2020-001977
エアーコンディショナー
- 審判番号
- 2020-001977
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2019-006961外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1669475
- 請求日
- 2020年02月13日
- 審決日
- 2020年08月19日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ダイキン工業株式会社
- 【請求人代理人】川越 弘
- 【請求人代理人】原田 雅美
- 【請求人代理人】渡邉 知子
- 分類
- D18 .3 -WY (D4-3)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法10条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第10条、意匠法第14条第1項、意匠法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続の経緯
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本願は、意匠法第14条第1項の規定により本願に係る意匠(以下「本願意匠」という。)を3年間秘密にすることを請求して、平成31年(2019年)3月29日に出願された、願書に記載した本意匠(以下「本意匠」という。)を意願2019-6953号(意匠登録第1642716号)とする関連意匠の意匠登録出願であって、主な手続の経緯は以下とおりである。
令和 1年 7月23日付け 拒絶理由通知書
令和 1年 9月 6日 意見書提出
令和 1年11月11日付け 拒絶査定
令和 2年 2月13日 審判請求書提出
第2 本願意匠
本願意匠は、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「エアーコンディショナー」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)は、願書及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものである。(別紙第1参照)
第3 原査定における拒絶の理由及び本意匠
原審における拒絶の理由は、本願意匠が本意匠に類似する意匠と認められず、意匠法第10条第1項の規定に該当しないとしたものである。
本意匠は、意匠法第14条第1項の規定により3年間秘密にすることを請求して、平成31年(2019年)3月29日(本願出願日と同日)に意匠登録出願され、令和1年9月13日に意匠権の設定の登録がされたものであり、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「エアーコンディショナー」とし、その形態は、願書及び願書に添付した図面に記載したものである。(別紙第2参照)
第4 当審の判断
1 本願意匠と本意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は、「エアーコンディショナー」であり、本意匠の意匠に係る物品は、「エアーコンディショナー」であって、本願意匠と本意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、一致する。
(2)形態
本願意匠と本意匠の形態を対比すると、主として、以下の共通点と差異点が認められる。
(2-1)共通点
基本的構成態様として、
(A)正面及び背面並びに左側面中央及び右側面中央が略平坦で鉛直方向に互いに平行状に形成されている扁平な略直方体状である点が共通し、
具体的構成態様として、
(B)平面視及び底面視で略横長長方形状であって、
(C)縦横奥行きの長さ比は1.7:9:4であり、
(D)平面(上面)背面寄りに、平面視で縦方向に4分割して仕切られた細長い略長方形状の吸気口部を奥行き長さの半分ほどの縦幅に配し、
(E)正面視で、外形状より一回り小さい相似形状の吹き出し口の開閉蓋部を嵌合状に設け、
(F)背面視で、正面外形状より一回り小さい相似形状の(吹き出し口の開閉蓋部と同形状)線状部を配している点について共通する。
(2-2)相違点
具体的構成態様として、
(ア)本願意匠は正面視、全長(横方向長さ)の上下辺の左右端から約6分の1を縦幅の上下約5分の1まで内方に傾けてたわめたような外方に膨らみを帯びた曲線状で左右端部は平行な鉛直状の略変形横長長方形状(以下「本願正面視形状」という。)で、全体形状は本願正面視形状が倒柱状となった扁平な略変形直方体形状であるのに対し、本意匠は正面視で角部が丸みを帯びた略長方形状で、全体形状は隅丸横長長方形が倒柱状となった略扁平隅丸直方体形状であって、
(イ)平面(上面)背面寄りに4つに仕切られた横長の吸気口部について、本願意匠の横幅は全長の約10分の6.5であるのに対し、本意匠は全長の約10分の8である点が相違する。
2 類否判断
以上の一致点、共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。
(1)意匠に係る物品
前記、第4の1(1)のとおり、両意匠の意匠に係る物品は、一致するから同一であって、形態については以下のとおりである。
(2)形態の評価
(2-1)形態の共通点の評価
「エアーコンディショナー」の物品分野においては、特にエアーコンディショナーは、冷風、温風を吹き出して室温を整えるものであるから、その吹き出し口の周縁は、最も注意を向けるところといえ、需要者は吹き出し口を有する正面側をよく観察することとなり、基本的構成態様としてあげた共通点(A)は、その正面、側面及び底面から観察可能な両意匠の共通点であって、扁平な略直方体状である点は、両意匠の形態の基調を形成して、両意匠の独自の共通する特徴に係るものといえるから、この点が両意匠の類否判断に与える影響は大きい。また、共通点(B)は、平面視及び底面視の形態に係り、共通点(F)の点と相まって、外形状と相似形の線状部が正面側の直線部分を強調し、上下に扁平かつ横長な印象を強めるものであって、両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度あるものである。そして共通点(C)の両意匠の縦横奥行きの長さ比は1.7:9:4である点は、全体のプロポーションに関わり、特に正面視の縦横の長さ比は、よく観察される正面側の態様であって、かつ、「エアーコンディショナー」の物品分野においてこのような扁平な略直方体状であるものは見受けられず、両意匠の共通する印象を決定づけるから、この共通点は、需要者の注意を惹き、両意匠の類否判断に与える影響は大きく、共通点(D)は、使用時に観察されづらい平面背面寄りの共通点であるから両意匠の類否判断に与える影響は小さく、共通点(E)はよく観察される正面の送風に関わる吹き出し口の開閉蓋部の形態であるから両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
したがって、共通点(A)ないし共通点(F)の両意匠の類否判断に及ぼす影響は、総じて大きく、共通点全体であいまって生じる効果は、両意匠の類否判断を決定付けるものである。
(2-2)形態の相違点の評価
これに対して、両意匠の具体的構成態様に係る相違点は、相違点(ア)は、両意匠の全体形状に係る相違点であって、一見して看取できる相違であるが、共通点(A)ないし(C)の共通点がある中での扁平な略直方体状の正面視での全長の上下辺の左右端から約6分の1の部分的態様の相違にとどまり、この点が両意匠の類否判断に与える影響は一定程度にとどまる。また、相違点(イ)は、使用時に観察されづらい平面背面寄りの共通点であるから両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
(2-3)形態の総合評価
そうすると、形態における共通点(A)ないし共通点(F)の両意匠の類否判断に及ぼす影響は、総じて大きいものであって、両意匠の類否判断を決定付けるものであるのに対して、形態の相違点(ア)の両意匠の類否判断に与える影響は、一定程度あるとしても、相違点(イ)は、両意匠の類否判断与える影響小さいものであって、それら相違点(ア)及び相違点(イ)があいまっても、相違点は、総じて両意匠の類否判断に与える影響は小さく、共通点が相違点を凌駕し、両意匠は類似するものである。
3 小括
したがって、両意匠は、意匠に係る物品は同一であって、形態においては、共通点の両意匠の類否判断に及ぼす影響は相違点のそれを凌駕しており、両意匠の類否判断を決定付けるものであるから、本願意匠は、願書に記載した本意匠に類似するものである。
4 本願意匠が意匠法第10条1項の規定に該当するか否かについて
本意匠の意匠登録出願人は、本願の意匠登録出願人と同一であるから、意匠法第10条1項に規定されている本意匠の要件を満たしている。
また、本願意匠の意匠登録の出願の日は本意匠の意匠登録出願の日以後(同日)であって、本意匠の意匠登録公報の発行の日の前であるから意匠法第10条1項に規定されている関連意匠の意匠登録出願の日の要件を満たしている。
さらに、前記3のとおり、本願意匠は本意匠に類似するものと認められるので意匠法第10条1項に規定されている本意匠に類似する意匠(関連意匠)の要件を満たしている。
したがって本願意匠が意匠法第10条1項の規定に該当するものである。
第5 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、願書に記載した本意匠に類似し、意匠法第10条第1項の規定に該当するものと認められるから原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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