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特許拒絶査定不服審判

2020-012323

アプリケーション制御プログラム、アプリケーション制御方法及びアプリケーション制御システム

審判番号
2020-012323
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-112847外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年09月02日
審決日
2022年01月04日
公報発行日
2022年02月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .537-WY (G06F) / P18 .121-WY (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-112847「アプリケーション制御プログラム、アプリケーション制御方法及びアプリケーション制御システム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月22日出願公開、特開2018-185824、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 24項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成28年11月30日に出願された特願2016-233012号の一部を、平成29年7月19日に新たな特許出願とした特願2017-139711号の一部を、平成30年6月13日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は次のとおりである。

平成31年 3月29日付け:拒絶理由通知書
令和 元年 5月27日 :意見書、手続補正書の提出
令和 元年10月17日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和 元年12月18日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 5月28日付け:令和元年12月18日付け手続補正書で

した補正の却下の決定、

拒絶査定(原査定)

令和 2年 9月 2日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 2年11月18日付け:前置報告書
令和 3年 7月13日付け:拒絶理由(当審拒絶理由1)通知書
令和 3年 9月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年 9月28日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由;

当審拒絶理由2)通知書

令和 3年12月 3日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和2年5月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1ないし8に係る発明は、以下の引用文献A及びBに記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献A 特開2016-158795号公報

引用文献B 特開2012-96027号公報

第3 当審拒絶理由1の概要

令和3年7月13日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)の概要は次のとおりである。

[理由1]サポート要件

本願請求項1ないし6に係る発明は、以下の(1)ないし(3)の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

[理由2]明確性要件

本願請求項1ないし6に係る発明は、以下の(2)及び(3)点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(1)請求項1ないし6に係る発明は、明細書に記載された前記の課題解決手段が反映されていないから、発明の詳細な説明に記載したものではない。

(2)請求項1ないし6に係る発明において、「複数のオブジェクト」と「複数の種類のオブジェクト」との関係が明確ではなく、また、「複数のオブジェクト」は、発明の詳細な説明に記載されていない「オブジェクト」を含んでいる。

(3)請求項2に係る発明の「第1ユーザによる操作部での操作」がいかなるものか明確ではなく、また、発明の詳細な説明に記載されていない「操作」を含んでいる。

[理由3]進歩性

本願請求項1ないし6に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1 特開2004-89555号公報

(当審において新たに提示する文献)

引用文献2 特開2016-158795号公報

(周知技術を示す文献、原査定の引用文献A)

第4 当審拒絶理由2の概要

令和3年9月28日付けで当審が通知した最後の拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)の概要は次のとおりである。

[理由1]サポート要件

本願請求項1ないし4に係る発明は、その「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが任意の位置に配置可能なオブジェクト」が、発明の詳細な説明に記載したものではないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

[理由2]進歩性

本願請求項1ないし4に係る発明は、上記引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第5 本願発明

本願請求項1ないし4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明4」という。)は、令和3年12月3日に提出された手続補正書に係る手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される発明であり、このうち本願発明1は以下のとおりの発明である。(なお、下線は、本件補正により補正された箇所を示す。)

「 第1ユーザが装着する装着ディスプレイに仮想空間の画像を出力させるアプリケーション制御プログラムであって、
1又は複数のコンピュータに、
前記第1ユーザの姿勢に応じて、前記装着ディスプレイに、複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクトを含み、複数の前記オブジェクトを組み合わせたパターンを形成可能な前記仮想空間の第1画像を出力させるステップと、
第2ユーザが用いるディスプレイに、前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像を出力させるとともに、前記オブジェクトの種類を選択するための表示領域を出力させるステップと、
前記表示領域に表示された前記オブジェクトの種類の中から所定の種類のオブジェクトを選択する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップと、
選択された前記所定の種類のオブジェクトの配置位置を指定する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップと、
前記装着ディスプレイに、前記第2ユーザが指定した前記配置位置及び選択された前記所定の種類のオブジェクトを識別可能に表示した前記仮想空間の画像を出力させるステップと、を実行させ、
前記第1画像を出力させるステップでは、前記第2画像を前記装着ディスプレイに出力させず、
前記第2画像を出力させるステップでは、前記第1画像を前記ディスプレイに出力させないアプリケーション制御プログラム。」

なお、本願発明2は、本願発明1を減縮したものであり、本願発明3は、本願発明1を方法の発明として特定したものであり、本願発明4は、本願発明1をシステムの発明として特定したものである。

第6 引用文献、引用発明等

1 引用文献1について

(1)引用文献1記載事項

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当審拒絶理由1及び当審拒絶理由2で引用された引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている。なお、下線は、強調のため当審が付与した。(以降においても同様。)

ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク対戦ゲームに用いられるゲーム装置、ネットワーク対戦ゲームを制御するゲーム制御プログラムおよびそのプログラムが記録された記録媒体に関する。」
イ 「【従来の技術】
パソコンや家庭用ゲーム機器を使ってプレイするゲームには、プレイヤがゲーム進行中に行った一連の操作をゲーム終了後にリプレイする機能が備えられているものがある(例えば、特許文献1参照。)。このようなゲームでは、プレイヤは、リプレイ画面を見ながら自分が行った操作あるいは選択を振り返って検討することができる。例えば、将棋や囲碁のように何通りかの指手の中から1つの手を選択するゲームであれば、各選択が正しかったか否かをリプレイしながら考えることができる。
【0003】
一方、リプレイ画面の楽しみ方として、プレイヤやオブザーバーなどゲームに関与していた者が大勢集まって、リプレイ画面を見ながら、各プレイヤの操作を批評したり、上級者にアドバイスを求めたりする楽しみ方がある。このような場合には、再生されたプレイ画面の各所を指差しながら「ここではこちらに動かすべきだったね。」といった会話がなされるのが普通である。
続きを表示(全16行)
…(中略)…
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ネットワークゲームの場合には、画面を指差しながら会話をすることができない。このため、掲示板やチャットなど文字によるコミュニケーション手段を用いてゲームの対戦を振り返ることが行われている。しかし、特に画面構成が複雑なゲームなどの場合、画面を指さして説明できないということが、コミュニケーションを図る上で大きな障害となることは明らかである。
【0006】
このため、ネットワークゲームのリプレイ画面において、ネットワークの向こう側にいる他のプレイヤに対して、画面の所定部分を、文字ではなく、より直接的に指し示すことができる手段へのニーズは大きい。
【0007】
ゲーム以外の分野では、類似の問題を解決する手段として、ネットワーク会議システムのホワイトボード機能が知られている。これは、ネットワークで接続された複数のユーザのパソコン画面に共用の仮想ホワイトボードを表示して、一ユーザがホワイトボードに対して行った書込みを全ユーザの仮想ホワイトボードに表示する機能である。
【0008】
しかしながら、ゲームの場合、プレイヤが共有する対象はゲームの舞台となる仮想空間である。仮想空間はホワイトボードと異なりそれ自体が多くの情報を含んでいるため、視点が異なれば、表示される画像は全く異なったものとなる。多くのネットワークゲームでは、仮想空間のどの領域をどの視点で捉えるかは、プレイヤごとに異なる。このため、同じ仮想空間内で一緒にプレイする場合でも、各プレイヤのゲーム装置の画面には異なる画像が表示されているのが普通である。例えば、仮想戦闘機を操縦して戦うゲームであれば、各プレイヤの画面には、そのプレイヤの戦闘機の操縦士の視点で捉えられた仮想空間が表示され、戦闘機が移動すれば、仮想空間の表示される部分も変化する。
【0009】
このため、各プレイヤがそれぞれ仮想空間の異なる領域を異なる視点で見ることを前提とした新しいコミュニケーション機能の実現が望まれる。」
ウ 「【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、ネットワークゲーム用の新しいゲーム装置とゲーム制御プログラムを提供する。本発明のゲーム制御プログラムは、DVD、CD-ROMなどの記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して提供される。パソコン、家庭用・携帯用ゲーム機器など、CPUとメモリを備えたあらゆるコンピュータは、本発明のゲーム制御プログラムを組み込むことによって、本発明のゲーム装置として機能する。」
エ 「【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、ゲーム装置を用いてプレイするネットワーク対戦ゲームの一例を示す。以下に説明するゲームは、プレイヤが仮想宇宙に自分の国を築きあげるシミュレーションゲームである。但し、本発明の目的は、ネットワークゲームシステムにおけるプレイヤ同士のコミュニケーション手段を提供することにあるため、以下に示す実施の形態は、ゲームの種類を限定するものではない。
【0019】
続きを表示(全15行)
図1は、このシミュレーションゲームの舞台となる仮想宇宙を示している。仮想宇宙1には、図に示すように多数の星2が存在する。各プレイヤには、それぞれ戦いの本拠地となる母星が割り当てられており、対戦相手の母性を占領することが勝利条件となる。この際、対戦相手は1人とは限らず、複数の場合もある。
【0020】
図2は、プレイヤの端末に表示されるゲーム画面の一例を示す図であり、画面4の領域5には仮想宇宙1の所定範囲の拡大図が表示される。図の例は、図1の枠3に囲われた範囲を示している。また、画面4の領域6には、カーソル8が指し示す星の情報が表示される。さらに、領域7には仮想宇宙1の全体像が表示される。
【0021】
対戦相手の母性(当審注:「母星」の誤記と認められる。)を占領するために、各プレイヤは、まず自分の母星の資源(人、金、鉱物など)を活用して戦闘に必要なユニット(戦艦、武器など)を製造する。資源の量は、星ごとに、例えば人が10万人、金が1億円、鉱物が1000トンというように初期値が設定されており、ゲームの進行状況に応じて増減する。ユニットを製造するために必要な資源の種類と量は、ユニットの種類ごとに予め定められている。例えば、戦艦を一隻製造するために必要な量の資源が、そのプレイヤの母星にあれば、そのプレイヤは戦艦を製造することができる。
【0022】
ユニットを揃えたプレイヤは、そのユニットを利用して他の星へと進出する。図2は、プレイヤがユニット9を操作し母星2aから他の星2bあるいは2cへ進出しようとしているところを示している。占領した星の資源はそのプレイヤのものとなるため、より多くの星を占領すれば、より多くのユニットを製造することができ、対戦相手の母星に攻め込む際に戦いを有利に展開することができる。
【0023】
他の星を占領しようとする過程で、他のプレイヤが操作するユニットと遭遇した場合には、ユニット9を操作して攻撃あるいは防御を行う。図3は、対戦場面の一例であり、プレイヤが操作するユニット9が、他のプレイヤのユニット10から攻撃されているところを示している。他のプレイヤの妨害を受けることなく一定時間ある星にユニットを駐留させることができれば、その星を占領したことになる。占領した星同士は、図4に示すようにラインで結ばれる。ラインで囲まれた領域12や13では、その領域を支配するプレイヤは、自ユニットの移動速度を速める(例えばワープできる)など、有利にゲームを進めることができる。反対に、敵対するプレイヤに占領された星の周辺では、不利な状況に追い込まれる場合がある。
【0024】
上記シミュレーションゲームの制御プログラムは、上述のような対戦を制御する一方で、リプレイデータとして、その制御処理の履歴を記録する。リプレイデータには、少なくともプレイヤの視野に関する情報とプレイヤの操作に関する情報が含まれている。プレイヤの視野とは、プレイ中にそのプレイヤのゲーム装置の表示画面に表示された画像(以下、視野画像と称する)であり、仮想空間の所定の領域を所定の視点から捉えた画像である。本実施の形態では、ゲームの進行中に自動的にあるいはプレイヤの指示に応じて視点が切り換わるため、視野の情報はその視野画像の表示時間の情報とともに記録される。また、プレイヤが行った操作は、ゲーム制御プログラムに対しプレイヤが与えた指示である。例えば上述のシミュレーションゲームであれば、仮想空間内の所定の位置にユニットを配置する、移動する、向きを変更する、あるいは敵ユニットを攻撃するなどの指示が、リプレイデータとして記録される。プレイ終了後にリプレイ機能が呼び出された場合には、このリプレイデータに基づいて、ゲーム開始から終了までのプレイ画面が再生される。」
オ 「【0025】
図5は、プレイヤのゲーム装置の画面に表示されるリプレイ画面の一例を示す図である。リプレイ画面14では、リプレイデータが再生され、これにより画面全体にプレイ時の視野画像15が表示される。画面右上に表示されるチャット枠16はプレイ中に視野画像15に重ねて表示されていたもので、リプレイの際には、プレイ中に行われたチャットの内容も再生される。画面下部には、リプレイ画面の操作ボタン群17、リプレイチャット枠18、全体マップ19、およびタイムライン20が表示される。
【0026】
リプレイチャット枠18は、リプレイしながらチャットを行うためのものであり、機能的には一般のチャット機能と変わるところはない。全体マップ19は、仮想宇宙全体を表すマップである。全体マップ19では、常時あるいはメニュー操作などにより表示を要求した場合に、視野45、すなわち表示されている視野画像15に対応する領域を示す枠が示される。」
カ 「【0029】
操作ボタン群17のうち、図の上から2段目に配置されているボタン群22は、左から順番に、拡大表示ボタン、フレアボタン、線ボタン、矩形ボタン、円ボタン、×ボタン、消しゴムボタンである。
【0030】
拡大表示ボタンは、リプレイ画面の拡大縮小を指定するボタンである。拡大表示ボタンを押してから視野画像15上で所望の範囲を指定すると、指定した範囲が拡大表示される。画面表示をもとに戻す場合には、ウィンドウ本体の戻るボタン(図示せず)を押す。フレアボタンは、視野画像15あるいは全体マップ19の所定のポイントに「烽火」を表示するボタンである。フレアボタンを押して所望の点を指定すれば、全プレイヤの画面のその所定点と対応する点に「烽火」が表示される。線ボタン、矩形ボタンおよび円ボタンは、それぞれ視野画像15あるいは全体マップ19上に線、矩形、円を書き込むボタンである。操作方法は市販のドローイングソフトと同じであり、線ボタンは始点と終点を指定することにより始点と終点を結ぶ線を描く。あるいはフリーハンドで任意の線を描けるようにしてもよい。矩形ボタンは2点を指定することによりその1点を矩形の左上の点、他の1点を右下の点とする矩形を描く。円ボタンは中心点と半径を指定することにより、あるいは直径を指定することにより円をプレイ画面上に描く。消しゴムボタンは、画面上に描かれた図形などを消去するためのボタンであり、ボタンを押した後に画面上の該当部分をカーソルでなぞることによってその該当部分に描かれた図形が消去される。」
キ 「【0036】
図6および図7は、図5のリプレイ画面において、リプレイを一時停止させたときの画面を表す図である。ここでは、図6をプレイヤAのリプレイ画面14a、図7をプレイヤBのリプレイ画面14bとする。両図に示すように、プレイヤAの視野45aと、プレイヤBの視野45bには、若干のずれがある。
【0037】
各プレイヤは、前述の2段目のボタン群22を操作することによって、これらの画面に書込みを行うことができる。例えば、プレイヤBが図7のリプレイ画面14bにおいて、線ボタンを押してからカーソル28を動かして、矢印26を書き込んだとする。この場合、この矢印26は、図6に示すように、プレイヤAのリプレイ画面14aにもリアルタイムに表示される。これに対し、プレイヤAが図6のリプレイ画面14aにおいて、フレアボタンを押してからカーソル28でユニット11の近辺を指定し、烽火27をあげたとする。前述のように、プレイヤAの視野とプレイヤBの視野にはずれがあるため、プレイヤAの視野画像15a上の烽火27は、プレイヤBの視野画像15bには含まれない。しかし、本実施の形態では、図に示すように、烽火27は視野画像15と全体マップ19の両方に表示される。このため、プレイヤBは全体マップ19の表示により、烽火27のおおよその位置を把握することができ、視野45bをずらすことによってプレイヤAが示した場所を把握することができる。あるいは前述の「表示位置をホストとリンク」ボタン25を押すことによりリプレイ画面をプレイヤAのリプレイ
画面のリンクさせてユニット11を確認することもできる。」
ク 「【0040】
図に示すように、ゲーム装置44は、ハードディスク(あるいはメモリ)などのデータ記憶手段29、マウスやゲーム用コントローラなど各種入力機器41からの入力を受け付ける入力制御手段37、表示画面42への画像出力を制御する表示制御手段34、表示制御手段34により出力する画像を生成する画像生成手段33、ネットワーク43を介した他のゲーム装置との通信を制御する通信制御手段35、通信制御手段35により所定のデータを送受信する送受信手段36、および座標変換手段39を備えている。」
ケ 「【0044】
ゲーム装置44は、視野画像に対して前述のような線、図形、マークなどが書き込まれた場合には、視野画像上の書込みを仮想空間に投影し、仮想空間内の座標として認識する。すなわち、画面上の点あるいは領域の座標(以下画面座標38と称する)として入力されたデータを、座標変換手段39により、仮想空間マップ30のマップ座標40に変換する。マップ座標40は、メモリ(図示せず)に記憶されるとともに、送受信手段36により通信制御手段35およびネットワーク43を介して他のゲーム装置へと転送される。一方で、送受信手段36は、他のゲーム装置から転送されたマップ座標があれば受信する。
【0045】
画像生成手段33は、座標変換手段39により取得されメモリに記憶されたマップ座標40と、送受信手段36により他のゲーム装置から受信したマップ座標40を参照することによって、ゲーム装置44の入力機器41を用いて書き込まれた線など、あるいは他のゲーム装置において書き込まれた線など、あるいはその両方を含む視野画像を生成する。これにより、各プレイヤのリプレイ画面には、各プレイヤの書込みがリアルタイムで表示されることとなる。」
コ 「【0049】
以上に説明したように、上記シミュレーションゲームでは、プレイヤは、線や図形、その他のマークを、自らのリプレイ画面に書き込むとともに地理的に離れたところにいる他のプレイヤの画面にリアルタイムに出力することができる。
視野画像に対して書き込まれた線などは仮想空間の座標として認識され、各プレイヤの視野画像の適切な位置に表示されるため、各プレイヤは他のプレイヤの視点が自分と同じか否か意識する必要はない。一方、視点を他のプレイヤの視点に合わせたり、リプレイ画面同士をリンクさせることもできるため、他のプレイヤと同じ視点でリプレイを楽しむことも可能である。このように、このシミュレーションゲームでは、他のプレイヤに対し、視点の異同にかかわらず、仮想空間内の所定の経路、範囲を線や図形によって直接示すことができる。このため、チャットでは「ここ」「これ」などの指示代名詞を用いた簡素な会話が可能になり、表現力の如何に拘わらず誰でもストレスなくリプレイを楽しむことができる。」
サ 「【0050】
なお、本発明のゲーム装置およびゲーム制御プログラムが提供するコミュニケーション機能は、リプレイ時に限らず、プレイ中あるいはプレイ開始前の戦略会議などにも活用することができる。リプレイの場合には、リプレイデータ(操作情報31、視野情報32)を記憶手段29から読み出して画像を生成したが、プレイ中あるいはプレイ開始前の場合には、入力制御手段37からの指示入力に基づいて視野画像を生成する。
【0051】
但し、プレイ中あるいはプレイ前の戦略会議に利用する場合には、敵陣営に所属するプレイヤにチャットや書込みの内容が知られないようにすることが望ましい。このような機能を実現するためには、図9の記憶手段29に、プレイヤが(プレイヤが使用するゲーム装置が)所属するグループを登録しておき、送受信手段36が同じグループに所属するプレイヤのゲーム装置とのみマップ座標40を交換するようにすればよい。これにより、戦略会議において、例えばリーダー格のプレイヤが同陣営の各プレイヤに対しユニットの移動経路を指示することなどが可能となる。
【0052】
また、本発明のゲーム装置およびゲーム制御プログラムが提供するコミュニケーション機能は、上記実施の形態に示すようなシミュレーションゲームに限らず、あらゆるゲームに適用可能である。例えば将棋のネットワーク対戦では、各プレイヤの画面において将棋盤はそのプレイヤの見易い向きに表示される。すなわち、2人のプレイヤの画面に表示される将棋盤の向きは、互いに逆向きになる。本発明が提供する機能によれば、各プレイヤはそれぞれ将棋盤を自分の見やすい向きで眺めながら、盤上に、領域や駒の動きなどを書き込んで相手に示すことができる。この例のように、本発明が提供する機能は、対戦しているのは同じ仮想空間であるが、プレイヤの視点が異なるという場合に、特に効果を発揮する。」
シ 「【符号の説明】
1 仮想空間、 2 星、 3 枠、 4 画面、 5~7 領域、 8 カーソル、 9~11 ユニット、 12 領域、 14 リプレイ画面、 15 視野画像、 16 チャット枠、 17 操作ボタン群、 18 リプレイチャット枠、 19 全体マップ、 20 タイムライン、 21、22 ボタン群、 23 視点設定ボタン、 24 「表示の固定」ボタン、 25 「表示位置をホストにリンク」ボタン、 26 矢印、 27 烽火、 28 カーソル、 29 データ記憶手段、 44 ゲーム装置、 45 視野、 46 領域座標。」
ス 「【図5】
[図:0001381337000001.jpg]
」
セ 「【図6】
[図:0001381337000002.jpg]
」
ソ 「【図7】
[図:0001381337000003.jpg]
」

(2)引用発明

前記(1)のカ(【0030】)、シ(【符号の説明】)、ス(【図5】、セ(【図6】)及びソ(【図7】)より、「視野画像15」(【図6】の「視野画像15a」、【図7】の「視野画像15b」を含む。)には、少なくとも星2及びユニット9~11が表示されている。

よって、引用文献1(特に、前記(1)のア、ウないしコ、シないしソ)には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 ネットワーク対戦ゲームを制御するゲーム制御プログラムであって、
CPUとメモリを備えたあらゆるコンピュータは、ゲーム制御プログラムを組み込むことによって、ゲーム装置として機能し、
ゲーム装置を用いてプレイするネットワーク対戦ゲームは、プレイヤが仮想宇宙に自分の国を築きあげるシミュレーションゲームであり、
対戦相手の母星を占領するために、各プレイヤは、まず自分の母星の資源(人、金、鉱物など)を活用して戦闘に必要なユニット(戦艦、武器など)を製造し、
続きを表示(全20行)
上記シミュレーションゲームの制御プログラムは、対戦を制御する一方で、リプレイデータとして、その制御処理の履歴を記録し、
リプレイデータには、少なくともプレイヤの視野に関する情報とプレイヤの操作に関する情報が含まれ、
プレイヤの視野とは、プレイ中にそのプレイヤのゲーム装置の表示画面に表示された画像(以下、視野画像と称する)であり、仮想空間の所定の領域を所定の視点から捉えた画像であり、ゲームの進行中に自動的にあるいはプレイヤの指示に応じて視点が切り換わるため、視野の情報はその視野画像の表示時間の情報とともに記録され、
プレイヤが行った操作は、ゲーム制御プログラムに対しプレイヤが与えた指示であり、仮想空間内の所定の位置にユニットを配置する、移動する、向きを変更する、あるいは敵ユニットを攻撃するなどの指示が、リプレイデータとして記録され、
プレイ終了後にリプレイ機能が呼び出された場合には、このリプレイデータに基づいて、ゲーム開始から終了までのプレイ画面が再生され、
プレイヤのゲーム装置の画面に表示されるリプレイ画面14では、リプレイデータが再生され、これにより画面全体にプレイ時の視野画像15が表示され、画面下部には、リプレイ画面の操作ボタン群17、全体マップ19が表示され、
全体マップ19は、仮想宇宙全体を表すマップであり、
視野画像15には、少なくとも星2及びユニット9~11が表示され、
操作ボタン群17のうち、図の上から2段目に配置されているボタン群22は、左から順番に、拡大表示ボタン、フレアボタン、線ボタン、矩形ボタン、円ボタン、×ボタン、消しゴムボタンであり、
線ボタン、矩形ボタンおよび円ボタンは、それぞれ視野画像15あるいは全体マップ19上に線、矩形、円を書き込むボタンであり、
各プレイヤは、前述の2段目のボタン群22を操作することによって、これらの画面に書込みを行うことができ、プレイヤBがリプレイ画面14bにおいて、線ボタンを押してからカーソル28を動かして、矢印26を書き込んだ場合、この矢印26は、プレイヤAのリプレイ画面14aにもリアルタイムに表示され、
ゲーム装置44は、データ記憶手段29、入力制御手段37、表示画面42への画像出力を制御する表示制御手段34、表示制御手段34により出力する画像を生成する画像生成手段33、ネットワーク43を介した他のゲーム装置との通信を制御する通信制御手段35、通信制御手段35により所定のデータを送受信する送受信手段36、および座標変換手段39を備え、
ゲーム装置44は、視野画像に対して前述のような線、図形、マークなどが書き込まれた場合には、視野画像上の書込みを仮想空間に投影し、仮想空間内の座標として認識し、すなわち、画面上の点あるいは領域の座標(以下画面座標38と称する)として入力されたデータを、座標変換手段39により、仮想空間マップ30のマップ座標40に変換し、マップ座標40は、メモリに記憶されるとともに、送受信手段36により通信制御手段35およびネットワーク43を介して他のゲーム装置へと転送され、一方で、送受信手段36は、他のゲーム装置から転送されたマップ座標があれば受信し、
画像生成手段33は、座標変換手段39により取得されメモリに記憶されたマップ座標40と、送受信手段36により他のゲーム装置から受信したマップ座標40を参照することによって、ゲーム装置44の入力機器41を用いて書き込まれた線など、あるいは他のゲーム装置において書き込まれた線など、あるいはその両方を含む視野画像を生成し、これにより、各プレイヤのリプレイ画面には、各プレイヤの書込みがリアルタイムで表示されることとなり、
このシミュレーションゲームでは、他のプレイヤに対し、視点の異同にかかわらず、仮想空間内の所定の経路、範囲を線や図形によって直接示すことができる、
ゲーム制御プログラム。」

2 引用文献2(引用文献A)について

(1)引用文献2(引用文献A)記載事項

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当審拒絶理由1及び当審拒絶理由2に引用された引用文献2(原査定の引用文献A)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0009】
図1は、実施の形態に係るゲームシステム1の使用環境を示す。ゲームシステム1は、ゲームプログラムを実行するゲーム装置10と、ユーザの指示をゲーム装置10に入力するための入力装置6と、ユーザの周囲の実空間を撮像する撮像装置14と、ゲーム装置10により生成される第1ゲーム画像を表示するヘッドマウントディスプレイ100と、ゲーム装置10により生成される第2ゲーム画像を表示する表示装置12とを備える。
【0010】
ゲーム装置10は、入力装置6又はヘッドマウントディスプレイ100により入力される指示入力や、入力装置6又はヘッドマウントディスプレイ100の位置又は姿勢などに基づいてゲームプログラムを実行し、第1ゲーム画像を生成してヘッドマウントディスプレイ100に伝送し、第2ゲーム画像を生成して表示装置12に伝送する。
【0011】
ヘッドマウントディスプレイ100は、ゲーム装置10において生成された第1ゲーム画像を表示する。また、ヘッドマウントディスプレイ100に設けられた入力装置に対するユーザの入力に関する情報をゲーム装置10へ伝送する。ヘッドマウントディスプレイ100は、ゲーム装置10に有線ケーブルで接続されてもよく、また無線LANなどにより無線接続されてもよい。
【0012】
表示装置12は、ゲーム装置10において生成された第2ゲーム画像を表示する。表示装置12は、ディスプレイおよびスピーカを有するテレビであってもよいし、コンピュータディスプレイなどであってもよい。」
「【0044】
図6は、ゲーム装置10の機能構成図である。ゲーム装置10のメインシステム60は、制御部310及びデータ保持部360を備える。制御部310は、ゲーム制御部311、指示入力取得部312、撮像画像解析部313、HMD情報取得部314、入力装置情報取得部315、第1画像生成部316、及び第2画像生成部317を備える。」
「【0052】
ゲーム制御部311は、ゲームプログラムを実行し、指示入力取得部312が取得したユーザによる指示入力や、入力装置6又はヘッドマウントディスプレイ100の位置又は姿勢に関する情報に基づいてゲームを進行させる。ゲーム制御部311は、仮想的な三次元空間により構成されるゲームフィールドにおいて、入力装置6の方向キー71やアナログスティック77a、77bなどによる入力や、入力装置6又はヘッドマウントディスプレイ100の位置の変化などに基づいて、操作対象であるプレイヤーズキャラクタなどの位置を変更する。
【0053】
第1画像生成部316は、ヘッドマウントディスプレイ100に表示すべき画像を生成する。第1画像生成部316は、ゲーム制御部311により制御される操作対象の位置に基づいて視点位置を設定し、ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢に基づいて視線方向を設定して、仮想三次元空間をレンダリングすることにより、ゲームフィールドの画像を生成する。第1画像生成部316は、所定のタイミングでヘッドマウントディスプレイ100の姿勢とゲームフィールドにおける視線方向とを対応づけ、以降、ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢の変化に伴って、視線方向を変化させる。これにより、ユーザは、実際に頭を動かすことにより、ゲームフィールド内を見渡すことができるので、ゲームフィールド内に現実に存在しているかのような体験をすることができる。第1画像生成部316は、生成したゲームフィールドの画像に、ゲームに関する情報やヘッドマウントディスプレイ100に表示すべき画像などを追加して、第1画像を生成する。第1画像生成部316により生成された第1画像は、無線通信モジュール38又は有線通信モジュール40を介してヘッドマウントディスプレイ100に送信される。」
「【0072】
(対戦ゲーム)
図15は、ヘッドマウントディスプレイに表示される第1ゲーム画像の例を示す。本図は、ヘッドマウントディスプレイ100を装着した第1ユーザと、表示装置12を視聴している第2ユーザとが対戦するゲームの画像を示す。この対戦ゲームにおいて、第1ユーザは、入力装置6に対する入力により、第2ユーザの第2キャラクタ520に向けて爆弾522を投げつつ、ヘッドマウントディスプレイ100を移動させることにより、第1キャラクタを移動させて第2キャラクタ520が投げてくる爆弾524を避ける。第2ユーザは、入力装置6に対する入力により、第1キャラクタに向けて爆弾524を投げつつ、入力装置6に対する入力により、第2キャラクタ520を移動させて第1キャラクタが投げてくる爆弾522を避ける。複数の第2ユーザが対戦ゲームに参加してもよく、この場合、複数の第2キャラクタが第1キャラクタを攻撃してもよい。
【0073】
続きを表示(全13行)
第1画像生成部316は、ゲームフィールドにおいて第1キャラクタの位置に視点位置を設定し、ヘッドマウントディスプレイ100が向いている方向に視線方向を設定して、第1画像を生成する。したがって、本図の例では、一人称視点のゲーム画像がヘッドマウントディスプレイ100に表示される。第2キャラクタ520が投げてくる爆弾524は、ユーザ自身に向かって飛んでくるように見えるので、リアリティの高いゲームを提供することができる。
【0074】
ゲーム制御部311は、ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢の変化に伴って、第1キャラクタの位置を変更する。また、ゲーム制御部311は、入力装置6に対する指示入力にしたがって、第1キャラクタから指示された方向に爆弾522を飛ばし、物理計算などにより軌跡を算出して爆弾522を移動させる。第1キャラクタが投げた爆弾522が第2キャラクタ520に当たると、第2キャラクタ520の体力値を所定数減じる。第2キャラクタ520が投げた爆弾524が第1キャラクタに当たると、第1キャラクタの体力値を所定数減じる。いずれかのキャラクタの体力値がゼロになると、ゲームを終了する。
【0075】
図16は、表示装置12に表示される第2ゲーム画像の例を示す。第2画像生成部317は、ゲームフィールド全体を見渡すことができ、第1キャラクタ526と第2キャラクタ520がゲーム画像内に表示されるように、視点位置と視線方向を固定し、第2画像を生成する。第2ユーザ及び第2キャラクタ520が単数である場合、第2キャラクタ520の位置又は第2キャラクタ520の後方の所定位置に視点位置を設定し、第2キャラクタ520の移動方向に視線方向を設定して第2画像を生成してもよいが、第2ユーザ及び第2キャラクタ520が複数である場合は、全ての第2ユーザがゲーム画像を見やすいように、全体を見渡せるように固定された第2画像を生成するのが望ましい。
【0076】
ゲーム制御部311は、入力装置6に対する指示入力にしたがって、第2キャラクタ520の位置を変更する。また、ゲーム制御部311は、入力装置6に対する指示入力にしたがって、第2キャラクタ520から指示された方向に爆弾524を飛ばし、物理計算などにより軌跡を算出して爆弾を移動させる。
【0077】
このように、第1ユーザと第2ユーザが同一の仮想三次元空間を共有し、両ユーザが仮想三次元空間において相互作用することを可能とするゲームにおいて、同一の仮想三次元空間を別々の視点から見たゲーム画像をそれぞれのユーザに提供することができる。」
「【図1】
[図:0001381337000004.jpg]
」

(2)引用発明2

前記(1)で摘記した引用文献2(引用文献A)の【0010】より、引用文献2(引用文献A)には、「ゲームプログラム」が記載されており、当該「ゲームプログラム」は、「ゲームシステム1」において、「ゲーム装置10」に、「入力装置6又はヘッドマウントディスプレイ100により入力される指示入力や、入力装置6又はヘッドマウントディスプレイ100の位置又は姿勢などに基づいて」「第1ゲーム画像を生成してヘッドマウントディスプレイ100に伝送し、第2ゲーム画像を生成して表示装置12に伝送する」処理を行わせるものと認められる。

よって前記(1)より、引用文献2(引用文献A)には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「 ゲームプログラムを実行するゲーム装置10と、ユーザの指示をゲーム装置10に入力するための入力装置6と、ゲーム装置10により生成される第1ゲーム画像を表示するヘッドマウントディスプレイ100と、ゲーム装置10により生成される第2ゲーム画像を表示する表示装置12とを備えるゲームシステム1において、
ゲーム装置10に、入力装置6又はヘッドマウントディスプレイ100により入力される指示入力や、入力装置6又はヘッドマウントディスプレイ100の位置又は姿勢などに基づいて第1ゲーム画像を生成してヘッドマウントディスプレイ100に伝送し、第2ゲーム画像を生成して表示装置12に伝送する処理を行わせるゲームプログラムであって、
ヘッドマウントディスプレイ100は、ゲーム装置10において生成された第1ゲーム画像を表示し、
表示装置12は、ゲーム装置10において生成された第2ゲーム画像を表示し、
続きを表示(全11行)
ゲーム装置10のメインシステム60は、制御部310及びデータ保持部360を備え、制御部310は、ゲーム制御部311、指示入力取得部312、撮像画像解析部313、HMD情報取得部314、入力装置情報取得部315、第1画像生成部316、及び第2画像生成部317を備え、
第1画像生成部316は、ゲーム制御部311により制御される操作対象の位置に基づいて視点位置を設定し、ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢に基づいて視線方向を設定して、仮想三次元空間をレンダリングすることにより、ゲームフィールドの画像を生成し、生成したゲームフィールドの画像に、ゲームに関する情報やヘッドマウントディスプレイ100に表示すべき画像などを追加して、第1画像を生成し、
ヘッドマウントディスプレイ100を装着した第1ユーザと、表示装置12を視聴している第2ユーザとが対戦する対戦ゲームにおいて、
ゲーム制御部311は、ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢の変化に伴って、第1キャラクタの位置を変更し、
第2画像生成部317は、ゲームフィールド全体を見渡すことができ、第1キャラクタ526と第2キャラクタ520がゲーム画像内に表示されるように、視点位置と視線方向を固定し、第2画像を生成し、
ゲーム制御部311は、入力装置6に対する指示入力にしたがって、第2キャラクタ520の位置を変更する、
ゲームプログラム。」

3 引用文献Bについて

(1)引用文献B記載事項

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原査定に引用された引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0047】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るインタラクティブアプリケーションとのインタフェースのためのシステムが示される。インタラクティブアプリケーション10は、プライマリプロセッサ12により実行される。プライマリ処理インタフェース14は、インタラクティブアプリケーション10の状態をディスプレー18に描画する。これは、インタラクティブアプリケーション10のプライマリビデオストリーム16を、プライマリ処理インタフェース14からディスプレー18へ送ることにより達成される。本発明のいくつかの実施の形態において、プライマリ処理インタフェース14及びプライマリプロセッサ12は、コンピュータ又はコンソールシステムなどの同一の装置の一部であってもよい。または、他の実施の形態において、プライマリ処理インタフェース14及びプライマリプロセッサ12は、直接又はネットワークを介して互いに接続される分離された装置(例えば、分離されたコンピュータ又はコンソールシステム)の一部であってもよい。ディスプレー18は、テレビジョン、モニタ、プロジェクタ、又はビデオストリームを表示するために利用可能な他の任意の種類のディスプレーなどの、種々のタイプのディスプレーのいずれかであってもよい。
【0048】
コントローラ20は、インタラクティブアプリケーション10とのインタフェースのために提供される。コントローラは、ユーザ24から入力を受け付けるための入力機構22を含む。入力機構22は、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、モーションセンサ、又はインタラクティブアプリケーション10と相互作用するために有用なユーザ24からの入力を受付可能な他の任意のタイプの入力機構などの、種々の種類の入力機構のいずれかを含んでもよい。コントローラ20は、プライマリ処理インタフェース14と通信する。一つの実施の形態において、通信は無線である。別の実施の形態において、通信は有線接続を介して生ずる。コントローラ20は、入力データをプライマリ処理インタフェース14に送信する。プライマリ処理インタフェース14は、入力データを順に処理し、結果のデータをインタラクティブアプリケーション10へ送信してもよいし、単に入力データを直接インタラクティブアプリケーション10へ中継してもよい。入力データは、インタラクティブアプリケーションの状態に直接影響を与えるように適用される。
【0049】
インタラクティブアプリケーション10のデータフィード(供給)26は、携帯型装置28に提供される。携帯型装置28は、別のユーザ30がインタラクティブアプリケーション10と相互作用するためのインタフェースを提供する。一つの実施の形態において、携帯型装置28は、プライマリ処理インタフェース14と無線通信する。別の実施の形態において、携帯型装置28は、有線接続を介してプライマリ処理インタフェース14と通信する。携帯型装置28は、データフィード26を受信し、携帯型装置28のプロセッサ32は、インタラクティブアプリケーション10の補助的な副ビデオストリーム34を生成するためにデータフィード26を処理する。副ビデオストリーム34は、携帯型装置28に含まれるディスプレー36に描画される。
【0050】
さまざまな実施の形態において、副ビデオストリーム34は、プライマリビデオストリーム16と同じ画像を提供してもよいし、異なる程度でプライマリビデオストリーム16とは異なってもよい。描画されたプライマリビデオストリーム16とは完全に異なってもよい。例えば、一つの実施の形態において、副ビデオストリーム34は、ある期間はプライマリビデオストリームと同じ画像を提供し、その後、異なる画像に遷移する。遷移は、携帯型装置28から受け付けられる入力により誘発されてもよい。ディスプレー36に描画される副ビデオストリーム34の更なる実施の形態は、以下に更に詳述される。ユーザ30は、ディスプレー36の副ビデオストリーム34を見て、携帯型装置28に含まれる入力機構38を解して入力を提供することにより、副ビデオストリーム34と相互作用する。入力機構38は、ボタン、タッチスクリーン、ジョイスティック、トラックボール、キーボード、スタイラス、又は携帯型装置に含まれうる任意の他の種類の入力機構などの、種々の入力機構のいずれかを含んでもよい。このように、ユーザ30は、入力機構38を介してインタラクティブ入力40を提供するために、描画された副ビデオストリーム38と相互作用する。インタラクティブ入力40は、仮想タグデータ42を決定するために、プロセッサ32により処理される。仮想タグデータ42は、プライマリ処理インタフェース14を介してインタラクティブアプリケーション10に送信される。仮想タグデータ42は、仮想タグとして格納されてもよく、インタラクティブアプリケーション10の状態が、インタラクティブアプリケーション10による仮想タグの実行の契機となるための特定の予め定められた構成になったときに、インタラクティブアプリケーション10により描画されるべきイベントを定義する情報を含んでもよい。仮想タグの内容は、種々の実施の形態において異なってもよく、オブジェクト、アイテム、キャラクタ、アクション、及びインタラクティブアプリケーション10によりディスプレー18に描画される他のタイプのイベントに関連してもよい。」
「【0097】
第1のプレーヤーが、第2のプレーヤーにより変更がなされたシーンにおいて同一の空間的又は時間的位置に到達するときに、ディスプレーに描画されるシーンにおいてこれらの変更が表示されるので、第1のプレーヤーは第2のプレーヤーによりシーンになされた変更を見ることができる。図示された実施の形態において、第1のプレーヤーがシーン242に到達すると、第1のプレーヤーは第2のプレーヤーにより配置されたオブジェクト256を見ることになる。ここで説明される実施の形態によれば、第2のプレーヤーは、第1のプレーヤーが同じ空間的又は時間的位置に到達するときに第1のプレーヤーが遭遇するシーンを変更するために、インタラクティブゲームのゲームプレーシーケンス内で先を見ることができる。種々の実施の形態において、インタラクティブゲームは、第2のプレーヤーが、ゲームプレーのシーケンス内で先を見ることにより、第1のプレーヤーのゲームのプレーを助けるような、協力的なゲームプレーを確立するように設計されてもよい。例えば、第2のプレーヤーは、特定のアイテム又は位置に、第1のプレーヤにとって有用な説明的情報又はヒントのタグを付けてもよい。または、第2のプレーヤーは、オブジェクトを追加したり、第1のプレーヤーがシーン内の同一の位置に到達するときに、第1のプレーヤーの助けとなるような、シーンに対する他の修正を実行したりすることにより、シーンを変更してもよい。本発明の他の実施の形態において、インタラクティブなゲームは、第1及び第2のプレーヤーが互いに競争するように設計されてもよい。例えば、第2のプレーヤーは、ゲームプレーのシーケンス内で先を見て、第1のプレーヤーが特定の位置に到達するときに第1のプレーヤーが遭遇する障害物を設定してもよい。」
「【0111】
図20を参照して、本発明の実施の形態に係る、インタラクティブな環境が示される。図示された実施の形態において、コントローラ20を操作するユーザ24と、携帯型装置28を操作する第2のユーザ(第2のユーザの手以外は図示せず)は、フットボールのビデオゲームをプレーしている。第2のユーザは、シーン360を視聴する。シーン360において、第2のユーザは、例えば、携帯型装置28のタッチスクリーンにおいてプレーを描くことにより、プレーを図解することができる。図示されるように、第2のユーザは、マーカ362により示されたプレーヤーのために指定された経路を描く。ユーザ24は、ディスプレー18に表示されたシーン364において示されるように、マーカ362に対応するプレーヤー366を制御する。ユーザ24は、第2のユーザが図解した経路を見て、その経路を走るように、コントローラ20を操作して、プレーヤー366の動きを制御することができる。
【0112】
図21に示される関連する実施の形態において、第2のユーザは、例えば携帯型装置28のタッチスクリーンにおいてプレーを描くことによりプレーを図解するために、携帯型装置28を操作する。ディスプレー18には、プレーの間にチームがハドルする様子が示される。図解されたプレーは、ゲームにおいて一方のチームのプレーヤーの動きを決定するために用いられる。このように、第2のユーザは、直感的な方法で、プレーヤーの動きを直接制御することができる。」
「【図1】
[図:0001381337000005.jpg]
」
「【図20】
[図:0001381337000006.jpg]
」
「【図21】
[図:0001381337000007.jpg]
」

(2)引用発明3

前記(1)で摘記した引用文献Bの【0047】より、引用文献Bには、「プライマリプロセッサ12」に実行される「インタラクティブアプリケーション10」が記載されているといえる。

よって、前記(1)より、引用文献Bには、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。

「 プライマリプロセッサ12に実行されるインタラクティブアプリケーション10であって、
インタラクティブアプリケーション10のプライマリビデオストリーム16を、プライマリ処理インタフェース14からディスプレー18へ送り、
コントローラ20は、インタラクティブアプリケーション10とのインタフェースのために提供され、ユーザ24から入力を受け付けるための入力機構22を含み、
インタラクティブアプリケーション10のデータフィード(供給)26は、携帯型装置28に提供され、携帯型装置28は、データフィード26を受信し、携帯型装置28のプロセッサ32は、インタラクティブアプリケーション10の補助的な副ビデオストリーム34を生成するためにデータフィード26を処理し、副ビデオストリーム34は、携帯型装置28に含まれるディスプレー36に描画され、
インタラクティブゲームは、第2のプレーヤーが、ゲームプレーのシーケンス内で先を見ることにより、第1のプレーヤーのゲームのプレーを助けるような、協力的なゲームプレーを確立するように設計されてもよく、第2のプレーヤーは、特定のアイテム又は位置に、第1のプレーヤにとって有用な説明的情報又はヒントのタグを付けてもよく、
コントローラ20を操作するユーザ24と、携帯型装置28を操作する第2のユーザは、フットボールのビデオゲームをプレーしており、第2のユーザは、シーン360を視聴し、シーン360において、第2のユーザは、例えば、携帯型装置28のタッチスクリーンにおいてプレーを描くことにより、プレーを図解することができ、マーカ362により示されたプレーヤーのために指定された経路を描き、ユーザ24は、ディスプレー18に表示されたシーン364において示されるように、マーカ362に対応するプレーヤー366を制御し、ユーザ24は、第2のユーザが図解した経路を見て、その経路を走るように、コントローラ20を操作して、プレーヤー366の動きを制御することができる、
インタラクティブアプリケーション10。」

第7 当審拒絶理由2についての判断

1 理由1(サポート要件)について

(1)本件補正前の請求項1に記載されていた「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが任意の位置に配置可能なオブジェクト」は、本件補正後の請求項1の記載においては「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクト」と補正され、本件補正後の請求項1ないし4に係る発明は、発明の詳細な説明に記載した事項の範囲内のものとなった。

よって、理由1(サポート要件)は、解消した。

2 理由2(進歩性)について

(1)本願発明1について

ア 対比

本願発明1と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明において、「CPUとメモリを備えたあらゆるコンピュータ」は、「ゲーム制御プログラム」を組み込むことによって、「ゲーム装置」として機能するものであるから、「ゲーム制御プログラム」は、「CPUとメモリを備えたあらゆるコンピュータ」に、「ゲーム装置」が行う各処理(ステップ)を実行させるものといえる。

また、引用発明において、各「プレイヤ」が使用する「ゲーム装置」は、「ネットワーク対戦ゲーム」のプレイ中又はリプレイ中に、「仮想空間の所定の領域を所定の視点から捉えた画像」である「視野画像」を「画面」に表示(出力)するものであり、「ゲーム装置」が、「画面」を表示する手段として「ディスプレイ」を備えることは自明である。

また、「ネットワーク対戦ゲーム」に参加する「プレイヤ」として、「プレイヤB」によって書き込まれた「矢印26」等がリアルタイムに表示される側の「プレイヤA」を「第1ユーザ」と称することは任意である。

以上より、引用発明の「ゲーム制御プログラム」は、「第1ユーザ」(プレイヤA)が使用する「ゲーム装置」の「ディスプレイ」に「仮想空間の画像」を出力させるものといえる。

そして、引用発明において、「第1ユーザ」(プレイヤA)が使用する「ゲーム装置」の「ディスプレイ」と、本願発明1の「第1ユーザが装着する装着ディスプレイ」とは、「第1ユーザが使用するディスプレイ」である点において共通する。

また、引用発明の「ゲーム制御プログラム」は、「アプリケーション制御プログラム」といい得るものである。

よって、引用発明の「ゲーム制御プログラム」と、本願発明1の「第1ユーザが装着する装着ディスプレイに仮想空間の画像を出力させるアプリケーション制御プログラム」とは、「第1ユーザが使用するディスプレイに仮想空間の画像を出力させるアプリケーション制御プログラム」である点で共通する。

(イ)引用発明の「CPUとメモリを備えたあらゆるコンピュータ」は、本願発明1の「1又は複数のコンピュータ」に相当する。

(ウ)引用発明において、各プレイヤは、自身が「線ボタン、矩形ボタン、円ボタン」を操作することによって「視野画像15」の任意の位置に「線」、「矩形」及び「円」を書き込む(配置する)ことが可能であり、「線」、「矩形」及び「円」は、複数の種類に分類された複数のオブジェクトといい得るものであるから、これら「線」、「矩形」及び「円」と、本願発明1の「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクト」とは、「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置する位置に配置するオブジェクト」である点において共通する。

また、「視野画像」は、前記「線」、「矩形」及び「円」が複数個書き込まれることにより、これらが組み合わされた「パターン」を形成可能な「仮想空間の画像」といえ、この画像を「第1画像」と称することは任意である。

また、前記(ア)を参酌すれば、引用発明において、「プレイヤA」が「線」、「矩形」及び「円」を複数個書き込んだ場合、「プレイヤA」が使用する「ゲーム装置」の「ディスプレイ」には、書き込まれた複数個の「線」、「矩形」及び「円」を組み合わせたパターンが形成された「仮想空間の第1画像」が出力されることは明らかである。

よって、前記(ア)を参酌すれば、引用発明と、本願発明1の「前記第1ユーザの姿勢に応じて、前記装着ディスプレイに、複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクトを含み、複数の前記オブジェクトを組み合わせたパターンを形成可能な前記仮想空間の第1画像を出力させるステップ」とは、「前記第1ユーザの動作に応じて、前記第1ユーザが使用するディスプレイに、複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置する位置に配置するオブジェクトを含み、複数の前記オブジェクトを組み合わせたパターンを形成可能な前記仮想空間の第1画像を出力させるステップ」との構成を備える点において共通する。

(エ)引用発明において、各「プレイヤ」の「リプレイ画面14」には、「全体マップ19」が表示されるため、リプレイ時には、「プレイヤB」のゲーム装置のディスプレイにも「全体マップ19」が表示される。

そして、「全体マップ19」は、「仮想宇宙全体を表すマップ」であるから、「線」、「矩形」及び「円」が書き込まれた「視野画像」(第1画像)の視野角よりも広い視野角で表示される画像であって、かつ、当該「視野画像」を俯瞰した画像といえ、この画像を「第2画像」と称することは任意である。

また、引用発明の「操作ボタン群17」のうち「線ボタン、矩形ボタン、円ボタン」が表示される領域は、本願発明1の「前記オブジェクトの種類を選択するための表示領域」に相当する。

よって、引用発明は、本願発明1の「第2ユーザが用いるディスプレイに、前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像を出力させるとともに、前記オブジェクトの種類を選択するための表示領域を出力させるステップ」との構成を備える。

(オ)引用発明において、「プレイヤB」が「線ボタン、矩形ボタン、円ボタン」を操作することにより「線」、「矩形」及び「円」を「視野画像」に書き込む操作を行うことも想定されており、「プレイヤB」が、「線ボタン、矩形ボタン、円ボタン」を操作することは、本願発明1の「前記表示領域に表示された前記オブジェクトの種類の中から所定の種類のオブジェクトを選択する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップ」に相当する。

(カ)引用発明において、「プレイヤB」が、「線」、「矩形」及び「円」を「視野画像」に書き込むことは、書き込まれる「視野画像」上における配置位置を指定する操作を受け付けているといえる。

よって、引用発明は、本願発明1の「選択された前記所定の種類のオブジェクトの配置位置を指定する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップ」との構成を備える。

(キ)引用発明は、「ゲーム装置44」の「視野画像」に「線、矩形、円」などが書き込まれた場合には、書き込まれたデータを、仮想空間マップ30のマップ座標40に変換し、これを他のゲーム装置に転送することにより、「他のゲーム装置」の「視野画像」の対応する位置に「書き込まれた線」などをリアルタイムに表示させることにより、「他のプレイヤに対し、視点の異同にかかわらず、仮想空間内の所定の経路、範囲を線や図形によって直接示すことができる」ものである。

つまり、引用発明においては、「ゲーム装置44」において「プレイヤB」が指定した仮想空間内の配置位置と、「プレイヤB」によって選択された種類(線、矩形、円など)のオブジェクトとを識別可能に「プレイヤA」の「ゲーム装置44」(他のゲーム装置)の「視野画像」に表示させるものといえる。

よって、前記(ア)を参酌すれば、引用発明と、本願発明1の「前記装着ディスプレイに、前記第2ユーザが指定した前記配置位置及び前記選択された前記所定の種類のオブジェクトを識別可能に表示した前記仮想空間の画像を出力させるステップ」とは、「前記第1ユーザが使用するディスプレイに、前記第2ユーザが指定した前記配置位置及び前記選択された前記所定の種類のオブジェクトを識別可能に表示した前記仮想空間の画像を出力させるステップ」との共通の構成を備える。

(ク)前記(ア)を参酌すれば、後述する相違点を除いて、引用発明の「ゲーム制御プログラム」は、前記(ウ)ないし(キ)において特定した各ステップを実行させるプログラムである点において、本願発明1の「アプリケーション制御プログラム」と共通する。

イ 一致点、相違点

したがって、本願発明1と引用発明とは、次の点において一致ないし相違する。

[一致点]

「 第1ユーザが使用するディスプレイに仮想空間の画像を出力させるアプリケーション制御プログラムであって、
1又は複数のコンピュータに、
前記第1ユーザの動作に応じて、前記第1ユーザが使用するディスプレイに、複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置する位置に配置するオブジェクトを含み、複数の前記オブジェクトを組み合わせたパターンを形成可能な前記仮想空間の第1画像を出力させるステップと、
第2ユーザが用いるディスプレイに、前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像を出力させるとともに、前記オブジェクトの種類を選択するための表示領域を出力させるステップと、
前記表示領域に表示された前記オブジェクトの種類の中から所定の種類のオブジェクトを選択する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップと、
選択された前記所定の種類のオブジェクトの配置位置を指定する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップと、
前記第1ユーザが使用するディスプレイに、前記第2ユーザが指定した前記配置位置及び選択された前記所定の種類のオブジェクトを識別可能に表示した前記仮想空間の画像を出力させるステップと、を実行させる、
アプリケーション制御プログラム。」

[相違点]

<相違点1-1>

「第1ユーザが使用するディスプレイ」が、本願発明1では、「第1ユーザが装着する装着ディスプレイ」であり、「姿勢」に応じて表示を行うものであるのに対し、引用発明の「プレイヤA」が使用する「ゲーム装置」はそのような「ディスプレイ」として特定されていない点。

<相違点1-2>

「オブジェクト」が、本願発明1では「第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクト」であるのに対し、引用発明の「線」、「矩形」及び「円」は、各プレイヤが任意の位置に配置することができるものであって、特定のプレイヤが配置すべき位置に配置するものではない点。

<相違点1-3>

本願発明1は、「前記第1画像を出力させるステップでは、前記第2画像を前記装着ディスプレイに出力させず、前記第2画像を出力させるステップでは、前記第1画像を前記ディスプレイに出力させない」という構成を備えるのに対し、引用発明においては、「視野画像」と「全体マップ19」は、各「ゲーム装置44」の画面に同時に表示される点。

ウ 相違点についての判断

事案に鑑みて、上記相違点1-3について先に検討する。

引用発明2は、対戦ゲームにおいて、第1ユーザが使用するヘッドマウントディスプレイ100には第1画像を表示し、第2ユーザが使用する表示装置12には第1画像とは異なる第2画像を表示するものであり、第1ユーザと第2ユーザが使用する装置が異なることを前提としている。

一方、各プレイヤが使用するゲーム装置が異なるものであることを前提としていない引用発明において、プレイヤAのゲーム装置においては、「視野画像15」のみを表示し、プレイヤBのゲーム装置においては「全体マップ19」のみを表示するように変更すべき起因を見出すことはできない。

また、相違点1-3に係る本願発明1の構成は、本願出願時において周知技術であるともいえない。

したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(2)本願発明2について

本願発明2は、相違点1-3に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)本願発明3及び4について

本願発明3及び4は、それぞれ、本願発明1を方法の発明又はシステムの発明として特定したものであり、相違点1-3に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えているから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

以上のとおりであるから、理由2(進歩性)は解消した。

第8 当審拒絶理由1についての判断

1 理由1(サポート要件)及び理由2(明確性要件)について

(1)本件補正後の請求項1の記載においては、「第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクト」に関し、「第1ユーザが装着する装着ディスプレイ」に、「前記第2ユーザが指定した前記配置位置及び選択された前記所定の種類のオブジェクトを識別可能に表示した前記仮想空間の画像」を出力することが明確であり、請求項1ないし4に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものとなった。

(2)本件補正後の請求項1の記載においては、「複数の前記オブジェクト」であることが特定されていることから、請求項1ないし4に係る発明は、明確であり、また、発明の詳細な説明に記載したものである。

(3)本件補正後の請求項2には「前記第1ユーザによる操作部での操作に基づき、前記第1ユーザが選択した前記オブジェクトを前記第1ユーザが指定した位置に配置する」と記載されており、「前記第1ユーザによる操作部での操作」がいかなるものであるのか明確であり、また、発明の詳細な説明に記載したものである。

よって、理由1(サポート要件)及び理由2(明確性要件)は解消した。

2 理由3(進歩性)について

上記第1の2で述べたように、本願発明1ないし4は、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

よって、理由3(進歩性)は解消した。

第9 原査定についての判断

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明2とを対比する。

ア 引用発明2の「ヘッドマウントディスプレイ100を装着した第1ユーザと、表示装置12を視聴している第2ユーザとが対戦する対戦ゲーム」において、「ヘッドマウントディスプレイ100を装着した第1ユーザ」は、本願発明1の「第1ユーザ」に相当し、そうすると、そのような「第1ユーザ」が装着する「ヘッドマウントディスプレイ100」は、本願発明1の「第1ユーザが装着する装着ディスプレイ」に相当する。

引用発明2の「ゲームプログラム」は、「第1ゲーム画像を生成してヘッドマウントディスプレイ100に伝送」し、「ヘッドマウントディスプレイ100は、ゲーム装置10において生成された第1ゲーム画像を表示」するものであり、また、「ゲーム装置10」の「第1画像生成部316は、ゲーム制御部311により制御される操作対象の位置に基づいて視点位置を設定し、ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢に基づいて視線方向を設定して、仮想三次元空間をレンダリングすることにより、ゲームフィールドの画像を生成し、生成したゲームフィールドの画像に、ゲームに関する情報やヘッドマウントディスプレイ100に表示すべき画像などを追加して、第1画像を生成」するものである。よって、引用発明2において、「ゲームプログラム」が「第1画像生成部316」を制御して「ヘッドマウントディスプレイ100」に出力させる「第1画像」(「第1ゲーム画像」)は、「仮想三次元空間」をレンダリングしたものであるから、「仮想空間の画像」といい得るものである。

また、引用発明2の「ゲームプログラム」はアプリケーションである「ゲーム」を制御する「プログラム」であるから、「アプリケーション制御プログラム」といい得るものである。

よって、引用発明2の「ゲームプログラム」は、本願発明1の「第1ユーザが装着する装着ディスプレイに仮想空間の画像を出力させるアプリケーション制御プログラム」に相当する。

イ 引用発明2の「ゲーム装置10」は「ゲームプログラム」を実行するものであるから「コンピュータ」といい得るものである。

よって、引用発明2の「ゲーム装置10」は、本願発明1の「1又は複数のコンピュータ」に相当する。

ウ 引用発明2の「ゲーム制御部311は、ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢の変化に伴って、第1キャラクタの位置を変更し」との構成において、前記アより、「ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢」は「第1ユーザの姿勢」と同一視できるから、「第1キャラクタの位置」は「第1ユーザの姿勢」に応じて変更されているといえる。

また、位置を変更することは「配置」に含まれるから、引用発明2において、「第1キャラクタの位置を変更」することは、「第1キャラクタ」を「配置」することに含まれる。

また、引用発明2の「第1キャラクタ」は、「オブジェクト」といい得るものであるが、「第1キャラクタ」の位置は任意であり、また、「第1キャラクタ」に複数の種類があることは引用文献2(引用文献A)には記載されていない。

そうすると、引用発明2の「第1キャラクタ」と、本願発明1の「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクト」とは、「前記第1ユーザが配置する位置に配置するオブジェクト」である点において共通する。

エ 引用発明2は、「第1画像生成部316は、ゲーム制御部311により制御される操作対象の位置に基づいて視点位置を設定し、ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢に基づいて視線方向を設定して、仮想三次元空間をレンダリングすることにより、ゲームフィールドの画像を生成し、生成したゲームフィールドの画像に、ゲームに関する情報やヘッドマウントディスプレイ100に表示すべき画像などを追加して、第1画像を生成し」との構成を備えることからすると、「ヘッドマウントディスプレイ100の姿勢の変化に伴って、第1キャラクタの位置を変更」した場合には、「ゲームプログラム」が「第1画像生成部316」を制御して、「仮想三次元空間」の「第1画像」を「ヘッドマウントディスプレイ100」に出力させるものといえる。

もっとも、引用発明2は、複数の「第1キャラクタ」を組み合わせて配置することは想定していない。

よって、前記ア及びウを参酌すれば、引用発明2において、「ゲームプログラム」が「第1画像生成部316」を制御して、「仮想三次元空間」の「第1画像」を「ヘッドマウントディスプレイ100」に出力させることと、本願発明2の「前記第1ユーザの姿勢に応じて、前記装着ディスプレイに、複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクトを含み、複数の前記オブジェクトを組み合わせたパターンを形成可能な前記仮想空間の第1画像を出力させるステップ」とは、「前記第1ユーザの姿勢に応じて、前記装着ディスプレイに、前記第1ユーザが配置する位置に配置するオブジェクトを含む前記仮想空間の第1画像を出力させるステップ」との点において共通する。

オ 引用発明2の「表示装置12を視聴している第2ユーザ」は、本願発明1の「第2ユーザ」に相当し、そのような「第2ユーザ」が視聴している「表示装置12」は、本願発明1の「第2ユーザが用いるディスプレイ」に相当する。

また、引用発明2は、「ゲーム装置10に、…第2ゲーム画像を生成して表示装置12に伝送する処理を行わせるゲームプログラム」、「第2画像生成部317は、ゲームフィールド全体を見渡すことができ、第1キャラクタ526と第2キャラクタ520がゲーム画像内に表示されるように、視点位置と視線方向を固定し、第2画像を生成し」との構成を備え、ここで「ゲームフィールド」は、「対戦ゲーム」における「仮想三次元空間」のことであるから、「ゲームフィールド全体を見渡すことができ、第1キャラクタ526と第2キャラクタ520がゲーム画像内に表示される」「第2画像」は、本願発明2の「前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像」に相当する。

よって、引用発明2において、「ゲームプログラム」が「第2画像生成部317」を制御して「表示装置12」に「第2画像」を表示させることと、本願発明1の「第2ユーザが用いるディスプレイに、前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像を出力させるとともに、前記オブジェクトの種類を選択するための表示領域を出力させるステップ」とは、「第2ユーザが用いるディスプレイに、前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像を出力させるステップ」である点において共通する。

カ 引用発明2において、「第1画像」と「第2画像」とが同じディスプレイに同時に表示されることは想定されない。

よって、引用発明2は、本願発明1の「前記第1画像を出力させるステップでは、前記第2画像を前記装着ディスプレイに出力させず」及び「前記第2画像を出力させるステップでは、前記第1画像を前記ディスプレイに出力させない」との構成を備える。

(2)一致点、相違点

したがって、本願発明1と引用発明2とは、次の点において一致ないし相違する。

[一致点]

「 第1ユーザが装着する装着ディスプレイに仮想空間の画像を出力させるアプリケーション制御プログラムであって、
1又は複数のコンピュータに、
前記第1ユーザの姿勢に応じて、前記装着ディスプレイに、前記第1ユーザが配置する位置に配置するオブジェクトを含む前記仮想空間の第1画像を出力させるステップと、
第2ユーザが用いるディスプレイに、前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像を出力させるステップと、を実行させ、
前記第1画像を出力させるステップでは、前記第2画像を前記装着ディスプレイに出力させず、
前記第2画像を出力させるステップでは、前記第1画像を前記ディスプレイに出力させないアプリケーション制御プログラム。」

[一致点]

<相違点2-1>

「オブジェクト」が、本願発明1は、「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクト」であるのに対し、引用発明2の「第1キャラクタ」は、複数の種類に分類されておらず、また、「第1ユーザ」が任意の位置に配置することができる点。

<相違点2-2>

「前記仮想空間の第1画像」が、本願発明1では、「複数の前記オブジェクトを組み合わせたパターンを形成可能な」ものであるのに対し、引用発明2の「仮想三次元空間」の画像は、複数の「第1キャラクタ」を組み合わせたパターンを形成可能であることを具体的に特定していない点。

<相違点2-3>

「第2画像を出力させるステップ」において、本願発明1では、「第2画像を出力させる」のみならず「前記オブジェクトの種類を選択するための表示領域を出力させる」とともに、「前記表示領域に表示された前記オブジェクトの種類の中から所定の種類のオブジェクトを選択する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップ」、「選択された前記所定の種類のオブジェクトの配置位置を指定する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップ」及び「前記装着ディスプレイに、前記第2ユーザが指定した前記配置位置及び選択された前記所定の種類のオブジェクトを識別可能に表示した前記仮想空間の画像を出力させるステップ」を備えるのに対し、引用発明2は、「第1キャラクタ」は、複数の種類に分類されておらず、よって、「第1キャラクタ」の種類を選択したりその配置位置を指定したりすることを想定していない点。

(3)相違点についての判断

事案に鑑みて、先に相違点2-3について検討する。

引用発明2は、「ヘッドマウントディスプレイ100を装着した第1ユーザと、表示装置12を視聴している第2ユーザとが対戦するゲーム」に関するものであるから、「第1ユーザ」と「第2ユーザ」は対戦する関係にある。

そうすると、仮に「第1キャラクタ」が複数の種類に分類され選択可能なものであるとしても、「第1ユーザ」が位置を移動する「第1キャラクタ」の種類やその配置位置を「第2ユーザ」が指定することには阻害要因があるというべきである。

加えて、引用発明3は、「第2のプレーヤーが、…第1のプレーヤーのゲームのプレーを助ける」との構成から、「第1のプレーヤー」と「第2のプレーヤー」は協力する関係にあり、対戦する関係にはない。そうすると、引用発明2と引用発明3とは、ゲームに参加するユーザの関係が異なり、発明の前提とする構成が異なる。よって、仮に、引用発明3が、相違点2-3に係る本願発明1の構成を含むとしても、引用発明2に引用発明3を適用することには技術的な阻害要因がある。

また、相違点2-3に係る本願発明1の構成は、本願出願時における技術常識でもない。

したがって、相違点2-1及び2-2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用文献A及びBに記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2について

本願発明2は、相違点2-3に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献A及びBに記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本願発明3及び4について

本願発明3及び4は、それぞれ、本願発明1を方法の発明又はシステムの発明として特定したものであり、相違点2-3に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えているから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献A及びBに記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

以上のとおりであるから、原査定を維持することはできない。

第10 前置報告書について

前置報告書においては、本願請求項1ないし6に係る発明は、以下の引用文献Bに記載された発明及び引用文献A及びCに記載の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない旨の報告がなされているので、念のため、当該拒絶の理由について検討する。

引用文献A 特開2016-158795号公報

(当審拒絶理由1及び当審拒絶理由2の引用文献2)

引用文献B 特開2012-96027号公報

引用文献C 韓国公開特許第10-2016-0049468号公報

なお、上記引用文献Cの[0049]及び[0107]等の記載からして、引用文献Cには「囲碁、将棋等の対局型ゲームにおいて、一方の対局者の端末に、観戦者によって観戦者の端末に入力された入れ知恵が表示されること。」が記載されているといえる。

1 本願発明1について

(1)対比

本願発明1と引用発明3とを対比する。

ア 引用発明3において、「プライマリプロセッサ12に実行されるインタラクティブアプリケーション10」は、「インタラクティブアプリケーション10のプライマリビデオストリーム16を、プライマリ処理インタフェース14からディスプレー18へ送」るものであり、また、「コントローラ20を操作するユーザ24と、携帯型装置28を操作する第2のユーザは、フットボールのビデオゲームをプレーしており」、「ユーザ24は、ディスプレー18に表示されたシーン364において示されるように、マーカ362に対応するプレーヤー366を制御」するものであることからすると、引用発明3は、「ユーザ24」が使用する「ディスプレー18」に「プライマリビデオストリーム16」を送ることにより「シーン364」を表示するものといえ、また、「シーン364」は、「フットボールのビデオゲーム」における「仮想空間の画像」といい得るものである。

ここで、引用発明3の「ユーザ24」は、本願発明1の「第1ユーザ」に相当し、引用発明3の「ユーザ24」が使用する「ディスプレー18」と本願発明1の「装着ディスプレイ」とは「第1ユーザ」が使用する「ディスプレイ」である点において共通し、また、引用発明3の「ディスプレー18」に表示される「シーン364」は、本願発明1の「仮想空間の画像」に相当する。

また、引用発明3の「インタラクティブアプリケーション10」は、「アプリケーション」である「ビデオゲーム」を制御するプログラムであるから、「アプリケーション制御プログラム」といい得るものである。

よって、引用発明3の「インタラクティブアプリケーション10」と本願発明1の「第1ユーザが装着する装着ディスプレイに仮想空間の画像を出力させるアプリケーション制御プログラム」とは、「第1ユーザが使用するディスプレイに仮想空間の画像を出力させるアプリケーション制御プログラム」である点において共通する。

イ 引用発明3の「プライマリプロセッサ12」は、本願発明1の「1又は複数のコンピュータ」に相当する。

ウ 引用発明3において、「ユーザ24は、第2のユーザが図解した経路を見て、その経路を走るように、コントローラ20を操作して、プレーヤー366の動きを制御する」場合に、「インタラクティブアプリケーション10」は、「ユーザ24」の操作に応じて、「ディスプレー18」に、「ユーザ24」が移動しようとする位置に配置する「プレーヤー366」を含む前記「シーン364」を出力させる処理(ステップ)を実行するものと認められ、この「シーン364」を「第1画像」と称することは任意である。

ここで、「プレーヤー366」を含むすべての「プレーヤー」は「オブジェクト」といい得るものである。また、「フットボールのビデオゲーム」を想定すると、前記「シーン364」は、「プレーヤー」を移動させて配置を変更することにより、複数の「プレーヤー」を組み合わせたパターンを形成可能なものといえる。

よって、前記アを参酌すれば、引用発明3と、本願発明1の「前記第1ユーザの姿勢に応じて、前記装着ディスプレイに、複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクトを含み、複数の前記オブジェクトを組み合わせたパターンを形成可能な前記仮想空間の第1画像を出力させるステップ」とは、「前記第1ユーザの操作に応じて、前記第1ユーザが使用するディスプレイに、前記第1ユーザが配置する位置に配置するオブジェクトを含み、前記オブジェクトを組み合わせたパターンを形成可能な前記仮想空間の第1画像を出力させるステップ」との共通の構成を備える。

エ 引用発明3の「携帯型装置28を操作する第2のユーザ」、「インタラクティブアプリケーション10のデータフィード(供給)26は、携帯型装置28に提供され、携帯型装置28は、データフィード26を受信し、携帯型装置28のプロセッサ32は、インタラクティブアプリケーション10の補助的な副ビデオストリーム34を生成するためにデータフィード26を処理し、副ビデオストリーム34は、携帯型装置28に含まれるディスプレー36に描画され」及び「第2のユーザは、シーン360を視聴し、シーン360において、第2のユーザは、例えば、携帯型装置28のタッチスクリーンにおいてプレーを描くことにより、プレーを図解することができ、マーカ362により示されたプレーヤーのために指定された経路を描き」との構成からすると、引用発明3の「インタラクティブアプリケーション10」は、「データフィード(供給)26」を、「第2のユーザ」が操作する「携帯型装置28」に送信することにより「シーン360」を「携帯型装置28」の「ディスプレー36」(又は「タッチスクリーン」)に表示させる処理(ステップ)を実行するものと認められ、「シーン360」を「第2画像」と称することは任意である。

ここで、引用発明3の「第2のユーザ」及び「携帯型装置28」の「ディスプレー36」(又は「タッチスクリーン」)は、本願発明1の「第2ユーザ」及び「第2ユーザが用いるディスプレイ」に相当する。

また、引用発明3の「シーン360」(「第2画像」)は、「シーン364」(「第1画像」)に表示される「プレーヤー」に対応する「マーカ362」を含み、また、「プレーを図解することができ」る程度に「シーン364」の視野角よりも広い視野角で俯瞰した画像といい得るものである。(実際、引用文献Cの【図20】を参酌すれば、「シーン360」は、複数の「プレーヤー」に対応する「マーカ」の全体的な配置がわかる、「シーン364」を俯瞰した画像といえる。)

また、引用発明3において、「第2のユーザ」は、「プレーヤー」に対応する「マーカ362」が表示される「シーン360」(「第2画像」)の所定の領域に「経路」を描くことにより、当該「経路」に沿って動く「プレーヤー」を選択するものといえ、この所定の領域は、オブジェクトを選択するための表示領域といい得るものである。

よって、引用発明3と、本願発明1の「第2ユーザが用いるディスプレイに、前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像を出力させるとともに、前記オブジェクトの種類を選択するための表示領域を出力させるステップ」とは、「第2ユーザが用いるディスプレイに、第2ユーザが用いるディスプレイに、前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像を出力させるとともに、前記オブジェクトを選択するための表示領域を出力させるステップ」との共通の構成を備える。

オ 前記エを参酌すれば、引用発明3は、「インタラクティブアプリケーション10」が、「第2のユーザ」が「マーカ362により示されたプレーヤのために指定された経路を描」く操作を受け付けることにより、「プレーヤー」を選択する操作を受け付けるものといえる。

よって、引用発明3と、本願発明1の「前記表示領域に表示された前記オブジェクトの種類の中から所定の種類のオブジェクトを選択する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップ」とは、「前記表示領域に表示された前記オブジェクトの中から所定のオブジェクトを選択する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップ」との共通の構成を備える。

カ 引用発明3は、「インタラクティブアプリケーション10」が、「第2のユーザ」が「マーカ362により示されたプレーヤのために指定された経路を描」く操作を受け付けるものといえ、このことは、選択された「プレーヤー」(「オブジェクト」)の配置位置を指定する「第2のユーザ」の操作を受け付ける処理(ステップ)を実行するものといえる。

よって、引用発明3と、本願発明1の「選択された前記所定の種類のオブジェクトの配置位置を指定する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップ」とは、「選択された前記所定のオブジェクトの配置位置を指定する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップ」との共通の構成を備える。

キ 引用発明3の「ユーザ24は、ディスプレー18に表示されたシーン364において示されるように、マーカ362に対応するプレーヤー366を制御し、ユーザ24は、第2のユーザが図解した経路を見て、その経路を走るように、コントローラ20を操作して、プレーヤー366の動きを制御する」との構成からすると、「インタラクティブアプリケーション10」は、「第2のユーザ」が選択した「プレーヤー」と指定した「経路」を識別可能にした画像を出力する処理(ステップ)を実行するものといえる。

よって、前記ア及びエを参酌すれば、引用発明3と、本願発明1の「前記装着ディスプレイに、前記第2ユーザが指定した前記配置位置及び選択された前記所定の種類のオブジェクトを識別可能に表示した前記仮想空間の画像を出力させるステップ」とは、「前記第1ユーザが使用するディスプレイに、前記第2ユーザが指定した前記配置位置及び選択された前記所定のオブジェクトを識別可能に表示した前記仮想空間の画像を出力させるステップ」との共通の構成を備える。

ク 引用発明3は、「インタラクティブゲームは、第2のプレーヤーが、ゲームプレーのシーケンス内で先を見ることにより、第1のプレーヤーのゲームのプレーを助けるような、協力的なゲームプレーを確立するように設計されてもよく」との構成を備え、また、引用文献Bの【図20】及び【図21】を参酌すると、「ディスプレー18」と「携帯型装置28」の「ディスプレー36」(又は「タッチスクリーン」)とは、互いに他方に表示される画像を同時に表示するものではない。

よって、前記アを参酌すれば、引用発明3と、本願発明1の「前記第1画像を出力させるステップでは、前記第2画像を前記装着ディスプレイに出力させず、前記第2画像を出力させるステップでは、前記第1画像を前記ディスプレイに出力させない」とは、「前記第1画像を出力させるステップでは、前記第2画像を前記第1ユーザが使用するディスプレイに出力させず、前記第2画像を出力させるステップでは、前記第1画像を前記ディスプレイに出力させない」との共通の構成を備える。

(2)一致点、相違点

したがって、本願発明1と引用発明3とは、次の点において一致ないし相違する。

[一致点]

「 第1ユーザが使用するディスプレイに仮想空間の画像を出力させるアプリケーション制御プログラムであって、
1又は複数のコンピュータに、
前記第1ユーザの操作に応じて、前記第1ユーザが使用するディスプレイに、前記第1ユーザが配置する位置に配置するオブジェクトを含み、複数の前記オブジェクトを組み合わせたパターンを形成可能な前記仮想空間の第1画像を出力させるステップと、
第2ユーザが用いるディスプレイに、第2ユーザが用いるディスプレイに、前記オブジェクトを含む仮想空間を前記第1画像の視野角よりも広い視野角で俯瞰した第2画像を出力させるとともに、前記オブジェクトを選択するための表示領域を出力させるステップと、
前記表示領域に表示された前記オブジェクトの中から所定のオブジェクトを選択する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップと、
選択された前記所定のオブジェクトの配置位置を指定する前記第2ユーザの操作を受け付けるステップと、
前記第1ユーザが使用するディスプレイに、前記第2ユーザが指定した前記配置位置及び選択された前記所定のオブジェクトを識別可能に表示した前記仮想空間の画像を出力させるステップと、を実行させ、
前記第1画像を出力させるステップでは、前記第2画像を前記第1ユーザが使用するディスプレイに出力させず、
前記第2画像を出力させるステップでは、前記第1画像を前記ディスプレイに出力させないアプリケーション制御プログラム。」

[相違点]

<相違点3-1>

「第1ユーザが使用するディスプレイ」が、本願発明1では、「第1ユーザが装着する装着ディスプレイ」であるのに対し、引用発明3の「ディスプレー18」は、「装着ディスプレイ」として特定されていない点。

<相違点3-2>

「オブジェクト」が、本願発明1では、「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクト」であるのに対し、引用発明3において、「ディスプレー18」に表示される「プレーヤー」は、「複数の種類に分類され」たものでも「第1ユーザが配置すべき位置に配置する」ものでもない点。

<相違点3-3>

前記相違点3-2に関連し、本願発明1は、第2ユーザが用いるディスプレイにオブジェクト種類を選択するための表示領域を出力させ、装着ディスプレイに選択されたオブジェクトの種類を識別可能に表示した画像を出力させるのに対し、引用発明3は、プレーヤーを選択し選択されたプレーヤーを識別可能に表示するにとどまり、プレーヤーの種類を選択したりこれを識別可能に表示するものとして特定していない点。

(3)相違点についての判断

事案に鑑みて、先に相違点3-2について検討する。

引用発明3の「インタラクティブアプリケーション10」は、「フットボールのビデオゲーム」のように、任意の位置に移動(配置)することが可能な複数の「プレーヤー」(オブジェクト)を含むゲームを制御するものであり、制御対象となるゲームの性質は発明に本質的なものである。

よって、仮に引用文献A又は引用文献Cに「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクト」を含むゲームが記載されているとしても、あるいは、そのようなゲーム自体が本願出願時における周知技術であるとしても、引用発明3のゲームを、「複数の種類に分類され且つ前記第1ユーザが配置すべき位置に配置するオブジェクト」を含むものに変更すべき起因を当業者であっても見出すことはできない。

したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用文献Bに記載された発明及び引用文献A及びCに記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2について

本願発明2は、相違点3-2に係る本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献Bに記載された発明及び引用文献A及びCに記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明3及び4について

本願発明3及び4は、それぞれ、本願発明1を方法の発明又はシステムの発明として特定したものであり、相違点3-2に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えているから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献Bに記載された発明及び引用文献A及びCに記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

以上のとおりであるから、前置報告書に記載された理由によっても本願を拒絶することはできない。

第11 むすび

以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。

他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-012323

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