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特許拒絶査定不服審判

2021-002719

画像表示制御装置、画像表示装置、画像表示システム、画像表示装置制御方法および画像表示方法

審判番号
2021-002719
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-209435外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月01日
審決日
2022年08月23日
公報発行日
2022年09月30日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F) / P18 .55 -WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-209435「画像表示制御装置、画像表示装置、画像表示システム、画像表示装置制御方法および画像表示方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月14日出願公開、特開2019- 40620、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 22項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成24年8月1日(優先権主張平成23年11月30日)の出願である特願2012-171108号の一部を、平成29年3月8日に新たな特許出願(特願2017-43514号)とし、その一部を、平成30年11月7日に新たな特許出願(特願2018-209435号)としたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。

平成30年12月7日: 手続補正書の提出
令和元年 8月 5日付け:拒絶理由通知書
令和元年10月15日: 意見書、手続補正書の提出
令和2年 3月23日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和2年 6月 1日: 意見書、手続補正書の提出
令和2年11月19日付け:令和2年6月1日の手続補正についての補正

の却下の決定、拒絶査定

令和3年 3月 1日: 審判請求書、手続補正書の提出
令和3年11月24日付け:拒絶理由通知書(以下、「当審拒絶理由(1

)」という。)

令和4年 1月31日: 意見書、手続補正書の提出
令和4年 2月28日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書(以下、

「当審拒絶理由(2)」という。)

令和4年 4月28日: 意見書、手続補正書の提出
令和4年 7月 5日付け:拒絶理由通知書(以下、「当審拒絶理由(3

)」という。)

令和4年 7月14日: 意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和2年11月19日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

理由1(新規事項) 令和元年10月15日付け手続補正書でした補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

理由2(進歩性) 本願請求項1-9に係る発明は、以下の引用文献A-Dに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

A.特開2002-91654号公報

B.特開2009-251394号公報

C.特開2009-3575号公報

D.特開2004-94679号公報

第3 当審拒絶理由の概要

1 当審拒絶理由(1)の概要

理由1(サポート要件) この出願は、特許請求の範囲の請求項8-9の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

理由2(進歩性) 本願請求項1-9に係る発明は、引用文献1-5に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

1.特開2002-91654号公報(拒絶査定時の引用文献A)

2.特開2009-251394号公報(拒絶査定時の引用文献B)

3.特開2009-3575号公報(拒絶査定時の引用文献C)

4.特開2004-94679号公報(拒絶査定時の引用文献D)

5.特開2005-100279号公報(当審において新たに引用した文献)

2 当審拒絶理由(2)の概要

理由1(新規事項) 令和4年1月31日付け手続補正書でした補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

3 当審拒絶理由(3)の概要

理由1(明確性) この出願は、特許請求の範囲の請求項5-6の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

第4 本願発明

本願請求項1-9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は、令和4年7月14日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される発明であって、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
オペレーティングシステムを含み、情報処理装置の表示画像を画像表示装置又は表示装置の表示面に表示させて当該情報処理装置の操作が可能な前記画像表示装置又は表示装置を制御する画像表示制御装置であって、
第1のインターフェースを介して前記情報処理装置から受信した映像信号に基づき前記情報処理装置の表示画像を生成する映像信号処理部と、
前記画像表示装置又は表示装置の表示面に描画装置が接触又は近接したことを示す座標位置の描画画像を生成し、前記映像信号処理部で生成された前記表示画像に合成する描画部と、
前記描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベントを受信した場合であって、前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し、前記イベントに付加された前記座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、画像オブジェクトの領域にある場合は、当該画像オブジェクトに対応した操作の指示を前記オペレーティングシステムに発行する操作部と
を有する、画像表示制御装置。」

なお、本願発明2-9の概要は以下のとおりである。

本願発明2-3、5-6は、本願発明1を減縮した発明である。

本願発明4は、本願発明1の「画像表示制御装置」を引用する「画像表示装置」の発明である。

本願発明7は、本願発明4の「画像表示装置」を引用する「画像表示システム」の発明である。

本願発明8は、本願発明1に対応する「画像表示制御方法」の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

本願発明9は、本願発明4に対応する「画像表示方法」の発明であり、本願発明4とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

第5 引用文献、引用発明等

1 引用文献1及び引用発明

(1) 引用文献1

当審拒絶理由(1)の理由2において引用した引用文献1には、図面とともに、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。

ア 段落【0001】

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は情報処理装置および情報処理装置を制御する方法に関し、特に、ディスプレイ・モニタあるいはプロジェクタ等を用いたプレゼンテーションを行うための情報処理装置および情報処理装置を制御する方法に関する。」

イ 【図1】

「
[図:0001387852000001.jpg]
」

ウ 段落【0012】

「【0012】(第1の実施形態)図1は、本実施形態に係る情報処理装置のブロック図で、符号1は情報処理装置、符号2は情報処理装置内のデバイスが接続されるシステム・バス、符号3は全体を制御し各種処理を実行するCPU、符号4はCPU3が実行するプログラム等を記憶するROM、符号5はCPU3が使用するデータなどを記憶するRAMである。符号6は本情報処理装置に接続されるマウス等の座標入力装置の入力インターフェース、符号7は本情報処理装置等とに接続されるキーボードの入力インターフェース、符号8は他の情報処理装置のマウス入力インターフェースに対して、本情報処理装置に接続されたマウス等の座標入力装置の座標情報等を出力するためのマウス出力インターフェースであり、符号9は他の情報処理装置のキーボード入力インターフェースに対して、本情報処理装置に接続されたキーボードの入力情報等を出力するためのキーボード出力インターフェースである。符号10は描画信号処理部であり、CPU3によりRAM5上に展開された画面情報を表示装置に送出するビデオ信号に変換し、ビデオ信号出力インターフェース11に接続された表示装置にビデオ信号を送出する。ビデオ信号はデジタル信号であるかアナログ信号であるかを問わない。符号12はビデオ信号入力インターフェースであり、他の情報処理装置等のビデオ出力信号を入力する。ビデオ信号入力インターフェース12は信号処理部10に接続されており、ビデオ信号入力インターフェース12から入力されたビデオ信号は、信号処理部10を介してビデオ信号出力インターフェース11に接続された表示装置に送出される。符号13は操作パネルである。情報処理装置1に接続されるハード・ディスク等の、本発明に直接関係の無い他の周辺機器は省略する。」

エ 【図2】、【図3】

「
[図:0001387852000002.jpg]
」

オ 段落【0022】-【0025】

「【0022】(実施例2)第2の実施形態における情報処理装置について説明する。本実施形態の情報処理装置のハードウェア構成は前記実施形態1とほぼ同様とすることができるので、その説明を省略する。
【0023】図2は、背面投射型のプロジェクタ装置に情報処理装置1の出力画像を表示した場合を示す図であり、本実施形態の特徴を表す図である。情報処理装置1の画面の中に子画面を設け、この子画面内に情報処理装置2の画面を投影している様子を表している。情報処理装置2の画面を子画面として情報処理装置1自身の画面(親画面)にはめ込む手段については特に限定しない。
【0024】図3は、本実施例に係る情報処理装置、すなわち情報処理装置1内で実行されるの処理のフローチャートである。本実施形態における情報処理装置1内のマウスの座標情報とキーボードのボタン情報の処理について説明する。図3において、ステップS1は情報処理装置1のマウス・ドライバの初期化処理であり、電源が投入されたとき、リセットボタンを押されたと場合などに実行される。ステップS2はマウス・カーソルの指示する座標が、二つに区分される表示領域のどちらにあるかの判定であり、マウス・カーソルの座標が情報処理装置1の表示領域にあると決定した場合は、ステップS3に進み。ここで情報処理装置1内でマウスの座標情報、ボタン情報等の処理を行い、再びステップS2に戻る。
【0025】ステップS2でマウス・カーソルの座標が情報処理装置2の表示領域にあると決定した場合は、ステップS4に進み、ここにおいてマウス・カーソルの座標情報を子画面内の座標情報に変換する。子画面内に表されている情報処理装置2の画面情報はビデオ信号入力インターフェース12に入力されたビデオ信号により、解像度等の情報がわかるのでそれによりマウス・カーソルが表示された位置に適合する様に座標情報を変換する。ステップS5において、ステップS4で変換された座標情報とボタン情報等を、マウス出力インターフェース8を介して情報処理装置2に送信し、ステップS2の座標領域判定に戻る。この場合、情報処理装置1自身の画像に対して、入力した情報処理装置2の画像情報をどのような段階ではめ込むかについては、色々な段階が想定される。その段階に応じて、情報処理装置1自身のカーソル表示と、情報処理装置2の画像エリア内の情報処理装置2としてカーソル表示の関係を規定することが望ましい。」

カ 段落【0029】

「【0029】尚、本発明では二つの情報処理装置を接続した場合について説明しているが、三つ以上の情報処理装置が接続されても良い。本発明では座標入力装置としてマウスを接続しているが、それ以外の手段であっても構わない。また、本発明ではプログラムを表示装置内のROMに格納しているが、システムあるいは装置にプログラムを供給する場合にも適用できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体をシステムあるいは装置に読み出すことによってそのシステムあるいは装置が本発明の効果を享受することが可能となる。」

(2) 引用発明

よって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されているものと認められる。

「ディスプレイ・モニタあるいはプロジェクタ等を用いたプレゼンテーションを行うための情報処理装置1において、
符号3は全体を制御し各種処理を実行するCPU、
符号6は本情報処理装置に接続されるマウス等の座標入力装置の入力インターフェース、
符号8は他の情報処理装置のマウス入力インターフェースに対して、本情報処理装置に接続されたマウス等の座標入力装置の座標情報等を出力するためのマウス出力インターフェースであり、
続きを表示(全15行)
符号10は描画信号処理部であり、CPU3によりRAM5上に展開された画面情報を表示装置に送出するビデオ信号に変換し、ビデオ信号出力インターフェース11に接続された表示装置にビデオ信号を送出し、
符号12はビデオ信号入力インターフェースであり、他の情報処理装置等のビデオ出力信号を入力し、
ビデオ信号入力インターフェース12から入力されたビデオ信号は、信号処理部10を介してビデオ信号出力インターフェース11に接続された表示装置に送出され、
情報処理装置1の画面の中に子画面を設け、この子画面内に情報処理装置2の画面を投影し、
情報処理装置1内で実行される処理において、
ステップS1は情報処理装置1のマウス・ドライバの初期化処理であり、
ステップS2はマウス・カーソルの指示する座標が、二つに区分される表示領域のどちらにあるかの判定であり、マウス・カーソルの座標が情報処理装置1の表示領域にあると決定した場合は、ステップS3に進み、ここで情報処理装置1内でマウスの座標情報、ボタン情報等の処理を行い、
ステップS2でマウス・カーソルの座標が情報処理装置2の表示領域にあると決定した場合は、ステップS4に進み、ここにおいてマウス・カーソルの座標情報を子画面内の座標情報に変換し、
ステップS5において、ステップS4で変換された座標情報とボタン情報等を、マウス出力インターフェース8を介して情報処理装置2に送信し、
座標入力装置としてマウスを接続しているが、それ以外の手段であっても構わない、
情報処理装置1。」

2 引用文献2-5

(1) 引用文献2

引用文献2の段落【0002】-【0003】には、以下の記載がある。

「【背景技術】
【0002】
近年、オフィス等では、コンピュータによる映像をプロジェクション装置等で大きく投影してプレゼンテーション等を行うことが広く行われている。なかでも、明るい環境でのプレゼンテーションを可能にするために、フラットパネルディスプレイや、リアプロジェクタを用いた表示装置を備えたシステムも見うけられる。
【0003】
このような表示装置を用いたシステムとして、表示画面の近傍に座標検出用の装置(ディジタイザ)を搭載したシステムが提案されている。このシステムでは、ホワイトボードソフトウェアを用いることにより、ユーザがペンで書き込みを行うこと(例えば表示中の画面に、線や文字等を上書きすること)ができる。」

(2) 引用文献3

引用文献3の段落【0002】-【0007】、【0135】、【0139】には、以下の記載がある。

「【背景技術】
【0002】
従来から、座標入力装置と表示装置とを一体化して、座標入力装置と表示装置との両者の機能を有する情報機器がある。そして、この種の情報機器では、ユーザが、表示装置の表示画面(座標入力面)を指示具や指で指示して筆記することにより、その指示具や指の軌跡をエコーバックとして表示装置の表示画面に表示することができる。このようにすることにより、ユーザは、あたかも紙と筆記具とを用いた感覚で、文字や図形を情報機器に入力することが出来る。また、ユーザが、表示装置の表示画面に表示されているアイコンを、指示具等によりクリックすると、情報機器は、表示装置を制御しているコンピュータ等に、そのクリックされたアイコンの情報を出力するようにしている。このようにすることによって、アイコンに割り付けられている動作、例えばアプリケーションの呼び出し等の制御が行えるようになる。
【0003】
続きを表示(全14行)
つまり、この種の情報機器では、描画モードと操作モードとが存在する。前述したように描画モードでは、ユーザが、指示具或いは指を操作することによって、その指示具や指の操作結果をエコーバックとして表示する。一方、操作モードでは、ユーザが、指示具或いは指を操作することによるアイコンの選択や、クリック、ダブルクリック、及びドラッグ&ドロップの操作を実現する。
【0004】
また、この種の情報機器を、小型化が要求される電子手帳に用いると、キーボードが不要になるので装置の小型化を図れる。
更に、この種の情報機器は、ペン入力コンピュータ、或いは表示装置の大型化に伴い、会議室で通常用いられているホワイトボードの代替として用いられるようになっている。このようにすれば、情報機器に入力された情報を電子化することができ、例えば、入力した情報を検索したり、入力した情報の整理や管理等を容易に行ったりすることができ、格段の利便性をユーザに提供することが可能になる。
【0005】
例えば、ホワイトボードとして機能するアプリケーションを、この種の情報機器に適用した場合、表示面でもあり入力面でもあるスクリーンには、描画が行える描画領域と、各種設定を行うメニュー領域とが表示されるのが通常である。
そして、ユーザの指示具等の軌跡を筆跡として残す際に、その軌跡を黒色、赤色、又はユーザが望む任意の色に設定できるように構成する必要がある。例えば、メニュー領域のアイコンを指示具でクリックして所望の色を選択し、その後の入力操作で所望の色の筆跡を残すことができるようになる。
【0006】 ここで重要なのは、『描画モード』と『操作モード』との切り替えが行われていることである。指示具等の軌跡が筆跡として表示される『描画モード』のまま、アイコンをクリックしたり、ドラッグ等の操作を行ったりしても、その操作の軌跡が表示されるだけである。したがって、アイコンをクリック(選択)したことによる制御信号(イベント信号)は、コンピュータ等の表示制御装置に出力されない。そこで、ホワイトボードとしての機能を有するアプリケーションでは、描画領域とメニュー領域とを別々に設定したり、別々のウィンドウに表示したりする等の方法がとられる。例えば、描画領域の座標値とメニュー領域の座標値とが既知であることを利用して、情報機器は、座標入力装置が出力する座標値の値に応じて、『描画モード』として動作するのか、『操作モード』として動作するかを自動的に判断している。
【0007】
また、この種のホワイトボードとしての機能を実現するための他の方法として、専用ペンのボディにスイッチ手段を設ける方法がある。この方法では、ユーザが、スイッチ手段のスイッチを操作すると、専用ペンは、操作されたスイッチの状態を、通信手段を介して例えば表示制御装置に送信する。表示制御手段は、専用ペンから送信されたスイッチの状態に基づいて、『描画モード』として動作するのか、『操作モード』として動作するかを自動的に判断する。」
「【0135】
図28は、座標入力装置と表示装置とを重ねて配置して構成された情報機器をホワイトボードの代替として使用した場合の座標入力有効領域3(座標入力面)の構成の一例を示した図である。
この種の情報機器では、前述した機能が要求されるので、図28に示すように、座標入力有効領域3(座標入力面)は、筆跡の入力と表示とを行うワークエリア280と、そのワークエリア280の周囲に配置されたメニューエリア281とに分割される。座標入力装置は、座標入力有効領域3に指示入力された位置の座標値に基づいて、どのエリアが選択されたのか、又はどのアイコンが選択されたか等を判断する。そして、その判断の結果に基づいて、軌跡が表示されたり、機能の変更や制御が行われたりする。」
「【0139】
前述したように、本実施形態の座標入力措置は、近接入力機能を有している。したがって、座標入力装置は、指等の遮光物が、座標入力有効領域3をタッチしているかを正確に判断することが出来ない。そこで、ペン先スイッチ28を有する専用入力ペン20を指示具として具備している。」

(3) 引用文献4

引用文献4の段落【0042】-【0044】、【0061】-【0068】には、以下の記載がある。

「【0042】
APL111は、ドライバ108から検出データをマウスデータとして受け取る。そして、受け取ったマウスデータに含まれる座標データおよびボタンONの情報に対応付けて予め設定されている機能を実行する。
【0043】
ここでいう機能とは、例えば、タッチ点の軌跡を特定の色や太さの線で描画する文字描画、図形描画、罫線描画をいう。APL111によって作成された画像データは、R,G,Bで表される形式で画像RAM115において展開される。展開された画像データは、表示装置2に送出される。表示装置2は、画像データをディスプレイ画面113に表示する。
【0044】
本実施の形態におけるタッチパネル付きディスプレイ装置5は、ディスプレイ画面113に表示される表示文書上に上書きデータを重ねて表示する上書き処理を行う。ここで、上書きデータとは、座標入力面112を介してユーザから入力された手書き文字や、予め登録されているスタンプデータや、図形などである。図2は、上書きデータ処理を実現する上書き処理部10の機能ブロック図である。」
「【0061】
ここで、APLモードおよび上書きモードとは、ユーザからの操作に対する処理に関するモードである。APLモードとは、Windows(R),MAC OS(R),Linux(R)など汎用OSで上書きプログラム以外のプログラム実行可能な状態のことである。すなわち、APLモードに設定されている場合には、ユーザからの入力に応じて、ディスプレイ画面113に表示されている表示文書を制御する。また、上書きモードとは、表示文書に対して上書き可能な状態のことである。上書きモードに設定されている場合には、ユーザからの入力に応じて、表示文書に重ねて表示する上書きデータを作成し、ディスプレイ画面113に表示する。
【0062】
図3(A)は、APLモードに設定されているときのディスプレイ画面113の表示内容を示している。ツールバー400は、ユーザがデスクトップアイコンをダブルクリックにより選択した場合などに、OSが提供する起動手段によって表示される。
続きを表示(全16行)
【0063】
ディスプレイ画面113に表示されているツールバー400のペンボタン404、図形ボタン406、スタンプボタン408、および消しゴムボタン410のいずれか1つのボタンが選択されると、上書きモードへ移行する。この時、上書きツールとしての表示処理部17は、全画面サイズの全画面透明ウィンドウをディスプレイ画面113に仮想的に重ねて表示する。この全画面透明ウィンドウとは、上書きデータを表示するウィンドウである。上書き処理部10は、キーボード、マウスデータの受信権利を取得する。すなわち、これにより、画面座標検出部11は、画面座標の検出を開始する。
【0064】
図3(B)は、上書きモードに設定されているときのディスプレイ画面113の表示内容を示している。上書きモードに設定されると、上書きモードを示すカーソル310が表示される。図3(B)に示す文書500には、ユーザにより座標入力面112を介して入力された上書きデータ312,314,316が重ねて表示されている。さらに、上書きモードに設定されている場合には、上書きカーソル310が表示される。すなわち、上書きカーソル310により、上書きモードに設定されていること示している。
【0065】
ユーザがツールバー400に含まれているボタンのうち所望のボタンを選択することにより上書きモードに設定される。そして、上書きモードに設定されているときに、ユーザからの指示があると、指示された上書きデータをディスプレイ画面113に表示する。
【0066】
例えば、手書き描画線312は、ツールバー400において、ユーザがペンボタン404を選択し、描きたい描画線に対応する座標入力面112上の位置をタッチペンなどで直接タッチすることにより、ディスプレイ画面113に表示される。また、図形314は、ユーザが図形ボタン404を選択し、描画したい位置を指定することにより表示される。なお、図形ボタン404が選択されると、例えばプルダウンメニューとして、複数種類の図形が表示される。そして、表示された図形のうちユーザによって選択された種類の図形が表示されてもよい。図形の種類としては、円、楕円、直線、四角形などがある。また、スタンプ316は、ユーザがスタンプボタン408を選択し、描画したい位置を指定することにより表示される。なお、スタンプについても、図形の場合と同様に、プルダウンメニューを表示し、複数の種類が表示され、ユーザからの選択を受け付ける。
【0067】
このように、ユーザが所望の画像を入力すると、ディスプレイ画面113に表示されている表示文書上にユーザにより入力された画像を重ねて表示することができる。
【0068】
図3(C)は、上書きモードにおいて消しゴムボタン410が選択され、所定のデータが削除されたときのディスプレイ画面113の表示内容を示している。図3(C)に示す表示文書500上の領域318は、ユーザからの指示により表示データが削除された領域である。消しゴムモードに設定された状態で、ユーザが所望の位置をタッチするとタッチされた位置に対応する領域の上書きデータをディスプレイ画面113から削除することができる。」

(4) 引用文献5

引用文献5の段落【0026】-【0028】、【0031】-【0036】には、以下の記載がある。

「【0026】
図2において、500は表示画面であり、この表示画面上にOSD画像として、水平方向の拡大領域移動用スクロールバー520およびスライサー521、垂直方向の拡大領域移動用スクロールバー530およびスライサー531、ズームアップ用アイコン540、ズームダウン用アイコン541、ズーム機能終了用アイコン542を表示する。
【0027】
ここで、表示デバイス212が水平画素数として1024画素、垂直ライン数として768ライン持つとして、画面に向かって左上角を座標(0,0)、右下角を座標(1023,767)とする。この座標系において、例えば、水平スクロールバー520の領域は座標(298,683)から(725,725)、水平スクロールバー530の領域は座標(938,170)から(981,597)、ズームアップ用アイコン540の領域は座標(786,683)から(851,748)、ズームダウン用アイコン541の領域は座標(859,683)から(924,748)、ズーム機能終了用アイコン542の領域は座標(932,688)から(997,748)として表示される。
【0028】
これら領域内で指示される座標は、それぞれの機能を実行するコマンドとしてシステムコントローラ203で処理され、これら領域外の指示座標は、パーソナルコンピュータ100に対する座標情報として利用する。」
「【0031】
次にステップS103へ進み、ポインティングの有無を判断する。ここで、ポインティングが無ければ現状表示のまま待ち受けとなり、ポインティングが有ればステップS104へ進み、ポインティング座標を取得する。取得された座標は、画像表示装置200のシステムコントローラ203において、ステップS105およびステップS106でそれぞれスクロールバー領域の座標かアイコン領域の座標かを判断する。
【0032】
ステップS105でスクロールバー領域の座標と判断されると、拡大表示領域の移動操作が行われたものとして、ステップS200へ進み、システムコントローラ203において移動量の計算に使用する。ここで、座標移動量の計算はスクロールバー領域でのポインティング座標の移動量とする方法、スライサー中心座標からポインティング座標までの距離を移動量として換算する方法などが考えられるが、ここでは特に限定しない。次にステップS201へ進み、ステップS200で求めた移動量に対応して拡大画像の表示領域を移動して表示し、ステップS202へ進む。ステップS202では、移動量に対応してスクロールバーに対するスライサーの位置表示を変更し、ステップS103へ戻って次の操作を待ち受ける。図5に図4の状態から水平方向に移動した場合の表示画像を示す。
続きを表示(全12行)
【0033】
ステップS106でアイコン領域の座標であると判断すると、ステップS300、およびS301で、それぞれズームアップアイコン領域、およびズームダウンアイコン領域か否かを判断する。ステップS300でズームアップアイコン領域と判断すると、ステップS310へ進み、表示画像の再拡大処理を行う。再拡大時の拡大率は任意に設定可能であるが、ここでは2倍とする。次にステップS311へ進み、ズームアップに対応してスライサー表示のスクロールバーに対する比率を変更してステップS103へ戻る。図6に図4の状態からズームアップした場合の表示画像を示す。
【0034】
ステップS301でズームダウンアイコン領域と判断すると、ステップS320へ進み、拡大表示からの縮小表示処理を行う。この時の縮小率は任意に設定可能であるが、ここでは1/2倍とする。次にステップS321へ進み、ズームダウンに対応してスライサー表示のスクロールバーに対する比率を変更してステップS103へ戻る。図6の状態からズームダウン表示として図4が対応する。
【0035】
ステップS300、およびS301でズームアップアイコン領域でもズームダウンアイコン領域でもない場合、ズーム終了アイコン領域と判断し、ステップS303へ進む。ステップS303では、スクロールバーおよびアイコン表示を消去してステップS304へ進み、ステップS304で画面表示を入力画像の等倍表示としてズーム表示を終了する。
【0036】
ステップS105、およびステップS106でスクロールバー領域、およびアイコン領域ではないと判断された場合、ポインティング座標は、パーソナルコンピュータ100の出力画像に対する座標情報として、ステップS107でパーソナルコンピュータ100に出力される。パーソナルコンピュータ100は、入力された座標情報に基づいてウィンドウやアイコンの選択や移動などの処理を行う。」

第6 対比・判断

1 本願発明1について

(1) 対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「情報処理装置1(本情報処理装置)」は、本願発明1の「画像表示制御装置」に相当する。

引用発明の「情報処理装置1の画面」は、本願発明1の「画像表示装置又は表示装置の表示面」に相当する。

また、引用発明の「情報処理装置2(他の情報処理装置)」は、本願発明1の「情報処理装置」に相当する。

よって、引用発明の「情報処理装置1」は、「情報処理装置1の画面の中に子画面を設け、この子画面内に情報処理装置2の画面を投影し」、「ステップS5において、ステップS4で変換された座標情報とボタン情報等を、マウス出力インターフェース8を介して情報処理装置2に送信し」ているから、本願発明1の「オペレーティングシステムを含み、情報処理装置の表示画像を画像表示装置又は表示装置の表示面に表示させて当該情報処理装置の操作が可能な前記画像表示装置又は表示装置を制御する画像表示制御装置」と、「情報処理装置の表示画像を画像表示装置又は表示装置の表示面に表示させて当該情報処理装置の操作が可能な前記画像表示装置又は表示装置を制御する画像表示制御装置」である点で共通するといえる。

イ 引用発明の「ビデオ信号入力インターフェース12」は、本願発明1の「第1のインターフェース」に相当する。

よって、引用発明の「情報処理装置1」の「描画信号処理部10」は、「符号12はビデオ信号入力インターフェースであり、他の情報処理装置等のビデオ出力信号を入力し」、「ビデオ信号入力インターフェース12から入力されたビデオ信号は、信号処理部10を介してビデオ信号出力インターフェース11に接続された表示装置に送出され」ているから、本願発明1の「第1のインターフェースを介して前記情報処理装置から受信した映像信号に基づき前記情報処理装置の表示画像を生成する映像信号処理部」に相当する。

ウ 引用発明の「マウス等の座標入力装置」は、本願発明1の「描画装置」と、「座標入力装置」である点で共通するといえる。

引用発明の「マウス出力インターフェース8」は、本願発明1の「第2のインターフェース」に相当する。

よって、引用発明の情報処理装置1内で実行される処理において、「ステップS2はマウス・カーソルの指示する座標が、二つに区分される表示領域のどちらにあるかの判定であり、マウス・カーソルの座標が情報処理装置1の表示領域にあると決定した場合は、ステップS3に進み、ここで情報処理装置1内でマウスの座標情報、ボタン情報等の処理を行い」、「ステップS2でマウス・カーソルの座標が情報処理装置2の表示領域にあると決定した場合は、ステップS4に進み、ここにおいてマウス・カーソルの座標情報を子画面内の座標情報に変換し」、「ステップS5において、ステップS4で変換された座標情報とボタン情報等を、マウス出力インターフェース8を介して情報処理装置2に送信し」ていることは、本願発明1において、「前記描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベントを受信した場合であって、前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し、前記イベントに付加された前記座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、画像オブジェクトの領域にある場合は、当該画像オブジェクトに対応した操作の指示を前記オペレーティングシステムに発行する操作部」を有することと、「座標入力装置の座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し、前記座標入力装置の座標位置が、別の領域にある場合は、別の処理を行う操作部」を有する点で共通するといえる。

よって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりであるといえる。

[一致点]

「情報処理装置の表示画像を画像表示装置又は表示装置の表示面に表示させて当該情報処理装置の操作が可能な前記画像表示装置又は表示装置を制御する画像表示制御装置であって、
第1のインターフェースを介して前記情報処理装置から受信した映像信号に基づき前記情報処理装置の表示画像を生成する映像信号処理部と、
座標入力装置の座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し、前記座標入力装置の座標位置が、別の領域にある場合は、別の処理を行う操作部と
を有する、画像表示制御装置。」

[相違点1]

本願発明1の「画像表示制御装置」は、「オペレーティングシステムを含」むのに対し、引用発明の「情報処理装置1(本情報処理装置)」では、「オペレーティングシステムを含」むことが特定されていない点。

[相違点2]

本願発明1は、「前記表示面に描画装置が接触又は近接したことを示す座標位置の描画画像を生成し、前記映像信号処理部で生成された前記表示画像に合成する描画部」を有するのに対し、引用発明では、「座標入力装置」が「描画装置」であることは特定されておらず、描画装置によって生成した描画画像を、表示画面に合成する「描画部」を備えることが特定されていない点。

[相違点3]

本願発明1の「操作部」は、「前記描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベントを受信した場合であって、前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し」ているのに対し、引用発明では、「操作部」が、「前記描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベントを受信した場合であって、前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したとき」の座標位置に基づいて処理を行うことが特定されていない点。

[相違点4]

本願発明1の「操作部」は、さらに、「描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベント」について、「前記イベントに付加された前記座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、画像オブジェクトの領域にある場合は、当該画像オブジェクトに対応した操作の指示を前記オペレーティングシステムに発行する」のに対し、引用発明では、「操作部」が、「描画装置」が「表示面から離れたことを通知する」、「前記イベントに付加された前記座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したとき」の座標位置が、「画像オブジェクト」の領域にある場合に、「当該画像オブジェクトに対応した操作の指示を前記オペレーティングシステムに発行する」ことが特定されていない点。

(2) 当審の判断

事案に鑑みて、「操作部」について相互に関連する、上記[相違点3]、[相違点4]について先に検討すると、本願発明1の上記[相違点3]、[相違点4]に係る、「前記描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベントを受信した場合であって、前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し、前記イベントに付加された前記座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、画像オブジェクトの領域にある場合は、当該画像オブジェクトに対応した操作の指示を前記オペレーティングシステムに発行する操作部」については、上記引用文献1-5には記載されておらず、周知技術であるともいえない。

引用文献2-4には、それぞれ、「描画装置」の接触や近接を使用した「描画機能」の周知技術が開示され、また、引用文献3-5には、それぞれ、例えば「アイコン」等である「オブジェクト」を配置して、これを選択することにより、情報処理装置に指示を与える周知技術が開示されているが、「前記描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベントを受信した場合であって、前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し、前記イベントに付加された前記座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、画像オブジェクトの領域にある場合は、当該画像オブジェクトに対応した操作の指示を前記オペレーティングシステムに発行する操作部」は、開示されていない。

よって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項から、本願発明1の上記[相違点3]、「相違点4」に係る構成を容易に想到することはできない。

したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 請求項2-9について

本願発明2-9も、本願発明1の上記[相違点3]、「相違点4」に係る、「前記描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベントを受信した場合であって、前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し、前記イベントに付加された前記座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、画像オブジェクトの領域にある場合は、当該画像オブジェクトに対応した操作の指示を前記オペレーティングシステムに発行する操作部」と、(実質的に)同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2-5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 当審拒絶理由(3)の理由1について

令和4年7月14日付けの補正による、補正後の請求項5は、「請求項1~3のいずれか1項に記載の画像表示制御装置」と補正され、補正後の請求項6は、「請求項1~3、又は5のいずれか1項の記載の画像表示制御装置」と補正された結果、請求項5-6が「請求項4」を引用することに基づく、当審拒絶理由(3)の理由1(明確性)は解消した。

第8 当審拒絶理由(2)の理由1について

令和4年7月14日付けの補正による、補正後の請求項1-9は、「操作の指示」を、「画像表示制御装置」が備える「オペレーティングシステム」に対して発行するという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は発明の詳細な説明に記載されているから(段落【0053】)、「操作の指示」を、(「画像表示制御装置」ではなく)「情報処理装置」に対して発行する構成を有する発明は、発明の詳細な説明に記載したものではないことに基づく、当審拒絶理由(2)の理由1(新規事項)は解消した。

第9 当審拒絶理由(1)の理由1-2について

1 理由1(サポート要件)について

令和4年7月14日付けの補正による、補正後の請求項8-9は、「描画ステップ」が実行される動作モードは「描画モード」である一方、「操作ステップ」が実行される動作モードは「選択モード」であるという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は発明の詳細な説明に記載されているから(図6のステップS602-S604、図8のステップS802-S805)、単独の動作モードにおいて、(動作モードの切り換えを伴わずに)「描画ステップ」と「操作ステップ」とを有する発明は、発明の詳細な説明に記載したものではないことに基づく、当審拒絶理由(1)の理由1(サポート要件)は解消した。

2 理由2(進歩性)について

令和4年7月14日付けの補正による、補正後の請求項1-9は、本願発明1の上記[相違点3]、「相違点4」に係る、「前記描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベントを受信した場合であって、前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し、前記イベントに付加された前記座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、画像オブジェクトの領域にある場合は、当該画像オブジェクトに対応した操作の指示を前記オペレーティングシステムに発行する操作部」と、(実質的に)同一の構成を備えるものとなった。当該技術的事項は、当審拒絶理由(1)における引用文献1-5には記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1-9は、当業者であっても、当審拒絶理由(1)における引用文献1-5に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、当審拒絶理由(1)の理由2(進歩性)は解消した。

第10 原査定についての判断

1 理由1(新規事項)について

令和4年7月14日付けの補正による、補正後の請求項1-9は、「描画装置が接触又は近接したことを示す座標位置の描画画像を生成し」、「前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に」処理を行う「操作部」とを備えるという技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は発明の詳細な説明に記載されているから(段落【0048】、【0053】、【0058】-【0059】)、「描画」のための「座標位置」それ自体を、情報処理装置の表示画面であるかを判断するための「前記座標位置」としても利用する構成を有する発明は、発明の詳細な説明に記載したものではないことに基づく、原査定の理由1(新規事項)は解消した。

2 理由2(進歩性)

令和4年7月14日付けの補正による、補正後の請求項1-9は、本願発明1の上記[相違点3]、「相違点4」に係る、「前記描画装置が前記画像表示装置又は表示装置の表示面から離れたことを通知するイベントを受信した場合であって、前記イベントに付加された座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、前記情報処理装置の表示画像が表示された領域にある場合に、当該座標位置に基づいて生成された信号を第2のインターフェースを介して前記情報処理装置に送信し、前記イベントに付加された前記座標位置情報が示す前記描画装置が前記表示面に接触又は近接したときの座標位置が、画像オブジェクトの領域にある場合は、当該画像オブジェクトに対応した操作の指示を前記オペレーティングシステムに発行する操作部」という技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、原査定における引用文献A-Dには記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1-9は、当業者であっても、原査定における引用文献A-Dに基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第11 むすび

以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。

他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-002719

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