特許拒絶査定不服審判
2020-002400
プログラム、制御方法及び端末装置
- 審判番号
- 2020-002400
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-243441
- 請求日
- 2020年02月21日
- 審決日
- 2021年01月19日
- 公報発行日
- 2021年05月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】グリー株式会社
- 【請求人代理人】恩田 誠
- 【請求人代理人】恩田 博宣
- 審判長/審判官
- 審判長 尾崎 淳史
- 審判官 藤本 義仁
- 審判官 畑井 順一
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .537-Z (A63F) / P18 .55 -Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-243441「プログラム、制御方法及び端末装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月27日出願公開、特開2016-185324〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成27年3月27日(以下「分割原出願日」という。)に出願した特願2015-67171号の一部を平成27年12月14日に新たな特許出願としたものであって、平成29年11月2日付けで手続補正書が提出され、平成30年9月26日付けで拒絶理由が通知され、同年11月28日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成31年4月17日付けで拒絶理由(最後)が通知され、令和1年6月21日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、同年11月13日付けで同年6月21日付けで提出された手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対し、令和2年2月21日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和2年2月21日付けで提出された手続補正書による補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和2年2月18日付けで提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、平成30年11月28日付けで提出された手続補正書により補正された)特許請求の範囲の請求項1を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1へと補正することを含むものである。(下線は審決で付した。以下同じ。)
(1)本件補正前の特許請求の範囲
「【請求項1】
サーバ装置と通信を行うコンピュータに、
ユーザの特性のいずれかを判定する選択を行うための画面を表示部に表示するステップと、
前記選択を行うユーザ入力を受け付け、ユーザ入力に応じた情報を前記サーバ装置に送信するステップと、
前記サーバ装置から、前記選択に応じた第1ゲームの提供を受けて前記表示部に表示するステップと、
前記第1ゲームの結果に基づいて判定されたパラメータの値に応じたゲーム媒体の提供を受けるステップと、
前記サーバ装置から提供されたゲーム媒体を、前記表示部に表示するとともに前記第1ゲームとは異なる第2ゲームにおいて使用可能にするステップと、
を実行させるプログラム。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲
「【請求項1】
サーバ装置と通信を行うコンピュータに、
ユーザの特性のいずれかを判定する選択を行うための画面を表示部に表示するステップと、
前記選択を行うユーザ入力を受け付け、ユーザ入力に応じた情報を前記サーバ装置に送信するステップと、
前記サーバ装置から、前記選択に応じた第1ゲームの提供を受けて前記表示部に表示するステップと、
前記第1ゲームの結果を前記表示部に表示するとともに、前記第1ゲームの結果に基づいて判定されたパラメータの値に応じたゲーム媒体の提供を受けるステップと、
前記サーバ装置から提供されたゲーム媒体を、前記表示部に表示するとともに前記第1ゲームとは異なる第2ゲームにおいて使用可能にするステップと、
を実行させるプログラム。」
2 補正事項について
本件補正により、本件補正後の請求項1の「第1ゲームの結果に基づいて判定されたパラメータの値に応じたゲーム媒体の提供を受けるステップ」に関して、「第1ゲームの結果を前記表示部に表示するとともに」との補正事項(以下「補正事項」という。)が追加された。
特許法第17条の2第5項の規定によれば、拒絶査定不服審判の請求と同時にする特許請求の範囲についての補正は、請求項の削除(第1号)、特許請求の範囲の減縮(第2号)、誤記の訂正(第3号)、明りようでない記載の釈明(第4号)のいずれかを目的とするものに限るとされている。
そこで、上記補正事項について検討すると、上記補正事項は、形式的には、「ゲーム媒体の提供を受けるステップ」の内容を限定していることとなるが、ここで特定される内容は、「第1ゲームの結果を前記表示部に表示する」という作用であり、当該作用と「第1ゲームの結果に基づいて判定されたパラメータの値に応じたゲーム媒体の提供を受けるステップ」において特定される当該ステップが奏する作用とは異なるものであるから、実質的には、新たに「第1ゲームの結果を表示部に表示する」というステップを追加することと解される。
してみると、上記補正事項を追加する目的は、発明特定事項をさらに特定するものに実質的には該当しないから、上記第2号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。
また、上記補正事項が、上記第1、3、4の各号に掲げられた、いずれの目的とするものにも該当しないことは明らかである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定を満たすものではない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
3 独立特許要件について
上記のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定を満たすものではないが、形式的には、「ゲーム媒体の提供を受けるステップ」の内容を限定していることとなるから、念のため、本件補正後の前記請求項1に係る発明(令和2年2月21日付けで提出された手続補正書の特許請求の範囲に記載された事項により特定される、上記「1 (2)本件補正後の特許請求の範囲」の【請求項1】に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記「1 (2)本件補正後の特許請求の範囲」の【請求項1】に記載したとおりのものと認める。
(2)引用例
ア 引用例1
原査定の拒絶の理由において引用された特開2013-123549号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0025】
更に又、本発明に係る占いゲーム機は、大型のメインディスプレイとCPUを備えた中央ゲーム制御装置と、その中央ゲーム制御装置にアクセスできる複数のゲーム端末とから成る複合占いゲーム機として構成することができる。
この大型の複合占いゲーム機では、複数のプレイヤーによる集団占いゲームができ、又運勢の取引や、ゲーム用アイテムのトレードなどが盛んに行われるものである。」
(イ)「【0058】
図4以下には、本発明の第三実施例であるマルチターミナル型の大型占いゲーム機の一例が示されている。
又、図示はされていないが、このようなマルチターミナル型の大型占いゲーム機や、前記の第一及び第二実施例に示した占いゲーム機は、共通の一つのゲームサイトにアクセスできるように構成することが望ましい。そのように構成すると、後に説明するように、それらが単独ではできなかったボーナスゲームを提供できるようになる。
【0059】
図5において、300はマルチターミナル型の大型の占いゲーム機であり、図示されていないCPUを内蔵した中央ゲーム制御装置301と、メインディスプレイ302と、3基のゲーム端末310、320及び330とから成る。
3基のゲーム端末310、320及び330は、全て同一の構成を有するものであり、それぞれ、端末筐体311、321、331、端末ディスプレイ312、322、332、手相入力装置313、323、333、コイン投入口314、324、334、左右に対を成して設けられる回転輪315、325、335、芯胴316、326、336、右側の回転輪315、325、335を往復回動させる右ハンドル317、327、337、左側の回転輪を往復回動させる左ハンドル318、328、338、プレイヤーの身体の動きを検知し得る人体センサー319、329、339その他公知の必要装置を具備する。
【0060】
上記端末筐体311、321、331にも端末CPUが内蔵されており、これらの各端末CPUは中央ゲーム制御装置301に内蔵されたCPUをアシストする。
通常は中央ゲーム制御装置301に内蔵されたCPUに各端末で行われる占いゲームに必要な占いプログラム及び占いの結果の吉凶に応じ、それぞれのプレイヤーに実行させるべき少なくとも一つのボーナスゲームのためのプログラムがインストールされており、各ゲーム端末310、320、330のために、各ゲーム端末310、320、330から送られるゲーム入力情報に応動し、占いゲーム及び所要のボーナスゲームのためのプログラムに従ってゲーム演算を実行し、その演算結果に基づいて、各端末ディスプレイ313、323、333にゲームの進行状況が表示されるよう構成されている。
而して、これらの機能の一部を各端末ディスプレイ313、323、333に分担させることも可能である。」
(ウ)「【0067】
この占いゲーム機300の各ゲーム端末におけるゲームの流れの一例は、図10に示されている。
図10において、ステップS010でゲーム端末310にコインが投入されると、ステップS020に進み、その端末ディスプレイ312の表示はモード選択画面に切り替えられる。
本実施例において、選択肢は以下の三つである。
手相占いモード
手相占い+ゲームモード
手相占い+育成モード
【0068】
手相占いモードとは、手相占いだけを行うモードであり、ボーナスゲームを一切行わないモードである。
手相占い+ゲームモードとは、占い結果の一部の運勢を売却したり、ゲーム固有のパラメーターに交換したりして、武器のパワーアップ・アイテム購入などを行い、残りの運勢に応じて割り当てられたゲームを行うモードである。
手相占い+育成モードとは、占い以外のゲームは行わず、占いの結果を全て売却したり、ゲーム固有のパラメーターに交換したりして、武器のパワーアップ・アイテム購入などを行い、その結果を自己のアカウントに寄託するモードである。
【0069】
プレイヤーがモード選択ステップS020で、手相占いモードを選択すると、ステップS031に進み、プレイヤーはゲーム端末310の手相入力装置313に手を当て、掌の画像を入力する。その掌の画像は中央ゲーム制御装置301の内部に設けられているメインCPUに送られ、ステップS041において手相占いが行われ、その結果がゲーム端末310に送られ、ステップS051に進み、端末ディスプレイ321に占いの結果が表示され、その結果をプリントした紙片が交付され、ステップS0810に進んでゲームは終了する。
この場合の占いの結果表示は、「今日の運勢」として金運、恋愛運、仕事運が示されると共に、今年の運勢、性格診断、相性診断、手相診断などの結果が示される。
【0070】
プレイヤーがモード選択ステップS020で、手相占い+ゲームモードを選択すると、ステップS032に進み、プレイヤーは図11の(A)に示されているように、ゲーム端末310の手相入力装置313に手を当て、掌の画像を入力する。
ステップS032を経てステップS042に進み、手相占いモードと同様にして手相占いが行われ、ステップS052において「今日の運勢」がジャンル別、即ち、金運、恋愛運、仕事運などとして点数や☆印の数などとしてデジタル表示される。このときの端末ディスプレイ312の表示は、図11(B)のようになる。
【0071】
次いで、ステップS062に進み、端末ディスプレイ312の表示は売却又はパラメーターと交換するジャンルの選択画面、図11(C)となるので、プレイヤーは所望の選択肢の表示にタッチし、処分するジャンルの運勢を選択する。
然るときは、選択された選択肢に従って、アバターの強化が行われ、その条件でバトルが行われ、端末ディスプレイ312の表示は、図11(D)に示すようなバトル画面となる。
図中、312Aは、敵方のキャラクター、312Bはカーソル、312Cは攻撃効果表示画像、312DはHPゲージである。
【0072】
プレイヤーがモード選択ステップS020で、手相占い+育成モードを選択すると、ステップS043に進み、プレイヤーは図11の(A)に示されているように、ゲーム端末310の手相入力装置313に手を当て、掌の画像を入力する。
然るときは、ステップS033を経てステップS043に進み、手相占いモードと同様にして手相占いが行われ、ステップS053において「今日の運勢」がジャンル別、即ち、金運、恋愛運、仕事運などとして点数や☆印の数などとしてデジタル表示される。このときの端末ディスプレイ312の表示は、図11(B)のようになる。
【0073】
次いでステップS063に進み、プレイヤーは、運勢の売却又は、ゲーム固有のパラメーターとの交換を行い武器のパワーアップを行うが、この場合には自己のアカウントの記録を変更するだけで、ボーナスゲームを行うことなくステップS080に進んでゲームを終了する。」
(エ)「【0074】
図12は、本発明の第4実施例を示す説明図であり、多数の占いゲーム機がインターネットを通じて中央データベースにアクセス可能に接続されて成る占いゲームシステムの構成を示す説明図である。
図中、400は、中央データベース410と、その中央データベース410にアクセス可能な多数の占いゲーム機421、422、423、424,425・・・・・・42Eとから成る占いゲームシステムである。
【0075】
占いゲーム機421、422、423、424,425・・・・・・42Eは、インターネットを通じて、その中央データベース(410)にアクセス可能に接続され、プレイヤーが入力する個人情報に基づき、予め定められた占いプログラムに従って占い演算を行い、その占い結果を各ゲーム機のディスプレイに表示すると共に、その占い結果を示すパラメーターをも表示し、更にそのパラメーターを、中央データベース410に送信し、当該プレイヤーのアカウントに記録する。
占いゲーム機から中央データベース410にアクセスする場合には、例えば各プレイヤーが所持するIDカードなどを利用し、更にセキュリティを高めるため、パスワードなども併用することが推奨される。」
(オ) 上記(ア)の記載より、複数のゲーム端末は、中央ゲーム制御装置に接続されたものといえる。
(カ) 上記(ア)【0060】の「各端末で行われる占いゲームに必要な占いプログラム」との記載、(ウ)【0067】の「ゲーム機300の各ゲーム端末におけるゲームの流れの一例は、図10に示されている。」との記載及び図10より、図10のフローチャートに示されたゲームの流れが、ゲーム端末に、占いゲームを実行させるプログラムであるといえる。
そうすると、上記(ア)乃至(カ)の記載事項から、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
「中央ゲーム制御装置に接続された複数のゲーム端末に、占いゲームを実行させるプログラムであって、
ゲーム端末にコインが投入されると、その端末ディスプレイの表示はモード選択画面に切り替えられ、
モードの選択肢には、手相占いモード、手相占い+ゲームモード及び手相占い+育成モードの三つであり、
プレイヤーが、手相占い+ゲームモードを選択すると、プレイヤーはゲーム端末の手相入力装置に手を当て、掌の画像を入力し、その掌の画像は中央ゲーム制御装置の内部に設けられているメインCPUに送られて、手相占いが行われ、その結果がゲーム端末に送られ、端末ディスプレイに占いの結果が表示され、占いの結果表示は、「今日の運勢」がジャンル別、即ち、金運、恋愛運、仕事運などとして点数や☆印の数などとしてデジタル表示され、
端末ディスプレイの表示は売却又はパラメーターと交換するジャンルの選択画面となり、プレイヤーは所望の選択肢の表示にタッチし、処分するジャンルの運勢を選択し、
選択された選択肢に従って、アバターの強化が行われ、その条件でバトルが行われ、端末ディスプレイの表示は、バトル画面となる、プログラム。」
イ 引用例2
原査定の拒絶の理由において引用された特開平11-188176号公報(以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】【発明の属する技術分野】この出願の発明は、電子回路又はコンピュータを用いて人の運勢や相性等々を自動的に占った結果を自動的に用紙に印刷し、占文(占いの結果を記した文書。「うらぶみ」又は「せんもん」と読む。)乃至卜書(「うらぶみ」と読む。)の形式で出力することが出来る、占文出力装置付自動占い機に関する。特に、占いの結果を他人から覗き見される虞がなく、従って又、他人に対して任意所望の期間完全に秘密にしておくことの可能な占文を出力する、占文出力装置付自動占い機に関する。」
(イ)「【0021】〈自動占い機の動作〉第1の実施の形態の自動占い機の動作について説明する。図4は、表示器8による表示画面の若干例を示す図である。図6は、同自動占い機の動作を示すフローチャートである。[デモンストレーション]、自動占い機1が待機状態にある時は、表示器8には、例えば図4(a)~(b)の如き、デモンストレーション画面、「運勢何でも、本格的に占います。占いの結果は、二重紙の内側にプリント(印刷)されますので、誰からも覗(のぞ)かれません。つまり、あなただけの秘密と成ります。1回につき○○○円ですが、操作中は何時でも取り消せます。」や、「コイン投入によって、ぴかぴか明滅する文字・数字が現れます。それらにタッチするだけで、占いに必要なデータの入力が出来ます。どなた様でも、迷わず操作することが出来ます。では、コイン投入をどうぞ。」が、例えば10秒毎に切り替わりながら、繰り返し表示される。【0022】[メニュー画面]○○○円分のコインがコイン投入口5に投入され、コイン判別器52によって確認されると、画面が変って、例えば図4(c)の如き、自動占い種目等選択用のメニュー画面、「番号にタッチし、占い種目を選びましよう。1 金運、 2 仕事運、 3 恋愛運、 4 今週の運勢。続いて、占いモードを選びましょう。1 12星座占星術、 2 13星座占星術、 3 四柱推命術、4 密教占星法、 5 …、 n …。コイン返却。 訂正 取消 確認」となる。番号「1」~「4」自身(ソフトキー)或はそれらの背景光がぴかぴかと明滅(変光)し、それらが当面の被タッチ部位であることを一目瞭然化する。」
(ウ)「【0032】そこで、占いの集中処理システムを構築する。図9は、この出願の発明の可守秘占文出力装置付自動占いシステムの第3の実施の形態の説明図である。図9において、H1は1個の中央自動占い装置(CFU)、SRj(j=1~n,nは端末数)は多数の人出力端末装置、P1両者を接続する公衆通信回線である。の中央自動占い装置に公衆通信回線をを介して接続された理解の便のため極論をすれば、第1の実施の形態の占文出力装置付自動占い機1の機能は2分され、入出力端末装置SRjには入出力機能だけが残り、残余の諸機能は中央自動占い装置H1に集中される。その結果、占い判断は、中央自動占い装置(ホストコンピュータ )H1で行われることと成る。これによれば、中央自動占い装置(ホストコンピュータ)H1に、占いに関するデータメモリを多数用意することが可能となるから、多数の依頼者の多種多様な要求に漏れなく応えることができる。また、遠隔地や海外からの利用をも可能にし、流行の変遷にも容易に応えることができる。第3の実施の形態のその余の事項は、第1、第2の実施の形態と同様である。」
(エ)「
」
(オ)「
」
(カ)図4(c)の「占いの種目を選びましょう。」及び「占いモードを選びましょう。」との記載、図6の「スタート入力」との記載、並びに、上記(ウ)の「第1の実施の形態の占文出力装置付自動占い機1の機能は2分され、入出力端末装置SRjには入出力機能だけが残り、残余の諸機能は中央自動占い装置H1に集中される」との記載から、入出力端末装置には、選択する占い種目及び占いモードの画面が表示され、該画面で占い種目及び占いモードの選択を受け付け、選択された占い種目及び占いモードの入力画面が入出力端末装置に表示されているものと認める。
そうすると、上記(ア)乃至(カ)の記載事項から、引用例2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。
「1個の中央自動占い装置と、公衆通信回線で接続する多数の人出力端末装置からなる自動占いシステムであって、
入出力端末装置には入出力機能だけが残り、占い判断は、中央自動占い装置で行われ、
入出力端末装置には、選択する占い種目及び占いモードの画面が表示され、該画面で占い種目及び占いモードの選択を受け付け、選択された占い種目及び占いモードの入力画面が入出力端末装置に表示されている自動占いシステム。」
(3)対比
そこで、本願補正発明と引用発明1とを対比すると、
ア 後者の「ゲーム端末」、「プレイヤー」、「端末ディスプレイ」、「手相占い」、「『手相占い』の『結果』」、「点数や☆印の数」、「バトル」及び「プログラム」は、それぞれ、前者の「コンピュータ」、「ユーザ」、「表示部」、「第1ゲーム」、「第1ゲームの結果」、「パラメータの値」、「第2ゲーム」及び「プログラム」に相当する。
イ 「運勢」とは、人それぞれの将来の運であって、人それぞれ、異なるものであることが、一般常識といえることから、後者の「運勢」は、前者の「ユーザの特性」に相当する。そして、後者の「モード選択画面」には、手相占いモード、手相占い+ゲームモード及び手相占い+育成モードの三つモードが選択肢として表示され、プレイヤーが選択肢を選択すると、プレイヤーの今日の運勢を占う手相占いが行われるのであるから、後者の「モード選択画面」は、前者の「ユーザの特性を判定するための画面」に相当する。してみると、後者の「端末ディスプレイの表示はモード選択画面に切り替え」るとは、前者の「ユーザの特性を判定するための画面を表示部に表示するステップ」に相当する。
ウ 後者の「プログラム」における、「プレイヤーはゲーム端末の手相入力装置に手を当て、掌の画像を入力」すること、「その掌の画像は中央ゲーム制御装置の内部に設けられているメインCPUに送られ」ること、及び「端末ディスプレイに占いの結果を表示」することは、それぞれ、前者の「ユーザ入力を受け付け」ること、及び「ユーザ入力に応じた情報を送信するステップ」及び「第1ゲームの結果を表示部に表示する」ことに相当する。
エ 後者の「点数や☆印の数」は、占いの結果である「今日の運勢」がジャンル別にデジタル表示したものであるから、前者の「第1ゲームの結果に基づいて判定されたパラメータの値」に相当する。
オ 後者の端末ディスプレイに表示された「点数や☆印の数」は、パラメータと交換して、アバターの強化が行われるのであるから、後者の「強化された」「アバター」は、前者の「第1ゲームの結果に基づいて判定されたパラメータの値に応じたゲーム媒体」に相当する。
カ してみると、後者の「プログラム」における、「強化された」「アバター」でバトルが行われ、端末ディスプレイの表示は、バトル画面となるとは、前者の「サーバ装置から提供されたゲーム媒体を、前記表示部に表示するとともに第1ゲームとは異なる第2ゲームにおいて使用可能にする」に相当する。
したがって、両者は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。
[一致点]
コンピュータに、
ユーザの特性を判定するための画面を表示部に表示するステップと、
ユーザ入力を受け付け、ユーザ入力に応じた情報を送信するステップと、
前記第1ゲームの結果を前記表示部に表示するとともに、前記第1ゲームの結果に基づいて判定されたパラメータの値に応じたゲーム媒体の提供を受けるステップと、
前記サーバ装置から提供されたゲーム媒体を、前記表示部に表示するとともに前記第1ゲームとは異なる第2ゲームにおいて使用可能にするステップと、
を実行させるプログラム。
[相違点]
本願補正発明は、「サーバ装置と通信を行」い、ユーザの特性「のいずれか」を判定する「選択を行う」ための画面を表示部に表示し、「選択を行う」ユーザ入力に応じた情報を「サーバ装置」に送信し、「サーバ装置から、前記選択に応じた第1ゲームの提供を受けて表示部に表示する」ものであるのに対し、引用発明1は、中央ゲーム制御装置に接続され、モードを選択するものである点。
(4)判断
上記相違点について、以下、検討する。
引用発明2の「中央自動占い装置」、「占い」、「占い種目」、「選択する占い種目の画面」及び「選択された占い種目の入力画面」は、それぞれ本願補正発明の「サーバ装置」、「ユーザの特性」、「ユーザの特性のいずれか」、「選択を行うための画面」及び「ゲーム画面」に相当する。
引用発明2は、多数の人出力端末装置は1個の中央自動占い装置と公衆通信回線で接続するものであるから、本願補正発明の「コンピュータ」と引用発明2の「人出力端末装置」とは、「サーバ装置と通信を行う」ものとの概念で共通する。
そうすると、上記相違点に係る本願補正発明の構成は、引用発明2に示されているといえる。
また、ゲーム機の分野において、多数のゲーム機とサーバ装置とを通信可能に接続し、ゲーム機でのユーザの入力に応じた情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置からは、ユーザの入力に応じたゲームを提供され、表示部に表示することは、周知の技術手段といえる(以下「周知技術」という。)。
そして、引用文献1には、中央データベースにインターネットを通じてアクセス可能に接続する多数の占いゲーム機が記載されているところからすると、引用発明1に、引用発明2を適用することにより、中央ゲーム制御装置と複数のゲーム端末とを通信を行うようにし、占いのジャンルのいずれかを選択を行うための画面を表示し、選択に応じたゲームの提供を受けてゲーム端末に表示するようにするにし、以て、上記相違点に係る構成とすることは、当業者が容易になし得るものである。
そして、本願補正発明の発明特定事項によって奏される効果も、引用発明1、引用発明2及び上記周知技術から、当業者が予測しうる範囲内のものである。
請求人は、「引用発明2は、占い結果である運勢とアイテムとを交換するか否かをユーザに選択させるものであるため、占い結果を画面に表示させる構成は必須である。このため、占い結果を他人に知られないように秘密にすることを目的とした引用発明1と課題が相違する。」と主張する。
しかし、引用発明1の課題は「単なる御神籤自動販売機でなく、興趣に富んだ占いゲーム機を提供する。」(要約書参照。)ことであるところ、引用発明2は、選択する占い種目及び占いモードをユーザが選択できるものであって、占いの種目及びモードに選択肢を設けたことにより、ユーザにとって興趣性が高まることは、明らかである。そうすると、引用発明1と引用発明2とは、課題を共通するものといえるのであるから、引用発明1に引用発明2を適用する動機付けはあるものといえる。
また、請求人は、「引用文献2の明細書の段落〔0013〕には、「本発明が解決しようとする問題点」として、御神籤自動販売機のような専ら占いをするためのゲーム機が「占いの結果にリアリティが感じられず、そのためゲーム機の人気も余り芳しいものでなく、リピーターが少なかった」と記載され、引用発明1のような占い機を排斥しており、そのような引用発明1を引用発明2に適用することの示唆もない。したがって、引用発明2に、引用文献1に記載された技術的事項を適用することの動機付けが無い。」と主張する。
しかし、上記(2)イで認定したとおり、引用文献2から、占い種目及び占いモードをユーザが選択できる自動占いシステムという技術思想を引用発明2として認定したのであるところ、引用発明1は、前記のような占い種目及び占いモードをユーザが選択できる自動占いシステムまでをも排斥するものとはいえないのであるから、引用発明1に引用発明2を適用する動機付けがないとまではいえない。
よって、上記請求人の主張は採用できない。
よって、本願補正発明は、引用発明1、引用発明2及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際、独立して特許を受けることが出来ない。
(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
また、仮に、本件補正が、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとしても,同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成30年11月28日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
サーバ装置と通信を行うコンピュータに、
ユーザの特性のいずれかを判定する選択を行うための画面を表示部に表示するステップと、
前記選択を行うユーザ入力を受け付け、ユーザ入力に応じた情報を前記サーバ装置に送信するステップと、
前記サーバ装置から、前記選択に応じた第1ゲームの提供を受けて前記表示部に表示するステップと、
前記第1ゲームの結果に基づいて判定されたパラメータの値に応じたゲーム媒体の提供を受けるステップと、
前記サーバ装置から提供されたゲーム媒体を、前記表示部に表示するとともに前記第1ゲームとは異なる第2ゲームにおいて使用可能にするステップと、
を実行させるプログラム。」(以下「本願発明」という。)
2 引用例
平成31年4月17日付けの拒絶理由通知に引用された引用例、及び、その記載内容は上記「第2 3 (2)引用例」に記載したとおりである。
3 対比・判断
本願発明は、実質的に、本願補正発明の「第1ゲームの結果を前記表示部に表示するとともに」との特定を省くものである。
そうすると、本願発明と引用発明1とを対比すると、上記「第2 3 (3)対比」での検討を勘案すると、両者は、
「 コンピュータに、
ユーザの特性を判定するための画面を表示部に表示するステップと、
ユーザ入力を受け付け、ユーザ入力に応じた情報を送信するステップと、
前記第1ゲームの結果に基づいて判定されたパラメータの値に応じたゲーム媒体の提供を受けるステップと、
前記サーバ装置から提供されたゲーム媒体を、前記表示部に表示するとともに前記第1ゲームとは異なる第2ゲームにおいて使用可能にするステップと、
を実行させるプログラム。」
の点で一致し、以下の点で、相違する。
[相違点’]
本願発明は、「サーバ装置と通信を行」い、ユーザの特性「のいずれか」を判定する「選択を行う」ための画面を表示部に表示し、「選択を行う」ユーザ入力に応じた情報を「サーバ装置」に送信し、「サーバ装置から、前記選択に応じた第1ゲームの提供を受けて表示部に表示する」ものであるのに対し、引用発明1は、中央ゲーム制御装置に接続され、モードを選択するものである点。
そして、上記相違点’は、上記相違点と実質的に同じものであるから、上記「第2 3 (4)判断」における検討内容を踏まえれば、上記と同様の理由により、本願発明は、引用発明1、引用発明2及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明1、引用発明2及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-002400