2021-012464
提供装置、提供方法及び提供プログラム
- 審判番号
- 2021-012464
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-133825外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年09月16日
- 審決日
- 2022年11月21日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ヤフー株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 15項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和元年7月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月29日付け 拒絶理由通知書
令和3年6月 4日 意見書、手続補正書の提出
令和3年6月17日付け 拒絶査定
令和3年9月16日 審判請求書、手続補正書の提出
令和4年3月28日付け 拒絶理由通知書
令和4年5月30日 意見書、手続補正書の提出
令和4年7月21日付け 拒絶理由通知書
令和4年8月25日 意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和3年6月17日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1ないし16に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
引用文献A.特開2015-072526号公報
引用文献B.特開2018-101259号公報
引用文献C.米国特許出願公開第2002/0143612号明細書
引用文献D.特開2017-097481号公報
引用文献E.特開2014-063527号公報(周知技術を示す文献)
引用文献F.中国特許出願公開第109727100号明細書
第3 当審拒絶理由の概要
1 令和4年3月28日付け拒絶理由について
令和4年3月28日付け拒絶理由(以下「当審拒絶理由1」という。)の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1ないし16に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
引用文献1 特開平11-134408号公報
引用文献2 特開2015-072526号公報(拒絶査定における引用文献A)
2 令和4年7月21日付け拒絶理由について
令和4年7月21日付け拒絶理由(以下「当審拒絶理由2」という。)の概要は次のとおりである。
(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
第4 本願発明
本願請求項1ないし14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」等という。)は、令和4年8月25日に提出された手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定される発明であり、そのうち、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定部と、前記仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報と、前記特定部により特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報とを含むコンテンツであって、購入対象となる取引対象の数を制御可能なコンテンツを、前記仮想カートに投入された取引対象の購入を行うための購入コンテンツとして前記利用者に提供する提供部とを有し、前記特定部は、前記利用者が前記購入コンテンツにおいて購入対象となる取引対象の数を変更した場合は、変更後の取引対象の情報に基づいて、前記利用者に対する利益が最も大きい新たなクーポンの組み合わせを特定し、前記提供部は、新たに特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供することを特徴とする提供装置。」
なお、本願発明2なし14の概要は以下のとおりである。
本願発明2ないし12は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明13及び14は、本願発明1の「提供装置」の発明を、それぞれ「提供方法」及び「提供プログラム」とした発明であり、カテゴリ表現が異なるだけの発明である。
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
ア 当審拒絶理由1で引用した引用文献1には、次の事項が記載されている。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク上の仮想的な商店街に接続し商品を購入することが可能な電子ショッピングシステムに関し、特に商品を購入する際に付加サービスを設けた電子ショッピングシステムに関する。」
「【0006】店舗サーバは、購入の意志を通知された商品データを、決済する前に一時的に取り置きするための電子バスケット機能を有するものがある。電子バスケット機能を有する店舗サーバは、例えば、消費者が購入を希望する商品データを一覧表示し、幾らくらい購入しようとしているか明らかになるように合計金額を電子バスケットを表示する。消費者は、店舗サーバから送信された電子バスケット情報を通じて、最終的に決済するかどうか判断できる。」
「【0019】図1は本発明を適用する電子ショッピングシステムのシステム構成図である。クライアント1はWWWブラウザ101を表示する機能を有する。クライアント1はネットワーク102を介してサーバ2と接続する。【0020】起動されたWWWブラウザ101は、ネットワーク102を通じてWWWサーバ103と通信を行う。WWWサーバ103はWWWブラウザ101の要求により、ページ生成システム104に対して商品データやバスケットの表示を行うための表示用ページデータの生成を依頼する。ページ生成システム104はその依頼の結果として、ブラウザ表示用のページデータを生成し、WWWサーバ103に送信する。ページデータを受取ったWWWサーバ103は、ネットワーク102を介してWWWブラウザ101に送信する。本実施例では、サーバ2が複数の電子店舗、言い換えるならば電子商店街(電子モール)を管理する例を示すが、このサーバ2は1店舗を管理しても本発明が適用可能なことは言うまでもない。【0021】ページ生成システム104は、少なくともサーバ2において実行可能なプログラムによって実現され、ページ生成部105、データベース検索部106、及びバスケット生成部107を有する。ページ生成システム104は、テンプレート108、バスケットDB109、サービス・クーポン券DB110、メッセージDB111、商品データDB112などを利用する。テンプレート108は、ページ生成部105が利用するページの雛形となるファイルである。バスケットDB109は、クライアント1を操作する消費者毎に購入するために選択された商品データを格納して管理するデータベースである。サービス・クーポン券DB110は、様々な機会において顧客に発行したサービス・クーポン券を管理するデータベースである。メッセージDB111は、電子バスケットやテンプレート108に表示されるメッセージを蓄積したデータベースである。【0022】ページ生成システム104がWWWサーバ103からページ生成要求を受けたときの処理を説明する。続きを表示(全19行)【0023】ページ生成部105は、テンプレート108とデータベース検索部106からのデータをもとにWWWブラウザ101に送るHTMLデータを生成する。データベース検索部106は商品データDB112、バスケットDB109などの商品データを検索する。バスケット生成部107は、消費者が商品を購入したものを電子バスケット中に表示するために、サービス・クーポン券DB110などのデータベースをデータベース検索部106で検索した情報をテンプレート108に格納された電子バスケットテンプレート(図示せず)上に展開する。ルールファイル113は、電子店舗ごとに商品データについて付加サービスのルールを定義するルール定義部114で定義されたルール(条件)を格納する。【0024】本実施例におけるルール定義としては、商品を購入する電子店舗を特定する識別情報(例えば、ストアID)、商品を特定する識別情報(例えば、商品ID)、商品の個数、商品の値段、商品の購入時期(年月日、時刻)、サービス券またはクーポン券を特定する識別情報(例えば、サービス券ID)、メッセージを特定する識別情報(例えば、コンテンツID)等を種々設定し、設定された条件に適合する商品購入者に対し、商品の割引に関するクーポン券やサービス券、及び/または更に割引が多くなるような情報をメッセージとして提供することを規定するものである。【0025】次に、ページ生成システム104がWWWサーバ103から電子バスケットの表示の要求を受けたときの処理を説明する。【0026】ページ生成部105は、クライアント1から送られた情報を基にテンプレート108からテンプレートファイルを取り込み、テンプレートファイルを解析する。購入者の商品データを入手するために、データベース検索部106は指定されたセッションIDをもとにバスケットDBを検索する。セッションIDとは、買い物をするために購入者が電子ショッピングシステムに入った一回一回に対して一意につけられる識別子である。データベースの検索に成功するとページ生成部105は取り込んだテンプレートファイルの内容に検索結果を合成して、クライアント1のWWWブラウザ101に表示するページを生成する。ページ生成部105は、購入者が選択した商品の商品データとルールファイル113に格納されたルールとを比較し、商品データとルールとが一致した場合、ルールに応じてサービス・クーポン券の発行やメッセージの表示を行うためにデータベース検索部106に指示してサービス・クーポン券DB110及びメッセージDBを検索させる。その検索結果を反映させた電子バスケットを表示するためのページデータを生成する。生成されたページデータはWWWサーバ103に送られ、ネットワーク102を通じてクライアント1に送られ、WWWブラウザ101を用いて表示される。【0027】図2はサービス・クーポン券やメッセージを保持するためのデータベースの一例である。サービス・クーポン券DB110は、少なくとも電子店舗を識別するためのストアIDおよび商品を特定するための商品IDを用いて検索される。これらのデータ項目を指定することによりサービス・クーポン券DB110からサービス・クーポン券のデータを取得する。また、各サービス・クーポン券の表示を日時制御するために、検索条件として現実の時間・日時を用いることが可能である。【0028】メッセージDB111は、少なくとも電子店舗を識別するためのストアIDおよびルールに定義されたコンテンツIDを用いて検索される。これらのデータ項目を指定することによりメッセージDB111からメッセージのデータを取得する。また、各メッセージの表示を日時制御するために、検索条件として現実の時間・日時を用いることが可能である。【0029】図3はページ生成処理の中で、特にサービス・クーポン券DBおよびメッセージDBを検索し、テンプレートに表示する処理の流れについて示したものである。電子バスケットをテンプレートに表示する際は、バスケットDB109よりストアID、商品ID、商品名、単価、個数、金額などが送られる。【0030】以下に実際の流れについて述べる。バスケットDB109から商品データの検索を行うには、まず送られてきたストアID、商品IDからバスケットDB109を検索する(301)。次に検索結果の内容をもとにルール定義があるか判定(302)し、もしルール定義があれば、以下の処理を行う。【0031】メッセージ表示に該当するルール定義があるかどうか判定(302)し、メッセージ表示が定義されている場合は、テンプレートにメッセージを検索結果に追加(304)する。サービス・クーポン券に該当するルール定義があるかどうか判定(305)し、サービス券・クーポン券が設定されている場合は、サービス券・クーポン券を発行し(306)、データベース検索部106にサービス・クーポン券の発行を検索データとして返す(307)。尚、ルール定義の判定(302)に関わらず、検索データを表示する。【0032】図4は、WWWブラウザ上に表示された本発明の一実施例を説明する説明図である。【0033】メッセージ表示401はルール定義情報に一致する商品データが存在する場合に表示するものである。図4では、メッセージ表示401は電子バスケット402と同じ画面に表示されているが、電子バスケット402の表示画面と異なる画面に表示しても問題ない。【0034】サービス・クーポン券403は商品データ402に応じてルール定義に基づいたものが表示される。本実施例では商品割引券としてのクーポン券と商品によらないサービス券とを例示するが、同様のサービスを提示できればこの例によらないことは言うまでもない。クーポン券としては商品の個数や購入時期、または他の商品との組み合わせなどルール定義された条件に適合した商品データがあれば与えられる。サービス券としては、購入金額が一定金額以上であれば使用できる券、電子商店街の店舗ならどこでも使用できる券、等をルール定義して発行できる。【0035】商品データ403では、商品の購入個数に応じて割引率が変化するというルール定義がなされている場合、購入者の個数変更があれば変更に応じられるよう個数の設定が変更可能に表示される。また、商品に特定されないサービス券などについては、消費者がサービス券の使用を留保可能な機能部(図4においては「取り消し」欄)を提供する。【0036】上記のように本発明の一実施例では、電子バスケットに表示した各商品データに対して、ルールとして定義した情報に一致する商品データが存在した場合、サービス・クーポン券の発行やメッセージを表示することが動的に可能である。【0037】本発明の実施例によれば、電子ショッピングシステムにおいて、商品購入者が決済を行う前に、カタログとなる各商品データをバスケットに表示する際、各商品データに該当する情報がルール定義に定義されている場合、サービス・クーポン券の発行やメッセージに対して動的に表示方法が変更できる効果がある。」
「【図4】[図:0001391537000001.jpg]」
イ 上記記載によると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「ネットワーク上の仮想的な商店街に接続し商品を購入することが可能な電子ショッピングシステムに関し、(【0001】)サーバ2において実行可能なプログラムによって実現されたページ生成システム104において、(【0021】)ページ生成システム104が電子バスケット402の表示の要求を受けたとき、(【0025】)ページ生成システム104は、消費者が購入を希望する商品データを一覧表示し、幾らくらい購入しようとしているか明らかになるように合計金額を表示する電子バスケット402を表示するためのページデータであって、(【0006】【0033】【図4】)購入者が選択した商品の商品データ402とルールファイル113に格納されたルールとを比較し、商品データとルールとが一致した場合、ルールに応じてサービス・クーポン券の発行やメッセージの表示を行うためにデータベース検索部106に指示してサービス・クーポン券DB110及びメッセージDBを検索させ、その検索結果を反映させた電子バスケットを表示するためのページデータを生成するものであり、(【0026】)サービス・クーポン券403は商品データ402に応じてルール定義に基づいたものが表示され、(【0034】)電子バスケットに表示した各商品データに対し、商品の購入個数に応じて割引率が変化するというルール定義がなされている場合、購入者の個数変更があれば変更に応じられるよう個数の設定が変更可能に表示されることにより、(【0035】【0036】)商品購入者が決済を行う前に、カタログとなる各商品データをバスケットに表示する際、各商品データに該当する情報がルール定義に定義されている場合、サービス・クーポン券の発行やメッセージに対して動的に表示方法が変更できる、(【0037】)電子バスケット402のページ生成システム104。」
(2)引用文献2(引用文献A)について
拒絶査定及び当審拒絶理由1で引用した引用文献2には、次の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】本発明は、金額算出装置、金額算出方法、およびプログラムに関する。」
「【0009】また、本発明の第三の態様は、例えば、コンピュータに、ユーザが利用可能な電子クーポンの中から、当該ユーザによって選択された商品について適用することができる電子クーポンを抽出するクーポン抽出手順と、前記クーポン抽出手順において抽出された電子クーポン毎に、ユーザによって選択された商品に適用した場合の値引額を算出する値引額算出手順と、前記値引額算出手順において算出された電子クーポン毎の値引額に基づいて、値引額が最大となる電子クーポンの組み合わせを特定する組合せ特定手順と、前記組合せ特定手順において特定された電子クーポンの組合せが適用された、前記選択された商品の合計金額を、当該組合せに係る電子クーポンの情報と共に出力する出力手順とを実行させることを特徴とするプログラムを提供する。」
「【0017】本実施形態において、電子クーポンによって得られる特典としては、例えば、一定額を値引く(値引クーポン)、一定割合の金額を値引く(割引クーポン)、送料を無料にする(送料無料クーポン)などがある。また、電子クーポンの適用条件としては、例えば、対象商品を購入すること、対象店舗の商品を購入すること、合計金額が所定額以上であること、商品の購入数が所定数以上であること、他の電子クーポンと併用しないことなどがある。【0018】クーポン特定部204は、注文受付部205から受け取ったユーザIDに対応付けられている電子クーポンを、クーポン情報格納部203内で特定する。そして、クーポン特定部204は、特定した電子クーポンを、クーポン情報格納部203から抽出してクーポン抽出部206へ送る。続きを表示(全12行)【0019】クーポン抽出部206は、注文受付部205から受け取ったショッピングカート40のデータを参照し、クーポン特定部204から受け取った電子クーポンの中から、ショッピングカート40内の商品に適用可能な電子クーポンを抽出する。そして、クーポン抽出部206は、抽出した電子クーポンを、ショッピングカート40のデータと共に値引額算出部207へ送る。【0020】値引額算出部207は、クーポン抽出部206から受け取ったショッピングカート40のデータを参照し、クーポン抽出部206から受け取った電子クーポンを適用した場合の値引額を、クーポン抽出部206から受け取った電子クーポン毎に算出する。そして、値引額算出部207は、電子クーポン毎に算出した値引額を、ショッピングカート40のデータと共に組合せ特定部208へ送る。【0021】組合せ特定部208は、値引額算出部207から受け取った電子クーポン毎の値引額に基づいて、値引額が最大となる電子クーポンの組合せを特定する。そして、組合せ特定部208は、特定した電子クーポンの組合せと、当該組合せに含まれるそれぞれ電子クーポンの値引額と、ショッピングカート40のデータとを出力部209へ送る。【0022】出力部209は、値引額が最大となる電子クーポンの組合せを適用した場合の合計金額を含む注文確認画面31のデータを作成し、作成した注文確認画面31のデータをユーザ端末12へ送信する。注文確認画面31には、例えば、ショッピングカート40のデータに含まれるそれぞれの商品の値引前の価格と、値引額が最大となる電子クーポンの組合せに含まれるそれぞれ電子クーポンの値引額と、値引後の商品の合計金額とが含まれる。」
「【0027】これに対して、本実施形態における電子商取引サーバ20は、ユーザ13が選択した商品について、ユーザ13が保有する電子クーポンの中で、値引額が最大になる電子クーポンの組合せを算出して、ユーザ13に提示する。これにより、ユーザ13は、値引額が最大になる電子クーポンの組合せを検討する必要がなくなり、ユーザ13にとって利便性の高く、お得感が得られる電子商取引を実現することができる。これにより、ユーザ13は、電子クーポンを積極的に獲得するようになり、電子商取引サーバ20は、電子クーポンが対象とする商品等の販売促進を図ることができる。」
「【0036】内容2033には、対象商品、所定額の値引の場合にはその金額、所定割合の値引の場合にはその割合、送料無料などの情報が含まれる。適用条件2034には、他の電子クーポンとの併用の可否、金額条件、個数条件、適用対象期間、同時購入条件等が含まれる。金額条件とは、例えば、ショッピングカート40内の商品の合計金額が所定額以上である場合に適用可能となるという条件である。個数条件とは、例えば、ショッピングカート40内の商品数が所定数以上である場合に適用可能となるという条件である。同時購入条件とは、例えば、複数の対象商品が指定されており、指定された商品がショッピングカート40内に全て含まれている場合に適用可能となるという条件である。この場合、複数の対象商品は、同一の店舗で販売されている商品だけでなく、異なる店舗で販売されている商品が指定されてもよい。」
「【0045】クーポン抽出部206は、注文受付部205から受け取ったショッピングカート40のデータを参照し、クーポン特定部204から受け取った電子クーポンの中から、ショッピングカート40内の商品に適用可能な電子クーポンを抽出する。そして、クーポン抽出部206は、抽出した電子クーポンを、ショッピングカート40のデータと共に値引額算出部207へ送る。【0046】クーポン抽出部206は、例えば、クーポン特定部204から受け取ったそれぞれの電子クーポンの内容や適用条件を参照して、ショッピングカート40内に対象商品がない電子クーポンや、適用条件を満たさない電子クーポンを、クーポン特定部204から受け取った電子クーポンの中から除外し、残った電子クーポンを、適用可能な電子クーポンとして抽出する。【0047】適用条件を満たさない電子クーポンとしては、例えば、適用対象期間外、ショッピングカート40内の商品の合計金額が金額条件を満たさない、ショッピングカート40内の商品の個数が個数条件を満たさない、対象店舗の商品がショッピングカート40内に存在しない、同時購入条件で指定されているいずれかの商品がショッピングカート40内に存在しない等の電子クーポンが考えられる。【0048】値引額算出部207は、クーポン抽出部206から電子クーポンおよびショッピングカート40のデータを受け取った場合に、受け取ったショッピングカート40のデータを参照して、受け取った電子クーポンを適用した場合の値引額を、電子クーポン毎に算出する。」
「【0057】そして、値引額算出部207は、電子クーポン毎に算出した値引額を、電子クーポンのクーポンIDと、当該電子クーポンの併用可否の情報とに対応付けて、値引額テーブルに格納する。そして、値引額算出部207は、値引額テーブルのデータを、ショッピングカート40のデータと共に、組合せ特定部208へ送る。【0058】図8は、値引額テーブルのデータ構造の一例を示す図である。値引額テーブル50には、例えば図8に示すように、それぞれの電子クーポンを識別するクーポンID51に対応付けて、当該電子クーポンの併用可否52、および、当該電子クーポンについて算出された値引額53が格納される。図8に例示した値引額テーブル50では、例えば、「C001」のクーポンID51に、他の電子クーポンとの併用が可能であることを示す「併用可」の併用可否52、および、「500円」の値引額53が対応付けられている。続きを表示(全16行)【0059】組合せ特定部208は、値引額テーブル50およびショッピングカート40のデータを値引額算出部207から受け取った場合に、値引額テーブル50を参照し、値引額が最大となる電子クーポンの組合せを特定する。そして、組合せ特定部208は、特定した電子クーポンの組合せと、当該組合せに含まれるそれぞれ電子クーポンの値引額と、ショッピングカート40のデータとを出力部209へ送る。【0060】具体的には、例えば、組合せ特定部208は、値引額算出部207から受け取った値引額テーブル50を参照し、他の電子クーポンと併用可能である旨が対応付けられた電子クーポンの値引額を合計する。そして、組合せ特定部208は、合計した値引額、および、他の電子クーポンと併用できない旨が対応付けられたそれぞれの電子クーポンの値引額の中で、最大の値引額を特定する。そして、組合せ特定部208は、特定した値引額に対応する電子クーポンの組合せを特定する。なお、最大の値引額が、他の電子クーポンと併用できない電子クーポンの値引額である場合、最大の値引額となる電子クーポンの組合せとは、1つの電子クーポンを意味することになる。【0061】出力部209は、電子クーポンの組合せと、当該組合せに含まれるそれぞれ電子クーポンの値引額と、ショッピングカート40のデータとを組合せ特定部208から受け取った場合に、当該組合せに係る電子クーポンを適用した場合のショッピングカート40内の商品の合計金額を算出する。【0062】そして、出力部209は、例えば図9に示すような注文確認画面31のデータを作成し、作成したデータを、通信回線11を介してユーザ端末12へ送信する。図9は、注文確認画面の構成の一例を示す概念図である。注文確認画面31内の領域310には、ショッピングカート40のデータに含まれるそれぞれの商品の商品ID、商品名、単価、数量、および小計、ならびに、値引前の商品価格の合計および送料が表示される。【0063】また、注文確認画面31内の領域311には、値引額が最大となる電子クーポンの組合せに含まれる電子クーポン毎の値引の内容および値引額、ならびに、値引額の合計が表示される。また、領域312には、電子クーポンを適用した後の金額の合計および送料が表示される。注文確認画面31には、この他に、支払方法、発送方法、発送先等の情報が含まれていてもよい。【0064】ユーザ端末12は、電子商取引サーバ20から送信されたデータに基づいて注文確認画面31を表示する。そして、ユーザ13によって注文確定ボタン314が操作された場合、ユーザ端末12は、画面31のデータを、ユーザIDと共に、通信回線11を介して決済サーバ(図示せず)へ送信する。」
(3)引用文献Bについて
拒絶査定の拒絶の理由で引用された引用文献Bには、次の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】自動発注システム、自動発注方法、および自動発注プログラムに関する。」
「【0031】図13は、編集コンテンツ1060の一例を示す図である。編集コンテンツ1060は、購入計画に含まれる購入日に、納品日、購入数、特典名、および特典内容を対応付けた情報である。編集コンテンツ1060の購入日、納品日、購入数、特典名には、それぞれを変更することができることを表す三角マークが付加されている。ショッピングサーバ500は、三角マークを選択する操作を受け付けたことに応じ、選択肢をプルダウンリスト形式で表示させる。選択肢として提供される情報は、編集コンテンツ1060に含まれていてもよく、三角マークを選択する操作を受け付けたことに応じて、ショッピングサーバ500から端末装置100に提供されて良い。ショッピングサーバ500は、購入計画が変更されたことを検出した場合、変更後の購入計画に基づいて、特典情報1036などを再シミュレーションする。ショッピングサーバ500は、再シミュレーションした結果としての購入計画コンテンツを端末装置100に提供する。」
(4)引用文献Cについて
拒絶査定の拒絶の理由で引用された引用文献Cには、次の事項が記載されている。なお、引用文献Cの記載事項は、当審の訳文で示す。
「技術分野[0001]本発明は、一般に、ネットワーク化された環境における電子商取引(eコマース)に関し、特に電子商取引システムにおける電子クーポン(Eクーポン)の使用に関する。」
「[0069]図3は、ECouponDSSモジュール110の動作の過程を示すフロー図である。これは本発明の第2実施形態に従って図1で示される。図3の工程300は、図3のステップ314で開始する。ステップ314で、クーポン310および注文情報312のセット(図1の同様の要素122及び120に対応する。)が入力として提供される。ステップ314において、適用可能なクーポンが計算される。ステップ316では、適用可能なクーポン、一致する製品アイテム、および割引額がユーザに示される。[0070]ステップ318では、買物客は、クーポンのサブセットを選択する。ステップ320では、モジュールは、クーポンセットの相互の排他性をチェックする。決定ブロック322では、選択されたクーポンのいずれかが相互に排他的であるかどうかを判定するためのチェックを行う。決定ブロック322で真が返される(Yes)場合には、処理はステップ324に続く。ステップ324において、ユーザまたは買物客は再びクーポンを選択する(すなわち、選択を修正する)。次に、処理はステップ336に進む。ステップ336において、他のサブセットを選択するのに役立つ専用クーポンが顧客に示される。次に、処理はステップ318に進む。[0071]そうではなく、判断ブロック322で偽が返される(No)場合には、処理はステップ326に続く。ステップ326において、割引金額と共にクーポンが買物客に表示又は提示される。次いで、処理は判断ブロック328に続く。決定ブロック328では、クーポンのサブセットを使用することができるかどうかを判定する。判断ブロック328で真が返される(Yes)場合には、注文はステップ330において処理される。そうではなく、判断ブロック328で偽が返される(No)場合には、処理はステップ334に続く。ステップ334において、現在の選択が保存され、そして別のサブセットが試行または試みられる。次に、処理はステップ336に進む。」
「[0074]より好ましくは、クーポンのサブセットの比較は、景品、ロイヤルティポイント、有効期限日及び割引額のような種々の最適化パラメータに沿って行われる。買物客は、加重関数の最適化パラメータの組合せとして最適化基準を指定することができる。」
「[0078]買物客は、システム400に問い合わせて、所与の購入注文について、クーポンの最も有利な組み合わせまたはクーポンの最適サブセットを提案できる。顧客は、様々なパラメータに基づいて最適化するように選択することができる。これらの最適化パラメータ422は、所与の購入に利用可能なクーポンの可能な部分集合を比較することで最適化エンジン420によって使用される。最適化パラメータ422の例としては、選択されたクーポンの割引額を最大にするか、メンバーシップに対するロイヤルティポイントをxより大きくするか、割引の無料のアイテムの数を最大にするか、特定のクーポンを選択された集合に含めないか、特定のクーポンを選択された集合に含める必要があるか、有効期限が早いクーポンに高い優先度を与える、最大数のクーポンが使用される必要がある、等を挙げることができる。」
(5)引用文献Dについて
拒絶査定の拒絶の理由で引用された引用文献Dには、次の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】本発明は、電子クーポン提示装置、電子クーポン提示方法および電子クーポン提示プログラムに関する。」
「【0042】クーポン提示処理モジュール221は、選定した電子クーポンに設定された金額をユーザ端末3の画面上に表示させる。さらに、クーポン提示処理モジュール221は、選定した電子クーポンがユーザにより既に獲得されている場合には、その電子クーポンが既に獲得済みの電子クーポンである旨を、電子クーポンの金額と並べて表示できる位置に表示させる。一方、選定した電子クーポンがユーザによりまだ獲得されていない場合に、クーポン提示処理モジュール221は、その電子クーポンを獲得するためのリンク情報を、電子クーポンの金額と並べて表示できる位置に表示させる。」
「【0046】図4は、選定された電子クーポンがまだ獲得されていない電子クーポンである場合の画面例である。図4は、旅行予約サイトにおいて、予約申込情報が入力され、予約を確定する前に、予約内容の確認用としてユーザ端末3に表示される画面GBである。この画面GBには、旅行代金欄gb1および旅程情報欄gb2が表示されている。旅行代金欄gb1には、旅行代金として、“合計69,000円”が表示され、その旅行代金の下段には、選定した電子クーポンに設定された金額“4000円”を含む“クーポン利用で4000円引き”というメッセージが表示されている。そのメッセージの下段には、選定した電子クーポンを獲得するためのURL(Uniform Resource Locator)を埋め込んだリンク情報として設定された“こちらでクーポン獲得!”というメッセージが表示されている。」
(6)引用文献Eについて
拒絶査定の拒絶の理由で引用された引用文献Eには、次の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】本発明は、商品の販売を行うための売上データ処理装置に関する。」
「【0066】現在日時情報が割引終了日時を経過していない場合(ステップS25;NO)、ステップS22で取得した現在日時情報が、割引クーポン情報80の割引開始日時を経過している行が優先的になるよう、割引クーポン情報80の選択済の各行の順番が並び替えられる(ステップS27)。そして、ステップS27で並び替えられた、割引開始日時を経過している行と、割引開始日時を経過していない行と、のそれぞれについて、現在日時情報が割引クーポン情報80の割引終了日時に近い行が優先的になるよう順番が並び替えられる(ステップS28)。【0067】そして、ステップS27,S28で並び替えられた行のうち、割引終了日時が同じ行について、割引クーポン情報80の割引クーポン内容情報の商品の割引量が多い行が優先的になるよう順番が並び替えられ(ステップS29)、ステップS23に移行される。割引の種類は、例えば、20円引き、20%OFF、2GET1FREE(2個買うと1個無料)等がある。このため、例えば、割引の種類が複数ある場合に、その割引の種類にも予め優先順位が設定されており、その優先順位に応じて割引の種類を並べることとしてもよい。また、割引クーポン情報が商品の価格情報を有し、その価格情報に応じて、各行の割引金額を算出し、その算出した割引金額を割引量とし、割引金額の大きい順番に、選択済の行を並べ替える構成としてもよい。【0068】選択された行がない場合(ステップS24;NO)、割引クーポン情報80の店舗情報が自店舗及び他店舗の各行が、さらに自店舗の行を優先するように並べ替えられ、その並べ替えられた順番で各行に対応する割引クーポンが配置された割引クーポン入力領域の画面情報が作成されて表示部24に表示される(ステップS30)。割引クーポン入力領域は、割引クーポンを選択してタッチ入力するための画面領域であり、表示される割引クーポンは、割引クーポン情報80の割引クーポン内容情報、店舗情報の店舗名、割引終了日時(及び割引開始日時)を含む。」
(7)引用文献Fについて
拒絶査定の拒絶の理由で引用された引用文献Fには、次の事項が記載されている。なお、引用文献Fの記載事項は、当審の訳文で示す。
「技術分野[0001]本開示は、インターネット技術の分野に関連し、オンラインのユーザが特定のコンテンツを利用できるようにする方法およびその管理方法に関連するものであり、ユーザの負担を軽減することを意図している。」
「発明の内容[0003]ショッピングページに対して単一のカートを提供する限界性、本発明はユーザカスタムを許容するオンラインウェブページカートおよびその管理方法を提供し、買い物の効率及びユーザ体験を向上する。」
「[0016]もしユーザが選択的にサービスクーポンに配置するカートを決定すれば、本発明は自動でこのサービスクーポンを注文に添加する。もしこのカート中に複数枚のサービスクーポンを用いれば、最適な優遇計画を選択してサービスクーポンを用いる;[0017]ユーザが選択したサービスクーポンを計算したとき、その商品に含まれる商品がサービスクーポン券の使用条件を満たしていない場合、本開示は、必要な条件及び差額、あるいは具体的理由を提示し、通知する;」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「ネットワーク上の仮想的な商店街」、「消費者」、「電子バスケット402」及び「商品データ」は、それぞれ本願発明1の「電子商店街」、「利用者」、「仮想カート」及び「取引対象の情報」に相当する。
(イ)引用発明は、「購入者が選択した商品の商品データ402とルールファイル113に格納されたルールとを比較し、商品データとルールとが一致した場合、ルールに応じてサービス・クーポン券の発行やメッセージの表示を行うためにデータベース検索部106に指示してサービス・クーポン券DB110及びメッセージDBを検索させ、その検索結果を反映させた電子バスケットを表示する」から、「電子バスケット」に表示するための「購入者が選択した商品の商品データ402」に基づいて「サービス・クーポン券」を特定しているといえる。そして、この「購入者が選択した商品の商品データ402」に基づく「サービス・クーポン券」の特定と、本願発明1の「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する」こととは、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、クーポンを特定する」点で共通する。
そうすると、引用発明と本願発明1は、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、クーポンを特定する特定部」を備える点で共通する。
(ウ)引用発明の「消費者が購入を希望する商品データ」は、本願発明1の「前記仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報」に相当する。
また、引用発明の「電子バスケット402」を表示するためのページデータはコンテンツということができるから、引用発明の「消費者が購入を希望する商品データを一覧表示」する「電子バスケット402」を表示するためのページデータは、本願発明1の「前記仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報」を含む「コンテンツ」に相当する。
加えて、引用発明の「購入者が選択した商品の商品データ402とルールファイル113に格納されたルールとを比較し、商品データとルールとが一致した場合、ルールに応じてサービス・クーポン券の発行やメッセージの表示を行うためにデータベース検索部106に指示してサービス・クーポン券DB110及びメッセージDBを検索させ、その検索結果を反映させた電子バスケット」には、上記(イ)で検討した「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、クーポンを特定する特定部」で特定されたクーポンが表示されているといえるから、引用発明のこのクーポンが表示された「電子バスケット402」のページデータと、本願発明1の「前記特定部により特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報とを含むコンテンツ」とは、「前記特定部により特定されたクーポンのクーポン情報とを含むコンテンツ」である点で共通する。
そして、引用発明の「電子バスケットに表示した各商品データに対し、」「購入者の個数変更があれば変更に応じられるよう個数の設定が変更可能に表示される」「電子バスケット402」のページデータは、本願発明1の「購入対象となる取引対象の数を制御可能なコンテンツ」に相当する。
そうすると、引用発明と本願発明1は、「前記仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報と、前記特定部により特定されたクーポンのクーポン情報とを含むコンテンツであって、購入対象となる取引対象の数を制御可能なコンテンツを、前記仮想カートに投入された取引対象の購入を行うための購入コンテンツとして前記利用者に提供する提供部」を備える点で共通する。
(エ)そして、引用発明の「電子バスケット402のページ生成システム104」は、本願発明1の「提供装置」に対応する。
(オ)そうすると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また相違する。
[一致点]
「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、クーポンを特定する特定部と、前記仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報と、前記特定部により特定されたクーポン情報とを含むコンテンツであって、購入対象となる取引対象の数を制御可能なコンテンツを、前記仮想カートに投入された取引対象の購入を行うための購入コンテンツとして前記利用者に提供する提供部とを有することを特徴とする提供装置。」
[相違点1]
本願発明1は、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定部」を有しているのに対して、引用発明は「前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する」との特定がされていない点。
[相違点2]
本願発明1は、「提供部」で「前記特定部により特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報とを含むコンテンツ」を提供するのに対して、引用発明は、「クーポンの組み合わせを示す」ことについて特定されていない点。
[相違点3]
本願発明1は「前記特定部は、前記利用者が前記購入コンテンツにおいて購入対象となる取引対象の数を変更した場合は、変更後の取引対象の情報に基づいて、前記利用者に対する利益が最も大きい新たなクーポンの組み合わせを特定し」ているのに対して、引用発明は対応する特定をおこなっていない点。
[相違点4]
本願発明1は「前記提供部は、新たに特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供する」のに対して、引用発明は対応する提供をおこなっていない点。
(カ)上記相違点について検討する。
上記相違点1について検討すると、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する」ことは、引用文献1、2及びBないしFには記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2及び引用文献BないしFに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし12について
本願発明2ないし12は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明1の「特定部」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2及び引用文献BないしFに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明13及び14について
本願発明13及び14は、それぞれ、本願発明1の「特定部」に対応する、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定工程」及び「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定手順」を備えているから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2及び引用文献BないしFに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第7 原査定についての判断
令和4年8月25日にされた手続補正により、本願発明1ないし12は、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定部」を有し、本願発明13は、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定工程」を含み、本願発明14は、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定手順」を実行させることとなった。
そして、当該「特定部」、「特定工程」、及び「特定手順」は、原査定における引用文献AないしFには記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1ないし14は、当業者であっても、原査定における引用文献AないしFに基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第8 当審拒絶理由についての当審判断
1 当審拒絶理由1について
令和4年8月25日にされた手続補正により、本願発明1ないし12は、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定部」を有し、本願発明13は、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定工程」を含み、本願発明14は、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定手順」を実行させることとなった結果、本願発明1ないし14は、引用文献1及び引用文献2に記載された発明に対して、進歩性を有するものとなった。
2 当審拒絶理由2について
補正前の請求項1に記載された「特定部」、補正前の請求項13に記載された「特定工程」、及び、補正前の請求項14に記載された「特定手順」が明確でないという拒絶の理由は、令和4年8月25日にされた手続補正により、補正後の請求項1の「特定部」の記載が、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定部」と補正され、補正後の請求項13の「特定工程」の記載が、「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定工程」と補正され、補正後の請求項14の「特定手順」の記載が「電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポンであってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポンとを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定手順」と補正された結果、解消した。
第9 むすび
以上のとおり、原査定及び当審拒絶理由の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-012464