2021-001034
照明具および照明装置
- 審判番号
- 2021-001034
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-146221外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年01月26日
- 審決日
- 2021年11月18日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】三菱電機株式会社
- 【請求人代理人】溝井国際特許業務法人
- 【請求人】三菱電機照明株式会社
- 【請求人代理人】溝井国際特許業務法人
- 分類
- P18 .121-WY (F21K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成28年7月26日の出願であって、平成31年4月24日に手続補正書が提出され、令和2年1月27日付けで拒絶理由が通知され、同年3月18日に意見書が提出され、同年7月8日付けで拒絶理由が通知され、同年8月21日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年12月8日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)され、これに対して令和3年1月26日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、同年6月3日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され,同年7月21日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 当審拒絶理由について
当審では、請求項1の「前記光源ユニットは、振動した場合に最大振幅となる場所に、照明具が取り付けられた照明器具との衝突を和らげる伸縮性を有する弾性部品が着脱可能に取り付けられており、」という記載は明確でなく、請求項8の記載は請求項1の記載と矛盾しているから明確でない等、この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない旨の拒絶の理由を通知したが、令和3年7月21日付けの手続補正により、以下の第4のとおり特許請求の範囲の記載が補正された結果、請求項1において、「最大振幅となる場所」が「支持ユニットと反対側の先端部」であり、「衝突」する場所が「ソケット以外の照明器具の他の部品」であることが明確になり、また、請求項8が削除されたから、特許請求の範囲の記載は明確になった。
したがって、当審拒絶理由は解消した。
第3 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
この出願の以下の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」ともいう。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項1-8
・刊行物等
1.特開2016-122578号公報
2.実願昭57-161485号(実開昭59-65407号)のマイクロフィルム
以下、刊行物等1及び2をそれぞれ引用文献1及び2という。
第4 本願発明
本願の請求項1~7に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」~「本願発明7」という。)は、令和3年7月21日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される次のとおりの発明である。
「 【請求項1】照明器具のソケットに着脱自在に取り付けられる照明具であって、筒形の本体部、発光素子と前記発光素子が実装される基板とからなり前記本体部の外周面に配置された発光部、及び、前記発光素子を覆う筒形のカバーを有する光源ユニットと、一端部に前記光源ユニットの一方の筒端部が取り付けられ、他端部に前記ソケットに取り付けられた状態で前記発光素子を点灯させる点灯電力を受電する受電端が取り付けられた支持ユニットと続きを表示(全21行)を備え、前記光源ユニットは、前記受電端が前記ソケットに取り付けられた状態で照明具が振動した場合に最大振幅となる前記支持ユニットと反対側の先端部に、照明具の前記受電端が取り付けられた前記ソケット以外の照明器具の他の部品との衝突を和らげる伸縮性を有する弾性部品が着脱可能に取り付けられており、前記弾性部品が光源ユニットのみに取り付けられている照明具。【請求項2】前記光源ユニットは、外側に前記弾性部品が取り付けられている請求項1記載の照明具。【請求項3】前記光源ユニットは、外周に前記弾性部品が配置されている請求項2記載の照明具。【請求項4】前記光源ユニットは、外周に前記弾性部品が嵌め込まれている請求項2記載の照明具。【請求項5】前記弾性部品は、前記光源ユニットの表面に形成された緩衝層である請求項2記載の照明具。【請求項6】請求項1から5のいずれか1項に記載の照明具と、前記照明具が取り付けられた照明器具と、を備えた照明装置。【請求項7】前記弾性部品は、前記光源ユニットが前記照明器具と最も接近している場所に配置されている請求項6に記載の照明装置。」
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1に記載された事項
引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審が付した。以下同様である。)。
(1a)
「【0003】電球型のLEDランプは、典型的には、口金と、LED素子を実装した基板と、ヒートシンクと、筐体と、透光性のカバー又はグローブを有する。口金は、既存の電球ランプの口金と同一であり、既存の電球ランプ用のソケットに装着することができる。」
(1b)
「【0006】本発明の目的は、電球型のLEDランプにおいて、透光性のカバーと筐体の接合作業を能率化し、且つ、透光性のカバーと筐体の接合部の強度を向上させることを目的とする。」
(1c)
「【0021】図1A及び図1Bを参照して本実施形態に係るLEDランプの例を説明する。図1Aに示すように、LEDランプ10は、口金13と、口金13に接続された連結部材19と、連結部材19に装着された筐体20と、筐体20に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41とを有する。カバー41の内部には、LEDユニット30が配置される。本実施形態に係るLEDランプは所謂電球型である。以下に、口金13を通るランプの中心軸線に沿って、口金13に向かう方向又は口金13に近い方を口金側と称し、その反対をトップ側と称する。【0022】筐体20は、口金側の円筒部21とトップ側のファン収納部23とその間の空気取り入れ部24を含む。円筒部21及びファン収納部23は略円筒状外面を有し、ファン収納部23の外径は、円筒部21の外径より大きい。尚、円筒部21及びファン収納部23の円筒状外面は、口金側に向かって外径が僅かに減少するように軸線方向に沿って傾斜してもよい。空気取り入れ部24は冷却用空気を取り入れるための開口を有する。図1Bに示すように、LEDランプ10は、更に、口金13及び連結部材19の一部を覆うリング状の防振部材14を有する。続きを表示(全19行)【0023】図2を参照して、本実施形態に係るLEDランプ10の内部構造を詳細に説明する。LEDランプは、カバー41、LEDユニット30、スペーサ18、冷却ファン15、円形の回路基板27、筐体20、連結部材19、口金13及び防振部材14を有する。カバー41のトップ側端部には複数の空気排出孔42が形成される。空気排出孔42は、LEDランプの中心軸線を囲むように同心的に配置される。LEDユニット30、スペーサ18及び冷却ファン15の構造については後に説明する。冷却ファン15は、典型的にはモータと、その周囲に設けられた回転羽根を有する軸流ファンであってよい。モータは、直流ブラシレスモータであってよい。【0024】筐体20は、口金側の円筒部21、トップ側の空気取り入れ部24、及び、中間のファン収納部23を含む。空気取り入れ部24には複数の空気吸入口242が円周方向に沿って設けられている。回路基板27は、筐体20の空気取り入れ部24に配置されている。回路基板27は、LED素子の温度が上昇した場合にLED素子への電流の供給を止めるランプ保護回路と冷却ファン15に直流電流を供給するファン駆動回路を備える。冷却ファン15は、筐体20のファン収納部23内に配置される。スペーサ18は、筐体20のファン収納部23に装着される。スペーサ18は樹脂製である。更に、スペーサ18に係合するようにLEDユニット30が装着される。こうして、回路基板27、冷却ファン15、スペーサ18及びLEDユニット30が装着されると、LEDユニット30を覆うようにカバー41が装着される。【0025】図3を参照してLEDユニット30とスペーサ18と冷却ファン15の構造の例を説明する。LEDユニット30は、筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着されたヒートシンク32を有する。LED基板31は、LEDランプの中心軸線に平行に且つそれを囲むように配置される。LED基板31は、筒状の配線基板311とその外面に装着された複数のLED素子312を有する。【0026】ヒートシンク32は、LED基板31の内面に面接触するように密着して装着される。ヒートシンク32は複数の放熱用のフィン322を有する。フィン322はLEDランプの中心軸線に沿って延びている。フィン322の形状は特に限定されない。ヒートシンク32の内側に、空気流が通るための貫通孔33が形成される。ヒートシンク32は1枚の長方形の薄い金属製の板状部材を順に折り曲げて製造する。ヒートシンク32は、熱伝導性が高い金属、例えば、銅、アルミニウム合金、ステンレス鋼等によって構成される。【0027】図示の例では、LED基板31は、断面が正八角形の筒状体に形成される。しかしながら、本実施形態では、LED基板31は、図示の例に限定されるものではなく、断面が正八角形以外の正多角形の筒状体に形成されてよい。LED基板31は、1枚の板状の長方形のLED基板を7つの折り曲げ部319に沿って順に折り曲げて筒状に成形することにより形成される。従って、筒状のLED基板の両縁の間に、隙間31Aが形成される。LED基板31は、7つの折り曲げ部319に沿って細い長孔315を有する。【0028】LED基板31とヒートシンク32は、トップ側端部(図3では上側端部)にてクリップ35によって固定される。更に、LED基板31とヒートシンク32は、軸線方向の略中央の位置にてリベット37によって固定される。クリップ35及びリベット37は、正八面体の各面毎に、合計8箇所にて設けられている。・・・【0037】図4を参照して、本実施形態に係るLEDランプの空冷システムを説明する。図4は、本実施形態に係わるLEDランプの中心軸線方向に沿った断面構造を示す。カバー41の口金側端部は、筐体20のファン収納部23のトップ側端面に接続されている。カバー41とファン収納部23によって形成される空間内に、LEDユニット30、スペーサ18及び冷却ファン15が配置されている。LEDユニット30、スペーサ18及び冷却ファン15は、ランプの中心軸線に沿って整合して配置されている。ヒートシンク32のフィン322は、ヒートシンク32の口金側端部からトップ側端部まで軸線方向に沿って延びている。」
(1d)
「【0047】図5Aを参照して、本実施形態のLEDランプにおけるカバー41と筐体20の接合部の例について説明する。筐体20は、円筒部21、ファン収納部23及び空気取り入れ部24を有し、ファン収納部23のトップ側端部とカバー41の口金側端部が接合されている。図示のように、この接合部を覆うように、弾性材料からなるリング状のバンド45が装着される。バンド45は接合部を全周に渡って覆う。本実施形態では、カバー41と筐体20の接合部はLEDランプの最大径の部分に形成される。バンド45はLEDランプの最大径の部分を覆うため、LEDランプを保護する機能を有する。バンド45は、耐候性を有する任意の弾性材料によって形成されるが、例えば、シリコン樹脂又はシリコンゴムによって形成されてよい。バンド45は防振部材14と同一材料によって形成してよい。」
(1e)
図1A~図5Bは、以下のとおりである。
[図:0001380708000001.jpg]
[図:0001380708000002.jpg]
[図:0001380708000003.jpg]
(2)引用文献1に記載された発明
ア
摘記(1c)の段落【0021】に記載の「口金13」は、摘記(1a)の段落【0003】に記載の「口金」と同様の機能を備えることが明らかであり、摘記(1a)の段落【0003】の「口金は、・・・既存の電球ランプ用のソケットに装着することができる」という記載によると、摘記(1c)の段落【0021】に記載の「口金13」は、「既存の電球ランプ用のソケットに装着することができる」「口金13」として特定できる。
イ
摘記(1c)の段落【0025】の「LEDユニット30は、筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着されたヒートシンク32を有する」という記載と、同【0026】の「ヒートシンク32は1枚の長方形の薄い金属製の板状部材を順に折り曲げて製造する」という記載に併せて、図3(摘記(1e))を参照すると、「筒状に形成されたLED基板31」と同様に、「ヒートシンク32」も筒状となっていることが明らかであるから、「LEDユニット30」は、「筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着された筒状のヒートシンク32を有するLEDユニット30」として特定できる。
ウ
摘記(1c)の段落【0021】の「口金13に近い方を口金側と称し、その反対をトップ側と称する。」という記載と、同【0037】の「カバー41の口金側端部は、筐体20のファン収納部23のトップ側端面に接続されている。」という記載とに併せて、図1A、図1B、図2を参照すると、同【0021】の「筐体20に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41」は、「カバー41の口金側端部が筐体20のトップ側端面に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41」として特定できる。
エ
上記ア~ウ、摘記(1a)~(1d)及び図1A~図5B(摘記(1e)参照)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「既存の電球ランプ用のソケットに装着することができる口金13と、口金13に接続された連結部材19と、連結部材19に装着された筐体20と、筒状の配線基板311とその外面に装着された複数のLED素子312を有する筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着された筒状のヒートシンク32を有するLEDユニット30が、内部に配置されるカバー41であって、カバー41の口金側端部が筐体20のトップ側端面に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41とを有し、LEDランプ10の最大径の部分に形成されるカバー41と筐体20の接合部を、全周に渡って覆うように、LEDランプを保護する機能を有する弾性材料からなるリング状のバンド45が装着される、LEDランプ10。」
2 引用文献2について
引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
(2a)
「本考案は、メタルハライド・ランプの長所を損うなくことなく上記の欠点を解消し、すなわち光出力の断続を可能とし、しかも、小形で衝撃・振動及び海水に強く耐久性があり、白熱集魚灯と同等の操作性を有する放電灯照明器具を得ることを目的とする。」(明細書5ページ11~16行)
(2b)
「高効率・高出力のメタルハライド・ランプL1,L2は、モータ室(14)の両側に配置し、防水ブーツ(20)を緩衝材として内殻本体(2)に固定されたソケット(21)と、ホルダーパッキング(22)を緩衝材として具えたランプホルダー(23)とで取付け固定する。よつて、メタルハライド・ランプL1,L2は各種の衝撃・振動から保護される。防水ブーツ(20)は、ソケット(21)の緩衝材のみでなくランプのソケット口金とソケット部分の防水を行ない、またソケット(21)への電源コードをも挾着し防水する(第10図参照)。一方のランプホルダー(23)は板金材料で成形し、基部は蝶番を介して内殻本体(2)に取付けると共にランプ側へ折曲げて、必要以上にランプ側に傾くことを防止する。蝶番にはバネがあり、常時ランプホルダー(23)をランプへ密着させていて、取付け・交換時のみこれを反ランプ側へ傾けさせる。ホルダーパッキング(22)は、耐熱性シリコン・ゴムで輪状に成形してランプ頭部形状に合致させ、ホルダー(23)との直接接触を防ぐと共に緩衝材として有効に作用する(第11及び第12図参照)これらの点については、後で更に詳述する。」(明細書9ページ16行~10ページ17行)
(2c)
第1~5図、第11図、第12図は、以下のとおりである。
[図:0001380708000004.jpg]
[図:0001380708000005.jpg]
[図:0001380708000006.jpg]
[図:0001380708000007.jpg]
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア
電球ランプ用の照明器具が電球ランプ用のソケットを備えることは、技術常識である。
この技術常識を踏まえると、引用発明の「既存の電球ランプ用のソケット」は、本願発明1の「照明器具のソケット」に相当する。
そうすると、引用発明の「LEDランプ10」は、「既存の電球ランプ用のソケットに装着することができる口金13」「有し」ているから、既存の照明器具のソケットに着脱自在に取り付けることができ、本願発明1の「照明器具のソケットに着脱自在に取り付けられる照明具」及び「照明具」のいずれにも相当する。
イ
(ア)
引用発明の「LED素子312」及び「筒状の配線基板311」は、それぞれ、本願発明1の「発光素子」及び「基板」に相当する。
そうすると、引用発明の「筒状の配線基板311とその外面に装着された複数のLED素子312を有する筒状に形成されたLED基板31」は、「LED素子312」(発光素子)を有するから、「LED素子312」を含めた全体が発光する部分として特定することができ、本願発明1の「発光素子と前記発光素子が実装される基板とからな」る「発光部」に相当する。
また、引用発明の「LED基板31と、その内面に装着された筒状のヒートシンク32」という構成から、引用発明の「筒状のヒートシンク32」は、「LED基板31」の「内面に装着され」、「LED基板31」と一体となり、外面で、実質的に「LED基板31」を支持している部材といえるから(必要であれば、図3における「ヒートシンク32」と「LED基板31」の位置関係も参照。)、本願発明1の「筒形の本体部」に相当する。
これらのことを踏まえると、引用発明の「筒状の配線基板311とその外面に装着された複数のLED素子312を有する筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着された筒状のヒートシンク32を有するLEDユニット30」は、本願発明1の「筒形の本体部、発光素子と前記発光素子が実装される基板とからなり前記本体部の外周面に配置された発光部」に相当する。
(イ)
引用発明の「カバー41の口金側端部が筐体20のトップ側端面に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41」は、「筒状の配線基板311とその外面に装着された複数のLED素子312を有する筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着された筒状のヒートシンク32を有するLEDユニット30が、内部に配置されるカバー41」であるから、上記(ア)を踏まえると、発光素子を覆うものであり、本願発明1の「発光素子を覆う筒形のカバー」に相当する。
(ウ)
引用発明の「カバー41」は、「LEDユニット30が、内部に配置される」から、「LEDユニット30」と「カバー41」とがユニット態様となっているといえる。
このことと、上記(ア)、(イ)を踏まえると、引用発明の「筒状の配線基板311とその外面に装着された複数のLED素子312を有する筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着された筒状のヒートシンク32を有するLEDユニット30」及び「筒状の配線基板311とその外面に装着された複数のLED素子312を有する筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着された筒状のヒートシンク32を有するLEDユニット30が、内部に配置されるカバー41であって、カバー41の口金側端部が筐体20のトップ側端面に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41」は、本願発明1の「筒形の本体部、発光素子と前記発光素子が実装される基板とからなり前記本体部の外周面に配置された発光部、及び、前記発光素子を覆う筒形のカバーを有する光源ユニット」に相当する。
ウ
(ア)
照明器具のソケットに装着する口金が、ソケットから点灯のための電力を受電することは、技術常識である。
この技術常識と、上記ア、イを踏まえると、引用発明の「既存の電球ランプ用のソケットに装着することができる口金13」は、既存の電球ランプ用のソケットに取り付けられた状態でLED素子312を点灯するための電力を受電していることが明らかであり、また、LEDランプ10の端に位置していることも明らかであるから、本願発明1の「前記ソケットに取り付けられた状態で前記発光素子を点灯させる受電端」に相当する。
(イ)
ここで、引用発明の「連結部材19」及び「連結部材19に装着された筐体20」に着目すると、以下のことがいえる。
a
引用発明の「連結部材19」及び「連結部材19に装着された筐体20」を合わせた構成は、本願発明1の「支持ユニット」に相当する。
b
引用発明の「筐体20のトップ側端面」は、本願発明1の「支持ユニット」の「一端部」に相当する。
c
引用発明の「口金13に接続された連結部材19」の「口金13に接続された」部分は、本願発明1の「支持ユニット」の「他端部」に相当する。
d
引用発明の「カバー41の口金側端部が筐体20のトップ側端面に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41」の「カバー41の口金側端部」は、上記イ(ウ)を踏まえると、本願発明1の「前記光源ユニットの一方の筒端部」に相当する。
e
引用発明の「口金13に接続された連結部材19」の「口金13」は、上記(ア)で述べた「既存の電球ランプ用のソケットに装着することができる口金13」であることが明らかであるから、本願発明1の「前記ソケットに取り付けられた状態で前記発光素子を点灯させる受電端」に相当する。
f
これらのことを踏まえると、引用発明の「口金13に接続された連結部材19と、連結部材19に装着された筐体20と、カバー41の口金側端部が筐体20のトップ側端面に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41とを有し」た構成における「連結部材19」及び「連結部材19に装着された筐体20」を合わせた構成(上記a参照)は、「筐体20のトップ側端面」(一端部:上記b参照)に「カバー41の口金側端部」(前記光源ユニットの一方の筒端部:上記d参照)が取り付けられ、「口金13に接続された連結部材19」の「口金13に接続された」部分(他端部:上記c参照)に「口金13」(前記ソケットに取り付けられた状態で前記発光素子を点灯させる点灯電力を受電する受電端:上記e参照)が取り付けられているから、本願発明1の「一端部に前記光源ユニットの一方の筒端部が取り付けられ、他端部に前記ソケットに取り付けられた状態で前記発光素子を点灯させる点灯電力を受電する受電端が取り付けられた支持ユニット」に相当する。
エ
上記ア~ウを踏まえると、
引用発明の
「既存の電球ランプ用のソケットに装着することができる口金13と、口金13に接続された連結部材19と、連結部材19に装着された筐体20と、筒状の配線基板311とその外面に装着された複数のLED素子312を有する筒状に形成されたLED基板31と、その内面に装着された筒状のヒートシンク32を有するLEDユニット30が、内部に配置されるカバー41であって、カバー41の口金側端部が筐体20のトップ側端面に取り付けられた円筒状の透光性のカバー41とを有」する、
「LEDランプ10。」は、
本願発明1の
「照明器具のソケットに着脱自在に取り付けられる照明具であって、筒形の本体部、発光素子と前記発光素子が実装される基板とからなり前記本体部の外周面に配置された発光部、及び、前記発光素子を覆う筒形のカバーを有する光源ユニットと、一端部に前記光源ユニットの一方の筒端部が取り付けられ、他端部に前記ソケットに取り付けられた状態で前記発光素子を点灯させる点灯電力を受電する受電端が取り付けられた支持ユニットとを備え」る、
「照明具。」に相当する。
オ
引用発明の「弾性材料からなるリング状のバンド45」は、本願発明1の「伸縮性を有する弾性部品」に相当し、「カバー41と筐体20の接合部を、全周に渡って覆う」から、「カバー41」及び「筐体20」に取り付けられているといえる。
このことと、引用発明の「カバー41」は本願発明1の光源ユニットの一部であること(上記イ(ウ)参照)、及び、上記ア~エを踏まえると、引用発明の「LEDランプ10の最大径の部分に形成されるカバー41と筐体20の接合部を、全周に渡って覆うように、LEDランプを保護する機能を有する弾性材料からなるリング状のバンド45が装着される」構成と、本願発明1の「前記光源ユニットは、前記受電端が前記ソケットに取り付けられた状態で照明具が振動した場合に最大振幅となる前記支持ユニットと反対側の先端部に、照明具の前記受電端が取り付けられた前記ソケット以外の照明器具の他の部品との衝突を和らげる伸縮性を有する弾性部品が着脱可能に取り付けられており、前記弾性部品が光源ユニットのみに取り付けられている」構成とは、「前記光源ユニットは、伸縮性を有する弾性部品が取り付けられている」構成において、共通している。
以上から、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「照明器具のソケットに着脱自在に取り付けられる照明具であって、筒形の本体部、発光素子と前記発光素子が実装される基板とからなり前記本体部の外周面に配置された発光部、及び、前記発光素子を覆う筒形のカバーを有する光源ユニットと、一端部に前記光源ユニットの一方の筒端部が取り付けられ、他端部に前記ソケットに取り付けられた状態で前記発光素子を点灯させる点灯電力を受電する受電端が取り付けられた支持ユニットとを備え、前記光源ユニットは、伸縮性を有する弾性部品が取り付けられている照明具。」
<相違点>
「前記光源ユニットは、伸縮性を有する弾性部品が取り付けられている」ことについて、本願発明1は、前記光源ユニットは、「前記受電端が前記ソケットに取り付けられた状態で照明具が振動した場合に最大振幅となる前記支持ユニットと反対側の先端部に、照明具の前記受電端が取り付けられた前記ソケット以外の照明器具の他の部品との衝突を和らげる」伸縮性を有する弾性部品が「着脱可能に」取り付けられており、「前記弾性部品が光源ユニットにのみ取り付けられている」のに対して、引用発明は、「LEDランプ10の最大径の部分に形成されるカバー41と筐体20の接合部を、全周に渡って覆うように、LEDランプを保護する機能を有する弾性材料からなるリング状のバンド45が装着される」点。
(2)判断
相違点について以下検討する。
ア
引用発明の「LEDランプ10の最大径の部分に形成されるカバー41と筐体20の接合部を、全周に渡って覆うように」「装着される」、「LEDランプを保護する機能を有する弾性材料からなるリング状のバンド45」は、「カバー41と筐体20の接合部」に「装着される」から、カバー41(光源ユニット、以下( )内の用語は本願発明1の用語を示す。)の筐体20(支持ユニット)と反対側の先端部に取り付けられているものではない。
また、引用発明の「LEDランプ10の最大径の部分」は、最大振幅となる場所であるのか否か不明であり、引用発明の上記の「LEDランプを保護する機能を有する弾性材料からなるリング状のバンド45」は、口金13(受電端)がソケットに取り付けられた状態でLEDランプ10(照明具)が振動した場合に最大振幅となる場所に取り付けられているか否かは、明らかでない。
イ
引用発明の「LEDランプを保護する機能を有する弾性材料からなるリング状のバンド45」の「LEDランプを保護する機能」は、引用文献1の段落【0006】に記載の「透光性のカバーと筐体の接合部の強度を向上させることを目的とする」という課題に照らすと、少なくとも、接合部が分離しないようにして接合部の強度を向上させるための補強機能を意味していると解される。
このことに関して、さらに、引用文献1の段落【0047】の「バンド45はLEDランプの最大径の部分を覆うため、LEDランプを保護する機能を有する」という記載も併せて参照してみると、引用発明の「LEDランプを保護する機能」は、上記の補強機能だけを意味しているのか、この補強機能に加え、接合部を防水ないし防塵するシール機能も備えることを意味しているのか、LEDランプが他の部分に衝突することを防止する衝突防止機能も備えることを意味しているのか、「LEDランプを保護する機能」とはどのような機能であるのか、要するに、「LEDランプを保護する機能」は、上記の課題を解決するための接合部の強度を向上させるための補強機能の他に、何らかの別の意味の補強機能を備えているのか否か明らかではない。
ウ
一方、引用文献2には、「メタルハライド・ランプL1,L2は、・・・内殻本体(2)に固定されたソケット(21)と、ホルダーパッキング(22)を緩衝材として具えたランプホルダー(23)とで取付け固定する」と記載され、「ホルダーパッキング(22)は、耐熱性シリコン・ゴムで輪状に成形してランプ頭部形状に合致させ、ホルダー(23)との直接接触を防ぐと共に緩衝材として有効に作用する」と記載されているが、「ランプ頭部形状に合致させ」た「ホルダーパッキング(22)」が取り付けられているランプの先端部である「ランプ頭部」は、第1~5図においてその形状を参照すると、最大振幅となる場所であるのか否かは不明であるし、そもそも、「ランプL1,L2」は、「ソケット(21)と、ホルダーパッキング(22)を緩衝材として具えたランプホルダー(23)とで」「内殻本体(2)」に「取付け固定」されているから、「ランプL1,L2」が他の部品に衝突することはなく、「ホルダー(23)との直接接触を防ぐと共に緩衝材として有効に作用する」「ホルダーパッキング(22)」が、ホルダー(23)や他の部品との衝突を和らげるように機能することはないといえる。
エ
上記ア~ウのとおりであるから、上記相違点に係る本願発明1の「前記光源ユニットは、前記受電端が前記ソケットに取り付けられた状態で照明具が振動した場合に最大振幅となる前記支持ユニットと反対側の先端部に、照明具の前記受電端が取り付けられた前記ソケット以外の照明器具の他の部品との衝突を和らげる伸縮性を有する弾性部品が着脱可能に取り付けられている」という構成は、上記のいずれの引用文献にも記載も示唆もされていない。
オ
ここで、引用発明の「LEDランプ10の最大径の部分に形成されるカバー41と筐体20の接合部を、全周に渡って覆うように」「装着される」、「LEDランプを保護する機能を有する弾性材料からなるリング状のバンド45」を、取り付け場所を変えて、例えばカバー41の筐体20と反対側の先端部などに取り付けるようにすると、接合部を覆って補強することができなくなり、「透光性のカバーと筐体の接合部の強度を向上させる」という引用発明の課題が解決できなくなるから、引用発明の「弾性材料からなるリング状のバンド45」を、カバー41の筐体20と反対側の先端部に場所を変えて取り付けて、上記相違点に係る本願発明1の構成とすることには、阻害要因がある。
また、引用発明の「弾性材料からなるリング状のバンド45」とは別の弾性部品を、カバー41の筐体20と反対側の先端部に取り付けるために、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を適用してみても、上記エのとおりであって、いずれの文献にも、支持ユニットと反対側の先端部に取り付けられた衝突を和らげる伸縮性を有する弾性部品は記載も示唆もされていないから、上記相違点に係る本願発明1の構成にはならない。
カ
したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
キ
そして、本願発明1は、「照明ランプの最大振幅となる場所に弾性部品を取り付けるという単純な構成で制振することができる。」(本願明細書の段落【0132】)という格別に顕著な作用効果を奏するものである。
2 本願発明2~7について
本願発明2~7は、本願発明1の発明特定事項を全て含み、さらに請求項2~7の発明特定事項を付加して限定したものであるから、上記1と同じ理由により、引用発明び引用文献2に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 まとめ
上記1、2のとおりであるから、本願発明1~7は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-001034