2021-003853
ロボット
- 審判番号
- 2021-003853
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2020-008624外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1694629
- 請求日
- 2021年03月25日
- 審決日
- 2021年07月20日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ソニーグループ株式会社
- 【請求人代理人】五味 飛鳥
- 分類
- D18 .52 -WY (J0-2)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第7条、意匠法第6条第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
本願は、令和2年4月27日の意匠登録出願であって、同年8月12日付けの拒絶理由の通知に対し、同年9月23日に意見書が提出されたが、同年12月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対して令和3年3月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 本願の意匠の願書及び添付図面の記載
本願の意匠は、意匠に係る物品を「ロボット」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって(以下「本願意匠」という。)、物品の部分として意匠登録を受けようとする部分を、「一点鎖線で囲んだ部分(キャノピーの一部分)並びに実線及び一点鎖線で囲んだ部分(目が通電した状態の参考斜視図において薄墨で着色した部分であって、キャノピーを透明に表した参考斜視図において引出線3で示す部分の一部)が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」(以下「本願部分」という。)としたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願が、経済産業省令で定める物品の区分又はそれと同程度の区分により意匠ごとにされているものとは認められないので、意匠法第7条に規定する要件を満たしていないというものであり、具体的には以下のとおりである。
「本願は意匠に係る物品を「ロボット」とするもので、「一点鎖線で囲んだ部分(キャノピーの一部分)並びに実線及び一点鎖線で囲んだ部分(目が通電した状態の参考斜視図において薄墨で着色した部分」について意匠登録を受けようとするものです。しかし、【意匠の説明】の記載にもあるとおり、本願は非通電状態の態様に加えて通電して視覚的に捕捉できる発光状態の態様の2つの異なる意匠が表現されているものと認定せざるを得ません。なお、非通電状態の態様と通電により発光した変化の状態を表す態様は意匠法第6条第4項に規定された「意匠に係る物品の形状、模様又は色彩がその物品の有する機能に基づいて変化する場合」の範囲を超えており、具体的な一の意匠として認め得る変化の範疇には入らないものと認めます。したがって、この意匠登録出願の意匠は、願書及び添付図面によると2つの意匠が包含され、意匠ごとに出願がなされているものとは認められません。」
第4 当審の判断
1 本願意匠
(1)本願意匠の意匠に係る物品
本願の意匠に係る物品(以下「本願物品」という。)は、主に家庭で用いられ、人とコミュニケーションを図ることができる「ロボット」である。
(2)本願部分の用途及び機能
本願部分は、透光性のごく低い風防状カバー(以下「キャノピー」という。)の一部と、そのキャノピーで覆われた回転自在な部品上に配された導光性を有する部品(以下「内側導光部」という。)の一部によるもので、通電により、内側導光部が発光することで、透光性のごく低いキャノピーから視認可能となり、あたかもロボットの眼のように見え、表情等を示す用途及び機能を有するものである。
(3)本願部分の位置、大きさ及び範囲
本願部分は、(A)ロボットのキャノピーの一部と、(B)キャノピーに覆われた回転自在な部品上に配された内側導光部の一部の2箇所に分離しているもので、具体的には以下のとおりである。
(A)キャノピー側
本願意匠全体の高さの約1/3上方を略半球状とし、その頂部よりやや前(正面側)寄りから略半球の前面側の下辺まで左右に広がる、略半球の約1/3の位置、大きさ及び範囲とするものである(以下「キャノピー部」という。)。
(B)内側導光部側
キャノピーで覆われた回転自在な部品は、正面側を略球面状とするもので、その正面視右側に配した、略半球状キャノピーの横幅の約1/5を直径とする円の内側を擂り鉢状にへこませて斜面による円形帯状部を構成した円周の略1/3左側を、その位置、大きさ及び範囲とするものである(以下「左1/3導光部」という。)。
(4)本願部分の形状等
本願部分は、(a)通電していない非通電時の態様と、(b)電源を入れた通電時の態様で異なった態様とするもので、具体的には以下のとおりである。
(a)非通電時
略球面状の薄板とする「キャノピー部」は、透光性を有し、その透光性はごく低いため、通電していない状態では、キャノピー内側は視認できない態様とするものである。
したがって、「左1/3導光部」も視認されず、透光性のごく低い「キャノピー部」のみが表れた態様とするものである。
(b)通電時
通電により、内側導光部が発光することで、透光性のごく低い「キャノピー部」越しに、円の内側を擂り鉢状にへこませて斜面による円形帯状部の一部とする「左1/3導光部」が視認可能となり、この「左1/3導光部」は、ロボットの左眼の一部を構成し、回転自在な部品の動きによって、表情等を示す態様とするものである。
2 意匠法第7条における一意匠について
(1)非通電時/通電時の態様について
本願意匠は、前記1(4)に説示したとおり、(a)非通電時と(b)通電時で異なる態様が表されている。
そこで、これら2つの異なる態様について、意匠創作上の一体性が認められるか否かについて検討する。
本願意匠は、主に家庭で用いられ、人とコミュニケーションを図ることができるロボットに係り、願書の記載からも、使用時には通電することで、当該物品が有する各種機能を発揮するものと認められることから、本願物品には必ず非通電状態と通電状態の2つの態様が存在する。
そして、「キャノピー部」を透光性のごく低いものとし、非通電時にはその内側が視認できない状態とする創作に基づき、通電することで回転自在の部品上に配された「左1/3導光部」が発光し、「キャノピー部」越しに視認可能となることで、あたかもロボットの眼のように見え、表情等を示すことができるように創作されたものであるから、「左1/3導光部」が視認できない非通電時の態様から、視認可能となる通電時の態様へと変化する態様は、あらかじめ一体となって創作されたものであり、意匠創作上の一体性を有するものと認められる。
(2)物理的に分離している「キャノピー部」と「左1/3導光部」について
本願部分は、(A)キャノピー側の「キャノピー部」と、(B)内側導光部側の「左1/3導光部」の2箇所に分離していることから、この点についても意匠法第7条の規定の要件を満たすものであるか否かについて検討が必要である。
(B)の「左1/3導光部」は、回転自在な部品上に配されたものであることから、(A)の「キャノピー部」とは一定の空間を隔てているものであると認められるが、(B)は、非通電時には表れないものの、通電時に(A)越しに視認可能となるよう創作されたものである以上、(A)と(B)は、関連性をもって、一体的に創作されたものと認められる。
以上のとおり、上記(1)非通電時/通電時の態様、及び上記(2)物理的に分離している「キャノピー部」と「左1/3導光部」、のいずれの観点においても、本願意匠について、一体となって創作されたものであることを否定することはできない。
よって、本願は、意匠法第7条に規定する要件を満たすものである。
第5 むすび
以上のとおり、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審においてさらに審理した結果、ほかに本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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