商標拒絶査定不服審判
2021-010398
キョクタンジョイント、ゴクタンジョイント、キョクタン、ゴクタン
- 審判番号
- 2021-010398
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-099565
- 請求日
- 2021年06月17日
- 審決日
- 2022年11月28日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日笠技研株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .13 -Z (W0607)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-99565拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「極短ジョイント」の文字を標準文字で表してなり、第6類「金属製管継ぎ手」及び第7類「軸(陸上の乗物用のものを除く機械要素。),軸継ぎ手(陸上の乗物用のものを除く機械要素。),動力伝導装置(陸上の乗物用のものを除く機械要素。)」を指定商品として、令和2年7月28日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年10月23日付けで拒絶理由の通知がされ、同年12月3日付けで意見書が提出されたが、同3年3月18日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和3年6月17日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、別掲1に示す証拠を提示し、「本願商標は、「極短ジョイント」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中、「極短」の文字部分は「極めて短い(こと/もの)」を端的に表す語として一般に認識、使用されているものであり、「ジョイント」の文字部分は「つなぎめ。あわせめ。継手。」を表す語であるから、本願商標全体として、「極めて短い継手」程の意味合いが認識される。そして、本願の指定商品を取り扱う分野において、短い継手が取り扱われていることを考慮すると、本願商標をその指定商品中第6類「金属製管継ぎ手」及び第7類「軸継ぎ手(陸上の乗物用のものを除く機械要素。)」に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、該商品が「極めて短い商品」であると認識するにとどまり、本願商標は商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(「金属製管継ぎ手」及び「軸継ぎ手(陸上の乗物用のものを除く機械要素。)」)以外の商品(「軸(陸上の乗物用のものを除く機械要素。)」及び「動力伝導装置(陸上の乗物用のものを除く機械要素。)」)に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。また、提出された資料によっては、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に対し、令和4年3月31日付け証拠調べ通知書をもって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
4 請求人の意見の要旨
請求人は、上記3の証拠調べ通知に対して、令和4年5月13日付け意見書を提出し、要旨以下のとおり述べた。
(1)証拠調べ通知に提示されたとおり、「極」、「短」、「ジョイント」の文字は辞書に載っているが、「極短」の文字は辞書に載っていない。フリーランスの編集者兼ライターによる記事によっても、「極短」は造語と位置づけられている。「極短ジョイント」の文字は、「極めて短いジョイント」程の意味合いを暗示する程度のものにすぎず、全体で、造語として認識するものである。
(2)証拠調べ通知の各事例については、「極短」以外の他の記載部分(例えば、「最短の・・・です。」「ミニショートタイプです。」等)が商品の品質や特徴を表しているのであって、各事例における「極短」部分は、商標的表示であったり、商品の品質を暗示しているにすぎない。
(3)本願商標の使用態様、使用数量、使用期間及び使用地域、広告宣伝の方法、期間、地域及び規模等の実績の提出もしており、本願商標が、使用をされた結果需要者が、何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものと認められる。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「極短ジョイント」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲2の1のとおり、本願商標の構成中の「極」の文字は「きわめて。」の意味を有し、「短」の文字は「みじかい。」の意味を有する語としていずれもよく知られた漢字であり、これに続く「ジョイント」の文字は「継ぎ手。」の意味を有するものであって、本願の指定商品中の指定商品名を表すものであるから、本願商標全体としては「極めて短い継ぎ手。」程の意味合いが容易に認識されるものである。
そして、別掲1の1及び別掲2の2ないし3のとおり、本願の指定商品の関連分野のみならず様々な分野において、「極短」の文字が「極めて短い」程の意味合いで商品の特徴を表す語として一般に認識、使用されているものである。
さらに、別掲2の4のとおり、「極短」の文字を、商品名に冠して(例えば、「極短+商品名」、「極短○○+商品名」、「○○極短+商品名」等のように)、「極めて短い商品」程の意味合いで使用されている実情がある。
そして、別掲1の2のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野においては、短い継手が取り扱われている実情がある。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中、第6類「金属製管継ぎ手」及び第7類「軸継ぎ手(陸上の乗物用のものを除く機械要素。)」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「極めて短い継ぎ手。」であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
また、本願商標は、標準文字のみからなるものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章といえる。
したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「極短」の文字は辞書に載っていない旨、また、「極短ジョイント」の文字は、普通に商品の質を表示するものとして、取引上、普通に使用されている事実はない旨、本願商標は「極めて短いジョイント」程の意味合いを暗示する程度のものにすぎず、全体で、造語として認識するものである旨主張する。
しかしながら、たとえ「極短」の文字や「極短ジョイント」の文字が辞書等に掲載されていないとしても、本願商標を構成する「極」、「短」、「ジョイント」の各文字は、辞書に掲載されている語であって、当該各語の語義からすれば、本願商標は全体として「極めて短い継ぎ手」程の意味合いを容易に認識させるものである。
また、本願の指定商品中には「継ぎ手」を含むものであるが、別掲1の2のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野においては、短い継手が取り扱われている実情があることからすれば、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、当該商品が極めて短い継ぎ手であることを表したものと理解するにすぎないものというべきである。
さらに、商標法第3条第1項第3号に該当する商標であるか否かは、現実の使用の事実が、同号の適用の要件となるものではないから、「極短ジョイント」の一連の文字が、取引上、実際に使用されていないことをもって、本件の判断が左右されるものではない。
そして、商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきであり、本願商標は、(1)の認定のとおり、「極短」の文字に指定商品「継ぎ手」を表す「ジョイント」を結合してなるにすぎないものであるから、商品の品質を記述したものとして理解されるものである。
したがって、請求人の主張は、採用することはできない。
イ 請求人は、証拠調べ通知の各事例については、「極短」の文字以外の他の記載部分(例えば、「最短の・・です。」「ミニショートタイプです。」等)が商品の品質や特徴を表しており、「極短」の文字部分は、商標的表示であったり、商品の品質を暗示しているにすぎない旨主張する。
しかしながら、当審における証拠調べ通知において示した証拠は、本願の指定商品に関連する分野及び様々な分野において、「極短」の文字が、特異なものではなく、「極めて短い」程の意味合いを認識させる語として、商品の品質表示として一般的に採択し得る語句であることの一例を示したものであるから、これらの証拠は、本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性を判断する上で考慮すべき実情といえるものである。
したがって、請求人の主張は、採用することはできない。
ウ 請求人は、本願商標の使用態様、使用数量、使用期間及び使用地域、広告宣伝の方法、期間、地域及び規模等の実績の提出をしており、本願商標が、使用をされた結果需要者が、何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものと認められる旨主張する。
しかしながら、請求人が提出した本願商標の使用についての証拠を参照しても、本願商標が使用された商品の使用数量は、主張のみで客観的な証拠の提出はなく、日本国内の一部の直接販売顧客登録数を示すとする証拠にしても、当該証拠をもって、本願商標が請求人の業務に係る商品を表示するものとして周知であるとの主張とどのように結びつくのか不明である。そして、本願商標を全ての指定商品に使用している事実を確認することもできない。
さらに、請求人は、本願商標が設計者によって拡販され業界に充分認識されているとの主張をするが、かかる事実を裏付ける具体的、客観的証拠を見いだすことはできない。
その他、請求人が提出した全証拠を確認しても、例えば、見本市に請求人商品を出品したとする証拠はわずか1回程度にすぎず、商品のカタログの発行数量や頒布先、他の広告宣伝の事実や市場シェア等が明らかではないことからすると、本願商標を本願の指定商品に使用した結果、本願商標が、本願の指定商品の需要者及び取引者の間で広く認識されるものとなったとは認めることができない。
エ 請求人は、本願商標構成中の「ジョイント」部分は、商品を表したものだから、ジョイントに相応する商品に、指定商品を限定する用意がある旨述べるところがあるが、本願商標は、上記(1)のとおり、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、また、上記ウのとおり、本願商標は使用による識別力も認められないものであるから、本願の指定商品をジョイントに相応する商品に限定したとしても、上記認定及び判断に影響を及ぼすものではない。
オ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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