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商標異議申立

2019-900077

アグアミゲル、アグア、ミゲル

審判番号
2019-900077
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-039749
登録番号
商標登録第6104642号(T6104642)
請求日
2019年03月08日
審決日
2019年11月07日
公報発行日
2019年12月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】日本ビール株式会社
  • 【異議申立人】サン ミゲル ブルーイング インターナショナル リミテッド
  • 【異議申立人代理人】一色国際特許業務法人
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T1651.261-Y (W32) / T1651.262-Y (W32) / T1651.263-Y (W32) / T1651.272-Y (W32)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(SGML)

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登録第6104642号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6104642号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第6104642号商標(以下「本件商標」という。)は、「AGUA MIGUEL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成30年3月29日に登録出願、第32類「ミネラルウォーター」を指定商品として、同年11月12日に登録査定され、同年12月7日に設定登録されたものである。 2 引用商標 (1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4822400号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SAN MIGUEL NAB」の欧文字を横書きしてなり、平成16年4月5日に登録出願、第32類に属する「ミネラルウォーター」をはじめとする商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年12月3日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 (2)また、申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標(以下「引用商標2」という。)は、「San Miguel」の欧文字を横書きしてなり、同人が「ビール」ついて使用し、広く一般消費者の間に知られているとする商標である。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「AGUA MIGUEL」の欧文字を横書きしてなるものであり、これより「アグアミゲル」の称呼が生じる。加えて「AGUA」は、スペイン語で「水」を意味する語であって(甲3)、同じく「水」を意味し日本で親しまれている英語「AQUA」に通じるものであり、指定商品「ミネラルウォーター」との関係では識別力が乏しく、「MIGUEL」の部分が支配的な印象を与えることから、「MIGUEL」に対応した「ミゲル」の称呼も生じる。 他方、引用商標1は「SAN MIGUEL NAB」の欧文字を横書きしてなり、一見して3つの語を組み合わせたものと認識されるところ、末尾に位置する「NAB」は具体的な意味合いが生じない造語であって、その前の語との繋がりを欠くから、「サンミゲルナブ」のほか「サンミゲル」の称呼も生じる。更に、「SAN MIGUEL」の中で特に看者の注意を惹くのは「MIGUEL」の語であるから、これに対応して「ミゲル」の称呼をもって取引に供される場合もある。 したがって、両商標は「ミゲル」の称呼で共通するところがあるから、彼此相紛らわしい類似のものと見るべきである。 そして、本件商標の指定商品は引用商標1の指定商品中に含まれている。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、フィリピンの代表的な企業である「San Miguel Corporation」(以下「サンミゲル社」という。)傘下でビールや清涼飲料事業を展開する「San Miguel Brewery Inc.」(以下「サンミゲルビール社」という。)の海外部門を担当する企業であって、引用商標2「San Miguel」はフィリピン国内で90%という圧倒的なシェアを誇るビールの商標として、フィリピンはもとより、日本や東南アジア諸国で広く知られている(甲4~甲6)。 引用商標2を付したビールは1890年から製造販売され、1914年には中国や香港へ輸出を開始、日本には1972年から輸人されていて、現在では60か国以上で販売されている(甲4)。その結果、引用商標2は国際的に著名な商標となっている。日本でもかねてより、とりわけビール愛好者の間では有名な商標であったが、2000年代に入り、日本の大手ビール会社がサンミゲル社及びサンミゲルビール社に資本参加し、その事実が大々的に報道されたことから、ビール愛好者だけでなく広く一般消費者の間にも知られるところとなった(甲7、甲8)。 サンミゲルビール社は、ビールだけでなく清涼飲料の分野でも活発に事業を展開しており、フィリピン国内では海外ブランド品と合わせ80%以上のシェアを占めている(甲4)。そして、上記資本参加した大手ビール会社が清涼飲料事業でも同社との提携関係を深めている(甲9)。 以上の事実、及び日本ではビール会社が清涼飲料水も手掛ける例が多いことからすれば、本件商標がその指定商品「ミネラルウォーター」に使用された場合、当該商品が申立人又はそのグループ会社、或いは、それらの者と何らかの関係を有する者の商品であるかのごとく、誤認混同されるおそれがある。けだし、本件商標「AGUA MIGUEL」及び引用商標2「San Miguel」にあって、日本人には比較的馴染みの薄い綴りを有する「MIGUEL」の部分が特に看者の注意を強く惹く部分であり、かつ、その称呼「ミゲル」も日本人にとってはユニークな響きを有し記憶に残りやすいからである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する 。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標は、上記1のとおり「AGUA MIGUEL」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字は同書同大でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「アグアミゲル」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標は、たとえ、その構成中「AGUA」の文字がスペイン語で「水」などの意味を有するとしても、かかる構成及び称呼においては、該文字部分が指定商品(ミネラルウォーター)の品質などを表示したものとして直ちに認識されることなく、「AGUA MIGUEL」の構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。 そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応し「アグアミゲル」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというべきである。 イ 引用商標1は、上記2(1)のとおり「SAN MIGUEL NAB」の欧文字からなり、該文字に相応し「サンミゲルナブ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 ウ 本件商標と引用商標1の類否を検討すると、両者は、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、その外観及び称呼は構成態様及び語調語感が明らかに異なり、また観念は比較することができないから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 エ なお、申立人は、本件商標は、その構成中「AGUA」の文字が指定商品との関係で識別力が乏しく、「MIGUEL」の文字部分が支配的な印象を与える旨、また、引用商標1は「MIGUEL」の文字部分が看者の注意を惹くなどとして、両商標は「MIGUEL」に対応する「ミゲル」の称呼を共通にするところがあり、彼此相紛らわしい類似の商標である旨主張している。 しかしながら、本件商標及び引用商標1は、上記ア及びイのとおり「アグアミゲル」及び「サンミゲルナブ」の称呼を生じるものと判断するのが相当であり、他に、両商標から「ミゲル」の称呼を生じるというべき事情は見いだせない。 したがって、申立人のかかる主張は、その前提において理由がない。 オ 以上のとおり、本件商標は、引用商標1とは非類似の商標であるから、その指定商品の類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用商標2の周知性について (ア)申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人、サンミゲル社及びサンミゲルビール社(以下、これらをまとめて「申立人等」という。)は、ビール、洋酒などの製造販売を行っているフィリピンの会社であること、申立人等の製造販売するビール(以下「申立人等商品」という。)には引用商標2(書体の異なるものを含む。)が付されていること、我が国のキリンホールディングス株式会社が2009年にサンミゲル社及びサンミゲルビール社に出資したこと、申立人等は清涼飲料事業も行っていることなどが認められ(甲4~甲9)、申立人等の製造販売するビールは世界60か国以上に輸出されていること、及び我が国では1972年(昭和47年)から現在まで販売されていることなどがうかがえる(甲4)。 しかしながら、申立人等商品の我が国における売上高、シェアなど販売実績に関する主張、立証はなされていない。 (イ)上記(ア)のとおり、申立人等商品は昭和47年から現在まで47年以上販売されていることがうかがえ、キリンホールディングス株式会社が申立人等に出資していることからすれば、申立人等商品は、少なくとも我が国のビールの取引者及び一部のビール愛好家の間においてある程度知られているということができる。 しかしながら、申立人等商品に関する我が国における販売実績に係る主張、立証はないから、同商品は需要者の間で広く認識されているものと認めることはできない。 そうすると、申立人等商品に使用されている引用商標2は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 イ 本件商標と引用商標2の類否 (ア)本件商標は、上記(1)アのとおり、「AGUA MIGUEL」の欧文字を標準文字で表してなり、「アグアミゲル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (イ)引用商標2は、上記2(2)のとおり「San Miguel」の欧文字からなり、該文字に相応し「サンミゲル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 (ウ)本件商標と引用商標2の類否を検討すると、両者は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、その外観及び称呼は構成態様及び語調語感が明らかに異なり、また観念は比較することができないから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 また、他に本件商標と引用商標2が相紛れるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標2は、非類似の商標であって、別異の商標といわなければならない。 ウ 出所混同のおそれ 上記アのとおり、引用商標2は申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記イのとおり、本件商標と引用商標2は非類似の商標であって別異の商標であるから、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標2を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人等)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2019-900077

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