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特許拒絶査定不服審判

2021-005789

デジタル貯金箱システム

審判番号
2021-005789
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-089601外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年05月06日
審決日
2022年04月20日
公報発行日
2022年07月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 89601「デジタル貯金箱システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年12月 2日出願公開、特開2021-184191〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和2年5月22日の出願であって、令和2年9月15日付けで拒絶理由が通知され、令和3年1月22日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年1月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願発明

本願の請求項1ないし8に係る発明は、令和3年1月22日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
ユーザの属性情報を記憶するユーザ情報データベースと、
ユーザが有する1以上の貯金箱について少なくとも貯金残高を記憶する貯金箱データベースと、
1以上の金融機関及び/又は1以上の電子マネー事業者との間で資金移動を行うために必要な情報を記憶する提携機関情報データベースと、
続きを表示(全16行)
ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する操作要求を受け付け、貯金箱データベースに記憶された当該貯金箱の情報を編集する貯金箱管理部と、
ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する入出金指示に応じて、又は所定条件に応じて、前記貯金箱データベースの情報に基づき、ユーザ所有の貯金箱と、他の貯金箱又は金融機関若しくは電子マネー事業者との間の入出金を処理する入出金処理部と、
前記入出金処理部による入出金処理に応じて、前記提携機関情報データベースの情報に基づき、金融機関若しくは電子マネー事業者とでの資金移動を行う提携機関通信部と、
前記ユーザ情報データベース及び前記貯金箱データベースに記憶された情報に基づいて、ユーザに対する貯金奨励を行う貯金奨励機能部と
を有するデジタル貯金箱システムであって、
前記ユーザ情報データベースは、ユーザごとに設定された貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶しており、
前記貯金箱データベースは、貯金箱ごとに設定された貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶しており、
前記貯金箱管理部は、前記貯金箱に対する操作の制限のもと、ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する操作要求に対応するデジタル貯金箱システムにおいて、
前記貯金箱管理部は、前記貯金箱データベースにおいて、複数のユーザで共有する貯金箱を作成し、それらのユーザごとに当該共有貯金箱に対する操作の制限を設定しており、
前記ユーザ情報データベースは、前記貯金箱を共有するユーザ間での管理者及び被管理者の関係並びにそれに基づく被管理者ユーザ所有の貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶しており、
前記貯金箱管理部は、ユーザから共有の貯金箱に対して制限された操作の要求があった場合、当該操作要求の諾否を対応する管理者ユーザに求め、承諾された場合のみ当該ユーザによる当該操作を許可することを特徴とし、さらに
前記貯金奨励機能部は、ユーザに対し、当該ユーザが設定した貯金の目標額と目標達成度、又は、計画内容と計画達成度を視覚的表現で提示することを特徴とするデジタル貯金箱システム。」

第3 原査定の拒絶の理由の概要

原査定(令和3年1月29日付け拒絶査定)の拒絶の理由の概要は、この出願の請求項1~8に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1、4~5に記載された発明並びに引用文献2~3、6~7に記載された周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1.特表2017-507408号公報

引用文献2.特開2014-29724号公報(周知技術を示す文献)

引用文献3.生活の中で自然と残高がアップする?自動貯金アプリ『finbee』がスゴすぎる,日本,2017年 8月 7日,<URL:https://time-space.kddi.com/digicul-column/suguyaru/20170807/2064>,[検索日:令和2年9月14日](周知技術を示す文献)

引用文献4.特開2019-148970号公報

引用文献5.特開2010-92151号公報

引用文献6.特開2019-168926号公報(周知技術を示す文献)

引用文献7.韓国公開特許第10-2015-0033771号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用文献及び引用発明

1 引用文献1について

(1)引用文献1に記載された事項

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、注目箇所に当審が付した)。

ア 「【0014】
よって、親(又は保護者)が自身の子供たち又は扶養家族に(例えば、贈物又は「小遣い」から得た)自身の金銭を集約又は区別させ、インターネットで、又は物理的な店舗又は店頭で商品及び/又はサービスを購入させるためのより安全で、監視可能で、かつ管理された金銭管理の仕組みが求められている。このような金銭管理の仕組みは、例えば、会社とその従業員、スポーツクラブ又は他のクラブとその会員など、他の情況でも用いることができる。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、金銭管理のための方法、システム、及びプログラミングに関する。特に、本発明はインターネットなどのネットワークを用いたポータル又はアプリケーションを使用する金銭管理のための方法、システム、及びプログラミングに関する。」
イ 「【0048】
本発明は全般に金銭管理を目的としたシステム、方法、媒体、及び他の実装形態に関する。これらの方法及びシステムは、一又は複数のコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、パソコンなど)及びネットワーク通信(有線又は無線)を用いて特殊化されネットワーク化されたシステムとして実現される。これらの方法及びシステムは金銭管理に関し、金銭管理は例えば、金銭に関するアカウント、取引、予算、又はそれらの組み合わせに関する。これらの方法及びシステムはルールによってアクセス権限が定義される種々のユーザ(アカウントユーザとも称する)によってアクセスが可能なアカウント(又は一次アカウント及び二次アカウント(又はサブアカウント))を伴う。本明細書で用いられるように、ユーザとは管理者か、又は権限ユーザである。管理者とはアカウントを設定し、アカウントを使用する権限を持ち、権限ユーザにアクセス権限を与え、及び/又は権限ユーザに適用できるルールを定義又は変更する人物である。さらに、ルールとは種々の取引を成立させるために種々のユーザにどのようなアクションが求められるかを規定するものである。本明細書で開示する方法及びシステムは、ユーザ自身の資金(例えば、預金、振込み、贈物、又は「割当金」から得たもの)の集約及び/又は区別を可能にし、インターネット上又は物理的な店舗又は店頭での商品及び/又はサービスの購入を促進及び/又は制限する。これらの方法及びシステムは多くの情況で適用できるより安全で、(例えばリアルタイムで)監視可能で、かつ管理された金銭管理の仕組みを提供する。多くの情況には、例えば、親(又は保護者)及びその子供又は扶養家族、会社とその従業員などが含まれる。」
ウ 「【0051】
一部の実施形態において、金銭管理システムは(例えば、アプリケーション又はポータルの形態の)ユーザー・インターフェースを備えたウェブサイト、モバイルアプリケーション、又はスタンドアロンのソフトウェアアプリケーションとして実装されるか、またはそれらからアクセスされる。このユーザー・インターフェースを通して、(例えば、親又は会社などの)ユーザは、(ユーザ自身が用いるための、又は子供又は扶養家族、従業員などの一又は複数の権限ユーザが用いるための)特定のログイン情報又はアクセス資格証明書を有する一又は複数のプロファイル(又はアクセス権限)を有する「アカウント」を生成してもよい。金銭管理システムはユーザがアクセス可能な一次アカウントを、同一のユーザ又は異なるユーザがアクセス可能な二次アカウント(又はサブアカウント)に結合又は関連させる。一次アカウント及び二次アカウント(又はサブアカウント)は異なる権限を提供してもよい。単に例として、一次アカウントのユーザは一次アカウント及び/又は二次アカウント(又はサブアカウント)に預金される及び/又はこれらのアカウントから引き出される資金の額、及び/又は誰が、いつ、どのようにそれを行うかについてのルールを規定してもよく、一次アカウント及び/又は二次アカウント(又はサブアカウント)に関連する取引を承認又は拒絶してもよい。二次アカウント(又はサブアカウント)のユーザは一次アカウントにアクセスする権限を有さなくてもよく、二次アカウント(又はサブアカウント)において利用可能な取引に限定される必要があってもよく、又は二次アカウント(又はサブアカウント)に関連する取引を進めるために一次アカウントのユーザから承認を得る必要があってもよい。一部の実施形態において、一次アカウントと二次アカウント(又はサブアカウント)は別個のものではなく、(例えば、アクセス権限、アカウントの使用ルールなどを含む)異なるプロファイルを有する1つのアカウントが用いられ、これらのプロファイルは上述の一次アカウント及び二次アカウント(又はサブアカウント)に関連する異なる権限に類似する。類似性及び例証を目的として、以下の説明は異なるユーザのための異なるプロファイルを有する1つのアカウントを用いる実施形態に関する。この説明は本発明の範囲を制限することを意図しないと理解される。
【0052】
親と子供の情況を例に説明すると、金銭管理システムのユーザー・インターフェース(例えば、ウェブサイト、アプリケーション、又はポータル)を通して、親は権限を有する子供がアカウントで利用できる資金を用いて行うことができる任意の金銭取引に対する種々の制限及び許可を設定することができる。さらに親は、金銭管理システム内のアカウントに関連するルールを監視及び/又は構成し、これにより、このアカウントに関して行われる任意の取引に対して、事前の了承が必要となるようにし、制限し、及び/又は通知を受けるようにすることができる。さらに、ウェブサイト又はアプリケーションは、金銭に関する情報、子供について構成された一又は複数の「許可」ルールに関する情報、及び/又はその他の情報をベンダ(例えば、オンラインベンダ又は物理的位置を有するベンダ)、並びに関連するカード処理業者、電子振込み(EFT)会社、又は金融機関と交換することによって、また子供に権限が付与された支払いカード又は電子振込みを用いた購入手続きのために振込み又は支払いを行うことを可能にすることによって、(購入又はその他の金銭)取引を促進するように構成されてもよい。また、ポータルウェブサイト又はアプリケーションは、アカウントに資金を提供/追加する一又は複数のエンティティ又はユーザについて親及び/又は子供がルールを構成できるように、また子供が取引を成立させるために用いる取引識別子を生成できるように、構成されてもよい。金銭管理システムは、親が異なる子供、異なる資金提供者などの異なるアカウントユーザごとに異なるルールを生成することを可能にしてもよい。金銭管理システムに関する以下の説明は親と子供の情況を例にしている。金銭管理システムは親と子供の情況の例以外の情況にも適用できると理解される。この例示的な情況は例示を目的としたものであり、本発明の範囲を制限することを意図しない。」
エ 「【0068】
一部の実施形態において、金銭管理システム102は、例えば管理者や権限ユーザなどの一又は複数のユーザが貯金アカウント又は擬似貯金アカウントを設定、維持、又はこれにアクセスすることを可能にしてもよく、これらのアカウントを通して、金銭管理システム108によって、及び/又はその制御下で提供される支払い又は電子振込み(EFT)などの取引が処理されてもよい。アカウント内の資金は、銀行、カード処理業者、又は電子振込み処理業者などの金融機関を利用して金銭管理システム102によって処理されてもよい。例えば、金銭管理システム102は従来の銀行を用いて従来の銀行預金口座に預金してもよい。しかしながら、アカウントの管理者又は権限ユーザは直接金融機関と関わらない。一部の実施形態において、金融機関は金銭管理システムにおいてアカウントの管理者又は権限ユーザの情報にアクセスすることができない。金銭管理システムは金銭管理システムを用いて異なるアカウントから資金をプールし、例えば、その資金を金銭管理システム102又は関連するエンティティの名義で従来の銀行預金口座に預金することによって、その資金を処理する。アカウントの一又は複数のユーザに関する取引を処理するために、金銭管理システム102は例えばインターネット及び/又は他の有線又は無線ネットワークを介して金融機関(例えば、銀行、カード処理業者、又は電子振込み処理業者)と情報(例えば、金銭に関する情報など)を通信及び交換してもよい。さらに、金銭管理システム102は一又は複数のオンラインベンダ又はウェブサイトと情報を通信及び交換することによって、例えば、当該金銭管理システム102上で実行される一又は複数のアカウントユーザに関する購入取引を処理してもよい。さらに、金銭管理システム102は金銭管理システム内のアカウントの一又は複数のユーザと通知、警告、及び/又はメッセージを通信してもよい。単に例として、金銭管理システム102は、資金が振り込み又は受領されたとき、又は権限ユーザ(例えば、子供)がアカウントに関連付けられた支払いシステムを用いて購入を行ったときに、管理者(例えば、親)の一又は複数の装置(例えば、携帯電話)にテキストメッセージを送信してもよい。これによってアカウントの管理者は権限ユーザの代理で、又は権限ユーザによって開始された金銭上の取引を制御、追跡、及び監視することが可能になり、又は(仮想とは異なる)現実の資金及び取引を用いた責任ある金銭管理のための教育/学習の機会を提供する。」
オ 「【0070】
図3は例示的な金銭管理システム102を示す。この実施形態において、金銭管理システム102は登録エンジン302、ユーザ情報データベース(DB)304、認証エンジン306、ルールデータベース(DB)308、ルールセットエンジン310、金銭情報データベース(DB)312、取引エンジン314、監視エンジン316、取引ログ318、及び通知エンジン320を含む。このシステム102はユーザ108及び/又は第三者エンティティ322によってアクセスされてもよい。第三者エンティティ322はベンダ(オンライン又はローカル)114、金融機関又はそのサーバ104などであってもよい。金銭管理システム102は集中されても分散されてもよい。
【0071】
金銭管理システム102は簡単には以下のように説明できる。登録エンジンは金銭管理システム102のユーザ(例えば、親)が当該システム102内でアカウントを設定するのを可能にするように構成されてもよい。認証エンジン306はユーザ108によって入力された又はユーザ108に関連するログイン情報(又はアクセス資格証明書)を認証するように構成されてもよい。ルールセットエンジン310は種々の基準に基づいてユーザ108に関連する取引に対するアクションを決定するように構成されてもよい。種々の基準は、例えば、当該取引、ユーザのアクセス権限、アカウントの使用に適用できるルール、ユーザ108に関する金銭情報など、又はこれらの組み合わせを含む。ルールセットエンジン310はユーザ108に関連する取引に対するアクションに関する命令を、例えば、取引エンジン314に対して提供し、取引エンジン314はそれに従って処理を進行する。この取引は例えば、購入取引、貯金取引、一時的又は繰り返される預金(例えば、振込みによる)など、又はこれらの組み合わせであってもよい。取引エンジン314は監視エンジン316、取引ログ318、及び/又は通知エンジン320と取引について通信してもよい。」
カ 「【0073】
図5は本発明の実施形態に従う金銭管理システム102の金銭管理アプリケーションの例示的なホームページを示す。このページは現在残高アイコン512、数人のユーザ(例えば、アカウントの管理者の子供たち。後に詳述する。)の合計残高に関するアイコン514、貯金アイコン516、購入アイコン518、預金アイコン520、及びアカウント履歴アイコン522を含む。また、このホームページはプルダウンメニュー502を含んでもよい。このプルダウンメニュー502はアイコン512、514、516、518、520、及び522に関する機能のうちの少なくとも1つを起動する代替的な方法、又は付加的な機能を起動する方法を提供してもよい。例示的な付加的機能は、例えば、印刷、保存、特定の取引に対するマーキング、金銭管理アプリケーションの終了、などを含む。このホームページはさらに終了アイコン506を含んでもよい。終了アイコン506をクリックすると、ユーザは金銭管理アプリケーションを終了することができる。また、このページは例えばアプリケーション名504、時刻、金銭管理システムが使われている装置のバッテリー寿命、金銭管理システムが使われている装置のキャリア、金銭管理アプリケーションの使用条件へのリンクなど、又はこれらの組み合わせを含む情報を表示してもよい。
【0074】
アイコン512、514、516、518、520、522、及び506に関連付けられた機能、及びプルダウンメニュー502内のリストに含まれる機能は、例えば、これらのアイコン又はプルダウンメニュー内のリストに含まれる機能名をクリックすることによって起動できる。現在残高アイコン512はアカウントの現在の残高の要約を含む。アイコン514は数人のユーザ(例えば、管理者の子供たち)の名前及びこれらのユーザに割り当てられた合計残高を含む。一部の実施形態において、図5に示すように、アイコン512に表示される現在の残高は、アイコン514に表示される既にアカウントの数人のユーザ(例えば、管理者の子供たち)に割り当てられた残高を含まない。一部の実施形態において、アイコン512に表示される現在の残高は、アイコン514に表示される既にアカウントの数人のユーザに割り当てられた残高を含む。一部の実施形態において、アイコン512又はアイコン514は残高を表示せず、アイコン516、518、520、又は522のようなアイコンに関連付けられた機能を簡単に説明する。一部の実施形態において、ユーザ名はアイコン514に表示されず、その代わりに、ユーザ(子供たち)の人数及び/又は指定された画像(例えば、ユーザ(子供たち)の写真)をアイコン514に表示する。
【0075】
貯金アイコン516はアカウントユーザに関連付けられた貯金計画を含めて、貯金に関連付けられる。購入アイコン518はアカウントユーザによる購入を行う機能に関連付けられる。預金アイコン520はアカウントユーザによる預金又は振込みを行う機能に関連付けられる。アカウント履歴アイコン522は一又は複数のアカウントユーザによるアカウントの履歴、例えば、取引履歴を表示する機能に関連付けられる。以下に詳述するように、アカウントの異なるユーザは異なるアクセス権限を有してもよい。金銭管理アプリケーションの異なるユーザ向けのホームページは同じアイコンを表示してもよく、又は異なるアイコンを表示してもよい。単に例として、アカウントの貯金機能及び購入機能を使用するアクセス権限を有するアカウントユーザに対しては、これら2つのアイコン及びアカウント履歴アイコン522のみが表示されクリックできる状態となる。他の例として、すべてのアカウントユーザに対して同じアイコンが表示されるが、利用可能な機能に関連付けられたアイコンのみがクリックでき、当該利用可能な機能を起動できるようになっている。アイコンの配置は、アイコン上に表示される画像の配置と同様に、例示を目的としたものであり、本発明の範囲を限定することは意図されない。」
キ 「【0077】
図7は本発明の実施形態に従う金銭管理システムのアカウントの例示的な明細ページを示す。(適切なアクセス権限を有する)アカウントユーザは、例えば金銭管理アプリケーションのホームページ上のアイコン514をクリックすることによって、明細ページに到達してもよい。明細ページはアカウントの少なくとも数人のユーザ、例えば、アカウントの管理者の子供たちを一覧表示する。このページにおいて、例えば、712、714、又は716などのエントリは明細ページに含まれるユーザごとに表示されてもよい。要約は、例えば、ユーザ名、貯金残高、週の割当金、最近の利用状況など、又はこれらの組み合わせについての情報を含んでもよい。例えばアカウントユーザに関連付けられる残高などの種々の金銭情報は、金銭情報データベース312に記憶されてもよい。例えば、712、714、又は716などのエントリはユーザの写真又は似顔絵を含んでもよい。例えば、712、714、又は716などのエントリ又はその一部(例えば、ユーザの名前又は写真又は似顔絵)をクリックすることによって、アカウントユーザの利用状況に関するさらなる詳細事項(例えば、取引履歴)を表示するページに移ってもよい。また、このページはユーザがクリックすることによって前のページ又は金銭管理アプリケーションのホームページに戻ることができるアイコン702を含む。また、このページは例えばページのタイトル704、時刻、金銭管理システムが使われている装置のバッテリー寿命、金銭管理システムが使われている装置のキャリア、最近のアカウント利用状況、金銭管理アプリケーションの使用条件へのリンクなど、又はこれらの組み合わせを含む情報をさらに表示してもよい。さらに、このページはアカウントにユーザを追加する機能に関連付けられたアイコン706を含んでもよい。
【0078】
図3を再び参照すると、登録エンジン302は金銭管理システム102のユーザ(例えば、親)が当該システム102内でアカウントを設定するのを可能にするように構成されてもよい。図8は本発明の実施形態に従う例示的な登録処理のフローチャートを示す。アカウントに登録するユーザは、自分を当該アカウントの管理者として指定することができる。管理者は種々の登録情報を入力する必要がある。管理者は、例えば、ウェブサイト、電話、アプリケーション又はポータルなど、又はこれらの組み合わせなどのユーザインターフェースを介して登録情報を入力してもよい。ユーザーインターフェースは、例えば、管理者及び他の権限ユーザに関する登録情報を確認し保存するように要求することによって、アカウントの管理者に対してアカウントの設定方法を案内するように構成されてもよい。
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【0079】
工程802において、登録情報が取得される。登録情報は、例えば、個人情報、金銭情報、一又は複数の付加的な権限ユーザに関する情報、ログイン情報(又はアクセス資格証明書)、異なるユーザに適用可能なアカウント使用上のルールなど、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0080】
個人情報は、例えば、氏名、誕生日、年齢、性別、社会保障番号又は他の識別番号、住所、電子メールアドレス、主要な電話番号、携帯電話番号、確認プリファレンス(管理者に関連する登録情報を確認するために使われる電子メール、電話、又は書面など)、通知プリファレンス(アカウントに関連する通知を管理者に送信するために使われる電子メール、電話、又は書面など)、主要な電子メールアドレス、パスワードを忘れたときの一又は複数の質問、時間帯(アカウント内の日付と時間が特定の時間帯に基づき、金銭管理システム102の時間帯に基づかないようにするため)、通貨プリファレンス、及び/又は他のプリファレンス又は情報など、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。金銭情報は、例えば、収入、クレジットカード番号、デビットカード番号、銀行口座番号、PayPal(登録商標)又は他の電子アカウント情報など、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。管理者はアカウントの自分以外の一又は複数の権限ユーザを特定してもよい。これらのユーザは、例えば、子供、扶養家族、親戚、友人、従業員など、又はこれらの組み合わせである。
【0081】
管理者は管理者アクセス権限を一又は複数の権限ユーザと共有してもよい。これを実現するためには、管理者は自分のログイン情報又はアクセス資格証明書を他の権限ユーザと共有するか、又は管理者はログイン情報又はアクセス資格証明書を他の権限ユーザ用に指定し、かつ同じ(又はほとんど同じ)アクセス権限及び適用可能なルールを管理者のものとして指定する。管理者は、例えば、管理者のログイン情報(又はアクセス資格証明書)を変更するか、又は他の権限ユーザについてのアクセス権限及び適用可能なルールを変更することによって、管理者のアクセス権限の共有を解除することができる。
【0082】
管理者は一又は複数の権限ユーザのそれぞれについてログイン情報又はアクセス資格証明書を指定してもよい。異なる権限ユーザごとに、ログイン情報又はアクセス資格証明書が異なっていてもよい。また、管理者はアクセス資格証明書及び/又は一又は複数の権限ユーザに適用できるアカウントの使用上のルールを指定してもよい。各々のアクセス権限及びアカウント使用上の適用できるルールはログイン情報又はアクセス資格証明書と関連付けられてもよい。単に例として、ユーザが管理者のログイン情報又はアクセス資格証明書を用いてログインするときには、管理者に指定されたアクセス権限及びルールを適用でき、ユーザが管理者の子供などの権限ユーザのログイン情報又はアクセス資格証明書を用いてログインするときには、当該特定ユーザに指定されたアクセス権限及びルールを適用できる。
【0083】
管理者又は権限ユーザ用のログイン情報(又はアクセス資格証明書)は、ユーザ名、パスワード、PIN番号など、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。パスワードは一続きの数字、文字、又は記号、又は識別子(例えば、生体計測識別子)であってもよい。生体計測識別子は、例えば、指紋、声、顔認識など、又はこれらの組み合わせであってもよい。パスワードには有効期限があってもよく、時々(例えば、定期的に、又は管理者が指定又は希望する頻度で)リセットすることによってパスワードの強度を確実にする必要がある。
【0084】
一部の実施形態において、管理者は権限ユーザによるアカウントの使用に関するルールを指定することによって、権限ユーザ(例えば、管理者の子供、扶養家族、友人など)のプロファイルを構成してもよい。権限ユーザはアカウントに預金をする者(資金提供者とも称する)、又は購入を行うかアカウント内の資金を使う者であってもよい。プロファイルは、すでに説明したログイン情報(又はアクセス資格証明書)、アカウントで利用できる資金に対する権限ユーザによるアクセスにおける条件又は制限、アカウントに対する資金提供又は預金における条件又は制限など、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。管理者はアカウントにおける資金の使用に関する自由裁量を完全に有するケースからまったく有さないケースまでを可能にする種々のレベルのアクセス権限(又は「許可」構成)を設定及び更新又は変更することができ、これにより、例えば、どこで、いつ、何に、いくらの金額で権限ユーザがアカウント内で利用できる資金を使うか、又はアカウント内に預金するかを制御することができる。」
ク 「【0090】
一部の実施形態において、権限ユーザは、アカウントを用いた支払いを直接要求するのではなく、「要望リスト」に項目を追加することを許可されるか、又は項目を追加することに限定されてもよい。一部の実施形態において、要望リストは成立していない取引についての保留アイテムを含んでもよい。単に例として、権限ユーザが購入を行う前に例えば管理者による事前の了承が必要であるため、項目は保留扱いとなる。要望リストは特定のベンダからの項目を含んでもよい。単に例として、要望リストはアマゾン・ドット・コムからのビデオゲームを含んでもよい(このビデオゲームが別のベンダでも利用できるか否かに関わりなく)。要望リストは同一又は複数のベンダからの複数の項目を含んでもよい。要望リストに含まれる項目を提供するベンダは特定されていなくてもよい。単に例として、要望リストは携帯電話を含んでもよい。この携帯電話は種々のローカル又はオンラインベンダで入手でき、要望リストはどのベンダから携帯電話を購入できるか又は購入しなければならないかを特定する情報を含まない。続いて、管理者によって規定されたルールに従って条件を満たすと、要望リスト内の項目に関連する取引が成立してもよい。一部の実施形態において、アカウントの管理者などのアカウントユーザは要望リスト上の項目を検査して承認(又は却下)してもよい。要望リスト内の項目が承認されると、当該項目を購入する取引が成立する。取引を完了させるための支払いは、項目を要求した又は要望リストに追加した権限ユーザから行われてもよく、項目を承認したアカウントユーザから行われてもよく、又は適切なアクセス権限を有する他のアカウントユーザから行われてもよい。一部の実施形態において、アカウントの管理者などのアカウントユーザは要望リストから項目を削除してもよい。項目は例えばアカウントの管理者などのアカウントユーザから却下された場合に要望リストから削除されてもよい。要望リストをカスタマイズして、例えば、要望リストの設定に基づき、要望リスト内の項目が有効期限切れとなり要望リストから削除されるようにしてもよい。
【0091】
例えば子供などの権限ユーザに適用できる管理者によって規定された例示的なルールのセットは、以下の通りである。子供は自分のユーザ名及びパスワードを用いてアカウントにアクセスし、自分のアカウント残高を確認し、貯金目標を設定し、管理者によって承認された商品又はサービスを金銭管理システム102を通して購入してもよい。また、子供は自分の過去の取引を閲覧/監視し、管理者によって構成された種々の制約/設定を閲覧し、管理者によって設定された制約の範囲内で自分の予算を設定してもよい。子供のプロファイルの設定は管理者によってアクセス、閲覧、変更、及び/又は制限されてもよい。例えば、システムが提示するいくつかのオプションの中から管理者が選択することによって、子供がアカウントを使って行う取引又は購入について種々の制限/制約を子供に課すようにしてもよい。」
ケ 「【0108】
工程804において登録情報の少なくとも一部が検証され、その後に、管理者が登録処理をさらに進めるか又はこれらの情報がデータベースに保存される。単に例として、住所、電子メールアドレス、電話番号、又は他の個人情報が検証され、その後に、管理者が登録処理をさらに進めるか又はこれらの情報がユーザ情報データベース304に保存されてもよい。他の例として、クレジットカード番号、デビットカード番号、銀行口座番号、又はその他の金銭情報又はアカウント情報が検証され、その後に、これらの情報が金銭情報データベース312に保存されてもよい。登録エンジン302は電子的に及び/又は自動的に検証を行ってもよい。例えば、登録エンジン302はクレジットカード情報を当該クレジットカードの発行者に電子的に送信することによって、管理者によって入力されるクレジットカード情報を検証してもよい。付加的に又は代替的に、登録エンジン302は管理者又は異なるアカウントユーザに対して証拠書類の提示を求めてもよい。例えば、登録エンジン302は電話料金請求書あるいは銀行口座明細書、又は子供の養育権あるいは保護責任の証明の提示を管理者に対して求めてもよい。
【0109】
工程806において登録情報の少なくとも一部が処理され、その後に、当該情報は金銭管理システム102のデータベース内に保存される。例示的な処理の方法は、暗号化、圧縮など、又はこれらの組み合わせを含む。例えば、管理者によって入力されたクレジットカード番号が暗号化され、その後金銭情報データベース312に保存されてもよい。金銭管理システム102との間で送受信される情報(例えば、当該システム上で実行される金銭管理アプリケーションに関するもの)は、例えば、セキュアソケットレイヤ(SSL)、トランスポートレイヤセキュリティ(TLS)などの既知の暗号化処理及び任意の認証アルゴリズムを用いて暗号化され、安全な状態となる。
【0110】
工程808において、登録情報の少なくとも一部が金銭管理システム102のデータベース内に保存される。一部の実施形態において、個人情報及び/又はログイン情報(又はアクセス資格証明書)をユーザ情報データベース(DB)304内に保存し、異なるユーザに適用できるアカウントの使用ルールをルールデータベース(DB)308内に保存し、金銭情報を金銭情報データベース(DB)312内に保存してもよい。一部の実施形態において、異なるユーザに適用できるアカウントの使用ルールをルールセットエンジン310に転送し、その後ルールデータベース(DB)内に転送及び保存してもよい。一部の実施形態において、異なるユーザに適用できるアカウントの使用ルールは、ユーザがログインするときに当該ユーザが入力するログイン情報(又はアクセス資格証明書)に基づいて取得又はアクティブ化されてもよい。一部の実施形態において、登録情報の少なくとも一部は金銭管理システム102と作動的に通信する安全なデータベースサーバ(関連する既知のハードウェア及びソフトウェアを含む)に送信され、保存されて、それ以降アクセスできるようになる。」
コ 「【0118】
工程1104に示すように、ルールセットエンジン310はアカウントユーザに関連する取引の要求を取得する。この要求は権限ユーザからのものであってもよいが、例えば取引がベンダからの購入であれば、この要求はベンダからのものであってもよい。工程1108において、ルールセットエンジン310は取引についての情報を抽出又は取得する。
この情報は、例えば、ベンダが提供する製品又はサービスの種類、価格、場所、当該アカウントユーザが当該ベンダ又は類似のベンダと行った前回の取引など、又はこれらの組み合わせを(例えば、取引ログ318で得られる情報に基づいて)含んでもよい。工程1106において、ルールセットエンジン310はアカウントユーザに関連する金銭情報を取得する。この情報は、例えば、当該アカウントユーザが利用できる金額を(例えば、金銭情報データベース312で得られる情報に基づいて)含んでもよい。」
サ 「【0120】
図12に示すように、取引に対する要求に対する少なくとも1つのアクションに関する命令は取引エンジン314に転送される。取引エンジン314は預金モジュール1202、購入モジュール1204、及び貯金モジュール1206を含んでもよい。預金モジュール1202はアカウントユーザに関連するアカウントに対する預金取引を処理するように構成されてもよい。購入モジュール1204はアカウントユーザに関連するアカウントからの購入取引を処理するように構成されてもよい。貯金モジュール1206はアカウントユーザに関連するアカウント内での貯金取引を処理するように構成されてもよい。アカウントユーザは管理者又は特定の取引について適切なアクセス権限を有する権限ユーザであってもよい。取引エンジン314は以下のうちの少なくとも1つと通信を行う。監視エン
ジン316、取引ログ318、通知エンジン320、第三者エンティティ322、及び金銭情報データベース312。単に例として、取引エンジン314はルールセットエンジン310からの命令に基づいて、取引の承認の通知又は要求を例えばアカウントの管理者に対して送信するように通知エンジン320に要求してもよい。他の例として、取引エンジン314は取引に関する情報(例えば、コスト)を金銭情報データベース312に送信することによって、アカウントユーザに関連する金銭情報が金銭情報データベース312内で更新及び保存される。さらなる例として、取引エンジン314は、例えばベンダや取引時刻などの取引に関する情報を取引ログ318に提供してもよい。
【0121】
図13は本発明の実施形態に従う預金(「預金取引」とも称する)のための例示的な処理のフローチャートを示す。工程1302において、預金取引について実行される少なくとも1つのアクションに関する命令が取得される。これらの命令に従って、少なくとも1つのアクションのうちの少なくとも一部(例えば、預金の承認の通知又は要求の送信、振込み、又は預金に関するその他のアクション、金銭情報データベース312との通信など)が預金モジュール1202によって実行されてもよい。これらの命令に従って、少なくとも1つのアクションのうちの少なくとも一部(例えば、振込み、又は預金に関するその他のアクションなど)がサービスプロバイダ及び/又は金融機関によって実行されてもよい。その後、預金モジュール1202はこれらの命令に従って処理を進行する。図示するように、工程1304において、資金提供者(例えば、管理者、権限ユーザ)による預金を行うための要求に関する通知が、例えばアカウントの管理者に対して送信される。工程1306において、預金を進行するための承認の要求が、例えばアカウントの管理者に対して送信される。工程1308において承認を受信すると、預金モジュール1202は工程1310において預金をさらに進行してもよい。預金が行われた後、工程1312において、金銭情報データベース312及び/又は取引ログ318は預金の内容に従って更新されてもよい。一部の実施形態において、上述の工程の一部は実行されない。単に例として、預金モジュール1202が預金取引をさらに進行する前に、例えば管理者による通知又は承認が必要とされなくてもよい。他の例として、預金を行うための要求が拒絶された場合、預金取引は中止される。預金を要求又は開始したアカウントユーザ及び/又は預金の要求を拒絶したアカウントユーザに通知が送信されてもよい。」
シ 「【0134】
図21から図23は金銭管理システム102のユーザインターフェースを構成する金銭管理アプリケーションの例示的な貯金ページを示す。図21は本発明の実施形態に従う例示的な貯金ページを示す。管理者や権限ユーザなどのアカウントユーザは、例えば図5に示す金銭管理アプリケーションのホームページ上のアイコン516をクリックすることによって、このページに到達してもよい。図21に示すように、貯金ページはアカウントユーザの貯金残高の要約2112、複数のアカウントユーザの合計貯金残高2114、及び複数のアカウントユーザの週ごとの割当金の要約2116を含む。貯金ページはアカウントに関連する他の項目の要約を含んでもよい。貯金ページはバー2118を含んでもよく、少なくともその一部をクリックすると「信託資金」を生成してアカウントの残高又は貯金を一定の額に制限する処理に進むことができる。これは一定の期間購入取引に用いられなくてもよい。また、貯金ページはバー2120を含んでもよく、少なくともその一部をクリックすると貯金アカウントについての詳細を知ることができ、又は貯金についてのより一般的な知識を得ることができる。また、貯金ページはバー2122を含んでもよく、少なくともその一部をアカウントユーザがクリックすると貯金目標を設定することができる。また、貯金ページはアカウントユーザがクリックすることによって前のページ又は金銭管理アプリケーションのホームページに戻ることができるアイコン2102をさらに含んでもよい。また、このページは例えばページのタイトル2104、時刻、金銭管理システムが使われている装置のバッテリー寿命、金銭管理システムが使われている装置のキャリアなど、又はこれらの組み合わせを含む情報をさらに表示してもよい。」
ス 「【0136】
図23が示す例示的なページにおいては、アカウントユーザ(例えば、管理者、権限ユーザ)は、本発明の実施形態に従って、貯金目標を設定してもよい。このページはこのページの簡単な説明2312、目標に名称(例えば、新しいバイク、ゲームなど)をつけるためのスペース2314、目標についてのコメントを付加するためのスペース2316、貯金目標の金額2316、及び例えば目標の写真を追加するための「写真を追加?」アイコン2318を含んでもよい。また、このページはこのアカウントユーザ又は他のアカウントユーザの「現在の目標」2320の要約を含んでもよい。また、このページはアカウントユーザがクリックすることによって前のページ又は金銭管理アプリケーションのホームページに戻ることができるアイコン2302と、アカウントユーザがクリックすることによって貯金目標を保存できる「保存」アイコン2306を含んでもよい。また、このページは例えばページのタイトル2304、時刻、金銭管理システムが使われている装置のバッテリー寿命、金銭管理システムが使われている装置のキャリアなど、又はこれらの組み合わせを含む情報をさらに表示してもよい。」

(2)引用文献1に記載された発明

上記(1)の摘記事項ア~スから、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「一又は複数のコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、パソコンなど)及びネットワーク通信(有線又は無線)を用いて実現される金銭管理を目的とした金銭管理システムであって(【0048】)、
ユーザ(アカウントユーザともいう)は、管理者と権限ユーザとからなり、管理者は、アカウントを設定し、アカウントを使用する権限を持ち、自分以外の権限ユーザにアクセス権限を与え、権限ユーザに適用できるルールを変更するユーザであり(【0048】)、権限ユーザは、例えば、子供、扶養家族、親戚、友人、従業員など、又はこれらの組み合わせであり(【0080】)、管理者や権限ユーザなどの一又は複数のユーザは貯金アカウント又は擬似貯金アカウントを設定、維持、又はこれにアクセスすることを可能にしてもよく(【0068】)、
親は、権限を有する子供がアカウントで利用できる資金を用いて行うことができる任意の金銭取引に対する種々の制限及び許可を設定でき、金銭管理システム内のアカウントに関連するルールを監視及び/又は構成し、これにより、このアカウントに関して行われる任意の取引に対して、事前の了承が必要となるようにし、制限し、及び/又は通知を受けるようにすることができ(【0052】)、
金銭管理システムは、登録エンジン302、ユーザ情報データベース(DB)304、認証エンジン306、ルールデータベース(DB)308、ルールセットエンジン310、金銭情報データベース(DB)312、取引エンジン314、監視エンジン316、取引ログ318、及び通知エンジン320を有し(【0070】)、
続きを表示(全14行)
個人情報及び/又はログイン情報(又はアクセス資格証明書)をユーザ情報データベース(DB)304内に保存し、異なるユーザに適用できるアカウントの使用ルールをルールデータベース(DB)308内に保存し(【0110】)、
アカウントユーザに関連付けられる残高などの種々の金銭情報を金銭情報データベース312に記憶し(【0077】)、
アカウント内の資金は、銀行、カード処理業者、又は電子振込み処理業者などの金融機関を利用して処理してもよく、従来の銀行を用いて従来の銀行預金口座に預金してもよく、アカウントの一又は複数のユーザに関する取引を処理するために、インターネット及び/又は他の有線又は無線ネットワークを介して金融機関(例えば、銀行、カード処理業者、又は電子振込み処理業者)と情報(例えば、金銭に関する情報など)を通信及び交換し(【0068】)、
ウェブサイト又はアプリケーションは、金銭に関する情報、子供について構成された一又は複数の「許可」ルールに関する情報、及び/又はその他の情報をベンダ(例えば、オンラインベンダ又は物理的位置を有するベンダ)、並びに関連するカード処理業者、電子振込み(EFT)会社、又は金融機関と交換することによって、また子供に権限が付与された支払いカード又は電子振込みを用いた購入手続きのために振込み又は支払いを行うことを可能にすることによって、(購入又はその他の金銭)取引を促進するように構成され(【0052】)、
ルールセットエンジン310はアカウントユーザに関連する取引の要求を取得し(【0118】)、
ルールセットエンジン310は種々の基準に基づいてユーザに関連する取引に対するアクションを決定するように構成されてもよく、種々の基準は、当該取引、ユーザのアクセス権限、アカウントの使用に適用できるルール、ユーザに関する金銭情報など、又はこれらの組み合わせを含み、ルールセットエンジン310はユーザに関連する取引に対するアクションに関する命令を、取引エンジン314に対して提供し、取引エンジン314はそれに従って処理を進行し、この取引は例えば、購入取引、貯金取引、一時的又は繰り返される預金(例えば、振込みによる)など、又はこれらの組み合わせであってもよく(【0071】)、
取引エンジン314は取引に関する情報(例えば、コスト)を金銭情報データベース312に送信することによって、アカウントユーザに関連する金銭情報を金銭情報データベース312内で更新及び保存し(【0120】)、
貯金ページはバー2120を含んでもよく、少なくともその一部をクリックすると貯金アカウントについての詳細を知ることができ、又は貯金についてのより一般的な知識を得ることができ、貯金ページはバー2122を含んでもよく、少なくともその一部をアカウントユーザがクリックすると貯金目標を設定することができ(【0134】)、
貯金目標の設定画面において、ユーザは、新しいバイク、ゲームなどの目標の名称、目標についてのコメント、貯金目標の金額、目標の写真を設定することができ、設定画面には、現在の目標の要約を表示してもよい(【0136】)、
金銭管理システム。」

2 引用文献4について

(1)引用文献4に記載された事項

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は、注目箇所に当審が付した)。

ア 「【0001】
本発明は、銀行口座の利便性を高めるサービスを提供する装置、方法、プログラムに関する。」
イ 「【0046】
フォルダ共有手段109は、特定のフォルダを、口座内の複数のユーザとの間、又は他の口座のユーザとの間で共有させる機能を有する。」
ウ 「【0053】
共有情報とは、フォルダを他のユーザと共有するか否か、また、共有する場合は、共有を許可するユーザのIDとそのアクセス権を定めた情報である。また、アクセス権情報とは、作成、編集、消去、参照等の権限を、ユーザごとに定めた情報である。共有の許可及びアクセス権の設定は、その口座に対して管理者権限のあるユーザのみが行える。」
エ 「【0061】
図5は、一つの口座を家族で共有するイメージを示す図である。ここでは、「お父さん」、「お母さん」、「太郎」(子供)の3人家族で一つの口座を共有しており、「お母さん」が口座の管理者として登録されており、管理者は、家族それぞれに対して口座のアクセス権限を付与できるものとする。「プロパティ(共有者)」411で示すように、「口座1234567」フォルダを右クリックして、プロパティの中から「共有者」を選択すると、この口座の共有者が表示される。ここで共有者とは、各フォルダを少なくとも参照することができる権限を付与された者を言う。共有者のうち少なくとも一人が管理者として登録される。
【0062】
なお、共有者は家族でなくとも、友人など他の口座を持つものであってもよい。図6は、前述した自分の口座のフォルダを他の口座所有者と共有するイメージを示す図である。この図では、自分の「パリ旅行」フォルダを友人の口座フォルダの「パリ旅行」フォルダと共有させ、同じフォルダにお互いが旅行資金を入金ができるようにしたものである。ここで自分のフォルダが友人にも共有されていることがわかるように、「パリ旅行」フォルダには共有マークを表示するようにしてもよい。
【0063】
図5に戻り、アクセス権は、自分の口座全体を表す「口座1234567」フォルダに設定可能であるが、個々のサブフォルダにも設定可能である。この家族は、家族旅行のため「旅行」フォルダに家族が共同でお金を貯めることにしており、そのため、「旅行フォルダのアクセス権」412で示すように、共有フォルダにある「旅行」フォルダには家族全員が参照及び入金ができるが、出金又は編集(「旅行」フォルダの資金を他のフォルダへの移動すること等)は、「お母さん」だけが可能であるというルールでアクセス権が設定されている。」
オ 「【0064】
また、各フォルダのプロパティには、あらかじめ定義された項目やタブを登録しておくことができる。例えば、「旅行」フォルダのプロパティに、旅行のための貯金額の「目標額」という項目を追加し、プロパティ表示画面403の「目標管理」というタブを選択すれば、「旅行フォルダの目標管理」413で示すように、貯金の目標額(例えば30万円)に対して、「旅行」フォルダの現在の残高(例えば20万円)がグラフで表示されるようにもできる。」

カ

[図:0001385810000001.jpg]

(2)引用文献4記載の技術的事項

上記ア~カによれば、引用文献4には、次の技術的事項が記載されているといえる。

<引用文献4記載の技術的事項1>

「銀行口座の利便性を高めるサービスを提供する装置、方法、プログラムに関し(【0001】)、
フォルダ共有手段109は、特定のフォルダを、口座内の複数のユーザとの間、又は他の口座のユーザとの間で共有させる機能を有し(【0046】)、
共有情報とは、フォルダを他のユーザと共有するか否か、また、共有する場合は、共有を許可するユーザのIDとそのアクセス権を定めた情報であり、また、アクセス権情報とは、作成、編集、消去、参照等の権限を、ユーザごとに定めた情報であって、共有の許可及びアクセス権の設定は、その口座に対して管理者権限のあるユーザのみが行えること(【0053】)。」

<引用文献4記載の技術的事項2>

「銀行口座の利便性を高めるサービスを提供する装置、方法、プログラムに関し(【0001】、
貯金の目標額に対して、フォルダの現在の残高がグラフで表示されること(【0064】、図5)。」

第5 当審の判断

1 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「金銭管理システム」は、「アカウントの一又は複数のユーザに関する取引を処理するために、インターネット及び/又は他の有線又は無線ネットワークを介して金融機関(例えば、銀行、カード処理業者、又は電子振込み処理業者)と情報(例えば、金銭に関する情報など)を通信及び交換」を行うものであり、当該システムはインターネットや情報処理装置を用いた「デジタルシステム」である。

また、当該システムにおいて、ユーザが「貯金アカウント又は擬似貯金アカウントを設定、維持」等し、貯金の目標として、新しいバイクやゲームなどの貯金の目的、目標金額を設定することは、ユーザが、当該システムを「貯金箱」のように利用するものといえ、当該「貯金箱」は、物理的な「貯金箱」ではなく、デジタルシステムにおける仮想的な「貯金箱」であるから、本願発明と引用発明とは「デジタル貯金箱システム」である点で一致している。

(2)引用発明の「個人情報及び/又はログイン情報(又はアクセス資格証明書)」、「ユーザ情報データベース(DB)304」は、それぞれ本願発明の「ユーザの属性情報」、「ユーザ情報データベース」に相当するので、引用発明の「個人情報及び/又はログイン情報(又はアクセス資格証明書)」を保存した「ユーザ情報データベース(DB)304」は、本願発明の「ユーザの属性情報を記憶するユーザ情報データベース」に相当する。

(3)引用発明の「アカウント」は、ユーザが維持する「貯金アカウント」、「擬似貯金アカウント」などのアカウントであるから、本願発明の「貯金箱」に相当し、引用発明の「種々の金銭情報」のうちの「残高」、「金銭情報データベース(DB)312」は、それぞれ、本願発明の「貯金残高」、「貯金箱データベース」に相当する。

よって、引用発明の「アカウントユーザ」により維持される「貯金アカウント」、「擬似貯金アカウント」などの「アカウント」の「残高などの種々の金銭情報」を記憶する「金銭情報データベース312」は、本願発明の「ユーザが有する1以上の貯金箱について少なくとも貯金残高を記憶する貯金箱データベース」に相当する。

(4)引用発明の「ルールセットエンジン310」は「アカウントユーザに関連する取引の要求を取得」し、「取引エンジン314」は「取引に関する情報(例えば、コスト)を金銭情報データベース312に送信」することで「アカウントユーザに関連する金銭情報を金銭情報データベース312内で更新及び保存」するものであるが、当該「アカウントユーザに関連する取引の要求を取得」することは、本願発明と同様の「ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する操作要求を受け付け」ることであり、上記「アカウントユーザに関連する金銭情報を金銭情報データベース内で更新及び保存」することは、本願発明と同様の「貯金箱データベースに記憶された当該貯金箱の情報を編集する」ことである。

そうすると、引用発明において、「ルールセットエンジン310」及び「取引エンジン314」の両者が協働して、「アカウントユーザに関連する取引の要求を取得」し、「取引に関する情報(例えば、コスト)を金銭情報データベース312に送信」することは、本願発明の「貯金管理部」の「ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する操作要求を受け付け、貯金箱データベースに記憶された当該貯金箱の情報を編集する」機能に相当し、引用発明は、コンピュータ等の情報処理装置を用いたシステムであり、ソフトウェアにより機能を担う手段(部)が実現されるから、引用発明において、「ルールセットエンジン310」及び「取引エンジン314」の両者が協働して行う当該機能は、本願発明と同様に「貯金箱管理部」が行っているといえる。

(5)引用発明の、「アカウント内の資金」は、ユーザが要求した、購入取引、貯金取引、振込みなどの取引に対するアクションに関する命令に従って、処理を行い、当該処理は、「銀行、カード処理業者、又は電子振込み処理業者などの金融機関」を利用して処理されてもよく、従来の銀行を用いて従来の銀行預金口座に預金してもよく、当該処理を行うために、「インターネット及び/又は他の有線又は無線ネットワークを介して金融機関(例えば、銀行、カード処理業者、又は電子振込み処理業者)と情報(例えば、金銭に関する情報など)を通信及び交換」するものであり、ユーザの購入取引、貯金取引、振込みなどの取引の要求は、「ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する入出金指示」ということができ、ユーザからの要求は、上記(4)と同様に、「貯金箱データベース」に編集され、インターネット等を介して、銀行等の金融機関を用いて銀行口座の預金などの処理を行うものである。

そうすると、引用発明において、ユーザのアカウントに対する、ユーザの購入取引、貯金取引、振込みなどの取引の要求により、インターネット等を介して、銀行等の金融機関等を用いて、銀行口座に預金などの処理を行うことについて、本願発明の「ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する入出金指示に応じて、又は所定条件に応じて、前記貯金箱データベースの情報に基づき、ユーザ所有の貯金箱と、他の貯金箱又は金融機関若しくは電子マネー事業者との間の入出金を処理する」ことのうち、引用発明の「ユーザの購入取引、貯金取引、振込みなどの取引の要求」は、本願発明の択一的に「入出金指示に応じて、又は所定条件に応じて」と記載された一方の「入出金指示に応じて」に相当し、引用発明における「銀行等の金融機関等」の「銀行口座」への預金処理は、本願発明の択一的に「他の貯金箱又は金融機関若しくは電子マネー事業者との間の入出金」と記載された一の「金融機関との間の入出金」に相当するから、引用発明において、ユーザのアカウントに対する、ユーザの購入取引、貯金取引、振込みなどの取引の要求により、インターネット等を介して、銀行等の金融機関等を用いて、銀行口座に預金などの処理を行うことは、本願発明の「ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する入出金指示に応じて、又は所定条件に応じて、前記貯金箱データベースの情報に基づき、ユーザ所有の貯金箱と、他の貯金箱又は金融機関若しくは電子マネー事業者との間の入出金を処理する」機能に相当する。

そして、引用発明において、当該機能は、本願発明と同様に「入出金処理部」が行うものといえる。

(6)上記(5)のとおり、引用発明は、ユーザのアカウントから、銀行等の金融機関の銀行口座に預金の処理を行うものであり、引用発明の「銀行等の金融機関」は、本願発明の択一的に記載された「金融機関若しくは電子マネー事業者」の一方の「金融機関」に相当する。

引用発明において、ユーザのアカウントから、銀行等の金融機関の銀行口座に預金の処理を行うことは、資金移動であるといえ、引用発明が、この資金移動を行うために必要な情報を保有していることは明らかであるから、この資金移動を行うために必要な情報を保有する構成と、本願発明の「1以上の金融機関及び/又は1以上の電子マネー事業者との間で資金移動を行うために必要な情報を記憶する提携機関情報データベース」とは、「1以上の金融機関及び/又は1以上の電子マネー事業者との間で資金移動を行うために必要な情報を記憶する記憶部」である点で共通する。

そして、引用発明において、資金移動は、この「資金移動を行うために必要な情報」に基づいて行われることは明らかであるから、引用発明の、ユーザのアカウントに対する、ユーザの取引の要求に応じて、金融機関の銀行口座に預金の処理を行う構成と、本願発明の「前記入出金処理部による入出金処理に応じて、前記提携機関情報データベースの情報に基づき、金融機関若しくは電子マネー事業者とでの資金移動を行う提携機関通信部」とは、「前記入出金処理部による入出金処理に応じて、前記資金移動を行うために必要な情報に基づき、金融機関若しくは電子マネー事業者とでの資金移動を行うための通信部」である点で共通する。

(7)引用発明は「貯金ページはバー2120を含んでもよく、少なくともその一部をクリックすると貯金アカウントについての詳細を知ることができ、又は貯金についてのより一般的な知識を得ることができ、貯金ページはバー2122を含んでもよく、少なくともその一部をアカウントユーザがクリックすると貯金目標を設定することができ」、ユーザは、貯金目標の設定画面において、目標の名称、貯金目標の金額、目標の写真を設定し、設定した目標を見ることができるが、当該「貯金ページ」で表示される情報はアカウントユーザに対して貯金の奨励に資することは明らかであって、貯金目標の設定、表示は、ユーザに対する個別の貯金の奨励といえる。そして、このような貯金アカウントに関する情報やユーザが設定した貯金目標といったアカウント及びユーザに関する情報はそのデータ属性に応じて「金銭情報データベース(DB)312」又は「ユーザ情報データベース(DB)304」において記憶されることが当業者に自明である。

よって、引用発明の「貯金ページ」において、「貯金目標の設定」、表示する機能は、本願発明の「前記ユーザ情報データベース及び前記貯金箱データベースに記憶された情報に基づいて、ユーザに対する貯金奨励を行う」機能に相当し、そして、引用発明において、当該機能は、本願発明と同様の「貯金奨励機能部」が行うものといえる。

(8)引用発明の「異なるユーザに適用できるアカウントの使用ルールをルールデータベース(DB)308内に保存」することに関し、当該「異なるユーザに適用できるアカウントの使用ルール」とはユーザごとに設定された使用ルールであって、本願発明の「ユーザごとに設定された貯金箱に対する操作の制限に関する情報」に相当するから、引用発明の「ルールデータベース(DB)308内」に「異なるユーザに適用できるアカウントの使用ルール」を保存することと、本願発明の「前記ユーザ情報データベースは、ユーザごとに設定された貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶しており」とは「データベースは、ユーザごとに設定された貯金箱に対する操作の制限に関する情報記憶しており」という点で共通している。

(9)引用発明は、「ルールセットエンジン310」によって「当該取引、ユーザのアクセス権限、アカウントの使用に適用できるルール、ユーザに関する金銭情報など、又はこれらの組み合わせ」を含む「種々の基準に基づいてユーザに関連する取引に対するアクションを決定」すると共に、「ユーザに関連する取引に対するアクションに関する命令を、取引エンジン314に対して提供」するものであるところ、当該「アカウントの使用に適用できるルール」、「ユーザに関連する取引に対するアクション」は、それぞれ本願発明の「貯金箱に対する操作の制限」、「ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する操作要求」に相当し、引用発明の「当該取引、ユーザのアクセス権限、アカウントの使用に適用できるルール、ユーザ108に関する金銭情報など、又はこれらの組み合わせ」を含む「種々の基準に基づいてユーザに関連する取引に対するアクションを決定」する機能は、本願発明の「前記貯金箱管理部は、前記貯金箱に対する操作の制限のもと、ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する操作要求に対応する」機能に相当し、引用発明の当該機能は、上記(4)のとおり、本願発明と同様の「貯金箱管理部」が行うものといってよいものである。

(10)引用発明の「権限ユーザ」、「管理者」は、それぞれ本願発明の「被管理者ユーザ」、「管理者」に相当し、引用発明の「権限ユーザに適用できるルール」は、本願発明の「被管理者ユーザ所有の貯金箱に対する操作の制限」に対応するものであって、当該ルールは引用発明の「ルールデータベース(DB)308」に記憶されるものである。

引用発明の「ルールデータベース(DB)308」が「権限ユーザに適用できるルール」を記憶することと、本願発明の「前記ユーザ情報データベースは、前記貯金箱を共有するユーザ間での管理者及び被管理者の関係並びにそれに基づく被管理者ユーザ所有の貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶して」いることとは、「データベース」が「ユーザ所有の貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶して」いる点で共通すると共に、操作の制限に関する情報を記憶する「データベース」が、本願発明は「ユーザ情報データベース」であるのに対し、引用発明は「ユーザ情報データベース」とは別の「ルールデータベース(DB)308」である点、及び、「データベース」に記憶される「貯金箱の操作の制限に関する情報」が、本願発明では「被管理者ユーザ所有の貯金箱」に対するものであるのに対し、引用発明では「被管理者ユーザ所有の貯金箱」に対するものであるか明らかでない点で相違する。

(11)引用発明の「アカウント」は、管理者が設定、使用する権利を有し、管理者以外の権限ユーザにアクセス権を与えるものであるから、管理者(管理者)と被管理者ユーザ(権限ユーザ)とが、当該アカウントに対するアクセス権限を有するものであり、権限について、被管理者ユーザは、使用ルールによりアカウントに対する金銭取引の制限を受けるものである。

そうすると、引用発明の管理者と被管理者ユーザ(権限ユーザ)とがアクセス権限を有する「アカウント」と本願発明の「複数のユーザで共有する貯金箱」である「共有貯金箱」とは、「複数のユーザが権限を有する貯金箱」である点で共通する。

そして、上記(4)のとおり、引用発明において、アカウントの設定は、本願発明と同様の「貯金箱管理部」が行っているといえるから、引用発明の、管理者が、管理者と権限ユーザとがアクセス権限を有するアカウントを作成し、アクセス権限をユーザ情報データベース(DB)304に設定し、権限ユーザに対して、使用ルールをルールデータベース(DB)308に設定し、金銭取引の制限をすることと、本願発明の「前記貯金箱管理部は、前記貯金箱データベースにおいて、複数のユーザで共有する貯金箱を作成し、それらのユーザごとに当該共有貯金箱に対する操作の制限を設定」することとは、「前記貯金箱管理部は、データベースにおいて、複数のユーザが権限を有する貯金箱を作成し、それらのユーザごとに当該貯金箱に対する操作の制限を設定」する点で共通する。

また、引用発明の「ユーザ情報データベース(DB)304」内に、管理者が、管理者に対する権限ユーザを設定、記憶し、「ルールデータベース(DB)308」に権限ユーザの金銭取引の制限をするために使用ルールを設定、記憶することと、本願発明の「前記ユーザ情報データベースは、前記貯金箱を共有するユーザ間での管理者及び被管理者の関係並びにそれに基づく被管理者ユーザ所有の貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶」することとは、「データベースは、前記貯金箱の権限を有するユーザ間での管理者及び被管理者の関係並びにそれに基づく被管理者ユーザ所有の貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶して」いる点で共通し、複数のユーザが権限を有する貯金箱が、本願発明では「共有貯金箱」であるのに対し、引用発明では「共有貯金箱」であるか明らかでない点、及び、上記(10)と同様に、貯金箱を設定する「データベース」が、本願発明では「貯金箱データベース」であるのに対し、引用発明では「ユーザ情報データベース(DB)304」と「ルールデータベース(DB)308」である点で相違する。

(12)引用発明は「親は、権限を有する子供がアカウントで利用できる資金を用いて行うことができる任意の金銭取引に対する種々の制限及び許可を設定でき、金銭管理システム内のアカウントに関連するルールを監視及び/又は構成し、これにより、このアカウントに関して行われる任意の取引に対して、事前の了承が必要となるようにし、制限し、及び/又は通知を受けるようにする」ものであって、当該「事前の了承が必要となる」取引とは権限ユーザに対して制限された操作に伴うものであり、事前の了承は、管理者が権限ユーザの取引の通知を受けて、了承を与えるものであるから、引用発明の、権限ユーザからアカウントに対してルールにより事前の了承が必要となるように制限された取引に対して、管理者が権限ユーザに事前の了承を与えることと、本願発明の「前記貯金箱管理部は、ユーザから共有の貯金箱に対して制限された操作の要求があった場合、当該操作要求の諾否を対応する管理者ユーザに求め、承諾された場合のみ当該ユーザによる当該操作を許可する」こととは、「前記貯金箱管理部は、ユーザから貯金箱に対して制限された操作の要求があった場合、当該操作要求の諾否を対応する管理者ユーザに求め、承諾された場合のみ当該ユーザによる当該操作を許可する」ものである点で共通している。

(13)引用発明の「貯金ページ」は「アカウントユーザ」が「貯金目標の金額」を設定することができ、現在の目標の要約を表示してもよいものであることから、引用発明の、貯金ページに、アカウントユーザが貯金目標の金額を設定し、目標の表示を行うことと、本願発明の「前記貯金奨励機能部は、ユーザに対し、当該ユーザが設定した貯金の目標額と目標達成度、又は、計画内容と計画達成度を視覚的表現で提示する」ことのうち、択一的に記載された「貯金の目標額と目標達成度、又は、計画内容と計画達成度」の一方の「貯金の目標額と目標達成度」とは、「前記貯金奨励機能部は、ユーザに対し、当該ユーザが設定した貯金の目標額を提示する」ものである点で共通している。

(14)以上、(1)~(13)によると、本願発明と引用発明とは、次の一致点、相違点を有する。

[一致点]

「ユーザの属性情報を記憶するユーザ情報データベースと、
ユーザが有する1以上の貯金箱について少なくとも貯金残高を記憶する貯金箱データベースと、
1以上の金融機関及び/又は1以上の電子マネー事業者との間で資金移動を行うために必要な情報を記憶する記憶部と、
ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する操作要求を受け付け、貯金箱データベースに記憶された当該貯金箱の情報を編集する貯金箱管理部と、
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ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する入出金指示に応じて、又は所定条件に応じて、前記貯金箱データベースの情報に基づき、ユーザ所有の貯金箱と、他の貯金箱又は金融機関若しくは電子マネー事業者との間の入出金を処理する入出金処理部と、
前記入出金処理部による入出金処理に応じて、前記資金移動を行うために必要な情報に基づき、金融機関若しくは電子マネー事業者とでの資金移動を行う通信部と、
前記ユーザ情報データベース及び前記貯金箱データベースに記憶された情報に基づいて、ユーザに対する貯金奨励を行う貯金奨励機能部と
を有するデジタル貯金箱システムであって、
データベースは、ユーザごとに設定された貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶しており、
前記貯金箱管理部は、前記貯金箱に対する操作の制限のもと、ユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する操作要求に対応するデジタル貯金箱システムにおいて、
前記貯金箱管理部は、前記貯金箱データベースにおいて、複数のユーザが権限を有する貯金箱を作成し、それらのユーザごとに当該貯金箱に対する操作の制限を設定しており、
前記データベースは、前記貯金箱の権限を有するユーザ間での管理者及び被管理者の関係並びにそれに基づくユーザ所有の貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶しており、
前記貯金箱管理部は、ユーザから貯金箱に対して制限された操作の要求があった場合、当該操作要求の諾否を対応する管理者ユーザに求め、承諾された場合のみ当該ユーザによる当該操作を許可することを特徴とし、さらに
前記貯金奨励機能部は、ユーザに対し、当該ユーザが設定した貯金の目標額を提示することを特徴とするデジタル貯金箱システム。」

[相違点]

(相違点1)

金融機関や電子マネー事業者との間で資金移動を行うために必要な情報を記憶する記憶部が、本願発明では「提携機関情報データベース」であるのに対し、引用発明では「提携機関情報データベース」とは特定されていない点。

(相違点2)

入出金処理に応じて金融機関若しくは電子マネー事業者とでの資金移動を行う通信部が、本願発明は「提携機関通信部」であるのに対し、引用発明は「提携機関通信部」とは特定されていない点。

(相違点3)

ユーザごとに設定された貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶するデータベースが、本願発明は「ユーザ情報データベース」であるのに対し、引用発明は「ユーザ情報データベース」とは別の「ルールデータベース」である点。

(相違点4)

本願発明は「貯金箱ごとに設定された貯金箱に対する操作の制限に関する情報」を記憶するものであるのに対し、引用発明はそのような情報を備えていない点。

(相違点5)

「複数のユーザが権限を有する貯金箱」が、本願発明では「複数のユーザで共有する貯金箱」である「共有貯金箱」であるのに対し、引用発明では貯金箱が「共有貯金箱」であるか明らかでない点。

(相違点6)

「データベース」に記憶される「貯金箱に対する操作の制限に関する情報」について、本願発明では「被管理者ユーザ所有の貯金箱」に対するものであるのに対し、引用発明では「被管理者ユーザ所有の貯金箱」に対するものであるか明らかでない点。

(相違点7)

貯金奨励機能部の貯金の目標に対する提示が、本願発明は、「貯金の目標額」に加えて「目標達成度」、又は、「計画内容と計画達成度」を提示するものであり、提示を視覚的表現で提示するのに対し、引用発明は単に「貯金の目標額を提示する」ものであり、提示が視覚的表現ではない点。

2 相違点の判断

(1)相違点1、2について

引用文献1の【0068】には、「アカウントの管理者又は権限ユーザは直接金融機関と関わらない。一部の実施形態において、金融機関は金銭管理システムにおいてアカウントの管理者又は権限ユーザの情報にアクセスすることができない。金銭管理システムは金銭管理システムを用いて異なるアカウントから資金をプールし、例えば、その資金を金銭管理システム102又は関連するエンティティの名義で従来の銀行預金口座に預金することによって、その資金を処理する。」と記載されている。そうすると、引用発明において、アカウントでは直接金融機関とは関わらず、金融管理システムが、金融機関に対して資金の処理をするから、引用発明の貯金箱システム(金銭管理システム)と金融機関との関係は、提携関係といってよいものである。

そして、引用発明のユーザからのユーザ所有の貯金箱に対する入出金指示に応じたユーザ所有の貯金箱と金融機関との間の入出金を処理する機能やその入出金処理に応じて金融機関とでの資金移動を行う機能について、引用発明はコンピュータのプログラムでこれらの機能を実現するものであるから、これら、プログラムで実現する機能をどのような呼称とするかは当業者が適宜決定するものである。

よって、引用発明において「1以上の金融機関及び/又は1以上の電子マネー事業者との間で資金移動を行うために必要な情報を記憶する記憶部」を「提携機関情報データベース」とし、「入出金処理に応じて金融機関若しくは電子マネー事業者とでの資金移動を行う通信部」を「提携機関通信部」とすることは、当業者が適宜なし得る事項である。

(2)相違点3について

ユーザごとに設定された貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶するデータベースに関し、本願発明と引用発明とは当該情報を記憶するデータベースについて相違するものの、当該情報をシステム内のいずれのデータベースに記憶させるかは当業者が適宜選択し得る設計事項にすぎず、引用発明において上記情報を「ユーザ情報データベース(DB)」に記憶させて相違点3に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得る程度の事項にすぎない。

(3)相違点4について

引用発明は、管理者がアカウントを設定し、自分以外の権限ユーザにアクセス権限を与え、権限ユーザに対して、アカウントの金銭取引に関するルールを設定するものである。そうすると、設定されたルールは、権限ユーザのアカウントに対する操作の制限であるとともに、権限ユーザは個々のアカウントに設定されるから、アカウント毎、すなわち、貯金箱毎に設定してもよいものである。

よって、引用発明においてもユーザ毎の操作の制限に関する情報に加えてアカウント毎の操作の制限を設けて、当該システム内のデータベースに記憶させて、相違点4に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得る程度の事項にすぎない。

(4)相違点5について

本願発明における「複数のユーザで共有する貯金箱」である「共有貯金箱」とは、「それらのユーザごとに当該共有貯金箱に対する操作の制限を設定しており、」「貯金箱を共有するユーザ間での管理者及び被管理者の関係並びにそれに基づく被管理者ユーザ所有の貯金箱に対する操作の制限に関する情報を記憶し」、「ユーザから共有の貯金箱に対して制限された操作の要求があった場合、当該操作要求の諾否を対応する管理者ユーザに求め、承諾された場合のみ当該ユーザによる当該操作を許可する」ものである。

ここで、引用発明における、ユーザの「アカウント」は、管理者と権限ユーザとがアクセス権限を有するものであり、引用文献1には、「管理者はアカウントの自分以外の一又は複数の権限ユーザを特定してもよい。これらのユーザは、例えば、子供、扶養家族、親戚、友人、従業員など、又はこれらの組み合わせである。」(【0080】)と記載され、また、引用文献1の【0073】、【0074】段落には、親である管理者に対し、3人の管理者の子供たちを権限ユーザとした例が記載されているとおり、権限ユーザは、1人に限らず複数を設定できるものである。

そうすると、引用発明に管理者と権限ユーザが権限を有する「アカウント」は、上記1(11)、(12)のとおり、本願発明の上記の「複数のユーザで共有する貯金箱」と同様の構成を有するものであるから、「複数のユーザで共有する貯金箱」といえるものである。よって、引用発明の「アカウント」は、本願発明の「貯金箱」に相当し、また、管理者と権限ユーザとで共有する「複数のユーザで共有する貯金箱」にも相当するから、相違点5は実質上の相違点ではない。

仮に、相違点5において相違しているとしても、上記第4の2(2)に示した引用文献4記載の技術的事項1にあるように、複数のユーザで口座を共有可能とするとともに、口座を共有するユーザの各々に他のユーザの操作を許可するか否かについての管理者権限その他の操作権限の設定を可能とすることは、周知技術であるから、引用発明において、引用文献4記載の周知技術を採用することにより、1つの貯金箱を1の管理者と複数の被管理者で共有することは当業者が容易に想到し得た事項である。

(5)相違点6について

引用発明のアカウントは、管理者とともに、被管理者ユーザである権限ユーザがともに権限を有するものであって、「被管理者ユーザ所有」ということもできることから、引用発明において、被管理者ユーザの操作の制限のある「貯金箱」を「被管理者ユーザ所有の貯金箱」と称することは、当業者が適宜なし得た事項である。

(6)相違点7について

引用発明において、ユーザに対して貯金奨励を行うために、貯金の目標額を提示することに加えて、引用文献4に記載された貯金目標達成度を視覚的表現で提示する構成を適用して、本願発明の構成とすることは当業者が適宜なし得る程度の事項にすぎない。

3 本願発明の効果について

発明の詳細な説明の段落【0019】に記載された「本発明のデジタル貯金箱システムによれば、単に電子的預貯金の出し入れができる機能を提供するに留まらず、ユーザに対し貯金を励行する様々な機能を備えたデジタル貯金箱を実現するコンピュータシステム及びアプリケーションソフトウェアが提供される」という効果は、引用文献1及び引用文献4の記載事項から当業者が予測し得る範囲を超えるものではない。

第6 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明及び引用発明4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29項第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-005789

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