特許拒絶査定不服審判
2021-002129
情報処理装置及び情報処理方法並びに制御装置
- 審判番号
- 2021-002129
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-532402外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年02月17日
- 審決日
- 2022年03月28日
- 公報発行日
- 2022年08月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ソニーグループ株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (H04N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-532402「情報処理装置及び情報処理方法並びに制御装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月 9日国際公開、WO2017/022297、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)5月16日(優先権主張 平成27年8月5日)を国際出願日とする出願であって、令和2年6月16日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年8月4日に手続補正がされ、令和2年11月9日付けで拒絶査定がされたものである。これに対し、令和3年2月17日に本件拒絶査定不服審判の請求がされた。
第2 拒絶査定の概要
令和2年11月9日付け拒絶査定の概要は次のとおりである。
この出願の請求項1-16に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1 特開2002-215924号公報
引用文献2 特開2004-289776号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3 中川,インターネットサービスでの放送番組の参照のための識別子についての検討,FIT2013 第12回情報科学技術フォーラム 講演論文集 第4分冊,一般社団法人情報処理学会,2013年 8月20日,pp.641-642(周知技術を示す文献)
引用文献4 国際公開2012/102038号(周知技術を示す文献)
引用文献5 国際公開2010/119678号(周知技術を示す文献)
引用文献6 国際公開2013/061526号(周知技術を示す文献)
第3 本願発明
本願の請求項1-16に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」-「本願発明16」という。)は、令和2年8月4日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-16に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。なお、請求項1の記号(A)~(E)は、当審により付したものである。
「【請求項1】
(A)所定のイベントを識別する個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブルから、現在時刻に応じた前記コンテンツのリンク情報を抽出する抽出部と、
(B)抽出した前記コンテンツのリンク情報を前記個別識別情報が登録された端末装置に向けて送信する送信制御部と、
を備え、
(C)前記複数のコンテンツが見逃し番組提供サイトを含み、
(D)前記コンテンツのリンク情報は、前記見逃し番組提供サイトのアドレス情報を含む、
(E)情報処理装置。
【請求項2】
前記リンクスケジュールテーブルは、前記コンテンツのリンク情報を有効化する開始時刻及び終了時刻のうちの少なくとも一方の情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数のコンテンツが前記イベントの詳細情報を紹介するウェブサイトを含み、
前記コンテンツのリンク情報は、前記ウェブサイトのアドレス情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数のコンテンツが短文投稿サイトを含み、
前記コンテンツのリンク情報は、前記短文投稿サイトのアドレス情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記短文投稿サイトのアドレス情報は、少なくとも前記イベントの進行中に有効化される、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記複数のコンテンツがテレビジョン放送を含み、
前記コンテンツのリンク情報は、テレビジョン番組に対して割り当てられるイベント識別情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記イベント識別情報は、前記テレビジョン番組の放送終了時刻までの期間に有効化される、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記見逃し番組提供サイトのアドレス情報は、前記イベントとしてのテレビジョン放送、又は、前記イベントに関連するテレビジョン放送の終了後に有効化される、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
所定のイベントがテレビジョン番組であり、
前記リンクスケジュールテーブルは、前記テレビジョン番組の紹介サイトのアドレス情報、前記テレビジョン番組に対して割り当てられるイベント識別情報、視聴リマインダサイトのアドレス情報、短文投稿サイトのアドレス情報、及び、見逃し番組提供サイトのアドレス情報のうちの少なくとも一つを、有効化開始時刻がこの順となるように含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記リンクスケジュールテーブルは、任意の時間に変更され得る、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記送信制御部は、抽出された前記コンテンツのリンク情報が、すでに前記端末装置に送信したリンク情報と同じである場合には、当該リンク情報の送信を省略する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
所定のイベントを識別する個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブルから、現在時刻に応じた前記コンテンツのリンク情報を抽出することと、
抽出した前記コンテンツのリンク情報を前記個別識別情報が登録された端末装置に向けて送信することと、
を含み、
前記複数のコンテンツが見逃し番組提供サイトを含み、
前記コンテンツのリンク情報は、前記見逃し番組提供サイトのアドレス情報を含む、情報処理方法。
【請求項13】
所定のイベントを識別する個別識別情報の登録処理を行う登録処理部と、
情報処理装置により、前記個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブルから現在時刻に応じて抽出され、送信される前記コンテンツのリンク情報を取得する取得部と、
取得した前記リンク情報に基づき所定の動作制御を行う制御部と、
を備え、
前記複数のコンテンツが見逃し番組提供サイトを含み、
前記コンテンツのリンク情報は、前記見逃し番組提供サイトのアドレス情報を含む、制御装置。
【請求項14】
前記登録処理部は、識別コードサーバに対して識別コードを示す情報を送信するとともに、当該識別コードを示す情報に対応する前記個別識別情報を前記識別コードサーバから受信する、請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記リンク情報に基づいて、表示部に前記コンテンツを表示させる、請求項13に記載の制御装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記リンク情報に基づいて、前記コンテンツに応じた動作をユーザに促す表示を行う、請求項13に記載の制御装置。」
第4 引用文献、引用発明
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は当審により付したものである。
「【0018】
番組関連情報提供サーバー10には、番組関連情報データベース30が接続されている。図2は、番組関連情報データベース30に記録されたデータ内容の一例を示す図である。図2に示す如く、番組関連情報データベース30には、各種番組について、番組開始からの経過時間を示すタイムコード("時:分:秒"のフォーマットで表される)、このタイムコードに対応したHTMLテンプレートデータ、および、このテンプレートデータに埋め込まれるべきURLが記録されている。図2に示す例では、番組名「長瀞キャンプ殺人事件」について、例えばタイムコードが"00:00:30"~"00:02:48"に対して、テンプレートデータ"長瀞キャンプ殺人事件_場面1.htm"が記録され、このテンプレートデータに埋め込まれるべきURLとして"http://town.nagatoro.ne.jp/kanko/","http://www.minshuku.co.jp/naga/","http://www.comcom.co.jp/shop/"が記録されている。
【0019】
次に、ユーザコンピュータ14において、記憶装置16に記録された番組コンテンツデータが再生プログラム26により再生される場合の処理について説明する。再生プログラム26は番組コンテンツデータの再生中に、その番組名、および番組開始からの経過時間を示すタイムコードを、ブラウザプログラム26のプラグインモジュール26aへ引き渡す。ブラウザプログラム26は、所定の時間間隔で(例えば1分おきに)、引き渡された番組名およびタイムコードを含んだ番組関連情報のリクエストデータを通信部23から番組関連情報提供サーバー10へ送信する。具体的には、例えば、番組名が「長瀞キャンプ殺人事件」、タイムコードが"00:00:31"の場合、HTTPプロトコルにより、
"http://rokuga.yahoo.co.jp/bin/tc.cgi?program=長瀞キャンプ殺人事件,tc=00:00:31"
を送信する。
【0020】
このデータを受信した番組関連情報提供サーバー10は、番組名を表すパラメータprogram の値を"長瀞キャンプ殺人事件"、タイムコードを表すパラメータttcの値を"00:00:31"としてプログラム"tc.cgi"を起動する(このプログラム"tc.cgi"はディレクトリ"/bin/"に格納されている)。起動されたプログラム"tc.cgi"は、番組関連情報データベース30を参照して、番組名「長瀞キャンプ殺人事件」のタイムコード"00:00:31"に対応するテンプレートファイル"長瀞キャンプ殺人事件_場面1.htm"、および、URL" http://www.town.nagatoro.ne.jp/kanko/"," http://www.minshuku.co.jp/naga/"," http://www.comcom.co.jp/shop/"を読み出し、これらのURLをテンプレートファイル"長瀞キャンプ殺人事件_場面1.htm"に埋め込んで、このファイルをユーザコンピュータ14へ送信する。」
「
[図:0001386759000001.jpg]
」
「【0027】
このように、本実施形態では、録画した番組の再生中における情報提供を前提としているため、番組関連情報提供サーバー10の運営者側では、番組放送時に番組を視聴して番組関連情報の収集を行うことができ、番組関連情報の収集に関してテレビ放送会社や番組制作者の協力を得ることなく番組関連情報データベース30を構築できる。ただし、番組放送前に予め番組関連情報を取得することができる場合には、放送時にリアルタイムで同様の情報提供を行うことも可能である。」
以上の記載事項(特に、下線部)によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、記号(a)~(e)は当審により付した。
[引用発明]
(a)番組関連情報提供サーバー10には、番組関連情報データベース30が接続され、図2に示す如く、番組関連情報データベース30には、各種番組について、番組開始からの経過時間を示すタイムコード、このタイムコードに対応したHTMLテンプレートデータ、および、このテンプレートデータに埋め込まれるべきURLが記録されており、
(b)ユーザコンピュータ14において、記憶装置16に記録された番組コンテンツデータが再生プログラム26により再生される場合の処理について、
(c)再生プログラム26は番組コンテンツデータの再生中に、その番組名、および番組開始からの経過時間を示すタイムコードを、ブラウザプログラム26のプラグインモジュール26aへ引き渡し、ブラウザプログラム26は、所定の時間間隔で(例えば1分おきに)、引き渡された番組名およびタイムコードを含んだ番組関連情報のリクエストデータを通信部23から番組関連情報提供サーバー10へ送信し、
(d)このデータを受信した番組関連情報提供サーバー10は、プログラムを起動し、起動されたプログラムは、番組関連情報データベース30を参照して、番組名のタイムコードに対応するテンプレートファイル、および、URLを読み出し、これらのURLをテンプレートファイルに埋め込んで、このファイルをユーザコンピュータ14へ送信する、
(e)番組関連情報提供サーバー10。
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、以下の技術事項が記載されている。
「【0226】
(複数の関連情報を同時に取得する情報提供方法)
利用者が取得要求を出した番組関連情報に加え、取得要求を出した放送チャネルの前後チャネルの関連情報と取得要求時刻に提供される関連情報と時間的に前後する関連情報も同時に利用者に提供する情報提供方法を用いた場合のシステムの動作について、説明する。ここでは、図19の実施の形態2における放送番組関連情報を複数同時に提供する情報サーバ装置116Aの番組関連情報提供テーブル(第3のテーブル123A)を用いて説明する。
【0227】
利用者がTV画面を通して放送局からの放送番組を視聴しているものとする。このとき、クライアント端末装置の制御部では、ステップS801において、テレビやディスプレイに放送番組を表示しながら、入力待ちの状態にある。
【0228】
2002年2月18日7時45分26秒に8チャネルでショッピング番組が放送されている時、利用者が、番組中で現在紹介されている商品、少し前の時間に紹介された商品及び少し後に紹介される商品の詳細情報を同時に取得するために、リモコンのマルチタイムボタンを押したものとする。クライアント端末装置101Aの制御部115Aは、ステップS801からS811を通して、入力が利用者からの複数情報同時取得の要求であると判定する。その結果、ステップS812において、利用者マルチタイム要求情報「http://www.8channel.co.jp /t=02_02_18_07_45_26=multi=time」を作成する。
【0229】
さらに、ステップS840において、情報提供サービスを行なう情報サーバ装置116Aに対しこの利用者マルチタイム要求情報を送信する。この時、利用者の視聴中の画面ではマルチタイム情報取得中通知が番組表示に重ねられて、一定時間表示される。
【0230】
また、図19に示す様に、予め番組放送時刻の前に、ショッピング番組の関連情報を提供するコンテンツ提供者端末装置131は、データベース134中のショッピング番組の関連情報ファイルaquos.file、microwave.file、zaurus.fileの所在を示す「http://www.8channel/shopping/aquos.file、http://www.8channel/shopping/microwave.file」、「http://www.8channel/shopping/zaurus.file」と、情報提供時間帯「02:02:18:07:30:00 - 02:02:18:07:40:00」、「02:02:18:07:40:00 - 02:02:18:07:50:00」、「02:02:18:07:50:00 - 02:02:18:08:00:00」を関連情報提供テーブルである第2のテーブル124Aに登録しておく。このとき、情報サーバ装置116Aの制御部130Aでは、図24に示すステップS901からS905、及びS916において、入力がコンテンツ提供者端末装置からの新規登録要求であると判定する。従って制御はステップS918に進み、入力された新規登録情報を情報登録部125Aにより第2のテーブル124Aに登録する。さらに、新規に登録された情報源登録情報に従い、コンテンツ提供者端末装置131Aに対してコンテンツデータ取得要求を出す。
【0231】
コンテンツ提供者端末装置131Aからは、この取得要求に応答してコンテンツデータが送られてくる。情報サーバ装置は、コンテンツ提供者端末装置からショッピング番組の関連情報ファイルaquos.file、microwave.file、zaurus.fileを受信し、データベース127の所在D:/1channel/shopping/に蓄積しておく。このとき、制御部では、ステップS901からS905、及びS916において、入力がコンテンツ提供者端末装置131Aから送られてきたコンテンツデータであると判定し、ステップS917において、入力されたコンテンツデータを蓄積部128によりデータベース127に蓄積する。
【0232】
情報サーバ装置116Aの制御部130Aでは、図24のステップS901からS905を通して、入力がクライアント端末からの利用者要求情報「http://www.8channel.co.jp /t=02_02_18_07_45_26=multi=time」であると判定する。制御はステップS906に進み、この利用者要求情報が、利用者の指定したウェブサイトのURL「http://www.8channel.co.jp」と、要求指定時刻「02:8:07:45:26」と、マルチタイム情報取得要求である事とを読取る。制御部130Aはさらに、関連情報提供テーブルである第2のテーブル124AにURLと時刻特定情報とを参照し、利用者が情報提供要求を出している情報が、D:/8channel/shopping/microwave.fileであると判定する。制御部130Aは、利用者のマルチタイム情報取得要求に応えるために、テーブル参照部129Aにより第2のテーブル124Aを参照して時間的にその前後に提供される情報がD:/8channel/shopping/aquos.file とD:/8channel/shopping/zaurus.fileとであると判定し、利用者にこれらの情報の提供を行なう。
【0233】
クライアント端末装置での要求コンテンツデータの取得に関しては前掲の例と同様である。すなわち、利用者はリモコンの表示切替ボタンを押して表示画面を取得した情報の表示画面に切替えて、自動蓄積された好みの情報を閲覧する。」
3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3(第642頁左欄第35行-最終行)には、以下の技術事項が記載されている。
「
[図:0001386759000002.jpg]
」
4.引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、以下の技術事項が記載されている。
「[0056] ≪CS/地上波による放送≫
図10は、CS/地上波で放送される場合の処理シーケンスを示す。据置型のユーザ端末装置を起動すると、当該ユーザ端末装置から情報収集サーバ20bに検索キーの取得命令が発信される。情報収集サーバ20bは、当該命令を受けて、検索キー蓄積サーバ20aに当該検索キーを要求し、取得する(S100)。
[0057] なお、情報収集サーバ20bが検索キー蓄積サーバ20aに検索キーを要求するタイミングは、毎日、毎週、毎月といった定期的なタイミング、あるいはEPGデータが更新されたタイミングなどでもよい。また、検索キーが検索キー蓄積サーバ20aに登録されてから1週間以内は毎日、その後1ヶ月以内は毎週などのように、検索キー蓄積サーバ20aに検索キーが登録されてから時間が経つほど当該検索キーの要求頻度を下げるようにしてもよい。
[0058] 検索キーを取得すると、情報収集サーバ20bは、取得した検索キーから検索クエリとなるキーワードを抽出する(S102)。例えば、映画のタイトル、出演者名、監督名などを抽出する。
[0059] 情報収集サーバ20bは、検索サーバ20fを利用して、抽出したキーワードが急上昇ワードとして話題となっているかどうかを検索してもよい。もし、抽出したキーワードが話題となっていれば、その検索キーに係るコンテンツについては優先順位を上げてユーザに通知するようにしてもよい。
[0060] 取得した検索キーについてキーワードを抽出すると、情報収集サーバ20bは、番組情報サーバ20gにアクセスして、抽出したキーワードを検索クエリとしてそのキーワードに関連する放送予定の番組を検索する(S104)。もし、該当する番組が見つかれば、情報収集サーバ20bは、番組情報サーバ20gから、放送チャンネル、放送開始日時、放送終了日時などを含む情報を取得する。
[0061] なお、番組情報を提供するサーバが複数存在する場合には、情報収集サーバ20bは、すべてまたはいくつかのサーバにアクセスして抽出したキーワードを検索クエリとしてそのキーワードに関連する放送予定の番組を検索してもよい。例えば、情報収集サーバ20bは、ネットワーク事業者の番組情報管理サーバ20dにアクセスすることもある。
[0062] ユーザが注目するコンテンツが複数ある場合、それぞれについて、情報収集サーバ20bは上記のステップS100~S104を繰り返す。そして、ユーザが注目するコンテンツの検索が完了すると、情報収集サーバ20bは、据置型のユーザ端末装置に検索に使用した検索キーと収集した情報とを送信する(S106)。これにより、据置型のユーザ端末装置の画面に電子番組表が、情報収集サーバ20bによる検索結果を反映した形で表示される。」
5.引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5には、以下の技術事項が記載されている。
「[0017] 通常、追加的に配信された放送関連情報は、放送コンテンツについての情報またはメタデータを含む。その情報は、現在放送中のコンテンツに関してでもよく、または、今後放送予定のコンテンツに関してでもよい。EPGは、その情報から、受信装置において生成される。
[0018] 従来、EPGは、放送信号情報のみに基づいている。しかしながら、EPGの分野における最近の進歩によって、EPGには、見逃しサービス等のブロードバンドサービスから入手できるコンテンツについての情報も含まれている場合がある。」
6.引用文献6について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献6には、以下の技術事項が記載されている。
「[0050] また、前記重畳部は、前記放送動画像のうちの表示されている画像と、前記通信動画像のうちの表示されている画像とが等しくなるまで、早送り再生される前記通信コンテンツの通信動画像を出力し、前記放送動画像のうちの表示されている画像と、前記通信動画像のうちの表示されている画像とが等しくなると、通常再生される前記通信コンテンツの通信動画像を出力してもよい。
[0051] これにより、見逃した部分が早送り再生されて表示され、通信コンテンツ内の再生位置が、放送コンテンツ内の再生位置に到達すると、通信コンテンツが通常再生され、通信動画像と放送動画像とが重ねて表示される。したがって、放送コンテンツの最初の部分を見逃した場合でも、その見逃した部分をユーザに表示することができるとともに、通信動画像と放送動画像とを同期させてユーザに表示することができる。」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
ア 本願発明1の(A)(B)について
引用発明は、(a)によれば、「図2に示す如く、番組関連情報データベース30には、各種番組について、番組開始からの経過時間を示すタイムコード、このタイムコードに対応したHTMLテンプレートデータ、および、このテンプレートデータに埋め込まれるべきURLが記録されて」いるものである。換言すれば、引用発明は、番組関連情報データベース30に、番組名に対してタイムコードに対応したリンクURLが複数記録されているといえる。
ここで、引用発明の「番組」は、例えばテレビで放送される番組、すなわち、「所定のイベント」であり、その名前である図2の「番組名」は、番組を識別する情報であるから、本願発明1の「所定のイベントを識別する個別識別情報」に相当し、また、図2の「リンクURL」は、本願発明1の「複数のコンテンツのリンク情報」に相当する。
したがって、引用発明の、番組関連情報データベース30に記録されている、図2に示す如きデータは、本願発明1の「所定のイベントを識別する個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブル」に相当する。
さらに、引用発明は、(d)によれば、「番組関連情報提供サーバー10は、プログラムを起動し、起動されたプログラムは、番組関連情報データベース30を参照して、番組名のタイムコードに対応するテンプレートファイル、および、URLを読み出し、これらのURLをテンプレートファイルに埋め込んで、このファイルをユーザコンピュータ14へ送信する」ものであり、また、(b)(c)によれば、ユーザコンピュータ14には、番組コンテンツデータが記録されており、再生プログラム26は、その番組名をプラグインモジュール26aへ引き渡すから、ユーザコンピュータ14には、番組名が登録されているといえる。
したがって、プログラムを実行する番組関連情報提供サーバー10は、本願発明1の「リンクスケジュールテーブルから、コンテンツのリンク情報を抽出する抽出部」、「抽出した前記コンテンツのリンク情報を前記個別識別情報が登録された端末装置に向けて送信する送信制御部」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明とは、「(A’)所定のイベントを識別する個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブルから、前記コンテンツのリンク情報を抽出する抽出部と、(B)抽出した前記コンテンツのリンク情報を前記個別識別情報が登録された端末装置に向けて送信する送信制御部と、を備え」る点で共通するものである。
しかしながら、「抽出部」が、本願発明1は、「(A)所定のイベントを識別する個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブルから、現在時刻に応じた前記コンテンツのリンク情報を抽出する」ものであるのに対し、引用発明は、「(A’)所定のイベントを識別する個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブルから、前記コンテンツのリンク情報を抽出する」とはいえるものの、「現在時刻に応じた前記コンテンツのリンク情報を抽出する」ものではなく、タイムコードに対応したURLを読み出すものである点で、両者は相違する。
イ 本願発明1の(C)(D)について
本願発明1は、「(C)前記複数のコンテンツが見逃し番組提供サイトを含み、(D)前記コンテンツのリンク情報は、前記見逃し番組提供サイトのアドレス情報を含む」のに対し、引用発明は、それらを含まない点で、両者は相違する。
ウ 本願発明1の(E)について
引用発明の「番組関連情報提供サーバー10」は、情報処理装置であるから、本願発明1と引用発明とは、「情報処理装置」である点で一致する。
エ 以上によれば、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
(A’)所定のイベントを識別する個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブルから、前記コンテンツのリンク情報を抽出する抽出部と、
(B)抽出した前記コンテンツのリンク情報を前記個別識別情報が登録された端末装置に向けて送信する送信制御部と、
を備える、
(E)情報処理装置。
[相違点]
相違点1
「抽出部」について、本願発明1は、「所定のイベントを識別する個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブルから、現在時刻に応じた前記コンテンツのリンク情報を抽出する」ものであるのに対し、引用発明は、「所定のイベントを識別する個別識別情報に対して複数のコンテンツのリンク情報を時間軸とともに関連付けしたリンクスケジュールテーブルから、前記コンテンツのリンク情報を抽出する」とはいえるものの、「現在時刻に応じた前記コンテンツのリンク情報を抽出する」ものではなく、タイムコードに対応したURLを読み出すものである点。
相違点2
本願発明1は、「前記複数のコンテンツが見逃し番組提供サイトを含み、前記コンテンツのリンク情報は、前記見逃し番組提供サイトのアドレス情報を含む」のに対し、引用発明は、そのようなものを含まない点。
(2)当審の判断
事案に鑑みて、まず、上記相違点2について検討する。
引用発明は、(b)によれば、「ユーザコンピュータ14において、記憶装置16に記録された番組コンテンツデータが再生プログラム26により再生される場合」に関する発明である。
したがって、再生プログラム26により再生される時点で、ユーザコンピュータ14の記憶装置16には番組コンテンツデータがすでに記録されており、すでに記録されている番組コンテンツデータに対して見逃す、見逃さないという概念自体がないから、引用発明は、見逃し番組提供サイトにアクセスする必要がないものである。
よって、引用発明において、URLが示すコンテンツの1つを見逃し番組提供サイトとする、すなわち、本願発明1でいう「前記複数のコンテンツが見逃し番組提供サイトを含み、前記コンテンツのリンク情報は、前記見逃し番組提供サイトのアドレス情報を含む」ようにする動機付けとなる事項は見当たらない。
また、拒絶査定において周知技術を示す文献として提示された引用文献2-6(上記「第4 2.~6.」を参照されたい。)をみても、引用発明において、そのように構成する動機付けとなる事項は見当たらない。
したがって、本願発明1は、相違点1について検討するまでもなく、引用発明及び引用文献2-6に記載された技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
なお、引用文献1の段落【0027】には、「ただし、番組放送前に予め番組関連情報を取得することができる場合には、放送時にリアルタイムで同様の情報提供を行うことも可能である。」と記載されており、必ずしも、すでに記録されている番組コンテンツデータを再生する場合のみが想定されているわけではなく、放送時のリアルタイムの情報提供も想定されている。
そこで、上記のように認定した引用発明を、放送時のリアルタイムの情報提供とした場合を想定して検討する。
引用発明をそのように想定すると、放送中の番組をリアルタイムで見ているときに、番組名のタイムコードに対応するリンクURLがユーザコンピュータに送信されることとなるが、この場合、放送中の番組をリアルタイムで見ているので、「見逃し番組」の概念はなく、したがって、このような発明において、リンクURLを見逃し情報サイトのアドレス情報とする動機付けとなる事項は、引用文献1にも引用文献2-6にも見当たらない。
よって、引用文献1の段落【0027】の記載は上記判断に影響を及ぼすものではない。
2.本願発明2-16について
独立形式の請求項12及び13は、1.で検討した本願発明1の上記相違点2に係る発明特定事項と同様の発明特定事項を有するものであり、また、請求項2-11、14-16は、それぞれ、請求項1、13を引用し、さらに発明特定事項を付加するものであるから、本願発明2-16を引用文献1に記載された発明と対比すると、少なくとも、上記相違点2と同様の相違点を有する。
したがって、本願発明1と同様の理由により、本願発明2-16は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-6に記載された技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
第6 むすび
以上のとおり、拒絶査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-002129