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特許拒絶査定不服審判

2021-012049

テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム及びサポートプレート種/部品種組み合わせ確認方法

審判番号
2021-012049
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-501868外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年09月09日
審決日
2022年06月13日
公報発行日
2022年08月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H05K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-501868「テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム及びサポートプレート種/部品種組み合わせ確認方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月29日国際公開、WO2019/162984、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 22項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、2018年(平成30年)2月20日を国際出願日とする出願であって、令和3年1月27日付けの拒絶理由の通知に対し、令和3年3月26日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、令和3年6月23日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対して令和3年9月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和3年6月23日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1 本願請求項1、3-5、10に係る発明は、以下の引用文献1及び2に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

2 本願請求項6に係る発明は、以下の引用文献1-4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3 本願請求項2、7-9に係る発明は、以下の引用文献1-5に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

1.国際公開第2017/109892号

2.特開平11-40985号公報

3.特開2014-241344号公報(周知技術を示す文献)

4.特開2016-81956号公報(周知技術を示す文献)

5.国際公開第2013/132599号(周知技術を示す文献)

第3 審判請求時の補正

審判請求時の補正(以下「本件補正」という。)は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。

すなわち、本件補正は、本件補正前の請求項3を削除するとともに、本件補正前の請求項1、2及び10に記載された発明を特定するために必要な事項である「テープフィーダ」について、本件補正前の請求項3の記載に基づいて「前記部品供給テープに収容された部品に対して所定の磁気吸引力を作用させるサポートプレートと、磁気吸引力を作用させないサポートプレートとを交換可能に取り付けるように構成されている」との事項を追加する補正を含むものである。

よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除、及び、同条同項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、本件補正により、本件補正前の請求項1、2及び10に追加された上記の技術的事項等は、願書の最初の明細書等に記載された事項であるから、本件補正は、新規事項を追加するものとはいえない。

そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、本件補正後の請求項1ないし9に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明

本願の請求項1ないし9に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」ないし「本願発明9」という。)は、令和3年9月9日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。

「【請求項1】
部品供給テープが通るテープ通路の底面部に前記部品供給テープに収容された部品に対して所定の磁気吸引力を作用させるサポートプレートと、磁気吸引力を作用させないサポートプレートとを交換可能に取り付けるように構成されているテープフィーダにおける、前記サポートプレートの種類と前記部品供給テープに収容された部品の種類との組み合わせの適否を確認するテープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システムであって、前記テープフィーダに設けられた前記サポートプレートの種類の情報を取得するサポートプレート種情報取得部と、前記部品供給テープに収容された部品の種類の情報を取得する部品種情報取得部と、前記サポートプレート種情報取得部で取得した前記サポートプレートの種類と前記部品種情報取得部で取得した前記部品供給テープに収容された部品の種類との組み合わせの適否を判定する組み合わせ判定部と、前記組み合わせ判定部で判定した前記組み合わせの適否の判定結果に応じたメッセージを表示装置、音声装置、携帯端末の少なくとも1つに出力する判定結果出力部とを備える、テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム。
【請求項2】
部品供給テープが通るテープ通路の底面部に前記部品供給テープに収容された部品に対して所定の磁気吸引力を作用させるサポートプレートと、磁気吸引力を作用させないサポートプレートとを交換可能に取り付けるように構成されているテープフィーダにおける、前記サポートプレートの種類と前記部品供給テープに収容された部品の種類との組み合わせの適否を確認するテープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システムであって、前記テープフィーダを載置するフィーダセット作業台と、前記フィーダセット作業台と電気的に接続されるコンピュータと、前記テープフィーダに設けられた前記サポートプレートの種類の情報を取得するサポートプレート種情報取得部と、前記コンピュータに接続され前記部品供給テープに収容された部品の種類の情報を取得する部品種情報取得部と、前記コンピュータに備えられ前記サポートプレートの種類と前記部品供給テープに収容された部品の種類との適正な組み合わせデータを記憶する記憶部と、前記コンピュータに備えられ前記サポートプレート種情報取得部で取得した前記サポートプレートの種類と前記部品種情報取得部で取得した前記部品供給テープに収容された部品の種類との組み合わせの適否を前記データに基づいて判定する組み合わせ判定部と、前記組み合わせ判定部で判定した前記組み合わせの適否の判定結果に応じたメッセージを表示装置、音声装置、携帯端末の少なくとも1つに出力する判定結果出力部とを備える、テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム。
続きを表示(全18行)
【請求項3】
前記テープフィーダは、前記部品供給テープに収容された部品に対する磁気吸引力が異なる複数のサポートプレートと、磁気吸引力を作用させないサポートプレートの中からサポートプレートを選択して交換可能に取り付けるように構成されている、請求項1又は2に記載のテープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム。
【請求項4】
前記テープフィーダには、前記サポートプレートの種類に応じて異なる信号を出力するセンサ部が設けられ、前記サポートプレート種情報取得部は、前記センサ部から出力された信号を取り込んで前記サポートプレートの種類の情報を取得する、請求項1乃至3のいずれかに記載のテープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム。
【請求項5】
前記部品供給テープが巻回されたテープリールには、前記部品供給テープに収容された部品の種類を識別する部品識別情報が記録又は記憶された部品識別情報記録部が設けられ、前記テープリールの部品識別情報記録部から前記部品識別情報を読み取る部品識別情報読取部を備え、前記部品種情報取得部は、前記部品識別情報読取部で読み取った前記部品識別情報を取り込んで前記部品供給テープに収容された部品の種類の情報を取得する、請求項1乃至4のいずれかに記載のテープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム。
【請求項6】
前記テープフィーダに前記部品供給テープをセットする作業を行う際に前記テープフィーダを載置するフィーダセット作業台を備え、前記フィーダセット作業台は、前記テープフィーダに対して電源供給及び通信を行うコネクタと、前記コネクタに接続された前記テープフィーダとの間で通信するコンピュータとを備え、前記コンピュータは、前記サポートプレート種情報取得部、前記部品種情報取得部、前記組み合わせ判定部及び前記判定結果出力部として機能する、請求項1乃至5のいずれかに記載のテープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記フィーダセット作業台に前記テープフィーダがセットされたときに当該テープフィーダとの間で通信して前記サポートプレートの種類の情報を取得する、請求項6に記載のテープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記サポートプレートの種類と前記部品供給テープに収容された部品の種類との適正な組み合わせのデータを集積したデータベースを備え、前記データベースのデータを参照して、前記サポートプレート種情報取得部で取得した前記サポートプレートの種類と前記部品種情報取得部で取得した前記部品供給テープに収容された部品の種類との組み合わせの適否を判定する、請求項6又は7に記載のテープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム。
【請求項9】
部品供給テープが通るテープ通路の底面部に前記部品供給テープに収容された部品に対して所定の磁気吸引力を作用させるサポートプレートと、磁気吸引力を作用させないサポートプレートとを交換可能に取り付けるように構成されているテープフィーダにおける、前記サポートプレートの種類と前記部品供給テープに収容された部品の種類との組み合わせの適否を確認するテープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認方法であって、前記テープフィーダに設けられた前記サポートプレートの種類の情報を取得するサポートプレート種情報取得工程と、前記部品供給テープに収容された部品の種類の情報を取得する部品種情報取得工程と、前記サポートプレート種情報取得工程で取得した前記サポートプレートの種類と前記部品種情報取得工程で取得した前記部品供給テープに収容された部品の種類との組み合わせの適否を判定する組み合わせ判定工程と、前記組み合わせ判定工程で判定した前記組み合わせの適否の判定結果に応じたメッセージを表示装置、音声装置、携帯端末の少なくとも1つに出力する判定結果出力工程とを含む、テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認方法。」

第5 引用文献、引用発明等

1 引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

(1)「電子部品を部品供給位置に供給する部品供給装置であって、本体と、前記本体に設けられ、電子部品を一定の間隔で収容した部品供給テープを部品供給位置に向けて送出する送出装置と、前記本体に装着され、前記部品供給位置に向けて送出される部品供給テープの上面を押さえるテープ押さえと、を含み、前記テープ押さえは、前記テープ押さえの種類に応じた固有の識別情報を有し、前記本体は、前記識別情報を検出する検出部と、前記検出部により検出した前記識別情報から特定されるテープ押さえの種類が、前記部品供給テープに対応したテープ押さえの種類と適合しているか、判断する判断部と、を有する、部品供給装置。」(特許請求の範囲 請求項1)

(2)「請求項1に記載の部品供給装置であって、前記テープ押さえは電子デバイスを有し、前記電子デバイスは前記テープ押さえの種類の情報を記憶し、前記検出部は、前記電子デバイスから前記テープ押さえの情報を読み取る読取部である、部品供給装置。」(特許請求の範囲 請求項2)

(3)「ヘッドユニットの可動範囲は制限されていることから、基板認識カメラの撮影範囲も制限がある。そのため、フィーダに取り付けられたテープ押さえの位置が撮影範囲外にあると、テープ押さえを画像認識することが出来ない。」(段落[0005])

(4)「また、ヘッドユニットが撮像対象のフィーダから離れた位置にある場合は、フィーダが移動して基板認識カメラが撮像対象のフィーダのテープ押さえの上方に到着するまでに時間が必要で、その分、画像認識が遅れ、テープ押さえの種別を判別するための時間が長くなる。」(段落[0006])

(5)「本明細書で開示される技術は、上記の課題に鑑みて創作されたものであって、テープフィーダ自体にテープ押さえの種類の識別機能を設けることで、テープ押さえの種類をヘッドユニットに搭載されたカメラを使用することなく識別すること、テープ押さえの種別を判別するための時間を極力短くすることを目的とする。また、識別情報により特定されるテープ押さえの種類が、部品供給テープに対応したテープ押さえの種類と適合しているか否かを、フィーダ内で判断することを目的とする。」(段落[0007])

(6)「フィーダ(本発明の「部品供給装置」の一例)80Aは、図4、図5に示すように、送出装置90と、テープ押さえ100Aと、これらが取り付けられるフレーム(本発明の「本体」の一例)81とを備える。…」(段落[0037])

(7)「スプロケット95、97の外周には等間隔で歯95A、97Aが形成されている。スプロケット95、97の歯95A、97Aは、部品供給テープ70の係合孔73と係合しており、スプロケット95、97を回転させることにより、部品供給テープ70をフィーダ前部の部品供給位置Gに送出することが出来る。」(段落[0039])

(8)「テープ押さえ100Aは、例えば、金属製であり、前後方向に長い形状をなす。テープ押さえ100Aは、フレーム81の上面前部に設置されている。」(段落[0040])

(9)「3.テープ押さえ100Aの識別機能
テープ押さえ100Aは部品供給テープ70の種類により、専用のものが使用される場合がある。例えば、テープ幅や材質の相違、収納する電子部品Wの相違により、専用のものが使用される場合がある。本実施形態では、収納する電子部品Wに応じて専用のテープ切開部113を使用することから、テープ押さえ100Aは部品供給テープの種類(収納される電子部品の種類)ごとに専用品となっている。」(段落[0055])

(10)「そして、本実施形態のフィーダ80Aは、テープ押さえ100Aに対して無線タグ230を取り付けている。具体的には、図4、図8に示すように、無線タグ230をテープ押さえ100Aの上面壁101の後端部に取り付けている。無線タグ230には、テープ押さえ100Aの種類の情報が書き込まれている。また、無線タグ230には、テープ押さえ100Aの種類の情報の他に、テープ押さえ100Aの使用状況についての情報である例えば、使用回数(テープ押さえを通過する部品供給テープ70の累計送り回数)など使用履歴、予め設定されている期間ごとの部品供給テープの送り回数である使用頻度に関する情報が記憶されている。」(段落[0056])

(11)「一方、図5に示すように、フィーダ80Aの回路基板88には、無線タグ230に書きこまれた情報を読み取る読取部220が設けられている。そのため、無線タグ230に書きこまれた情報を、読取部220にて読み取ることで、テープ押さえ100Aの種類を識別することが出来、また、テープ押さえ100Aの使用回数、使用頻度をフィーダ80Aから送り、無線タグ230に記憶してテープ押さえ100Aの管理に使用することも出来る。」(段落[0058])

(12)「そして、各フィーダ80Aの制御部210は、コントローラ150から指令を受けると、読取部220を用いて無線タグ230の情報を読み取り、テープ押さえ100Aの種類を識別する(図14:S20)。」(段落[0061])

(13)「そして、各フィーダ80Aの制御部210は判断部に相当し、読み取ったテープ押さえ100Aの種類が、各フィーダ80Aの部品供給テープ70に対応したテープ押さえ100Aの種類と適合しているか、判断する処理を行う(図14:S30)」(段落[0062])。

(14)「その後、各フィーダ80の制御部210は、テープ押さえ100Aの適否、すなわち各フィーダ80Aの部品供給テープ70に対応したテープ押さえ100Aの種類と適合しているか否かを、表面実装機1のコントローラ150に通知する(図14:S40)。」(段落[0063])

(15)「コントローラ150は、各フィーダ80Aから通知される結果について、不適合なテープ押さえ100Aを装着したフィーダ80Aが無いか、判断する処理を行う(図14:S50)。」(段落[0064])

(16)「そして、不適合なテープ押さえ100Aを装着したフィーダ80Aが無い場合は、コントローラ150は、正常とし、プリント基板Pの生産に移行する(図14:S60)。一方、不適合なテープ押さえ100Aを装着したフィーダ80Aが1つでもあった場合、コントローラ150は、エラーメッセージを報知する(図14:S70)。」(段落[0065])

(17)「さらに、識別中のテープ押さえ100Aの種類が、部品供給テープ70に対応したテープ押さえ100Aの種類と適合しているか、フィーダ80A内で判断することが出来る。また、判断した結果をフィーダ80Aに設けられた図示しない表示装置に表示してもよい。前記表示装置は、例えば単体または複数の発光素子、或いは、7セグメントの発光素子であり、判断結果が適合のときと不適合のときとで、単体または複数の発光素子、或いは、7セグメントの発光素子の点灯状態を異ならせることにより、フィーダ80Aを扱う作業者は、テープ押さえと部品供給テープとの適合状態を容易に確認することが出来る。」(段落[0068])

(18)「また、識別したテープ押さえ100Aの種類が、フィーダ80Aに装着された部品供給テープ70の種類に適合しているか判断するようにしており、不適合なテープ押さえ100Aを装着したフィーダ80Aがある場合には、エラーメッセージを報知するようにしている。従って、テープ押さえ100Aの誤装着に伴う、電子部品Wの搬送不良やトップテープ75の切り開き動作の不良が起きることを抑制することが出来る。」(段落[0070])

したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「電子部品Wを部品供給位置Gに供給するフィーダ80Aであって、フレーム81と、前記フレーム81に設けられ、電子部品Wを一定の間隔で収容した部品供給テープ70を部品供給位置Gに向けて送出する送出装置90と、前記フレーム81に装着され、前記部品供給位置Gに向けて送出される部品供給テープ70の上面を押さえるテープ押さえ100Aと、を含み、前記テープ押さえ100Aは、前記テープ押さえ100Aの種類に応じた固有の識別情報を有し、前記フレーム81は、前記識別情報を読み取る読取部220と、前記読取部220により読み取った前記識別情報から特定されるテープ押さえ100Aの種類が、前記部品供給テープ70に対応したテープ押さえ100Aの種類と適合しているか、判断する制御部210と、前記制御部210による判断結果を表示する表示装置と、を有する、フィーダ80A。」

2 引用文献2について

また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2の段落[0020]-[0025]及び図11には、次の事項が記載されている。

(1)「このマグネット付きの電子部品供給装置を、図11に示す。図11(a)は、トップテープ4の剥離時における電子部品3の姿勢を適正に保つために、スリット12の付近において、部品供給ガイド23のテープ搬送面11の裏側に、電子部品3の取り出し方向とは反対方向に電子部品3を吸着する磁束を発生するマグネット24aを配設したものである。」(段落[0020])

(2)「また、図11(b)は、電子部品3の取り出し時において、その姿勢を適切に保つよう、電子部品取り出し部13の部品供給ガイド23のテープ搬送面11の裏側に、電子部品3の取り出し方向とは反対方向に電子部品3を吸着する磁束を発生するマグネット24bを配設したものである。」(段落[0021])

(3)「さらに、図11(c)は、電子部品供給テープ1を安定的に搬送するために、トップテープ4の剥離位置から電子部品取り出し部13にかけて、部品供給ガイド23のテープ搬送面11の裏側に、電子部品3の取り出し方向とは反対方向に電子部品3を吸着する磁束を発生するマグネット24cを配設したものである。」(段落[0022])

(4)「このように、部品供給ガイド23のトップテープ4の剥離位置から吸着ノズル14による電子部品取り出し部13にかけて、部品供給ガイド23のテープ搬送面11の裏側に、部分的あるいは全体的に電子部品3の取り出し方向とは反対方向に電子部品3を吸着する磁束を発生するマグネット24a~24cを配置することで、電子部品3の姿勢を適切に保つようにしたものである。」(段落[0023])

(5)「しかしながら、この特願平7-342822号に記載の方法では、一定の磁気を有したマグネット24a~24cを配設しているため、生産するプリント基板22の種類が変わり、電子部品供給装置6に載置する電子部品供給テープ1の大きさや質量などが変わると、電子部品供給テープ1の種類によっては、マグネット24a~24cの発生する磁束が強すぎて、電子部品取り出し部13へ電子部品3を供給することができなかったり、あるいは吸着ノズル14による電子部品3の取り出しができず、供給ミスを引き起こしたりすることがあった。また、マグネット24a~24cの発生する磁束が弱すぎると、電子部品供給テープ1の搬送時における収納部2での部品立ちを防止できない場合があった。」(段落[0024])

(6)「そのため、電子部品3を安定的に供給するには、電子部品供給テープ1に応じて、適切な磁力を持つマグネットにその都度取り替えるなどの調整が必要であった。」(段落[0025])

(7)図11

[図:0001387167000001.jpg]

3 引用文献3について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3の段落[0017]、[0022]には、次の事項が記載されている。

(1)「カメラ25で撮像した画像データは、部品照合用コンピュータ31(図3参照)に取り込まれる。部品照合用コンピュータ31には、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置32と、各種情報を表示する表示装置33と、各種プログラムやデータを記憶する記憶装置34と、テープリール23に貼着されたバーコードラベル35(部品識別情報記録部)のバーコードを読み取るバーコードリーダ36(部品識別情報読取手段)等が接続されている。テープリール23のバーコードラベル35には、該テープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品を識別する部品識別情報(以下「部品ID」と表記する)がバーコードで記録されている。部品IDの記録方法は、バーコードに限定されず、2次元コード等で記録しても良い。或は、部品IDのデータを記憶した電子タグ(RFタグ、ICタグ、電波タグ、無線タグとも呼ばれる)を用いても良い。電子タグを用いる場合は、電子タグと通信可能なリーダを部品識別情報読取手段として用いれば良い。」(段落[0017])

(2)「以上説明した本実施例1の部品向き判定の処理は、部品照合用コンピュータ31(部品向き判定手段)によって図5の部品向き判定プログラムに従って次のように実行される。図5の部品向き判定プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、フィーダセット治具11へのテープフィーダ13のセット作業が完了したか否かを判定し、セット作業が完了するまで待機する。このセット作業では、作業者がテープリール23に貼着されたバーコードラベル35をバーコードリーダ36で走査して部品IDを読み取ると共に、該テープリール23をテープフィーダ13に装着して部品供給テープ24をテープフィーダ13にセットして、該テープフィーダ13をフィーダセット治具11のフィーダセット台14に縦置き状態に載置して、テープフィーダ13の先端面のコネクタ22をフィーダセット台14のコネクタ18に差し込み接続して、テープフィーダ13に電源を供給する。尚、テープリール23をテープフィーダ13にセットする作業は、テープフィーダ13をフィーダセット治具11のフィーダセット台14にセットした状態で行うようにしても良い。また、作業者がセット作業完了後に入力装置32(セット作業完了スイッチ等)を操作してセット作業完了の信号を部品照合用コンピュータ31に入力するようにしても良い。」(段落[0022])

4 引用文献4について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4の段落[0018]、[0023]には、次の事項が記載されている。

(1)「部品供給装置Aには、複数のテープフィーダBが並列状態で配置されている。各フィーダBには、詳細は省略しているが、現在使用中のテープを巻回したリールB1と次使用のテープを巻回したリールB2が着脱可能に装着される。各テープにはその長手方向に一定間隔で部品が保持されており、これを巻回した各リールB1(B2)には、当該リールの部品種類及び部品数を含む部品情報としてバーコードC(部品情報識別子)が付されている。」(段落[0018])

(2)「部品情報(バーコードC)の読取手段であるバーコードリーダFが、リールB1(B2)に付されたバーコードCを読み取ると、そのバーコードCに記録された部品情報が制御手段Eに転送される(ステップ1)。制御手段Eは、その部品情報を受信すると当該部品情報に含まれる部品種類を認識して、当該部品種類を供給するテープフィーダDについてのみそのテープ挿入阻害部材Dを非阻害位置に変位させ、その他のテープフィーダDのテープ挿入阻害部材Dは阻害位置のままとする(ステップ2)。なお、図1では、非阻害位置に変位したテープ挿入阻害部材Dをハッチングで示し、阻害位置のままのテープ挿入阻害部材Dを白色で示している。」(段落[0023])

5 引用文献5について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5の段落[0047]には、次の事項が記載されている。

「次に、本実施形態のテープ自動セット装置1の動作を図面に基づいて説明する。テープ自動セット装置1の初期状態においては、図1に示すように、テープ移送装置50およびテープ保持開放装置70は、フィーダ保持台10からX方向に所定距離離間した状態に位置している。この状態で、図8および図9に示すように、作業者は、テープフィーダ90をフィーダ保持台10にセットする。すなわち、フィーダ本体91の底面を載置部12上の一対の支持ガイド14間に載置して挟持させ、フィーダ本体91の位置決めピン96bおよび電力供給端子96aを当接部13の位置決め穴16および電力供給部15にそれぞれ差込む。そして、テープリール3をリール取付部92に取付け、テープ自動セット装置1の制御装置100に備えられているフィーダセット完了ボタンを押す。」(段落[0047])

第6 対比・判断

1 本願発明1について

(1)対比

ア 本願発明1と引用発明とを対比すると、まず、引用発明の「電子部品W」は、本願発明1の「部品」に相当し、以下同様に、「フィーダ80A」は「テープフィーダ」に、「部品供給テープ70」は「部品供給テープ」に、「表示装置」は「表示装置」にそれぞれ相当する。

イ 次に、引用発明の「テープ押さえ100A」は、フィーダ80Aのフレーム81に装着されて、部品供給テープ70の上面を押さえるものである一方で、本願発明1の「サポートプレート」は、部品供給テープが通るテープ通路の底面部に交換可能に取り付けられて、部品供給テープの下面を支持するものであって、マグネット付きのものについては、当該マグネットの磁気吸引力によって部品供給テープの部品収容凹部内の部品の位置ずれ、傾き、飛び出しを防止するものである(本願明細書の段落[0001]、[0004]等を参照)。そうすると、引用発明の「テープ押さえ100A」と本願発明1の「サポートプレート」とは、「部品供給テープ関連部材」という点において共通する。

ウ 上記ア及びイによれば、引用発明の「前記フレーム81に装着され、前記部品供給位置Gに向けて送出される部品供給テープ70の上面を押さえるテープ押さえ100Aと、を含み」の態様と本願発明1の「部品供給テープが通るテープ通路の底面部に前記部品供給テープに収容された部品に対して所定の磁気吸引力を作用させるサポートプレートと、磁気吸引力を作用させないサポートプレートとを交換可能に取り付けるように構成されている」態様とは、「部品供給テープが通るテープ通路に部品供給テープ関連部材を設けた」点において共通する。

エ また、引用発明の「テープ押さえ100Aの種類が、前記部品供給テープ70に対応したテープ押さえ100Aの種類と適合しているか、判断する」に当たっては、電子部品Wの種類の情報を取得することは明らかである(上記第5の1(9)を参照)。そうすると、引用発明の「制御部210」も、電子部品Wについて、「前記部品供給テープに収容された部品の種類の情報を取得する部品種情報取得部」に相当する構成を備えることは明らかである。

オ 上記イ~エによれば、引用発明の「前記制御部210による判断結果を表示する表示装置」と、本願発明1の「前記組み合わせ判定部で判定した前記組み合わせの適否の判定結果に応じたメッセージを表示装置、音声装置、携帯端末の少なくとも1つに出力する判定結果出力部」とは、「前記部品供給テープに収容された部品の種類の情報に関するメッセージを表示装置に出力する出力部」の点において共通する。

カ 上記ア~オによれば、引用発明の「電子部品Wを部品供給位置Gに供給するフィーダ80A」であって「フレーム81」と「送出装置90」と「テープ押さえ100A」とを含むものと、本願発明1の「テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム」とは、「テープフィーダ」の点において共通する。

したがって、本願発明1と引用発明とは、次の点で一致し、相違すると認められる。

(一致点)

「部品供給テープが通るテープ通路に部品供給テープ関連部材を設けたテープフィーダであって、
前記部品供給テープに収容された部品の種類の情報を取得する部品種情報取得部と、
前記部品供給テープに収容された部品の種類の情報に関するメッセージを表示装置に出力する出力部と、
を備える、テープフィーダ。」

(相違点1)

本願発明1は、「テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム」に係るものであって、「テープフィーダ」の「部品供給テープ関連部材」が「部品供給テープが通るテープ通路の底面部に前記部品供給テープに収容された部品に対して所定の磁気吸引力を作用させるサポートプレートと、磁気吸引力を作用させないサポートプレートとを交換可能に取り付けるように構成されて」おり、「前記テープフィーダに設けられた前記サポートプレートの種類の情報を取得するサポートプレート種情報取得部」と「前記サポートプレート種情報取得部で取得した前記サポートプレートの種類と前記部品種情報取得部で取得した前記部品供給テープに収容された部品の種類との組み合わせの適否を判定する組み合わせ判定部」とを備えるのに対して、

引用発明は、「部品供給テープ70に対応したテープ押さえ100Aの種類」との適合を判断する「フィーダ80A」に係るものであって、「フィーダ80A」の「部品供給テープ関連部材」が「前記部品供給位置Gに向けて送出される部品供給テープ70の上面を押さえるテープ押さえ100A」であって、「前記テープ押さえ100Aの種類に応じた固有の識別情報」「を読み取る読取部220」と「前記読取部220により読み取った前記識別情報から特定されるテープ押さえ100Aの種類が、前記部品供給テープ70に対応したテープ押さえ100Aの種類と適合しているか、判断する制御部210」を備える点。

(相違点2)

本願発明1は、「前記組み合わせ判定部で判定した前記組み合わせの適否の判定結果に応じたメッセージを表示装置、音声装置、携帯端末の少なくとも1つに出力する判定結果出力部」を備えるのに対して、引用発明は、「前記制御部210による判断結果を表示する表示装置」を有する点。

(2)判断

事案に鑑み、上記相違点1について検討する。

引用文献2には、「部品供給ガイド23のテープ搬送面11の裏側にマグネット24a~24cを配置し、電子部品供給テープ1に収容された電子部品3に対して磁気吸引力を作用させることで、前記電子部品3の姿勢を適切に保つようにしたマグネット付きの電子部品供給装置」が記載されている。ここで、引用文献2の「マグネット24a~24c」が配設された「部品供給ガイド23」は、上記相違点1に係る本願発明1の「サポートプレート」に相当するものと認められる。

しかしながら、引用文献2には、上記のとおり、「部品供給ガイド23のテープ搬送面11の裏側にマグネット24a~24cを配置し、電子部品供給テープ1に収容された電子部品3に対して磁気吸引力を作用させることで、前記電子部品3の姿勢を適切に保つようにしたマグネット付きの電子部品供給装置」までは記載されているものの、上記相違点1に係る本願発明1の「テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム」は記載されていない。

また、上記相違点1に係る本願発明1の構成が引用文献3~5のいずれの文献にも記載されていないことは明らかである。

そうすると、テープ押さえ100Aを含むフィーダ80Aの発明ではあるものの、「テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム」の発明には該当しない引用発明に、引用文献2~5の記載事項をどのように組み合わせたとしても、上記相違点1に係る本願発明1の構成に到達することはできない。

したがって、上記相違点1に係る本願発明1の構成は、引用発明及び引用文献2~5の記載事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

(3)まとめ

以上のとおり、上記相違点2について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2~5の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明2について

本願発明2は、本願発明1に「前記テープフィーダを載置するフィーダセット作業台と、前記フィーダセット作業台と電気的に接続されるコンピュータ」及び「前記コンピュータに備えられ前記サポートプレートの種類と前記部品供給テープに収容された部品の種類との適正な組み合わせデータを記憶する記憶部」の事項を追加したものである。

本願発明2は、本願発明1の下位概念発明であり、上記相違点1及び2に係る本願発明1の構成を備えるものである。

したがって、本願発明2は、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2~5の記載事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本願発明3~8について

本願発明3~8は、本願発明1又は2の下位概念発明であり、上記相違点1及び2に係る本願発明1の構成を備えるものである。

したがって、本願発明3~8は、本願発明1又は2と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2~5の記載事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本願発明9について

本願発明9は、「テープフィーダのサポートプレート種/部品種組み合わせ確認システム」に係る発明である本願発明1を方法の発明の形式に変更したものであり、実質的には、上記相違点1に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2~5の記載事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第7 原査定について

上記第2に示した原査定の理由(特許法第29条第2項)については、審判請求時の補正により、本願発明1~9は、「部品供給テープが通るテープ通路の底面部に前記部品供給テープに収容された部品に対して所定の磁気吸引力を作用させるサポートプレートと、磁気吸引力を作用させないサポートプレートとを交換可能に取り付けるように構成されている」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1~5に基いて、容易に発明できたものとはいえない。

したがって、上記原査定の理由を維持することはできない。

第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-012049

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