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特許拒絶査定不服審判

2020-014933

提供装置、提供方法および提供プログラム

審判番号
2020-014933
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-238538外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年10月27日
審決日
2022年02月15日
公報発行日
2022年03月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-238538「提供装置、提供方法および提供プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 7月 2日出願公開、特開2020-101914、請求項の数(22)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 20項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成30年12月20日を出願日とする出願であって、手続の概要は以下のとおりである。

拒絶理由通知 :令和元年 9月27日(起案日)
手続補正 :令和元年12月 2日

拒絶理由通知(最後) :令和2年 3月 9日(起案日)

手続補正 :令和2年 5月14日
補正の却下の決定 :令和2年 7月17日(起案日)
拒絶査定 :令和2年 7月17日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :令和2年10月27日
手続補正 :令和2年10月27日

拒絶理由通知(当審) :令和3年10月 7日(起案日)

手続補正 :令和3年12月13日

第2 原査定の概要

原査定(令和2年7月17日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.(進歩性)本願請求項1-22に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

2.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載「配送の遅延率」が発明の詳細な説明に記載されておらず、この点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

引用文献等一覧

1.特開2013-114356号公報

2.特許第6280272号公報

3.特開2018-067288号公報

4.大竹秀明,Amazon個人輸入 はじめる&儲ける 超実践テク,株式会社技術評論社,2015年 7月25日,初版,p.70~73

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の請求項1-22に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の引用文献A-Dに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

A.特許第6280272号公報

B.大竹秀明,Amazon個人輸入 はじめる&儲ける 超実践テク,株式会社技術評論社,2015年 7月25日,初版,p.70~73

C.特開2018-67288号公報

D.米国特許出願公開第2013/0144800号明細書

第4 本願発明

本願請求項1-22に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明2」などという。)は、令和3年12月13日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-22に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

【請求項1】

電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する複数の評価のうち、所定の条件が満たされた場合に優先的に取引対象の情報が提示される旨が販売者に対して通知された種別の評価であって、少なくとも、取引対象が購入されてから当該取引対象を発送するまでの期間が所定の期間を超えた割合を示す出荷遅延率を含む複数の評価を示す評価情報を取得する取得部と、

前記販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する際の順序を算出する複数の要素のうち、所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく順序で、各取引対象に関する情報を提供する提供部と、

を有することを特徴とする提供装置。

なお、本願発明2-22の概要は以下のとおりである。

本願発明2-20は、本願発明1を減縮した発明である。

本願発明21、22は、それぞれ、本願発明1に対応する方法の発明、本願発明1に対応するコンピュータに実行させるための提供プログラムの発明であり、いずれも本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

第5 引用文献、引用発明等

1.引用文献Aについて

令和3年10月7日付けの拒絶の理由に引用された引用文献Aには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、決定装置、決定方法、及び決定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
続きを表示(全15行)
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、電子商取引サービス等によるインターネットを介した販売が盛んになっている。例えば、オンラインショッピングに関し、他の利用者(ユーザ)によって商品確保されている商品に対してキャンセル待ちを可能とする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-339314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、販売元に関するサービスの提供態様を適切に決定することができるとは限らない。例えば、ユーザに商品に対してキャンセル待ちを可能とするだけでは、電子商取引サービスにおける販売元が欠品等の理由によりキャンセル等が発生している場合に、電子商取引サービスに対するユーザの満足度が低下することを抑制することが難しい。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、販売元に関するサービスの提供態様を適切に決定する決定装置、決定方法、及び決定プログラムを提供することを目的とする。」
「【0012】
また、図1では、決定装置100がユーザが入力したクエリ(検索クエリ)に対応する商品に関する情報(以下、「商品情報」ともいう)を提供する場合を示す。なお、図1の例では、ユーザが入力したクエリに対応する商品情報の一覧をユーザに提供する場合を示すが、ユーザによる購入の意思を取得可能であれば、どのような態様であってもよい。
【0013】
図1に示すように、決定システム1には、端末装置10と、販売元装置20と、決定装置100とが含まれる。端末装置10と、販売元装置20と、決定装置100とは図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。また、図1に示した決定システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の販売元装置20や、複数台の決定装置100が含まれてもよい。」
「【0017】
決定装置100は、一の販売元におけるキャンセルに関する情報に基づいて、一の販売元に関するサービスの提供態様を決定する情報処理装置である。図1の例では、決定装置100は、一の販売元であるストアXにおけるキャンセルに関する情報に基づいて、ストアXに関するサービスの提供態様を決定する。
【0018】
また、決定装置100は、端末装置10から取得したクエリに対する検索結果を端末装置10に提供する検索サービスを提供する。図1の例では、決定装置100は、商品情報が並べられたランキング情報を、クエリの送信元である端末装置10へ提供する。また、図1に示す例では、決定装置100が電子商取引サービスを提供するものとする。」
「【0020】
図1に示す例では、決定装置100は、商品情報記憶部121に示すように、各販売元が販売する商品に関する情報を有する。図1中の商品情報記憶部121に示す「ストア」は、対応する商品の販売元であるストアを示す。図1中の商品情報記憶部121に示す「商品ID」は、商品を識別するための識別情報を示す。図1中の商品情報記憶部121に示す「商品名」は、商品の具体的な名称等を示す。図1中の商品情報記憶部121に示す「価格」は、対応する商品の売値を示す。図1中の商品情報記憶部121に示す「在庫数」は、対応する商品の在庫数を示す。「在庫数」には、対応する販売元の申告に基づく商品の在庫数が登録される。例えば、「在庫数」には、在庫数を入力しない状態すなわち「-」が登録される状態が可能である。例えば、「在庫数」に、「-」が登録されている場合、全注文(購入依頼)を受け付ける、いわゆる無限在庫を意味する。」
「【0025】
まず、決定装置100は、ユーザU1が利用する端末装置10-1からクエリを取得する(ステップS11)。図1の例では、決定装置100は、端末装置10-1からクエリ「ワイン」を取得する。図1に示す例において、ユーザU1は、端末装置10-1の画面に表示された決定装置100が提供する電子商取引サービスに関するショップサイトAのページW11中の検索窓にクエリ「ワイン」を入力し、検索ボタンを押下する。そして、端末装置10-1は、決定装置100へクエリ「ワイン」を送信する。
【0026】
端末装置10からクエリ「ワイン」を取得した決定装置100は、クエリに対応する商品情報を抽出する。図1の例では、決定装置100は、索引情報記憶部122(図4参照)に記憶された情報に基づいて、商品情報記憶部121からクエリに対応する商品情報を抽出する。
続きを表示(全14行)
【0027】
なお、図1では、説明を簡単にするために、図4中の索引情報記憶部122に示す「#1」~「#5」等は、索引に対応する商品情報の順位に対応するものとする。すなわち、図1の例では、図4中の索引情報記憶部122に示すように、クエリ「ワイン」に対応する商品のうち、ランキング(順位)1位は商品GD7であり、ランキング2位は商品GD11であり、ランキング3位は商品GD1であり、ランキング4位は商品GD2であるものとする。なお、各索引に対応する対応商品の順位の決定は、クエリを取得した際に所定のランキング決定ロジックにより行われてもよい。
【0028】
図1の例では、決定装置100は、索引情報記憶部122(図4参照)に基づいて、クエリ「ワイン」に対応する商品情報を商品情報記憶部121から抽出する。具体的には、決定装置100は、商品情報記憶部121から、ストアVが販売するワインVである商品GD7やストアXが販売するワインXである商品GD11やストアAが販売するワインAである商品GD1やストアBが販売するワインBである商品GD2等を抽出する。
【0029】
その後、決定装置100は、抽出した商品情報を含む対応商品一覧を端末装置10へ提供する(ステップS12)。図1の例では、決定装置100は、ランキング情報RK11を端末装置10-1へ提供する。
【0030】
決定装置100からランキング情報RK11を提供された端末装置10は、ランキング情報RK11を表示する(ステップS13)。図1の例では、端末装置10-1から端末装置10-2へ表示が遷移される。
【0031】
端末装置10-2の画面には、検索結果を一覧表示する一覧ページW12が表示される。具体的には、端末装置10-2の画面には、クエリ「ワイン」に対応する検索結果を表示する一覧ページW12が表示される。図1の例では、端末装置10-2の画面には、ランキングが1位である商品GD7、2位である商品GD11、3位である商品GD1、4位である商品GD2の順に商品情報が並べて表示される。」
「【0050】
〔2.決定装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る決定装置100の構成について説明する。図2は、実施形態に係る決定装置の構成例を示す図である。図2に示すように、決定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、決定装置100は、決定装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。」
「【0052】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、図2に示すように、商品情報記憶部121と、索引情報記憶部122と、取引履歴情報記憶部123と、販売元情報記憶部124とを有する。」
「【0061】
(索引情報記憶部122)
実施形態に係る索引情報記憶部122は、索引に関する各種情報を記憶する。図4は、実施形態に係る索引情報記憶部の一例を示す図である。図4に示す索引情報記憶部122は、「索引ID」、「索引」、「対応商品」といった項目を有する。また、「対応商品」には、「#1」、「#2」、「#3」、「#4」、「#5」といった項目を有する。
【0062】
「索引ID」は、索引を識別するための識別情報を示す。「索引」は、索引(インデックス)を示す。「対応商品」中の「#1」、「#2」、「#3」、「#4」、「#5」は、索引に対応する商品情報を示す。なお、「#1」~「#5」等は、索引に対応する商品情報の順位に対応してもよい。例えば、「対応商品」中の「#1」は、索引に対応する商品情報のうちランキングが「1位」の商品情報であってもよい。また、「対応商品」中の「#2」は、索引に対応する商品情報のうちランキングが「2位」の商品情報であってもよい。」
「【0076】
(制御部130)
図2の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(決定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0077】
続きを表示(全20行)
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、抽出部132と、決定部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0078】
(取得部131)
例えば、取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、商品情報記憶部121や索引情報記憶部122や取引履歴情報記憶部123や販売元情報記憶部124から各種情報を取得する。また、取得部131は、端末装置10や販売元装置20等の外部の情報処理装置から各種情報を取得する。
【0079】
例えば、取得部131は、端末装置10から検索におけるクエリを取得する。例えば、取得部131は、ユーザU1が利用する端末装置10からクエリを取得する。図1の例では、取得部131は、端末装置10-1からクエリ「ワイン」を取得する。
【0080】
例えば、取得部131は、電子商取引サービスにおいて商品を販売する一の販売元におけるキャンセルに関する情報を取得する。例えば、取得部131は、販売元情報記憶部124から電子商取引サービスにおいて商品を販売する一の販売元におけるキャンセルに関する情報を取得する。例えば、取得部131は、一の販売元が利用する販売元装置20から一の販売元におけるキャンセルに関する情報を取得する。
【0081】
図1の例では、取得部131は、端末装置10-1からクエリ「ワイン」を取得する。
また、取得部131は、端末装置10-2からユーザU1がワインXの購入情報を取得する。また、取得部131は、ストアXの販売元装置20からワインXを欠品によりキャンセルすることを示す情報を取得する。
【0082】
(抽出部132)
抽出部132は、種々の情報を抽出する。例えば、抽出部132は、クエリに対応する検索結果を抽出する。例えば、抽出部132は、取得部131により取得されたクエリに対応する検索結果を抽出する。例えば、抽出部132は、端末装置10から送信されたクエリに対応する検索結果を抽出する。
【0083】
図1の例では、抽出部132は、クエリに対応する商品情報を抽出する。例えば、抽出部132は、索引情報記憶部122(図4参照)に記憶された情報に基づいて、商品情報記憶部121からクエリに対応する商品情報を抽出する。」
「【0089】
例えば、決定部133は、一の商品の在庫数を変更することにより、電子商取引サービスにおける一の商品の販売が可能になることを示す情報を、一の販売元に提供すると決定する。例えば、決定部133は、一の販売元におけるキャンセルが所定の条件を満たす場合、一の販売元に関する情報のユーザへの提供態様を変更する。例えば、決定部133は、一の販売元が販売する商品のユーザへ情報提供する順位を低下させる。
【0090】
図1の例では、決定部133は、ストアXの在庫情報を更新する。また、決定部133は、商品情報記憶部121に記憶されたストアXのワインXの在庫情報を更新する。また、決定部133は、商品情報記憶部121に記憶されたストアXのワインXの在庫数を「5」から「0」に更新する。また、決定部133は、商品情報記憶部121に記憶されたストアXのワインXのフラグを「0」から「1」に更新する。また、決定部133は、決定装置100は、ストアXのワインXの販売を不可能にすると決定する。例えば、決定部133は、ストアXのワインXの在庫数を変更することにより、ワインXの販売が可能になることを示す情報を、ストアXに提供すると決定する。例えば、決定部133は、ストアXのワインXのフラグを「0」の戻すことにより、ワインXの販売が可能になることを示す情報を、ストアXに提供すると決定する。
続きを表示(全13行)
【0091】
(提供部134)
提供部134は、端末装置10や販売元装置20等の外部の情報処理装置へ各種情報を提供する。例えば、提供部134は、決定部133による決定に応じて各種サービスを提供する。
【0092】
例えば、提供部134は、決定部133により決定された一の販売元に関するサービスの提供態様に基づいて、一の販売元のサービスを提供する。例えば、提供部134は、一の販売元におけるキャンセルに関する情報を含むレポート情報を一の販売元へ提供する。
【0093】
例えば、提供部134は、一の販売元におけるキャンセルが所定の条件を満たす場合、一の販売元へ所定の情報を提供する。例えば、提供部134は、一の販売元におけるキャンセルが欠品である場合、欠品によりキャンセルされた商品を示す情報を一の販売元へ提供する。例えば、提供部134は、一の販売元における欠品によるキャンセルが所定の回数以上発生した場合、一の販売元へ所定の警告を行う。例えば、提供部134は、一の商品の在庫数を変更することにより、電子商取引サービスにおける一の商品の販売が可能になることを示す情報を、一の販売元に提供する。
【0094】
例えば、提供部134は、抽出部132により抽出されたコンテンツ(商品情報)を端末装置10へ提供する。例えば、提供部134は、抽出部132により決定されたランキングに基づく検索結果を外部の情報処理装置へ提供する。例えば、提供部134は、抽出部132により決定されたランキングに基づく検索結果をクエリの送信元である端末装置10へ提供する。」
「【0109】
図9の例では、決定装置100は、索引情報記憶部122(図4参照)に基づいて、クエリ「ワイン」に対応する商品情報を商品情報記憶部121から抽出する。具体的には、決定装置100は、商品情報記憶部121から、ストアVが販売するワインVである商品GD7やストアXが販売するワインXである商品GD11やストアAが販売するワインAである商品GD1やストアBが販売するワインBである商品GD2等を抽出する。
【0110】
そして、例えば、決定装置100は、各ストアのキャンセル情報に基づいて、ランキングを低下させる商品を決定する。決定装置100は、検索対象として抽出された商品のうち、欠品によるキャンセル数が所定の閾値以上であるストアの商品が含まれるかを判定する。図9の例では、決定装置100は、欠品によるキャンセル数が10回以上であるストアの商品が含まれるかを判定する。図9の例では、決定装置100は、販売元情報記憶部124に記憶された各ストアのキャンセル情報に基づいて、ランキングを低下させる商品を決定する。
続きを表示(全16行)
【0111】
図9中の販売元情報記憶部124に示すように、ストアXの欠品によるキャンセル数は、「10」回であり、閾値「10」以上であるため、決定装置100は、ストアXが販売するワインXのランキング(順位)を低下させると決定する(ステップS32)。図9の例では、決定装置100は、ストアXが販売するワインXの順位を2位だけ低下させると決定する。この場合、決定装置100は、ストアXが販売するワインXの順位を2位から4位に低下させると決定する。すなわち、決定装置100は、商品GD7を1位とし、商品GD1を2位とし、商品GD2を3位とし、商品GD11を4位にすると決定する。
【0112】
なお、決定装置100は、ストアXが販売するワインXの順位を2位に限らず、1位や3位以上低下させると決定してもよい。また、決定装置100は、ストアXが販売するワインXをランキング外にすると決定し、ストアXが販売するワインXをユーザに提供しなくてもよい。
【0113】
その後、決定装置100は、抽出した商品情報を含む対応商品一覧を端末装置10へ提供する(ステップS33)。図9の例では、決定装置100は、ランキング情報RK21を端末装置10-1へ提供する。
【0114】
決定装置100からランキング情報RK21を提供された端末装置10は、ランキング情報RK21を表示する(ステップS34)。図9の例では、端末装置10-1から端末装置10-2へ表示が遷移される。
【0115】
端末装置10-2の画面には、検索結果を一覧表示する一覧ページW12が表示される。具体的には、端末装置10-2の画面には、クエリ「ワイン」に対応する検索結果を表示する一覧ページW12が表示される。図9の例では、端末装置10-2の画面には、ランキングが1位である商品GD7、2位である商品GD1、3位である商品GD2、4位である商品GD11の順に商品情報が並べて表示される。
【0116】
上述したように、決定装置100は、欠品等のストア都合のキャンセルが多いストアの商品のランキングを低下させることにより、欠品等のストア都合のキャンセルが多いストアにペナルティ(不利益)を与える。これにより、決定装置100は、ストアに在庫情報をできる限り最新の状態に保つようにする動機づけを与えることにより、商品情報記憶部121に記憶された情報の正確性を向上させることができる。また、決定装置100は、ストアにストア都合によるキャンセルを発生させないようにする動機づけを与えることにより、ユーザに提供するサービスを向上させることができる。」

以上の記載によれば、上記引用文献Aには次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

<引用発明>

「端末装置10から取得したクエリに対する検索結果を、商品情報が並べられたランキング情報として端末装置10へ提供する検索サービスと、電子商取引サービスとを提供する決定装置100であって(【0018】)、
各販売元が販売する商品に関する情報を記憶する商品情報記憶部121と(【0020】)、
索引に対応する商品情報をランキング(順位)に対応して記憶する索引情報記憶部122と(【0027】【0062】)、
端末装置からクエリを取得するとともに、電子商取引サービスにおいて商品を販売する一の販売元におけるキャンセルに関する情報を取得する取得部131と(【0079】【0080】)、
索引情報記憶部122に記憶された情報に基づいて、商品情報記憶部121からクエリに対応する商品情報を抽出する抽出部132と(【0083】)、
検索対象として抽出された商品のうち、欠品によるキャンセル数が所定の閾値以上であるストアの商品に対し、ランキング(順位)を低下させる決定部133と(【0089】【0110】【0111】)、
一の販売元におけるキャンセルに関する情報を含むレポート情報を一の販売元へ提供するとともに(【0048】【0092】)、抽出部132により決定されたランキング(順位)に基づく検索結果をクエリの送信元である端末装置10へ提供する提供部134と(【0092】【0094】)、を備え、
端末装置10の検索結果の画面には、ランキング(順位)の順に商品情報が並べて表示される(【0115】)、
決定装置(【0050】)。」

2.引用文献B~Dについて

(1)令和3年10月7日付けの拒絶の理由に引用された引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。

ア.『Amazonマーケットプレイスでは「顧客満足指数」という、Amazonが出品者を評価する基準があります。この指数が低くなると、この先で詳しく説明する「ショッピングカート獲得」が困難になり、最悪の場合アカウントの停止などにもつながります。』(70ページ下から3行目~最下行)

イ.『「顧客満足指数」には、「注文不良率」「キャンセル率」「出荷遅延率」「ポリシー違反」「回答時間」の5つの要素があります。Amazonでは「注文不良率:1%未満」「出荷前キャンセル率:2.5%未満」「出荷遅延率:4%未満」を1つの基準として定めていますが、中でももっとも重要視されているのが「注文不良率」です。』(71ページ2行目~5行目)

(2)令和3年10月7日付けの拒絶の理由に引用された引用文献Cには、図面とともに次の事項が記載されている。

『端末装置10から取得したクエリに対する検索結果を、商品情報が並べられたランキング情報として端末装置10へ提供する検索サービスと、電子商取引サービスとを提供する提供装置100であって(【0019】)、

ユーザU1が利用する端末装置10-1からクエリ「ワイン」を取得し(【0026】)、

クエリの送信元のユーザが所定の条件を満たす優良ユーザであるかを判定し(【0028】)、

優良ユーザであると判定されると、ワインを販売するストアのうち、売上が1500万円を超えるストアXを抽出し(【0031】)、

その後、抽出されたストアXが販売するワインの販促割合が、他のストアが販売するワインの販促割合を上回るように、上乗せ分の値を決定し、販促割合に上乗せ分を加えて販促割合を変更し(【0032】)、

その後、取得したクエリに対応する商品情報を抽出し(【0033】)、

端末装置10へ提供する一覧ページW12中に、販促割合が設定された商品が優先的に表示される領域AR11と、領域AR11の下部に、販促割合が設定されていない商品を表示する領域AR12を設け(【0035】【0039】)、

クエリ「ワイン」に対応する販促割合が設定された商品のうち、販促割合の合計値が高い順に2つの商品を決定して、当該商品を領域AR11に表示する商品として決定し(【0037】)、

領域AR12には、索引情報記憶部122に記憶された「ワイン」に対応する商品のランキングに基づき(【0034】)、ランキング1位から順にクエリ「ワイン」に対応する商品が表示されるようなランキング情報RK11を提供し(【0039】)、

決定した商品情報を含む対応商品一覧を端末装置10へ提供する(【0040】)、

提供装置。』

(3)令和3年10月7日付けの拒絶の理由に引用された引用文献Dには、図面とともに次の事項が記載されている。

ア.「[0029]FIG. 1 is a block diagram of a merchant trustworthiness evaluator (MTE) system for evaluating the trustworthiness of online merchants in accordance with one embodiment. MTE 106 includes several databasesand modules, including customer order database 110, merchant database 114, shipment carrier database 116, automated shipment module 118, evaluation engine 120, customer transaction module 123, merchant transaction module 125, complaint tracking module 127, and merchant profile database 122. 」

(当審訳:[0029]図1は、一実施形態による、オンライン販売業者の信頼性を評価するために、販売業者の信頼性評価装置(MTE)システムのブロック図である。MTE106は、幾つかのデータベースとモジュールを含み、顧客注文データベース110、販売業者データベース114、配送業者データベース116、自動配送モジュール118、評価エンジン120、顧客取引モジュール123、商取引モジュール125、苦情追跡モジュール127、および販売業者プロフィールデータベース122を含む。)

イ.「[0040]Once merchant transaction module 125 receives a set of tracking numbers and associated order numbers, evaluation engine 120 matchesthe order numbers with those stored in customer order database 110. Evaluation function module 120 scores merchants 104 based on a comparison ofpromised or estimated ship dates and actual outcomes. In one embodiment, merchants are evaluated with respect to when an order was tendered tothe shipment carrier; in an alternative embodiment, evaluations are alsobased on when the order was delivered by the shipper to the destinationaddress.」

(当審訳:[0040]商取引モジュール125が、追跡番号および関連する注文番号のセットを受信すると、評価エンジン120は顧客注文データベース110に格納されたものと注文番号で照合する。評価関数モジュー120は、約束されたまたは推定された出荷日と実際の結果との比較に基づいて販売業者104を採点する。一実施形態では、販売業者は、いつ注文品が配送業者に渡されたかについて評価され、別の実施例において、評価はまた、いつ注文品が配送業者によって配送先住所に届けられたかに基づいている。」

ウ.「[0042]FIG. 3 illustrates a method for evaluating a merchant in accordance with one embodiment. As described above with respect to FIG. 2,shipment data is collected for each order fulfilled by the merchant 104,and the merchant's profile is updated to include performance data. To evaluate a merchant, evaluation engine 120 retrieves 302 merchant data from merchant profile database 122. The merchant data includes indicia ofan estimated ship date and an actual ship date for each tracked order fulfilled by the merchant 104. In some embodiments, the merchant data alsoincludes an estimated delivery date and an actual delivery date. Evaluation engine 120 then scores 304 each order according to a scoring function. In one embodiment, a merchant is awarded a score for meeting the ship date estimate, and receives no points for missing the deadline. In analternative embodiment the scoring function awards a number of points tothe merchant for tendering the shipment to the shipper on the estimatedship date, and decays the number of points awarded according to a decayfunction for each day of delay. In one embodiment, points are added tothe baseline number for each day in advance of the promised ship date the merchant tendered the shipment. In embodiments where the merchant is evaluated based on delivery date to the customer, a similar scoring function is applied. In some embodiments, the score awarded based on tender date is weighted relative to the score awarded based on delivery date, toincrease or decrease the significance of each measure according to thepreference of the implementer.」

(当審訳:[0042]図3は、一実施形態において販売業者を評価するための方法を示している。図2に関して上述したように、配送データが販売業者104により各注文に対して収集され、販売業者のプロファイルが、実績データを含むように更新される。販売業者を評価するために、評価エンジン120は販売業者プロフィールデータベース122から販売業者データを検索する302。販売業者データは、その販売業者によって遂行された、それぞれの追跡された注文について、推定された出荷日と実際の出荷日の証印を含む。いくつかの実施形態において、販売業者データは、また、予定配達日および実際の配達日を含む。評価エンジン120は、その後、スコアリング関数に従って各注文を採点する304。一実施形態において、販売業者は、出荷日が推定と一致するとスコアが与えられ、期限を守れなかったためのポイントを受け取らない。別の実施形態では、スコアリング関数は、推定された出荷日に配送業者に出荷を行えばいくらかのポイントを与え、遅延1日毎の減少関数に応じて付与されるポイントの数を減らす。一実施形態において、ポイントは、約束された出荷日に先だって販売業者が出荷を行った日ごとに基準数に加えられる。販売業者が顧客への配達日に基づいて評価される実施形態において、類似のスコアリング関数が適用される。いくつかの実施形態では、出荷日に基づいて与えられるスコアは、配達日に基づいて与えられるスコアに対して重み付けされ、実施者の好みに応じて各測定値の重要性を増加もしくは減少させる。)

エ.「[0053]In another embodiment, these performance metrics may be displayed in conjunction with search results on a web page. For example, FIG. 7 illustrates an excerpt from a page 700 of search results. The firstresult 702 includes a badge 704 and an indication that the store is a Trusted Store. Hovering over the indication causes a popup window 706 to be created showing the determined scores for the merchant.」

(当審訳:[0053]別の実施形態では、これらの実績測定値は、ウェブページ上において、検索結果と共に表示されてもよい。例えば、図7は、検索結果のページ700の一部を示す図である。最初の結果702は、バッジ704と、このストアがTrusted Storeであることが表示されている。この表示上にホバリングすると、ポップアップウインドウ706が生成され、販売業者の決定されたスコアを表示する。」

オ.「[0059]Thus, a merchant can notify potential customers of its scores as indicated above either through its own web page, through ads placedon other web sites such as search engine sites, or in association withorganic search engine results that are returned in conjunction with a web search using a search engine. For example, a method for displaying search results is illustrated in FIG. 12. MTE 106 builds 1202 merchant profiles as described above, and stores the profiles in merchant profile database 122. A search engine, is operated in association with or in communication with MTE 106 receives 1204 a search request from a user. The search engine executes the search request and obtains 1206 a list of organic search results matching the search query and, in some embodiments, advertising creatives to be served along with the results. The search engine then obtains 1208, e.g., by request from MTE 106, scores for each advertised merchant that has a merchant score, and in various embodiments also retrieves merchant scores for those merchants appearing in the organic search results. The search results and advertisements are then displayed 1210 along with badges or other indicia as described above. In some embodiments, merchants having a score are displayed before those having no score, and merchants having higher scores are listed before merchantshaving lower scores.」

(当審訳:[0059]このように、販売業者は、販売業者自身のウェブページを通して、検索エンジンサイトのような他のウェブサイト上に置かれた広告を通して、検索エンジンを用いたウェブ検索と関連して返された系統的検索エンジン結果と共に、上述したスコアを潜在的顧客に通知することができる。例えば、検索結果を表示する方法が図12に示されている。MTEは、上述のように販売業者プロフィールを生成し1202、そのプロフィールを販売業者プロフィールデータベース122に格納する。検索エンジンは、MTE106と連携または通信して動作され、ユーザから検索要求を受信する1204。検索エンジンは検索要求を実行し、検索クエリに一致する系統的検索結果のリストと、いくつかの実施形態では、この結果とともに提供される広告制作物を取得する1206。検索エンジンは、次いで、MTE106からの要求により、販売業者スコアを有する広告された各販売業者のスコアを取得し、様々な実施形態において、さらに系統的検索結果に現れるこれらの販売業者の販売業者スコアを検索する。検索結果と広告は、上述したバッジあるいは他の印と共に表示される1210。いくつかの実施形態において、スコアを有する販売業者は、スコアを有しない販売業者より前に表示され、より高いスコアを有する販売業者は、より低いスコアを有する販売業者より前にリストされる。)

カ.「[0060]In the context of a shopping aggregation site, which displays a list of merchants from whom a particular product is available, the site can indicate next to some or all merchants what score or rating hasbeen assigned by MTE 106 to those merchants. In some embodiments, MTE 106 may itself be the online shopping aggregation site. 」

(当審訳:[0060]ショッピング集合サイトの環境において、このサイトは、特定の製品を入手できる販売業者のリストを表示し、MTEによって販売業者にどれだけのスコアまたはレートが与えられたかを、いくつか又はすべての販売業者に隣接して表示することができる。いくらかの実施形態において、MTE106は、それ自身、このオンラインショッピング集合サイトである。)

前記ア~カによれば、引用文献4には、次の事項が記載されている。

<引用文献4の記載事項>

「オンライン販売業者の信頼性を評価するための販売業者信頼性評価装置(MTE)106であって、
MTEの評価エンジン120は、スコアリング関数に従って実際の出荷日が約束されたまたは推定された出荷日と一致すると販売業者にスコアを与え、期限を守れないとポイントを与えず、あるいは、推定された出荷日に配送業者に出荷を行えばいくらかのポイントを与え、遅延1日毎の減少関数に応じて付与されるポイントの数を減らし([0040][0042])、
顧客への配達日に基づいて販売業者を評価する場合には、出荷日と類似のスコアリング関数を適用し([0042])、
前記スコアは、ウェブ検索の検索結果と共に表示することができ([0059])、
検索結果には、バッジ704と、このストアがTrusted Storeであることが表示され、この表示上にホバリングすると、ポップアップウインドウ706が生成されて販売業者のスコアが表示され([0053])、
検索結果は、スコアを有する販売業者がスコアを有しない販売業者より前に表示され、より高いスコアを有する販売業者は、より低いスコアを有する販売業者より前にリストされ([0059])、
ショッピング集合サイトの環境では、MTE106は、それ自身がオンラインショッピング集合サイトである([0060])、
販売業者信頼性評価装置(MTE)。」

3.引用文献1~4について

(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、例えば情報提供が可能なWebサイトにおいて、ユーザが取引対象を選択しようとしたときに有用な情報を提供可能な情報処理装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
続きを表示(全17行)
従来から、取引対象の取引(例えば商品の購入)の情報提供が可能なWebサイトが知られている。このようなWebサイトには、例えば、ユーザが購入した商品に関する情報を購入履歴として自動的に登録する機能や、ユーザが気に入った(気になる)商品を選択することでその商品に関する情報を所定の参照リストに登録する機能などがある。ここで、参照リストとは、例えば取引対象に関する情報への参照を保持するリストである。このような参照リストに登録する機能としては、例えば、お気に入り登録やブックマーク登録等が知られている。これにより、ユーザは、参照リストからその取引対象に関する情報へ簡単にアクセスすることができる。
【0003】
ところで、上記取引対象の登録数(例えば、ブックマークエントリ数)が多くなると、ユーザは、参照したいWebページを探し出して指定することが難しくなるという問題がある。この問題を解決するため、特許文献1には、ブックマークエントリを、参照日時情報に基づき参照時間順に並び替え可能とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-334120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したように登録数が多くなると、たとえ特許文献1で提案されたようにブックマークエントリを並び替えたとしても、ユーザは、購入履歴や参照リストに登録された商品を全て覚えておくことは困難である。そのため、例えばユーザが過去に購入した商品又は参照リストに登録した商品の中に、より有利な(お得な)商品があるにも関わらず、それより不利な商品を購入又は参照リストに登録してしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、以上の問題等に鑑みてなされたものであり、ユーザにとって不利な取引や不利な取引対象の登録を未然に防ぐことが可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理プログラムが記録された記録媒体を提供することを課題とする。」
「【0035】
情報提供サーバ1(本発明における情報処理装置の一例)は、例えば、商品(取引対象の一例)の購入(取引の一例)が可能な電子商店街やインターネットオークションに関する各種処理を実行するサーバ装置である。ユーザは、電子商店街を利用することにより、所望の店舗から所望の商品を購入することができる。また、ユーザは、オークションで商品を出品したり、出品されている商品を入札したりすることができる。情報提供サーバ1は、店舗端末2やユーザ端末3からのリクエストに応じて、例えば、電子商店街やオークションのWebページを送信したり、商品の検索、購入、出品、入札等に関する処理を行ったりする。」
「【0039】
図2は、本実施形態に係る情報提供サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、情報提供サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、入出力インターフェース13と、システム制御部14と、を備えている。そして、システム制御部14と入出力インターフェース13とは、システムバス15を介して接続されている。なお、情報提供サーバ1は、Webサーバ、アプリサーバ、及びデータベースサーバ等の複数のサーバ装置で構成され、これらのサーバが互いにLAN等で接続されてもよい。」
「【0042】
また、記憶部12には、会員情報DB(データベース)12a、ジャンル情報DB12b、店舗情報DB12c、商品情報DB12d、閲覧履歴DB12e、購入履歴(取引履歴の一例)DB12f、参照リスト登録履歴DB12g等のデータベースが構築されている。なお、これらの各種DBの全部又は一部は、情報提供サーバ1がアクセス可能な所定のサーバの記憶手段に設けられてもよい。」
「【0045】
図3(c)は、店舗情報DB12cに記録される項目の一例を示す図である。店舗情報DB12cには、電子商店街に出店した店舗に関する店舗情報が記録される。店舗は、取引対象としての商品を提供する提供者の一例である。具体的に、店舗情報DB12cには、店舗ID、パスワード、店舗名、郵便番号、住所、電話番号、電子メールアドレス、及び店舗に対する評価(レビュー)情報等の店舗の属性が、店舗毎に対応付けて記録される。ここで、店舗IDは、店舗毎に固有の識別情報である。店舗ID及びパスワードは、ログイン処理に使用される認証情報である。店舗に対する評価情報は、例えば「1~5」までの評価点で表され、評価点が高いほど評価が高い。この評価点は、例えば、店舗から商品を購入した各ユーザにより入力(Webページ上で入力)された評価点の平均とされる。評価点が高い店舗ほどユーザにとって満足度の高い店舗ということができる。
【0046】
図3(d)は、商品情報DB12dに記録される項目の一例を示す図である。商品情報DB12dには、電子商店街に出品された商品に関する商品情報が記録される。具体的に、商品情報DB12dには、商品ID、商品を販売する店舗の店舗ID、商品コード、商品が属するジャンルのジャンルID、関連商品リスト、商品名、商品画像のURL(Uniform Resource Locator)、商品説明、商品数量、商品価格、発売時期、商品の版数(バージョンナンバー)は、付与ポイント(ポイント付与率)、商品の在庫数、支払方法、配送方法、配送日数及び配送料金等の情報が、商品毎及び店舗毎に対応付けて記録される。ここで、商品IDは、商品毎に固有の識別情報であり、同一の商品であっても販売する店舗が異なれば商品IDも異なる。商品コードは、商品を識別するコード番号である。商品コードとしては、例えば、JAN(Japanese Article Number Code)コード等があり、販売する店舗が異なっても同一の商品であれば商品コードも同一である。商品が属するジャンルのジャンルIDは、例えば、最上位レベル1~最下位レベル5における各ジャンルのジャンルIDである。」
「【0062】
そして、情報提供サーバ1は、ユーザ端末3から上記商品選択直前情報を含むリクエストを受信すると、図4(A)に示す処理を開始する。図4(A)に示すステップS1では、情報提供サーバ1のシステム制御部14は、受信されたリクエストに含まれる商品選択直前情報から、商品ID、店舗ID、及びボタン属性等の情報を取得する。
【0063】
次いで、システム制御部14は、ステップS1で取得された商品IDに基づき、ユーザにより選択されようとする商品を特定する(ステップS2)。次いで、システム制御部14は、上記リクエストを送信したユーザ端末3のユーザの履歴(つまり、受信されたリクエストに付加されたユーザIDに対応付けられた履歴)であって、購入履歴DB12fに記録されている購入履歴、参照リスト登録履歴DB12gに記録されている登録履歴、及び閲覧履歴DB12eに記録されている閲覧履歴のうち少なくとも何れか一つの履歴を参照する(ステップS3)。そして、システム制御部14は、ステップS2で特定した商品と同一の商品と、ステップS2で特定した商品に関連する商品とのうち少なくとも何れか一方の商品を、ステップS3で参照した履歴から特定できるか否かを判定する(ステップS4)。そして、当該商品を履歴から特定できないと判定された場合には(ステップS4:NO)、図4(A)に示す処理が終了される。つまり、この場合、ユーザにより選択されようとしている商品が最も有利な商品であるため、それ以外の有利な商品の提示は行われず、ユーザは安心して選択しようとしている商品を選択することができる。
【0064】
一方、システム制御部14は、当該商品を履歴から特定できると判定した場合には(ステップS4:YES)、図6に示すように、当該商品を履歴から特定(例えば商品IDで特定)する(ステップS5)。図6に示す例では、ステップS5の処理により、6件の商品が特定されている。ここで、例えば、ステップS2で特定された商品の商品コードと同一の商品コードが(商品名の全部及びジャンルが同一でもよい)、購入履歴、登録履歴、及び閲覧履歴の少なくとも何れかの一つの履歴に含まれていれば、該履歴に含まれている商品コードを持つ商品が、ステップS2で特定された商品と同一の商品として特定される。なお、ステップS2で特定された商品を販売する店舗と、該商品と同一の商品を販売する店舗とが同一(店舗IDが同一)の場合、ステップS2で特定された商品と同一の商品についてはステップS3における特定から除外するように構成してもよい。一方、ステップS2で特定された商品に関連する商品は次のように特定される。すなわち、ステップS2で特定された商品の商品IDに対応付けられた関連商品リスト(つまり、商品情報DB12dに記録された関連商品リスト)に登録されている商品関連情報(例えば、商品コード(或いは、商品名及びジャンルIDでもよい))が、購入履歴、登録履歴、及び閲覧履歴の少なくとも何れかの一つの履歴に含まれていれば、該履歴に含まれている商品関連情報を持つ商品が、ステップS2で特定された商品に関連する商品として特定される。」
「【0068】
また、システム制御部14は、例えばステップS5において、ステップS3で参照した履歴における商品の中で、現時点から過去に遡って所定件数(例えば、30件)以内の商品を特定対象から除外するように構成してもよい(例えば、現時点から過去所定時間以内にユーザにより参照された商品を除外する構成とのOR条件)。つまり、現時点から過去に遡って所定件数以内の商品のユーザへの提示を制限するのである。このような商品も、ユーザの参照からそれほど時間が経っていない商品と見做すことができる。この構成によっても、ユーザに対して商品が必要以上に提示されることを防止することができ、ユーザに対して煩雑さを与えたり混乱させたりすることを回避することができる。また、商品が必要以上に提示されることを防止することができるので、当該商品に関するデータ要求を低減できるため、システム負荷を軽減できる。
【0069】
次に、システム制御部14は、ステップS2で特定された商品の複数種類の取引条件項目のうち比較対象となる取引条件項目に対応する条件と、ステップS5で特定された商品の複数種類の取引条件項目のうち上記比較対象となる取引条件項目に対応する条件を、例えばそれぞれの商品IDをキーとして、商品情報DB12dと店舗情報DB12cの少なくとも何れか一方から取得する(ステップS6)。ここで、比較対象となる取引条件項目は、例えば電子商店街の管理者或いはユーザにより1以上、任意に設定される。例えば、上記比較対象となる取引条件項目が商品価格である場合、上記特定された商品の商品価格に対応する条件(商品に対応付けられた条件:例えば、1,300円)が取得される。なお、図6(A)に示す例には、比較対象となる取引条件項目が商品価格である場合について示しているが、比較対象となる取引条件項目が複数設定される場合もある(例えば、商品価格と商品の在庫数など)。
続きを表示(全14行)
【0070】
次いで、システム制御部14は、ステップS6で取得された各条件(つまり、ステップS2で特定された商品に対応付けられた条件と、ステップS5で特定された商品に対応付けられた条件)とを比較し、ステップS2で特定された商品よりユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品が、ステップS5で特定された商品中にあるか否かを判定する(ステップS7)。そして、システム制御部14は、ユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品がステップS5で特定された商品中にないと判定した場合には(ステップS7:NO)、図4(A)に示す処理が終了される。つまり、この場合、ユーザにより選択されようとしている商品が最も有利な商品であるため、それ以外の有利な商品の提示は行われず、ユーザは安心して選択しようとしている商品を選択することができる。
【0071】
一方、システム制御部14は、ユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品がステップS5で特定された商品中にあると判定した場合には(ステップS7:YES)、ステップS2で特定された商品よりユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品を、ステップS5で特定された商品の中から抽出(例えば、有利な商品の商品ID、商品名等を抽出)する(ステップS8)。ここで、どのような条件がユーザにとって取引上有利であるかは、取引条件項目毎に予め設定される。例えば、比較対象となる取引条件項目が商品価格である場合、商品価格が高い商品より商品価格が安い商品の方が、ユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品であると判定されるように設定される。図6に示す例では、ユーザにより選択されるようとする商品(商品名:Food-abc、商品価格:1,300円)よりユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品として、3つの商品が抽出されている。なお、各商品の商品価格に各商品の配送料金を加算し、加算された総額を各商品の条件として比較するように構成してもよい。また、商品価格が同一であるときには、商品数量が少ない商品(例えば、1巻~10巻までの本)より商品数量が多い商品(例えば、1巻~15巻までの本)の方が、ユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品であると判定されるように設定されてもよい。
【0072】
また、比較対象となる取引条件項目がポイント付与率である場合、ポイント付与率が低い商品よりポイント付与率が高い商品の方がユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品であると判定されるように設定される。また、比較対象となる取引条件項目が商品の在庫数である場合、在庫数が少ない商品より在庫数が多い商品の方がユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品であると判定されるように設定される。また、比較対象となる取引条件項目が商品を販売する店舗に対する評価情報である場合、評価が低い店舗で販売される商品より評価が高い店舗で販売される商品の方がユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品であると判定されるように設定される。また、比較対象となる取引条件項目が発売時期である場合、発売時期がより新しい商品の方がユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品であると判定されるように設定される。また、比較対象となる取引条件項目が版数である場合、版数が小さい商品より版数が大きい商品の方がユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品であると判定されるように設定される。また、比較対象となる取引条件項目が配送日数である場合、配送日数が多い商品より配送日数が少ない商品の方がユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品であると判定されるように設定される。なお、比較対象となる取引条件項目が複数設定される場合において、ユーザにとって取引上有利な条件(つまり、組合せの条件)の判定方法については後述する。
【0073】
ところで、比較対象となる取引条件項目が配送方法等のように、どのような条件である場合にユーザにとって取引上有利であるかを一律に決めることが困難な取引条件項目もある。例えば、配送方法に対応する条件が、メール便と、即日配送とを比較すると、商品を早く欲しいユーザにとっては即日配送の方がユーザにとって取引上有利(好都合)である一方、安い送料で商品を欲しいユーザにとってはメール便の方がユーザにとって取引上有利であると推定される。そのため、この場合、どのような条件がユーザにとって取引上有利であるかは、例えば、システム制御部14が該ユーザの購入履歴を参照して該ユーザが過去に選択した条件の統計をとり、その統計結果に基づいて設定するように構成してもよい。例えば、ユーザが最も多く選択している条件が該ユーザにとって取引上有利な条件であると設定される。これにより、例えば、比較対象となる取引条件項目が配送方法である場合、上記設定された例えば配送方法として即日配送が対応付けられていない商品より、即日配送が対応付けられた商品の方がユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品であると判定されるように設定される。
【0074】
次いで、システム制御部14は、ステップS8で抽出された有利な商品をユーザに提示する提示処理を行う(ステップS9)。例えば、システム制御部14は、ステップS7で抽出された有利な商品の情報を含むポップアップ表示用データを生成してユーザ端末3へ送信する。なお、有利な商品の情報には、例えば、該商品の商品ID、商品名、及び比較対象となった取引条件項目に対応する条件等が含まれる。こうして送信されたポップアップ表示用データをユーザ端末3が受信すると、Webブラウザによりポップアップ表示用データに含まれる有利な商品の情報が、図5(B)に示すように、マウスオーバーされている選択ボタン51の近傍にポップアップ表示される。図5(B)に示す例では、ポップアップ表示として、ポップアップウィンドウW内に有利な商品の商品名53が表示されている。そして、図5(B)に示す例では、ポップアップウィンドウWの表示領域の外縁の一部が、選択ボタン51の表示領域の外縁の一部と接するように構成(或いは、お互いの表示領域の一部重ならせるように構成)することで、有利な商品の情報を選択ボタン51の近傍にポップアップ表示させている。これにより、ユーザが選択しようとする商品より有利な商品が提示される。ポップアップ表示された有利な商品の商品名53には、リンクが設定されている。なお、有利な商品の情報は、ポップアップ表示されるのではなく、Webページ内の所定の表示領域に挿入されて表示されてもよい。」
「【0085】
次に、上記実施形態において、比較対象となる取引条件項目が複数設定される場合において、ユーザにとって取引上有利な条件の判定方法については説明する。この場合、システム制御部14は、上記ステップS6において、ステップS2で特定された商品の複数種類の取引条件項目のうち比較対象となる複数の取引条件項目に対応する条件と、ステップS5で特定された商品の複数種類の取引条件項目のうち上記比較対象となる複数の取引条件項目に対応する条件を取得する。続いて、システム制御部14は、上記取得された、各取引条件項目に対応する条件に応じた値(以下、「点数」という)を決定し、決定した点数を商品毎に集計して商品毎に例えば総合点数(スコア)を算出する。なお、条件から点数を決定するには、例えば条件から点数を算出する計算式を用いてもよいし、或いは条件と点数との対応関係を示すテーブルを用いてもよい。
【0086】
図7は、特定された商品の各取引条件項目に対応する条件に応じた点数を集計した結果を示す図である。図7に示す例では、比較対象となる取引条件項目として、商品価格、ポイント付与率、商品の在庫数、配送日数、及び配送方法が設定されており、それぞれの取引条件項目に対応する条件及び点数を示している。また、図7に示す例において、配送方法に対応する条件に応じた点数は、即日配送が対応可能でない商品よりも即日配送が対応可能である商品の方が高くなっている。なお、商品の購入のために選択されようとする商品より有利な商品を提示する場合、商品の在庫数が”0”の商品が有利な商品として抽出されないように、例えば、商品の在庫数が”0”に応じた点数は、例えばマイナスとすることが望ましい。そして、システム制御部14は、上記ステップS7において、ステップS2で特定された商品に対して集計された総合点数と、ステップS5で特定された商品に対して集計された総合点数とを比較することにより、ステップS2で特定された商品よりユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品が、ステップS5で特定された商品中にあるか否かを判定する。これにより、例えば、ステップS2で特定された商品の総合点数より大きい総合点数の商品が上記有利な商品として抽出されることになる。例えば、図7に示す例では、ユーザにより選択されるようとする商品(商品名:Food-abc、総合点数:32点)より有利な商品として、1つの商品(商品名:Food-stu、総合点数:33点)が抽出される。このような構成によれば、複数の異なる取引条件項目全体を考慮した観点から、ユーザが選択しようとしている商品よりユーザにとって取引上有利な商品の存在を該ユーザに知らせることができる。」

以上の記載によれば、引用文献1には、以下の事項が記載されている。

「商品(取引対象の一例)の購入(取引の一例)が可能な電子商店街やインターネットオークションに関する各種処理を実行するサーバ装置において(【0035】)、
ユーザ端末3から、商品選択直前情報(商品ID、店舗IDなどを含む)を含むリクエストを受信し(【0062】)、
取得された商品IDに基づき、ユーザにより選択されようとする商品を特定し(ステップS2)(【0063】)、
リクエストを送信したユーザ端末3のユーザの履歴を参照し(ステップS3)(【0063】)、
続きを表示(全13行)
ステップS2で特定した商品と同一の商品と、ステップS2で特定した商品に関連する商品とのうち少なくとも何れか一方の商品を、ステップS3で参照した履歴から特定できるか否かを判定し(ステップS4)(【0063】)、
当該商品を履歴から特定できると判定した場合には、当該商品を履歴から特定し(ステップS5)(【0064】)、
ステップS2で特定された商品の複数種類の取引条件項目のうち比較対象となる取引条件項目に対応する条件と、ステップS5で特定された商品の複数種類の取引条件項目のうち上記比較対象となる取引条件項目に対応する条件を取得し(ステップS6)(【0069】)、
ステップS6で取得された各条件(つまり、ステップS2で特定された商品に対応付けられた条件と、ステップS5で特定された商品に対応付けられた条件)とを比較し、ステップS2で特定された商品よりユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品が、ステップS5で特定された商品中にあるか否かを判定し(ステップS7)(【0070】)、
ユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品がステップS5で特定された商品中にあると判定した場合、ステップS2で特定された商品よりユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品を、ステップS5で特定された商品の中から抽出(例えば、有利な商品の商品ID、商品名等を抽出)し(ステップS8)(【0071】)、
どのような条件がユーザにとって取引上有利であるかは、システム制御部14が該ユーザの購入履歴を参照して該ユーザが過去に選択した条件の統計をとり、その統計結果に基づいて設定するように構成してもよく(【0073】)、
ステップS8で抽出された有利な商品をユーザに提示する提示処理を行う(ステップS9)(【0074】)ものであって、
比較対象となる取引条件項目が複数設定される場合おける判定(ステップS7)は、上記ステップS6において、ステップS2で特定された商品の複数種類の取引条件項目のうち比較対象となる複数の取引条件項目に対応する条件と、ステップS5で特定された商品の複数種類の取引条件項目のうち上記比較対象となる複数の取引条件項目に対応する条件を取得し、上記取得された、各取引条件項目に対応する条件に応じた値(以下、「点数」という)を決定し、決定した点数を商品毎に集計して商品毎に例えば総合点数(スコア)を算出し(【0085】)、ステップS2で特定された商品に対して集計された総合点数と、ステップS5で特定された商品に対して集計された総合点数とを比較することにより、ステップS2で特定された商品よりユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品が、ステップS5で特定された商品中にあるか否かを判定する(【0086】)、
サーバ装置。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2は、上記引用文献Aと同じなので省略する。

(3)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3は、上記引用文献Cと同じなので省略する。

(4)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4は、上記引用文献Bと同じなので省略する。

第6 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア.引用発明の「電子商取引サービスにおいて商品を販売する一の販売元におけるキャンセルに関する情報を取得する取得部131」と、本願発明1の「電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する複数の評価のうち、所定の条件が満たされた場合に優先的に取引対象の情報が提示される旨が販売者に対して通知された種別の評価であって、少なくとも、取引対象が購入されてから当該取引対象を発送するまでの期間が所定の期間を超えた割合を示す出荷遅延率を含む複数の評価を示す評価情報を取得する取得部」は、「電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価を示す評価情報を取得する取得部」の点で共通する。

イ.引用発明の提供部134は、「抽出部132により決定されたランキング(順位)に基づく検索結果をクエリの送信元である端末装置10へ提供」しているが、このランキング(順位)は、キャンセルの数に基づいて変わることから、評価情報に基づく順序といえる。したがって、引用発明の当該提供部は、本願発明1の「前記販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する際の順序を、前記評価情報が示す評価に基づく順序で、各取引対象に関する情報を提供する提供部」に相当する。

ウ.引用発明の「決定装置」は、本願発明1の「提供装置」に相当する。

エ.一致点・相違点

したがって、本願発明1と引用発明の一致点・相違点は次のとおりである。

<一致点>

「電子商店街を介して取引対象を販売する販売者と関連する評価を示す評価情報を取得する取得部と、
前記販売者によって販売される取引対象に関する情報を利用者に提供する際の順序を、前記評価情報が示す評価に基づく順序で、各取引対象に関する情報を提供する提供部と、
を有する提供装置。」

<相違点>

「利用者に提供する際の順序を、前記評価情報が示す複数の評価に基づく順序で、各取引対象に関する情報を提供する」に際して、本願発明1では「利用者に提供する際の順序を算出する複数の要素のうち、所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく順序で、各取引対象に関する情報を提供」しているのに対し、引用発明では「電子商取引サービスにおいて商品を販売する一の販売元におけるキャンセル」という要素に対して、「欠品によるキャンセル数が所定の閾値以上である」という評価情報に基づく順序で、各取引対象に関する情報を提供しているのみであり、「利用者に提供する際の順序を算出する複数の要素のうち、所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく順序で、各取引対象に関する情報を提供」していない点。

(2)相違点についての判断

上記第5 2.によれば、当審が拒絶理由通知で提示した引用文献Bには、Amazonが出品者を評価する基準として、「顧客満足指数」があり、さらに、「顧客満足指数」には、「注文不良率」「キャンセル率」「出荷遅延率」「ポリシー違反」「回答時間」の5つの要素があること、及び、「注文不良率:1%未満」「出荷前キャンセル率:2.5%未満」「出荷遅延率:4%未満」の基準を有して、判断がなされることは記載されているが、「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」判断については記載がない。

同引用文献Cには、ワインを販売するストアのうち、売上が1500万円を超えるストアXを抽出し、抽出されたストアXが販売するワインの販促割合に上乗せ分を加えて販促割合を変更し、販促割合が設定された商品が優先的に表示されることは記載されているが、「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」判断については記載がない。

同引用文献Dには、販売業者信頼性評価に際して、スコアリング関数に従って実際の出荷日が約束されたまたは推定された出荷日と一致すると販売業者にスコアを与え、期限を守れないとポイントを与えず、スコアを有する販売業者がスコアを有しない販売業者より前に表示されることは記載されているが、「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」判断については記載がない。

上記第5 3.によれば、原査定の拒絶の理由で提示した引用文献1には、ユーザにとって取引上有利な条件が対応付けられた有利な商品は、商品の複数種類の取引条件項目のうち比較対象となる複数の取引条件項目に対応する条件項目に対応する条件に応じた値(以下、「点数」という)を決定し、決定した点数を商品毎に集計して商品毎に例えば総合点数(スコア)を算出し集計された総合点数により、選択されることは記載されているが、「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」判断については記載がない。

したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献B-D、引用文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2.本願発明2-20について

本願発明2-20は、本願発明1の「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献B-D、引用文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3.本願発明21について

本願発明21は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献B-D、引用文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

4.本願発明22について

本願発明22は、本願発明1に対応するコンピュータに実行させるための提供プログラムの発明であり、本願発明1の「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献B-D、引用文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 原査定についての判断

1.特許法第29条第2項(進歩性)について

令和3年12月13日にされた手続補正により、補正後の請求項1-22は、「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」という技術的事項を有し、また、請求項21、請求項22は、いずれも、「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」に対応する技術的事項を有するものとなった。

当該「所定の要素に対し、前記評価情報が示す複数の評価に基づいて算出されるインセンティブであって、所定の条件を満たす評価の数と種別とに基づくインセンティブを適用し、当該インセンティブを適用した所定の要素と、他の要素とに基づく」は、原査定における引用文献1-4には記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1-22は、当業者であっても、原査定における引用文献1-4に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

2.特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について

令和2年10月27日にされた手続補正により、特許請求の範囲の「配送の遅延率」の文言は、「出荷遅延率」の文言へと補正されており、その結果、この拒絶理由は解消している。

したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由及び当審が通知した拒絶の理由によって、本願を拒絶することはできない。

他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-014933

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