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商標取消審判

2019-300424

ゼニス

審判番号
2019-300424
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2007-093988
登録番号
商標登録第5186351号(T5186351)
請求日
2019年06月07日
審決日
2020年09月23日
公報発行日
2021年01月29日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】株式会社 ゼニス
  • 【請求人代理人】加藤 久
  • 【請求人代理人】遠坂 啓太
  • 【請求人代理人】南瀬 透
  • 【被請求人】ヒサゴオフィスサービス 株式会社
  • 【被請求人代理人】特許業務法人筒井国際特許事務所
  • 【被請求人代理人】特許業務法人暁合同特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 木村 一弘
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 山田 啓之
分類
T131 .1 -Z (X28)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5186351号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 登録第5186351号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第5186351号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZENITH」(語頭の「Z」が他の文字よりやや大きく表されている。)の欧文字を表してなり、平成19年9月3日に登録出願、第28類「釣り具」を指定商品として、同20年12月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年6月20日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成28年6月20日から令和元年6月19日までの期間(以下「要証期間」という。)である。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 (1)使用商標について 被請求人は、答弁書において、「Rainbow Zenith」及び「Ultra Zenith N+」の文字からなる商標(以下、これらをまとめて「使用商標」という。)の使用を示している。 なお、被請求人は、シリーズ名としての「ZENITH」の使用や「Golden Zenith」の使用について主張しているが、「ZENITH」の使用に関する証拠はなく、「Golden Zenith」においても、要証期間外である13年前のものである。 (2)本件商標と使用商標の同一性について 本件商標は、全て大文字で表され、語頭の「Z」が他の文字に比べて若干大きめに書かれている。該構成文字に相応して、「ゼニス」の称呼が生じ、「天頂、頂点、絶頂」等の意味合いが生じる(甲2)。 ア 「Rainbow Zenith」との同一性について 「Rainbow Zenith」は、「Rainbow」と「Zenith」の2語を同大同書で一連に表した構成からなり、共に語頭の1文字が大文字で表されているという視覚上の一体性を有し、一連一体の語と認識される。また、かかる文字から生じる「レインボーゼニス」の称呼は、長音を含めて8音と冗長でなく、よどみなく一連に称呼できる。 さらに、「Rainbow」が「虹」を表す語であり、「Zenith」が「頂点」等を意味することから、全体で「虹の頂点」との観念を生じる。 以上から、本件商標と「Rainbow Zenith」とは、その外観、称呼、観念のいずれもが異なるものであるから、社会通念上同一とは認められない。 なお、たとえ「Rainbow」がレインボートラウト(ニジマス)の略称であるとしても、多種多様な魚類に使用され得る商品「釣りざお」において、広く一般に知られる「虹」の観念が生じ得るとみるのが自然である。この点からも全体で一体的な造語と看取されるとみるのが妥当である。 イ 「Ultra Zenith N+」との同一性について 「Ultra Zenith N+」は、「Ultra」、「Zenith」及び「N+」の3語を一連に書したものである。同大同書で語頭の「U」、「Z」、「N」の文字が大文字で表された視覚上の一体性によれば、一連一体の語と認識される。また、かかる文字から「ウルトラゼニスエヌプラス」の称呼が生じるものであるが、仮に、該商標から分離した称呼が生じる場合は、欧文字からなる「Ultra」及び「Zenith」の2語と欧文字「N」と記号「+」とを結合してなる「N+」に分離するのが自然であり、その場合は、「ウルトラゼニス」及び「エヌプラス」の称呼が生じ得る。 なお、「Ultra」は、「~を超えた、極端な、超」等を表す語(甲2の4)である。そして「Zenith」が「頂点」等を意味することから「Ultra Zenith」からは「頂点を超える」との観念が生じる。 「N+」について、被請求人は、ニューモデルと解される語であると主張しているが、そのような事実は確認できず、また、各種の辞典・辞書やインターネット検索においても、特定の意味合いを表すとの記載を見いだすことができない。そのため、「N+」は、「エヌプラス」の称呼を生じ、特定の意味合いを把握できない一種の造語として認識される。 以上から、本件商標と「Ultra Zenith N+」とは、その外観、称呼、観念のいずれもが異なるものであって、社会通念上同一とは認められない。 なお、被請求人は、「Ultra」の語について、「超」「最上」等を表す接頭語であるとして、暗に商標の要部には該当しないと主張している。しかしながら、上記のとおり、「Ultra Zenith」は、視覚上、称呼及び観念において一体的な語と認識されるものである。そのため、2語に分離して看取することは、取引上不自然であるといわざるを得ない。 現に被請求人は、旧来の「Ultra Zenith」「ウルトラゼニス」に対するニューモデルを示す意図で「N+」の文字を付加していることから、当該文字が一体不可分のものとして取引上使用されていることを裏付けるものである。 ウ 小括 以上より、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一とは認められない。 (3)インターネット検索結果による考察 キーワード「ZENITH 釣り竿」にてインターネット検索をした結果(甲3及び甲4)、請求人が釣りざおに使用している商標「ZENITH」、「ゼニス」が検索されたが、3ページ目までの検索結果において、被請求人の使用商標は検出されなかった。これによると、使用商標は、「ZENITH」と同一の識別力を発揮しておらず、つまりは、本件商標と社会通念上同一の商標と認識される実情はないといえる。 (4)まとめ よって、本件商標と使用商標とは、社会通念上同一とは認められないから、本件商標は、要証期間内に、日本国内において、指定商品「釣り具」について使用されたものではない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第30号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 被請求人が株式会社ティムコ(以下「ティムコ社」という。)に通常使用権を許諾するに至った経緯 ティムコ社は、ジャスダック市場に上場するフィッシング用品・アウトドア用品の開発・販売を行う営利法人である。 被請求人の代表取締役であるAは、平成15年頃から現在に至るまでティムコ社の社外製品企画アドバイザーに就任しており(乙2の1、乙5の1及び乙6の1)、同社のルアーフィッシング用釣りざおの製品企画に関与している。Aとティムコ社とが共同開発した釣りざおは、「ZENITH」のシリーズ名を付すこととし、平成17年頃から「Rainbow Zenith」及び「Golden Zenith」の2種類の商品がティムコ社により販売され、平成18年1月18日発行の製品カタログに掲載された(乙2の2)。 被請求人とティムコ社との間では、契約書を作成することはなかったが、本件商標の登録出願前からの双方の合意に基づき、ティムコ社は、通常使用権者として、本件商標を現在まで使用している。 なお、被請求人とティムコ社との間では、従来の口頭による契約状況を明確化するため、令和元年7月29日付けにて商標使用許諾契約書を取り交わした(乙3)。 上記経緯は、ティムコ社の証明書(乙4)にても明らかである。 2 通常使用権者による本件商標の使用 上記のとおり、ティムコ社は、本件商標の通常使用権者の地位にあり、要証期間内において、例えば、次のように日本国内において使用された。 (1)平成30年1月に発行されたティムコ社の製品カタログ(乙5の2) ア 170ページには、モデル名として「GFS75SML-2J“Rainbow Zenith”」が記載され、その下に「ボートからのレインボーを狙ったバルサミノーのタグ巻き用ロッド・・・」とあるように、Rainbow(レインボー)は釣り対象の魚種であるレインボートラウト(ニジマス)の略称であることが需要者にとって明らかであるから、商標の要部は「Zenith」にある。 イ 178ページには、モデル名として「TPMX93CMH-3J“Ultla Zenith N+”」が記載されている。「Ultra」は、超、最上等を表す接頭語であり、「N+」は旧来の「Urtla Zenith」と区別してニューモデルであることを示す符号と一般的には解されるから、商標の要部は「Zenith」にある。 (2)平成31年1月に発行されたティムコ社の製品カタログ(乙6の2) 該カタログの180ページ及び189ページには、前記(1)と同様の記載がある。 3 本件商標と使用商標との社会通念上同一性 (1)ティムコ社とFenwick(フェンウィック) 本件商標が付された釣ざおは、米国で有名な釣ざおブランド「Fenwick(フェンウィック)」の釣ざおに課される厳しい商品規定を満たした上で、ティムコ社が独自に策定した検査基準に合格した釣ざおに、Fenwick(フェンウィック)からライセンスを受けて、日本国内用のモデルとして企画販売したものである。そのモデルには、各釣ざおのモデル番号の末尾に「J」と付与されることとなっている(乙7)。 Fenwick(フェンウィック)ブランドは、世界中の釣り愛好家に知られた釣ざおメーカーである(乙8)。 ティムコ社の有価証券報告書によれば、ティムコ社は、Fenwick(フェンウィック)の釣りざおの日本での総販売元となっている(乙9)。 (2)商標権者の代表取締役社長Aの釣りに関する経歴 Aは、ティムコ社の鱒(Trout)の分野のプロスタッフである(乙7)。 ティムコ社のウェブサイトにあるプロスタッフの紹介のページにおいて、プロスタッフをそろえる理由が「ティムコの製品は多くのプロスタッフのテストを経て生み出されています。」に表れており、ティムコ社が、Fenwick(フェンウィック)の日本国内用モデルの企画開発をしていることにつながっている(乙10)。 Aが達成した記録の一例として、ブラウントラウトの記録の認定がなされている(乙11及び乙12)。 (3)Aと本件商標との関係 Aは、2003年頃に、ティムコ社より、ティムコ社が開発する釣りざおの開発に参画するよう持ち掛けられ、完成した釣ざおに「ZENITH」という名前を付けた。 (4)「ZENITH」を付した釣ざおのモデル 2005年のティムコ社のカタログに名称「Zenith」とする釣ざおの掲載が開始され、現在まで続いている(乙18)。このカタログは、使用目的別に商品が分類されており、26ページ目からは、「trout rods & lures」向けに目次に付された緑の色で統一されたページで、鱒用のさおなどが掲載されている。「ZENITH」が使用されているのは鱒用の用具のカテゴリーである。 釣りの愛好家は、魚の種類に応じて、少しでもその魚種に適したさおを選定する。したがって、本カタログで緑色で統一された、鱒を対象としたページには大きな意味があり、本カタログを看取する需要者は、釣り道具の選定に当たり、鱒についての道具を閲覧していることを明確に認識した上で閲覧するものである。 回遊する鱒は個体が巨大化し、銀色に輝くことから、鱒の回遊魚を狙うためのさおを区別するため、その色を表した「Silver」(銀色)を「Zenith」より前に付し、魚体が黄金色に光るブラウントラウトを狙うさおに「Golden」(金色の)を付し、魚体が虹色に光るニジマスを狙うためのさおに「Rainbow」(虹色)を付した。 また、「Ultra Zenith」は、当時、日本国内のレイクトローリングは釣り糸の強度が18ポンドといわれるものが主流であった中、12ポンド専用の釣りざおとして開発された。これまでとは全く異なった次元の釣りざおで今まで味わったことのない新しい体験をするという意味を込めて、接頭語として「Ultra」を採用した。 このように、数字や記号からなる型番でない、英単語の組み合わせからなる識別標識を付したさおのモデルは、ティムコ社が販売するさおの中でも特別であり、自他商品識別性があるものである。 「ZENITH」の前の接頭語「Silver」、「Golden」、「Rainbow」は、鱒の種類ごとに異なる鱒の色と関連しているにすぎず、鱒向けのさおとの関係では、その用途、つまり、適した鱒の中での魚種を区別するための標識であって、識別力が乏しく、さおの名称として統一された識別標識は、「ZENITH」である。 (5)本件商標の使用について 「Golden Zenith」、「Rainbow Zenith」、「Silver Zenith」、「Ultra Zenith N+」の横に記載された片仮名の表示「ゴールデンゼニス」、「レインボーゼニス」、「シルバーゼニス」、「ウルトラゼニスエヌプラス」は、これらの記載の読みを片仮名で表した、発音をするための表示にすぎない。 釣り具の販売時に、商標の読みの片仮名の表示が併記されることは、釣り具業界で一般的な表示といえる(乙21ないし乙23)。 「Golden Zenith」、「Rainbow Zenith」、「Silver Zenith」のうち「Zenith」部分が要部であると認められ、これは本件商標の2文字目以降を小文字にする変更を施したものの、同一の文字からなるものといえるから、本件商標と社会通念上同一の商標である。 (6)「Ultra Zenith N+」の使用について 「Ultra」は、品質や効能その他の特徴を表す表示として、釣り具との関係で自他商品識別機能を有するものではない。 語尾の「N+」は、正確には「Nano-plus」、「Nano+」を表す(乙25)。「Nano」は10億分の1なる単位を表す英語表記であり、それ自体自他商品識別機能を備えない表示である。「N」はアルファベット1文字であり、「+」もありふれた記号である点で自他商品識別機能を備えず、「plus」は、需要者によく知られた英単語で「足す」という意味で商品等の質、性質を表すために使われる語であり、識別機能に乏しい表示である。 「Ultra Zenith N+」を構成する「Ultra」、「Zenith」及び「N+」の各構成要素は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく、「Zenith」部分が要部、すなわち自他商品の識別機能を果たす部分であると認識される。 4 カタログの頒布時期について 製品カタログは、ティムコ社の依頼に基づき、株式会社マイナビサポートによって2018年(平成30年)2月5日及び2019年(平成31年)2月4日に代行発送された(乙26及び乙27)。 製品カタログの発送先は、ティムコ社の製品を取り扱う釣り具販売店である(乙28)。 第4 当審の判断 1 被請求人は、本件商標の通常使用権者であるティムコ社(乙3及び乙4)が、ティムコ社の製品を取り扱う釣り具販売店(乙28)に対し、本件商標と社会通念上同一の使用商標を付した釣りざおの製品カタログ(乙5の2、乙6の2、乙19及び乙20)を、平成30年2月5日及び同31年2月4日に代行発送した(乙26及び乙27)、すなわち要証期間内に頒布したと主張している。 2 被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。 (1)ティムコ社が発行した「TIEMCO 2018 FLY&LURE FISHING CATALOG」(乙5の2及び乙19)及び「TIEMCO 2019 FLY&LURE FISHING CATALOG」(乙6の2及び乙20)と題する商品カタログ(以下「本件カタログ」という。)には、「TROUT RODS & LURES(トラウトロッド&ルアー)」の項に、「釣りざお」(以下「使用商品」という。)が掲載されている。 (2)本件カタログに掲載されている使用商品のうち、モデル名が「GFS75SM-2J」の商品には、「Rainbow Zenith」の文字からなる商標(以下「使用商標1」という。)が記載されている。また、商品の説明として「ボートからのレインボーを狙ったバルサミノーのタダ巻き用のロッド」及び「70cmUPのレインボーでも主導権を握ることができるバットパワー」との記載がある。 (3)本件カタログに掲載されている使用商品のうち、モデル名が「TPMX93CMH-3J」の商品には、「Ultra Zenith N+」の文字からなる商標(以下「使用商標2」という。)が記載されている。 3 本件商標と使用商標1及び2との社会通念上同一性について 本件商標は、前記第1のとおり、「ZENITH」の文字を表してなるものである。 他方、使用商標1及び2は、前記2(2)及び(3)のとおり、「Rainbow Zenith」又は「Ultra Zenith N+」の文字からなるものであり、いずれも同書、同大でまとまりよく一体に表されているものであり、これらから生じる「レインボーゼニス」又は「ウルトラゼニスエヌプラス」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、たとえ「Rainbow(レインボー)」が「レインボートラウト(ニジマス)」の略称であり、「Ultra」が「超」又は「最上」等を表す接頭語であるとしても、かかる構成及び称呼においては、使用商標1及び2は、全体として特定の観念を生じない不可分一体のものとして把握され、認識されるものとみるのが相当である。 そうすると、使用商標1及び2は、「ZENITH」の文字からなる本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。 したがって、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用をされているということはできない。 4 被請求人の主張について (1)被請求人は、回遊する鱒は銀色に輝くことから、鱒の回遊魚を狙うためのさおには「Silver」(銀色)を、魚体が黄金色に光るブラウントラウトを狙うさおには「Golden」(金色の)を、魚体が虹色に光るニジマスを狙うためのさおには「Rainbow」(虹色)を「Zenith」より前にそれぞれ付したことから、これらは、鱒の種類ごとに異なる鱒の色と関連しているにすぎず、識別力が乏しく、「Zenith」部分が要部である旨主張している。 前記2(2)のとおり、ティムコ社が発行する本件カタログにおいて、使用商品の説明として「ボートからのレインボーを狙ったバルサミノーのタダ巻き用のロッド」及び「70cmUPのレインボーでも主導権を握ることができるバットパワー」との記載があることからして、ティムコ社は、特定の魚を「レインボー」と称していることが認められる。 しかしながら、釣り具を取り扱う業界一般において、「Silver」、「Golden」又は「Rainbow」の語が魚の種類を表し、釣りざおの用途を表すものとして使用されていること又は認識されていることを示す証拠は何ら提出されておらず、また、職権による調査によっても、そのような実情を認めるに足る証拠は発見できない。 そうすると、仮に「Rainbow」の文字(語)が魚の種類を暗示させることがあるとしても、「Rainbow Zenith」の文字からなる使用商標1は、前記3のとおり、全体として特定の観念を生じない不可分一体のものとして把握され、認識されるものとみるのが相当である。 したがって、使用商標1は、「Zenith」の文字部分が要部であるということはできない。 (2)被請求人は、「Ultra」は品質や効能その他の特徴を表す表示であり、「N+」は「Nano-plus」又は「Nano+」を表し、「Nano」は自他商品識別機能を備えず、「N」はアルファベット1文字であって「+」もありふれた記号であり自他商品識別機能を備えず、「plus」は「足す」という意味で識別機能に乏しい表示などと主張し、「Ultra Zenith N+」は「Zenith」が要部である旨主張している。 しかしながら、釣り具を取り扱う業界一般において、被請求人が主張するような実情があることを示す証拠は何ら提出されておらず、また、職権による調査によっても、そのような実情を認めるに足る証拠は発見できない。 そうすると、仮に「Ultra」の文字(語)が品質を暗示させることがあるとしても、「Ultra Zenith N+」の文字からなる使用商標2は、前記3のとおり、全体として特定の観念を生じない不可分一体のものとして把握され、認識されるものとみるのが相当である。 したがって、使用商標2は、「Zenith」の文字部分が要部であるということはできない。 (3)被請求人は、本件商標と使用商標1及び2との社会通念上同一性について、その他、るる主張するところがあるが、いずれも上記判断を左右するものではない。 5 まとめ 以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人が、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る商品についての本件商標の使用をしていることを証明したとはいえず、また、当該使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたともいえない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-300424

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