公開。以下、これを「引用例1」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。(下線は当審で付加。以下同様。)

A 「【0042】図1は本発明に係る非接触型情報授受装置の一実施形態の構造を示す分解斜視図である。非接触型情報授受装置TFは、表層板Sb、補強板としての機能も備えるスぺーサSps、回路板Cb、磁性体シートSm、金属基体Bmがこの順に一体に積層されて平板状に構成される。表層板SbとスぺーサSpsはPET(ポリエチエン・テレフタレート)材などプラスチックで成る。回路板Cbの面上には電磁界に感応可能なループ状のアンテナ装置Ant2と、半導体集積回路チップICと、容量Cとが設けられて回路パターンにより電気的接続がなされ、アンテナ装置Ant2と容量Cは、外部から付与される特定周波数(例えば13.56MHz)の電磁界に感応する同調回路を構成し、共振部として作用する。アンテナ装置Ant2および回路パターンは線材で構成するほか、導電性インキのパターン印刷により形成することも可能である。
…中略…
【0044】強磁性層としての磁性体シートSmは、透磁率10から40程度のフェライト系またはセンダスト系などに代表される高透磁率材料で構成され、少なくともアンテナ装置Ant2の片面を覆う形状で、回路板Cbに一方の面を向けて積層される。導電層としての金属基体Bmは鉄、アルミニウムなどの導電材で構成され、磁性体シートSmを介して少なくともアンテナ装置Ant2の片面を覆う形状で、磁性体シートSmの他方の面に一方の面を向けて積層される。また上記表層板SbとスぺーサSps間、スぺーサSpsと回路板Cb間、回路板Cbと磁性体シートSm間、磁性体シートSmと金属基体Bm間の少なくとも何れかに、接着材層や常磁性体層を挿入しても差し支えない。」
B 「【0053】すなわち磁性体シートSmの作用により反射波の強度を抑えて、金属基体Bmが近傍に存在してもアンテナ装置Ant2が受ける電界強度の減衰を抑え、アンテナ装置Ant2の十分な電磁界感応度(すなわち感度)を確保・維持することができる。本発明はこの原理に基づくものである。
【0054】前記のように、本発明に係る非接触型情報授受装置TFによれば、アンテナ装置Ant2に強磁性層から成る磁性体シートSmを挟んで導電層から成る金属基体Bmを積層する構成とすることにより、感度を維持しつつ装置自体の剛性を改善できるから、装置を長寿命にでき、また工場や倉庫における部品、工具、仕掛り物品の管理をはじめとする使用環境の厳しい用途にも適用可能となり、応用範囲を拡大できる。」
C 「
[図:0001388113000001.jpg]
図1」

(2)上記記載事項A~Cより、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているといえる。

「表層板Sb、補強板としての機能も備えるスぺーサSps、回路板Cb、磁性体シートSm、金属基体Bmがこの順に一体に積層されて平板状に構成される非接触型情報授受装置TFであって(【0042】、図1)、
表層板SbとスぺーサSpsはPET(ポリエチエン・テレフタレート)材などプラスチックで成り、回路板Cbの面上には電磁界に感応可能なループ状のアンテナ装置Ant2と、半導体集積回路チップICと、容量Cとが設けられて回路パターンにより電気的接続がなされ、アンテナ装置Ant2と容量Cは、外部から付与される特定周波数の電磁界に感応する同調回路を構成し、共振部として作用し(【0042】、図1)、
磁性体シートSmは、透磁率10から40程度のフェライト系またはセンダスト系などに代表される高透磁率材料で構成され、回路板Cbに一方の面を向けて積層され(【0044】)、
金属基体Bmは鉄、アルミニウムなどの導電材で構成され、磁性体シートSmの他方の面に一方の面を向けて積層され、磁性体シートSmと金属基体Bm間に、接着材層や常磁性体層を挿入しても差し支えなく(【0044】)、
磁性体シートSmの作用により反射波の強度を抑えて、金属基体Bmが近傍に存在してもアンテナ装置Ant2が受ける電界強度の減衰を抑え、アンテナ装置Ant2の十分な感度を確保・維持することができ(【0053】)、
感度を維持しつつ装置自体の剛性を改善できる(【0054】)
非接触型情報授受装置TF。」

2 引用例2に記載された事項

当審拒絶理由通知において引用した、本願の出願前に既に公知である、特開2002-312745号公報(平成14年10月25日公開。以下、これを「引用例2」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。

A 「【0021】
【発明の実施の形態】この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて説明する。図面は遊技ホールにおいて現金の代替えに使用され、金額価値データを記憶させた価値媒体として使用するICコインおよびその製造方法を示す。
【0022】図1~図4はICコイン11を示し、このICコイン11は高比重円盤12と、IC実装フィルム13と、これらを覆う下側のコインベース14と上側の被覆樹脂15とを一体化して構成し、その形状はコインとしての価値が認められる外観形状と、適当な重さを持たせて形成する。例えば、外径が32mm、厚みが2.5mm、重さが5.3g程度である。
【0023】上述の高比重円盤12は、高比重材料と樹脂材料とを混合して円盤状の高比重樹脂材料の成形体16に形成し、その上面にパッド印刷層17をコーティングして予め形成しておく。この高比重樹脂材料の成形体16は、例えば6ナイロン(ポリアミド)樹脂をバインダとしてタングステン、あるいはステンレス(SUS304など)の粉末を分散充填したものであり、これを量産に適した成形手段で作成する。例えば、シリンダ温度270~280度C、金型温度80度Cの条件で射出成形して作成することができる。
【0024】この場合、タングステン、あるいはステンレス(SUS304など)の選択およびその量は、ICコイン11の望む重量に対応させて設定する。また、成形体16の下面には、IC実装フィルム13の上面に搭載される電子モジュール13aに対応する収納スペースとしての凹部16aを、その成形と同時に設ける。」

3 引用例3に記載された事項

当審拒絶理由通知において引用した、本願の出願前に既に公知である、特開2007-310696号公報(平成19年11月29日公開。以下、これを「引用例3」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。

A 「【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003-346225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したサイクルコインは、アンテナコイルと、該アンテナコイルと電気的に接続されたICチップとを有するICタグを樹脂材料でインサート成形することで製造されていた。そのため、遊技者がサイクルコインを手にした場合、その重量感が不足していると、サイクルコインは紙幣の代替えとして用いられていることから、コインとしての価値観が低下するという問題が生じていた。この問題を解決するために、ICタグをインサートする際に併せて金属片等もインサートすることで、求められる重量感に応えていた。しかしながら、ICコインの内部に金属片をインサートすると、アンテナコイルの送受信を阻害してしまうことがあり、精算機におけるトラブルの原因となっていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、アンテナコイルの送受信を阻害することなく所望する重量感を確保することができるICコインを提供することである。」
B 「【0009】
このように構成されたICタグ20を円板状のキャビティを有する第1金型(図示しない)内に配置させて高比重材30によって射出成形(インサート成形)させ、その後、冷却硬化させて1次成形品を製造する。この高比重材30とは、ナイロン系の樹脂材料(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など)40に金属(例えば、タングステン、鉄、銅など)の粉体を混ぜ合わせたものである。一例として、ナイロン6にタングステンを90%混ぜ合わせた樹脂材料である。このようにして製造された1次成形品のICタグ20を除くサイズおよび重量は、例えば外径は25.6mmであり、内径は10.2mmであり、厚みは1mmであり、重量は5.2gである。また、汎用金属の粉体を使用しているため、簡便に製造することができる。」

4 引用例4に記載された事項及び引用発明2

(1)原査定の拒絶の理由において引用した、本願の出願前に既に公知である、特開2006-331101号公報(平成18年12月7日公開。以下、これを「引用例4」という。)には、関連する図面と共に、次の事項が記載されている。

A 「【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、内視鏡の様々な部位にRFIDタグを貼り付けることにより内視鏡の洗浄条件の設定やその管理を行うことができるが、上記特許文献1ではRFIDタグを内視鏡の表面に貼り付けているため、洗浄中にRFIDタグが洗浄液に接触してしまい、RFIDタグのアンテナパターンが腐食したり、ICが破損するなどの不具合が生じる可能性がある。また、RFIDタグがフィルムなどによって保護されている場合でも、洗浄を繰り返す内に洗浄装置との接触によってフィルムが傷付いて洗浄液がしみ込んだり、洗浄装置との接触によってICが破損するなどの不具合が生じる可能性もある。
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【0007】
このような問題を解決する方法として、内視鏡の内部にRFIDタグを組み込む方法が考えられるが、内視鏡は様々な材料で構成され、特に操作部には蛇管を動かすための操作機構部が内蔵されており、このような操作機構部には一般的に金属材料が使用されているため、内視鏡の内部にRFIDタグを組み込むと、上記金属材料などによってRFIDタグのアンテナのインダクタンスが変化し、それに伴って共振周波数やQ値が変化してしまい、通信距離が短くなったり通信不能になるなどの問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、金属材料を含む機器の内部に組み込んだ場合でも、共振周波数やQ値の変化を抑制して良好な通信状態を確保することができるRFIDタグを提供することにある。
…中略…
【0024】
図1に示すように、一般にRFIDシステム1は、内視鏡などの機器の内部に組み込まれるタグ2と、タグ2と交信するリーダ又はリーダ/ライタ(以下、リーダ/ライタ5とする。)とで構成される。また、タグ2は、アンテナ3やコンデンサなどで構成される共振回路3と、タグ2が組み込まれる機器に関する情報や該タグ2の識別情報などを記憶するIC4とで構成され、リーダ/ライタ5は、タグ2と交信するためのリーダ/ライタ用アンテナ5aと、送受信信号を変換するための通信回路部5bや送受信信号をデコードするための演算処理部5c等の制御手段とで構成される。
【0025】
また、図2(a)に示すように、上記タグ2を組み込む内視鏡6は、体内に挿入される細長い蛇管7aやその先端に設けられた観察光学系などの先端構成部7bなどからなる挿入部7と、挿入部7に接続され、蛇管7aや先端構成部7bを動かすための操作機構部8bを備え、その側面に鉗子などの処理具を挿入するための挿入口が設けられた操作部8と、図示しない光源装置から発せられる光を操作部8に導入するためのライトガイドケーブル9と、ライトガイドケーブル9と光源装置とを接続するためのコネクタ部10などで構成され、この内視鏡6の所定の位置、例えば、図2(b)に示すように操作部8の柄の部分の筐体8a内部に本実施例のタグ2が組み込まれる。なお、図2(a)の内視鏡6は例示であり、その種類や構造などは限定されない。また、タグ2は内視鏡6の構成部品の内部に組み込まれていればよく、構成部品の種類やタグ2を組み込む位置などは限定されないが、金属材料を含む構成部品の内部の端部に組み込むと顕著な効果が得られる。
【0026】
また、本実施例のタグ2は、図3(a)に示すように、1ターン以上のループを備えるアンテナパターン3aが形成され、該アンテナパターン3aに接続されるIC4が配置された略円板状の基板2aと、図3(b)に示すように、該基板2aと略等しい径の円板状であって、円周上の2点を結ぶ円弧及び直線で囲まれた切り欠き部2c(切り欠き部2cの幅(W)については後述する。)を有する磁性シート2bとで構成される。
【0027】
なお、基板2aの材料や厚み、アンテナパターン3aの巻き数や間隔、形状、IC4の配置などは特に限定されない。また、図3(a)では、アンテナパターン3aとIC4に内蔵された容量とで共振回路3を形成しているが、基板2aを挟んで電極を配置してコンデンサを形成し、このコンデンサとアンテナパターン3aとで共振回路を構成してもよいし、基板2aの両面にアンテナパターン3aを形成するなどの変形も可能である。また、図3では、基板2a及び磁性シート2bを略円板状としているが、基板2aや磁性シート2bの形状はタグ2を組み込む機器(ここでは内視鏡6の操作部8)の形状に合わせて、矩形や多角形にしたり楕円形にするなどの変更も可能である。
【0028】
また、磁性シート2bの厚みは、タグ2を組み込む構成部品内部のスペースや金属材料の配置、切り欠き部2cの加工性などを勘案して決定される。例えば、タグ2近傍の金属材料の影響を抑制するためには磁性シート2bを厚くすればよいが、磁性シート2bが厚くなればその分スペースが必要になると共に、磁性シート2bの切断が困難になる。従って、磁性シート2bの厚みは、タグ2近傍に配置される金属材料の影響を抑制できる限りにおいて極力薄くすることが好ましいと言える。
【0029】
この磁性シート2bは、例えば、アモルファス箔やアモルファス箔の積層材、金属粉、カーボニル鉄粉、還元鉄粉、アトマイズ粉(純鉄、Si、Cr、Al等を含む鉄、パーマロイ、Co-Fe等の粉末)、アモルファス(B、P、Si等を含む鉄、コバルト、ニッケル合金を水アトマイズまたはガスアトマイズした粉末)等の粒状の粉体若しくはフレークとプラスチック、ゴム等の有機物との複合材などが好ましい。
【0030】
また、上記複合材は、粒状粉体をアトラター、ボールミル、スタンプミル等で扁平化してフレークとした後、フレーク又は粒状粉体を含む塗料をフィルム上に塗布/乾燥を繰り返して形成することができ、その際、塗布中に磁場を印加することによりフレークを一定の方向に配向させることができ、特性を向上させることができる。
【0031】
また、複合材におけるプラスチックとしては加工性の良い熱可塑性のプラスチックを用いたり、或いは耐熱性の良い熱硬化性のプラスチックを用いることができ、また、絶縁性を有するアクリル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、エポキシ等の樹脂を用いることもできる。
【0032】
そして、図4に示すように、上記基板2a及び磁性シート2bを、磁性シート2bが金属材料側に配置されるように(例えば、図2(b)の場合は、金属材料を含有する操作機構部8b側に磁性シート2bが配置され、プラスチックなどの非金属で形成された筐体8a側に基板2aが配置されるように)組み合わせてタグ2を形成する。
【0033】
その際、上記基板2aと磁性シート2bとは粘着剤などを用いて直接貼り合わせてもよいし、例えば、図4(c)に示すように、所定の容器11a(例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)のケースなど)に磁性シート2bと基板2aとを配置し、その表面をエポキシなどの樹脂12で封止し、更に所定の蓋11b(例えば、PPSの蓋など)を被せてタグ2を形成してもよく、後者の構造では耐薬品性や耐衝撃性などを向上させることができる。」
B 「
[図:0001388113000002.jpg]
図1」
C 「
[図:0001388113000003.jpg]
図3」
D 「
[図:0001388113000004.jpg]
図4」

(2)上記記載事項A~Dより、引用例4には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているといえる。

「内視鏡などの機器の内部に組み込まれるタグ2であって(【0024】、図1)、
タグ2はアンテナパターン3aが形成され、該アンテナパターン3aに接続されるIC4が配置された略円板状の基板2aと磁性シート2bとで構成され(【0026】、図3)、
磁性シート2bの厚みは、タグ2を組み込む構成部品内部のスペースや金属材料の配置、切り欠き部2cの加工性などを勘案して決定され(【0028】、図3)、
磁性シート2bは、例えば、アモルファス箔やアモルファス箔の積層材、金属粉、カーボニル鉄粉、還元鉄粉、アトマイズ粉(純鉄、Si、Cr、Al等を含む鉄、パーマロイ、Co-Fe等の粉末)、アモルファス(B、P、Si等を含む鉄、コバルト、ニッケル合金を水アトマイズまたはガスアトマイズした粉末)等の粒状の粉体若しくはフレークとプラスチック、ゴム等の有機物との複合材などが好ましく(【0029】)、
所定の容器11aに磁性シート2bと基板2aとを配置してもよい(【0033】、図4)
タグ2。」

第6 当審拒絶理由についての判断

1 本願発明と引用発明1との対比

本願発明と引用発明1とを対比する。

(1)引用発明1の「半導体集積回路チップIC」及び「電磁界に感応可能なループ状のアンテナ装置Ant2」は、それぞれ本願発明の「ICチップ」及び「アンテナ」に相当する。

引用発明1の「回路板Cb」は、「表層板Sb、補強板としての機能も備えるスぺーサSps、回路板Cb、がこの順に一体に積層されて平板状に構成される非接触型情報授受装置TF」の一構成要素であって、一方の面に「表層板Sb」及び「補強板としての機能も備えるスぺーサSps」が積層されるものであり、「回路板Cbの面上には電磁界に感応可能なループ状のアンテナ装置Ant2と、半導体集積回路チップIC」が「設けられて」いるから、本願発明の「インレットシート」とは、ともに“ICチップとこれに接続するアンテナを実装した基板”であることで共通する。

また、引用発明1の「回路板Cb」の一方の面に積層される「表層板Sb」及び「補強板としての機能も備えるスぺーサSps」は、本願発明の「インレットシートの片面」に「積層」される「保護シート」と、“ICチップとこれに接続するアンテナを実装した基板の片面”に“積層”される“保護シート”であることで共通する。

(2)引用発明1の「回路板Cbに一方の面を向けて積層され」る「磁性体シートSm」、及び「磁性体シートSmの他方の面に一方の面を向けて積層され」る「金属基体Bm」は、「回路板Cb」のもう一方の面に積層されるものであり、そのうち、「金属基体Bm」は、「鉄、アルミニウムなどの導電材で構成され」るとともに、「磁性体シートSmと金属基体Bm間に、接着材層や常磁性体層を挿入しても差し支えな」いことを考慮すると、両者併せたものは、“高比重かつ磁性材料の機能を有する高比重磁性材料層”であるといえる。

そして、引用発明1の「非接触型情報授受装置TF」と本願発明の「コイン型ICタグ」とは、ともに“非接触型媒体”であることで共通するといえるから、上記(1)も合わせ、以上を総合すると、本願発明と引用発明1とは、下記の点(相違点1-1、相違点1-3)で相違するものの、“ICチップとこれに接続するアンテナを実装した基板の片面に保護シートを積層し、前記基板のもう一方の面に、高比重かつ磁性材料の機能を有する高比重磁性材料層を少なくとも積層させた非接触型媒体”である点で一致する。

(3)引用発明1の「磁性体シートSm」は、「透磁率10から40程度のフェライト系またはセンダスト系などに代表される高透磁率材料で構成され」ることから、本願発明の「磁性材料となるフェライトを粉末状にして樹脂に練り込んだ磁性シートを用いた磁性材料層」とは、“磁性材料となるフェライトを含む磁性シート”である点で一致するといえる。

そして、引用発明1は、「磁性体シートSm、金属基体Bmがこの順に一体に積層され」るものであるから、当該「金属基体Bm」は「磁性体シートSm」の裏面側に積層されているといえるから、本願発明と引用発明1とは、下記の点(相違点1-2)で相違するものの、“磁性材料層と、高比重材料層の2層により前記高比重磁性材料層を構成し、前記高比重材料層を前記磁性材料層の裏面側に積層させた”点で一致する。

(4)以上、(1)~(3)の検討から、本願発明と引用発明1とは、次の一致点及び相違点を有する。

〈一致点1〉

ICチップとこれに接続するアンテナを実装した基板の片面に保護シートを積層し、前記基板のもう一方の面に、高比重かつ磁性材料の機能を有する高比重磁性材料層を少なくとも積層させた非接触型媒体であって、

磁性材料となるフェライトを含む磁性シートを用いた磁性材料層と、高比重材料層の2層により前記高比重磁性材料層を構成し、前記高比重材料層を前記磁性材料層の裏面側に積層させたことを特徴とする非接触型媒体。

〈相違点1-1〉

非接触型媒体の基板が、本願発明が「インレットシート」であるのに対し、引用発明1は「回路板Cb」である点。

〈相違点1-2〉

本願発明の「磁性材料層」が、「磁性材料となるフェライトを粉末状にして樹脂に練り込んだ磁性シートを用いた」ものであるとともに、「高比重材料層」が、「前記磁性材料層に用いる磁性材料となるフェライトよりも比重の重い無機フィラーを樹脂に混練させた高比重樹脂材料を用いた」ものであるのに対し、引用発明1の「磁性体シートSm」及び「金属基体Bm」がそのようなもので作成されることが特定されていない点。

〈相違点1-3〉

本願発明が「コイン型ICタグ」であるのに対し、引用発明1は「非接触型情報授受装置TF」である点。

〈相違点1-4〉

本願発明が「前記磁性材料層に用いる前記磁性シートの厚み、並びに、前記高比重材料層に用いる高比重材料の比重および前記高比重材料層の厚みは、前記コイン型ICタグに要求される所定の重量に基づき決定されている」のに対し、引用発明1の「磁性体シートSm」の厚み、並びに、「金属基体Bm」の比重や厚みが何によって決定されているのか、特定されていない点。

2 判断

事案に鑑み、相違点1-1~1-4のうち、先に相違点1-2について検討する。

本願発明は、コイン型の形状をなしたICタグであるコイン型ICタグに関し(【0001】)、パチンコやパチスロなどの遊技機の遊戯に係る前払い金額の残高や遊戯媒体の貯数の記録に使用する記憶媒体の一つとして、近年、コイン型ICタグが提案されていて、コイン型ICタグは、ICチップとこれに接続したアンテナを内蔵し、前払い金額の残高や遊戯媒体の貯数はこのICチップに記憶され(【0002】)、コイン型ICタグは、遊戯機の脇に設置される台間機(通称「サンド」)に投入して利用され、コイン型ICタグをプラスチックのみで形成すると、コイン型ICタグの重量が小さすぎて、台間機に投入されたコイン型ICタグが安定して落下しないため、遊技機用のコイン型ICタグには、ある程度の重量が必要になり、従来、所定の重量を得るために、円板状の高比重樹脂材料を用いるコイン型ICタグが提案されたり、円板状の磁性材料を巻き芯として用いるコイン型ICタグが提案されていたところ(【0003】)、遊技機用のコイン型ICタグには、前払い金額の残高や遊戯媒体の貯数などの金銭情報が記憶されるため、所定の重量に加えて、不正使用を防止するセキュリティ機能も必要になり、コイン型ICタグの不正使用防止に暗証番号を用いることが一般的であったことを背景とし(【0004】)、遊技者が離席の際に、遊戯媒体が台間機から抜き取られて不正使用されるのを防止することには着目されていたが、コイン型ICタグに記憶された情報を不正に読み出すスキミング行為に対しては着目していなかったことに鑑み(【0006】)、所定の重量を有しスキミング防止機能を備えたコイン型ICタグを提案するものであると認められる(【0007】)。

そして、本願発明によれば、コイン型ICタグの重量が所定の重量になるように、高比重磁性材料層の比重を決定すれば、コイン型ICタグの重量を所定の重量に決定でき、磁性材料の機能を有する高比重磁性材料層が積層されているため、高比重磁性材料層が積層されている側からの電磁波は高比重磁性材料層によって遮蔽されるため、高比重磁性材料層が積層されている側からのスキミングを防止できるという効果を奏するものである。(【0009】)

一方、引用発明1は、「磁性体シートSm、金属基体Bmがこの順に一体に積層され」るものではあるが、当該「磁性体シートSm」や「金属基体Bm」をそれぞれ、「磁性材料となるフェライトを粉末状にして樹脂に練り込んだ磁性シートを用いた」ものとするとともに、「前記磁性材料層に用いる磁性材料となるフェライトよりも比重の重い無機フィラーを樹脂に混練させた高比重樹脂材料を用いた」ものとするものではなく、またその示唆となるような記載も引用例1には認められない。

なお、引用例2には、高比重材料と樹脂材料とを混合して円盤状の高比重樹脂材料の成形体16に形成し、この高比重樹脂材料の成形体16は、例えば6ナイロン(ポリアミド)樹脂をバインダとしてタングステン、あるいはステンレス(SUS304など)の粉末を分散充填したものであり、これを量産に適した成形手段で作成すること(上記第5 2記載事項A【0023】)や、この場合、タングステン、あるいはステンレス(SUS304など)の選択およびその量は、ICコイン11の望む重量に対応させて設定すること(同【0024】)などが記載され、また引用例3には、ICタグをインサートする際に併せて金属片等もインサートすることで、求められる重量感に応えていたこと(上記第5 3記載事項A【0004】)や、高比重材30が、ナイロン系の樹脂材料(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など)40に金属(例えば、タングステン、鉄、銅など)の粉体を混ぜ合わせたもので作成されること(同【0005】)が記載されているとともに、引用例4には、「磁性シート2b」を「アモルファス箔やアモルファス箔の積層材、金属粉、カーボニル鉄粉、還元鉄粉、アトマイズ粉(純鉄、Si、Cr、Al等を含む鉄、パーマロイ、Co-Fe等の粉末)、アモルファス(B、P、Si等を含む鉄、コバルト、ニッケル合金を水アトマイズまたはガスアトマイズした粉末)等の粒状の粉体若しくはフレークとプラスチック、ゴム等の有機物との複合材」とすることの開示はある(上記第5 4記載事項A【0029】)ものの、「磁性材料となるフェライトを粉末状にして樹脂に練り込んだ磁性シートを用い」ることや、「磁性材料となるフェライトよりも比重の重い無機フィラーを樹脂に混練させた高比重樹脂材料を用い」ることまでの開示は無い。

また、引用発明1において、「金属基体Bm」を、高比重樹脂材料を用いたものに変更する動機付けもないから、上記その余の相違点について判断するまでもなく、本願発明は、当業者であっても、引用発明1並びに引用例2および3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7 原査定についての判断

1 本願発明と引用発明2との対比

本願発明と引用発明2とを対比する。

(1)引用発明2の「アンテナパターン3a」及び「IC4」は、それぞれ本願発明の「アンテナ」及び「ICチップ」に相当するから、引用発明2の「アンテナパターン3aに接続されるIC4が配置された略円板状の基板2a」と本願発明の「ICチップとこれに接続するアンテナを実装したインレットシート」とは、“ICチップとこれに接続するアンテナを実装した基板”の点で共通する。

引用発明2の「タグ2」は、「基板2aと磁性シート2bとで構成され」るとともに、当該「基板2a」は「略円板状」であるところ、その形状は、“コイン型”であるといえ、また、引用発明2の「タグ2」は、“ICタグ”であることは明白である。

したがって、引用発明2の「内視鏡などの機器の内部に組み込まれるタグ2」と、本願発明の「ICチップとこれに接続するアンテナを実装したインレットシートの片面に保護シートを積層し、前記インレットシートのもう一方の面に、高比重かつ磁性材料の機能を有する高比重磁性材料層を少なくとも積層させたコイン型ICタグ」とは、下記の点(相違点2-1、相違点2-2)で相違するものの、“ICチップとこれに接続するアンテナを実装した基板の一方の面に、磁性材料の機能を有する磁性材料層を少なくとも積層させたコイン型ICタグ”の点で一致する。

(2)引用発明2の「例えば、アモルファス箔やアモルファス箔の積層材、金属粉、カーボニル鉄粉、還元鉄粉、アトマイズ粉(純鉄、Si、Cr、Al等を含む鉄、パーマロイ、Co-Fe等の粉末)、アモルファス(B、P、Si等を含む鉄、コバルト、ニッケル合金を水アトマイズまたはガスアトマイズした粉末)等の粒状の粉体若しくはフレークとプラスチック、ゴム等の有機物との複合材などが好まし」いところの「磁性シート2b」は、本願発明の「磁性材料となるフェライトを粉末状にして樹脂に練り込んだ磁性シート」とは、“磁性材料を粉末状にして樹脂に練り込んだ磁性シート”である点で共通するといえ、上記(1)の認定を踏まえれば、本願発明と引用発明2とは、下記の点(相違点2-3)で相違するものの、“磁性材料を粉末状にして樹脂に練り込んだ磁性シートを用いた磁性材料層で前記磁性材料層を構成”する点で一致する。

(3)引用発明2の「磁性シート2bの厚みは、タグ2を組み込む構成部品内部のスペースや金属材料の配置、切り欠き部2cの加工性などを勘案して決定され」るものであるところ、本願発明の「前記磁性材料層に用いる前記磁性シートの厚み、並びに、前記高比重材料層に用いる高比重材料の比重および前記高比重材料層の厚みは、前記コイン型ICタグに要求される所定の重量に基づき決定されている」こととは、下記の点(相違点2-4)で相違するものの、“前記磁性材料層に用いる前記磁性シートの厚みは、前記コイン型ICタグに要求される仕様に基づき決定されている”点で一致する。

(4)以上、(1)~(3)の検討から、本願発明と引用発明2とは、次の一致点及び相違点を有する。

〈一致点2〉

ICチップとこれに接続するアンテナを実装した基板の一方の面に、磁性材料の機能を有する磁性材料層を少なくとも積層させたコイン型ICタグであって、

磁性材料を粉末状にして樹脂に練り込んだ磁性シートを用いた磁性材料層で前記磁性材料層を構成し、前記磁性材料層に用いる前記磁性シートの厚みは、前記コイン型ICタグに要求される仕様に基づき決定されていることを特徴とするコイン型ICタグ。

〈相違点2-1〉

ICチップとこれに接続するアンテナを実装するものが、本願発明が「インレットシート」であるのに対し、引用発明2は「略円板状の基板2a」である点。

〈相違点2-2〉

本願発明の「インレットシート」は、その「片面に保護シートを積層」するとともに、当該「インレットシートのもう一方の面に、高比重かつ磁性材料の機能を有する高比重磁性材料層を少なくとも積層させ」るものであるのに対し、引用発明2は、保護シートが「基板2a」の片面に積層されるものではなく、「所定の容器11aに磁性シート2bと基板2aとを配置してもよい」ものであって、「磁性シート2b」は、「高比重」磁性材料層からなるものではない点。

〈相違点2-3〉

本願発明の「高比重磁性材料層」が、「磁性材料層と、前記磁性材料層に用いる磁性材料となるフェライトよりも比重の重い無機フィラーを樹脂に混練させた高比重樹脂材料を用いた高比重材料層の2層により」構成されるとともに、「前記高比重材料層を前記磁性材料層の裏面側に積層させ」るのに対し、引用発明2は、そのような「高比重材料層」を有するものではない点。

〈相違点2-4〉

本願発明の「高比重磁性材料層」は、「前記高比重材料層に用いる高比重材料の比重および前記高比重材料層の厚み」が、「コイン型ICタグに要求される所定の重量に基づき決定されている」のに対し、引用発明2は高比重材料層を有さず、「高比重材料の比重および前記高比重材料層の厚み」が所定の要求仕様に基づいて決定されるものでもない点。

2 判断

事案に鑑み、相違点2-1~2-4のうち、先に相違点2-3について検討する。

本願発明は、上記第6 2に示した背景及び課題を有するところ、引用発明2は、「内視鏡などの機器の内部に組み込まれるタグ2であ」り、そもそもこれを、「パチンコやパチスロなどの遊技機の遊戯に係る前払い金額の残高や遊戯媒体の貯数の記録に使用する記憶媒体」(本願明細書【0002】)に用いる動機付けは存在しない。

また、引用発明2は、内視鏡の内部にRFIDタグを組み込む場合において、内視鏡は様々な材料で構成され、特に操作部には蛇管を動かすための操作機構部が内蔵されており、このような操作機構部には一般的に金属材料が使用されているため、内視鏡の内部にRFIDタグを組み込むと、上記金属材料などによってRFIDタグのアンテナのインダクタンスが変化し、それに伴って共振周波数やQ値が変化してしまい、通信距離が短くなったり通信不能になるなどの問題が生じる課題を有し(引用例4【0007】)、金属材料を含む機器の内部に組み込んだ場合でも、共振周波数やQ値の変化を抑制して良好な通信状態を確保することができるRFIDタグを提供することを目的とするものであるから(同【0008】)、引用発明2において、高比重の材料である、タングステン、ステンレス、鉄、銅などの金属材料(例えば、引用例2の上記記載事項A【0023】や、引用例3の上記記載事項B参照。)を追加することには阻害要因があるものといわざるを得ない。

したがって、上記その余の相違点について判断するまでもなく、本願発明は、当業者であっても、引用発明2及び引用例1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 むすび

したがって、本願発明は、引用例4(原査定の引用文献1)に記載された発明及び引用例1(原査定の引用文献2)に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2021-012720

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