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特許拒絶査定不服審判

2021-011878

高性能コンピューティング環境においてスケーラブルなビットマップに基づくP_Keyテーブルをサポートするためのシステムおよび方法

審判番号
2021-011878
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-504731外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年09月07日
審決日
2022年04月27日
公報発行日
2022年10月28日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (H04L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-504731「高性能コンピューティング環境においてスケーラブルなビットマップに基づくP_Keyテーブルをサポートするためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月 3日国際公開、WO2017/132392、平成31年 2月 7日国内公表、特表2019-503598〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 14項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、2017年(平成29年)1年26日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2016年1月27日 米国、2017年1月23日 米国、2017年1月25日 米国)を国際出願日とする特許出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

令和元年12月11日 :手続補正書の提出
令和2年11月25日付け:拒絶理由通知
令和3年 2月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 6月28日付け:拒絶査定(原査定)
令和3年 9月 7日 :審判請求書の提出

第2 本願発明

本願の請求項1ないし9に係る発明は、令和3年2月25日に提出された手続補正書による手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるものであり、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。

「 高性能コンピューティング環境においてスケーラブルなビットマップに基づくP_Keyテーブルをサポートするためのシステムであって、
1つ以上のマイクロプロセッサと、
少なくとも1つのサブネットとを備え、前記少なくとも1つのサブネットは、
1つ以上のスイッチを含み、前記1つ以上のスイッチは少なくともリーフスイッチを含み、前記1つ以上のスイッチの各々は、複数のスイッチポートを含み、前記少なくとも1つのサブネットはさらに、
続きを表示(全11行)
複数のホストチャネルアダプタを含み、各ホストチャネルアダプタは、少なくとも1つのホストチャネルアダプタポートを含み、前記少なくとも1つのサブネットはさらに、
複数のエンドノードを含み、前記複数のエンドノードの各々は、前記複数のホストチャネルアダプタのうちの少なくとも1つのホストチャネルアダプタに関連付けられ、
前記複数のエンドノードの各々は、複数のパーティションのうちの少なくとも1つに関連付けられ、
前記複数のパーティションの各々は、P_Key値に関連付けられ、前記システムはさらに、
前記複数のスイッチポートの各スイッチポートおよび前記複数のホストチャネルアダプタポートの各ホストチャネルアダプタポートに対して、ビットマップに基づくP_Keyテーブルを決定および設定するように構成された管理エンティティを備え、前記ビットマップに基づくP_Keyテーブルにおいて、P_Key値の表現は単一ビットであり、パーティションチェックを行う前記スイッチポートまたは前記ホストチャネルアダプタポートをP_Key値を含むパケットが通過することを許可されるかどうかを定義し、
前記複数のスイッチポートのうちのあるスイッチポートは、前記管理エンティティによって設定される複数のビットマップに基づくP_Keyテーブルのうちのあるビットマップに基づくP_Keyテーブルに関連付けられ、
複数の前記ホストチャネルアダプタポートのうちのあるホストチャネルアダプタポートは、前記管理エンティティによって設定される前記複数のビットマップに基づくP_Keyテーブルのうちのあるビットマップに基づくP_Keyテーブルに関連付けられる、システム。」

第3 原査定の拒絶の理由

令和3年6月28日付けの拒絶査定(以下、「原査定」という。)の拒絶の理由は、次のとおりのものである。

本願の請求項1ないし9に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:米国特許出願公開第2005/0271074号明細書

引用文献2:Feroz Zahid et al., Partition-aware routing to improve network isolation in InfiniBand based multi-tenant clusters, 2015 15th IEEE/ACM International Symposium on Cluster, Cloud and Grid Computing, 2015年5月,P.189-198

第4 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1について

(1)引用文献1の記載事項

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原査定で引用され、本願の優先日前に頒布された上記引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、強調のため当審で付した。以下同じ。)。

ア 「[0045] An example of an InfiniBand Architecture system area network is shown in FIG. 1. As can be seen from FIG. 1, the system area network 10 comprises an InfiniBand Architecture fabric (or subnet) 12 made up of cascaded switches and routers. The fabric 12 provides links between a number of processor nodes 14 and other nodes including a RAID subsystem 16, consoles 18, I/O chassis 20, storage 22 and a storage subsystem 24. The fabric 12 comprises a plurality of switches 26 with InfiniBand links 28 providing data connections between the switches 26 and between the nodes attached to the fabric 12. Also included in the fabric 12 is a router 30 for providing connections to and from other networks, which may be other InfiniBand Architecture subnets, non-InfiniBand Architecture LANs and WANs, and/or processor nodes. I/O units connected via the fabric 12 may range in complexity from single ASIC devices such as a SCSI (small computer systems interface) or LAN adapter to large memory rich RAID subsystems that rival a processor node in complexity. Collectively, the processor nodes 14, RAID subsystem 16, consoles 18, I/O chassis 20, storage 22 and storage subsystems 24 are known as end nodes 32.
[0046] Each end-node 32 includes a channel adapter, which may be a Host Channel Adapter (HCA) or a Target Channel Adapter (TCA). Host Channel Adapters are found in processor nodes 14, and Target Channel Adapters are found in I/O nodes 16, 18, 20, 22 and 24. Host Channel Adapters are configured to issue requests across the fabric 12, and Target Channel Adapters are configured to respond to such requests, for example by supplying requested data or storing supplied data.
[0047] Each channel adapter uses a queuing system based on Queue Pairs, one queue for send operations and one for receive operations. Each queue pair may therefore be considered to provide a virtual communication port for a channel adapter. Each channel adapter may have up to 224 Queue Pairs, which may be assigned individually or in combination to handle communications involving different parts (or consumers) of the end node 32. For example, a processor node 16 may comprise a plurality of processors and each processor may have one or more individual Queue Pairs assigned to handle requests and responses flowing to and from that particular processor of the processor node via fabric 12. Alternatively, or in addition, a processor of a given processor node 16 may be running more than one process and each process may have one or more Queue Pairs assigned to handle requests and responses flowing to and from that process via the fabric 12.
[0048] The interconnects 28 may be one of three classes, 1x, 4x or 12x, referring to the number of parallel lanes making up that interconnect. Each lane is a single serial connection over a single physical signal carrier path (whether electrical or optical). Thus the bandwidth available to each interconnect is defined by a combination of the number of lanes and the maximum data rate of the physical signal carrier making up each lane.
[0049] Examples of possible InfiniBand Architecture topologies are shown in FIGS. 2, 3 and 4. FIG. 2 shows a high level simplified topology example where a number of end nodes 32 are interconnected by the fabric 12. An InfiniBand Architecture network may be subdivided into subnets 13 interconnected by routers 30 as illustrated in FIG. 3. Any particular end node 32 may be attached to a single subnet 13 or to multiple subnets 13. Shown in FIG. 4 is an example of the structure of a subnet 13. The subnet 13 comprises end nodes 32, switches 26, routers 30 and subnet managers 34 interconnected by links 28. Each end node 32 may attach to a single switch 26, multiple switches 26 and/or directly with each other. In the case of a direct connection between end nodes 32, the two or more directly linked end nodes form in effect an independent subnet with no connectivity to the remainder of the devices attached to the main subnet, and one of the interconnected end nodes functions as the subnet manager for that link.」

[当審訳]

「[0045] 図1に、InfiniBandアーキテクチャのシステムエリアネットワークの一例を示す。図1から分かるように、システムエリアネットワーク10は、カスケード接続されたスイッチとルータからなるInfiniBandアーキテクチャファブリック(またはサブネット)12から構成されている。ファブリック12は、多数のプロセッサノード14と、RAIDサブシステム16、コンソール18、I/Oシャーシ20、ストレージ22、およびストレージサブシステム24を含む他のノードとの間のリンクを提供する。ファブリック12は、スイッチ26間及びファブリック12に取り付けられたノード間のデータ接続を提供するInfiniBandリンク28を有する複数のスイッチ26から構成される。また、ファブリック12には、他のネットワーク(他のInfiniBandアーキテクチャのサブネット、非InfiniBandアーキテクチャのLAN及びWAN、及び/又はプロセッサノードであってもよい)との接続を提供するためのルータ30が含まれる。ファブリック12を介して接続されるI/Oユニットは、SCSI(小型コンピュータシステムインターフェース)又はLANアダプタのような単一のASICデバイスから、プロセッサノードに匹敵する複雑さを持つ大規模なメモリリッチRAIDサブシステムまで、様々な複雑さを持つ可能性がある。プロセッサノード14、RAIDサブシステム16、コンソール18、I/Oシャーシ20、ストレージ22及びストレージサブシステム24を総称して、エンドノード32と呼ぶ。
[0046] 各エンドノード32はチャネルアダプタを含み、これはホストチャネルアダプタ(HCA)またはターゲットチャネルアダプタ(TCA)であってもよい。ホストチャネルアダプタはプロセッサノード14にあり、ターゲットチャネルアダプタはI/Oノード16、18、20、22及び24にある。ホストチャネルアダプタは、ファブリック12にわたって要求を発行するように構成され、ターゲットチャネルアダプタは、例えば要求されたデータを供給し、又は供給されたデータを格納することによって、そのような要求に応答するように構成される。
[0047] 各チャネルアダプタは、キューペアに基づくキューイングシステムを採用しており、1つのキューは送信動作用、1つのキューは受信動作用となっている。したがって、各キューペアは、チャネルアダプタの仮想的な通信ポートを提供すると考えることができる。各チャネルアダプタは、エンドノード32の異なる部分(または消費者)を主体とする通信を処理するために、個別にまたは組み合わせて割り当てることができる最大224のキューペアを有することができる。例えば、プロセッサノード16は、複数のプロセッサから構成されてもよく、各プロセッサは、ファブリック12を介してプロセッサノードのその特定のプロセッサとの間に流れる要求及び応答を処理するために割り当てられた1つ又は複数の個別のキューペアを有していてもよい。代替的に、または追加的に、所定のプロセッサノード16のプロセッサは、複数のプロセスを実行していてもよく、各プロセスは、ファブリック12を介してそのプロセスとの間に流れる要求および応答を処理するために割り当てられた1つ又は複数のキューペアを有していてもよい。
[0048] 相互接続28は、その相互接続を構成する並列レーンの数を示す、1x、4x、12xの3つのクラスのいずれかとすることができる。各レーンは、単一の物理信号キャリアのパス(電気的か光学的かを問わない)上の単一のシリアル接続である。したがって、各相互接続で利用可能な帯域幅は、レーン数と各レーンを構成する物理信号キャリアの最大データレートとの組み合わせによって定義される。
[0049] 考えられるInfiniBandアーキテクチャのトポロジーの例を図2、図3、図4に示す。図2は、多数のエンドノード32がファブリック12によって相互接続されている高レベルの簡略化されたトポロジーの例を示す。InfiniBandアーキテクチャのネットワークは、図3に示されるように、ルータ30によって相互接続されたサブネット13に細分化されることがある。任意の特定のエンドノード32は、単一のサブネット13に接続されてもよいし、複数のサブネット13に接続されてもよい。図4に示されるのは、サブネット13の構造の一例である。サブネット13は、リンク28によって相互接続されたエンドノード32、スイッチ26、ルータ30及びサブネットマネージャ34から構成される。各エンドノード32は、単一のスイッチ26に、複数のスイッチ26に、及び/又は互いに直接、接続することができる。エンドノード32間の直接接続の場合、2つ以上の直接接続されたエンドノードは、メインサブネットに取り付けられた残りのデバイスへの接続性を持たない独立したサブネットを実質的に形成し、相互接続されたエンドノードの1つはそのリンクに対するサブネットマネージャとして機能する。」

[当審注]

[0047](2箇所)に記載の「a processor node 16」(プロセッサノード16)は、いずれも「a processor node 14」(プロセッサノード14)の誤記と認められる。

イ 「[0063] FIG. 10 illustrates a switch 26 for use in fabric 12 in accordance with one embodiment of the invention. Switch 26 is implemented as a semiconductor device, for example an application specific integrated circuit (ASIC), and includes a management control interface 865, a subnet management agent (SMA) 866, multiple ports 81, and a switching matrix 850.
[0064] The management interface 865 provides access to the switch 26 for one or more external control systems, and can be used to configure switch 26 as appropriate depending upon the circumstances. For example, the subnet management agent 866 can communicate with the subnet manager 34 (see FIG. 4) via management interface 865.」

[当審訳]

「[0063] 図10は、本発明の一実施形態によるファブリック12で使用するためのスイッチ26を示す図である。スイッチ26は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの半導体デバイスとして実装され、管理制御インタフェース865、サブネット管理エージェント(SMA)866、複数のポート81、およびスイッチングマトリックス850を含む。
[0064] 管理インタフェース865は、1つ以上の外部制御システムに対してスイッチ26へのアクセスを提供し、状況に応じてスイッチ26を適切に構成するために使用することができる。例えば、サブネット管理エージェント866は、管理インタフェース865を介して、サブネットマネージャ34(図4参照)と通信することができる。」
ウ 「[0070] The InfiniBand Architecture supports the concept of partitioning in order to provide logical isolation of components sharing the same subnet. All nodes included in a route from a source to a destination must share the same 16-bit partition key (P_Key), otherwise they are unable to communicate with one another (or even to recognise each other's existence). An individual node may support multiple partition keys, and so belong to multiple different partitions.
[0071] A member of a partition can be denoted as a full member or a limited (partial) member, dependent on the high-order bit of the partition key. A full member can communicate with either a limited member or a full member, but a limited member cannot communicate with another limited member of that partition (only a full member). This model corresponds to a client-server architecture, where servers are full members and clients are partial members, and clients do not need generally to talk directly to one another.
[0072] Each queue pair at an end node has a partition key table which is assigned to it by the subnet manager 34 (see FIG. 4). A queue pair is assigned an index into the partition key table, and can then use this index to obtain and store the appropriate partition key into the local route header (LRH) for each outgoing packet. Conversely, a queue pair receiving a packet checks that the P_Key value within the incoming packet matches the indexed P_Key value in the P_Key table (if not, the incoming packet is discarded).」

[当審訳]

「[0070] InfiniBandアーキテクチャは、同じサブネットを共有するコンポーネントを論理的に分離するために、パーティショニングの概念をサポートしている。送信元から送信先への経路に含まれるすべてのノードは、同じ16ビットパーティションキー(P_Key)を共有しなければならず、そうでなければ互いに通信できない(互いの存在を認識することさえできない)。個々のノードは複数のパーティションキーをサポートし、複数の異なるパーティションに属することができる。
[0071] パーティションのメンバーは、パーティションキーの上位ビットに依存して、フルメンバーまたはリミテッド(部分)メンバーとして示されることができる。フルメンバーはリミテッドメンバーまたはフルメンバーと通信できるが、リミテッドメンバーはそのパーティションの別のリミテッドメンバーと通信できない(フルメンバーのみ)。このモデルは、サーバーがフルメンバー、クライアントがパーシャルメンバーであって、クライアントは一般に互いに直接会話する必要はないクライアントサーバーアーキテクチャに相当する。
[0072] エンドノードの各キューペアは、サブネットマネージャ34(図4参照)により割り当てられるパーティションキーテーブルを有する。キューペアは、パーティションキーテーブルにインデックスを割り当てられ、その後、このインデックスを使用して、各発信パケットのローカルルートヘッダー(LRH)に適切なパーティションキーを取得し格納することが可能である。逆に、パケットを受信するキューペアは、受信パケット内のP_Key値がP_Keyテーブル内のインデックス付きP_Key値と一致することをチェックする(一致しない場合、受信パケットは廃棄される)。」
エ 「[0080] 2)Service Level Verification
[0081] The InfiniBand specification generally assumes that the InfiniBand fabric is secure. Hence the main security focus is on controlling which ports can communicate, and what packet traffic can be initiated by end ports in the fabric. This can lead to an exposure to certain problems, whether caused accidentally (e.g. by failed hardware or a software bug) or deliberately (e.g. by a hacker).
[0082] For example, existing networks perform only limited checking of the service level (SL) value within a packet. In particular, a port only checks that the SL value in an incoming packet corresponds to a virtual lane (VL) in the SL-to-VL mapping for the outward link on which the packet is to be forwarded. If this is not the case, then the packet is discarded because there is no virtual lane over which it can be forwarded. This check is therefore based solely on the SL-to-VL mappings, and so is dependent only upon the SL value in an incoming packet, the port at which the packet is received into the switch, and the port from which the packet is to be forwarded from the switch.
[0083]…(中略)…
[0084] Accordingly, one embodiment of the invention allows a partition to be assigned one or more permitted SL values. The switch 26 then confirms for each received packet that the SL value in the incoming packet matches or correlates with an SL value permitted for the partition in which that particular packet is being transmitted (as determined by the P_Key value in the packet). If the packet does not have an appropriate SL value, it can be discarded, thereby avoiding disruption to network performance.
[0085] FIG. 11 depicts a flowchart for checking the SL value in a packet in accordance with one embodiment of the invention. The method commences with setting up the network (910), which includes allocating partitions to the port (915). This generally involves populating P_Key tables for the nodes in the network. A P_Key table indicates whether or not a given port is a member of a particular partition, and also whether it is a full member or just a limited member of that partition. It will be appreciated that allocating partitions in this manner is part of existing InfiniBand systems, and so will be familiar to the skilled person.
[0086]…(中略)…
[0087]…(中略)…
[0088] Once the set-up operations 910, 915 and 920 have completed, a port receives an incoming packet (930). The P_Key value and the SL value are extracted from the packet header (935). This then allows the P_Key value to be checked in the P_Key table (as for known implementations) in order to ensure that the incoming packet belongs to an allowed partition. In addition, it is confirmed that the SL value in the packet header is permitted for the partition identified in the packet header (940). In other words, the system checks that the SL value in the packet matches one of the service levels allocated to the partition at operation 920.
[0089] If the P_Key and SL values are validated, then the packet is accepted (950) for further processing, i.e. passed to the appropriate output port for the destination node. However, if the validation fails, either because the packet belongs to a partition not supported by the port, or because the packet specifies a service level that is not appropriate to the partition on which the packet is travelling, then an error results (960). In this case, the packet is discarded, and an error may be transmitted to the subnet manager. Note that the exact processing for error handling at operation 960 may vary according to the type of error, namely whether there was a P_Key violation or an SL violation. In one embodiment, the default behaviour for an SL violation is to mirror the behaviour for a P_Key violation (as described in the InfiniBand specification).」

[当審訳]

「[0080] 2)サービスレベルの検証
[0081] InfiniBandの仕様は、一般的に、InfiniBandのファブリックが安全であることを前提としている。したがって、セキュリティの主眼は、どのポートが通信できるか、及び、どのパケットトラフィックがファブリック内のエンドポートによって発信できるかを制御することにある。このことにより、偶発的(ハードウェアの故障やソフトウェアのバグなど)にも、故意(ハッカーなど)にも、ある種の問題にさらされる可能性がある。
[0082] 例えば、既存のネットワークでは、パケット内のサービスレベル(SL)値のチェックは限定的にしか行われない。特に、ポートは、受信パケット内のSL値が、パケットを転送する往路リンクのSL-VLマッピング内の仮想レーン(VL)に対応することをチェックするだけである。もしそうでなければ、パケットを転送できる仮想レーンが存在しないため、パケットは廃棄される。このチェックは、SL-VLマッピングのみに基づくため、受信パケットのSL値、パケットを受信したスイッチのポート、パケットを転送するスイッチのポートにのみ依存することになる。
[0083]…(中略)…
[0084] したがって、本発明の一実施形態では、パーティションに1つ以上の許容SL値を割り当てることができる。そして、スイッチ26は、受信パケットごとに、受信パケット内のSL値が、その特定のパケットが送信されているパーティション(当該パケット内のP_Key値により決定される)に対して許可されたSL値と一致又は相関することを確認する。パケットが適切なSL値を有していない場合、そのパケットは廃棄され、それによってネットワーク性能の中断を回避することができる。
[0085] 図11は、本発明の一実施形態によるパケット内のSL値を確認するためのフローチャートを示す図である。この方法は、ポートにパーティションを割り当てること(915)を含むネットワークの設定(910)から開始される。これは、一般的に、ネットワーク内のノードのためのP_Keyテーブルを入力することを含む。P_Keyテーブルは、所定のポートが特定のパーティションのメンバーであるか、また、そのパーティションのフルメンバーであるか単なる限定メンバーであるかを示すものである。このようなパーティションの割り当ては、既存のInfiniBandシステムの一部であり、当業者には馴染み深いものであることが理解されよう。
[0086]…(中略)…
[0087]…(中略)…
[0088] セットアップ動作910、915、920が完了すると、ポートは受信パケットを受信する(930)。パケットヘッダからP_Key値およびSL値が抽出される(935)。これにより、受信パケットが許可されたパーティションに属することを確実にするために、P_KeyテーブルにおいてP_Key値がチェックされる(既知の実装の場合と同様)。さらに、パケットヘッダ内のSL値が、パケットヘッダ内で特定されたパーティションに対して許可されていることが確認される(940)。言い換えれば、システムは、パケット内のSL値が、操作920においてパーティションに割り当てられたサービスレベルの1つに一致することを確認する。
[0089] P_Key値とSL値が検証された場合、パケットはさらなる処理のために受け入れられ(950)、すなわち、宛先ノードのための適切な出力ポートに渡される。しかし、パケットがポートによってサポートされていないパーティションに属するか、またはパケットが移動しているパーティションに適切でないサービスレベルを指定するため、検証が失敗した場合、エラーが発生する(960)。この場合、パケットは廃棄され、サブネットマネージャにエラーが送信されることがある。操作960におけるエラー処理のための正確な処理は、エラーのタイプ、すなわち、P_Key違反があったか、SL違反があったかによって異なる可能性があることに留意されたい。一実施形態では、SL違反に対するデフォルトの動作は、P_Key違反に対する動作(InfiniBand仕様に記載されているように)をミラーリングすることである。」
オ 「[0092] Port 81 further includes a logic unit 703. The logic unit 703 takes the P_Key value extracted from the incoming packet 701 and accesses a content addressable memory (CAM) 1205 on the basis of this P_Key value 1221. The CAM 1205 incorporates a P_Key table 1208, which contains all the partition keys that are valid for that port. For example, in the particular embodiment shown in FIG. 12, port 81 is included in partitions PK0A, PK0B, PK0C, PK0D, and PK0E.
[0093] If the received partition key 1221 matches one of the values in the P_Key table 1208, then CAM 1205 detects a hit, implying that the incoming packet 701 belongs to a partition supported by port 81. In this case, the CAM 1205 outputs an index value 1222 representing the location of the matched P_Key value in P_Key table 1208. On the other hand, if no match is found, then the incoming packet 701 does not belong to a partition supported by port 81 and so must be discarded (i.e. corresponding to operation 960 in FIG. 11). This failure may be indicated by the absence of an index signal 1222, or by some predetermined special index value (such as #1). Alternatively, the CAM 1205 may support a specific mechanism (not shown in FIG. 12) to indicate such a failure to logic 703.
[0094] Assuming that the P_Key value 1221 from the incoming packet 701 does correspond to a value in the P_Key table 1208, a test is now made to determine whether or not the SL field in the incoming packet 701 is appropriate for the partition to which the incoming packet belongs. In order to make this test, port 81 includes a table of SL masks 1218. The masks are illustrated schematically in FIG. 12 as SM0A, SM0B, SM0C, SM0D, and SM0E.
[0095] Note that the position of each mask in table 1218 corresponds with the position of its associated partition in P_Key table 1208. In other words, an SL mask having an index value of N in the SL mask table 1218 corresponds to the partition having a partition key with index N in the P_Key table 1208. Consequently, once an index value 1222 for the incoming packet 701 has been determined from P_Key table 1208, this index value can be passed to the SL mask table 1218 in order to locate the SL mask for that particular partition. The relevant SL mask 1223 can then be returned to logic 703 for authentication of the SL value in the incoming packet.
[0096] In one embodiment, an SL mask 1222 is implemented as a 16-bit mask. Each bit in the SL mask corresponds to one possible service level, and is used to indicate whether or not that particular service level is supported for the partition associated with the SL mask. For example, a mask bit value of 0 could indicate that the partition does not support this service level, while a value of I could indicate that the partition does support this particular service level. It will be appreciated that this approach for defining an SL mask allows a partition to support any arbitrary combination of service levels.
[0097]…(中略)…
[0098] Once logic 703 has received SL mask 1223 for the incoming packet 701 (i.e. the SL mask corresponding to the partition key included in the incoming packet 701), it can use this mask to verify the SL value in the incoming packet 701. In particular, logic 703 can determine the value of the SL field in incoming packet 701, and use this value to access the corresponding bit within SL mask 1218. For example, if the SL value in the packet is 4, then logic 703 can access the bit in position 4 within SL mask 1223. More generally, if the SL value is N, logic 703 accesses the bit in position N within the SL mask. The incoming SL value is then accepted or rejected depending upon the mask setting. For example, if the mask has a value of 0 in the bit position corresponding to the received SL value, then assuming the above polarity, this indicates that the SL value in the received packet is not supported by the partition. Accordingly, an error results, corresponding to operation 960 in FIG. 11. Alternatively, if there is a 1 in the relevant location of the SL mask 1223, then the SL value from the received packet is indeed supported for the partition to which the packet belong. Hence the packet can be processed normally, corresponding to operation 950 in FIG. 11.」

[当審訳]

「[0092] ポート81は、さらに、ロジックユニット703を含む。ロジックユニット703は、受信パケット701から抽出されたP_Key値を取り込み、このP_Key値1221に基づいてコンテンツアドレッサブルメモリ(CAM)1205にアクセスする。CAM1205には、P_Keyテーブル1208が組み込まれており、このテーブルには、そのポートに対して有効な全てのパーティションキーが格納されている。例えば、図12に示す特定の実施形態では、ポート81は、パーティションPK0A、PK0B、PK0C、PK0D、およびPK0Eに含まれる。
[0093] 受信したパーティションキー1221がP_Keyテーブル1208の値の1つと一致する場合、CAM1205はヒットを検出し、受信パケット701がポート81によってサポートされるパーティションに属することを示す。この場合、CAM1205は、P_Keyテーブル1208における一致したP_Key値の位置を表すインデックス値1222を出力する。一方、一致するものがない場合、受信パケット701はポート81がサポートするパーティションに属さないため、廃棄しなければならない(すなわち、図11の動作960に対応する)。この失敗は、インデックス信号1222がないこと、または何らかの予め定められた特別なインデックス値(#1など)によって示され得る。あるいは、CAM1205は、このような障害を論理703に示すための特定のメカニズム(図12には示されていない)をサポートしてもよい。
[0094] 受信パケット701からのP_Key値1221がP_Keyテーブル1208の値に対応していると仮定すると、今度は受信パケット701のSLフィールドが受信パケットが属するパーティションに適切かどうかを判断するためのテストが行われる。このテストを行うために、ポート81は、SLマスク1218のテーブルを含む。マスクは、図12において、SM0A、SM0B、SM0C、SM0D、およびSM0Eとして模式的に示されている。
[0095] テーブル1218における各マスクの位置は、P_Keyテーブル1208におけるその関連するパーティションの位置と対応していることに留意されたい。言い換えれば、SLマスクテーブル1218においてインデックス値Nを有するSLマスクは、P_Keyテーブル1208においてインデックスNを有するパーティションキーを有するパーティションに対応する。その結果、受信パケット701に対するインデックス値1222がP_Keyテーブル1208から決定されると、このインデックス値は、その特定のパーティションに対するSLマスクを突き止めるために、SLマスクテーブル1218に渡されることが可能である。関連するSLマスク1223は、次に、受信パケット内のSL値の認証のためにロジック703に返されることができる。
[0096] 一実施形態では、SLマスク1222は、16ビットマスクとして実装される。SLマスクの各ビットは、1つの可能なサービスレベルに対応し、その特定のサービスレベルがSLマスクに関連付けられたパーティションに対してサポートされているか否かを示すために使用される。例えば、マスクビットの値0は、パーティションがこのサービスレベルをサポートしないことを示すことができ、値Iは、パーティションがこの特定のサービスレベルをサポートすることを示すことができる。このようにSLマスクを定義することで、パーティションが任意のサービスレベルの組み合わせをサポートできるようになることが理解されよう。
[0097]…(中略)…
[0098] ロジック703は、受信パケット701のSLマスク1223(すなわち、受信パケット701に含まれるパーティションキーに対応するSLマスク)を受信すると、このマスクを使用して受信パケット701内のSL値を確認することができる。特に、ロジック703は、受信パケット701内のSLフィールドの値を決定し、この値を使用して、SLマスク1218内の対応するビットにアクセスすることができる。例えば、パケット内のSL値が4である場合、ロジック703は、SLマスク1223内の位置4のビットにアクセスすることができる。より一般的には、SL値がNである場合、ロジック703は、SLマスク内の位置Nのビットにアクセスする。次いで、受信したSL値は、マスク設定に依存して、受け入れられるか、または拒絶される。例えば、マスクが受信したSL値に対応するビット位置に値0を有する場合、上記の極性を仮定すると、これは、受信したパケット内のSL値がパーティションによってサポートされていないことを示す。従って、図11の動作960に対応するエラーが発生する。あるいは、SLマスク1223の関連する場所に1がある場合、受信したパケットからのSL値は、そのパケットが属するパーティションに対して確かにサポートされている。したがって、パケットは、図11の動作950に対応するように、正常に処理され得る。」

[当審注]

[0096]に記載の「a value of I」(値I)は、[0098]の記載を参酌すれば、「a value of 1」(値1)の誤記と認められる。

カ 「[0102] It will be appreciated that the SL mask table 1218 in the embodiment of FIG. 12 has (approximately) the same size as the P_Key table 1208, since both contain one 16 bit value for each partition supported by the port. In some other embodiments, P_Key table 1208 may be implemented using a bit mask having one bit for each potential P_Key value, to indicate whether or not a port is a member of the relevant partition. The size of such a P_Key table would be 8 Kbytes (1 bit for each of 64K possible keys). (This is larger than the size of P_Key table in FIG. 12, since the number of partitions supported by any given port is likely to be only a small proportion of the total number of possible partitions, but it does avoid the use of content addressable memory, which may be desirable for design reasons).
[0103] In such an embodiment having a P_Key table in the form of a bit mask, service level can be correlated with partition by again associating an SL bit mask with each partition. Note however, this would significantly increase the size of the P_Key table in order to accommodate a 16-bit SL mask for each partition key (or require storage of a separate SL mask table of this size).」

[当審訳]

「[0102] 図12の実施形態におけるSLマスクテーブル1218は、両方ともポートによってサポートされる各パーティションについて1つの16ビット値を含むので、P_Keyテーブル1208と(ほぼ)同じサイズを有することが理解されよう。いくつかの他の実施形態では、P_Keyテーブル1208は、ポートが関連するパーティションのメンバーであるか否かを示すために、取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装され得る。このようなP_Keyテーブルのサイズは、8Kバイト(64Kの可能なキーの各々に対して1ビット)であろう。(これは、任意のポートによってサポートされるパーティションの数が可能なパーティションの総数のわずかな割合であると考えられるため、図12のP_Keyテーブルのサイズよりも大きくなるが、コンテンツアドレッサブルメモリの使用を回避することができ、これは設計上の理由から望ましい)。
[0103] このようなビットマスク形式のP_Keyテーブルを有する実施形態では、各パーティションにあらためてSLビットマスクを関連付けることにより、サービスレベルをパーティションに関連付けることができる。ただし、各パーティションキーに16ビットのSLマスクを対応させるために、P_Keyテーブルのサイズが大幅に増加する(または、このサイズの別のSLマスクテーブルを記憶する必要がある)ことに注意が必要である。」
キ 「Fig.1(図1)
[図:0001388982000001.jpg]
」(当審訳は省略)
ク 「Fig.3(図3)
[図:0001388982000002.jpg]
」(当審訳は省略)
ケ 「Fig.4(図4)
[図:0001388982000003.jpg]
」(当審訳は省略)
コ 「Fig.10(図10)
[図:0001388982000004.jpg]
」(当審訳は省略)
サ 「Fig.11(図11)
[図:0001388982000005.jpg]
」(当審訳は省略)
シ 「Fig.12(図12)
[図:0001388982000006.jpg]
」(当審訳は省略)

(2)引用発明

前記(1)アで摘記した[0045]、[0049]等の記載からして、引用文献1には、「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」の発明が記載されているといえる。

また、前記(1)エの[0085]及び[0088]に記載の「ポート」は、先行する[0084]の記載からして、具体的には、「スイッチ26」の「ポート81」(上記イの[0063]参照。)を含んでいると理解することができる。

よって、前記(1)のアないしエ及びカないしサの特に下線部に着目すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 InfiniBandアーキテクチャのネットワークであって、
プロセッサノード14、RAIDサブシステム16、コンソール18、I/Oシャーシ20、ストレージ22及びストレージサブシステム24を総称して、エンドノード32と呼び、
各エンドノード32はチャネルアダプタを含み、これはホストチャネルアダプタ(HCA)またはターゲットチャネルアダプタ(TCA)であってもよく、ホストチャネルアダプタはプロセッサノード14にあり、
各チャネルアダプタは、キューペアに基づくキューイングシステムを採用し、各キューペアは、チャネルアダプタの仮想的な通信ポートを提供し、各チャネルアダプタは、最大224のキューペアを有することができ、
続きを表示(全17行)
プロセッサノード14は、複数のプロセッサから構成され、
InfiniBandアーキテクチャのネットワークは、ルータ30によって相互接続されたサブネット13に細分化され、
サブネット13は、リンク28によって相互接続されたエンドノード32、スイッチ26、ルータ30及びサブネットマネージャ34から構成され、各エンドノード32は、単一のスイッチ26に、複数のスイッチ26に、及び/又は互いに直接、接続することができ、
スイッチ26は、管理制御インタフェース865、サブネット管理エージェント(SMA)866、複数のポート81、およびスイッチングマトリックス850を含み、
管理インタフェース865は、1つ以上の外部制御システムに対してスイッチ26へのアクセスを提供し、状況に応じてスイッチ26を適切に構成するために使用し、サブネット管理エージェント866は、管理インタフェース865を介して、サブネットマネージャ34と通信し、
InfiniBandアーキテクチャは、同じサブネットを共有するコンポーネントを論理的に分離するために、パーティショニングの概念をサポートし、送信元から送信先への経路に含まれるすべてのノードは、同じ16ビットパーティションキー(P_Key)を共有し、そうでなければ互いに通信できない(互いの存在を認識することさえできない)よう構成され、
個々のノードは複数のパーティションキーをサポートし、複数の異なるパーティションに属することができ、
エンドノードの各キューペアは、サブネットマネージャ34により割り当てられるパーティションキーテーブルを有し、
ネットワークのノードのためのP_Keyテーブルは、スイッチ26の所定のポート81が特定のパーティションのメンバーであるかを示すものであり、
スイッチ26のポート81は、受信パケットを受信し、パケットヘッダからP_Key値およびSL値が抽出され、P_Key値とSL値が検証された場合、パケットはさらなる処理のために受け入れられ、宛先ノードのための適切な出力ポートに渡され、検証が失敗した場合、パケットは廃棄され、
P_Keyテーブル1208は、ポートが関連するパーティションのメンバーであるか否かを示すために、取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装され、このようなP_Keyテーブルのサイズは、8Kバイト(64Kの可能なキーの各々に対して1ビット)であり、
このようなビットマスク形式のP_Keyテーブルを有する実施形態では、各パーティションにあらためてSLビットマスクを関連付けることにより、サービスレベルをパーティションに関連付けることができ、ただし、各パーティションキーに16ビットのSLマスクを対応させるために、P_Keyテーブルのサイズが大幅に増加する、
InfiniBandアーキテクチャのネットワーク。」

2 引用文献2について

原査定で引用され、本願の優先日前に頒布された上記引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている。

ス 第189頁左欄

「I. INTRODUCTION AND MOTIVATION
Over the last decade, we have seen a continuous growth in the popularity of InfiniBand (IB) [1] as a network interconnect for high-performance computing (HPC) systems and data centers. The most recent Top 500 [2] supercomputer list reports that more than 44% of the top supercomputers in the world use IB as their interconnect. Recently, the use of IB in multi-tenant cloud computing environments has also been explored [3], [4]. The popularity of IB is largely attributed to its high-throughput and low-latency characteristics.」

[当審訳]

「I. 導入と動機
過去10年間、高性能コンピューティング(HPC)システムおよびデータセンタのネットワーク相互接続として、InfiniBand(IB)[1]の人気が継続的に高まっていることが確認されている。最新のスーパーコンピュータリストTop500[2]によると、世界のトップスーパーコンピュータの44%以上が相互接続としてIBを使用していることが報告されている。最近では、マルチテナント・クラウド・コンピューティング環境でのIB利用も検討されている[3], [4]。IBの人気は、その高スループットと低レイテンシーの特性に大きく起因している。」

セ 第190頁右欄

「II. INFINIBAND ARCHITECTURE
IB [1] is an open standard lossless network technology developed by IBTA3. The technology defines a serial point-to-point full-duplex interconnect that offers high throughput and low latency communication. An IB network consists of one or more subnets interconnected using routers. Within a subnet, hosts are connected using switches and point-to-point links. There is one master management entity, the subnet manager (SM) - residing on any designated subnet device - that configures, activates, and maintains the IB subnet. Through the subnet management interface, the SM exchanges control packets, called subnet management packets (SMPs), with the subnet management agents (SMAs) that reside on every IB device. Using SMPs, the SM is able to discover the fabric, configure end nodes and switches, and receive notifications from SMAs. The SM also performs periodic light sweeps of the subnet to detect any topology changes and reconfigures the network accordingly. More details about the subnet discovery mechanism are given in [14].」

[当審訳]

「II. InfiniBandアーキテクチャ
IB[1]は、IBTA3が開発したオープンスタンダードのロスレスネットワーク技術である。この技術は、高スループットと低レイテンシー通信を提供するシリアルのポイントツーポイント全二重相互接続を定義している。IBネットワークは、ルーターを用いて相互接続された1つ以上のサブネットで構成されている。サブネット内では、ホストはスイッチとポイントツーポイントリンクで接続されている。サブネットマネージャ(SM)は、指定されたサブネットデバイスに常駐し、IBサブネットの設定、活性化、維持を行うマスター管理エンティティである。SMは、サブネット管理インタフェースを介して、サブネット管理パケット(SMP)と呼ばれる制御パケットを、すべてのIBデバイスに存在するサブネット管理エージェント(SMA)と交換する。SMPを利用して、SMはファブリックの検出、エンドノードやスイッチの設定、SMAからの通知の受信を行うことができる。また、SMは定期的にサブネットのライトスイープを行い、トポロジーの変化を検出し、それに応じてネットワークを再構成する。サブネットの検出メカニズムの詳細は[14]に記載されている。」

ソ 第190頁右欄~第191頁左欄

「B. Partitioning
Partitioning is a security mechanism provided by IB to enforce isolation of logical groups of systems sharing a network fabric. The IB partitions provide similar isolation features as Ethernet 802.1Q VLANs [15]. Each HCA port on a node in the fabric can be a member of one or more partitions. Partition memberships are managed by a centralized partition manager, which is a part of the SM. The SM configures partition membership information on each port as a table of 16-bit partition keys (P Keys). The SM also configures switches and routers with the partition enforcement tables containing P Key information associated with the LIDs.
For the communication between nodes, Queue Pairs (QPs) and End-to-End contexts (EECs) are assigned to a particular partition, except for the management Queue Pairs (QP0 and QP1). The P Key information is then added to every IB transport packet sent. When a packet arrives at an HCA port or a switch, its P Key value is validated against the table configured by the SM. If an invalid P Key value is found, the packet is discarded immediately. In this way, communication is allowed only between ports sharing a partition. An example of IB partitions is shown in Figure 1. Node C and D are not allowed to communicate as they do not share a partition.」

[当審訳]

「B. パーティショニング
パーティショニングは、IBが提供するセキュリティ・メカニズムで、ネットワーク・ファブリックを共有するシステムの論理グループを分離することを強制する。IBパーティションは、Ethernet 802.1Q VLANと同様の分離機能を提供する[15]。ファブリック内のノードにある各HCAポートは、1つまたは複数のパーティションのメンバーになることができる。パーティション・メンバーシップは、SMの一部である集中型パーティション・マネージャによって管理される。SMは、各ポートのパーティション・メンバーシップ情報を、16ビット・パーティション・キー(P_Keys)のテーブルとして設定する。また、SMは、スイッチやルータにも、LIDに対応したP_Key情報を含むパーティション・エンフォースメント・テーブルを設定する。
ノード間の通信では、管理キューペア(QP0、QP1)を除き、キューペア(QP)とエンドツーエンドコンテキスト(EEC)が特定のパーティションに割り当てられている。そして、送信されるすべてのIBトランスポートパケットにP_Key情報が付加される。パケットがHCAポートまたはスイッチに到着すると、そのP_Key値は、SMが設定したテーブルと照合され、検証される。もし無効なP_Key値が見つかった場合、そのパケットは直ちに破棄される。このように、パーティションを共有するポート間でのみ通信が可能となる。図1にIBパーティションの例を示す。ノードCとDはパーティションを共有していないので、通信はできない。」

タ 第191頁右欄

「The algorithm aims to generate LFTs that evenly spread shortest-path routes across the links in the network fabric. The algorithm traverses the fabric in the indexing order and assigns target LIDs of the end nodes, and thus the corresponding routes, to each switch port. For the end nodes connected to the same leaf switch, the indexing order depends on the switch port to which the end node is connected (port numbering sequence). For each port, the algorithm maintains a port usage counter and uses it to select the least-used port each time a new route is added.」

[当審訳]

「このアルゴリズムは、ネットワーク・ファブリック内のリンクに最短経路を均等に分散させたLFTを生成することを目的としている。このアルゴリズムは、ファブリックをインデックス順にトラバースし、エンドノードのターゲットLID、ひいては対応する経路を各スイッチポートに割り当てる。同じリーフスイッチに接続されているエンドノードの場合、インデキシング順序はエンドノードが接続されているスイッチポートに依存する(ポート番号付けの順序)。各ポートについて、アルゴリズムはポート使用カウンタを保持し、新しいルートが追加されるたびに、最も使用されていないポートを選択するためにそれを使用する。」

チ 第191頁のFig.2

「
[図:0001388982000007.jpg]
」

上記スないしソより、引用文献2には、次の技術事項(以下、「引用文献2技術事項1」という。)が記載されているといえる。

「 高性能コンピューティング(HPC)システムとしてInfiniBand(IB)において、
サブネットマネージャ(SM)は、指定されたサブネットデバイスに常駐し、IBサブネットの設定、活性化、維持を行うマスター管理エンティティであり、
ファブリック内のノードにある各HCAポートは、1つまたは複数のパーティションのメンバーになることができ、
SMは、各ポートのパーティション・メンバーシップ情報を、16ビット・パーティション・キー(P_Keys)のテーブルとして設定し、また、スイッチやルータにも、LIDに対応したP_Key情報を含むパーティション・エンフォースメント・テーブルを設定し、
パケットがHCAポートまたはスイッチに到着すると、そのP_Key値は、SMが設定したテーブルと照合され、検証されること。」

また、上記タ及びチより、引用文献2には、次の技術事項(以下、「引用文献2技術事項2」という。)が記載されているといえる。

「 エンドノードに直接接続されているスイッチは、リーフスイッチ(L1、L2)であること。」

第5 対比

1 対比

本願発明と引用発明を対比する。

(1)引用発明の「P_Keyテーブル1208」は、「ポートが関連するパーティションのメンバーであるか否かを示すために、取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装され」たものであって、「P_Keyテーブルのサイズは、8Kバイト(64Kの可能なキーの各々に対して1ビット)」であることからすれば、「P_Keyテーブル1208」は、複数の「パーティション」の各々の「パーティション」に関連付けられた1ビットの配列(マップ)からなる「ビットマップ」に基づくものであるから、本願発明の「ビットマップに基づくP_Keyテーブル」に相当する。

(2)本願発明の「スケーラブルな」とは、本願明細書の【0106】の記載「一実施形態によれば、ビットマップスキームを使用することにより、P_Key値の連想ルックアップを有する代わりに、ハードウェアはパケットヘッダからP_Key値を取ることができ、連想ルックアップ機構に値を送る代わりに、P_Key値を取り、それを(例えば、64Kビットの)ビット配列に索引付する。次いで、IBパケットが、IB規格によって規定された関連するポートタイプについてのP_Key実施規則に従ってそのパーティション番号に対する制限付きおよびフルメンバエントリの両方についてのビットマップエントリとパケットP_Keyを相関させることに基づいて、パーティション実施規則に従ってチェックされ得る。これは、例えば、スケーリングの増加(すなわち、パフォーマンスの損失なしにより多数のパーティションP_Keyを可能にすること)に至り得る。」によれば、パフォーマンスの損失なしに多数のパーティションP_Keyを可能にすることにより、スケーリングの増加に至る様を意味すると理解することができる。

そして、引用発明の「P_Keyテーブル1208」は、「ポートが関連するパーティションのメンバーであるか否かを示すために、取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装され」たものであって、「P_Keyテーブルのサイズは、8Kバイト(64Kの可能なキーの各々に対して1ビット)」であることからすれば、パーティションに関連する、64Kという多数のP_Keyを可能することにより、スケーリングの増加に至っているから、引用発明の「P_Keyテーブル1208」は、「スケーラブルな」ものといえる。

よって、引用発明の「P_Keyテーブル1208」は、本願発明の「スケーラブルなビットマップに基づくP_Keyテーブル」に相当する。

(3)引用発明の「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」は、「相互接続されたサブネット13に細分化され」たものであり、当該「サブネット13」は、「リンク28によって相互接続されたエンドノード3、スイッチ26」等から構成され、「エンドノード32」は、「プロセッサノード14、RAIDサブシステム16、コンソール18、I/Oシャーシ20、ストレージ22及びストレージサブシステム24」を総称したものであることからすれば、「コンピューティング環境」による「システム」といい得るものである。

そして、引用文献2記載事項1にあるように、「InfiniBand(IB)」が「高性能コンピューティング(HPC)システム」の構成要素の1つであることは本願優先日前の周知事項であり、かつ、「高性能」であるか否かは、任意に設定可能な性能の基準に基づいた相対的な指標にすぎないから、引用発明の「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」は、「高性能コンピューティング環境」による「システム」といい得るものであるか、又は、そのように称することは任意である。

また、引用発明において、「個々のノードは複数のパーティションキーをサポート」するものであり、「ノード」には、前記「プロセッサノード14」を含むと解されるから、「P_Keyテーブル1208」は、「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」においてサポートされたものといえる。

よって、前記(1)を参酌すれば、引用発明の「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」は、本願発明の「高性能コンピューティング環境においてスケーラブルなビットマップに基づくP_Keyテーブルをサポートするためのシステム」に相当する。

(4)引用発明の「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」は、「エンドノード32」として、「プロセッサノード14」を含み、当該「プロセッサノード14」は、「複数のプロセッサから構成され」るから、「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」は、「複数のプロセッサ」を備えているといえる。

よって、引用発明の「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」が「複数のプロセッサ」を備えていることとは、本願発明において、「システム」が「1つ以上のマイクロプロセッサ」を備えることとは、「システム」が「1つ以上のプロセッサ」を備える点において共通する。

(5)引用発明において、「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」が備える「相互接続されたサブネット13」は、本願発明において、「システム」が備える「少なくとも1つのサブネット」に相当する。

よって、引用発明の「InfiniBandアーキテクチャのネットワーク」は、本願発明の「少なくとも1つのサブネット」を備えているといえる。

(6)引用発明において、「サブネット13」が含む「スイッチ26」は、本願発明において「前記少なくとも1つのサブネット」が含む「1つ以上のスイッチ」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の「前記少なくとも1つのサブネットは、

1つ以上のスイッチを含み」に相当する構成を備えている。

(7)引用発明において、「スイッチ26」が含む「複数のポート81」は、本願発明において、「前記1つ以上のスイッチの各々」が含む「複数のスイッチポート」に相当する。

よって、引用発明と、本願発明の「前記1つ以上のスイッチは少なくともリーフスイッチを含み、前記1つ以上のスイッチの各々は、複数のスイッチポートを含み」とは、「前記1つ以上のスイッチの各々は、複数のスイッチポートを含み」との構成を備える点において共通する。

(8)引用発明の「プロセッサノード14」にある「ホストチャネルアダプタ(HCA)」は、本願発明の「ホストチャネルアダプタ」に相当し、また、「プロセッサノード14」の各々は、少なくとも1つの「ホストチャネルアダプタ(HCA)」に関連付けられているといえる。

そして、引用発明の「サブネット13」は、複数の「プロセッサノード14」を含む構成を想定している(引用文献1のFig.1(第4の1(1)キ)参照。)から、複数の「ホストチャネルアダプタ(HCA)」を含むものといえる。

よって、引用発明は、本願発明の「前記少なくとも1つのサブネットはさらに、複数のホストチャネルアダプタを含み」に相当する構成を備えている。

(9)引用発明の「ホストチャネルアダプタ(HCA)」は、「チャネルアダプタ」の一種であり、各「チャネルアダプタ」は、「仮想的な通信ポート」を提供する「キューペア」を備えるものである。

そうすると、引用発明の「ホストチャネルアダプタ(HCA)」は、「仮想的な通信ポート」を提供する「キューペア」を含むから、前記「キューペア」は、本願発明の「ホストチャネルアダプタポート」に相当する。

また、引用発明において、各「チャネルアダプタ」は「最大224のキューペアを有することができ」るから、「チャネルアダプタ」の一種である「ホストチャネルアダプタ(HCA)」は、複数の「キューペア」を含む場合がある。

よって、引用発明は、本願発明の「各ホストチャネルアダプタは、少なくとも1つのホストチャネルアダプタポートを含み」に相当する構成を備えている。

(10)前記(3)を参酌すれば、引用発明において、「サブネット13」に含まれる複数の「プロセッサノード14」の各々は、「エンドノード32」と称されるものに含まれるから、本願発明の「エンドノード」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明の「前記少なくとも1つのサブネットはさらに、複数のエンドノードを含み」に相当する構成を備えている。

(11)引用発明の「プロセッサノード14」は、「ホストチャネルアダプタ(HCA)」を含むから、「ホストチャネルアダプタ(HCA)」に関連付けられているといえる。

よって、引用発明は、本願発明の「前記複数のエンドノードの各々は、前記複数のホストチャネルアダプタのうちの少なくとも1つのホストチャネルアダプタに関連付けられ」に相当する構成を備えている。

(12)引用発明の「パーティション」は、本願発明の「パーティション」に相当する。

引用発明において、個々の「ノード」は、「複数のパーティションキーをサポートし、複数の異なるパーティションに属することができ」、かつ、当該「ノード」には、「エンドノード」である「プロセッサノード14」も含まれると解されるから、複数の「プロセッサノード14」の各々は、複数の「パーティション」のうちの少なくとも1つの「パーティション」に関連付けられているといえる。

よって、引用発明は、本願発明の「前記複数のエンドノードの各々は、複数のパーティションのうちの少なくとも1つに関連付けられ」に相当する構成を備えている。

(13)引用発明の「P_Key値」(又は「パーティションキー」「P_Key」)は、本願発明の「P_Key値」に相当する。

また、引用発明の「P_Key値」は、「ポート」が「関連するパーティションのメンバーであるか否かを示す」ものであるから、「パーティション」は、「P_Key値」に関連付けられたものである。

また、前記(12)を参酌すれば、「パーティション」は、複数存在することが前提となっているから、引用発明の「P_Key値」は、複数の「パーティション」のいずれか(各々)のメンバーであるかを示すものといえる。

よって、引用発明は、本願発明の「前記複数のパーティションの各々は、P_Key値に関連付けられ」に相当する構成を備えている。

(14)引用発明の「サブネットマネージャ34」は、「管理エンティティ」といい得るものである。

また、引用発明は、「エンドノードの各キューペアは、サブネットマネージャ34により割り当てられるパーティションキーテーブルを有し」との構成を備えていることから、各「キューペア」は、「パーティションキーテーブル」として、「P_Keyテーブル1208」を有し、「サブネットマネージャ34」は、「エンドノード」(「プロセッサノード14」を含む。)の各「キューペア」に対して、「P_Keyテーブル1208」を割り当てるものといえ、、当該割り当てには、「P_Keyテーブル1208」を決定および設定することが含まれる。

よって、前記(9)を参酌すれば、引用発明と、本願発明の「前記システムはさらに、前記複数のスイッチポートの各スイッチポートおよび前記複数のホストチャネルアダプタポートの各ホストチャネルアダプタポートに対して、ビットマップに基づくP_Keyテーブルを決定および設定するように構成された管理エンティティを備え」とは、「前記システムはさらに、前記複数のホストチャネルアダプタポートの各ホストチャネルアダプタポートに対して、ビットマップに基づくP_Keyテーブルを決定および設定するように構成された管理エンティティを備え」るとの構成を備える点において共通している。

(15)「1ビット」は「単一ビット」といい得るものであるから、前記(1)を参酌すれば、引用発明は、本願発明の「前記ビットマップに基づくP_Keyテーブルにおいて、P_Key値の表現は単一ビットであり」に相当する構成を備えている。

(16)引用発明は、「スイッチ26のポート81は、受信パケットを受信し、パケットヘッダからP_Key値およびSL値が抽出され、P_Key値とSL値が検証された場合、パケットはさらなる処理のために受け入れられ、宛先ノードのための適切な出力ポートに渡され、検証が失敗した場合、パケットは廃棄され」との構成を備える。

また、前記構成の「受信パケット」はその中から「P_Key値」(「パーティションキー1221」)が抽出されることを前提としているから、本願発明の「P_Key値を含むパケット」に相当する。

また、前記構成の「P_Key値」の「検証」は、本願発明の「パーティションチェック」に相当し、そのような「検証」を行う「スイッチ26」の「ポート81」は、本願発明の「パーティションチェックを行う前記スイッチポート」に相当する。

また、前記構成において、「検証」された場合は、「受信パケット」は「宛先ノードのための適切な出力ポートに渡され」、「検証が失敗」した場合は、「受信パケット」は「廃棄」されるため、「検証」は、「受信パケット」が、当該「検証」を行う「ポート81」を通過することが許可されるかどうかを判断する処理といえる。

そして、引用発明の「P_Keyテーブル1208」は、「ポートが関連するパーティションのメンバーであるか否かを示すために、取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装され」されたものであるから、「受信パケット」が、当該「検証」を行う「ポート81」を通過することが許可されるかどうかを定義するものといえる。

以上より、引用発明1は、本願発明の「前記ビットマップに基づくP_Keyテーブルにおいて、」「パーティションチェックを行う前記スイッチポート」「をP_Key値を含むパケットが通過することを許可されるかどうかを定義し」に相当する構成を備える。

(17)引用発明において、「エンドノードの各キューペア」(ホストチャネルアダプタポート)が有する「パーティションキーテーブル」(P_Keyテーブル)は、「ポートが関連するパーティションのメンバーであるか否かを示すために、取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装され」たものであるから、前記(16)を参酌すれば、各「キューペア」が有する「パーティションキーテーブル」(P_Keyテーブル)は、「受信パケット」が当該「キューペア」を通過することが許可されるかどうかを定義するものであり、また、各「キューペア」は、自身が有する「パーティションキーテーブル」(P_Keyテーブル)を使用して、「受信パケット」が当該「キューペア」を通過することが許可されるかどうかを判断する処理(パーティションチェック)を行うものといえる。

よって、引用発明は、本願発明の「前記ビットマップに基づくP_Keyテーブルにおいて、」「パーティションチェックを行う」「前記ホストチャネルアダプタポートをP_Key値を含むパケットが通過することを許可されるかどうかを定義し」に相当する構成を備えている。

(18)前記(15)ないし(17)を参酌すれば、引用発明は、本願発明の「前記ビットマップに基づくP_Keyテーブルにおいて、P_Key値の表現は単一ビットであり、パーティションチェックを行う前記スイッチポートまたは前記ホストチャネルアダプタポートをP_Key値を含むパケットが通過することを許可されるかどうかを定義し」に相当する構成を備えている。

(19)前記(16)を参酌すれば、引用発明と、本願発明の「前記複数のスイッチポートのうちのあるスイッチポートは、前記管理エンティティによって設定される複数のビットマップに基づくP_Keyテーブルのうちのあるビットマップに基づくP_Keyテーブルに関連付けられ」とは、「前記複数のスイッチポートのうちのあるスイッチポートは、複数のビットマップに基づくP_Keyテーブルのうちのあるビットマップに基づくP_Keyテーブルに関連付けられ」との共通の構成を備えているといえる。

(20)前記(17)を参酌すれば、引用発明は、本願発明の「複数の前記ホストチャネルアダプタポートのうちのあるホストチャネルアダプタポートは、前記管理エンティティによって設定される前記複数のビットマップに基づくP_Keyテーブルのうちのあるビットマップに基づくP_Keyテーブルに関連付けられる」に相当する構成を備えているといえる。

2 一致点、相違点

前記1より、本願発明と引用発明1とは、以下の点において一致ないし相違する。

[一致点]

「 高性能コンピューティング環境においてスケーラブルなビットマップに基づくP_Keyテーブルをサポートするためのシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
少なくとも1つのサブネットとを備え、前記少なくとも1つのサブネットは、
1つ以上のスイッチを含み、前記1つ以上のスイッチの各々は、複数のスイッチポートを含み、前記少なくとも1つのサブネットはさらに、
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複数のホストチャネルアダプタを含み、各ホストチャネルアダプタは、少なくとも1つのホストチャネルアダプタポートを含み、前記少なくとも1つのサブネットはさらに、
複数のエンドノードを含み、前記複数のエンドノードの各々は、前記複数のホストチャネルアダプタのうちの少なくとも1つのホストチャネルアダプタに関連付けられ、
前記複数のエンドノードの各々は、複数のパーティションのうちの少なくとも1つに関連付けられ、
前記複数のパーティションの各々は、P_Key値に関連付けられ、前記システムはさらに、
前記複数のホストチャネルアダプタポートの各ホストチャネルアダプタポートに対して、ビットマップに基づくP_Keyテーブルを決定および設定するように構成された管理エンティティを備え、前記ビットマップに基づくP_Keyテーブルにおいて、P_Key値の表現は単一ビットであり、パーティションチェックを行う前記スイッチポートまたは前記ホストチャネルアダプタポートをP_Key値を含むパケットが通過することを許可されるかどうかを定義し、
前記複数のスイッチポートのうちのあるスイッチポートは、複数のビットマップに基づくP_Keyテーブルのうちのあるビットマップに基づくP_Keyテーブルに関連付けられ、
複数の前記ホストチャネルアダプタポートのうちのあるホストチャネルアダプタポートは、前記管理エンティティによって設定される前記複数のビットマップに基づくP_Keyテーブルのうちのあるビットマップに基づくP_Keyテーブルに関連付けられる、システム。」

[相違点]

<相違点1>

「プロセッサ」が、本願発明においては、「マイクロプロセッサ」であるのに対し、引用発明の「プロセッサ」は、「マイクロプロセッサ」であるとは具体的に特定していない点。

<相違点2>

本願発明の「前記1つ以上のスイッチ」は「少なくともリーフスイッチ」を含むのに対し、引用発明1は、当該構成を具体的に特定していない点。

<相違点3>

本願発明の「管理エンティティ」は、さらに「前記複数のスイッチポートの各スイッチポート」「に対して、ビットマップに基づくP_Keyテーブルを決定および設定するように構成された」ものであるのに対し、引用発明の「サブネットマネージャ34」は、「スイッチ26」の「ポート81」に対して「P_Keyテーブル1208」を決定及び設定することを具体的に特定していない点。

<相違点4>

本願発明の「スイッチポート」が関連付けられる「P_Keyテーブル」は、「前記管理エンティティによって設定される」ものであるのに対し、引用発明の「ポート81」に関連付けられる「P_Keyテーブル」は、当該構成について具体的に特定していない点。

第6 判断

1 相違点についての判断

上記各相違点について、以下検討する。

(1)相違点1について

「プロセッサ」として小型の「マイクロプロセッサ」は、特に文献を示すまでもなく本願優先日前の周知技術であるから、当該周知技術に基づいて、引用発明の「プロセッサ」を「マイクロプロセッサ」とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(2)相違点2について

引用文献2技術事項2を参酌すれば、エンドノードに接続されるスイッチは、「リーフスイッチ」であることは、本願優先日前の周知事項である。

そして、引用発明において、各「エンドノード32」は、「単一のスイッチ26に、複数のスイッチ26に、及び/又は互いに直接、接続することができ」るものであり、また、引用文献1のFig.1(上記第4の1(1)キ)を参照すれば、「エンドノード32」に含まれる「プロセッサノード14」は、少なくとも1つの「スイッチ26」に接続されている。

すなわち、引用発明における「スイッチ26」には、「プロセッサノード14」と接続される「リーフスイッチ」に相当する「スイッチ26」が含まれるから、相違点2は、表現上の違いにすぎず、実質的なものではない。

(3)相違点3及び4について

引用文献2技術事項1(特に、「スイッチやルータには、LIDに対応したP_Key情報を含むパーティション・エンフォースメント・テーブルを設定し」及び「パケットがHCAポートまたはスイッチに到着すると、そのP_Key値は、SMが設定したテーブルと照合され、検証される」)にあるように、サブネットマネージャ(SM)が、スイッチに対してもP_Keyテーブルを設定すること、及び、HCA(ホストチャネルアダプタ)ポートのみならずスイッチも、SMが設定したテーブルに基づいてP_Key値と照合することは、本願優先日前の周知技術である。

加えて、引用発明は、

「 スイッチ26は、管理制御インタフェース865、サブネット管理エージェント(SMA)866、複数のポート81、およびスイッチングマトリックス850を含み、
管理インタフェース865は、1つ以上の外部制御システムに対してスイッチ26へのアクセスを提供し、状況に応じてスイッチ26を適切に構成するために使用し、サブネット管理エージェント866は、管理インタフェース865を介して、サブネットマネージャ34と通信し」

との構成を含むことから、「スイッチ26」は、当該「スイッチ26」を構成するために「サブネットマネージャ34」と通信する機能を備えている。

よって、引用発明において、引用文献2技術事項1を参酌することにより、「サブネットマネージャ34」を、「キューペア」(ホストチャネルアダプタポート)に対してその「P_Keyテーブル」を設定することと同じように、「スイッチ26」の「ポート81」に対してもその「P_Keyテーブル」を設定するものとするとともに、「スイッチ26」の「ポート81」が、「サブネットマネージャ34」によって設定される「P_Keyテーブル」に関連付けられるように構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。

2 作用効果について

上記相違点1ないし4に係る本願発明の構成を付加することによる作用効果も、当業者が容易に予測し得た範囲のものである。

3 請求人の主張について

請求人は、審判請求書において、次のように主張する。

「 原査定において、『引用文献1の段落[0102]には、「いくつかの他の実施形態では、P_Key table 1208は、各々の可能なP_Key値に対して1ビットを有するビットマスクを使用することで、ポートは、対応するパーティションのメンバであるか否かを示すために、実施されてもよい。」と記載されているから、出願人の主張は採用できない。』と指摘されております。しかしながら、この指摘は、引用文献1に記載された内容の一部を恣意的に切り取ったものであると言わざるを得ません。
引用文献1の[0095]には、「Note that the position of each mask in table 1218 corresponds with the position of its associated partition in P_Key table 1208. In other words, an SL mask having an index value of N in the SL mask table 1218 corresponds to the partition having a partition key with index N in the P_Key table 1208. Consequently, once an index value 1222 for the incoming packet 701 has been determined from P_Key table 1208, this index value can be passed to the SL mask table 1218 in order to locate the SL mask for that particular partition. The relevant SL mask 1223 can then be returned to logic 703 for authentication of the SL value in the incoming packet.」と記載されております。この文脈において、引用文献1の[0102]には、「It will be appreciated that the SL mask table 1218 in the embodiment of FIG. 12 has (approximately) the same size as the P_Key table 1208, since both contain one 16 bit value for each partition supported by the port. In some other embodiments, P_Key table 1208 may be implemented using a bit mask having one bit for each potential P_Key value, to indicate whether or not a port is a member of the relevant partition. The size of such a P_Key table would be 8 Kbytes (1 bit for each of 64K possible keys). (This is larger than the size of P_Key table in FIG. 12, since the number of partitions supported by any given port is likely to be only a small proportion of the total number of possible partitions, but it does avoid the use of content addressable memory, which may be desirable for design reasons).」と記載されております。
すなわち、引用文献1に記載の発明において、「P_Key table」と「SL mask table」とはセットで使用されることが前提とされております。そのため、「SL mask table」が「P_Key value」ごとに「one bit」を持つように構成することができるとしても、「P_Key table」の「P_Key value」は、依然として「16 bit value」を有しています。
そのため、原審査官による引用文献1の開示内容の認定は失当であると言わざるを得ず、また、この相違点については、引用文献2にも何ら教示ないし示唆されておりません。」

上記主張の趣旨は、引用文献1の[0102]の記載は、[0095]の記載を前提としていることからすれば、「P_Key table」と「SL mask table」とはセットで使用されることが前提であるから、[0102]の記載における「P_Key table」の「P_Key value」は、依然として「16ビットの値」を有し、本願発明の構成と相違する、というものと理解できる。

確かに、引用文献1の[0092]ないし[0098](上記第4の1(1)オ)及びFig.12(上記第4の1(1)シ)には、「P_Keyテーブル1208」を、「コンテンツアドレッサブルメモリ(CAM)1205」と「FLマスクテーブル1218」とで構成し、「コンテンツアドレッサブルメモリ(CAM)1205」には、16ビットの「P_Key値」を複数格納することが記載されている。

しかしながら、引用文献1の[0102]の第2文及び第3文に、

「いくつかの他の実施形態では、P_Keyテーブル1208は、ポートが関連するパーティションのメンバーであるか否かを示すために、取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装され得る。このようなP_Keyテーブルのサイズは、8Kバイト(64Kの可能なキーの各々に対して1ビット)であろう。」と記載されているように、「取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装され」る「P_Keyテーブル1208」は、「他の実施形態」による構成であるから、前記、「コンテンツアドレッサブルメモリ(CAM)1205」による実装とは異なる別の実施形態である。

また、引用文献1の[0102]の記載のうち、「このようなP_Keyテーブルのサイズは、8Kバイト(64Kの可能なキーの各々に対して1ビット)であろう。」との記載に着目すれば、16ビットで表現される「P_Key値」の数は、216=65536≒約64K=8Kバイトであるから、[0102]に記載の「他の実施形態」においては、[0070]に記載されているように「P_Key値」が16ビットで表現されることを前提とするものの、「P_Keyテーブル」自体は、約64K個の「P_Key値」の各々の値に対して1ビットが配列されるテーブルとして実装されていると理解することができる。仮に、請求人が主張するように、「他の実施形態」における「P_Keyテーブル」の「P_Key値」の各々が16ビットで表現されているとすれば、当該「P_Keyテーブル」のサイズは、8Kバイトに定まらない。実際、[0102]の第4文(括弧書き)には、「これは、任意のポートによってサポートされるパーティションの数が可能なパーティションの総数のわずかな割合であると考えられるため、図12のP_Keyテーブルのサイズよりも大きくなるが、コンテンツアドレッサブルメモリの使用を回避することができ、これは設計上の理由から望ましい」と記載されているように、「他の実施形態」は、「コンテンツアドレッサブルメモリ(CAM)」の使用を回避する(使用しない)ものであって、そのかわりに「取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装」することにより「P_Keyテーブル」のサイズが大きくなることを許容するものと理解することができる。

また、引用文献1の[0103]に「このようなビットマスク形式のP_Keyテーブルを有する実施形態では、各パーティションにあらためてSLビットマスクを関連付けることにより、サービスレベルをパーティションに関連付けることができる。ただし、各パーティションキーに16ビットのSLマスクを対応させるために、P_Keyテーブルのサイズが大幅に増加する(または、このサイズの別のSLマスクテーブルを記憶する必要がある)ことに注意が必要である。」と記載されているように、「他の実施形態」においても、「パーティションキー」(P_Key)と「16ビットのSLマスク」のテーブル(SLマスクテーブル)とは、セットで使用されることが前提となっているが、ここでの「パーティションキー」(P_Key)は、[0102]に記載された「取り得るP_Key値ごとに1ビットを有するビットマスクを使用して実装」されたものと理解することができる。

そして、この「SLマスクテーブル」(なお、[0082]の記載からして、「SL」は「サービスレベル」を意味する語である。)は、引用文献1の[0098]に記載されているように、「受信パケット701内のSLフィールドの値」と照合することにより、受信パケットに含まれる「SLフィールドの値」に対応する「サービスレベル」が、「P_Key値」に対応する「パーティション」にサポートされているか否かを判断するために設けられているものであり、また、本願発明も「SLマスクテーブル」を併用することを除外していないから、引用発明において、「パーティションキー」(P_Key)と「SLマスクテーブル」とをセットで使用すること自体は、本願発明との相違点とはならない。

以上のとおりであるから、上記請求人の主張は採用することができない。

第7 むすび

以上のとおり、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-011878

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