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意匠拒絶査定不服審判

2021-003545

立体画像表示機

審判番号
2021-003545
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2019-017178外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
1694626
請求日
2021年03月18日
審決日
2021年07月20日
公報発行日
2022年01月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .121-WY (H7-6)
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条、意匠法第14条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

意願2019- 17178「立体画像表示機」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 8項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、令和 1年(2019年) 7月31日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。

令和 2年(2020年) 1月30日付け 拒絶理由の通知

同年 3月11日 意見書の提出

同年 7月 8日付け 拒絶理由の通知(2回目)

同年 8月19日 意見書の提出

同年 12月10日付け 拒絶査定

令和 3年(2021年) 3月18日 審判請求書の提出

第2 本願の意匠

本願は、意匠法14条1項の規定により本願の意匠(以下「本願意匠」という。)を3年間秘密にすることを請求し、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願意匠は、意匠に係る物品を「立体画像表示機」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」ともいう。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分を、「一点鎖線で囲んだ部分(壁を表した画像部分の一部と参考図1において引出線1で示す立壁の一部)が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下、立壁の一部を「本願壁面部分」、画像部分の一部を「本願画像部分」といい、本願壁面部分と本願画像部分をあわせて「本願部分」という。)。(別紙第1参照)

第3 原審の拒絶の理由及び引用した意匠

原審における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下、「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「本願意匠における意匠登録を受けようとする部分は、立壁の一部及び壁の画像の一部で構成されています。本願意匠は、本願出願前から公然知られている引用意匠1のように、表示機を左右の立壁の間に45°に傾斜した表示面を設けたものとし、その表示面において、引用意匠2の床(競技場)とつながって見える床の画像(競技場の画像)のように、現実空間における物とつながって見えるように画像を表す手法を用いて、現実空間の立壁につながって見えるように壁の画像を表して、その立壁と壁の画像が接している部分の中央付近部分を意匠登録を受けようとする部分としたに過ぎないため、本願意匠は、当業者が容易に創作することができたものと認められます。
<引用意匠1>
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2008年 7月11日に受け入れた
True3Di High Resolution
続きを表示(全21行)
3D Ster eoscopic Monitor
第1頁所載
三次元ディスプレイの意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HC20013568号)
<引用意匠2>
1.情報源
インターネット
2.情報のアドレス
https://vrinside.jp/news/legendheroes/
3.ウェブページの表題
大型スクリーン、VR、ARを駆使する体験型アミューズメント、
『レジェンドスポーツヒーローズ』が来春展開
4.掲載年月日
平成29年(2017年)11月20日
5.検索日
令和2年(2020年)6月30日
において、『4.タイトルバリエーション』欄の最下部に掲載された(引用意匠2に係る添付資料で4頁目の最下部及び7頁目(拡大したもの)に掲載された)体験型アーチェリーゲームのイメージ(構想図)に表された、床(競技場)とつながって見える床の画像(競技場の画像)」

第4 当審の判断

以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠

(1)意匠に係る物品

本願の意匠に係る物品は、3次元画像を表示させるために用いられる「立体画像表示機」である。

(2)本願部分

願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容から、本願部分の用途及び機能、位置、大きさ及び範囲、並びに形態は、以下のとおりである。

ア 本願部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲

本願部分は、立体画像表示機の左右の内側の壁面の一部(本願壁面部分)及び当該左右の壁面に直交して正面側に傾斜して取り付けた画像表示面(以下「画像表示部」という。)の一部(本願画像部分)であって視覚的に壁面の一部を構成するように現れるものである。

本願部分の位置は、左右壁面の内側中央やや斜め前方寄りの面対称の位置で、それぞれ壁面の約1割弱の大きさを上下の辺を地面に対し水平とする略矩形状に囲んだ範囲とするものである。

イ 本願部分の形態

本願部分は、左右斜め上方からの視点で(斜視図1及び斜視図2)、左右の壁面内側の一部において、背面側上端角と正面側下端角を繋ぐ対角線を1本形成したものであって、当該対角線により形成される2つの略三角形のうち、正面側を本願壁面部分、背面側を本願画像部分とするものである。

また、本願画像部分は、異なる視点であっても壁面との角度のズレや歪みを生じさせることなく画像として壁面の一部を表現するものである。

2 引用意匠の認定

(1)引用意匠1(別紙第2参照)

ア 意匠に係る物品

引用意匠1の意匠に係る物品は、3次元画像を表示させるために用いられる「三次元ディスプレイ」である。

イ 形態

引用意匠1は、脚付きの略直方体形で、平面及び正面を外縁に沿って略矩形状に開口し、その内部にLCD(液晶)パネルと光学ハーフミラーを重ねた略矩形状のディスプレイを正面側に傾斜して横幅一杯に取り付けたものである。

(2)引用意匠2(別紙第3参照)

ア 意匠に係る物品

引用意匠2の意匠に係る物品は、体験型アーチェリーゲームにおいて使用するブース及び正面奥に配置したスクリーン上に現れる競技場をイメージした画像である。

イ 形態

引用意匠2は、ブース内において、競技場の芝生と手前から奥に向かって延びる白線により仕切られたレーンを模した模様を施し、ブースの正面側奥に配置した略横長長方形のスクリーン上に、透視図法を用いて野外競技場の風景の画像を投影したものであって、当該画像は、真ん中に的を配置し、ブース内の模様の延長線上に的が置かれていることをイメージさせるため、ブース内に描かれた白線の終端に連続するよう手前から奥に向かって延びる白線により仕切られたレーンを現している。

3 本願意匠の創作性の検討

この物品の属する分野において、ディスプレイ内部にLCDパネルと光学ハーフミラーを組み合わせて正面側に傾斜して取り付けたもの(引用意匠1)や、現実空間の先に仮想空間が繋がっているように表現するため、スクリーン上の画像の切れ目を現実空間の景色(模様)に揃えて現した画像(引用意匠2)が、本願の出願前に公然知られているものである。

しかしながら、本願部分のように、左右の壁面内側において、壁面に直交して正面側に傾斜して取り付けた画像表示部の一部と壁面の一部を組み合わせ、当該画像部分に、異なる視点であっても壁面との角度のズレや歪みを生じさせることなく画像として壁面の一部を表現するものは、本願部分の他には見られないものであるから、本願部分は、当業者にとって、格別の創作を要したものといわざるを得ない。

そうすると、本願部分の態様は、この種物品分野において独自の着想によって創出したものであり、当業者が公然知られた形態に基づいて容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原審が示した理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-003545

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