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特許拒絶査定不服審判

2020-016654

光学式成分センサ

審判番号
2020-016654
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-501257外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年12月03日
審決日
2021年10月27日
公報発行日
2022年07月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G01N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-501257「光学式成分センサ」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月30日国際公開、WO2018/155290〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 16項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、2018年(平成30年)2月15日(優先権主張 平成29年2月27日)を国際出願日とする出願であって、令和2年5月25日付けで拒絶理由が通知され、同年6月15日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年8月6日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年9月9日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年9月30日付けで拒絶査定されたところ、同年12月3日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。その後当審において令和3年8月2日付けで拒絶理由が通知され、同年9月15日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明

本願の請求項1~4に係る発明は、令和3年9月15日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定されるものであり、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「 【請求項1】
所定の成分による吸収波長を含む出射光を発する光源と、
前記光源を収容する筐体と、
前記光源からの光を、前記筐体の外部に位置している対象物に向けて出射する投光レンズと、
続きを表示(全16行)
前記対象物によって反射された光を集光する受光レンズと、
前記受光レンズが集光した光のうち第1波長帯の光を透過し、第2波長帯の光を反射する第1フィルタと、
前記受光レンズが集光した光のうち前記第2波長帯の光を透過する第2フィルタと、
前記筐体内に収容され、前記第1フィルタを透過した検知光を受光し、第1電気信号に変換する第1受光素子と、
前記筐体内に収容され、前記第2フィルタを透過した参照光を受光し、第2電気信号に変換する第2受光素子と、を備え、
前記第1受光素子は、前記受光レンズの光軸上に配置され、当該受光レンズの焦点位置よりも前記受光レンズ側となるように配置されており、
前記投光レンズは、前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されており、
前記投光レンズの基端部には、前記光源を囲む凹部が形成されており、
前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であり、
前記投光レンズにおいて前記基端部とは反対側の出射面は、外周部分のみ平面部であり、中心部は凸レンズ形状に形成されており、
前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する
光学式成分センサ。」(下線は補正箇所を示す。)

第3 当審の拒絶理由

令和3年8月2日付けで当審が通知した拒絶理由の概要は、次のとおりのものである。

本願の請求項1及び2に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明、引用文献2に記載された技術事項及び周知技術に基づいて、本願請求項3及び5に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明、引用文献2、3に記載された技術事項及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開平08-230141号公報
引用文献2:特開2014-059302号公報
引用文献3:特表平11-500534号公報
引用文献4:特開2009-123758号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5:特開2013-004386号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1について

(1)引用文献1に記載された事項

引用文献1には、以下の事項が記載されている。

(引1a)「【0036】湿し水供給装置29から上記版面に供給された湿し水28の量は、上記版胴21の近傍に配置された図2に示す湿し水測定ヘッド51により測定される。この湿し水測定ヘッド51は、赤外光を発生する光源61、この光源61からの赤外光を集光する集光レンズ62、上記版胴21の版面での上記光源61からの赤外光の反射光の光路60を2つの光路60a,60bに分岐するハーフミラー63、このハーフミラー63で分岐された赤外光をそれぞれ分光する干渉フィルタ64,66,これら干渉フィルタ64および66からそれぞれ入射する赤外光を光電変換するフォトダイオード等の光電変換素子65aおよび65b,これら光電変換素子65aおよび65bからそれぞれ出力する光電変換出力に基づいて上記湿し水の厚みを演算する演算処理系67からなる。

【0037】上記光源61としては、たとえばハロゲンランプを用いることができる。上記光源61から出射した赤外光は、集光レンズ62にて集光され、上記版胴21の版の版面の絵柄部分(図示せず。)に投射される。版面の上記絵柄部分に入射する際に、上記版面に形成されている湿し水の薄い膜を透過して上記版面で反射し、再び湿し水の膜を透過した後、上記ハーフミラー63に入射する。

【0038】上記ハーフミラー63には、版面の絵柄部分から上記湿し水を透過して反射する光源の赤外光の反射光が入射し、その一部が反射するとともにその一部が透過する。2枚の干渉フィルタ64,66のうち、一方の干渉フィルタ64は、水の特性吸収波長を有する赤外光を透過させる透過波長特性を有し、他方の干渉フィルタ66は、水の上記特性吸収波長とは異なる波長域に設定された参照波長を透過させる透過波長特性を有する。

【0039】上記干渉フィルタ64および66の各々で分光された赤外光は、その背後に配置された光電変換素子65aおよび65bにそれぞれ入射し、電気信号に変換される。上記演算処理系67は、光電変換素子65a,65b、これら光電変換素子65a,65bの出力をそれぞれ増幅する増幅回路68,69,およびこれら増幅回路68,69の出力をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変換回路71を備える。

【0040】上記演算処理系67はまた、版面の上記絵柄部分での湿し水により吸収される赤外光の吸光度を演算する吸光度演算回路72、この吸光度演算回路72での吸光度の演算結果を記憶する記憶回路73、およびこの記憶回路73に記憶された測定湿し水量を表示する表示装置74を備える。上記吸光度演算回路72は、A/D変換回路71でデジタル信号に変換された2つの増幅回路68,69の出力に基づいて、後述するように、上記湿し水量を演算する。上記記憶回路73は、この吸光度演算回路72で演算された湿し水量をラッチし、予め定められた時間間隔でその記憶内容を更新して表示装置74に出力するとともに、この表示装置74から湿し水量信号が図1の制御装置52に出力する。

【0041】この制御装置52は、上記測定湿し水量信号とともに図1に湿すように、湿し水量設定信号が入力しており、両信号を比較してその偏差を検出する。上記制御装置52により検出された偏差信号は駆動装置53に入力される。この駆動装置53は、制御装置52から入力する上記偏差信号に応じて湿し水を版胴21に供給するための水元ローラ35の回転数を制御する。」

(引1b)「【図2】

[図:0001385639000001.jpg]

」

(2)引用文献1に記載された発明

上記(引1a)より、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が、記載されている。

「赤外光を発生する光源61と、
この光源61からの赤外光を集光する集光レンズ62と、
上記版胴21の版面での上記光源61からの赤外光の反射光の光路60を2つの光路60a,60bに分岐するハーフミラー63と、
このハーフミラー63で分岐された赤外光をそれぞれ分光する干渉フィルタ64,66と、
これら干渉フィルタ64および66からそれぞれ入射する赤外光を光電変換するフォトダイオード等の光電変換素子65aおよび65bと、
これら光電変換素子65aおよび65bからそれぞれ出力する光電変換出力に基づいて上記湿し水の厚みを演算する演算処理系67からなり、
2枚の干渉フィルタ64,66のうち、
一方の干渉フィルタ64は、水の特性吸収波長を有する赤外光を透過させる透過波長特性を有し、
他方の干渉フィルタ66は、水の上記特性吸収波長とは異なる波長域に設定された参照波長を透過させる透過波長特性を有する
湿し水測定ヘッド51。」

2 引用文献2について

(1)引用文献2に記載された事項

引用文献2には、以下の事項が記載されている。

(引2a)「【0037】

センサ10は、例えばレーザダイオードである、送光器12を備える。この送光器の短パルスから成る送光は、まず送光光学系14で平行化され、その後MEMS偏向ミラー16により、送光18として監視領域20内へ偏向される。MEMS偏向ミラー16は、一つの軸上で共振振動し、第二の軸上でゆっくりと周期的に旋回する。これにより、走査光スポット22が監視領域20を行毎に走査する。監視領域20内の物体に当たって拡散反射する光は、受光24として、画素に配置された多数の、アバランシェ・フォトダイオードから成る受光素子30を有する受光器28上に、受光光学系26を介して導かれる。

【0038】

破線32で示すように、受光光学系26の焦点面は受光器28の平面とは一致していない。つまり、受光24が極力少数の受光素子30上に鮮明に結像されるのではなく、受光素子30のグループ上に広がって結像されるように、受光光学系26は意図的に焦点をぼかされている。」

(引2b)「【図1】

[図:0001385639000002.jpg]

」

(2)引用文献2に記載された技術事項

ア 上記(引2b)より、「受光光学系26」はレンズであり、「受光器28」は、該レンズの光軸上に配置されている点が見て取れる。

イ アを踏まえると、上記(引2a)より、引用文献2には、以下の技術事項(以下「技術事項2」という。)が記載されている。

「監視領域20内の物体に当たって拡散反射する光は、受光24として、受光素子30を有する受光器28上に、受光光学系26を介して導かれ、
受光光学系26はレンズであって、受光器28は、該レンズの光軸上に配置され、
受光光学系26の焦点面は受光器28の平面とは一致しておらず、
受光24が極力少数の受光素子30上に鮮明に結像されるのではなく、受光素子30のグループ上に広がって結像されるように、受光光学系26は意図的に焦点をぼかされている構成。」

3 周知文献の追加について

当審の拒絶理由に対して、請求人は、令和3年9月15日付け手続補正書により「投光レンズ」について、さらに構成を付加する補正を行ってきたが、当該追加された構成を踏まえても「投光レンズ」として周知技術の範囲を超えるものではないことから、「投光レンズ」についての周知技術を示す文献として、特開2012-099409号公報(以下「周知文献1」という。)及び特表2016-534386号公報(以下「周知文献2」という。)を追加することとする。

(1)周知文献に記載された事項

ア 周知文献1に記載された事項

周知文献1には、以下の事項が記載されている。

(周1a)「【発明を実施するための最良の形態】

【0013】

以下、本発明の実施の形態に係る照明用レンズ1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る照明用レンズ1について、光軸Xを含む面における構成を示す断面図である。照明用レンズ1は、光軸Xを回転軸として、図1に示す断面を回転させた形状を呈している。図1において、矢印Fの方向が、照明用レンズ1の照明方向であり、図示外の被照明面が位置する側となる。以下の説明において、矢印Fの方向を光の進行方向あるいは前方(前側)、その反対方向を後方(後側)と記載することとする。

【0014】

照明用レンズ1は、入射面2と、反射面3と、出射面4とを有する中実の部材であり、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂あるいはガラスなどの透明な材料(レンズ素材)にて形成されている。照明用レンズ1は、光軸X上に配置される光源5から照射された光を入射面2にて照明用レンズ1内に取り込み、取り込んだ光の一部については、反射面3にて出射面4に向けて反射し、他の一部の光については、直接出射面4から前方に向けて出射させることができるように構成されている。なお、光源5は、たとえば、LEDを用いることができる。

【0015】

(入射面2)

照明用レンズ1は、全体として、後方に曲面を向けた鐘形状を呈し、鐘形の頂点部分を含む位置に、後方に向けて開口される開口部6を有する凹部7が形成されている。凹部7の内部の空間は、開口部6から前方に向かって凹み、後方から前方に向かって直径が小さくなる略円錐台を呈している。凹部7の底面8には、凸面が後方に向く集光レンズ面9が第1入射面として形成されている。また、凹部7の内側面10は光軸Xを囲むように配置され第2入射面として形成されている。つまり、入射面2は、集光レンズ面9および内側面10を有し、光源5から照射された光の一部は、集光レンズ面9から照明用レンズ1内に入射し、他の一部の光は、内側面10から照明用レンズ1内に入射する。

【0016】

(反射面3)

反射面3は、光軸X上に曲率中心を有すると共に変曲点を有しない曲線が光軸Xを中心に回転させられた回転体の面形状を呈し、照明用レンズ1の外側面を構成する。反射面3は、内側面10から照明用レンズ1内に入射した光を、出射面4に向けて全反射すること

ができる面形状に構成されている。

【0017】

(出射面4)

出射面4は、第1出射面としての集光レンズ面11と、第2出射面として凹レンズ面12とを有する。集光レンズ面11は、光軸Xとの交差部を有し、前方に向けて凸面が形成される集光レンズ面である。凹レンズ面12は、集光レンズ面11の周囲に配置され、後方に向けて凹む凹面が形成される凹レンズ面である。集光レンズ面11は、前方から見たときに、出射面4の中心部側に配置される円形の領域を占める形状となっている。一方、凹レンズ面12は、前方から見たときに、集光レンズ面11を囲むように出射面4の外周側に配置され、円環状の帯領域を占める形状となっている。」

(周1b)「【0038】

(変形例)

図7から図9に、照明用レンズ1の変形例を示す。図7から図9において、照明用レンズ1に示す部材と同様の構成部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。

【0039】

図7に示す照明用レンズ1は、出射面4の第2出射面を屈折力が0の平面である透過平面20として構成したものである。このように構成した場合であっても、集光レンズ面9から入射した光について、集光レンズ面11から第1照明光L1として出射させ、内側面10から入射し反射面3で反射される光について、一部を第2出射面としての透過平面20から第2照明光L2として出射させると共に、他の光の一部を集光レンズ面11から第3照明光L3として出射させることで、光源5の前後方向への移動に伴う照度分布S4の変化を抑制することができる。」

(周1c)「【図7】

[図:0001385639000003.jpg]

」

イ 周知文献2に記載された事項

周知文献2には、以下の事項が記載されている。

(周2a)「【0176】

光カプラー1は、

・中心の軸線が軸線Ozと一致し、ここでは軸対象であるレンズ10であって、

・heと称する、軸線Oz上の中心の寸法により規定され、半径方向の寸法がR1の凸型の入射面11であって、ピークE(0,he)と、端部E1(R1,zE1)を通過する円形の端部輪郭(外周)とを有する凸型の入射面11、

・Hと称する、軸線Oz上の中心の寸法により規定され、半径方向の寸法がRAの凸型の中心出射面12であって、ピークS(0,H)と、端部A(RA,zA)を通過する円形の端部輪郭(外周)とを有する凸型の中心出射面12、及び、

・中心出射面12に、好ましくは不連続性なしに接合された周辺出射面13であって、好ましくは平坦(あるいは変形実施形態として、円錐台形又は凹型)であり、且つ中心出射面から後退していて、ここでは端部A1を通過する円形の端部輪郭(外周)の環状面であり、そして詳細を下記に示す別の特性点Iによりさらに規定される、周辺出射面13、

を含むレンズ10と、

・回転軸が軸線Ozと一致する空洞10aであり、

・入射面11から構成され、ここでは、円形の端部輪郭(外周)の環状面を形成する平坦部11aまで延在しており、且つまた端部E’(RE’、深さhE’)により規定される、底部110、及び、

・カプラーの入射部の方向で口を広げており、一方の小さい直径が他方の大きい直径を規定し端部で接合する三つの円錐台形の面部分を含んでいて、当該円錐台形の面部分は軸線Oz上に整合した回転軸を有し、これら三つの部分の断面平面との交差部が断面平面の正の象限において三つの直線部分を画定している入射側面14、

を含む空洞10aであって、

・第1の部分14a(軸線Ozから最も遠く離されたもの)は、平坦部の端部E’に(あるいは変形実施形態として、平坦部のない入射部中心面Eに)接続し、且つ端部C1(RC1,zC1)を通過しており、従ってこの端部はこの第1の部分についてカプラーの入射部に最も近くなっており、

・第2の部分14bは、第1の部分14aに接続し、且つ好ましくは、端点C2(RC2,zC2)、すなわちこの第2の部分についてカプラーの入射部に最も近いところを通過していて、この第2の部分14bは好ましくは第1の部分よりも長くなっており、

・そしてここでは、他の部分よりも短い第3の部分14cが、端部C(Rc,0)を通過する軸線X上で終えている、

空洞10aと、

・レンズと空洞とを取り囲んでいて、入射側面14により屈折された斜光線と称する光線を完全に内部反射することができる、軸線Ozと一致する回転軸の周辺反射面15であって、その最低端部Cからその最上端部D(RD,zD)のところまで光カプラーの出射部の方向に入射面11を越えて延在している周辺反射面15と、

を含んでいる。」

(周2b)「【0182】

ここでさらに正確には、透明な本体(従ってカプラー1)は、ここでは円錐台形であってシステムの出射部の方向に裾広がりになっている(あるいは変形実施形態として軸線Ozの周りにその他の任意のタイプの対称性を有していてもよい)軸対称の傾斜部16を、好ましくは離型の制約を満足するために出口角β’>20°となるように、含んでいる。」

(周2c)「【0207】

光源50は、(遠方場において)ランバート放射を提供する発光ダイオードであり、幅Lが1mmに等しい正方形の放射区域51を有していて、当該ダイオードは、中心が軸線Oz上にあり、ドーム形状の一次光学部品52が上に載っていて、これは熱伝導による熱の放散を促進させるために好ましくは金属製であるプリント基板である支持体60の主面に(ベース53を介して)固定されている。」

(周2d)「

[図:0001385639000004.jpg]

」

(2)周知技術について

ア 周知文献1に記載された技術事項

(ア)上記(周1a)より、周知文献1には、以下の技術事項が記載されている。

「光軸X上に配置される光源5から照射された光を入射面2にて照明用レンズ1内に取り込み、取り込んだ光の一部については、反射面3にて出射面4に向けて反射し、他の一部の光については、直接出射面4から前方に向けて出射させる照明用レンズ1において、
全体として、後方に曲面を向けた鐘形状を呈し、
鐘形の頂点部分を含む位置に、後方に向けて開口される開口部6を有する凹部7が形成され、
凹部7の内部の空間は、開口部6から前方に向かって凹み、
続きを表示(全21行)
凹部7の底面8には、凸面が後方に向く集光レンズ面9が第1入射面として形成され、
凹部7の内側面10は光軸Xを囲むように配置され第2入射面として形成され、
入射面2は、集光レンズ面9および内側面10を有し、
光源5から照射された光の一部は、集光レンズ面9から照明用レンズ1内に入射し、
他の一部の光は、内側面10から照明用レンズ1内に入射し、
出射面4は、
第1出射面としての集光レンズ面11と、
第2出射面として凹レンズ面12とを有し、
集光レンズ面11は、
光軸Xとの交差部を有し、前方に向けて凸面が形成される集光レンズ面であり、
凹レンズ面12は、
集光レンズ面11の周囲に配置され、後方に向けて凹む凹面が形成される凹レンズ面であり、
集光レンズ面11は、
前方から見たときに、出射面4の中心部側に配置される円形の領域を占める形状となり、
凹レンズ面12は、
前方から見たときに、集光レンズ面11を囲むように出射面4の外周側に配置され、円環状の帯領域を占める形状となる
照明用レンズ1。」

(イ)上記(周1b)より、周知文献1には、「照明用レンズ1」の変形例として以下の技術事項が記載されている。

「出射面4の第2出射面を屈折力が0の平面である透過平面20として構成し、
集光レンズ面9から入射した光について、集光レンズ面11から第1照明光L1として出射させ、
内側面10から入射し反射面3で反射される光について、一部を第2出射面としての透過平面20から第2照明光L2として出射させると共に、他の光の一部を集光レンズ面11から第3照明光L3として出射させる
照明用レンズ1。」

(ウ)上記(周1b)に「照明用レンズ1に示す部材と同様の構成部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する」と記載されていることから、上記(ア)及び(イ)を踏まえると、周知文献1には、以下の技術事項が記載されている。

「光軸X上に配置される光源5から照射された光を入射面2にて照明用レンズ1内に取り込み、取り込んだ光の一部については、反射面3にて出射面4に向けて反射し、他の一部の光については、直接出射面4から前方に向けて出射させる照明用レンズ1において、
全体として、後方に曲面を向けた鐘形状を呈し、
鐘形の頂点部分を含む位置に、後方に向けて開口される開口部6を有する凹部7が形成され、
凹部7の内部の空間は、開口部6から前方に向かって凹み、
続きを表示(全23行)
凹部7の底面8には、凸面が後方に向く集光レンズ面9が第1入射面として形成され、
凹部7の内側面10は光軸Xを囲むように配置され第2入射面として形成され、
入射面2は、集光レンズ面9および内側面10を有し、
光源5から照射された光の一部は、集光レンズ面9から照明用レンズ1内に入射し、
他の一部の光は、内側面10から照明用レンズ1内に入射し、
出射面4は、
第1出射面としての集光レンズ面11と、
第2出射面として透過平面20とを有し、
集光レンズ面11は、
光軸Xとの交差部を有し、前方に向けて凸面が形成される集光レンズ面であり、
透過平面20は、
集光レンズ面11の周囲に配置され、屈折力が0の平面である透過平面であり、
集光レンズ面11は、
前方から見たときに、出射面4の中心部側に配置される円形の領域を占める形状となり、
凹レンズ面12は、
前方から見たときに、集光レンズ面11を囲むように出射面4の外周側に配置され、円環状の帯領域を占める形状となり、
集光レンズ面9から入射した光について、集光レンズ面11から第1照明光L1として出射させ、
内側面10から入射し反射面3で反射される光について、一部を第2出射面としての透過平面20から第2照明光L2として出射させると共に、他の光の一部を集光レンズ面11から第3照明光L3として出射させる
照明用レンズ1。」

(エ)周知文献1の「照明用レンズ1」は、本願発明の「投光レンズ」に相当する。そして、周知文献1の「照明用レンズ1」は、「全体として、後方に曲面を向けた鐘形状を呈し」ており、上記(周1a)に「光の進行方向あるいは前方(前側)、その反対方向を後方(後側)と記載する」との記載より、「後方」は「光の進行方向」「の反対方向」であって、「全体として、後方に曲面を向けた鐘形状」は、「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状」であるといえるから、周知文献1の「全体として、後方に曲面を向けた鐘形状を呈」する「照明用レンズ1」は、本願発明の「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成され」た「投光レンズ」に相当する。

(オ)周知文献1の「鐘形の頂点部分を含む位置」、「凹部7」及び「光源5」は、本願発明の「基端部」、「凹部」及び「光源」に相当する。そして、周知文献1の「光源5」は「光軸X上に配置され」、「凹部7の内側面10は光軸Xを囲むように配置され」ているから、周知文献1の「凹部7」は、「光源5」を囲んでいるといえる。

そうすると、周知文献1の「鐘形の頂点部分を含む位置に、後方に向けて開口される開口部6を有する凹部7が」「光源5」を囲むように「形成され」「照射レンズ1」は、本願の「基端部には、前記光源を囲む凹部が形成され」た「前記投光レンズ」に相当する。

(カ)周知文献1の「凹部7の底面8には、凸面が後方に向く集光レンズ面9が第1入射面として形成され」ており、「凹部7」の後方には、「光源5」があるから、周知文献1の「凹部7の底面8には、凸面が後方に向く集光レンズ面9が第1入射面として形成され」た構成は、本願の「前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であ」る構成に相当する。

(キ)周知文献1の「照明用レンズ1」は、「光源5から照射された光を入射面2にて照明用レンズ1内に取り込み」、「出射面4から前方に向けて出射させる」から、周知文献1の「出射面4」は、「照明用レンズ1」において「鐘形の頂点部分を含む位置」に形成された「凹部7」の「入射面2」とは反対側にあるから、周知文献1の「出射面4」は、「照明用レンズ1」において「鐘形の頂点部分を含む位置」の反対側にあるといえる。

また、周知文献1の「出射面4は、第1出射面としての集光レンズ面11と、第2出射面として透過平面20とを有し、集光レンズ面11は、光軸Xとの交差部を有し、前方に向けて凸面が形成される集光レンズ面であり、透過平面20は、集光レンズ面11の周囲に配置され、屈折力が0の平面である透過平面であ」るから、周知文献1の「照明用レンズ1」において「鐘形の頂点部分を含む位置」の反対側にある「出射面4」は、「集光レンズ面11の周囲に配置され、屈折力が0の平面である透過平面であ」る「透過平面20」を有し、「光軸Xとの交差部を有し、前方に向けて凸面が形成される集光レンズ面であ」る「集光レンズ面11」を有する構成は、本願発明の「前記投光レンズにおいて前記基端部とは反対側の出射面は、外周部分のみ平面部であり、中心部は凸レンズ形状に形成され」た構成に相当する。

(ク)周知文献1の「光源5から照射された光の一部は、集光レンズ面9から照明用レンズ1内に入射し」、「集光レンズ面9」は、「凹部7の底面8に」形成されているから、周知文献1の「光源5から照射された光の一部は」、「凹部7の底面8に」形成された「集光レンズ面9から照明用レンズ1内に入射」する構成は、本願発明の「前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」構成に相当する。

(ケ)上記(ア)~(ク)より、周知文献1には、本願発明の「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されており、前記投光レンズの基端部には、前記光源を囲む凹部が形成されており、前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であり、前記投光レンズにおいて前記基端部とは反対側の出射面は、外周部分のみ平面部であり、中心部は凸レンズ形状に形成されており、前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」「前記投光レンズ」に相当する構成が記載されているといえる。

イ 周知文献2に記載された技術事項

(ア)上記(周2a)~(周2c)より、周知文献2には、以下の技術事項が記載されている。

「中心の軸線が軸線Ozと一致し、軸対象であるレンズ10であって、
軸線Oz上の中心の寸法により規定され、半径方向の寸法がR1の凸型の入射面11であって、円形の端部輪郭(外周)とを有する凸型の入射面11と、
軸線Oz上の中心の寸法により規定され、半径方向の寸法がRAの凸型の中心出射面12であって、円形の端部輪郭(外周)とを有する凸型の中心出射面12と
中心出射面12に、不連続性なしに接合された周辺出射面13であって、平坦であり、且つ中心出射面から後退していて、端部A1を通過する円形の端部輪郭(外周)の環状面である周辺出射面13と、
続きを表示(全13行)
を含むレンズ10と、
回転軸が軸線Ozと一致する空洞10aであり、
入射面11から構成され、円形の端部輪郭(外周)の環状面を形成する平坦部11aまで延在している、底部110と、
カプラーの入射部の方向で口を広げている入射側面14、
を含む空洞10aと
レンズと空洞とを取り囲んでいて、入射側面14により屈折された斜光線と称する光線を完全に内部反射することができる、軸線Ozと一致する回転軸の周辺反射面15であって、光カプラーの出射部の方向に入射面11を越えて延在している周辺反射面15と、
を含んでいる光カプラー1において、
カプラー1は、円錐台形であってシステムの出射部の方向に裾広がりになっており、
光源50は、発光ダイオードであって、中心が軸線Oz上にある光カプラー1。」

(イ)周知文献2の「光カプラー1」は、本願発明の「投光レンズ」に相当する。そして、周知文献2の「光カプラー1」は、「円錐台形であってシステムの出射部の方向に裾広がりになって」いるから、本願発明の「投光レンズ」と、「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されて」いる点で一致する。

(ウ)周知文献2の「空洞10a」は、本願発明の「凹部」に相当する。そして、上記(周2d)より、周知文献2の「空洞10a」は、「光カプラー1」の基端部に「光源50」を囲むように形成されている点が見て取れるから、周知文献2の「光カプラー1」の基端部に「光源50」を囲むように形成された「空洞10a」は、本願発明の「前記投光レンズの基端部に」、「前記光源を囲む」ように「形成され」た「凹部」に相当する。

(エ)周知文献2の「空洞10a」の「底部110」は、本願発明の「前記凹部の底面」に相当する。周知文献2の「底部110」は、「凸型の入射面11」「から構成され」、上記(周2d)より、「入射面11」の「凸型」は、「光源50」に向けて凸となっている点が見て取れるから、周知文献2の「光源50」に向けて凸となる「凸型の入射面11」「から構成され」た「空洞10a」の「底部110」は、本願発明の「前記光源に向けて凸となる凸形状であ」る「前記凹部の底面」に相当する。

(オ)周知文献2の「中心出射面12」及び「周辺出射面13」は、上記(周2d)より「光カプラー1」において前記基端部とは反対側にある点が見て取れる。そうすると、周知文献2の「光カプラー1」において前記基端部とは反対側にある「平坦であり」、「円形の端部輪郭(外周)の環状面である周辺出射面13」と「凸型の中心出射面12」とは、本願発明の「外周部分のみ平面部であり、中心部は凸レンズ形状に形成され」た「前記投光レンズにおいて前記基端部とは反対側の出射面」に相当する。

(カ)周知文献2の「中心が軸線Oz上にある」「光源50」から出射された光のうち少なくとも一部は「空洞10a」の「底部110」から「光カプラー1」には入射することは明らかであるから、周知文献2の「中心が軸線Oz上にある」「光源50」から出射された光のうち少なくとも一部は「空洞10a」の「底部110」から「光カプラー1」には入射する構成は、本願発明の「前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」構成に相当する。

(キ)上記(ア)~(カ)より、周知文献2には、本願発明の「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されており、前記投光レンズの基端部には、前記光源を囲む凹部が形成されており、前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であり、前記投光レンズにおいて前記基端部とは反対側の出射面は、外周部分のみ平面部であり、中心部は凸レンズ形状に形成されており、前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」「前記投光レンズ」に相当する構成が記載されているといえる。

ウ 上記ア及びイより、周知文献1及び2には、何れも、「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されており、前記投光レンズの基端部には、前記光源を囲む凹部が形成されており、前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であり、前記投光レンズにおいて前記基端部とは反対側の出射面は、外周部分のみ平面部であり、中心部は凸レンズ形状に形成されており、前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」「前記投光レンズ」が記載されているといえるから、「投光レンズ」において、「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されており、前記投光レンズの基端部には、前記光源を囲む凹部が形成されており、前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であり、前記投光レンズにおいて前記基端部とは反対側の出射面は、外周部分のみ平面部であり、中心部は凸レンズ形状に形成されており、前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」レンズとする技術は、周知技術であるといえる。

第5 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

1 引用発明の「湿し水測定ヘッド51」は、「湿し水の厚みを演算する」ものであるから、本願発明の「光学式成分センサ」に相当する。そして、引用発明の「赤外光」は、本願発明の「所定の成分による吸収波長を含む出射光」に相当するから、引用発明の「赤外光を発生する光源61」は、本願発明の「所定の成分による吸収波長を含む出射光を発する光源」に相当する。

2 引用発明の「光源61」は、どのような状態で設置されているのか特定されていないものの、LEDなどの光源は、通常筐体内に収容されているものであるから、引用発明の「光源61」と本願発明の「光源」とは、「筐体」に「収容」されている点で一致しているといえる。

3 引用発明の「版胴21」及び「集光レンズ62」は、それぞれ、本願発明の「対象物」及び「投光レンズ」に相当する。そして、上記(引1b)より、「版胴21」は、「湿し水測定ヘッド51」の外部にある点が見て取れるから、「版胴21」は、「光源61」を収容する筐体の外部に位置することは明らかである。

そうすると、引用発明の「光源61」を収容する筐体の外部に位置する「版胴21」は、本願発明の「前記筐体の外部に位置している対象物」に相当する。

そして、引用発明の「光源61からの赤外光」は、「上記版胴21の版面での上記光源61からの赤外光の反射光」となるから、「この光源61からの赤外光を集光する集光レンズ62」は、「光源61からの赤外光」を、「版胴21の版面」に向けて出射しているといえる。

そうすると、引用発明の「光源61からの赤外光」を、「版胴21の版面」に向けて出射する「集光レンズ62」は、本願発明の「前記光源からの光を、前記筐体の外部に位置している対象物に向けて出射する投光レンズ」に相当し、引用発明の「上記版胴21の版面での上記光源61からの赤外光の反射光」は、本願発明の「前記対象物によって反射された光」に相当する。

4 引用発明の「干渉フィルタ64」及び「干渉フィルタ66」は、それぞれ、本願発明の「第1フィルタ」及び「第2フィルタ」に相当する。そして、引用発明の「干渉フィルタ64,66」には、「上記版胴21の版面での上記光源61からの赤外光の反射光の光路60を2つの光路60a,60bに分岐するハーフミラー63」「で分岐された赤外光」が入射し、本願発明の「第1フィルタ」及び「第2フィルタ」には、「前記対象物によって反射された光を集光する受光レンズ」「が集光した光」が入射する。

そうすると、引用発明の「干渉フィルタ64,66」に入射する「上記版胴21の版面での上記光源61からの赤外光の反射光の光路60を2つの光路60a,60bに分岐するハーフミラー63」「で分岐された赤外光」と、本願発明の「第1フィルタ」及び「第2フィルタ」に入射する「前記対象物によって反射された光を集光する受光レンズ」「が集光した光」とは、「前記対象物によって反射された光」である点で共通する。

5 引用発明の「2枚の干渉フィルタ64,66のうち、一方の干渉フィルタ64は、水の特性吸収波長を有する赤外光を透過させ」、「他方の干渉フィルタ66は、水の上記特性吸収波長とは異なる波長域に設定された参照波長を透過させる」ものであって、干渉フィルタにおいてはそれぞれ透過させる波長以外の光は、通常反射していることから、「一方の干渉フィルタ64」は、「水の特性吸収波長を有する赤外光」を透過し「水の上記特性吸収波長とは異なる波長域に設定された参照波長」を反射するものであって、「他方の干渉フィルタ66」は、「水の上記特性吸収波長とは異なる波長域に設定された参照波長」を透過し「水の特性吸収波長を有する赤外光」を反射するものであるといえる。そして、引用発明の「水の特性吸収波長を有する赤外光」及び「水の上記特性吸収波長とは異なる波長域に設定された参照波長」は、それぞれ本願発明の「第1波長帯の光」及び「第2波長帯の光」に相当する。

そうすると、引用発明の「水の特性吸収波長を有する赤外光」を透過し「水の上記特性吸収波長とは異なる波長域に設定された参照波長」を反射する「一方の干渉フィルタ64」及び「水の上記特性吸収波長とは異なる波長域に設定された参照波長」を透過する「他方の干渉フィルタ66」は、それぞれ、本願発明の「第1波長帯の光を透過し、第2波長帯の光を反射する第1フィルタ」及び「前記第2波長帯の光を透過する第2フィルタ」に相当する。

6 引用発明の「光電変換素子65aおよび65b」は、本願発明の「第1受光素子」及び「第2受光素子」に相当する。そして、フォトダイオード等の光電変換素子は通常筐体内に収容されているから、引用発明の「フォトダイオード等の光電変換素子65aおよび65b」も筐体内に収容されているといえる。また、引用発明の「光電変換素子65aおよび65b」は、「干渉フィルタ64および66からそれぞれ入射する赤外光を光電変換」し「光電変換出力」をそれぞれ出力するから、引用発明の「干渉フィルタ64および66からそれぞれ入射する赤外光を光電変換」し「それぞれ出力」された「光電変換出力」は、本願発明の「前記第1フィルタを透過した検知光を受光し」「変換」された「第1電気信号」及び「前記第2フィルタを透過した参照光を受光し」「変換」された「第2電気信号」に相当する。

そうすると、引用発明の筐体内に収容され、「干渉フィルタ64および66からそれぞれ入射する赤外光を光電変換」し「光電変換出力」を「それぞれ出力する」「フォトダイオード等の光電変換素子65aおよび65b」は、本願発明の「前記筐体内に収容され、前記第1フィルタを透過した検知光を受光し、第1電気信号に変換する第1受光素子」及び「前記筐体内に収容され、前記第2フィルタを透過した参照光を受光し、第2電気信号に変換する第2受光素子」に相当する。

7 以上1~6より、本願発明と引用発明との間には、以下の一致点及び相違点がある。

(一致点)「所定の成分による吸収波長を含む出射光を発する光源と、

前記光源を収容する筐体と、

前記光源からの光を、前記筐体の外部に位置している対象物に向けて出射する投光レンズと、

前記対象物によって反射された光のうち第1波長帯の光を透過し、第2波長帯の光を反射する第1フィルタと、

前記対象物によって反射された光のうち前記第2波長帯の光を透過する第2フィルタと、

前記筐体内に収容され、前記第1フィルタを透過した検知光を受光し、第1電気信号に変換する第1受光素子と、

前記筐体内に収容され、前記第2フィルタを透過した参照光を受光し、第2電気信号に変換する第2受光素子と、を備える

光学式成分センサ。」

(相違点1)第1フィルタ及び第2フィルタに入射する光について、本願発明は、「前記対象物によって反射された光を集光する受光レンズ」を備え、第1フィルタ及び第2フィルタに入射する光は、「前記受光レンズが集光した光」であって、「前記第1受光素子は、前記受光レンズの光軸上に配置され、当該受光レンズの焦点位置よりも前記受光レンズ側となるように配置されて」いるのに対し、引用発明には、受光レンズがない点。

(相違点2)前記投光レンズが、本願発明は、「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されており、前記投光レンズの基端部には、前記光源を囲む凹部が形成されており、前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であり、前記投光レンズにおいて前記基端部とは反対側の出射面は、外周部分のみ平面部であり、中心部は凸レンズ形状に形成されており、前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」ものであるのに対し、引用発明は単なる凸レンズであって、本願発明のような特定はない点。

第6 判断

上記相違点について検討する。

1 相違点1について

(1)技術事項2の「監視領域20内の物体」は、本願発明の「対象物」に相当する。そして、技術事項2の「レンズ」である「受光光学系26」は、本願発明の「受光レンズ」に相当する。

(2)技術事項2の「受光器28」は、本願発明の「第1受光素子」又は「第2受光素子」に相当する。

(3)技術事項2の「受光器28」は、「レンズ」である「受光光学系26」の光軸上であって、「受光光学系26の焦点面」である「平面とは一致しておらず」、結果として、「受光24が極力少数の受光素子30上に鮮明に結像されるのではなく、受光素子30のグループ上に広がって結像されるように、受光光学系26は意図的に焦点をぼかされている」ものである。

(4)また、上記(引2b)より、技術事項2の「受光器28」は、「レンズ」である「受光光学系26」の焦点面よりも「レンズ」である「受光光学系26」の対向側にあるものの、「受光器28」を、「受光光学系26の焦点面」である「平面とは一致し」ない位置に配置することは、「受光素子30のグループ上に広がって結像されるように」、「意図的に焦点をぼか」すためのものであって、「意図的に焦点をぼか」すために、「受光器28」を、「受光光学系26」の焦点面よりも「受光光学系26」側に配置することは、常套手段であるといえる。

(5)そうすると、技術事項2の「レンズ」である「受光光学系26」を、引用発明の「赤外光の反射光の光路60」に適用し、「上記版胴21の版面での上記光源61からの赤外光の反射光」を集光する「レンズ」である「受光光学系26」とし、「光電変換素子65a」は、「レンズ」である「受光光学系26」の光軸上に配置され、「レンズ」である「受光光学系26」の焦点位置よりも「受光光学系26」側となるように配置することは、当業者が容易に想到できたことであるといえる。

2 相違点2について

引用発明の「集光レンズ62」は、本願発明の「投光レンズ」と同様の光源からの光を対象物に照射するための「投光レンズ」であって、「投光レンズ」として、どのような構成の「投光レンズ」を使用するかは、使用する光源や対象物等に応じ適宜設定されるものであって、「投光レンズ」を、「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されており、基端部には、前記光源を囲む凹部が形成されており、前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であり、前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」レンズとする技術は、上記第4の3(2)ウで検討したとおり、周知技術であるから、引用発明の「集光レンズ62」として、該周知技術の「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されており、基端部には、前記光源を囲む凹部が形成されており、前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であり、前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」レンズとする技術とすることは、常套手段にすぎず、そうすると、上記相違点2は実質的な相違点であるとはいえない。仮に、上記相違点2が実質的な相違点であったとしても、上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到できたものであるといえる。

3 効果について

本願発明の奏する作用効果は、引用文献1~2に記載された技術及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

4 小括

以上のとおり、本願発明は、引用発明、技術事項2及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到できたものであるといえる。

第7 請求人の主張について

1 意見書における請求人の主張について

令和3年9月15日付け意見書において請求人は、引用文献1~5には、本願請求項1に係る投光レンズのような具体的形状が開示されていないから、これら引用文献1~5を組み合わせたとしても当業者が本願請求項1に係る発明を容易に想到できない旨主張している。

しかしながら、上記第4の3(2)ウで検討したとおり、「前記光を出射する方向に向かって徐々に幅経を拡大する円錐台状に形成されており、前記投光レンズの基端部には、前記光源を囲む凹部が形成されており、前記凹部の底面は、前記光源に向けて凸となる凸形状であり、前記投光レンズにおいて前記基端部とは反対側の出射面は、外周部分のみ平面部であり、中心部は凸レンズ形状に形成されており、前記光源から出射された光のうち少なくとも一部は、前記凹部の前記底面から前記投光レンズ内に入射する」「投光レンズ」は、周知文献1及び2に見られるように周知技術であって、本願請求項1に係る発明は、引用発明、技術事項2及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到できたものであるといえるから、上記請求人の主張は採用できない。

第8 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明、技術事項2及び周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-016654

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