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特許拒絶査定不服審判

2021-003898

遊技機

審判番号
2021-003898
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-010177外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月26日
審決日
2022年02月08日
公報発行日
2022年03月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (A63F) / P18 .537-WY (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項1号特許法36条6項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 10177号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 4月18日出願公開、特開2019- 58788号、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成26年6月13日に出願した特願2014-122785号の一部を平成31年1月24日に新たな特許出願(特願2019-10177号)としたものであって、令和1年11月19日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月25日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年5月26日付けで拒絶の理由が通知(最後)され、同年7月17日に意見書が提出されたところ、同年12月10日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、令和3年3月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、これに対し、当審において、同年10月13日付けで拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年12月10日に意見書及び手続補正書(以下、当該手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、本願発明は以下のとおりの発明である(なお、AないしLについては、分説するため合議体が付した。以下A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。 「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 前記有利状態において、遊技媒体が進入容易な第1状態と遊技媒体が進入困難な第2状態とに変化可能な可変手段と、 C 可変表示に関する情報を、保留記憶として記憶する保留記憶手段と、 D 前記保留記憶手段に記憶された保留記憶に対応して保留表示を表示する保留表示手段と、 E 保留表示の表示態様を通常態様とは異なる態様に変化させる変化演出を実行可能な変化演出実行手段と、 F 可変表示を開始するときに、当該可変表示に対応する保留表示を対応表示として表示可能な対応表示手段と、 G 対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させるときと、対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させないときとで共通で実行される共通演出と、当該共通演出を実行した後に対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させる成功演出または対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させない失敗演出と、を実行可能な対応表示演出実行手段と、を備え、 H 遊技状態として、通常状態と、通常状態よりも前記有利状態に制御されやすい特別状態があり、 I 前記通常状態と前記特別状態において、前記保留表示の表示態様の種類の数が異なり、 J 一の可変表示の実行中における第1タイミングと、当該第1タイミングよりも後の第2タイミングと、を含む複数タイミングのうち、前記第2タイミングにおいて前記共通演出が実行されるときは、前記第1タイミングにおいて前記共通演出が実行されるときよりも、前記成功演出が実行される割合が高く、 K 前記対応表示演出実行手段は、前記変化演出が実行される場合に、前記共通演出を実行しない L ことを特徴とする遊技機。」 第3 引用例の記載、引用発明 1 引用例1 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-87491号公報(平成26年5月15日出願公開、以下「引用例1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、遊技媒体が始動領域を通過した後に、可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を行い、識別情報の表示結果が特定表示結果になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するパチンコ遊技機等の遊技機に関する。 ・・・略・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 特許文献1に記載されている遊技機は、実行中の可変表示に対応する保留表示によって遊技者に可変表示中の演出に関連する情報(例えば、仮停止の回数)を提供するが、実行中の可変表示に対応する保留表示は、識別情報の特定表示結果に対する期待度(例えば、大当り図柄が停止表示される可能性の高低)を変化可能に表している訳ではない。 【0008】 そこで、本発明は、識別情報の可変表示中に表示される実行中の可変表示に対応する保留表示を利用して特定表示結果に対する期待度を遊技者に報知して、遊技の興趣をより向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。」 イ 「【課題を解決するための手段】 【0009】 (1)本発明による遊技機は、遊技媒体(例えば、遊技球)が始動領域(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を通過した後に、可変表示の開始条件(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの可変表示も実行されていない状態で、かつ、大当り遊技状態でもないこと)が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を行い、可変表示の表示結果が特定表示結果(例えば、大当り図柄)になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、遊技媒体が始動領域を通過したときに、可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否かを決定するための数値データ(例えば、大当り決定用乱数)を抽出する数値データ抽出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS215A,S215Bの処理を実行する部分)と、遊技媒体が始動領域を通過したが開始条件が成立していない識別情報の可変表示について、所定の上限数(例えば、4)を限度に、数値データ抽出手段により抽出された数値データを保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)と、保留記憶の数に応じた保留表示を表示部(例えば、演出表示装置)に表示する保留表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS6006,S6008,S6016,S6017の処理を実行する部分)と、識別情報の可変表示を開始するときに、当該可変表示に対応する保留表示を可変表示対応保留表示として所定領域(例えば、保留ボックス9F)に表示する可変表示対応保留表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS818の処理を実行する部分)と、当該可変表示の実行中に、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、所定領域に表示されている可変表示対応保留表示の態様を特定態様(例えば、「赤」)に変化させる保留表示変化手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS844,S845,S846,S847の処理を実行する部分)とを備え、保留表示変化手段は、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、複数のタイミングのうちいずれのタイミングで特定態様に変化させるかの割合を異ならせる(図31参照:例えば、「リーチ演出中に実行」を含むパターンに割り当てられている判定値数は、大当りの場合の方が、スーパーリーチはずれの場合よりも多い)ことを特徴とする。 そのような構成によれば、識別情報の可変表示中に表示される実行中の可変表示に対応する保留表示に遊技者をより注目させて、遊技の興趣をより向上させることができる。 【0010】 (2)上記の(1)の遊技機において、保留記憶にもとづいて開始される可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かを当該可変表示が開始される前に判定する保留判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS221,S223の処理を実行する部分)を備え、保留表示手段は、当該可変表示が開始される前に、保留判定手段により特定表示結果になると判定された場合と特定表示結果にならないと判定された場合とで、異なる割合で特定態様で保留表示を表示する(図31参照:例えば、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、始動入賞時に保留表示の表示態様が「赤」になるパターン(パターン5)に多くの判定値が割り合てられている)ように構成されていてもよい。 そのような構成によれば、可変表示が開始される前においても保留表示に遊技者を注目させることができる。 【0011】 (3)上記の(1)または(2)の遊技機において、保留表示手段は、保留記憶にもとづく可変表示が開始される前に、複数の態様(例えば、「青」、「黄」、「赤)のうちのいずれかの態様で保留表示を表示し、保留表示変化手段は、可変表示が開始される前の保留表示の態様に応じて、実行中の可変表示に対応する保留表示の態様を変化させる割合を異ならせる(図31参照:例えば、「リーチ前」および「リーチ演出中」)に着目すると、可変表示開始前の保留表示の態様が「黄」である場合に比べて、「青」である場合の方が、高い割合で、可変表示開始後に、保留表示の態様が変化する)ように構成されていてもよい。 そのような構成によれば、可変表示が開始される前においても保留表示に遊技者を注目させることができる。 【0012】 (4)上記の(1)~(3)の遊技機において、保留表示変化手段は、表示部に所定画像を表示し、所定領域に表示されている実行中の可変表示に対応する保留表示に当該所定画像が作用することによって当該実行中の可変表示に対応する保留表示の態様が変化するような表示演出を行い(図27[左側](C)、図27[右側](E)参照)、保留表示の態様を変化させるタイミングに関わらず、共通のタイミングで所定画像の表示を開始する(図27参照)ように構成されていてもよい。 そのような構成によれば、所定画像が表示されることによって遊技者の期待感を高めることができるとともに、実行中の可変表示に対応する保留表示の態様を変化させるタイミングが所定画像によって容易に把握されることが防止される。 【0013】 (5)上記の(1)~(4)の遊技機において、保留表示手段は、保留記憶にもとづく可変表示が開始される前に、可変表示の表示結果が特定表示結果になる期待度に応じた態様で保留表示を表示することによって、可変表示開始前保留予告を実行し(図31参照:例えば、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、始動入賞時に保留表示の表示態様が「赤」になるパターン(パターン5)に多くの判定値が割り合てられている)、所定演出(例えば、通常予告演出やスーパーリーチ演出)を実行する所定演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS824~S826,S841~S843の処理を実行する部分)と、所定演出実行手段が所定演出を演出実行しているときに、可変表示開始前保留予告の実行を制限する制限手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS851~S854,S6005,S6007,S6015,S6017の処理を実行する部分)を備えていてもよい。 そのような構成によれば、所定演出が把握されづらくなることが防止され、所定演出の効果を阻害しないようにすることができる。」 ウ 「【0040】 また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。 ・・・略・・・ 【0043】 遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。」 エ 「【0222】 図26は、保留表示の変化例を示す説明図である。図26には、始動入賞にもとづく演出図柄の可変表示(変動)が開始される前に保留表示の態様(表示態様)が変化する変動開始前態様変化の例が示されている。なお、図26には、可変表示(変動)が開始される前の時点として、始動入賞が生じたときが例示されている。 【0223】 図26に示す例では、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の可変表示が実行されているときに(図26(A)参照)、新たな始動入賞が発生すると、保留表示の数が1増えるが、新たな始動入賞に対応する保留表示(保留表示Aとする。)は、通常態様とは異なる態様で表示されることがある(図26(B)参照)。 【0224】 その後、保留表示Aにもとづく可変表示を開始可能な状態になると(図26(C)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、可変表示を開始するときに、保留表示Aを保留ボックス9Fの内部に表示する(図26(D,E)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常の表示領域から保留表示Aを消去する。 【0225】 図27は、保留表示の変化の他の例を示す説明図である。図27の左側には、演出図柄の可変表示(変動)が開始された後であってリーチになる前に保留表示の態様が変化するリーチ前態様変化の例が示されている。 【0226】 図27[左側]に示す例では、可変表示を開始可能な状態になると(図27[左側](A)参照)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、可変表示を開始するときに、開始される可変表示に対応する保留表示(保留表示Bとする。)を保留ボックス9Fの内部に表示する(図27[左側](B)参照)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常の表示領域から保留表示Bを消去する。 【0227】 その後、リーチになる前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示する(図27[左側](C)参照)参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる(図27[左側](C)参照)参照)。 【0228】 そして、リーチになった後、最終停止図柄が導出表示される(図27[左側](D,E)参照)参照) 【0229】 図27[右側]に示す例では、可変表示を開始可能な状態になると(図27[右側](A)参照)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、可変表示を開始するときに、開始される可変表示に対応する保留表示(保留表示Cとする。)を保留ボックス9Fの内部に表示する(図27[右側](B)参照)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常の表示領域から保留表示Cを消去する。 【0230】 その後、リーチになる前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示画面(例えば、保留表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示する(図27[右側](C)参照)参照)。この時点では、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様は変化しない。 【0231】 そして、リーチになった後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる(図27[右側](D,E)参照)参照)。 【0232】 なお、可変表示開始時を起点として、図27[右側]においてキャラクタ画像9aの表示が開始される時点は、図27[左側]においてキャラクタ画像9aの表示が開始される時点と同じである。 【0233】 また、この実施の形態では、キャラクタ画像9aのみが使用されるが、複数種類のキャラクタ画像から選択して使用するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになる場合に、はずれになる場合に比べて、特定のャラクタ画像を高い割合で選択する。また、キャラクタ画像の違いに応じて、保留表示の態様を変化させる割合を異ならせてもよい。 【0234】 また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタ画像9aを表示した場合に、リーチになる前またはリーチになった後に保留表示の態様が必ず変化するように制御するが、すなわち、保留表示の態様を変化させない場合(図31におけるパターン1,4,5参照)にはキャラクタ画像9aを表示しないが、リーチになる前およびリーチになった後に保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示するようにしてもよい。」 オ 「【0249】 図31は、ステップS6002の処理で使用される保留予告演出決定テーブルの一例を示す説明図である。図31に例示する保留予告演出決定テーブルには、始動入賞時の保留表示の態様、リーチ前の保留表示の態様、およびリーチ後の保留表示の態様と、判定値とが、対応して設定されている。なお、図31には、判定値数が示されている。 ・・・略・・・ 【0258】 なお、図31に示す保留予告演出決定テーブルにおける判定値の割り当て方は一例であり、他の例を用いてもよい。その場合、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、最終的に「赤」の態様(特定態様)になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が高く、最終的に「黄」の態様になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が中程度であり、最終的に「青」の態様(特定態様)になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が最も低いことが好ましい。」 カ 「【0322】 なお、上記の実施の形態では、「可変表示が開始される前」として始動入賞時を例にしたが、「可変表示が開始される前」は、始動入賞にもとづく可変表示が開始される前であれば、始動入賞時に限られない。例えば、当該始動入賞よりも前に生じた始動入賞にもとづいて可変表示が開始されるときや、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dにおいて保留表示がシフトされるときであってもよい。」 キ 「【図26】 [図:0001382221000001.jpg] 【図27】 [図:0001382221000002.jpg] ・・・略・・・ 【図31】 [図:0001382221000003.jpg] 」 ク 上記アないしキからみて、引用例1には、実施形態として、次の発明が記載されている。なお、aないしlについては本願発明のAないしLに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。 「a 識別情報の可変表示を行い、可変表示の表示結果が特定表示結果になったときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御する遊技機であって(【0009】)、 c 遊技媒体が始動領域を通過したが開始条件が成立していない識別情報の可変表示について、数値データ抽出手段により抽出された数値データを保留記憶として記憶する保留記憶手段と(【0009】)、 d 保留記憶の数に応じた保留表示を表示部に表示する保留表示手段(【0009】)と、 f 識別情報の可変表示を開始するときに、当該可変表示に対応する保留表示を可変表示対応保留表示として所定領域(例えば、保留ボックス9F)に表示する可変表示対応保留表示手段(【0009】)と、 e 当該可変表示の実行中に、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、所定領域に表示されている可変表示対応保留表示の態様を特定態様(例えば、「赤」)に変化させる保留表示変化手段(【0009】)と、 を備え、 b 大当り遊技状態において開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になり(【0040】)、 g、j 保留表示変化手段は、 表示部に所定画像を表示し、所定領域に表示されている実行中の可変表示に対応する保留表示に当該所定画像が作用することによって当該実行中の可変表示に対応する保留表示の態様が変化するような表示演出を行い、保留表示の態様を変化させるタイミングに関わらず、共通のタイミングで所定画像の表示を開始するものであり(【0012】)、具体的には、リーチになる前にキャラクタ画像9aを表示した場合に、リーチになる前またはリーチになった後に保留表示の態様が必ず変化し、リーチになる前およびリーチになった後に保留表示の態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示し(【0227】、【0230】、【0234】)、 可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、複数のタイミングのうちいずれのタイミングで特定態様に変化させるかの割合を異ならせ(【0009】)、 h 遊技状態として、通常状態と、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態と、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態と、があり(【0043】)、 k 演出図柄の可変表示が実行されているときに、新たな始動入賞が発生すると、保留表示の数が1増えるが、新たな始動入賞に対応する保留表示(保留表示Aとする。)は、通常態様とは異なる態様で表示されることがあり(【0223】)、その後、保留表示Aにもとづく可変表示を開始可能な状態になると、可変表示を開始するときに、保留表示Aを保留ボックス9Fの内部に表示し(【0224】)、 可変表示を開始するときに、開始される可変表示に対応する保留表示(保留表示Bとする。)を保留ボックス9Fの内部に表示し(【0226】)、その後、リーチになる前に、キャラクタ画像9aを表示し、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させる(【0227】)、 l 遊技機(【0009】)。」(以下「引用発明」という。) 2 引用例2 原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-73376号公報(平成26年4月24日出願公開、以下「引用例2」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入したことを条件として、遊技者に有利な特別遊技の実行可否が決定される遊技機に関する。」 イ 「【0295】 図45は、非時短遊技状態に設定されている場合に参照される保留表示決定テーブル1~3を説明する図であり、図46は、非時短遊技状態に設定されている場合の特殊表示の実行条件判定テーブルを説明する図である。保留記憶領域に保留情報が記憶されると、サブCPU200aは、0~255の範囲内から1つの保留表示決定乱数を取得するとともに、当該保留表示決定乱数を、上記の保留情報が記憶された記憶部と同じ記憶部に記憶する。 ・・・略・・・ 【0304】 図47は、時短遊技状態Aに設定されている場合に参照される保留表示決定テーブル4~6を説明する図であり、図48は、時短遊技状態Aに設定されている場合の特殊表示の実行条件判定テーブルを説明する図である。時短遊技状態Aにおいて、記憶部に記憶された演出分類情報が「不定値」の場合には、図47(a)に示す保留表示決定テーブル4を参照して保留表示種別が決定される。この保留表示決定テーブル4によれば、保留表示決定乱数が0~249のときに「通常表示」と決定し、保留表示決定乱数が250~255のときに「特殊表示A」と決定する。 ・・・略・・・ 【0310】 なお、図45に示す保留表示種別のうち、「通常表示」は保留表示を青色で表示することを示し、「特殊表示1」は保留表示を緑色で表示することを示し、「特殊表示2」は保留表示を黄色で表示することを示し、「特殊表示3」は保留表示を赤色で表示することを示し、「特殊表示4」は保留表示をキャラクタAで表示することを示し、「特殊表示5」は保留表示をキャラクタBで表示することを示している。 【0311】 また、図47に示す保留表示種別のうち、「通常表示」は保留表示を青色で表示することを示し、「特殊表示A」は保留表示を白星で表示することを示し、「特殊表示B」は保留表示を黒星で表示することを示している。このように、本実施形態においては、非時短遊技状態と時短遊技状態Aとで、予兆演出の態様が異なるように設定されている。」 ウ 「【図45】 [図:0001382221000004.jpg] ・・・略・・・ 【図47】 [図:0001382221000005.jpg] 」 エ 【0311】の「・・・非時短遊技状態と時短遊技状態Aとで、予兆演出の態様が異なるように設定されている。」との記載、非時短遊技状態に設定されている場合に参照される保留表示決定テーブル1~3を説明する図である図45の記載、時短遊技状態Aに設定されている場合に参照される保留表示決定テーブル4~6を説明する図である図47の記載からみて、非時短遊技状態と時短遊技状態Aとで、予兆演出の態様における保留表示種別の数が異なることものと認められる。 オ 上記アないしエからみて、引用例2には、以下の事項が記載されている。 「遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入したことを条件として、遊技者に有利な特別遊技の実行可否が決定される遊技機において、非時短遊技状態と時短遊技状態Aとで、予兆演出の態様における保留表示種別の数が異なる、遊技機。」(以下「引用例2記載の技術事項」という。) 第4 対比・判断 1 対比 ア 本願発明と引用発明とを対比する。 (ア)特定事項A、Lについて 引用発明の「識別情報の可変表示」、「遊技者にとって有利な大当り遊技状態」及び「遊技機」は、それぞれ本願発明の「可変表示」、「遊技者にとって有利な有利状態」及び「遊技機」に相当する。 そうすると、引用発明の「a 識別情報の可変表示を行い、可変表示の表示結果が特定表示結果になったときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御する遊技機」は、本願発明の「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機」に相当する。 また、引用発明のlは、本願発明の特定事項Lに相当する。 (イ)特定事項Bについて 引用発明のbは、大当り遊技状態(有利状態)において、開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になるものであり、技術常識からみて、遊技媒体としての遊技球が進入容易な状態と進入困難な状態とに変化可能であることが自明である。 そうすると、引用発明のbは、本願発明の「B 前記有利状態において、遊技媒体が進入容易な第1状態と遊技媒体が進入困難な第2状態とに変化可能な可変手段」との特定事項を備える。 (ウ)特定事項Cについて 引用発明の「c 遊技媒体が始動領域を通過したが開始条件が成立していない識別情報の可変表示について、数値データ抽出手段により抽出された数値データを保留記憶として記憶する保留記憶手段」は、本願発明の「C 可変表示に関する情報を、保留記憶として記憶する保留記憶手段」に相当する。 (エ)特定事項Dについて 引用発明の「d 保留記憶の数に応じた保留表示を表示部に表示する保留表示手段」は、本願発明の「D 前記保留記憶手段に記憶された保留記憶に対応して保留表示を表示する保留表示手段」に相当する。 (オ)特定事項Eについて 引用発明のeにおいて、保留表示変化手段は、可変表示対応保留表示の態様を特定態様(例えば、「赤」)に変化させるものであり、変化前の保留表示の態様が通常態様といえるから、引用発明のeの「保留表示変化手段」は、本願発明の「E 保留表示の表示態様を通常態様とは異なる態様に変化させる変化演出を実行可能な変化演出実行手段」に相当する。 (カ)特定事項Fについて 引用発明のfの「可変表示対応保留表示手段」は、識別情報の可変表示を開始するときに、当該可変表示に対応する保留表示を可変表示対応保留表示として所定領域に表示するから、本願発明の「F 可変表示を開始するときに、当該可変表示に対応する保留表示を対応表示として表示可能な対応表示手段」に相当する。 (キ)特定事項Gについて 引用発明のg、jの「所定画像」又は「キャラクタ画像9a」は、保留表示の態様が変化する場合及び保留表示の態様が変化しない場合の双方で表示されるものであり、技術常識からみて、保留表示の態様の変化は、期待度の高い表示態様に変化させるものであるから、引用発明のg、jの「『所定画像』又は『キャラクタ画像9a』」の表示は、本願発明の「対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させるときと、対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させないときとで共通で実行される共通演出」に相当する。 また、引用発明のg、jの「当該実行中の可変表示に対応する保留表示の態様が変化する」ことは、本願発明の「前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させる成功演出」に相当する。同様に、引用発明のg、jの「保留表示の態様が変化させない」ことは、本願発明の「対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させない失敗演出」に相当する。 そうすると、引用発明のg、jは、本願発明の「G 対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させるときと、対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させないときとで共通で実行される共通演出と、当該共通演出を実行した後に対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させる成功演出または対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させない失敗演出と、を実行可能な対応表示演出実行手段」を備える。 (ク)特定事項Hについて 引用発明の「『通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態』又は『図柄の変動時間が短縮されている時短状態』」は、本願発明の「通常状態よりも前記有利状態に制御されやすい特別状態」に相当する。 そうすると、引用発明の「h 遊技状態として、通常状態と、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態と、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態と、があり、」は、本願発明の「H 遊技状態として、通常状態と、通常状態よりも前記有利状態に制御されやすい特別状態があり、」に相当する。 (ケ)特定事項Jについて 引用発明のg、jの「リーチになる前」、「リーチになった後」及び「リーチになる前またはリーチになった後」は、それぞれ本願発明の「一の可変表示の実行中における第1タイミング」、「当該第1タイミングよりも後の第2タイミング」及び「一の可変表示の実行中における第1タイミングと、当該第1タイミングよりも後の第2タイミングと、を含む複数タイミング」に相当する。 また、引用発明のg、jにおいて、保留表示変化手段は、保留表示の態様を変化させるタイミングに関わらず、共通のタイミング(第1タイミング)で所定画像の表示(共通演出)を開始するものであり、具体的には、リーチになる前(第1タイミング)にキャラクタ画像9aを表示する(共通演出)ものである。 そうすると、引用発明のjと、本願発明の特定事項Jとは、「J’一の可変表示の実行中における第1タイミングと、当該第1タイミングよりも後の第2タイミングと、を含む複数タイミングのうち、」「前記第1タイミングにおいて前記共通演出が実行され」る点で一致する。 (コ)特定事項Kについて 引用発明のkにおいて、演出図柄の可変表示が実行されているときに、新たな始動入賞が発生すると、保留表示の数が1増えるが、新たな始動入賞に対応する保留表示(保留表示Aとする。)は、通常態様とは異なる態様で表示されることがあり、その後、保留表示Aにもとづく可変表示を開始可能な状態になると、可変表示を開始するときに、保留表示Aを保留ボックス9Fの内部に表示し、可変表示を開始するときに、開始される可変表示に対応する保留表示(保留表示Bとする。)を保留ボックス9Fの内部に表示し、その後、リーチになる前に、キャラクタ画像9aを表示し、保留ボックス9Fの内部で保留表示の態様を変化させるものである。 要するに、引用発明のkにおいて、保留表示が通常態様と異なる態様で表示済みの場合に、キャラクタ画像9aの表示(共通演出)をしないものである。 そうすると、引用発明のkは、本願発明の「K 前記対応表示演出実行手段は、前記変化演出が実行される場合に、前記共通演出を実行しない」との特定事項を備える。 イ 上記アからみて、本願発明と引用発明とは、 「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 前記有利状態において、遊技媒体が進入容易な第1状態と遊技媒体が進入困難な第2状態とに変化可能な可変手段と、 C 可変表示に関する情報を、保留記憶として記憶する保留記憶手段と、 D 前記保留記憶手段に記憶された保留記憶に対応して保留表示を表示する保留表示手段と、 E 保留表示の表示態様を通常態様とは異なる態様に変化させる変化演出を実行可能な変化演出実行手段と、 F 可変表示を開始するときに、当該可変表示に対応する保留表示を対応表示として表示可能な対応表示手段と、 G 対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させるときと、対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させないときとで共通で実行される共通演出と、当該共通演出を実行した後に対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させる成功演出または対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させない失敗演出と、を実行可能な対応表示演出実行手段と、を備え、 H 遊技状態として、通常状態と、通常状態よりも前記有利状態に制御されやすい特別状態があり、 J’一の可変表示の実行中における第1タイミングと、当該第1タイミングよりも後の第2タイミングと、を含む複数タイミングのうち、前記第1タイミングにおいて前記共通演出が実行され、 K 前記対応表示演出実行手段は、前記変化演出が実行される場合に、前記共通演出を実行しない L 遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。 ・相違点1(特定事項I) 本願発明では、「前記通常状態と前記特別状態において、前記保留表示の表示態様の種類の数が異な」るのに対し、 引用発明では、通常状態と特別状態において、保留表示の表示態様の種類の数が異なるかどうか明らかでない点。 ・相違点2(特定事項J) 「一の可変表示の実行中における第1タイミングと、当該第1タイミングよりも後の第2タイミングと、を含む複数タイミング」を有するものに関し、 本願発明では、「前記第2タイミングにおいて前記共通演出が実行されるときは、前記第1タイミングにおいて前記共通演出が実行されるときよりも、前記成功演出が実行される割合が高」いのに対し、 引用発明では、保留表示の態様を変化させるタイミングに関わらず、共通のタイミングで所定画像の表示(共通演出)を開始するものであり、具体的には、リーチになる前(第1タイミング)にキャラクタ画像9aの表示(共通演出)を実行するものであり、そもそも、キャラクタ画像9aの表示(共通演出)を、リーチになった後(第2タイミング)を含む複数のタイミングで実行するものではない点。 2 判断 事案に鑑み、上記相違点2について検討する。 引用発明は、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、複数のタイミングのうちいずれのタイミングで特定態様に変化させるかの割合を異ならせているものの、所定画像の表示又はキャラクタ画像9aの表示(共通演出)については、保留表示の態様を変化させるタイミングに関わらず、共通のタイミング、すなわち、リーチになる前(第1タイミング)のみで実行するものであり、そもそも、キャラクタ画像9aの表示(共通演出)を、リーチになった後(第2タイミング)を含む複数のタイミングで実行するものではない。 そして、上記相違点2に係る本願発明の特定事項については、引用例2記載の技術事項を認定した引用例2には記載されておらず、また周知技術ともいえない。 そうすると、引用発明において、上記相違点2に係る本願発明の特定事項のようになすことは当業者が容易に想到し得たものではない。 また、本願発明は、引用例1、2にない上記相違点に係る特定事項を少なくとも備えることで、引用例1、2にない、示唆演出の実行タイミングにも注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるという特有の作用効果を奏するものである。 してみると、上記相違点1について検討するまでもなく、本願発明は、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された事項全てに基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。 第5 原査定の概要及び原査定についての判断 原査定は、本件補正前の請求項1、2について上記引用例1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。 しかしながら、本件補正前の請求項1に係る発明は、特定事項Jとして「一の可変表示の実行中における第1タイミングと、当該第1タイミングよりも後の第2タイミングと、を含む複数タイミングのうち、前記第2タイミングにおいて前記共通演出が実行されるときは、前記第1タイミングにおいて前記共通演出が実行されるときよりも、前記成功演出が実行される割合が高く、」を有するものとなっており、本願発明も同様に特定事項Jを有するから、上記第4の2のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された事項全てに基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第6 当審拒絶理由について 1 特許法第36条第6項第1号について (1)当審では、請求項1の「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、・・・遊技状態として、通常状態と、通常状態よりも遊技者に有利な特別状態があり、 前記通常状態と前記特別状態において、前記保留表示の表示態様の種類の数が異なり、」という点は、発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、本件補正によって請求項1に、「B 前記有利状態において、遊技媒体が進入容易な第1状態と遊技媒体が進入困難な第2状態とに変化可能な可変手段」「を備える」との特定事項が追加された結果、この拒絶の理由は解消した。 (2)当審では、請求項1の「実行中の可変表示に対応して対応表示を表示可能な対応表示手段」という点は、発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、本件補正において「可変表示を開始するときに、当該可変表示に対応する保留表示を対応表示として表示可能な対応表示手段」(特定事項F)と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 (3)当審では、請求項1の「当該共通演出を実行した後に対応表示の表示態様を変化させる成功演出または対応表示の表示態様を変化させない失敗演出とを実行可能な対応表示演出実行手段」という点は、発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、本件補正において「対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させるときと、対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させないときとで共通で実行される共通演出と、当該共通演出を実行した後に対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させる成功演出または対応表示の表示態様を前記有利状態に制御される期待度が高い表示態様に変化させない失敗演出と、を実行可能な対応表示演出実行手段」(特定事項G)と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 2 特許法第36条第6項第2号について (1)当審では、請求項1の「遊技者にとって有利な有利状態」及び「遊技者に有利な特別状態」との記載が不明であり、請求項1に係る発明が明確でないとの拒絶の理由を通知しているが、本件補正において、「B 前記有利状態において、遊技媒体が進入容易な第1状態と遊技媒体が進入困難な第2状態とに変化可能な可変手段」との特定事項が追加された結果、この拒絶の理由は解消した。 (2)当審では、請求項2には、「保留表示の表示態様として、・・・」と記載され、該「保留表示」に「前記」等が付されていないため、請求項1の「保留表示」と同じものを指すのか否かが不明であり、請求項2に係る発明が明確でないとの拒絶の理由を通知しているが、本件補正において、請求項2が削除された結果、この拒絶の理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 また、本願の特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号及び同項第2号に規定する要件を満たしていないということもできない。 したがって、原査定の拒絶の理由及び当審拒絶理由によって、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-003898

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