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特許拒絶査定不服審判

2021-002510

情報処理装置、情報処理装置のプログラム、ヘッドマウントディスプレイ、及び、情報処理システム

審判番号
2021-002510
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-202162外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年02月26日
審決日
2022年04月12日
公報発行日
2022年05月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06F) / P18 .537-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-202162「情報処理装置、情報処理装置のプログラム、ヘッドマウントディスプレイ、及び、情報処理システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 2月27日出願公開、特開2020- 30853、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 24項目
理 由

第1 手続きの経緯

本願は、平成30年 3月23日に出願した特願2018-055561号の一部を令和元年11月 7日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

令和 元年11月12日 :手続補正書の提出
令和 2年 3月 4日付け :拒絶理由通知
令和 2年 7月 2日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 9月10日付け :拒絶理由通知(最後)
令和 2年11月12日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年11月19日付け :令和2年11月12日の手続補正につい

ての補正の却下の決定、拒絶査定(原査

定)

令和 3年 2月26日 :審判請求書の提出
令和 3年10月29日付け :拒絶理由(当審拒絶理由)通知
令和 4年 1月 6日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和 2年11月19日付け拒絶査定)の概要は次の通りである。

本願請求項1,11-13に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、本願請求項2-6に係る発明は、以下の引用文献1-2に基づいて、本願請求項7に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、本願請求項8-10に係る発明は、以下の引用文献1-6に基づいて、その発明の属する技術分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

1.特開2017-182217号公報

2.特許第6277567号公報

3.特開2009-205557号公報(周知技術を示す文献)

4.特開平09-006473号公報(周知技術を示す文献)

5.特開2018-005516号公報(周知技術を示す文献)

6.国際公開第2017/110632号(周知技術を示す文献)

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次の通りである。

本願請求項1-13に係る発明は、「前記一のオブジェクト」と記載されている箇所が2箇所あるが、これらの当該記載以前に「一のオブジェクト」が記載されておらず、「前記一のオブジェクト」が何を指し示すのか不明であるから、特許法第36条第6項第2号の規定により特許を受けることができない。

第4 本願発明

本願請求項1-13に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明13」という。)は、令和 4年 1月 6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-13に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
プロセッサを具備する情報処理装置のプログラムであって、
前記プロセッサを、
複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、
続きを表示(全158行)
両眼視差を利用した立体視画像を、
ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、
前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、
前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、
所定の位置関係を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部と、
前記特定部が、
前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、
前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、
前記特定部が特定した選択オブジェクトを選択する選択部と、
して機能させ、
前記特定部は、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、
前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、
前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない、
ことを特徴とする
情報処理装置のプログラム。
【請求項2】
前記選択部は、
前記仮想線と、前記仮想空間に配置された、前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択するための所定オブジェクトとが、
前記所定の位置関係を有する場合に、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する、ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項3】
前記選択部は、
前記姿勢情報の示す前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢が、
所定の基準軸を中心に、基準姿勢から所定角度以上回転した姿勢である場合に、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項4】
前記選択部は、
前記仮想線と、前記仮想空間に配置された、前記特定部が特定した選択オブジェクトを選択するための所定オブジェクトとが、
第1期間において、前記所定の位置関係を維持する場合に、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項5】
前記選択部は、
前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、
第1期間において、前記所定の位置関係を維持する場合に、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項6】
前記選択部は、
前記複数の選択オブジェクトの中から、
M個(Mは、2以上の自然数)の選択オブジェクトが選択されるべき場合において、
前記複数の選択オブジェクトのうち、前記特定部がM番目に特定した選択オブジェクトと、
前記仮想線とが、
第1期間において、前記所定の位置関係を維持するときに、
前記特定部により特定された前記M個の選択オブジェクトを選択する、
ことを特徴とする、請求項1または5に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項7】
前記特定部は、
前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、
前記所定の位置関係を有する場合であって、
前記姿勢情報の示す前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢が、
所定の姿勢を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトを特定し、
前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、
前記所定の位置関係を有する場合であって、
前記姿勢情報の示す前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢が、
前記所定の姿勢を有さない場合に、
前記一の選択オブジェクトを特定しない、
ことを特徴とする、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項8】
前記表示制御部は、
前記特定部が、前記複数の選択オブジェクトの中から、最初に選択オブジェクトを特定した後であって、
前記選択部が、前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択するまでの、第2期間における、前記複数の選択オブジェクトのうち、 前記特定部により特定されていない他の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様と、
前記第2期間が開始される前における、
前記他の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様とを、
互いに異ならせる、
ことを特徴とする、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項9】
前記表示制御部は、
前記特定部が、前記一の選択オブジェクトを特定した後における、
前記一の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様と、
前記特定部が、前記一の選択オブジェクトを特定する前における、
前記一の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様とを、
互いに異ならせる、
ことを特徴とする、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項10】
前記表示制御部は、
前記第1期間が開始される前の期間における、
前記複数の選択オブジェクトのうち少なくとも一部の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様と、
前記第1期間の一部または全部の期間における、
前記少なくとも一部の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様とを、
互いに異ならせる、
ことを特徴とする、請求項4乃至6のうち何れか1項に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項11】
複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、
両眼視差を利用した立体視画像を、
ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、
前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、
前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、
所定の位置関係を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部と、
前記特定部が、
前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、
前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する選択部と、
を備え、
前記特定部は、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、
前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、
前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない、
ことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項12】
表示部と、情報処理装置と、を具備するヘッドマウントディスプレイであって、
前記情報処理装置は、
複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、
両眼視差を利用した立体視画像を、
前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、
前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、
前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、
所定の位置関係を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部と、
前記特定部が、
前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、
前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する選択部と、
を備え、
前記特定部は、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、
前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、
前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない、
ことを特徴とする、ヘッドマウントディスプレイ。
【請求項13】
表示部を有するヘッドマウントディスプレイと、情報処理装置と、を具備する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、
両眼視差を利用した立体視画像を、
前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、
前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、
前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、
所定の位置関係を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部と、
前記特定部が、
前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、
前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する選択部と、
を備え、
前記特定部は、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、
前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、
前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない、
ことを特徴とする、情報処理システム。」

第5 引用文献、引用発明等

1.引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2017-182217号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、強調のため当審にて付与。以下同様。)

「【0106】
2-5.シミュレーション制御装置
次に、図6を用いて本実施形態のゲームシステムにおけるシミュレーション制御装置100について説明する。」
「
[図:0001383744000001.jpg]
図6」
「【0116】
なお、処理部101は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。すなわち、情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。」
「【0119】
処理部101(プロセッサ)は、ゲーム開始からのタイミング及び撮像カメラ70から出力された画像のデータ(以下、「画像データ」という。)及びプログラムなどに基づいて、ゲーム演算処理、画像生成処理、音生成処理及び演出制御処理などを行う。」
「【0230】
(1)表示処理部110A:
表示処理部110Aは、HMD20へ仮想3次元空間(図10の符号OBS)を表示する。例えば、表示処理部110Aは、オブジェクト空間設定部111及び画像生成部130を制御し、シミュレーション空間を構築するための各種オブジェクトを仮想3次元空間(図10の符号OBS)内に配置する。このオブジェクトには、アイコン(後述する押しボタンオブジェクトOB1~OB4)、仮想コントローラ、仮想メカスイッチ、キャラクタ、アイテムなどが含まれる。また、表示処理部110Aは、画像生成部130を制御し、仮想3次元空間OBSに仮想カメラを設定し、仮想カメラの視野範囲(図10の符号DA)をプレーヤPに見せるための画像データを生成する処理を実行する。また、表示処理部110Aは、通信制御部120及び通信部196を制御し、当該画像データをHMD20へ出力する処理を実行する。また、表示処理部110Aは、状態検出処理部112が検出するプレーヤPの頭部の位置及び姿勢の変化に応じて、仮想3次元空間(図10の符号OBS)における仮想カメラの位置及び姿勢を変化させる処理を実行する。
【0231】
(2)計測部110B:
計測部110Bは、仮想3次元空間(図11の符号OBS)に配置されたオブジェクト(例えば図11の符号OB1)に対するプレーヤPの目視時間を計測(チャージ)し、オブジェクト(図11の符号OB1)からプレーヤPの視線(図10の符号LSA)が外れた場合には、視線(図10の符号LSA)が外れている時間に応じて計測による計測値(以下、「チャージ量」という。)を減少させる。計測部110Bは、例えば、表示エリアDA内に位置する押しボタンオブジェクトOB1のヒットエリアOBHA(オブジェクトが存在しているとみなすエリアの一例)と、表示エリアDAに設定された視認エリアLSA(視線が存在しているとみなすエリアの一例)との位置関係に基づき、プレーヤPが押しボタンオブジェクトOB1を目視しているか否かを判定する処理(目視判定の処理)を実行する。
【0232】
(3)受付け部110C:
受付け部110Cは、チャージ量が第1閾値Th1(例えば2秒)に達した場合にオブジェクト(図11の符号OB1)の選択(以下、「ロック」という。)の指示を受付け、チャージ量が第1閾値Th1より大きい第2閾値Th2(例えば5秒)に達した場合にオブジェクト(図11の符号OB1)のロックの確定の指示を受付け、確定の前にチャージ量が第3閾値Th3(例えばゼロ秒)まで低下した場合にオブジェクト(図11の符号OB1)のロックの解除を受付ける。但し、受付け部110Cは、仮にチャージ量が第2閾値Th2(例えば5秒)に達していなかったとしても、チャージ量が第1閾値Th1を超えており、かつ、プレーヤPが所定のアクションをした場合には、強制的にロックを確定してもよい。所定のアクションは、「実空間に配置されたボタンの押し下げ」であってもよいし、「確定用オブジェクトの目視」であってもよい。但し、以下の説明では、実空間に配置されたボタン及び確定用オブジェクトを用いない場合について説明する。」
「【0238】
視認エリアLSAは、表示エリアDAの中央にゲーム演算部110が設定した所定サイズのエリアである。視認エリアLSは、後述する目視判定においてプレーヤPが目視しているとみなされる範囲(注視範囲又は視線範囲ということもできる。)に相当する。表示エリアDAのサイズを基準とした視認エリアLSAのサイズの比は、基本的に固定されており、表示エリアDAにおける表示エリアDAの位置も、基本的に固定されている。ここ
では、図10に示すとおり、表示エリアDAにおける視認エリアLSAの位置は表示エリアDAの中央であり、視認エリアLSAの形状は、円形であると仮定する。」(当審注:「視認エリアLS」は、「視認エリアLSA」の誤記と認められる。)
「
[図:0001383744000002.jpg]
図11」
「【0248】
その後、プレーヤPが頭を左上に向けると、図11に示すとおり表示エリアDA及び視認エリアLSAはセレクト画面の左上(プレーヤPから見て左上)に向かって移動する。」
「【0255】
例えば、ゲーム演算部110は、ヒットエリアOBHAの少なくとも一部と視認エリアLSAの少なくとも一部とが重複した場合に、プレーヤPが押しボタンオブジェクトOB1を「目視している」と判定し、そうでない場合に、プレーヤPが押しボタンオブジェクトOB1を「目視していない」(すなわち、押しボタンオブジェクトOB1からプレーヤPの視線が外れている)と判定する。図12(b)は、ヒットエリアOBHAの少なくとも一部と視認エリアLSAの少なくとも一部とが重複した状態を示している。図12(b)の状態は、ゲーム演算部110が「目視している」と判定する状態の1つである。」
「【0282】
また、以上の説明において、ゲーム演算部110は、オブジェクトのチャージ量が閾値Th3に低下したタイミングで当該オブジェクトのロックを解除したが、仮に、閾値Th3に低下する前であっても、プレーヤPが所定のアクションをした場合には、強制的にロックを確定してもよい。所定のアクションは、「実空間に配置されたボタンの押し下げ」であってもよいし、「解除用オブジェクトの目視」であってもよいし、オブジェクトに対する「二度見」のアクションであってもよい(「二度見」のアクションは後述する。)。但し、以下の説明では、ロックの解除のために実空間に配置されたボタン、確定用オブジェクト、「二度見」を用いない場合について説明する。」
「【0308】
2-11.コンボ処理
2-11-1.コンボ処理の概要
ゲーム演算部110は、2以上のオブジェクトが同時にロックされているときに所定の条件が満たされた場合には、コンボ処理を実行(発動)する。ここでいう「コンボ処理」は、ロック中の2以上のオブジェクトの全部についてのアイ入力(ロックの確定及びロックの解除)を共通のチャージ量に基づき受付ける処理のことである。」
「【0312】
例えば、図10の押しボタンオブジェクトOB1、OB2が同時にロックされているときにコンボ処理が発動すると、プレーヤPは、押しボタンオブジェクトOB1、OB2の一方に対するアイ入力のみにより押しボタンオブジェクトOB1、OB2の双方のロックの確定の指示(1人プレーモード及び初級モードの設定指示)をシミュレーション制御装置100へ入力することができる。」
「【0314】
本実施形態のゲーム演算部110は、コンボ発動条件を、「同時ロック中の2以上のオブジェクトのうち最初にロックされたオブジェクトをプレーヤPが再目視すること」とする。」

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「シミュレーション制御装置100を機能させるためのプログラムであって、
処理部101(プロセッサ)は、
プログラムに基づいて、画像生成処理を行い、
表示処理部110Aは、
続きを表示(全25行)
HMD20へ仮想3次元空間を表示し、
各種オブジェクトを仮想3次元空間内に配置し、
前記オブジェクトには、アイコンが含まれ、
仮想3次元空間OBSに仮想カメラを設定し、仮想カメラの視野範囲をプレーヤPに見せるための画像データを生成する処理を実行し、
当該画像データをHMD20へ出力する処理を実行し、
状態検出処理部112が検出するプレーヤPの頭部の位置及び姿勢の変化に応じて、仮想3次元空間OBSにおける仮想カメラの位置及び姿勢を変化させる処理を実行し、
計測部110Bは、
仮想3次元空間に配置されたオブジェクトに対するプレーヤPの目視時間を計測(チャージ)し、
受付け部110Cは、
チャージ量が第1閾値Th1に達した場合にオブジェクトの選択(以下、「ロック」という。)の指示を受付け、
チャージ量が第1閾値Th1より大きい第2閾値Th2に達した場合にオブジェクトのロックの確定の指示を受付け、確定の前にチャージ量が第3閾値Th3まで低下した場合にオブジェクトのロックの解除を受付け、
視認エリアLSAは、プレーヤPが目視しているとみなされる範囲であり、
表示エリアDAにおける視認エリアLSAの位置は表示エリアDAの中央であり、
プレーヤPが頭を左上に向けると、表示エリアDA及び視認エリアLSAはセレクト画面の左上(プレーヤPから見て左上)に向かって移動し、
ゲーム演算部110は、ヒットエリアOBHAの少なくとも一部と視認エリアLSAの少なくとも一部とが重複した場合に、プレーヤPが押しボタンオブジェクトOB1を「目視している」と判定し、
そうでない場合に、プレーヤPが押しボタンオブジェクトOB1を「目視していない」と判定し、
閾値Th3に低下する前であっても、プレーヤPが所定のアクションをした場合には、強制的にロックを確定し、
ゲーム演算部110は、2以上のオブジェクトが同時にロックされているときに所定の条件が満たされた場合には、コンボ処理を実行し、
「コンボ処理」は、ロック中の2以上のオブジェクトの全部についてのアイ入力(ロックの確定及びロックの解除)を共通のチャージ量に基づき受付ける処理のことであり、
コンボ発動条件は、同時ロック中の2以上のオブジェクトのうち最初にロックされたオブジェクトをプレーヤPが再目視することである、
シミュレーション制御装置を機能させるためのプログラム。」

2.引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特許第6277567号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0102】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
本実施形態に係るHMDシステム1及び端末装置10の基本的な構成は、図1、図2、及び図9に示す各構成と同様であるので、本実施形態において特徴的な処理について説明する。第1~4の実施形態では、選択オブジェクト(判定領域)内に選択確定領域が表示される例を説明したが、選択オブジェクト(判定領域)外に選択確定領域が表示されてもよい。
【0103】
図20は、本実施形態に係る選択メニュー画面の一例を示す図である。図示する選択メニュー画面G60は、注視点P1が選択肢Aの判定領域R1に重なった状態であり、経過時間ゲージT1に加えて、選択確定領域R161とキャンセル領域R162とが表示されている。選択確定領域R161とキャンセル領域R162とは、選択肢Aの判定領域R1外に表示されている。選択確定領域R161は、注視点P1が重なった選択オブジェクト(ここでは、選択肢A)への選択を確定させるための領域である。キャンセル領域R162は、注視点P1が重なった選択オブジェクト(ここでは、選択肢A)への選択をキャンセルするための領域である。
【0104】
この状態で、ユーザが注視点P1を選択確定領域R161に重なる位置に移動させると、所定の時間が経過していなくとも選択肢Aが選択されたことが確定する。また、ユーザが注視点P1をキャンセル領域R162に重なる位置に移動させると、注視点P1が選択肢Aの判定領域R1に重なったことがキャンセルされ、選択確定領域R161とキャンセル領域R162とが非表示になる。注視点P1が判定領域R1、選択確定領域R161、及びキャンセル領域R162のいずれとも重ならない位置にある場合には、注視点P1が判定領域R1に重なってからの経過時間の計時が中断(経過時間ゲージT1のバーが伸びも縮みもせず停止)される。」

3.引用文献3について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2009-205557号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0046】
本実施の形態によれば、モーションセンサ22が、携帯電話機1の傾きを検出し、この傾きが所定の角度範囲内である場合に、静電パッド12により操作入力を無効化する。このため、携帯電話機1の傾きに応じて発生する静電パッド12の誤検出を防止することができる。特に、静電パッドの操作面を下に向けて置いた場合に静電パッド12が載置面を検出してしまう誤検出を防止することができる。」

4.引用文献4について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開平09-006473号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0055】
【発明の効果】本発明により、携帯可能な電子機器において、入力部が通常入力に不適当な角度にある場合に、入力部への電力供給を遮断することにより、不要な入力の防止、電力消費を抑えるといったことが可能となる。例えば、タッチパネル等に不用意に触れてしまった場合の誤入力も防止できる。」

5.引用文献5について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(特開2018-005516号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0033】
図7は、判定領域が変化した選択メニュー画面の一例を示す図である。図示する選択メニュー画面G12において、視線位置P1が判定領域に重なっている選択オブジェクト(ここでは、選択肢C)の判定領域が拡大されている。これにより、選択しようとしている選択オブジェクトの判定領域内に視線位置P1を維持しやすくなり、誤って判定領域外に視線位置P1を移動させてしまう誤操作を防止しやすくなる。」

6.引用文献6について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6(国際公開第2017/110632号)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「[0056]
すなわち図示するように、選択状態のアイコン524がユーザの眼前に移動することにより、見かけ上のサイズが大きくなる。なお(a)から(b)への遷移途上には当然、アイコンが近づいてくる様子が動画表示される。アイコン524がどの位置にあったとしても、また距離に応じてアイコンのサイズを小さくしていても、選択状態となったらユーザから同じ距離かつ同じサイズで表示する。これにより、様々な位置にあるアイコンが、視線を合わせることによりユーザに引き寄せられ、同じ位置で止まるような状態を表現できる。」

第6 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア.引用発明の「処理部101(プロセッサ)」」は、本願発明1の「プロセッサ」に相当する。そして、引用発明の「シミュレーション制御装置100」は、「処理部101(プロセッサ)」を有することから、本願発明1の「プロセッサを具備する情報処理装置」に相当する。したがって、引用発明の「シミュレーション制御装置100を機能させるためのプログラム」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「プロセッサを具備する情報処理装置のプログラム」に相当する。

イ.引用発明の「オブジェクト」は、本願発明1における「選択オブジェクト」に相当し、引用発明の「仮想3次元空間」は各種オブジェクトが配置されていることから、本願発明1の「複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間」に相当する。また、引用発明は「仮想3次元空間OBSに仮想カメラを設定し、仮想カメラの視野範囲をプレーヤPに見せるための画像データを生成する処理を実行」することから、引用発明の「画像データ」は、本願発明1の「仮想空間を仮想カメラで撮像した画像」に相当するといえ、引用発明の「表示処理部110A」は、「表示制御部」といい得るものである。

以上より、引用発明の「HMD20へ仮想3次元空間を表示」することを参酌すると、引用発明の「表示制御部」と、本願発明1における「複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、両眼視差を利用した立体視画像を、ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部」とは、「複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像を、ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部」という点で共通する。

ウ.引用発明の「プレーヤP」は「HMD20」を装着していることから、引用発明の「状態検出処理部112」による、「プレーヤPの頭部の位置及び姿勢」を検出する処理は、「HMD20」の位置及び姿勢を検出することと同義といえるため、引用発明の「状態検出処理部112」は、本願発明1の「前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部」に相当する。

エ.引用発明の「視認エリアLSA」、「仮想カメラ」及び「表示エリアDA」は、いずれも頭部の動きに連動して移動し、引用発明の「視認エリアLSA」は、引用文献1の図11によると引用発明の「表示エリアDA」の中心付近に設定され、引用発明の「仮想カメラ」及び「表示エリアDA」とは一定の相対位置の関係を保つものであるから、引用発明の「仮想カメラ」と「視認エリアLSA」を結ぶ仮想の直線は、本願発明1の「前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線」に相当する。

オ.引用発明の「仮想3次元空間に配置されたオブジェクトに対するプレーヤPの目視時間を計測(チャージ)し、受付け部110Cは、チャージ量が第1閾値Th1に達した場合にオブジェクトの選択(以下、「ロック」という。)の指示を受付け」ることにおける「目視」とは、「目視している」と判定される「ヒットエリアOBHAの少なくとも一部と視認エリアLSAの少なくとも一部とが重複した場合」の状態であり、「ヒットエリアOBHA」は「オブジェクトが存在しているとみなすエリア」(引用文献1【0231】参照。)である。

よって、引用発明において「ヒットエリアOBHAの少なくとも一部と視認エリアLSAの少なくとも一部とが重複し」ており、「仮想3次元空間に配置されたオブジェクトに対するプレーヤPの目視時間を計測(チャージ)し」、「チャージ量が第1閾値Th1に達した場合」は、上記エを参酌すると、本願発明1の「前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、所定の位置関係を有する場合」の「所定の位置関係」であるといえ、引用発明の「オブジェクトの選択(以下、「ロック」という。)の指示を受付け」ることは、ロック後に確定操作が必要であることから、本願発明1における「前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする」ことに相当する。

また、引用発明において「オブジェクトの選択(以下、「ロック」という。)の指示を受付け」る動作を行っている「受付け部110C」は、本願発明1の「前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部」に相当するといえる。

よって、引用発明の「仮想3次元空間に配置されたオブジェクトに対するプレーヤPの目視時間を計測(チャージ)し、受付け部110Cは、チャージ量が第1閾値Th1に達した場合にオブジェクトの選択(以下、「ロック」という。)の指示を受付け」ることは、本願発明1の「前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、所定の位置関係を有する場合に、前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部」に相当する。

カ.引用発明の「ゲーム演算部110は、2以上のオブジェクトが同時にロックされているときに所定の条件が満たされた場合には、コンボ処理を実行する」ことについて、引用発明の「2以上のオブジェクトが同時にロックされているとき」とは、上記オを参酌すると、本願発明1における「2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合」に相当する。

また、引用発明の「所定の条件」は、「同時ロック中の2以上のオブジェクトのうち最初にロックされたオブジェクトをプレーヤPが再目視すること」であるから、本願発明1の「前記姿勢情報に関連する所定条件」に相当する。

また、引用発明の「コンボ処理」は、「ロック中の2以上のオブジェクトの全部についてのアイ入力(ロックの確定及びロックの解除)を共通のチャージ量に基づき受付ける処理」であり、「ロックの確定」は、「ロックの確定の指示(1人プレーモード及び初級モードの設定指示)をシミュレーション制御装置100へ入力する」(引用文献1【0312】)という記載から、ロックしたオブジェクトの状態を確定させる処理であるといえる。したがって、引用発明の当該「ロックの確定」は、本願発明1の「前記特定部が特定した選択オブジェクトを選択する」ことに相当する。

更に、「コンボ処理」を実行している「ゲーム演算部110」は、引用発明において「前記特定部が特定した選択オブジェクトを選択する」処理を実行している「選択部」に相当するといえる。

以上から、引用発明の「ゲーム演算部110は、2以上のオブジェクトが同時にロックされているときに所定の条件が満たされた場合には、コンボ処理を実行する」ことは、本願発明1の「前記特定部が、前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、前記特定部が特定した選択オブジェクトを選択する選択部」に相当する。

キ.引用発明の「処理部101(プロセッサ)」は、引用文献1の図6によると、上記イないしカにかかる処理を行っていることから、本願発明1における「前記プロセッサを、(中略)表示制御部と、(中略)取得部と、(中略)特定部と、(中略)選択部と、して機能させ」ることに相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)

「プロセッサを具備する情報処理装置のプログラムであって、
前記プロセッサを、
複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像を、
ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部と、
続きを表示(全16行)
前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、
前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、
前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、
所定の位置関係を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部と、
前記特定部が、
前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、
前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、
前記特定部が特定した選択オブジェクトを選択する選択部と、
して機能させる、
ことを特徴とする
情報処理装置のプログラム。」

(相違点1)

本願発明1では、ヘッドマウントディスプレイに表示させる画像が「両眼視差を利用した立体視画像」であるのに対して、引用発明では、ヘッドマウントディスプレイに画像を表示させることは記載されているものの、当該画像が「両眼視差を利用した立体視画像」であることは記載されていない点。

(相違点2)

本願発明1は、「前記特定部は、前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない」ものであるのに対し、引用発明は、ロックの「確定の前にチャージ量が第3閾値Th3まで低下した場合にオブジェクトのロックの解除を受付け」るものである点。

(2)相違点についての判断

事案に鑑み、まず相違点2について検討すると、相違点2に係る本願発明1の「前記特定部は、前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない」という構成は、引用文献1-6には記載も示唆もされておらず、また、本願の優先日前において周知技術であるともいえない。

したがって、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2-6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-10について

本願発明2-10は、本願発明1の上記相違点2に係る構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても引用発明に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

3.本願発明11-13について

本願発明11-13は、それぞれ「プログラム」である本願発明1とカテゴリー違いで実質的に同様内容の「情報処理装置」、「ヘッドマウントディスプレイ」、及び「情報システム」に係る発明であるので、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用発明に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断

原査定は、本願請求項1,11-13に係る発明は、引用文献1に基づいて、本願請求項2-6に係る発明は、引用文献1-2に基づいて、本願請求項7に係る発明は、引用文献1-4に基づいて、本願請求項8-10に係る発明は、引用文献1-6に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、令和 4年 1月 6日付け手続補正により補正された請求項1,11-13に係る発明は、それぞれ上記相違点2に係る構成を備えるものとなっており、上記のとおり、本願発明1-13は、上記引用発明、引用文献2-6に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。

したがって、原査定を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由について

令和 4年 1月 6日付け手続補正において、当該請求項記載の「前記一のオブジェクト」を「前記一の選択オブジェクト」へと変更する補正がされた結果、拒絶の理由は解消した。

第9 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-002510

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