2020-000214
画像処理技術を用いた被検者の肌または頭皮状態の判定システムを用いたビジネス方法
- 審判番号
- 2020-000214
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-021692外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年01月08日
- 審決日
- 2021年01月06日
- 公報発行日
- 2021年02月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】プロモツール株式会社
- 【請求人代理人】羽切 正治
- 分類
- P18 .121-WY (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 15項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成26年10月18日に出願した特願2014-213258号の一部を平成30年2月9日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
補正の却下の決定、拒絶査定
第2 令和2年1月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年1月8日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
(1)本件補正前の特許請求の範囲の記載
令和元年9月24日にされた手続補正は令和元年10月9日付けで却下されているから、本件補正前の特許請求の範囲は平成31年2月28日にされた手続補正により補正されたものであるところ、その記載は、以下のとおりである。
「【請求項1】肌または頭皮状態を判定する肌または頭皮状態判定システムであって、一般消費者の所有する端末と、店舗に設置した端末と、続きを表示(全19行)化粧品会社の所有する端末と、前記一般消費者の端末及び前記店舗の端末に肌または頭皮診断アプリケーションを提供するアプリ提供者のサーバーと、を有し、前記一般消費者の端末及び前記店舗の端末は、前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信し、前記サーバーは、前記肌または頭皮診断データに基づいた肌または頭皮診断結果を前記一般消費者及び前記店舗の端末に出力し、前記店舗の端末は、前記肌または頭皮診断結果と、前記サーバー内で選択、紐付けされた化粧品を紐付けて前記一般消費者に推奨し、前記サーバーは、全ての肌または頭皮診断データを個人情報を削除した上で前記化粧品会社の端末に出力することを特徴とする肌または頭皮状態判定システム。【請求項2】前記サーバーは、前記一般消費者の所有する端末及び前記店舗に設置した端末に前記肌または頭皮診断結果を送信する際に、前記化粧品会社の広告を一緒に送信することを特徴とする請求項1に記載の肌または頭皮状態判定システム。【請求項3】肌または頭皮状態を判定する肌または頭皮状態判定方法であって、肌または頭皮診断アプリケーションを、アプリ提供者のサーバーから一般消費者の所有する端末及び店舗に設置した端末に提供し、前記一般消費者の肌または頭皮診断データを、前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の端末及び前記店舗の端末から前記サーバーに送信し、前記肌または頭皮診断データに基づいた肌または頭皮診断結果を、前記サーバーから前記一般消費者及び前記店舗の端末に出力し、前記肌または頭皮診断結果と前記サーバー内で選択、紐付けされた化粧品を紐付けて、前記店舗の端末から前記一般消費者に推奨し、全ての肌または頭皮診断データを個人情報を削除した上で、前記サーバーから化粧品会社の端末に出力することを特徴とする肌または頭皮状態判定方法。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲の記載
これに対し、本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。(下線は、令和2年1月8日付け手続補正書に示された補正箇所である。)
「【請求項1】肌または頭皮状態を判定する肌または頭皮状態判定システムであって、一般消費者の所有する端末と、店舗に設置した端末と、続きを表示(全21行)化粧品会社の所有する端末と、前記一般消費者の端末及び前記店舗の端末に肌または頭皮診断アプリケーションを提供するアプリ提供者のサーバーと、を有し、前記一般消費者の端末は、前記サーバーから肌または頭皮診断の診断用のアプリケーションが提供され、前記診断用のアプリケーションで前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信するとともに前記サーバーによる肌または頭皮診断結果を含む情報を前記サーバーからフィードバックされるものであり、前記店舗の端末は、少なくともサービスの提供に供する肌または頭皮診断のサービス提供用のアプリケーションが提供され、前記サービス提供用のアプリケーションで少なくともサービスの提供に必要な前記一般消費者の前記肌または頭皮診断結果を含む情報を受け取るものであり、前記サーバーは、前記一般消費者の端末から送信された前記肌または頭皮診断データに基いた前記肌または頭皮診断結果を出力し、前記一般消費者の端末及び店舗の端末に提供する各前記アプリケーションに対応させて、前記一般消費者の端末の前記診断用のアプリケーションで前記肌または頭皮診断結果を前記一般消費者の端末に送信し、及び前記肌または頭皮診断結果を含めて少なくともサービス提供に必要な情報を前記サービス提供用のアプリケーションで前記店舗の端末に送信し、前記サーバーは、全ての前記肌または頭皮診断結果のデータをデータベースに蓄積し、個人のプライバシー情報を削除した上で解析、分析、加工、編集して前記化粧品会社の端末に出力することを特徴とする肌または頭皮状態判定システム。【請求項2】前記サーバーは、前記一般消費者の所有する端末及び前記店舗に設置した端末に前記肌または頭皮診断結果を送信する際に、前記化粧品会社の広告を一緒に送信することを特徴とする請求項1に記載の肌または頭皮状態判定システム。【請求項3】肌または頭皮状態を判定する肌または頭皮状態判定方法であって、肌または頭皮診断の診断用のアプリケーションをサーバーから一般消費者の端末へ提供し、一般消費者の肌または頭皮診断データを前記診断用のアプリケーションで前記一般消費者の端末から前記サーバーに送信するとともに、前記サーバーによる肌または頭皮診断結果を含む情報を前記サーバーから前記一般消費者の端末へフィードバックし、少なくともサービスの提供に供する肌または頭皮診断のサービス提供用のアプリケーションを前記サーバーから店舗の端末へ提供し、前記店舗の端末は前記サービス提供用のアプリケーションで、少なくともサービスの提供に必要な前記一般消費者の前記肌または頭皮診断結果を含む情報を前記サーバーから受け取り、前記肌または頭皮診断結果と前記サーバー内で選択、紐付けされた化粧品を紐付けて、前記店舗の端末から前記一般消費者に推奨し、全ての前記肌または頭皮診断結果のデータをデータベースに蓄積して、個人情報を削除した上で解析、分析、加工、編集して前記サーバーから化粧品会社の端末に出力することを特徴とする肌または頭皮状態判定方法。」
2 本件補正の適否の判断
(1)特許法第17条の2第5項では、拒絶査定不服審判を請求する場合において、その審判の請求と同時にするときの補正について、請求項の削除、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに限る旨を規定している。
そこで、本件補正が上記の要件を満たしているかについて、以下に検討する。
(2)上記1によれば、本件補正は、以下の補正事項を含むものである。
(補正事項ア)本件補正前の請求項1の「前記一般消費者の端末及び前記店舗の端末は、前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信し、」という記載により特定される、「前記店舗の端末」が「前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信し」との構成を、本件補正により、この構成を削除する補正。
(補正事項イ)本件補正前の請求項1の「前記店舗の端末は、前記肌または頭皮診断結果と、前記サーバー内で選択、紐付けされた化粧品を紐付けて前記一般消費者に推奨し」との構成を、本件補正により、「前記店舗の端末は」「前記サービス提供用のアプリケーションで少なくともサービスの提供に必要な前記一般消費者の前記肌または頭皮診断結果を含む情報を受け取るものであり」「前記サーバーは」「前記肌または頭皮診断結果を含めて少なくともサービス提供に必要な情報を前記サービス提供用のアプリケーションで前記店舗の端末に送信し」との構成にする補正。
(補正事項ウ)本件補正前の請求項3の「前記一般消費者の肌または頭皮診断データを、前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の端末及び前記店舗の端末から前記サーバーに送信し、」という記載により特定される、「前記一般消費者の肌または頭皮診断データを、前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて」「前記店舗の端末から前記サーバーに送信」するとの構成を、本件補正により、この構成を削除する補正。
(3)補正事項アについて
本件補正前の「前記店舗の端末」が「前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信し」との構成を、本件補正により、この構成を削除する補正は、店舗の端末について、「前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信し」という機能を有するものに限定せずその範囲を拡大するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当しない。
また、当該補正が、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明に該当しないことは明らかである。
(4)補正事項イについて
本件補正前の請求項1の「前記店舗の端末は、前記肌または頭皮診断結果と、前記サーバー内で選択、紐付けされた化粧品を紐付けて前記一般消費者に推奨し」との構成を、本件補正により、「前記店舗の端末は」「前記サービス提供用のアプリケーションで少なくともサービスの提供に必要な前記一般消費者の前記肌または頭皮診断結果を含む情報を受け取るものであり」「前記サーバーは」「前記肌または頭皮診断結果を含めて少なくともサービス提供に必要な情報を前記サービス提供用のアプリケーションで前記店舗の端末に送信し」との構成にする補正は、店舗の端末において肌または頭皮診断結果に関連して用いる情報を、「化粧品」やその「紐付け」という事項の限定がないサービス提供に必要な情報に拡大するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当しない。
また、当該補正が、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明に該当しないことは明らかである。
(5)補正事項ウについて
本件補正前の「前記一般消費者の肌または頭皮診断データを、前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて」「前記店舗の端末から前記サーバーに送信」するとの構成を、本件補正により、この構成を削除する補正は、店舗の端末について、「前記一般消費者の肌または頭皮診断データを」「前記店舗の端末から前記サーバーに送信」するという機能を有するものに限定せずその範囲を拡大するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当しない。
また、当該補正が、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明に該当しないことは明らかである。
3 小括
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 原査定の概要
原査定(令和元年10月9日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。
請求項1-3に係る発明は、下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1.国際公開第2013/122233号
第4 本願発明
令和2年1月8日にされた手続補正は上記のとおり却下され、令和元年9月24日にされた手続補正は令和元年10月9日付けで却下されているから、本願の請求項1-3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は、平成31年2月28日にされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定されるものであり、本願発明1は、前記第2[理由]1(1)に記載の以下のとおりのものである。
「【請求項1】肌または頭皮状態を判定する肌または頭皮状態判定システムであって、一般消費者の所有する端末と、店舗に設置した端末と、化粧品会社の所有する端末と、前記一般消費者の端末及び前記店舗の端末に肌または頭皮診断アプリケーションを提供するアプリ提供者のサーバーと、を有し、前記一般消費者の端末及び前記店舗の端末は、前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信し、前記サーバーは、前記肌または頭皮診断データに基づいた肌または頭皮診断結果を前記一般消費者及び前記店舗の端末に出力し、前記店舗の端末は、前記肌または頭皮診断結果と、前記サーバー内で選択、紐付けされた化粧品を紐付けて前記一般消費者に推奨し、前記サーバーは、全ての肌または頭皮診断データを個人情報を削除した上で前記化粧品会社の端末に出力することを特徴とする肌または頭皮状態判定システム。」
なお、本願発明2-3は、前記第2[理由]1(1)に記載の、請求項2-3のとおりのものであり、その概要は以下のとおりである。
本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明3は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
第5 引用発明
1 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由で引用された、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、国際公開第2013/122233号(2013年8月22日国際公開)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
「[0011] また、肌の状態とスキンケア用の化粧品(洗顔関係を含む)との関係を考えた場合に、ユーザーは、自分が使っている肌ケア用の化粧品と、肌の状態の変化との関係、すなわち、現在自分が使っている肌ケア用の化粧品が、自分の肌状態の改善に効果があるのか否かを知りたいと思っている。すなわち、今使っている化粧品は自分の肌に合っているか否かや、もっと自分の肌に合う化粧品がないかを知りたがっている。しかし、上述の化粧品会社の店舗等での肌診断では、その化粧品会社の商品である化粧品の情報しか得ることができない。[0012] 化粧品会社側から見た場合に、上述のように店舗で肌用測定機器を用いてユーザーの肌の状態の情報を得ることができる。この場合に店員によるユーザーへの質問やアンケート等により顧客の情報、例えば、顧客の住所、名前等の個人情報や、使用している化粧品やその他の肌に影響を与える要素の情報を得ることができる。また、ユーザーが自社商品を使用している場合に、自社商品の使用した場合の肌への影響等のデータを得ることができる。しかし、店舗等で肌の状態の測定等を行うことなく、例えば、化粧品会社の販売系統に含まれない販売店や通販等で化粧品を購入するユーザー層の肌の状態等のデータを得ることができないといった問題があった。また、他社製品を使用した場合の肌に与える影響等の情報を得ることも難しかった。[0013] 現在、国内だけでも多くの化粧品メーカー(ここでメーカーと言った場合に販売会社も含むものとする)があるとともに、他業種からの新規参入もあり、また、海外の化粧品を利用するユーザーもおり、多数の化粧品が出回っている。これらの中からユーザーは、自分に合った化粧品を選択する必要があり、化粧品を使った場合に、ある程度効果があるか否か簡便に判断できることが望まれている。[0014] また、化粧品会社は、例えば、肌の状態として各肌タイプのユーザーにどのような成分を有する化粧品が効果があるのかや、各肌タイプのユーザーがどのような化粧品を好むのかなど、各ユーザーのデータを得られた場合に、商品戦略上有利になれる。商品開発において、行われる治験の情報量には限界があり、自社商品の販売後に多くのユーザーからフィードバックされるデータを得られれば、次の商品開発に有効利用することができ、さらに他社製品の情報が得られれば、さらに有効利用可能である。したがって、化粧品会社であるメーカーは、発売後の化粧品を使用したユーザーのデータが得られることが望まれている。」
「[0097] 以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。この実施の形態の肌状態測定分析情報管理システムおよび肌状態測定分析情報管理方法は、肌状態測定分析情報管理システムの会員である肌状態測定装置のユーザーに、肌状態測定装置の測定データから自分の肌状態の分析結果を得られるサービスを低コスト(例えば無料もしくは比較的安価な会費)で提供することにより、ユーザーに自分の肌の状態を認識してもらうものである。」
「[0099] また、多くの肌状態の測定データを収集した場合には、収集したデータを化粧品のメーカーや販売会社(化粧品会社)に有料で各種スキンケア用品の開発に利用してもらうことが可能になる。この際に測定データだけではなく、ユーザーの使用しているスキンケア用品やスキンケア装置2、さらに、ユーザーの大まかな年齢や居住地域や年収や職業などの付帯データをつけることで、測定データに付加価値をつけて、より有効に測定データを利用してもらうことができる。これにより、肌状態測定装置等を購入してくれるユーザーだけではなく、上述の測定データを利用してくれる化粧品会社等のデータの二次利用者から利益を得られるようにすることができる。[0100] 図1に示すように、この実施の形態の肌状態測定分析情報管理システムは、肌状態測定装置1とスキンケア装置(ケアエステ装置)2が接続可能なユーザークライアントとしてのスマートフォン3と、スマートフォン3とインターネット4(ネットワーク)を介して接続可能なデータ管理サーバ5と、契約者クライアント6としての化粧品会社等の提携会社のコンピュータシステムとを備えるものである。」
「[0128] また、スマートフォン3では、例えば、ダウンロードしてインストールしたアプリケーション(以下、専用アプリ5jと略す)を実行可能になっており、この実施形態では、専用アプリ5jとして肌状態測定用アプリをデータ管理サーバ5からスマートフォン3にダウンロードするようになっている。[0129] スマートフォン3で実行される専用アプリ5jの機能は、図2、図3に示すように、4つの機能を有する。すなわち、診断エステ、ケアエステ、生活エステ、メイクエステの4つの機能である。診断エステは、USBインターフェース13を介してスマートフォン3に接続される各種の測定装置(センサ)を用いて図3に示す各種の測定が可能になっている。各測定装置は、専用アプリ5jが入力されたスマートフォン3のUSB端子に接続することで利用可能になる。また、各種類の測定装置を付け替えることにより、それぞれの異なるセンサによる測定が可能であり、主に肌の状態を測定することができる。また、各種測定装置の測定結果をデータ管理サーバ5に送信して記憶しておくことができるとともに、測定結果から肌の状態を分析してもらうようなことも可能となっている。」
「[0134] また、上述の専用アプリ5jは、データ管理サーバ5の運営者が管理する肌状態測定分析情報管理システムを利用する会員(ユーザ)となるためのユーザデータ(個人情報)の入力である会員登録や、ユーザーデータのうちの個人を特定可能な所定の個人情報を含まない付帯データの入力であるアンケートへの応答を行うユーザーデータ送信手段としての機能を有する。[0135] また、上述の専用アプリ5jは、後述のようにデータ管理サーバ5に記憶されている上述の各ユーザーデータ、測定データ、測定データに対する分析結果データを閲覧できるように要求するデータ閲覧要求手段としての機能を有する。また、専用アプリ5jは、要求したデータがデータ管理サーバ5から受信した場合に、これらデータをディスプレイに表示するデータ表示手段としの機能を有する。」
「[0139] データ管理サーバ5は、より詳細には図5に示すように、サーバとして機能するためのCPU等を有する制御部5kを備える。また、データ管理サーバ5では、ユーザーデータ用データベース51が複数に分けられており、ユーザーデータ用データベース51として、顧客(ユーザ)個人情報管理データベース5a、ケアエステデータベース5c、使用化粧品履歴データベース5d、お手入れカルテデータベース5oを備える。また、データ管理サーバ5は、測定データ用データベース52として、肌履歴データベース5b、詳細診断結果データベース5eを備える。」
「[0143] 顧客個人情報管理データベース5aは、表1に示すように、スマートフォン3を用いてユーザーが入力したデータとして、顧客ID、個人ユーザーID、個人パスワード、氏名、生年月日、年齢、性別、住所1(国)、住所2(都道府県)、住所3(市町村(区))、住所4(番地(マンション名部屋番号))、メールアドレス、課金情報(クレジットカード情報等)が記憶される。なお、顧客IDは、個人のユーザーIDに対応して、データ管理サーバ5側で付されるIDであり、個人ユーザーIDは、ユーザーが他のユーザーの個人ユーザーIDと重ならないことを条件に設定するIDである。また、個人パスワードは、個人ユーザーIDと合わせてユーザーの認証に用いられる。なお、各ユーザーに1対1で対応するIDとして、顧客IDと個人ユーザーIDとの二つを使用しているが、これらを一つのIDで兼用するものとしてもよいし、ユーザーIDとして、顧客IDだけを用いるものとしてもよいし、ユーザーIDとして個人ユーザーIDを用いるものとしてもよい。[0144][表1][0145] また、各データベースでユーザーに関連するデータが記憶されている場合には、すべて顧客IDで管理されており、各ユーザーに関連するデータがそれぞれ記憶されている各データベースを顧客IDで検索することで、各ユーザーに関連するデータを全て検索して取得できるようになっている。したがって、顧客個人情報管理データベース5aにおいても、各顧客ID毎に関連付けて各ユーザーのデータが登録されている。[0146] また、顧客個人情報管理データベース5aには、表1に示すように、さらに、スマートフォン3に接続された肌状態測定装置1やスキンケア装置2から入力される製品シリアルNo.が記憶されるようになっている。なお、製品シリアルNo.は、後述のようにデータ管理サーバ5で認証された後に記憶されるようになっており、製品シリアルNo.が顧客個人情報管理データベース5aに登録されている場合には、製品シリアルNo.の認証を行わない。[0147] また、肌履歴データベース5bには、表2に示すように、顧客IDとデータ入力日時に関連づけて、各肌状態測定装置1から入力される測定データが登録される。また、この測定データに関連付けられて、分析結果記憶手段として各簡易診断(分析)結果のデータが登録される。なお、例えば、30分以内等の所定の時間範囲内で、複数種の肌状態測定装置1から測定データが入力された場合には、総合簡易診断が行われ、この総合簡易診断の結果のデータが登録される。さらに、測定データに対して詳細診断が行われた場合には、詳細診断の結果が通知された後に、詳細診断結果データベースに顧客IDと測定日時に関連付けて詳細診断の結果のデータが登録され、肌履歴データベースには、詳細診断結果データベースへの当該書込データの格納アドレスが登録される。」
「[0157] また、詳細診断は、測定データを例えば提携企業としての化粧品会社サーバ(化粧品会社Aサーバ61、化粧品会社Bサーバ61)で行われるものであり、化粧品会社サーバが肌状態分析手段になる。基本的には、簡易診断と同様に、測定データと分析結果データを関連付けた詳細診断システム62に含まれるデータベースから、肌状態測定装置1で得られた測定データに近似する測定データを選択し、当該測定データに関連付けられた分析結果データを出力するものである。ただし、詳細診断では、例えば、登録されている測定データ数および分析結果データが簡易診断の場合より多く、詳細診断用のデータベースにさらに細かく分類された状態となっており、簡易診断より詳細な分析結果を得られるようになっている。また、詳細診断用に各化粧品会社独自のアルゴリズムで、データベースに登録された測定データを選択して、それに対応する分析結果を得られるようになっていてもよい。」
「[0172] 分析結果記憶手段としての詳細診断結果データベース5eは、表7に示すように、上述の詳細診断の結果を顧客IDに関連づけて登録するものであり、詳細診断が行われた日である診断日時(詳細診断を頼んだ測定データの測定日時を含んでもよい)と詳細診断結果のデータが登録される。また、詳細診断の結果に対応して選択されるアドバイスのデータや、推奨化粧品(スキンケア用品)のデータが登録されている。なお、アドバイスデータや推奨化粧品データは、化粧品会社Aサーバ、化粧品会社Bデータベースにおけるアドバイス決定部、推奨化粧品決定部で決定されるが、基本的に各アドバイスおよび推奨化粧品が各詳細診断結果に関連づけて登録されており、詳細診断結果が決まることで、アドバイスと推奨化粧品が決定される。アドバイスは、例えば、生活習慣等で避けた方がよいことや、肌のマッサージ方法などである。また、推奨化粧品は、詳細診断結果からわかる肌の状態に適した化粧品やスキンケア商品である。詳細診断の結果は、基本的には簡易診断と同様に予め登録された測定データをランク分けしておき、この登録された測定データから入力される測定データに近似する測定データを選択し、当該測定データに対応付けられた診断結果を診断結果とするものであり、ここでは、たとえば、肌タイプ、キメ、シミ、シワ、乾燥、毛穴、色等が診断される。すなわち、簡易診断より診断項目が多くなっているとともに、診断結果がより詳細に判定されるようになっている。」
「[0181] データ二次利用者アクセス権管理データベース5hは、表11に示すように、利用者(契約者、例えば、化粧品会社等のスキンケア用日の開発を行っている会社)顧客ID、利用者ユーザーIDおよび利用者パスワードが設定されており、これによりデータ二次利用者の認証が可能になる。[0182] また、データ二次利用者アクセス権管理データベース5hには、利用者IDに関連付けて利用者検索レベルおよび利用者アクセスレベルのデータと、課金情報が登録されている。なお、課金情報は、データ二次利用者がデータの検索や、アクセス可能なデータの取得を行った場合の課金のデータであり、課金情報に基づいてデータの利用料金が利用者に請求される。また、利用料金は、検索レベルおよびアクセルレベルによって異なるものとなっており、検索可能なキーワード(検索項目)が多いほど利用料金が高くなり、アクセルレベルが高いほど利用料金が高くなる。[0183][表11][0184] また、表11には、具体的な検索レベルの違いによる検索キーワード(検索項目)の違いを示すとともに、アクセルレベルの違いによりアクセス可能、すなわち、検索結果として出力可能なデータの違いを示す。表示11に示される検索レベル1、検索レベル2の各項目は、それぞれ顧客IDに関連付けられたデータからなるデータ集合としてのデータブロックに対応している。たとえば、測定データや分析結果データは、測定方法毎にブロック分けされている。[0185] なお、年齢、性別、住所1、住所2、住所3は、上述の顧客個人情報管理データベース5aに登録されているデータであるが、データ二次利用者がアクセスできるデータベースは、客個人情報管理データベースを除く、肌履歴データベース5b、および使用化粧品履歴データベース5d等である。[0186] すなわち、所定の個人情報として、個人ユーザーID、個人パスワード、氏名、生年月日、住所4を含む住所全体、メールアドレス、課金情報、シリアルNo,のデータをデータ二次利用者が見ることができないようになっており、各個人情報管理データベース5aには、利用者がアクセスできないようになっている。したがって、年齢、性別、住所1、住所2、住所3の情報は、顧客IDに関連付けて肌履歴データベース5bや、独立したデータベースに登録されたデータを利用者が見ることになる。」
「[0212] 図6のフローチャートを参照して、専用アプリ5jの起動後のユーザー登録処理を説明する。アプリ5jを起動すると(ステップSa1)、ユーザー登録が処理済みか否かが判定される(ステップSa2)。最初にアプリ5jを起動した際には、ユーザー登録が行われていないので、ユーザー登録を行うことになる。二回目以降のアプリ5jの起動では、既に、ユーザー登録が終わっていることになり、ユーザー登録の処理を終了し、アプリが起動することになる。[0213] ユーザー登録においては、個人ユーザーIDと、個人パスワードの入力が促され(ステップSa3)、ユーザーが個人ユーザーIDと、個人パスワードを入力すると、入力された個人ユーザーIDと、個人パスワードがスマートフォン3からデータ管理サーバ5の管理端末に送信される(ステップSa4)。なお、管理端末は、データ管理サーバ5を操作するためのものであり、基本的データ管理サーバ5の一部である。[0214] データ管理サーバ5では、個人ユーザーIDと、個人パスワードの受信に対応して顧客IDが自動生成される(ステップSb1)。また、受信した個人ユーザーIDと、個人パスワードが顧客個人情報管理データベース5aとしての個人情報データベースに登録する処理を行う(ステップSb2)。[0215] また、スマートフォン3では、設定されたユーザーIDをスマートフォン3内部の記憶手段に登録する(ステップSa5)。次に、個人情報の入力が促され、上述の氏名、生年月日等の個人情報を入力する(ステップSa6)。個人情報が入力されると、スマートフォン3からデータ管理サーバ5に個人情報の送信処理が行われ(ステップSa7)、スマートフォン3では、ユーザー登録処理が終了する。また、データ管理サーバ5では、顧客個人情報管理データベース5aに受信した個人情報を個人ユーザーIDおよび顧客IDに関連付けて登録し(ステップSb3)、処理を終了する。[0216] 上述のようにユーザー登録処理が終わると、メニュー画面が表示される。メニュー画面には、1、センサ登録、2、肌診断、3、詳細肌診断結果表示、4、ケアエステ、5、肌改善状況判定、6肌履歴表示が表示される。」
「[0224] 次に、図8のフローチャートを参照して、メニュー2の肌診断について説明する。まず、アプリを起動した際にメニュー画面が立ち上がる。ここで、肌状態測定装置1が接続されている場合には、肌状態測定装置1が接続されたか否かの判定で(ステップSe1)、肌状態測定装置1が接続されたと判定され、センサIDとしての認証用文字列が登録ずみか否かを判定し(ステップSe2)、登録されていない場合には、上述のセンサ登録処理(ステップSe3)を行い、センサが登録済みの場合には、肌状態測定装置1が作動可能になり、作動させると肌状態測定装置1(センサ)から測定データが入力される(ステップSe4)。次に詳細診断を希望するか否かの入力、詳細診断に行う複数の企業のうちのどの企業を選択するか等を入力する(ステップSe5)。[0225] さらに、肌状態測定装置1から入力した測定データ(センサデータ)、スマートフォン3に記憶されている顧客ID、測定データが肌状態測定装置1から入力したデータ入力日時をデータ管理サーバ5に送信する(ステップSe6)。データ管理サーバ5では、肌履歴データベース5bに、顧客ID、測定データ、データ入力日時を登録する(ステップSf1)。[0226] 測定データに基づき肌状態の解析を行う(ステップSf2)。すなわち、肌基準値データベースに登録されている測定データから近似する測定データを選択し、当該測定データに対応する各項目のランクを決定する(ステップSf3)。肌解析結果および/または決定されたランクを肌履歴データベース5bに登録する(ステップSf4)。[0227] 上述のステップにおいて、詳細肌診断が希望されているか否かが判定され(ステップSf5)、詳細肌診断が希望されている場合に、化粧品会社のサーバに測定データと、詳細診断に必要なデータ(例えば、年齢等)を化粧品会社等の詳細診断業者のサーバに送信する(ステップSf6)。化粧品会社のサーバでは、データ管理サーバ5から送信されたデータを受信した後に(ステップSg1)、詳細肌診断の依頼を受諾したことを示すメッセージをデータ管理サーバ5に送信する(ステップSg2)。なお、詳細肌診断を開始する。詳細肌診断に関して、ここでは、通信回線を介してセンサデータや詳細肌診断結果等のデータのやり取りを行っている。別法として、肌診断業者に肌履歴データベース5bの指定部分と詳細診断結果データベース5eの指定部分へのアクセスを許可して、肌診断業者が直接これらデータベース5b、5eにアクセスしてセンサデータを入手し、詳細診断結果を直接詳細診断結果データベース5eに書き込めるようにしてもよい。」
「[0233] 次に、図9のフローチャートを参照して、メニュー3の詳細肌診断結果表示処理について説明する。スマートフォン3において、表示する詳細肌診断結果が最新の結果か過去の結果かを表示し(ステップSh1)、どちらかを選択させる。表示したい詳細肌診断の結果が最新のものか過去のものかを判定する(ステップSh2)。最新のものでない場合には、スマートフォン3からデータ管理サーバ5に、過去の詳細肌診断の日時データを要求する(ステップSh3)。[0234] データ管理サーバ5では、上述の要求を受信し(ステップSi1)、肌履歴データベース5bまたは詳細診断結果データベース5eを参照して、過去の詳細診断の日時データを収集する(ステップSi2)。収取された日時データをデータ管理サーバ5からスマートフォン3に送信する(ステップSi3)。スマートフォン3では、この日時データを受信し(ステップSh4)、過去の詳細肌診断の日時をディスプレイに表示し、ユーザーが日時を選択できるようにする(ステップSh5)。[0235] ユーザーが日時の画面表示から日時を選択すると、それに対応していつの詳細肌診断の結果かを特定し(ステップSh6)、特定された日時の詳細肌診断結果の送信を要求する(ステップSh7)。なお、ステップSh2で最新の詳細肌診断結果を表示すると判定された場合にも、ステップSh6で、最新の詳細診断結果が特定され、ステップSh7で、最新の詳細肌診断結果の送信を要求することになる。[0236] データ管理サーバ5では、この要求を受信し(ステップSi4)、受信データに基づき、例えば、詳細診断結果データベース5eを検索して(ステップSi5)、指定された日時の詳細肌診断結果をアドバイスデータと、推奨化粧品データとともにスマートフォン3に送信する(ステップSi6)。このデータを受信した(ステップSh8)スマートフォン3では、詳細肌診断結果を表示する(ステップSh9)。この際に、推奨化粧品や、アドバイスを表示する。」
上記[0100]の「肌状態測定分析情報管理システムは、肌状態測定装置1とスキンケア装置(ケアエステ装置)2が接続可能なユーザークライアントとしてのスマートフォン3と、スマートフォン3とインターネット4(ネットワーク)を介して接続可能なデータ管理サーバ5と、契約者クライアント6としての化粧品会社等の提携会社のコンピュータシステムとを備える」こと、上記[0227]の「詳細肌診断が希望されているか否かが判定され(ステップSf5)、詳細肌診断が希望されている場合に、化粧品会社のサーバに測定データと、詳細診断に必要なデータ(例えば、年齢等)を化粧品会社等の詳細診断業者のサーバに送信する」こと、「化粧品会社のサーバでは、データ管理サーバ5から送信されたデータを受信した後に(ステップSg1)、詳細肌診断の依頼を受諾したことを示すメッセージをデータ管理サーバ5に送信する」ことから、「化粧品会社等の詳細診断業者のサーバ」及び化粧品会社のサーバは、化粧品会社の有するコンピュータシステムのサーバであって、「化粧品会社等の詳細診断業者のサーバ」及び化粧品会社のサーバは、「契約者クライアント6」であると認められる。
上記[表11]及び[0185][0186]から、二次利用者は、肌履歴データベース5b等に登録された、顧客IDに関連付けられた年齢、性別、住所1、住所2、住所3等の情報を見ることができる。
2 引用発明
上記記載から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「肌状態測定装置のユーザーに、肌状態測定装置の測定データから自分の肌状態の分析結果を得られるサービスを提供する肌状態測定分析情報管理システムであって([0097])、肌状態測定分析情報管理システムは、肌状態測定装置1とスキンケア装置(ケアエステ装置)2が接続可能なユーザークライアントとしてのスマートフォン3と、スマートフォン3とインターネット4(ネットワーク)を介して接続可能なデータ管理サーバ5と、契約者クライアント6としての化粧品会社等の提携会社のコンピュータシステムと、を備え([0100])、専用アプリ5jとして肌状態測定用アプリを、データ管理サーバ5からスマートフォン3にダウンロードするようになっており([0128])、スマートフォン3で実行される肌状態測定用アプリの機能には、診断エステの機能があり、診断エステは、肌の状態を測定する各種測定装置の測定結果をデータ管理サーバ5に送信して記憶しておくことができ([0129])、続きを表示(全14行)肌状態測定用アプリを起動すると、メニュー画面が表示され、メニュー画面には、「肌診断」、「詳細肌診断結果表示」、が表示され([0212]-[0216])、メニューの「肌診断」において、詳細診断を希望するか否かを入力し、肌状態測定装置1から入力した測定データ(センサデータ)、スマートフォン3に記憶されている顧客ID、及び、測定データが肌状態測定装置1から入力したデータ入力日時をデータ管理サーバ5に送信し、データ管理サーバ5は、詳細肌診断が希望されている場合に、測定データと詳細診断に必要なデータ(例えば、年齢等)を化粧品会社等の詳細診断業者のサーバ(契約者クライアント6)に送信し([0224]-[0227])、肌状態測定用アプリは、ユーザデータ(個人情報)の入力である会員登録や、ユーザーデータのうちの個人を特定可能な所定の個人情報を含まない付帯データの入力であるアンケートへの応答のための、データ管理サーバ5へのデータ送信を行うユーザーデータ送信手段としての機能を有し([0134])、メニューの「詳細肌診断結果表示」において、データ管理サーバ5は、詳細診断結果データベース5eの詳細肌診断結果を推奨化粧品データとともにスマートフォン3に送信し、このデータを受信したスマートフォン3は、詳細肌診断結果と推奨化粧品を表示し([0233]-[0236])、データ管理サーバ5は、ユーザーデータ用データベース51として、顧客(ユーザ)個人情報管理データベース5aを、測定データ用データベース52として、肌履歴データベース5b、詳細診断結果データベース5eを備え([0139])、顧客個人情報管理データベース5aには、スマートフォン3を用いてユーザーが入力したデータとして、顧客ID、個人ユーザーID、個人パスワード、氏名、生年月日、年齢、性別、住所1(国)、住所2(都道府県)、住所3(市町村(区))、住所4(番地(マンション名部屋番号))、メールアドレス、課金情報(クレジットカード情報等)が記憶され、顧客個人情報管理データベース5aには、さらに、スマートフォン3に接続された肌状態測定装置1やスキンケア装置2から入力される製品シリアルNo.が記憶され([0143]-[0146])、肌履歴データベース5bには、測定データが登録され([0147])、詳細診断結果データベース5eには、詳細診断結果のデータと、詳細診断結果に対応して選択される推奨化粧品データとが登録され、詳細診断結果は、入力される測定データに近似する測定データを選択し、当該測定データに対応付けられた診断結果を診断結果とする、肌タイプ、キメ、シミ、シワ、乾燥、毛穴、色等の診断結果であり、推奨化粧品データは、提携企業としての化粧品会社サーバ(契約者クライアント6)における推奨化粧品決定部で決定され([0157],[0172])、化粧品会社等のデータ二次利用者がアクセスできるデータベースは、客個人情報管理データベースを除く、肌履歴データベース5b等であって、二次利用者は、肌履歴データベース5b等に登録された、顧客IDに関連付けられた年齢、性別、住所1、住所2、住所3等の情報を見ることができる一方、所定の個人情報として、個人ユーザーID、個人パスワード、氏名、生年月日、住所4を含む住所全体、メールアドレス、課金情報、シリアルNo,のデータを、データ二次利用者が見ることができないようになっており、各個人情報管理データベース5aには、利用者がアクセスできないようになっている([0099],[0181],[0185]-[0186],[表11])、肌状態測定分析情報管理システム。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のとおりとなる。
ア 肌または頭皮状態判定システムについて
引用発明の「肌状態測定分析情報管理システム」は、肌状態の測定分析をするものであって、肌タイプ、キメ、シミ、シワ、乾燥、毛穴、色等の判定をする判定システムであるといえる。
本願発明1の「肌または頭皮状態判定システム」は「肌または頭皮状態を判定する肌または頭皮状態判定システム」であるところ、「肌状態を判定する肌状態判定システム」を包含している。
したがって、引用発明の「肌状態測定分析情報管理システム」は、本願発明1の「肌または頭皮状態を判定する肌または頭皮状態判定システム」に相当する。
イ 端末及びサーバーについて
引用発明の「ユーザークライアントとしてのスマートフォン3」、「契約者クライアント6としての化粧品会社等の提携会社のコンピュータシステム」は、それぞれ、本願発明1の「一般消費者の所有する端末」、「化粧品会社の所有する端末」に相当する。
また、本願発明1の「肌または頭皮診断アプリケーション」は「肌診断アプリケーション」を包含しているところ、引用発明の「肌状態測定用アプリ」は、肌の状態を分析する診断エステの機能を有するから、本願発明1の「肌または頭皮診断アプリケーション」に相当し、引用発明の「データ管理サーバ5」が、本願発明1の「アプリ提供者のサーバー」に相当する。そして、引用発明の「データ管理サーバ5」が「肌状態測定用アプリ」を「スマートフォン3」にダウンロードさせる機能は、本願発明1の「アプリ提供者のサーバー」が、「前記一般消費者の端末」「に肌または頭皮診断アプリケーションを提供する」機能に相当する。
ウ 肌または頭皮診断データの送信について
引用発明では「測定データ」、「ユーザデータ(個人情報)」及び「付帯データ」(以下、「測定データ等」という。)を、アプリがサーバに送信する構成となっており、本願発明1の「一般消費者の肌または頭皮診断データ」は「一般消費者の肌診断データ」を包含することから、引用発明の当該構成は、本願発明1の「前記一般消費者の肌または頭皮診断データ」に相当する。
そして、引用発明の「スマートフォン3」は、「肌状態測定用アプリ」の機能により「測定データ等」を「データ管理サーバ5」に送信するから、引用発明の「スマートフォン3」は、本願発明1の「前記一般消費者の端末」が「前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信」することに相当する構成を備える。
エ 肌または頭皮診断結果の出力について
引用発明の「詳細肌診断結果」は、上記「測定データ等」に基づいた肌診断結果であり、本願発明1の「前記肌または頭皮診断データに基づいた肌または頭皮診断結果」は「肌診断データに基づいた肌診断結果」を包含していることから、本願発明1の「前記肌または頭皮診断データに基づいた肌または頭皮診断結果」に相当する。そして、引用発明の「データ管理サーバ5」が「詳細肌診断結果」を「スマートフォン3」に送信する機能は、本願発明1の「前記サーバー」が、「前記肌または頭皮診断データに基づいた肌または頭皮診断結果を前記一般消費者」「の端末に出力」する機能に相当する。
オ 化粧品の推奨について
引用発明の「スマートフォン3」が、「詳細肌診断結果」と「推奨化粧品」を表示することから、引用発明の「詳細肌診断結果」と「推奨化粧品」は対応づけられており、スマートフォン3を使用する顧客に「推奨化粧品」を推奨するものであるから、引用発明の「推奨化粧品」の表示は、本願発明1の「前記肌または頭皮診断結果と、」「化粧品を紐付けて前記一般消費者に推奨」に相当する。
そして、引用発明の「スマートフォン3」が「詳細肌診断結果」を表示し、この際に、「推奨化粧品」を表示することは、店舗に設置した端末(店舗の端末)が行うものではない点、化粧品の選択、紐付けがアプリ提供者のサーバー内でされない点、で本願発明1と相違するものの、本願発明1の「前記肌または頭皮診断結果と、」「化粧品を紐付けて前記一般消費者に推奨し」に相当する。
カ 化粧品会社の端末への出力について
引用発明の「データ管理サーバ5」のデータベースに記憶される「測定データ等」は、本願発明1の「全ての肌または頭皮診断データ」に相当する。また、引用発明の「測定データ等」を記憶するデータベースへの「化粧品会社等のデータ二次利用者」による「アクセス」は、「データ管理サーバ5」に「データ二次利用者」である「化粧品会社」の「契約者クライアント6」に情報を出力させるものである。そして、引用発明において「データ二次利用者」が、客個人情報管理データベースを除く、肌履歴データベース5b等にアクセスでき、肌履歴データベース5b等に登録された、顧客IDに関連付けられた年齢、性別、住所1、住所2、住所3等の情報を見ることができる一方、所定の個人情報として、個人ユーザーID、個人パスワード、氏名、生年月日、住所4を含む住所全体、メールアドレス、課金情報、シリアルNo,のデータを、データ二次利用者が見ることができないようになっている点について、引用発明の「個人ユーザーID、個人パスワード、氏名、生年月日、住所4を含む住所全体、メールアドレス、課金情報、シリアルNo」という「所定の個人情報」は、本願発明1の「個人情報」に相当し、引用発明が「所定の個人情報のデータをデータ二次利用者が見ることができないように」することは、本願発明1が「個人情報を削除」することと、「個人情報を閲覧できない状態」にする点で共通する。
以上のことから、引用発明の「データ管理サーバ5」が「化粧品会社等のデータ二次利用者」の「契約者クライアント6としての化粧品会社等の提携会社のコンピュータシステム」に情報を出力することは、本願発明1の「前記サーバー」が「全ての肌または頭皮診断データを個人情報を削除した上で前記化粧品会社の端末に出力すること」と、「前記サーバー」が「全ての肌または頭皮診断データを個人情報を閲覧できない状態にした上で前記化粧品会社の端末に出力すること」で共通する。
(2)一致点、相違点
以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「肌または頭皮状態を判定する肌または頭皮状態判定システムであって、一般消費者の所有する端末と、化粧品会社の所有する端末と、前記一般消費者の端末に肌または頭皮診断アプリケーションを提供するアプリ提供者のサーバーと、を有し、前記一般消費者の端末は、前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信し、前記サーバーは、前記肌または頭皮診断データに基づいた肌または頭皮診断結果を前記一般消費者の端末に出力し、前記肌または頭皮診断結果と、選択、紐付けされた化粧品を紐付けて前記一般消費者に推奨し、前記サーバーは、全ての肌または頭皮診断データを個人情報を閲覧できない状態にした上で前記化粧品会社の端末に出力する肌または頭皮状態判定システム。」
<相違点>
(相違点1)本願発明1が「店舗に設置した端末」を有するのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(相違点2)本願発明1の「アプリ提供者のサーバー」が「前記店舗の端末に」「肌または頭皮診断アプリケーションを提供する」のに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(相違点3)本願発明1の「前記店舗の端末」が「前記肌または頭皮診断アプリケーションに基づいて前記一般消費者の肌または頭皮診断データを前記サーバーに送信」するのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(相違点4)本願発明1は「前記店舗の端末」が「前記肌または頭皮診断結果と、」「選択、紐付けされた化粧品を紐付けて前記一般消費者に推奨」するのに対し、引用発明では「スマートフォン3」が推奨する点。
(相違点5)本願発明1は「アプリ提供者のサーバ」が、「前記肌または頭皮診断結果と、」「選択、紐付けされた化粧品」の「選択、紐付け」をするのに対し、引用発明では「提携企業としての化粧品会社サーバ(契約者クライアント6)」が「選択、紐付け」をする点。
(相違点6)本願発明1は「個人情報を削除」することにより「個人情報を閲覧できない状態に」にするのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(3)相違点についての判断
事案の性質に鑑み、相違点5から検討をする。
引用発明の「前記肌または頭皮診断結果と、」「選択、紐付けされた化粧品」の「選択、紐付け」は、「提携企業としての化粧品会社サーバ(契約者クライアント6)」がするものである。
しかしながら、引用発明の「提携企業としての化粧品会社サーバ(契約者クライアント6)」がする「前記肌または頭皮診断結果と、」「選択、紐付けされた化粧品」の「選択、紐付け」を、「アプリ提供者のサーバ」がする「前記肌または頭皮診断結果と、」「選択、紐付けされた化粧品」の「選択、紐付け」とすることは、引用文献1には記載も示唆もなく、出願時において周知の事項であったということもできない。
また、引用発明は、肌診断と化粧品との関係に基づく化粧品会社の商品戦略を背景として(引用文献1[0011]-[0014])、「提携企業としての化粧品会社サーバ(契約者クライアント6)」が「前記肌または頭皮診断結果と、」「選択、紐付けされた化粧品」の「選択、紐付け」をするものであるから、選択、紐付けされる化粧品は、提携企業である化粧品会社の化粧品であるのに対し、本願発明の「アプリ提供者のサーバ」がする「前記肌または頭皮診断結果と、」「選択、紐付けされた化粧品」の「選択、紐付け」は、「肌診断結果に基づいてサーバー内で選択、紐付けされたその人に合った化粧品銘柄が表示される」うえに「肌診断アプリの契約者であるドラッグストア等32で販売している化粧品の中にその化粧品があれば、その化粧品が優先的に表示される」ようにできる(本願明細書【0037】)ものであるから、引用発明において、データ管理サーバ5が、化粧品を選択する構成にすると、肌または頭皮診断を行う化粧品会社の商品とは異なる会社の商品の選択を行うことを含むことになるという、阻害要因も認められる。
そうすると、引用発明に基づき、相違点5に係る「アプリ提供者のサーバ」が、「前記肌または頭皮診断結果と、」「選択、紐付けされた化粧品」の「選択、紐付け」をする構成を当業者が容易に想到し得たとはいえない。
よって、相違点5に係る本願発明1の構成は、当業者が容易に想到し得たものではない。
(4)したがって、上記相違点1-4,6について判断するまでもなく、本願発明は、当業者であっても引用発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2について
本願発明2も、1(3)に検討した相違点5に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明3について
本願発明3は、本願発明1に対応する方法の発明であり、1(3)に検討した相違点5に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-3は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-000214