商標取消審判
2020-300923
- 審判番号
- 2020-300923
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2001-014411
- 登録番号
- 4871727
- 請求日
- 2020年12月18日
- 審決日
- 2022年03月31日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社 ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッド
- 【被請求人】グンゼ 株式会社
- 【被請求人代理人】山田 威一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 平澤 芳行
- 審判官 大森 友子
- 分類
- T131 .1 -Y (Z25) / T131 .11 -Y (Z25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第2条第3項第8号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4871727号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4871727号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成13年2月2日に登録出願,第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同17年6月17日に設定登録され,その後,指定商品は,同27年6月9日の存続期間の更新登録で,第25類「被服,仮装用衣服」とされ,現に有効に存続しているものである。
なお,本件審判の登録日は令和3年1月12日であり,本件審判において,商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは,平成30年(2018年)1月12日ないし令和3年(2021年)1月11日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,審判請求書及び審判事件弁駁書において要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 請求の要旨
本件商標は,商標権者により,少なくとも過去3年以内に日本国内でその指定商品(以下「請求に係る商品」という。)には使用されていないから,本件商標は取り消されるべきものである。
2 審判事件弁駁書における主張
(1)「本件商標」の使用を使用した事実について
ア 使用証明について
本件商標についての使用証明は取消しを回避するため,(ア)自己販売,(イ)Amazonでの販売実績を示しているがその様なことは,本件商標権者として不可解,あるいは不自然であり,作為的な証拠といえる。
本件商標権者ほどの大企業であれば,大手小売りのスーパーや大手通販等で大々的に販売することができるのにそれをしないことから,被請求人が提出した証拠は納得できない。
イ 本件商標と使用商標について
(ア)外観
本件商標は,一般に「スマイルマーク」と呼ばれる図形であるが,その目と口に特徴がある。目の中に白目が描かれている。
使用商標は,一般に「スマイル・マーク」といわれる図形とその上段半分に「LOVE EARTH」の英文字が重なり,それが大きく目立っており,消費者はそこに注目するはずである。
そうすると両者は「非類似」である。
(イ)称呼
本件商標は全くなく,使用商標は「ラブアース」と発音でき,全く「非類似」である。
(ウ)観念
本件商標は「スマイル」であり,使用商標は「LOVE EARTH」で「地球を愛そう」で全く別の観念で非類似である。
(エ)使用商標については本件商標権者が加工して文字部分が目立たない様にしている可能性があり悪質である。
よって使用商標は不完全で,使用実績にはならない。
(2)本件商標の不正取得について
ア 「故ハーベイ・ボール」(以下「ハーベイ」という。)が「スマイル」という。)を創作・著作した事実は世界的に確立しており,「著作権」も認められている(甲1~甲3,甲10)。
イ 「ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団」(以下「財団」という。)の「スマイル・マーク」(以下「基本マーク」という。)は1963年米国で誕生し,日本では,1970年(昭和45年)に導入され,その当時日本国内で大流行があり,その当時から小学生からお年寄りまで知らない人がいない程有名になっており,現在でもその状況は変わらない(甲1)。
その後,本件商標権者は,平成元年1月24日に,登録第2353908号商標を登録出願し登録査定を得ている。
当該商標は明らかに財団の基本マークを剽窃して登録出願したものであり,日本の商標登録制度の早い者勝ち(先願主義)を悪用して取得したものであり,このことはアメリカ国内でも大きな怒りを買っている(甲1)。
そして,1999年1月に財団が日本でも宣伝活動を行った「第1回ワールド・スマイル・デー」をアメリカで実施(甲2)した2年後の2001年に,本件商標権者は,本件商標を登録出願し,登録査定を得ている。
ウ 財団では20年以上にわたり各種の「社会貢献事業」や「ボランティア活動」を行っており(甲1,甲2),請求人はこれらの活動を日本国内と全世界で行うために商品化事業の利益を上記の「社会貢献事業」や「スマイル活動」の資金として提供しているため,財団による基本マークの使用は支援者や支持者に意識の向上と団結心を培うために絶対必要なものであるところ,本件商標の存在のため財団は日本国内で商標登録ができず,各事業を遂行する上で大変な不便と信用不安を招いている。
エ 財団は過去20年以上,会長自身がその時代の本件商標権者の社長や役員に話合いを求め,両者の良い関係を求めて手紙を送り続けたが,それらは全て無視され返事も一回もなされてない(甲5)。
オ 本件商標権者は,他の商標についても先願主義の制度を悪用し他人の成功を剽窃して商標法の手続の不備を突き,自己の権利として利益を得続けている(甲3,甲6,甲7,甲8)。
カ 以上のことより,多くのアメリカ人が本件商標権者を「反社会的企業である」という。
キ 本件商標権者がスマイルの商品化を行い,ビジネス的利益を求められるならば,請求人は大歓迎するが,それは他のライセンス企業と同一の条件でロイヤリティ等を支払うことが前提である。
ク 本件商標権者の「使用証明」の提出
請求人は過去に不使用取消審判を請求したことがあった。
その都度に本件商標権者が提出した「使用実績」は故意に作成したものの印象が強く本件商標権者の特に親しい立場で,弱い立場で断れない「零細業者」であったり,地方の「小売業者」であったことがほとんどであり,到底自己の「スマイル商品」を全国津々浦々に販売しているとは思えず,特許庁提出用の証拠書類のみの目的で使用証明を作成した印象を強く受けている。
それを易々と受け入れ,特許庁が使用したと認定し未だこの様な不正な登録商標の権利継続に協力していることもアメリカ側の大きな怒りとなっている。
第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を答弁書において要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
1 本件商標の使用
(1)本件商標権者の商品における使用態様
本件商標権者は,本件商標と社会通念上同一の構成からなる標章(以下「本件使用標章」という。)を,本件商標権者が製造する「キャミソール」に付して,販売している(乙1)。
本件商標権者が製造・販売している品番「PCL3170」のキャミソール(以下「対象商品」という。)の写真には,円図形内の上部に,目と思しき小さい黒塗りの縦長楕円形を2つ並べ,この2つの黒塗りの縦長楕円形の下に口と思しき両端上がりの弧線を描いたスマイルマークの図形からなる本件使用標章があり,本件使用標章は,本件商標と社会通念上同一の商標にあたる。
したがって,対象商品の表面には本件商標と社会通念上同一の構成からなる本件使用標章が表されているといえる。
なお,本件商標権者は,対象商品のほかにも,本件使用標章を付した「piedclair」のキャミソールを販売しており,品番は「PCL3175」,「PCL3180」であるが,下ニケタの数字はサイズにより異なるものであり,「PCL31」は共通している。
(2)対象商品の販売時期
本件商標権者は,対象商品を同人が出店している,ヤフー株式会社が運営するPayPayモールの通販サイト(以下「グンゼPayPayモール店」という。)において2020年2月6日より,本件商標権者の公式通販サイト(以下「商標権者サイト」という。)において同月7日より,アマゾンジャパン合同会社が運営する通販サイト(以下「アマゾン」という。)において同月3日より現在まで,継続して販売している。
ア グンゼPayPayモール店の画面のデータに,2020年6月1日付けで,アマノセキュアジャパン株式会社が生成する「e-timing」というタイムスタンプ(以下「タイムスタンプ」という。)が押されており,2020年6月1日の時点で,グンゼPayPayモール店において,対象商品の広告掲載及び対象商品の販売がなされていた(乙1)。
イ 商標権者サイトの画面のデータに,2020年6月1日付けで,タイムスタンプが押されており,2020年6月1日の時点で,本件商標権者の公式通販サイトにおいて,対象商品の広告掲載及び対象商品の販売がなされていた(乙2)。なお,当該書証の2頁目には,「※こちらの商品は2020年2月7日より発売させていただいております。」との記載がある。
ウ アマゾンの画面のデータに,2020年6月1日付けで,タイムスタンプが押されており,2020年6月1日の時点で,アマゾンにおいて,対象商品の広告掲載及び対象商品の販売がなされていた(乙3)。なお,当該書証の2頁目には,「登録情報」との項目があり,「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2020/2/3」との記載がある。
エ 本件商標権者が,通販サイトの画面にタイムススタンプを取得していたのは,請求人及びそれと同視できる者から,本件商標に対し,幾度となく不使用取消審判の請求がなされてきたため,対象商品を販売している事実を確実に立証するための証拠を確保する必要性を感じたためである。
2 結論
以上のとおり,本件商標権者は,要証期間内に,本件審判請求に係る指定商品,第25類「被服」に含まれる「キャミソール」に本件商標と社会通念上同一の商標を付し,当該商品を本件商標権者が運営する公式通販サイト等において販売し,又は少なくとも販売を目的とした電磁的媒体による広告する方法で使用している。
よって,本件商標権者の当該行為は商標法第2条第3項第1号,同項第2号,及び同項第8号に該当する。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)商標権者サイトにおける商品の掲載について(乙2)
本件商標権者は,2020年2月7日より商標権者サイトにおいて,商品名を「pied clair(ピエクレール)キャミソール」とする商品を販売するために掲載した。当該サイトには,キャミソールの写真が掲載されており,当該キャミソールの左胸の部分には,文字と思しきものと円輪郭からなる図形が表示されている。
そして,当該商品の素材は「本体:綿100% テープ部:ポリエステル85%,ポリウレタン15%」であり,当該商品の商品説明として「トップがふくらみはじめたら/【毎日の学校生活に】成長するバストをやさしく包み込むスクールインナー」の見出しの下,「・胸二重パッド/目立ってきた胸をやさしく包み込む,ふわふわ素材の不織布パッドを採用」「・さりげないワンポイント/透けにくい色の転写デザイン」「・綿100%の保湿加工/肌に優しくしっとりとした素材」との記載がある。
さらに,商標権者サイトの印刷物には,1葉目左上部に「e-timeing Amano Digital Time Stamp Service」の「2020/06/01 07:39 JST」のタイムスタンプが表示されている。
(2)グンゼPayPayモール店における商品の掲載について(乙1)
本件商標権者は,ヤフー株式会社が運営するPayPayモールに出店しており,グンゼPayPayモール店として運営している(被請求人の主張)。
グンゼPayPayモール店では,商品名を「GUNZE(グンゼ)キッズ/ピエクレール/綿100% 肌にやさしいやわらか/うるおい保湿/キャミソール(女の子)/PCL3170/140cm」とする商品を販売するために掲載しており,当該商品の価格は税込1078円である。当該グンゼPayPayモール店のサイトには,キャミソールの写真が掲載されており,当該キャミソールの左胸の部分には,「LOVE EARTH」の文字と,円輪郭内の上部に目と思しき小さな縦長楕円を2つ並べ,その下に口と思しき両端上がりの弧線を書いてなる図形(別掲2)が表示されている。
そして,当該商品の素材は「本体:綿100% テープ部:ポリエステル85%,ポリウレタン15%」であり,当該商品の商品説明として,「【毎日の学校生活に】成長するバストをやさしく包み込むスクールインナー」の見出しの下,「・胸二重パッド/目立ってきた胸をやさしく包み込む,ふわふわ素材の不織布パッドを採用」「・さりげないワンポイント/透けにくい色の転写デザイン」「・綿100%の保湿加工/肌に優しくしっとりとした素材」との記載がある。当該商品の商品コードは「PCL3170」である。
さらに,グンゼPayPayモール店のサイトの印刷物には,1葉目左上部に「e-timeing Amano Digital Time Stamp Service」の「2020/06/01 07:48 JST」のタイムスタンプが表示されている。
(3)アマゾンにおける商品の掲載について(乙3)
アマゾンにおいては,商品名を「GUNZE(グンゼ)/[グンゼ]キャミソールピエクレールディリー 綿100 LOVEEARTH ガールズ」とする商品が2020年2月3日より販売するために掲載されており,当該商品の価格は税込1078円である。当該アマゾンのサイトには,キャミソールの写真が掲載されており,当該キャミソールの左胸の部分には,何らかの文字と,円輪郭内の上部に目と思しき小さな縦長楕円を2つ並べ,その下に口と思しき両端上がりの弧線を書いてなる図形(別掲2)が表示されている。
そして,当該商品の素材は「本体:綿100% テープ部:ポリエステル85%,ポリウレタン15%」である。当該商品のメーカー型番は,「PCL31」とある。
さらに,アマゾンのサイトの印刷物には,1葉目左上部に「e-timeing Amano Digital Time Stamp Service」の「2020/06/01 08:52 JST」のタイムスタンプが表示されている。
(4) ア 商標権者サイト,グンゼPayPayモール店及びアマゾンの各サイトに掲載されている商品の商品名には「ピエクレール」及び「キャミソール」の文字が含まれており,当該商品の素材の内容及び商品写真の商品の形状が一致する。
イ グンゼPayPayモール店と商標権者サイトに表示されている商品説明は,ほぼ同じ内容である。
ウ グンゼPayPayモール店に表示されている商品コードの語頭5文字とアマゾンに表示されている商品のメーカー型番は一致する。
なお,グンゼPayPayモール店のサイトに表示されている商品コードの下2桁の数字は,サイズにより異なるものである(被請求人の主張)。
エ 商標権者サイト,グンゼPayPayモール店及びアマゾンの各サイトに押されているタイムスタンプ(審決注:タイムスタンプとは,電子データがある時刻に確実に存在していたことを証明する電子的な時刻証明書である。)は,タイムスタンプサービス事業者であるアマノセキュアジャパン株式会社によるものであり,その日付はいずれも2020年6月1日である。
2 上記1の認定事項に基づき,以下判断する。
(1)本件商標の使用者について
ア 本件商標権者は,自己の公式通販サイトを運営しているほか,ヤフー株式会社が運営するPayPayモールに出店し,「グンゼPayPayモール店」として運営している。
イ 商標権者サイト,グンゼPayPayモール店及びアマゾンの各サイトにおいては「キャミソール」(以下「使用商品」という場合がある。)が掲載されているところ,使用商品の商品名,商品の素材,商品説明又は型番の一部を共通にし,商品写真における商品の形状も共通することから,これらの各サイトにおいて取り扱っている使用商品は,本件商標権者の製造に係る同じ形状のキャミソールであると認められる。
ところで,グンゼPayPayモール店及びアマゾンにおける使用商品の商品写真には,別掲2のとおりの薄い緑色で表された円輪郭内の上部に目と思しき小さな縦長楕円を2つ並べ,その下に口と思しき両端上がりの弧線を描いてなる図形(以下「使用商標」という。)が表示されており,商標権者サイトにおける商品写真にも円輪郭からなる図形が表示されているところ,上記のとおり,これらの各サイトで取り扱っている使用商品は本件商標権者の製造に係る同じ形状のキャミソールであることから,商標権者サイトに表示されている使用商品に付されている円輪郭からなる図形も使用商標であると推認できる。
ウ 以上より,商標権者サイト及びグンゼPayPay店において,使用商標を付した使用商品の写真を掲載しているのは,本件商標権者であるから,使用商標の使用者は本件商標権者であると認められる。
(2)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
ア 本件商標は,別掲1のとおり黒色による円輪郭内の上部に極小の白抜きの点を内部に有する目と思しき小さな縦長楕円を2つ並べ,その下に口と思しき両端上がりの弧線を描いた図形を表してなるものであって,当該図形は全体として人の笑顔を様式化して表してなるものと認められる。
イ 他方,使用商標は別掲2のとおり,薄い緑色で表された円輪郭内の上部に目と思しき小さな縦長楕円を2つ並べ,その下に口と思しき両端上がりの弧線を描いた図形を表してなるものであって,当該図形は全体として人の笑顔を様式化して表してなるものと認められる。
ウ そうすると,本件商標と使用商標とは色彩が異なること及び子細に見ればそれぞれの表示態様に異なる点はあるものの,これらの構成要素(円輪郭,小さな縦長楕円,及び弧線)を共通にし,また,これらの構成全体として,人の笑顔を様式化して表してなる点において,外観における印象を共通にすることから,ほぼ同視される図形からなるものである。
よって,本件商標と使用商標は,社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用商品について
商標権者サイト及びグンゼPayPayモール店で取り扱っている使用商品(キャミソール)は,請求に係る商品中の「被服」の範ちゅうの商品である。
(4)商標の使用及び使用時期について
ア 本件商標権者は,商標権者サイト及びグンゼPayPayモール店において本件商標権者の名称(略称),本件商標権者の製造に係る使用商品の商品名及び写真並びに使用商品に係る商品説明を掲載しており,使用商品の写真には使用商標が付されている。
そうすると,本件商標権者は,当該サイトを通じて,使用商標が付された使用商品の広告を行っているものと認められ,当該広告は,電磁的方法により提供されているものである。
イ 商標権者サイト及びグンゼPayPayモール店にはタイムスタンプサービス事業者であるアマノセキュアジャパン株式会社による2020年(令和2年)6月1日付けのタイムスタンプがそれぞれ押されている。
そうすると,当該サイトは,当該日付において何人も閲覧可能であるものと認められ,当該日付は要証期間内である。また,当該サイトは日本語で表されているから,当該サイトの情報の提供対象は主に日本国内であると認められる。
(5)小括
以上によれば,本件商標権者は,要証期間に含まれる2020年(令和2年)6月1日に,日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品の範ちゅうの商品である使用商品(キャミソール)の広告を内容とする情報に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して電磁的方法により提供したものと認められる。
本件商標権者による上記使用行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は,本件商標と使用商標とは外観,称呼及び観念において非類似であると主張するところ,使用商標は上記2(1)イのとおりであって,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)請求人は,本件商標は故ハーベイ・ボールによって創作・著作されたものであり,商標権者がこれを剽窃し商標登録した旨,また,商標権者が本件商標を保持し続けることは,ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団の取り組む各種社会貢献事業やボランティア活動に支障をきたしている旨など種々主張している。
しかしながら,本件審判は,商標法第50条による商標登録の取消しの審判であり,本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標が使用をされていること上記2のとおりである。
請求人の主張は,いずれも当該判断を何ら左右するものではない。
(3)以上のとおり,請求人の主張は,いずれも採用することができない。
4 まとめ
以上により,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が,請求に係る商品に含まれる「キャミソール」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したということができる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2020-300923