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特許拒絶査定不服審判

2020-017063

自律式時分割複信(TDD)サブフレーム構造におけるミッションクリティカルデータサポート

審判番号
2020-017063
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-197467外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年12月11日
審決日
2021年12月08日
公報発行日
2022年01月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-WY (H04W) / P18 .121-WY (H04W) / P18 .65 -WY (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第37条、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-197467「自律式時分割複信(TDD)サブフレーム構造におけるミッションクリティカルデータサポート」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月31日出願公開、特開2019- 17111、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 19項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2016年(平成28年)2月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2015年3月15日 米国、 2015年11月12日 米国)を国際出願日とする特願2017-548131号の一部を平成30年10月19日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和元年12月 5日付け:拒絶理由通知書
令和2年 4月24日 :意見書、手続補正書の提出
令和2年 7月28日付け:拒絶査定
令和2年12月11日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
令和3年 1月20日 :上申書
令和3年 4月19日 :上申書
令和3年 7月21日付け:拒絶理由通知書(当審)
令和3年10月26日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和2年7月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性):この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記

理由1:

・請求項1ないし4、6ないし9に対して、引用文献1

理由2:

・請求項1ないし4、6ないし9に対して、引用文献1

・請求項5、10ないし19に対して、引用文献1及び引用文献2

引用文献等一覧

1.Toni Levanen, et al.,Dense Small-Cell Networks: Rethinking the Radio Interface Beyond LTE-Advanced,1st International Conference on 5G for Ubiquitous Connectivity,2015年 2月12日,pp.163-169(以下、「引用文献1」という。)

2.特開2014-222923号公報(以下、「引用文献2」という。)

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

1.(発明の単一性)この出願は、下記の点で特許法第37条に規定する要件を満たしていない。

記

(1)特別な技術的特徴に基づく審査対象の決定

請求項1に係る発明は、単一の送信時間間隔(TTI)期間中に、時分割複信(TDD)サブフレームを送信するという、本願出願時の3GPPにおける標準的な送信方法に対し、「単一の送信時間間隔(TTI)期間中に、時分割複信(TDD)サブフレームを通信する」ように構成されるものであって、「前記TDDサブフレームが、前記TDDサブフレームの制御部分中の制御情報と、前記TDDサブフレームのデータ部分中のミッションクリティカル(MiCr)データと、前記TDDサブフレームのフィードバック部分中の肯定応答情報とを含み、前記肯定応答情報が前記MiCrデータに対応する」という特別な技術的特徴を有していることが発見された。

一方、請求項11ないし14に係る発明、請求項15ないし18に係る発明、請求項19に係る発明には、請求項1に係る発明と、同一の又は対応する特別な技術的特徴は存在しない。

(2)審査の効率性に基づく審査対象の決定

請求項11ないし14に係る発明、請求項15ないし18に係る発明、請求項19に係る発明は、請求項1に係る発明の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの発明ではない。そして、請求項11ないし14に係る発明、請求項15ないし18に係る発明、請求項19に係る発明は、審理対象とされた発明を審理した結果、実質的に追加的な先行技術調査や判断を必要とすることなく審理を行うことが可能である発明ではなく、当該発明とまとめて審理を行うことが効率的であるといえる他の事情もない。

したがって、請求項11ないし14に係る発明、請求項15ないし18に係る発明、請求項19に係る発明は、特許法第37条以外の要件についての審査対象としない。

第4 本願発明

本願請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明10」という。)は、令和3年10月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
無線通信のための装置であって、
送受信機と、
メモリと、
続きを表示(全33行)
前記送受信機および前記メモリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、
単一の送信時間間隔(TTI)期間中に、時分割複信(TDD)サブフレームを通信するように前記送受信機に対する命令を生成するように構成され、前記TDDサブフレームが、
前記TDDサブフレームの制御部分中の制御情報と、
前記TDDサブフレームのデータ部分中のミッションクリティカル(MiCr)データと、
前記TDDサブフレームのフィードバック部分中の肯定応答情報と
を含み、前記肯定応答情報が前記MiCrデータに対応する、装置。
【請求項2】
前記肯定応答情報は、前記TDDサブフレームの前記データ部分中の前記MiCrデータが成功裏に送信され別の装置に受信されたことを示す、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御情報が、前記MiCrデータに対応するスケジューリング情報を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記MiCrデータは、前記TDDサブフレームに含まれる他のデータのレイテンシ要件よりも低いレイテンシ要件、前記TDDサブフレームに含まれる他のデータの優先要件よりも高い優先要件、および前記TDDサブフレームに含まれる他のデータの信頼性要件よりも高い信頼性要件のうちの少なくとも1つを有するデータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記MiCrデータの再送信のために周波数分割複信(FDD)キャリアまたはペアリングされたTDDキャリアを利用するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
無線通信のための方法であって、
単一の送信時間間隔(TTI)期間中に、時分割複信(TDD)サブフレームを通信するステップを含み、前記TDDサブフレームが、
前記TDDサブフレームの制御部分中の制御情報と、
前記TDDサブフレームのデータ部分中のミッションクリティカル(MiCr)データと、
前記TDDサブフレームのフィードバック部分中の肯定応答情報と
を含み、前記肯定応答情報が前記MiCrデータに対応する、方法。
【請求項7】
前記肯定応答情報は、前記TDDサブフレームの前記データ部分中の前記MiCrデータが成功裏に送信され別の装置に受信されたことを示す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記制御情報が、前記MiCrデータに対応するスケジューリング情報を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記MiCrデータは、前記TDDサブフレームに含まれる他のデータのレイテンシ要件よりも低いレイテンシ要件、前記TDDサブフレームに含まれる他のデータの優先要件よりも高い優先要件、および前記TDDサブフレームに含まれる他のデータの信頼性要件よりも高い信頼性要件のうちの少なくとも1つを有するデータを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記MiCrデータの再送信のために周波数分割複信(FDD)キャリアまたはペアリングされたTDDキャリアを利用するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。」

第5 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1について

原査定の拒絶の理由で引用された、Toni Levanen, et al.,Dense Small-Cell Networks: Rethinking the Radio Interface Beyond LTE-Advanced(当審訳:デンススモールセルネットワーク:LTE-Advanced以降の無線インターフェースの再考),1st International Conference on 5G for Ubiquitous Connectivity,2015年 2月12日,pp.163-169(引用文献1)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「I. Introduction
(中略)
In this article, we provide an overview of a new radio interface introduced in [4], based on orthogonal frequency division multiple access (OFDMA) and flexible time division duplexing (TDD), entitled 5G flexible TDD based local area (5GETLA).
(後略)
」(163ページ左欄15行目~左欄下から5行目)

(当審訳:

I.序論

(中略)

本稿では、[4]で紹介した、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)とフレキシブルな時分割多重(TDD)をベースにした新しい無線インタフェース「5GフレキシブルTDDベースローカルエリア(5GETLA)」の概要を説明する。

(後略))

「III. New Radio Interfaces for 5g Small-Cell Networks
(中略)
[図:0001380624000001.jpg]
Fig. 3. DL and UL ACK timing examples for the A) 5GETLA and B) b4G frame designs.
続きを表示(全11行)
(中略)
B. Frame Design
(中略)
In 5GETLA design [4], the frame starts with the DL (Tx) section and is followed by the UL (Rx) section. The DL-UL allocation is adjusted per frame basis. In DL, downlink common reference symbol (DLCRS) and downlink control channel (DLCCH) are compulsory fields to be broadcasted when the 5GBS is active. The downlink shared channel (DLSCH) contains the downlink data channel (DLDCH) and in the case of MIMO transmission it may contain also downlink channel state information reference symbols (DLCSIRS) or downlink demodulation reference symbols (DLDMRS).
(中略)
In Fig. 3, we show the assumed delays and timing constraints for DL and UL transmission in both designs. In the case of 5GETLA (part A), the transmission of the DL data follows immediately after the DL scheduling grant (SG) provided in the DLCCH. This minimizes the detection latency, but the downside is that the UE has to buffer the Rx signal until it has detected the DLCCH message and confirmed if there is a scheduled transmission for it. The ACK for the DL data transmission is transmitted in the same frame inside the ULCCH message.
(後略)」(165ページ左欄下から6行目~167ページ左欄下から24行目)

(当審訳:

III.5Gスモールセルネットワーク用の新しい無線インターフェース

(中略)

(図略)

図3 A)5GETLAとB)B4Gフレーム設計のDLとUL ACKタイミング例

(中略)

B.フレームデザイン

(中略)

5GETLAデザイン[4]では、フレームはDL(TX)セクションで始まり、その後にUL(RX)セクションが続く。DL-UL割り当ては、フレームごとに調整される。DLでは、ダウンリンク共通基準記号(DLCRS)および下り制御チャネル(DLCCH)は、5GBSがアクティブなときにブロードキャストされる強制フィールドである。ダウンリンク共有チャネル(DLSCH)は、ダウンリンクデータチャネル(DLDCH)を含み、MIMO送信の場合には、ダウンリンクチャネル状態情報参照シンボル(DLCSIRS)またはダウンリンク復調基準シンボル(DLDMRS)も含み得る。

(中略)

図3は、両デザインにおけるDLおよびUL伝送の想定遅延およびタイミング制約を示している。5GETLA(パートA)の場合、DLデータの送信は、DLCCHで提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)の直後に行われる。これにより検出待ち時間が最小限に抑えられが、しかし、欠点は、UEがDLCCHメッセージを検出し、それに予定された送信があるかどうかを確認するまで、UEがRX信号をバッファする必要があることである。DLデータ送信用のACKは、ULCCHメッセージ内の同じフレームで送信される。

(後略))

上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

ア 上記「I.序論」には、「本稿では・・・直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)とフレキシブルな時分割多重(TDD)をベースにした新しい無線インタフェース「5GフレキシブルTDDベースローカルエリア(5GETLA)」の概要を説明する。」と記載されているから、引用文献1には、「5GフレキシブルTDDベースのローカルエリア(5GETLA)の無線インターフェース」について記載されているといえる。

イ 上記「III.5Gスモールセルネットワーク用の新しい無線インターフェース」には、「下り制御チャネル(DLCCH)」と記載され、「5GETLA(パートA)の場合、DLデータの送信は、DLCCHで提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)の直後に行われる」こと、「DLデータ送信用のACKは、ULCCHメッセージ内の同じフレームで送信される」ことが記載されており、ULCCHが上り制御チャネルであることは技術常識である。また、図3の記載からは、DLデータ送信用のACKが、DLCCHで提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)と同じフレーム内に存在することが見て取れる。そうすると、引用文献1には、「5GETLAの場合、DLデータの送信は、下り制御チャネル(DLCCH)で提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)の直後に行われ、DLデータ送信用のACKは、DLCCHで提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)と同じフレームで送信される」ことが記載されているといえる。

ウ また、引用文献1は、上記イで述べたとおり、DLデータの送信は、下り制御チャネル(DLCCH)で提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)の直後に行われ、DLデータ送信用のACKは、DLCCHで提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)と同じフレームで送信される構成をとることについて記載されているものであり、当該DLデータの送信は、無線装置で行われることは自明であるから、引用文献1には、「無線装置で行われるDLデータ送信方法」が記載されているといえる。

以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 5GフレキシブルTDDベースのローカルエリア(5GETLA)の無線インターフェースであって、
5GETLAの場合、DLデータの送信は、下り制御チャネル(DLCCH)で提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)の直後に行われ、DLデータ送信用のACKは、DLCCHで提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)と同じフレームで送信される、
無線装置で行われるDLデータ送信方法。」

2 引用文献2について

原査定の拒絶の理由で引用された、特開2014-222923号公報(引用文献2)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「【0039】
本実施の形態では、第1の基本周波数ブロック(CC#1)に対応する下りリンクL1/L2制御信号と第2の基本周波数ブロック(CC#2)に対応する下りリンクL1/L2制御信号を、FDD方式が適用されるCC#1又はTDD方式が適用されるCC#2のいずれかの下りリンクの無線リソースに集約して割当てる。」

そうすると、引用文献2には、「FDD方式が適用されるCCとTDD方式が適用されるCCを同時に用いる場合に、いずれかのCCの下りリンクの無線リソースに制御信号を集約して割り当てる。」という技術事項が記載されていると認められる。

第6 対比・判断

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。

ア 引用発明において、DLデータの送信は下り制御チャネル(DLCCH)で提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)の直後に行われるものであって、DLデータ送信用のACKは、DLCCH(下り制御チャネル)で提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)と同じフレームで送信されるものであるから、フレームには、少なくともDLCCH(下り制御チャネル)メッセージと、DLデータ及びDLデータ送信用のACKが含まれているといえる。そして、該フレームは、5GETLAにおいて用いられるものであり、5GETLAは、5GフレキシブルTDDベースのローカルエリアを表すものであるから、5GETLAで用いられる該フレームはTDDベースのフレームであることは明らかである。ここで、引用発明の「下り制御チャネル(DLCCH)で提供されるDLスケジュール・グラント(SG)」、「DLデータ」、「DLデータ送信用のACK」は、それぞれ本願発明1の「制御情報」、「データ」、「肯定応答情報」に含まれる。

そうすると、引用発明の5GETLAで用いられるTDDベースのフレームは、制御情報、データ、肯定応答情報を有するものであるといえるから、本願発明1と引用発明は、「TDDフレームが、制御情報と、データと、肯定応答情報とを含む」という点で共通する。

イ 引用発明は、無線装置で行われるDLデータ送信方法であるから、引用発明の「無線装置」は、本願発明1の「無線通信のための装置」に含まれる。そして、該無線装置が、無線通信のための送受信機、メモリ、該送受信機およびメモリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備えること、該プロセッサが上記「ア」で述べたTDDフレーム、すなわち時分割複信(TDD)フレームを通信するように送受信機に対する命令を生成するように構成されるものであることは、技術常識である。

そうすると、本願発明1と引用発明は、「無線通信のための装置であって、送受信機と、メモリと、送受信機およびメモリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、少なくとも1つのプロセッサが時分割複信(TDD)フレームを通信するように送受信機に対する命令を生成するように構成され」る点で共通する。

以上を総合すると、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)

「 無線通信のための装置であって、
送受信機と、
メモリと、
送受信機およびメモリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、
時分割複信(TDD)フレームを通信するように前記送受信機に対する命令を生成するように構成され、TDDフレームが、
制御情報と、
データと、
肯定応答情報と
を含む、装置。」

(相違点)

無線通信のための装置のプロセッサにおいて、本願発明1では「単一の送信時間間隔(TTI)期間中に、時分割複信(TDD)サブフレームを通信するように前記送受信機に対する命令を生成するように構成され」、「前記TDDサブフレームが、前記TDDサブフレームの制御部分中の制御情報と、前記TDDサブフレームのデータ部分中のミッションクリティカル(MiCr)データと、前記TDDサブフレームのフィードバック部分中の肯定応答情報とを含み、前記肯定応答情報が前記MiCrデータに対応する」という発明特定事項を有するのに対し、引用発明では、フレームを送信することであって、該フレームが、下り制御チャネル(DLCCH)で提供されるDLスケジューリング・グラント(SG)、DLデータ、DLデータ送信用のACKを含むものの、単一の送信時間間隔(TTI)期間中に、サブフレームを送信すること、該サブフレームが前記TDDサブフレームの制御部分中の制御情報と、前記TDDサブフレームのデータ部分中のミッションクリティカル(MiCr)データと、前記TDDサブフレームのフィードバック部分中の肯定応答情報とを含み、前記肯定応答情報が前記MiCrデータに対応することについて特定されていない点。

(2)相違点についての判断

相違点に係る本願発明1の無線通信のための装置のプロセッサにおいて「単一の送信時間間隔(TTI)期間中に、時分割複信(TDD)サブフレームを通信するように前記送受信機に対する命令を生成するように構成され」、「前記TDDサブフレームが、前記TDDサブフレームの制御部分中の制御情報と、前記TDDサブフレームのデータ部分中のミッションクリティカル(MiCr)データと、前記TDDサブフレームのフィードバック部分中の肯定応答情報とを含み、前記肯定応答情報が前記MiCrデータに対応する」という発明特定事項は、引用文献1及び引用文献2には記載も示唆もされていない。さらに、当該無線通信の技術分野において周知技術であるともいえない。

よって、当業者といえども、引用発明において、上記相違点1に係る本願発明1の無線通信のための装置のプロセッサにおいて「単一の送信時間間隔(TTI)期間中に、時分割複信(TDD)サブフレームを通信するように前記送受信機に対する命令を生成するように構成され」、「前記TDDサブフレームが、前記TDDサブフレームの制御部分中の制御情報と、前記TDDサブフレームのデータ部分中のミッションクリティカル(MiCr)データと、前記TDDサブフレームのフィードバック部分中の肯定応答情報とを含み、前記肯定応答情報が前記MiCrデータに対応する」ものとすることは、容易に想到し得たとはいえない。

したがって、本願発明1は、引用発明ではなく、また、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし4について

本願発明2ないし4は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、引用発明ではなく、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明5について

本願発明5は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明6ないし9について

本願発明6ないし9は、本願発明1ないし4の無線通信のための装置を、無線通信のための方法としたものであって、上記1.で説示した相違点1に係る本願発明1の発明特定事項に対応する発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明1ないし4と同様の理由により、引用発明ではなく、また、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 本願発明10について

本願発明10は、本願発明5の無線通信のための装置を、無線通信のための方法としたものであって、上記1.で説示した相違点1に係る本願発明1の発明特定事項に対応する発明特定事項を少なくとも備えるものであるから、本願発明5と同様の理由により、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第7 原査定について

令和3年10月26日にされた手続補正により、本願発明1ないし10は、「単一の送信時間間隔(TTI)期間中に、時分割複信(TDD)サブフレームを通信するように前記送受信機に対する命令を生成するように構成され」、「前記TDDサブフレームが、前記TDDサブフレームの制御部分中の制御情報と、前記TDDサブフレームのデータ部分中のミッションクリティカル(MiCr)データと、前記TDDサブフレームのフィードバック部分中の肯定応答情報とを含み、前記肯定応答情報が前記MiCrデータに対応する」という発明特定事項、又はそれに対応する発明特定事項を備えているから、上記「第6」のとおり、本願発明1ないし4及び6ないし9は引用発明ではなく、また、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。さらに、本願発明5及び10は、拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由についての判断

令和3年10月26日にされた手続補正により、特許請求の範囲が補正され、拒絶の理由の対象であった補正前の請求項11ないし14に係る発明、請求項15ないし18に係る発明、請求項19に係る発明は削除された。

したがって、当審の拒絶理由で指摘した上記理由1(発明の単一性)は解消されたため、本願は特許法第37条に規定する要件を満たしている。

第9 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-017063

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