特許拒絶査定不服審判
2021-006700
半導体パッケージ基板の製造方法及びそれを用いて製造された半導体パッケージ基板
- 審判番号
- 2021-006700
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-152247
- 請求日
- 2021年05月25日
- 審決日
- 2022年11月14日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヘソン・ディーエス・カンパニー・リミテッド
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】阿部 達彦
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 信一
- 審判官 棚田 一也
- 審判官 畑中 博幸
- 分類
- P18 .572-WZ (H01L) / P18 .575-WZ (H01L) / P18 .121-WZ (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-152247「半導体パッケージ基板の製造方法及びそれを用いて製造された半導体パッケージ基板」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月22日出願公開、特開2019- 47115〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年 8月13日(パリ条約による優先権主張 平成29年8月31日韓国(KR))の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 元年 8月19日付け:拒絶理由の通知
令和 元年11月 1日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 5月15日付け:最後の拒絶理由の通知
令和 2年 8月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年 1月14日付け:補正の却下の決定
令和 3年 1月14日付け:拒絶査定
令和 3年 5月25日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 8月26日付け:前置報告
令和 3年 9月 9日 :上申書の提出
令和 3年12月 6日 :上申書の提出
令和 4年 3月31日付け:当審による最後の拒絶理由の通知
令和 4年 7月 4日 :意見書、手続補正書の提出
第2 令和4年7月4日に提出された手続補正書による補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和4年7月4日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正
(1)本件補正による特許請求の範囲の記載
本件補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである(下線部は、補正箇所である)。
「【請求項1】
伝導性素材のベース基板の上面をエッチングしてトレンチ及びポストを形成する段階と、
前記トレンチの内表面の全体を覆うように前記トレンチを樹脂で充填する段階と、
前記ポストの上面と前記樹脂の上面とが同一レベルを形成するように、前記トレンチの外部に露出された樹脂を除去する段階と、
前記ポストの上面及び前記樹脂の上面全体に導電層を形成する段階と、
前記導電層及び前記ベース基板の下面を同時にパターニングして、上部回路配線及び下部回路配線を含む回路配線を形成する段階と、を含み、
前記ベース基板のトレンチが形成された部分の残存する厚さは20μm~40μmになり、
前記導電層は、第1導電層及び第2導電層が積層されて形成され、前記第1導電層は、前記第2導電層のシード層の役割をし、
前記ベース基板の下面が前記ポストの下面を含み、前記下部回路配線が前記ポストと一体に形成されている、半導体パッケージ基板の製造方法。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和3年5月25日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
伝導性素材のベース基板の上面をエッチングしてトレンチ及びポストを形成する段階と、
前記トレンチの内表面の全体を覆うように前記トレンチを樹脂で充填する段階と、
前記ポストの上面と前記樹脂の上面とが同一レベルを形成するように、前記トレンチの外部に露出された樹脂を除去する段階と、
前記ポストの上面及び前記樹脂の上面全体に導電層を形成する段階と、
前記導電層及び前記ベース基板の下面を同時にパターニングして、上部回路配線及び下部回路配線を含む回路配線を形成する段階と、を含み、
前記ベース基板の下面が前記ポストの下面を含み、前記下部回路配線が前記ポストと一体に形成されている、半導体パッケージ基板の製造方法。」
2 補正の適否
(1)補正の目的について
請求項1に係る本件補正は、以下の補正事項を含むものである。
ア 本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「ベース基板」について「トレンチが形成された部分の残存する厚さ」を限定し、「前記ベース基板のトレンチが形成された部分の残存する厚さは20μm~40μmになり、」を追加する。
イ 本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「導電層」の構造を限定し、「前記導電層は、第1導電層及び第2導電層が積層されて形成され、前記第1導電層は、前記第2導電層のシード層の役割をし、」を追加する。
補正事項ア及びイは、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正による請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、請求項1に係る本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(2)独立特許要件について
上記(1)において検討したとおり、請求項1に係る本件補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そして、本件補正は、当審による最後の拒絶理由通知に応答したものであるから、本件補正による請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)否かについて以下に検討する。
なお、当審による最後の拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由」という。)において、<最後の拒絶理由通知とする理由>について「最初の拒絶理由通知に対する応答時の補正によって通知することが必要になった拒絶の理由のみを通知する拒絶理由通知である。」と記載したが、正しくは「審判請求時の補正によって通知することが必要になった拒絶の理由のみを通知する拒絶理由通知である。」の誤りであるが、最後の拒絶理由とすべきものであることに変わりはない。
ア 本件補正発明
本件補正発明は、上記「1(1)【請求項1】」に記載したとおりのものである。
イ 引用文献1の記載事項、引用発明
(ア)当審で通知した最後の拒絶理由において引用された特開2009-16518号公報(以 下、「引用文献1」という。)には、「多層配線基板」について、図面とともに以下の事項が記載されている(なお、下線は当審で付与した)。
「【0008】(A-1)多層配線基板の製造方法の第1態様
(1)第1の導電体板を表面からビア部及び配線部を残すようにハーフエッチングし、配線部と該配線部上に島状に配置されたビア部とを有する第1の導電層を形成する工程
まず、第1の導電体板(1)を準備する。第1の導電体板(1)は基材(2)の上に配置されてもよい。第1の導電体板(1)は、略均一な厚さを有する板状の導電性材料からなる。第1の導電体板(1)は、平板形状であっても、あらかじめ必要な配線回路の形状を有していてもよい。
このような第1の導電体板(1)を、第1の導電体板(1)の上部表面からビア部(4)及び配線部(5)を残すようにハーフエッチングする。
ビア部(4)となる部分はわずかにエッチングされるか、エッチングされず、第1の導電体板(1)の厚さがそのまま残存する。配線部(5)は、第1の導電体板(1)の厚さ方向に対し、第1の導電体板(1)の一部がエッチングされる(ハーフエッチング)ことによって形成される。配線部は、平板形状であっても回路形状であってもよい。配線部が平板形状である場合、第1の導電体板(1)はビア部(4)となる部分をエッチングせず、その他の部分はすべて第1の導電体板(1)の厚さ方向に対して一部のみエッチングされて配線部(5)となる。・・・(略)・・・」
「【0011】(2)前記第1の導電層の周囲に絶縁材料を配置して第1の絶縁部を形成し、第1の導電層と第1の絶縁部とを備えた第1の導電パターン層を形成する工程
前記(1)工程で形成した第1の導電層(3)の周囲(上下面方向をのぞく、側方周囲)に絶縁材料を配置して第1の絶縁部(7)を形成する。従って、第1の導電層(3)のビア部(4)表面と第1の絶縁部(7)の表面とは平坦又は略平坦な面を形成する。また、配線部(5)が平板型ではなく回路形状を有する場合、第1の導電層(3)の配線部(5)の底面と第1の絶縁部(7)の底面とは平坦又は略平坦な面を形成する。なお、配線部(5)が平板型である場合は、当該底面は配線部(5)のみが露出しており、配線部(5)の底面が平坦又は略平坦な面を形成する。
すなわち、一つの態様として、ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分は、絶縁材料で置換される。あらかじめ必要な配線回路の形状を有する第1の導電体板(1)を使用した場合は、前記ハーフエッチングで除去された部分に加え、第1の導電層(3)の配線部(5)下面からビア部(4)上面の高さまで絶縁材料を適用し、得られる第1の導電パターン層(6)の両面が平坦になるように第1の絶縁部(7)を形成する。
かくして第1の導電層(3)と第1の絶縁部(7)とを備えた第1の導電パターン層(6)が形成される。第1の導電パターン層(6)は、前記第1の導電層と同一又は略同一の厚さを有する平板型である。第1の導電パターン層(6)の表面は平坦又は略平坦である。第1の導電パターン層(6)の上部表面には、第1の導電層(3)のビア部(4)上面と第1の絶縁部(7)の上面が露出している。第1の導電パターン層(6)の下部表面には、配線部(5)底面のみ、あるいは配線部(5)底面と第1の絶縁部(7)の底面が露出している。第1の導電パターン層(6)の表面を平坦又は略平坦とするために、適宜第1の導電パターン層(6)の表面を研削・研磨してもよい。研削の方法としては、ダイヤモンド製等の硬質刃を回転板の半径方向に複数配置した硬質回転刃を有する研削装置を使用する方法が挙げられる。固定支持された第1の導電パターン層表面に沿って硬質回転刃を回転させながら移動することによって、該表面を平坦にすることができる。また、研磨の方法としては、ベルトサンダ、バフ研磨等により研磨する方法が挙げられる。さらに、ビア部(4)上面よりも第1の絶縁部(7)上面の方が高い場合、該絶縁部の絶縁材料を加熱・加圧してビア部上面と略同じ高さとしてもよい。また、残存する絶縁材料片は、プラズマ処理、研削・研磨等によって除去してもよい。
なお、上記(1)及び(2)工程からなる製造方法により、配線部と該配線部上に島状に配置された少なくとも1つのビア部とを有する導電層と、前記導電層の周囲に配置された絶縁部とを備えた、前記導電層と同一の厚さを有する導電パターン層を有する単一層の配線基板を製造することもできる。」
「【0022】
(A-3)多層配線基板の製造方法の第4態様」
「【0023】
(A-4)回路化工程
上述のようにして得られた多層配線基板の表面に、回路を形成してもよい。まず、上述のようにして得られた多層配線基板の上部表面に適宜導電体を配置する。配置した導電体を(1)工程で述べたようなレジスト形成方法等によって回路を形成する部分を保護し、さらにエッチング等により不要な導電体を除去し、その後レジスト材料を剥離して回路を形成する。このような回路化工程は、多層配線基板の下部表面の回路化と同時に行ってもよい。即ち、上記(1)工程で導電体板(1)から形成した配線部(5)が回路形状を有していない平板形状の場合がある。このような場合、上記多層配線基板の上部表面に適用された導電体の表面とともに、当該配線部の表面にも回路パターンに沿ってレジスト材料を適用し、エッチング、レジスト材料の剥離を経て、回路を形成することができる。例えば、回路化工程は図5のようにして行われる。まず、上記(2)工程で形成されるような第1の導電パターン層(6)を準備する(図5(a))。この導電パターン層(6)は、回路形状ではない平板の配線部(5)をその底部に有している。次に第1の導電パターン層(6)の表面に金属めっき層(14)を適用する(図5(b))。なお、金属めっき層(14)は無電解めっき法や無電解めっき法の後に電解めっき法を行う方法等によって適用されても、金属箔を圧着することによって適用されてもよい。次いで、上述したようなフォトレジスト法等を用いて回路を形成するべき部分をレジスト(20)(20)’で被覆した後(図5(c)-(d))、エッチングによって不要な導電体及び配線部を除去し(図5(e))、さらにレジスト(20)(20)’を剥離して(図5(f))、所望の回路化が行われる。なお、ここでは第1の導電パターン層(6)の上下表面を回路化する方法を示したが、第1の導電パターン層(6)のかわりに本発明の各種多層配線基板を用い、多層配線基板の上下表面を回路化してもよい。」
「【0029】
(2)導電層
・・・(中略)・・・上記導電層に含まれる配線部の厚さは、例えば13~200μm、好ましくは、20~150μmであることが適当である。」
「【0031】
(4)絶縁材料
絶縁材料としてはフェノール樹脂、イミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等回路基板に使用されている樹脂を選択できる。これらの樹脂はガラスクロスや無機フィラーと複合化して用いることも可能である。特に熱伝導率と耐電圧特性の為には無機フィラーとエポキシ樹脂とを含有するものが好ましい。・・・(略)・・・」
「図1
[図:0001395630000001.jpg]
」
「図5
[図:0001395630000002.jpg]
」
(イ)上記(ア)によれば、引用文献1には次の技術的事項が記載されていると認められる。
a 段落【0008】には、「(1)第1の導電体板を表面からビア部及び配線部を残すようにハーフエッチングし、配線部と該配線部上に島状に配置されたビア部とを有する第1の導電層を形成する工程」について、「第1の導電体板(1)を準備する。」、「第1の導電体板(1)は、略均一な厚さを有する板状の導電性材料からなる。」と記載されている。
よって、略均一な厚さを有する板状の導電性材料からなる第1の導電体板(1)を準備することが記載されている。
また、段落【0008】には「このような第1の導電体板(1)を、第1の導電体板(1)の上部表面からビア部(4)及び配線部(5)を残すようにハーフエッチングする。ビア部(4)となる部分は」「エッチングされず、第1の導電体板(1)の厚さがそのまま残存する。配線部(5)は、第1の導電体板(1)の厚さ方向に対し、第1の導電体板(1)の一部がエッチングされる」「ことによって形成される。」、「配線部は、平板形状であっても」「よい。」と記載されている。また、段落【0029】には「上記導電層に含まれる配線部の厚さは」「20~150μmであることが適当である。」と記載されている。
よって、第1の導電体板(1)の上部表面からビア部(4)及び配線部(5)を残すようにハーフエッチングし、ビア部(4)となる部分はエッチングされず、第1の導電体板(1)の厚さがそのまま残存し、配線部(5)は第1の導電体板(1)の厚さ方向に対し第1の導電体板(1)の一部がエッチングされることによって形成された平板形状であり、配線部(5)の厚さは20~150μmであることが記載されている。
b 段落【0011】には「前記(1)工程で形成した第1の導電層(3)」と記載され、上記aの説示のとおり「(1)第1の導電体板を表面からビア部及び配線部を残すようにハーフエッチングし、配線部と該配線部上に島状に配置されたビア部とを有する第1の導電層を形成する工程」で「第1の導電体板(1)の上部表面からビア部(4)及び配線部(5)を残すようにハーフエッチング」するから、第1の導電層(3)はビア部(4)及び配線部(5)からなるといえる。
また、段落【0011】には「前記(1)工程で形成した第1の導電層(3)の周囲(上下面方向をのぞく、側方周囲)に絶縁材料を配置して第1の絶縁部(7)を形成する。」、「ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分は、絶縁材料で置換される。」及び「かくして第1の導電層(3)と第1の絶縁部(7)とを備えた第1の導電パターン層(6)が形成される。」と記載されている。
よって、第1の導電層(3)の上下面方向をのぞく側方周囲に絶縁材料を配置して第1の絶縁部(7)を形成し、ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分を、絶縁材料で置換し、第1の導電層(3)と第1の絶縁部(7)とを備えた第1の導電パターン層(6)を形成することが記載されている。
さらに、段落【0011】には「ビア部(4)上面よりも第1の絶縁部(7)上面の方が高い場合、該絶縁部の絶縁材料を加熱・加圧してビア部上面と略同じ高さとしてもよい。また、残存する絶縁材料片は、プラズマ処理、研削・研磨等によって除去してもよい。」と記載されている。
よって、ビア部(4)上面よりも第1の絶縁部(7)上面の方が高い場合、第1の絶縁部(7)の絶縁材料を加熱・加圧してビア部上面と略同じ高さとし、残存する絶縁材料片はプラズマ処理、研削・研磨によって除去することが記載されている。
以上のとおりであるから、引用文献1には、ビア部(4)及び配線部(5)からなる第1の導電層(3)の上下面方向をのぞく側方周囲に絶縁材料を配置して第1の絶縁部(7)を形成し、ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分を絶縁材料で置換し、第1の導電層(3)と第1の絶縁部(7)とを備えた第1の導電パターン層(6)を形成し、ビア部(4)上面よりも第1の絶縁部(7)上面の方が高い場合、第1の絶縁部(7)の絶縁材料を加熱・加圧してビア部(4)上面と略同じ高さとし、残存する絶縁材料片はプラズマ処理、研削・研磨によって除去することが記載されている。
また、段落【0031】には「(4)絶縁材料」について「絶縁材料としては」「樹脂を選択できる。」と記載されている。
よって、絶縁材料としては樹脂を選択できることが記載されている。
c 段落【0023】には、「次に第1の導電パターン層(6)の表面に金属めっき層(14)を適用する(図5(b))。」、「金属めっき層(14)は」「無電解めっき法の後に電解めっき法を行う方法等によって適用されても」「よい。」、及び、「次いで、上述したようなフォトレジスト法等を用いて回路を形成するべき部分をレジスト(20)(20)’で被覆した後(図5(c)-(d))、エッチングによって不要な導電体及び配線部を除去し(図5(e))、さらにレジスト(20)(20)’を剥離して(図5(f))、所望の回路化が行われる。」と記載されている。
また、図5(c)ないし(e)より「金属めっき層(14)」及び「配線部(5)」が「レジスト(20)(20)’」で被覆され、「金属めっき層(14)」及び「配線部(5)」の「レジスト(20)(20)’」から露出する部分が除去されることがみてとれる。よって、段落【0023】に記載された「回路を形成するべき部分」は、金属めっき層(14)及び配線部(5)の回路を形成するべき部分であるといえる。
よって、第1の導電パターン層(6)の表面に金属めっき層(14)を適用し、金属めっき層(14)は無電解めっき法の後に電解めっき法を行う方法によって適用され、次いで、金属めっき層(14)及び配線部(5)の回路を形成するべき部分をレジストで被覆した後、エッチングによって不要な金属めっき層(14)及び配線部(5)を除去し、さらにレジストを剥離して回路化を行うことが記載されている。
(ウ)上記(イ)のaないしcより、「多層配線基板」の製造方法に着目すると、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「略均一な厚さを有する板状の導電性材料からなる第1の導電体板(1)を準備し、
第1の導電体板(1)の上部表面からビア部(4)及び配線部(5)を残すようにハーフエッチングし、ビア部(4)となる部分はエッチングされず、第1の導電体板(1)の厚さがそのまま残存し、配線部(5)は第1の導電体板(1)の厚さ方向に対し第1の導電体板(1)の一部がエッチングされることによって形成された平板形状であり、配線部(5)の厚さは20~150μmであり、
ビア部(4)及び配線部(5)からなる第1の導電層(3)の上下面方向をのぞく側方周囲に絶縁材料を配置して第1の絶縁部(7)を形成し、ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分を絶縁材料で置換し、第1の導電層(3)と第1の絶縁部(7)とを備えた第1の導電パターン層(6)を形成し、ビア部(4)上面よりも第1の絶縁部(7)上面の方が高い場合、第1の絶縁部(7)の絶縁材料を加熱・加圧してビア部(4)上面と略同じ高さとし、残存する絶縁材料片はプラズマ処理、研削・研磨によって除去し、絶縁材料としては樹脂を選択し、
第1の導電パターン層(6)の表面に金属めっき層(14)を適用し、金属めっき層(14)は無電解めっき法の後に電解めっき法を行う方法によって適用され、次いで、金属めっき層(14)及び配線部(5)の回路を形成するべき部分をレジストで被覆した後、エッチングによって不要な金属めっき層(14)及び配線部(5)を除去し、さらにレジストを剥離して回路化を行う、
多層配線基板の製造方法。」
ウ 対比及び判断
(ア)本件補正発明と引用発明とを対比する。
a 本件補正発明は「ベース基板の上面をエッチングして」「ポストを形成」し、「前記ポストの上面」「に導電層を形成」し、 「前記導電層及び前記ベース基板の下面を同時にパターニングして、上部回路配線及び下部回路配線を含む回路配線を形成する」ものであるから、「ベース基板」は、ポスト及び下部回路配線となり、ポストの上に上部回路配線が配置されるものである。一方、引用発明は「第1の導電体板(1)の上部表面からビア部(4)及び配線部(5)を残すようにハーフエッチングし」、「ビア部(4)及び配線部(5)からなる第1の導電層(3)の上下面方向をのぞく側方周囲に絶縁材料を配置して第1の絶縁部(7)を形成し」、「第1の導電層(3)と第1の絶縁部(7)とを備えた第1の導電パターン層(6)を形成し」、「第1の導電パターン層(6)の表面に金属めっき層(14)を適用し」、「エッチングによって不要な金属めっき層(14)及び配線部(5)を除去し、さらにレジストを剥離して回路化を行う」ものであるから、「第1の導電体板(1)」は、ビア部及び回路化された配線部となり、「ビア部」の上方に回路化された金属めっき層が配置されるものである。よって、引用発明の「第1の導電体板(1)」は、ポスト及び下部回路配線となり、ポストの上に上部回路配線が配置されるものであるから、本件補正発明の「ベース基板」に相当する。
また、引用発明の第1の導電体板(1)が「導電性材料からなる」ことは、本件補正発明のベース基板が「伝導性素材の」ものであることに相当する。
したがって、引用発明の「略均一な厚さを有する板状の導電性材料からなる第1の導電体板(1)」は、本件補正発明の「伝導性素材のベース基板」に相当する。
b 引用発明の「ビア部(4)」は、本件補正発明の「ポスト」に相当する。また、引用発明の「ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分」は、第1の導電体板(1)の厚さ方向に対し第1の導電体板(1)の一部がエッチングされることによって形成された平板形状の「配線部(5)」と、第1の導電体板(1)の厚さがそのまま残存する「ビア部(4)」とにより囲まれた部分であるから、本件補正発明の「トレンチ」に相当する。
そして、上記aを踏まえると、引用発明の「略均一な厚さを有する板状の導電性材料からなる第1の導電体板(1)を準備し、第1の導電体板(1)の上部表面からビア部(4)及び配線部(5)を残すようにハーフエッチングし、ビア部(4)となる部分はエッチングされず、第1の導電体板(1)の厚さがそのまま残存し、配線部(5)は第1の導電体板(1)の厚さ方向に対し第1の導電体板(1)の一部がエッチングされることによって形成された平板形状であ」ることは、本件補正発明の「伝導性素材のベース基板の上面をエッチングしてトレンチ及びポストを形成する段階」に相当する。
しかし、本件補正発明は「前記ベース基板のトレンチが形成された部分の残存する厚さは20μm~40μm」になるのに対し、引用発明は「配線部(5)の厚さは20~150μm」であり、本件補正発明の「20~40μm」を含むと共に下限が一致するものの、上限が「40μm」よりも大きく「150μm」である点で、両者は相違する。
c 上記bのとおり引用発明の「ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分」は本件補正発明の「トレンチ」に相当すること、引用発明において「ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分を絶縁材料で置換」することにより「ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分」の内表面はすべて絶縁材料で覆われると認められること、さらに、引用発明は「絶縁材料としては樹脂を選択」するものであることより、引用発明の「ビア部(4)及び配線部(5)からなる第1の導電層(3)の上下面方向をのぞく側方周囲に絶縁材料を配置して第1の絶縁部(7)を形成し、ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分を絶縁材料で置換し、」「絶縁材料としては樹脂を選択」することは、本件補正発明の「前記トレンチの内表面の全体を覆うように前記トレンチを樹脂で充填する段階」に相当する。
d 引用発明において「残存する絶縁材料片」は、ビア部(4)上面よりも高い第1の絶縁部(7)の一部であり、第1の導電体板(1)の上面より高い位置にあるといえるから、「ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分」の外部に露出されたものである。そして、「絶縁材料としては樹脂を選択」するから、引用発明において「残存する絶縁材料片」は、本件補正発明の「前記トレンチの外部に露出された樹脂」に相当する。
そして、引用発明の「ビア部(4)上面よりも第1の絶縁部(7)上面の方が高い場合、第1の絶縁部(7)の絶縁材料を加熱・加圧してビア部(4)上面と略同じ高さとし、残存する絶縁材料片はプラズマ処理、研削・研磨によって除去」し、「絶縁材料としては樹脂を選択」することは、本件補正発明の「前記ポストの上面と前記樹脂の上面とが同一レベルを形成するように、前記トレンチの外部に露出された樹脂を除去する段階」に相当する。
e 引用発明において「ビア部(4)となる部分はエッチングされず、第1の導電体板(1)の厚さがそのまま残存」し、「ハーフエッチングで除去された第1の導電体板(1)の部分を絶縁材料で置換」するから、第1の導電パターン層(6)の表面は、ビア部(4)と第1の絶縁部(7)とからなるといえる。また、引用発明の「金属めっき層(14)」は、導電性の層であるといえるから、本件補正発明の「導電層」に相当する。してみると、引用発明の「第1の導電パターン層(6)の表面に金属めっき層(14)を適用し、金属めっき層(14)は無電解めっき法の後に電解めっき法を行う方法によって適用され」ることは、本件補正発明の「前記ポストの上面及び前記樹脂の上面全体に導電層を形成する段階」に相当する。
また、引用発明において「金属めっき層(14)は無電解めっき法の後に電解めっき法を行う方法によって適用され」るから、「金属めっき層(14)」は、無電解めっき法により形成された層と、電解めっき法により形成された層とが積層されて形成されたものといえる。よって、引用発明の「金属めっき層(14)は無電解めっき法の後に電解めっき法を行う方法によって適用され」ることは、本件補正発明の「前記導電層は、第1導電層及び第2導電層が積層されて形成され」た構成に相当する。
しかし、本件補正発明が「前記第1導電層は、前記第2導電層のシード層の役割」をするのに対し、引用発明はそのような特定がされていない点で相違する。
f 引用発明の「配線部(4)」の下面は「第1の導電体板(1)」の下面であるといえるから、引用発明の「エッチングによって不要な」「配線部(5)を除去」することは、「第1の導電体板(1)」の下面の不要な部分を除去することを含むから、本件補正発明の「前記ベース基板の下面を」「パターニング」することに相当する。そして、引用発明の「金属めっき層(14)及び配線部(5)の回路を形成するべき部分」は「回路化」が行われ、多層配線基板の上面と下面の回路配線となり、本件補正発明の「上部回路配線」及び「下部回路配線」に対応するものとなると認められるから、引用発明の「金属めっき層(14)及び配線部(5)の回路を形成するべき部分をレジストで被覆した後、エッチングによって不要な金属めっき層(14)及び配線部(5)を除去し、さらにレジストを剥離して回路化を行う」ことは、本件補正発明の「前記導電層及び前記ベース基板の下面を同時にパターニングして、上部回路配線及び下部回路配線を含む回路配線を形成する段階」に相当する。
g 引用発明において「ビア部(4)となる部分はエッチングされず、第1の導電体板(1)の厚さがそのまま残存」するから、「第1の導電体板(1)」の下面は「ビア部(4)」の下面を含むと認められる。また、引用発明は「第1の導電体板(1)の上部表面からビア部(4)及び配線部(5)を残すようにハーフエッチング」するものであり、「ビア部(4)」及び「配線部(5)」は共に「第1の導電体板(1)の一部であったものであるから、「配線部(5)」は「ビア部(4)」と一体に形成されるものである。そして、引用発明の「ビア部(4)」、「配線部(5)」及び「第1の導電体板(1)」は、本件補正発明の「前記ポスト」、「前記下部回路配線」及び「ベース基板」に相当するから、引用発明の「第1の導電体板(1)の上部表面からビア部(4)及び配線部(5)を残すようにハーフエッチングし、ビア部(4)となる部分はエッチングされず、第1の導電体板(1)の厚さがそのまま残存」することは、本件補正発明の「前記ベース基板の下面が前記ポストの下面を含み、前記下部回路配線が前記ポストと一体に形成されている」ことに相当する。
h 引用発明の「多層配線基板の製造方法」は、本件補正発明の「伝導性素材のベース基板の上面をエッチングしてトレンチ及びポストを形成する段階」、「前記トレンチの内表面の全体を覆うように前記トレンチを樹脂で充填する段階」、「前記ポストの上面と前記樹脂の上面とが同一レベルを形成するように、前記トレンチの外部に露出された樹脂を除去する段階」、「前記ポストの上面及び前記樹脂の上面全体に導電層を形成する段階」、及び、「前記導電層及び前記ベース基板の下面を同時にパターニングして、上部回路配線及び下部回路配線を含む回路配線を形成する段階」に相当する構成を含む点で、本件補正発明の「基板の製造方法」と一致する。
しかし、本件補正発明は「半導体パッケージ基板の製造方法」であるのに対し、引用発明は「多層配線基板」の用途が半導体パッケージ基板に限定されていない点で、両者は相違する。
上記aないしhのとおりであるから、本件補正発明と引用発明とは以下の点で一致ないし相違する。
(一致点)
「伝導性素材のベース基板の上面をエッチングしてトレンチ及びポストを形成する段階と、
前記トレンチの内表面の全体を覆うように前記トレンチを樹脂で充填する段階と、
前記ポストの上面と前記樹脂の上面とが同一レベルを形成するように、前記トレンチの外部に露出された樹脂を除去する段階と、
前記ポストの上面及び前記樹脂の上面全体に導電層を形成する段階と、
前記導電層及び前記ベース基板の下面を同時にパターニングして、上部回路配線及び下部回路配線を含む回路配線を形成する段階と、を含み、
前記導電層は、第1導電層及び第2導電層が積層されて形成され、
前記ベース基板の下面が前記ポストの下面を含み、前記下部回路配線が前記ポストと一体に形成されている、
基板の製造方法。」
(相違点1)
本件補正発明は「前記ベース基板のトレンチが形成された部分の残存する厚さは20μm~40μm」になるのに対し、引用発明は「配線部(5)の厚さは20~150μm」であり、本件補正発明の「20~40μm」を含むと共に下限が一致するものの、上限が「40μm」よりも大きく「150μm」である点。
(相違点2)
本件補正発明が「前記第1導電層は、前記第2導電層のシード層の役割」をするのに対し、引用発明はそのような特定がされていない点。
(相違点3)
本件補正発明は「半導体パッケージ基板の製造方法」であるのに対し、引用発明は「多層配線基板」の用途が半導体パッケージ基板に限定されていない点。
(イ)上記相違点について検討する。
(相違点1について)
一般に、エッチングの対象物の厚さが薄い方がエッチングが容易であること、並びに、エッチングの対象物の材料及びエッチャントの種類によってエッチング特性が変わることは技術常識である。また、例えば特開2004-241442号公報の段落【0042】に記載されているように、多層配線基板の下面の導電層の厚さを35μm程度まで薄くすることで、その後のエッチングによるファインパターン化を実現できることも本願の優先日当時において周知技術である。してみると、引用発明は「配線部(5)の回路を形成するべき部分をレジストで被覆した後、エッチングによって不要な」「配線部(5)を除去し、さらにレジストを剥離して回路化を行う」ものであるから、「配線部(5)」の材料及びエッチャントの種類に応じて「配線部(5)」の厚さを設定しエッチングを容易に行うことは、当業者であれば当然考慮する事項であり、引用発明の「20~150μm」から「20~40μm」の範囲内の値を選択し、相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
なお、請求人は令和4年7月4日に提出された意見書において「本願明細書の段落[0026]には、「もし、トレンチ10cが形成された部分の残存する厚さが、これよりも薄ければ、半導体パッケージ基板の製造過程や後続のパッケージング過程でベース基板10や半導体パッケージ基板のハンドリングが容易ではない場合がある。また、場合によって、トレンチ10cを形成するに当って、公差などによって、ベース基板10の上面10aと下面10bとを貫通する貫通ホールが形成される場合もある。一方、トレンチ10cが形成された部分の残存する厚さが、これより厚ければ、後続するベース基板10の下面10bをパターニングして形成する下部回路配線工程が容易ではない場合がある。」と記載されています。すなわち、本願請求項1における“ベース基板のトレンチが形成された部分の残存する厚さが20μm~40μmであること”には臨界的意義があります。」と主張している。
しかし、上記「(ア)b」において検討したとおり、引用発明は、本件補正発明の「ベース基板のトレンチが形成された部分の残存する厚さ」の下限が20μmであることに相当する構成を有する点で、本件補正発明と一致するものである。そして、引用発明において「配線部(5)」の厚さを、第1導電パターン層(6)のハンドリングが困難にならない程度にすることは、当業者であれば当然考慮すべき事項にすぎない。
また、本件補正発明の「ベース基板のトレンチが形成された部分の残存する厚さ」の上限を40μmにすることについては、上記において検討したとおりであり、その効果についても、本願出願当時の技術常識又は周知技術から当業者が予想し得る範囲内のことである。
したがって、請求人が意見書において主張する臨界的意義は、引用発明、周知技術及び技術常識から当業者が十分に予測できたものであって、格別顕著なものとはいえないから、請求人の主張は採用できない。
(相違点2について)
例えば特開2017-108019号公報の段落【0065】ないし段落【0067】に記載されているように、無電解めっき法により形成した層をシード層として電解めっき法を施すことは、本願の優先日当時において周知技術である。してみると、引用発明において「無電解めっき法の後に電解めっき法を行う方法」において、上記周知技術に基づき、無電解めっき法により形成された層をシード層として用い、相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(相違点3について)
例えば特開2007-134364号公報の段落[0040]ないし[0052]、段落[0097]及び図2、特開2001-332860号公報の段落[0005]ないし[0014]、図11及び図12に記載されているように、多層配線基板を半導体パッケージ基板として用いることは、本願の優先日当時において周知技術である。してみると、引用発明の「多層配線基板」を半導体パッケージ基板として用い、相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
よって、本件補正発明は、引用発明及び周知の技術事項から当業者が容易に発明をすることができたものである。
3 補正却下の決定についてのむすび
以上のとおりであるから、本件補正による請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 令和4年7月4日に提出された手続補正書による補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし9に係る発明は、令和3年5月25日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は次のとおりである。
「伝導性素材のベース基板の上面をエッチングしてトレンチ及びポストを形成する段階と、
前記トレンチの内表面の全体を覆うように前記トレンチを樹脂で充填する段階と、
前記ポストの上面と前記樹脂の上面とが同一レベルを形成するように、前記トレンチの外部に露出された樹脂を除去する段階と、
前記ポストの上面及び前記樹脂の上面全体に導電層を形成する段階と、
前記導電層及び前記ベース基板の下面を同時にパターニングして、上部回路配線及び下部回路配線を含む回路配線を形成する段階と、を含み、
前記ベース基板の下面が前記ポストの下面を含み、前記下部回路配線が前記ポストと一体に形成されている、半導体パッケージ基板の製造方法。」
2 拒絶の理由の概要
本願の請求項1に対して令和4年3月31日付けで当審が通知した最後の拒絶理由(進歩性)の概要は次のとおりである。
本件出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の引用文献1に記載された発明、及び周知技術(下記の引用文献2、3に記載された技術事項)に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
1.特開2009-16518号公報
2.特開2007-134364号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2001-332860号公報(周知技術を示す文献)
3 引用文献、引用発明
当審で通知した最後の拒絶理由において引用された引用文献1の記載事項は、上記「第2 2(2)イ」に記載したとおりである。
4 対比及び判断
本願発明は、本件補正発明から「前記ベース基板のトレンチが形成された部分の残存する厚さは20μm~40μmになり、前記導電層は、第1導電層及び第2導電層が積層されて形成され、前記第1導電層は、前記第2導電層のシード層の役割をし、」の限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の構成要素を全て含み、さらに他の発明を特定する事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記「第2 2(2)ウ」に記載したとおり、引用文献1に記載された発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用文献1に記載された発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-006700